JP5427679B2 - 床反力計測システム及び方法 - Google Patents
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Description
ここで、被験者が杖を突きながらフォースプレートの踏み板上を歩行した時には、被験者の足からの荷重のみならず杖の先端からの荷重が踏み板に作用することになるため、フォースプレートで取得される反力は被験者に作用する力を正確に表すものではない。
したがって、従来は、杖を用いた動作を計測する際にフォースプレートに杖を突かないようにして計測を行っている。より具体的には、杖を突くための床反力計と足を載せるための床反力計を別個用意し、それぞれ床反力を計測したり(特許文献2)、フォースプレートの踏み板に杖が載らないように踏み板の上に別の板を渡したり、フォースプレートの踏み板の外側に杖を突くようにして計測している。
少なくとも1枚の踏み板と、当該踏み板の所定の複数箇所に設けた荷重検出手段と、を備えたフォースプレートと、
先端に荷重センサを備えた杖と、
被験者が杖を突きながら1枚の踏み板上で運動した時の床反力F1の3軸方向の成分F1x、F1y、F1zを取得する手段と、
被験者の運動時の杖の姿勢を取得する手段と、
被験者が杖を突いた時の前記荷重センサで検出した荷重情報及び取得された杖の姿勢から杖に作用する反力F2の3軸方向の成分F2x、F2y、F2zを取得する手段と、
床反力F1の3軸方向の成分F1x、F1y、F1zと杖の反力F2の3軸方向の成分F2x、F2y、F2zとから、被験者の足に作用する反力F3の3軸方向の成分F3x、F3y、F3zを取得する手段と、
を備えた床反力計測システム、である。
1つの態様では、前記システムは、さらに、
床反力F1が作用する踏み板上の荷重中心位置P1(x1,y1)を取得する手段と、
被験者の運動時の杖の位置を取得し、杖の反力F2が作用する踏み板上の位置P2(x2,y2)を取得する手段と、
床反力F1及び位置P1、杖の反力F2及び位置P2、及び足の反力F3とから、足の反力F3が作用する踏み板上の位置P3(x3,y3)を取得する手段と、
を備えている。
本発明の床反力計測システムによって、フォースプレートに加わる力F1と位置(荷重中心)P1を、杖の力F2と位置P2、及び人に加わる力F3と位置P3に分解することができる。
1つの態様では、前記モーションキャプチャ手段は、光学式モーションキャプチャであり、
前記杖の長さ方向に離間させて設けた少なくとも2つのマーカーと、
被験者が杖を突きながら運動する時に杖を撮影する複数のカメラと、
各カメラで取得された画像からマーカーの三次元位置を求めて、杖の位置及び姿勢を取得する手段と、
を備えている。
本発明に適用し得るモーションキャプチャは、光学式モーションキャプチャに限定されるものではなく、杖の位置及び姿勢を取得できるものであれば他の方式のモーションキャプチャでもよい。
被験者がフォースプレートの踏み板上で杖を突きながら運動した時に当該被験者の足に作用する反力を取得する方法であって、
被験者の運動時の床反力F1(F1x、F1y、F1z)をフォースプレートによって取得し、
杖の先端に荷重センサを設けると共に、被験者の運動時の杖の姿勢を取得することで、前記荷重センサにより得られた杖の軸方向の力と杖の姿勢とから被験者が杖を突いた時に当該杖に作用する反力F2(F2x、F2y、F2z)を取得し、
床反力F1(F1x、F1y、F1z)から杖の反力F2(F2x、F2y、F2z)を差し引くことで、被験者の足に作用する反力F3(F3x、F3y、F3z)取得する、
床反力計測方法、である。
1つの態様では、前記方法は、さらに、
床反力F1の荷重中心位置P1(x1,y1)をフォースプレートによって取得し、
被験者の運動時の杖の位置を取得することで、杖の反力F2が作用する踏み板上の位置P2(x2,y2)を取得し、
床反力F1及び位置P1、杖の反力F2及び位置P2、及び足の反力F3とから、足の反力F3が作用する踏み板上の位置P3(x3,y3)を取得するものである。
本実施形態に係る床反力計測システムは、
1枚の踏み板と、当該踏み板の所定の複数箇所に設けた荷重検出手段と、を備えたフォースプレートと、
先端に荷重センサを備え、かつ、長さ方向に間隔を存して2つのマーカーを備えた杖と、
複数のマーカーが付着された被験者が杖を突きながら踏み板上で運動した時の被験者及び杖を撮影する複数のカメラと、
複数のカメラにより取得された画像情報から被験者及び杖の運動データ(被験者及び杖の位置および姿勢の時系列データ)を取得する手段と、
