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JP5428563B2 - 物品保持装置 - Google Patents

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JP5428563B2 JP2009144576A JP2009144576A JP5428563B2 JP 5428563 B2 JP5428563 B2 JP 5428563B2 JP 2009144576 A JP2009144576 A JP 2009144576A JP 2009144576 A JP2009144576 A JP 2009144576A JP 5428563 B2 JP5428563 B2 JP 5428563B2
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Description

本発明は複数の保持手段によって物品を保持する物品保持装置に係り、特に、それぞれ物品を保持した複数の保持手段の間隔を調整した後、箱詰め等の処理を行う物品保持装置に関するものである。
例えば、搬送コンベヤによって所定の間隔をあけて搬送されてきた物品を、複数の保持手段によってそれぞれ保持させ、その後、複数の保持手段によって保持されている物品の間隔を接近させた後箱詰め等を行う装置は従来から知られている(特許文献1または特許文献2参照)。
前記特許文献1に記載された箱詰装置に設けられている物品保持装置(この特許文献では吸着カップホルダと呼んでいる)は、端部位置の一つの固定カップ吊体と、Y−Y方向(複数のカップ吊体が一列に並んでいる方向)に移動できるようにした6個の移動カップ吊体を備えている。これら7個のカップ吊体は、いずれも上下駆動されるピストンロッドを下方に有するエアシリンダ装置を吊杆とし、そのピストンロッドの下端に吸着カップを備えている。また、前記7個のカップ吊体には、ピッチ調整手段として、サーボモータを駆動手段としたパンタグラフ機構が設けられている。前記吸着カップホルダは、ブラケットを介して作業ロボットに連結されている。
特許文献1に記載された吸着カップホルダは、複数のカップ吊体をエアシリンダ装置によって個々に昇降させて、一定の間隔で搬送されてきた物品を吸着保持し、ピッチ調整手段によって移動カップ吊体を移動させて物品の間隔を接近させた後箱詰めを行うようになっている。
また、特許文献2に記載された箱詰め装置は、多軸方向の動作を自由に行うことができる多軸ロボットと、パウチを複数個一度に把持するチャック機構およびチャック機構に把持されたパウチ同士の間を一定間隔に幅寄せする幅寄せ機構が集約され、多軸ロボットの作動部先端に取り付けられたロボットハンド(本発明の物品保持装置に相当する)とを備えている。
この特許文献2に記載されたロボットハンドは、バケットで支持されて搬送されてきたパウチを、一体として下降するチャック機構によって把持し、幅寄せ機構によってパウチの幅寄せを行った後箱詰めを行うようになっている。
特許第3702073号公報 特開2001−97307号公報
前記各特許文献の構成では、物品を保持した複数の物品保持手段の間隔を調整した後箱詰めを行うようになっている。このように複数の物品保持手段の間隔を変更するためにピッチ拡縮機構(特許文献1ではピッチ調整手段、特許文献2では幅寄せ機構と呼ぶ)が設けられているが、この機構は構造が複雑であり、また、重量が大きいためロボットの動作を速くすることができないという問題があった。
請求項1に記載した発明は、物品を保持する複数の保持手段を備え、これら保持手段の相互の間隔を変更可能にした物品保持装置において、ベース部材に複数の進退動手段を取り付け、これら各進退動手段に前記保持手段をそれぞれ支持させるとともに、前記各進退動手段のベース部材への取り付け角度を順次異ならせることにより、前記進退動手段によって保持手段を前進させたときと、後退させたときの、保持手段の相互の間隔を異ならせたことを特徴とするものである。
また、請求項2に記載した発明は、請求項1の発明に、前記複数の進退動手段が流体シリンダであることを付加したものである。
さらに、請求項3に記載した発明は、請求項1または請求項2の発明に、前記進退動手段によって進退動される保持手段の、保持する物品に対して遠い側の移動端における相互の間隔を、保持する物品に対して近い側の移動端における相互の間隔よりも大きくしたことを付加したものである。
請求項4に記載した発明は、請求項1ないし請求項3の発明に、前記複数の進退動手段のうち、端部に位置する進退動手段を、保持される物品が置かれた平面に対して進退動方向が直角となるように配置し、他の進退動手段を、前記端部に位置する進退動手段から離れるに従って順次傾斜角度が大きくなるように配置したことを付加したものである。
請求項5に記載した発明は、請求項1ないし請求項4の発明に、前記複数の保持手段を物品から遠い側の移動端に待機させ、順次物品に近い側の移動端に移動させて物品を保持して元の位置に戻すことにより、所定個数の物品を保持させることを付加したものである。
請求項6に記載した発明は、請求項1ないし請求項4の発明に、前記保持手段は、相互の間隔が広い移動端で物品を保持し、間隔の狭い移動端でその物品を解放することを付加したものである。
請求項7に記載した発明は、請求項1ないし請求項4の発明に、前記進退動手段により整列した物品相互の間隔に保持手段相互の間隔を合わせてから、各保持手段で物品を保持することを付加したものである。
本発明の物品保持装置は、進退動手段によって保持手段を前進させた場合と、後退させた場合とで保持手段の相互の間隔を異ならせることができるので、進退動手段とは別に拡縮機構を設ける必要がないため、装置の軽量化を図ることができ、動作を速くすることができる。また、装置の構成が簡単になり小型化、低コスト化を図ることができる。しかも、拡縮機構を設けた場合に必要な配線等が不要であり、断線の危険がなくなるという効果も得られる。
図1は本発明の一実施例に係る物品保持装置を備えた箱詰め装置の全体の配置を示す平面図である。(実施例1) 図2は前記箱詰め装置の側面図である。 図3(a)〜(e)は物品保持装置の作動を順次説明する説明図である。 図4は他の実施例に係る物品保持装置を備えた箱詰め装置の構成を簡略化して示す平面図である。(実施例2) 図5は図4に示す実施例に係る物品保持装置の要部を示す図である。 図6(a)、(b)は他の実施例に係る物品保持装置を備えた箱詰め装置の要部の平面図である。(実施例3)
物品を保持する複数の保持手段が、ベース部材に取り付けられた複数の進退動手段にそれぞれ支持されており、これら進退動手段は、ベース部材への取り付け角度が順次異なるように傾斜させて取り付けられている。進退動手段によって保持手段を前進させたときと、後退させたときとは、保持手段の相互の間隔が異なる。
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。この実施例に係る物品保持装置2はロボットハンド4に取り付けられ、ロボット6の動作によって移動されるようになっており、連続して走行する供給コンベヤ8上を搬送されてきた物品10を保持して、バケットコンベヤ12に所定の間隔で設けられているバケット14内に挿入する。バケットコンベヤ12は間欠的に走行、停止をするようになっており、停止中に、前記バケット14内に収容されている物品10を、後方からプッシャ(図示せず)によって押圧してケース16内に挿入する。
物品10をこのロボット6が設置されている位置(物品保持位置G)まで供給する供給コンベヤ8は、長方形の物品10を、縦方向を向け(物品10の長手方向を搬送方向の前後に向け)、適宜の間隔をあけて、上流側から一列で搬送する第1供給コンベヤ8Aと、この第1供給コンベヤ8Aの下流端に直交する方向を向けて配置された第2供給コンベヤ8Bとを備えている。第1供給コンベヤ8Aによって縦方向に並べられて一列で搬送されてきた物品10は、第2供給コンベヤ8Bに乗り移って横向きに並べられた状態(長手方向を搬送方向の左右に向けた状態)で、前後に適宜の間隔をあけて搬送される。第2供給コンベヤ8Bの物品搬送経路の上方には、物品10の方向等を検出するカメラ18が配置されており、このカメラ18からの信号によって後に説明する物品保持装置2の動作が制御される。
次に、図1ないし図3により物品保持装置2の構成について説明する。この物品保持装置2は、ロボットハンド4に取り付けられるベース部材20と、このベース部材20に、等間隔で一列に固定される複数本(この実施例では5本)のエアシリンダ(進退動手段)22と、これら各エアシリンダ22のピストンロッド24に取り付けられている複数のグリップ部材(保持手段)26とを備えている。なお、エアシリンダ、ピストンロッドおよびグリップ部材を、それぞれ全体として符号22、24、26で示し、個々のエアシリンダ、ピストンロッドおよびグリップ部材は、前記符号に、A〜Eを付して説明する。