被験者が杖を突きながら1枚の踏み板上を歩行した時の床反力F1の3軸方向の成分F1x、F1y、F1z及び床反力F1が作用する踏み板上の位置P1(x1,y1)を取得する手段と、
被験者が杖を突いた時の前記荷重センサの検出値及び杖の姿勢から杖に作用する反力F2の3軸方向の成分F2x、F2y、F2zを取得する手段と、
取得された杖の位置から、杖の反力F2が作用する踏み板上の位置P2(x2,y2)を取得する手段と、
床反力F1の3軸方向の成分F1x、F1y、F1zと杖の反力F2の3軸方向の成分F2x、F2y、F2zとから、被験者の足に作用する反力F3の3軸方向の成分F3x、F3y、F3zを取得する手段と、
床反力F1及び位置P1、杖の反力F2及び位置P2、及び足の反力F3とから、足の反力F3が作用する踏み板上の位置P3(x3,y3)を取得する手段と、
を備えている。
ここで、本明細書では、X軸、Y軸、Z軸は、X−Y平面を踏み板の面方向に取り、被験者の進行方向をX軸方向とし、このX軸方向に直交する方向をY軸方向とし、X―Y平面に対して鉛直方向をZ軸方向とする。なお、相互に直交するX軸、Y軸、Z軸の方向の取り方は、これには限定されないことが当業者に理解される。
本実施形態に係る床反力計測システムは、フォースプレート(床反力計)と、被験者の動作及び杖の動作を取得するモーションキャプチャシステムと、計測された各種データを用いてデータ処理を行うコンピュータ(データを入力するための入力装置、処理されたデータを出力するための出力装置、主としてCPUから構成される演算装置、ROM、RAM等の記憶装置、これらを接続するバス、を備えている)と、から構成することができる。以下、各構成要素について詳細に説明する。
1つの態様では、フォースプレートは、被験者が載るための略四角形状の踏み板と、踏み板の四隅部に配置した4つのロードセル(荷重計測手段)と、からなる。ここで、荷重計測手段(ロードセル)の数は、4個に限定されるものではなく、例えば、3個、あるいは5個以上でもよい。ロードセルは、力を電気信号に変換して出力するセンサであり、例えば、ひずみゲージ式のロードセルであれば、踏み板上に荷重が加わるとひずみゲージの抵抗値が変化し、電流値が変化するようになっており、その電流を増幅器により増幅させて荷重の出力として検出する。
各ロードセルで取得される荷重情報を逐次コンピュータに送信し、コンピュータの演算手段で重心位置を逐次求めることで、位置P1(x1,y1)の時系列データを取得することができる。得られた位置P1(x1,y1)の時系列データ及び計算に用いた荷重情報は、取得時間と共に記憶装置に記憶され、測定開始時から測定終了時までの位置P1(x1,y1)、すなわち重心位置の経時的な移動軌跡を取得することができる。
また、床反力計測システムは、任意の構成要素としてのプリンタを備えていてもよく、表示装置に表示された内容を適宜必要に応じてプリンタから出力してもよい。
モーションキャプチャシステムについて説明する。モーションキャプチャシステムは、被験者の運動データを取得して三次元動作解析を行うことを目的として、医療、スポーツ、ロボティックス、コンピュータグラフィックス等の分野で広く用いられている。
本実施形態では、代表的なモーションキャプチャシステムの1つである光学式モーションキャプチャシステムを採用する。
本実施形態の床反力計測システムは、荷重センサ及び複数のマーカーを備えた杖を含んでいる。荷重センサ、マーカーは杖に対して着脱可能としてもよい。
杖は長さ方向の2ヶ所にマーカーが装着されている。マーカーは、被験者に装着したマーカーと同様にモーションキャプチャシステムのカメラによって認識できる光学式マーカー(例えば、赤外線反射マーカー)である。床反力計測システムの記憶部には、杖の長さ、杖において2つのマーカーが設けられている位置情報(マーカーと杖先端との距離を含む)が記憶されている。位置情報は、例えば、杖の長軸(長さ方向)をZ´軸とする。
1つの態様では、荷重センサで検出された情報は、歩行時の床反力測定と同期させて、杖に搭載した記憶部に記憶され、当該記憶部からコンピュータ(データ処理装置)に入力される。
1つの態様では、荷重センサで検出された情報は、歩行時の床反力測定と同期させて、荷重センサからコンピュータ(データ処理装置)にリアルタイムで送信されて(歩行の妨げとならないように無線が望ましい)、コンピュータの記憶部に記憶される。
杖を突いた時に荷重センサにより検出される長軸方向に作用する力を、杖の傾きを用いて、杖に作用する反力F2の3軸方向の成分F2x、F2y、F2zに変換する。