ベース部材20に一列で固定されている5本の各エアシリンダ22は、ピストンロッド24を軸方向に直線上で往復動することにより伸縮するようになっており、そのうち一方の端部(図3の左側の端部)側のエアシリンダ(以下、第1エアシリンダ22Aと呼ぶ)は、ベース部材20に対して直角に固定されている。この第1エアシリンダ22Aに隣接する第2エアシリンダ22Bは、第1エアシリンダ22Aに対して所定の角度傾斜させてベース部材20に固定されている。この実施例では、ベース部材20に直角に固定された第1エアシリンダ22Aに対して、上部側を離隔させる方向に3度傾斜させて固定されている。また、その次の第3エアシリンダ22Cは、第1エアシリンダ22Aに対して、上部側が離隔する方向に6度傾斜させている。つまり、第1エアシリンダ22Aに対して3度傾斜している第2エアシリンダ22Bよりもさらに3度大きく傾斜させている。その次の第4エアシリンダ22Dは、第1エアシリンダ22Aに対して9度傾斜させており、第3エアシリンダ22Cよりもさらに3度大きく傾斜させている。第1エアシリンダ22Aと逆側の端部(図3の右側の端部)に位置する第5エアシリンダ22Eは、第1エアシリンダ22Aに対して12度傾斜させており、第4エアシリンダ22Dよりもさらに3度大きく傾斜させている。つまり、5本のエアシリンダ22(22A、22B、22C、22D、22E)は、同一の垂直な平面内に一列で配置されており、一番端部側の第1エアシリンダ22Aがベース部材20に対して直角に固定され、次の第2エアシリンダ22Bから他端の第5エアシリンダ22Eまでの4本のエアシリンダ22は、第1エアシリンダ22Aに対して、3度ずつ傾斜が大きくなるように、ベース部材20に固定されている。なお、第1エアシリンダ22Aは、ベース部材20に直角に固定されているが、前記グリップ部材26によって物品10の保持動作を行うときには、ベース部材20を水平な状態にしているので、第1エアシリンダ22Aは、物品10が載っている第2供給コンベヤ8Bの搬送面に対して直角方向(鉛直方向)を向けた状態で使用される。
前記物品保持装置2に設けられた5個のグリップ部材26(図3の左から順に26A、26B、26C、26D、26E)は、全てのエアシリンダ22(22A、22B、22C、22D、22E)のピストンロッド24(図3の左から順に24A、24B、24C、24D、24E)が収縮して上昇端位置にあるとき(図3(a)参照)も、全てのエアシリンダ22が伸長して下降端位置にあるとき(同図(e)参照)もそれぞれ等間隔に位置しており、かつ、上昇端位置にあるときが下降端位置にあるときよりも大きい間隔を有している。
なお、エアシリンダ22の傾斜角度は前記数値に限定されるものではなく、任意に設定することができる。傾斜角度を大きくすれば、エアシリンダ22の伸長時と収縮時におけるグリップ部材26(26A、26B、26C、26D、26E)相互の間隔の差をより大きくすることができ、逆に傾斜角度を小さくすれば、相互の間隔の差が小さくなる。また、前記実施例では、第2エアシリンダ22Bから第5エアシリンダ22Eまでを3度ずつ傾斜角度が大きくなるように配置したが、必ずしも同じ角度ずつ傾斜を大きくする必要はなく、傾斜角度を適宜異ならせることもできる。このようにエアシリンダ22(22A、22B、22C、22D、22E)の傾斜角度を異ならせると、グリップ部材26(26A、26B、26C、26D、26E)相互の間隔を、前進時(エアシリンダ22の伸長時)と後退時(エアシリンダの収縮時)ともに等間隔にすることはできない。しかしながら、グリップ部材26が保持した物品10をケース(箱体だけでなく、バケットコンベヤ12のバケット14等も含む)内に挿入する際には、グリップ部材26(26A、26B、26C、26D、26E)の間隔がほぼ等しいことが好ましいが、グリップ部材26(26A、26B、26C、26D、26E)相互の間隔が開いているときには等間隔である必要はない。また、エアシリンダ22の伸縮のストロークによっても、伸長時と収縮時におけるグリップ部材26相互の間隔の差を変えることができる。
以上の構成に係る物品保持装置2を備えた箱詰め装置の作動について説明する。第1供給コンベヤ8Aによって縦方向を向けて一列で搬送されてきた長方形の物品10は、第1供給コンベヤ8Aの下流端に、この第1供給コンベヤ8Aと直交する方向を向けて配置された第2供給コンベヤ8Bに乗り移り、横向き、つまり物品10の長手方向を搬送方向の左右に向けて、前後に適宜の間隔をあけた状態で搬送される。第2供給コンベヤ8Bの物品搬送経路の上方にカメラ18が設置されており、搬送される物品10の方向等を検出している。このカメラ18の検出信号は図示しない制御装置に入力され、ロボット6による物品保持装置2の動作を制御する。
第2供給コンベヤ8Bによって搬送されてきた物品10が、物品保持装置2による物品保持位置Gに到達すると、物品保持装置2に設けられた5個のグリップ部材(保持手段)26(26A、26B、26C、26D、26E)が、順次、物品10を1個ずつ保持する。ロボットハンド4にベース部材20を介して取り付けられている5本のエアシリンダ22(22A、22B、22C、22D、22E)は、端部の1本(第1エアシリンダ22A)がベース部材20に対して直角に固定されており、この第1エアシリンダ22Aが第2供給コンベヤ8Bの搬送方向上流側を向き、他端の第5エアシリンダ22Eが搬送方向下流側を向くように配置されている。このエアシリンダ22が取り付けられたベース部材20を水平な状態にして、グリップ部材26による物品10の保持および解放を行う。そして、この実施例の物品保持装置2による物品10の保持動作を開始する前は、全てのエアシリンダ22のピストンロッド24が収縮して、各グリップ部材26は上昇した位置にある(図3(a)参照)。
この物品保持装置2によって物品10を保持する際には、保持しようとしている先頭の物品10の向きにグリップ部材26Eを一致させるとともに、その物品10の移動に合わせてベース部材20を移動させた状態で、5本のエアシリンダ22(22A、22B、22C、22D、22E)のうち最も下流側に位置している第5エアシリンダ22Eが最初に作動して、ピストンロッド24Eを伸張させてグリップ部材26Eを前進(下降)させる。この第5エアシリンダ22Eに取り付けられているグリップ部材26Eが、第2供給コンベヤ8Bによって搬送されてきた先頭の物品10を保持する(図3(b)参照)。第5エアシリンダ22Eのグリップ部材26Eが物品10を保持すると、このエアシリンダ22Eのピストンロッド24Eが収縮して物品10を保持したグリップ部材26Eを後退(上昇)させる。続いて、同様にして下流側から2番目の第4エアシリンダ22Dが作動してグリップ部材26Dを下降させ、第2供給コンベヤ8Bによって搬送されてきた2番目の物品10を保持する(図3(c)参照)。この第4エアシリンダ22Dのピストンロッド24を収縮させてグリップ部材26Dが保持している物品10を上昇させる。先に上昇している第5エアシリンダ22Eのグリップ部材26Eが保持している物品10に対し、第4エアシリンダ22Dのグリップ部材26Dが保持している物品10が隣接した位置に上昇する。上昇位置では各グリップ部材26(26A、26B、26C、26D、26E)の相互の間隔が、下降位置にあるときの相互の間隔(この実施例では保持している物品10をバケット14に挿入する際の間隔)よりも広くなっており、保持されている物品10間に隙間があるので、物品10同士が擦れて落下してしまうおそれがない。
次に、第3エアシリンダ22Cの作動によりグリップ部材26Cを下降させ、3番目の物品10を保持して上昇する。さらに、第2エアシリンダ22B、第1エアシリンダ22Aが順次作動して、グリップ部材26B、26Aを下降させ、それぞれ物品10を保持した後上昇する。5本のエアシリンダ22(22A、22B、22C、22D、22E)が順次作動して、各グリップ部材26(26A、26B、26C、26D、26E)を下降させ、グリップ部材26が物品10を保持した後上昇させることにより、5本のエアシリンダ22にそれぞれ取り付けられている5個のグリップ部材26がそれぞれ物品10を保持して上昇した位置に停止する(図3(d)参照)。グリップ部材26の後退位置(上昇位置)では、グリップ部材26間の相互の間隔が大きくなっているので、各グリップ部材26に保持されている物品10は、隙間がある状態で並んでいる。
物品保持装置2の各グリップ部材26(22A、22B、22C、22D、22E)がそれぞれ物品10を保持した状態になると、ロボット6が、ロボットハンド4に連結された物品保持装置2を、第2供給コンベヤ8Bと平行して設置されているバケットコンベヤ12の上方に移動させ、これら5個の物品10をバケット14内に挿入する。バケット14のサイズは、5個の物品10を接近させた状態で収容できるようになっており、このバケット14内の上方の位置で、5本のエアシリンダ22(22A、22B、22C、22D、22E)を作動させてそれぞれ物品10を保持している5個のグリップ部材26(22A、22B、22C、22D、22E)を前進(下降)させて各グリップ部材26に保持している物品10の間隔を接近させる(図3(e)参照)。