被験者が杖を使用して歩行した時の人体にかかる床反力の計算について説明する。
被験者が杖を突きながら踏み板上を歩行する場合に、杖を突いた時には、フォースプレートで取得される床反力には、左右何れか一方の足に作用する反力と杖に作用する反力が含まれる。
一方、杖を突いていない時には、フォースプレートで取得される床反力は、被験者の足に作用する反力であり、通常の歩行動作の三次元動作解析を適用することができる。
以下に1枚の同じ踏み板上に人と杖が同時に載った時に、人の足に作用する力を取得する方法について説明する。
F1=FFP、F2=Fstick、F3=Fhumanとすると、フォースプレートの踏み板上に杖を突いた場合には、力のつり合いから力に関しての計算式は以下のとおりとなる。
床反力FFPは、フォースプレートの複数の荷重計測手段の荷重情報から取得することができる。
杖に作用する反力Fstickは、杖の先端に設けた荷重センサの荷重情報から取得することができる。より具体的には、杖に2つのマーカーを取り付けてモーションキャプチャステムで被験者が杖を突きながらフォースプレートの踏み板上を歩行した時の杖の運動データを取得することで、杖の姿勢の時系列データを取得し、杖の姿勢の時系列データから、杖を突いた時点の杖の長軸方向(杖の傾き)を取得することができ、杖の先端の荷重センサの荷重情報をX−Y-Z座標系に変換することができる。
これをPhumanについてまとめると、
床反力FFPが作用する位置PFP杖は、フォースプレートの複数の荷重計測手段の荷重情報及び荷重計測手段の位置情報から取得することができる。
反力Fstickが作用する位置Pstickは、杖に2つのマーカーを取り付けてモーションキャプチャステムで被験者が杖を突きながらフォースプレートの踏み板上を歩行した時の杖の運動データを取得することで、杖の位置及び姿勢の時系列データを取得し、杖を突いた時点のマーカーの三次元位置、及び、杖の長軸方向(杖の傾き)、マーカーと先端との距離情報から取得することができる。
Claims (4)
- 少なくとも1枚の踏み板と、当該踏み板の所定の複数箇所に設けた荷重検出手段と、を備えたフォースプレートと、
先端に荷重センサを備えた杖と、
被験者が杖を突きながら1枚の踏み板上で運動した時の床反力F1の3軸方向の成分F1x、F1y、F1zを取得する手段と、
被験者の運動時の杖の姿勢を取得する手段と、
被験者が杖を突いた時の前記荷重センサで検出した荷重情報及び取得された杖の姿勢から杖に作用する反力F2の3軸方向の成分F2x、F2y、F2zを取得する手段と、
床反力F1の3軸方向の成分F1x、F1y、F1zと杖の反力F2の3軸方向の成分F2x、F2y、F2zとから、被験者の足に作用する反力F3の3軸方向の成分F3x、F3y、F3zを取得する手段と、
を備えた床反力計測システム。 - 前記システムは、さらに、
床反力F1が作用する踏み板上の荷重中心位置P1(x1,y1)を取得する手段と、
被験者の運動時の杖の位置を取得し、杖の反力F2が作用する踏み板上の位置P2(x2,y2)を取得する手段と、
床反力F1及び位置P1、杖の反力F2及び位置P2、及び足の反力F3とから、足の反力F3が作用する踏み板上の位置P3(x3,y3)を取得する手段と、
を備えている請求項1に記載の床反力計測システム。 - 被験者がフォースプレートの踏み板上で杖を突きながら運動した時に当該被験者の足に作用する反力を取得する方法であって、
被験者の運動時の床反力F1(F1x、F1y、F1z)をフォースプレートによって取得し、
杖の先端に荷重センサを設けると共に、被験者の運動時の杖の姿勢を取得することで、前記荷重センサにより得られた杖の軸方向の力と杖の姿勢とから被験者が杖を突いた時に当該杖に作用する反力F2(F2x、F2y、F2z)を取得し、
床反力F1(F1x、F1y、F1z)から杖の反力F2(F2x、F2y、F2z)を差し引くことで、被験者の足に作用する反力F3(F3x、F3y、F3z)取得する、
床反力計測方法。 - 前記方法は、さらに、
床反力F1の荷重中心位置P1(x1,y1)をフォースプレートによって取得し、
被験者の運動時の杖の位置を取得することで、杖の反力F2が作用する踏み板上の位置P2(x2,y2)を取得し、
床反力F1及び位置P1、杖の反力F2及び位置P2、及び足の反力F3とから、足の反力F3が作用する踏み板上の位置P3(x3,y3)を取得する、
請求項3に記載の床反力計測方法。
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