この後5個のグリップ部材26(26A、26B、26C、26D、26E)が設けられるベース部材20を下降させることで物品10をバケット14内に挿入する。従来の構成のように保持手段の間隔を調整するために拡縮機構を設けると、シリンダやサーボモータ等の駆動手段が必要であるが、この実施例に係る物品保持装置2は、グリップ部材26を支持しているエアシリンダ22はベース部材20に固定されており、これらエアシリンダ22の間隔を調整することなく、エアシリンダ22を作動、つまりピストンロッド24を伸縮させるだけでグリップ部材26の間隔を調整することができるので、物品保持装置2の構造を簡素化し軽量化を図ることができる。また、軽量化することによりロボット6の動作を速くすることができ、サイクルタイムを短縮することができる。さらに、前記サーボモータ等の駆動源を使用した場合のような配線が必要ないので、断線等の危険がなくなる。
なお、前記実施例では、エアシリンダ22のピストンロッド24を伸張させた状態で、グリップ部材26の相互の間隔を小さくし、収縮した状態で相互の間隔を大きくするように構成したが、エアシリンダ22の傾斜を逆にすることにより、伸張時にグリップ部材26相互の間隔を大きくし、収縮時に相互の間隔を小さくすることもできる。また、前記実施例では、第1エアシリンダ22Aを直立させて配置し、第2エアシリンダ22Bから第5エアシリンダ22Eまでを同じ方向に順次大きい傾斜を持たせるように配置したが、例えば、中央のエアシリンダを直立させて配置し、その両側の各2本のエアシリンダを逆方向に傾斜させるようにすることもできる。但し、両側のエアシリンダを逆方向に傾斜させた場合には、外側のエアシリンダのグリップ部材から順に物品を保持する等、物品を保持する順序を制御する必要があり、サイクルタイムが延びるという問題が発生するので、前記実施例のように端部のエアシリンダ22Aを鉛直方向に向け、他端側に向けて、エアシリンダ22(22B、22C、22D、22E)を順次大きく傾斜させるようにした構成の方が好ましい。
図4および図5は、第2の実施例に係る物品保持装置102を備えた箱詰め装置を示す図であり、この実施例では、例えば、キャリア130に挿入されて搬送される農産物132の箱詰めを行う。農産物132は1個ずつキャリア130に挿入され、供給コンベヤ108によって一列で前後に適宜の間隔をあけて搬送される。これら農産物130は、サイズ等の基準によって分類され、第1仕分けコンベヤ134Aまたは第2仕分けコンベヤ134Bに導入される。各仕分けコンベヤ134A、134Bは、それぞれほぼコ字状の搬送経路を有しており、供給コンベヤ108から導入されたキャリア130入りの農産物132を箱詰め位置CA、CBまで送り込む。各仕分けコンベヤ134A、134Bの箱詰め位置CA、CBには、ストッパ136A、136Bが設けられており、キャリア130に収容された農産物132を停止させる。
箱詰め位置CA、CBには、前記実施例と同様のロボット6によって動作される物品保持装置102(図4参照)が配置されており、この物品保持装置102によって、キャリア130内の農産物132を保持してキャリア130から取り出し、ケース116内に挿入する。農産物132が取り出されたキャリア130は、ストッパ136A、136Bが開放して下流側に送り出され、キャリア還流コンベヤ138に載せられて物品供給位置(図示しないが図4の左側に位置している)に戻される。また、ストッパ136A、136Bは、農産物132が取り出された空のキャリア130を送り出した後、再び仕分けコンベヤ上134A、134B上に突出して、農産物132を収容している後続のキャリア130を停止させる。
この実施例の物品保持装置102は、図5に示すように、ロボットハンド4に取り付けられるベース部材120に5本のエアシリンダ122(122A、122B、122C、122D、122E)が、一列に等間隔で固定されている。これらのエアシリンダ122は、前記第1実施例と同様に端部の一本122Aがベース部材120に対して直角に固定され、第2エアシリンダ122Bから第5エアシリンダ122Eまでは、順に3度ずつ大きく傾斜させている。また、エアシリンダ122のピストンロッド124(124A、124B、124C、124D、124E)の先端部に取り付けられている保持手段126(126A、126B、126C、126D、126E)はバキュームカップであり、図示しないバキューム源に接続され、供給コンベヤ108によって搬送されてきた物品(農産物132)を吸着保持する。従って、第1実施例の物品保持装置2と同様に、エアシリンダ122のピストンロッド124が収縮してバキュームカップ126を後退(上昇)させているときには、エアシリンダ122がピストンロッド124を伸張させてバキュームカップ126を前進(下降)させているときよりも、各バキュームカップ126(126A、126B、126C、126D、126E)の間隔が大きくなっている。また、エアシリンダ122がベース部材120に等間隔で固定され、第1実施例と同様に同じ角度ずつ傾斜を大きくしているので、ピストンロッド124を伸張させてバキュームカップ126を前進させたときも、各バキュームカップ126は等間隔に位置している。
この第2実施例では、仕分けコンベヤ134A、134Bのストッパ136A、136Bによって停止しているキャリア130入りの農産物132を、物品保持装置102によって5個同時に保持する。保持する際には、5本のエアシリンダ122のピストンロッド124を収縮させた状態にして、全てのバキュームカップ126を上昇させておく。農産物132がそれぞれキャリア130に収容されており、仕分けコンベヤ134A、136B上の農産物132は間隔が広くなっているので、各バキュームカップ126を後退(上昇)させて相互の間隔を広くした状態で農産物132を吸着保持する。バキュームカップ126によって農産物132を吸着保持した後、物品保持装置102全体を上昇させて農産物132をキャリア130から取り出す。その後、各エアシリンダ122のピストンロッド124を伸張させて、農産物130を保持しているバキュームカップ126を前進(下降)させる(図5に示す状態)。このように各エアシリンダ122を作動させてバキュームカップ126を下降させると、それぞれの間隔が狭くなり、保持されている農産物132が接近する。この状態でケース116内に農産物132を挿入する。この実施例では、安定性が悪い農産物132をキャリア130に収容して搬送しているので、供給コンベヤ108上では農産物132の間隔が広く、また、ケース116内に挿入する際には、農産物132の間隔を狭くする必要があるが、各エアシリンダ122のピストンロッド124を伸縮させるだけで、全てのバキュームカップ126の相互の間隔を拡縮することができるので、前記第1実施例と同様の効果を奏することができる。なお、キャリア130に収容して搬送する物品は農産物132に限るものではなく、その他の物品に適用することもできる。
図6(a)、(b)は第3の実施例に係る物品保持装置によって行う物品の箱詰め工程を説明する図である。この実施例では、物品保持装置の構造は前記各実施例と同様のものまたはその他の構成のものを用いることができるが、その使用方法が異なっている。例えば、第1実施例では、物品保持装置2の5本のエアシリンダ22に取り付けられている5個のグリップ部材26を、1個ずつ前進(下降)させて物品10を保持した後、後退(上昇)させることにより、5個の物品10を順次保持させ、その後、物品10を保持している5個のグリップ部材26を一度に前進させることにより、物品10を互いに接近させた状態にしてバケット14内に挿入していたが、この実施例では、物品を保持するときとケース内に挿入するときの、シリンダの作動状態は同じである。つまり、エアシリンダのピストンロッドを収縮させた状態で物品を保持したときは、その状態のままで物品をケース内に挿入し、エアシリンダのピストンロッドを伸張させた状態で物品を保持したときには、その状態のままで物品をケース内に挿入する。そして、物品のサイズに応じてエアシリンダの伸縮状態を変更する。
この実施例の物品保持装置の作動について図6により説明する。なお、物品保持装置については、第1実施例の物品保持装置2と同一の符号により説明する。図6(a)は、サイズの大きい容器210Aを保持してケース216A内に箱詰めを行う場合を示す図であり、図6(b)はサイズの小さい容器210Bを保持してケース216B内に箱詰めを行う場合を示す図である。サイズの大きい容器210Aの場合には、物品保持装置2のグリップ部材26の間隔を広くしておかないとグリップ部材26が保持している容器210Aが干渉してしまうので、エアシリンダ22のピストンロッド24を収縮させた状態(グリップ部材26を上昇させた状態)にしておく。供給コンベヤ208Aによって搬送されてきた容器210Aは、供給コンベヤ208A上に設けられたストッパ236Aによって箱詰め位置に停止されている。この状態で、ロボット4の作動によって、物品保持装置2が供給コンベヤ208A上の容器210Aに接近し、グリップ部材26が一斉に容器210Aを保持する。そして、このまま容器保持手段2を上昇させて供給コンベヤ208A上から容器210Aを取り上げ、ケース216Aの上方に移動して、そのままの状態(エアシリンダ22によってグリップ部材26を後退させた状態)でケース216A内に挿入する。なお、この実施例では、容器210Aのサイズが大きいためケース216A内に4本ずつ挿入するようになっているので、物品保持装置2は4個のグリップ部材26を使って4個の容器210Aを保持するようにしている。
また、同じ物品保持装置2を使って小型の容器210Bを保持してケース216B内に挿入する場合には、図6(b)に示すように、容器210Bの間隔が狭いので、物品保持装置2の各エアシリンダ22を作動させてピストンロッド24を伸張させる。ピストンロッド24の先端に取り付けられているグリップ部材26が前進(下降)すると、互いに接近した状態になる。この状態のままロボット4の作動によって、物品保持装置2を供給コンベヤ208B上に移動させ、各グリップ部材26によって同時に容器210Bを保持する。なお、小型の容器210Bの場合には、ケース216B内に5個ずつ挿入するようになっており、物品保持装置2が備えている5個のグリップ部材26全てを使って同時に容器216Bを保持する。次に、エアシリンダ22のピストンロッド24を伸張させて5個の保持手段26を前進させた状態のまま、物品保持装置2を移動させて5個の物品210Bをケース216B内に挿入する。この実施例では、容器210A、210Bを保持する際とケース216A、216Bに挿入する際に、グリップ部材26の間隔を拡縮するのではなく、大きいサイズの容器210Aの保持、挿入を行う際には、グリップ部材26の間隔を大きくしたままで、また、小さいサイズの容器210Bの場合には、グリップ部材26の間隔を小さくした状態のままで、容器216A、216Bの保持および挿入を行う。この場合でも、エアシリンダ22の作動だけで、グリップ部材26の間隔を変更することができ、従来のような拡縮機構を設ける必要がないので、前記各実施例と同様の作用効果を奏することができる。
2 物品保持装置
10 物品
20 ベース部材
22 進退動手段(エアシリンダ)
26 保持手段(グリップ部材)

Claims (7)

  1. 物品を保持する複数の保持手段を備え、これら保持手段の相互の間隔を変更可能にした物品保持装置において、
    ベース部材に複数の進退動手段を取り付け、これら各進退動手段に前記保持手段をそれぞれ支持させるとともに、前記各進退動手段のベース部材への取り付け角度を順次異ならせることにより、前記進退動手段によって保持手段を前進させたときと、後退させたときの、保持手段の相互の間隔を異ならせたことを特徴とする物品保持装置。
  2. 前記複数の進退動手段が流体シリンダであることを特徴とする請求項1に記載の物品保持装置。
  3. 前記進退動手段によって進退動される保持手段の、保持する物品に対して遠い側の移動端における相互の間隔を、保持する物品に対して近い側の移動端における相互の間隔よりも大きくしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載した物品保持装置。
  4. 前記複数の進退動手段のうち、端部に位置する進退動手段を、保持される物品が置かれた平面に対して進退動方向が直角となるように配置し、他の進退動手段を、前記端部に位置する進退動手段から離れるに従って順次傾斜角度が大きくなるように配置したことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の物品保持装置。
  5. 前記複数の保持手段を物品から遠い側の移動端に待機させ、順次物品に近い側の移動端に移動させて物品を保持して元の位置に戻すことにより、所定個数の物品を保持させることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の物品保持装置。
  6. 前記保持手段は、相互の間隔が広い移動端で物品を保持し、間隔の狭い移動端でその物品を解放することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の物品保持装置。
  7. 前記進退動手段により整列した物品相互の間隔に保持手段相互の間隔を合わせてから、各保持手段で物品を保持することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の物品保持装置。
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