図1に本実施形態として説明する電力系統1の概略的な構成を示している。電力系統1は、例えば商用配電系統やマイクログリッド等であり、複数の発電機5を含んで構成されている。
発電機5は、例えば、自然エネルギーを利用した発電機(太陽光発電機、水力発電、風力発電機等)、コージェネレーション発電機(ディーゼル発電機、ガスタービン発電機、ガスエンジン発電機等)などである。
発電機5(1)の夫々には第1情報処理装置10(1)(以下、Masterとも称する。)が付設されている。発電機5(2)の夫々には第1報処理装置10(2)(以下、subMasterとも称する。)が付設されている。発電機5(3)の夫々には第1報処理装置10(3)(以下、slaveとも称する。)が付設されている。発電機5(4)には第2情報処理装置20(以下、General Masterとも称する。)が付設されている。
同図に示すように、General Masterである「G0」は、Masterである「G1」「G2」の夫々と、有線又は無線の通信方式で通信可能に接続されている。
Masterである「G1」は、subMasterである「G1−1」及び「G1−2」の夫々と、有線又は無線の通信方式で通信可能に接続されている。尚、以下では、「G1」、「G1−1」、及び「G1−2」で構成されるネットワークを「Group1」と称する。
Masterである「G2」は、subMasterである「G2−1」と、有線又は無線の通信方式で通信可能に接続されている。尚、以下では、「G2」、及び「G2−1」で構成されるネットワークを「Group2」と称する。
subMasterである「G1−1」は、slaveである「G1−1a」及び「G1−1b」の夫々と、有線又は無線の通信方式で通信可能に接続されている。尚、以下では、「G1−1」、「G1−1a」、及び「G1−1b」で構成されるネットワークを「Group1−1」と称する。
subMasterである「G1−2」は、slaveである「G1−2a」及び「G1−2b」の夫々と、有線又は無線の通信方式で通信可能に接続されている。
subMasterである「G2−1」は、slaveである「G2−1a」と有線又は無線の通信方式で通信可能に接続されている。尚、以下では、「G2−1」、及び「G2−1a」で構成されるネットワークを「Group2−1」と称する。
General Masterは、Masterを介して、当該Masterが付設されている発電機5の出力を、後述する予測制御により制御する。また、Masterは、自身と同じGroupに属するsubMasterを介して、当該subMasterが付設されている発電機5の出力を、後述する予測制御により制御する。また、subMasterは、自身と同じGroupに属するslaveを介して、当該slaveが付設されている発電機5の出力を、後述する予測制御により制御する。
また、General Master、Master、subMaster、及びslaveの夫々は、自身が付設されている発電機5の出力を、後述する地域要求量制御により制御する。
このように、電力系統1では、各情報処理装置(第1情報処理装置10及び第2情報処理装置20)が、自身が属するネットワークグループ内の情報処理装置が付設されている発電機5に対して、出力制御(予測制御又は地域要求量制御)を行う。
図2に、General Masterのハードウエア構成を示している。同図に示すように、General Masterは、CPU111、RAM・ROM等のメモリ112、ハードディスクやSSD等の記憶装置113、タッチパネルやマウス等の入力装置114、液晶ディスプレイ等の表示装置115、通信回路116、RTC(Real Time Clock)等を用いて構成され現在日時等の日時情報(タイムスタンプ)を生成する計時回路117、自身が付設されている発電機の現在の出力を計測する出力計測回路118、自身が付設されている発電機5が接続している電力系統1の送配電線に接続し、電力系統1の系統周波数を計測する周波数計測回路119、及び自身が付設されている発電機の出力を制御する制御回路120を備える。
Master、subMaster、及びslaveのハードウエア構成は、General Masterのハードウエア構成と同様である。
図3にGeneral Masterが備える主な機能を示している。同図に示すように、General Masterは、出力燃料費特性記憶部131、発電機現在出力受信部132、予測出力算出部133、予測出力配分部134、予測制御通知部135、発電機現在出力取得部137、発電能力記憶部138、地域要求量制御実行部139、及び予測制御実行部141の各機能を備える。これらの機能は、General Masterのハードウエアによって、もしくは、General MasterのCPU111が、メモリ112又は記憶装置113に格納されているプログラムを読み出して実行することにより実現される。
図3に示した機能のうち、出力燃料費特性記憶部131は、Masterに付設されている発電機5の夫々について、夫々の出力と燃料費との関係(以下、出力燃料費特性(M)と称する。)を記憶する。
発電機現在出力受信部132は、Masterから送信されてくる、Masterが付設されている発電機5の現在の出力を受信する。
予測出力算出部133は、記憶している出力燃料費特性(M)と、発電機現在出力受信部132が受信した出力とに基づき、電力系統1における所定時間後の電力需要に対応する発電機5の出力(以下、予測出力と称する。)を算出する。
予測出力配分部134は、予測出力算出部133が算出した予測出力を、Masterが付設されている発電機5のうち少なくとも1つ以上に配分する。尚、予測出力配分部134は、予測出力算出部133が算出した予測出力を、自身が付設されている発電機5に配分する。
予測制御通知部135は、予測出力配分部134が配分した予測出力の出力制御(以下、予測制御と称する。)を、予測出力の配分を行った発電機5に付設されているMasterに行わせることを通知する情報(以下、予測制御指令値又はEDC指令値と称する。)を、そのMasterに送信する。尚、予測制御は、例えば、経済負荷予測制御(EDC: Economic load Dispatching Control)である。
発電機現在出力取得部137は、自身が付設されている発電機5の現在の出力を取得する。
発電能力記憶部138は、自身が付設されている発電機5の発電能力(例えば、最大出力や定格出力等)を記憶する。
地域要求量制御実行部139は、自身が付設されている発電機5に対して、電力系統1における地域要求量に基づく需給制御(以下、地域要求量制御と称する。)を実行する。地域要求量制御は、例えば、負荷周波数制御(LFC: Load Frequency Control)又は自動周波数制御(AFC: Automatic Frequency Control)等である。
である。
予測制御実行部141は、自身が付設されている発電機5に対して、予測制御を実行する。
図3に示すように、General Masterは、自局情報(GM)160、及び出力燃料費特性テーブル(GM)170を管理している。尚、以下では、出力燃料費特性テーブル(GM)170により管理される情報を「出力燃料費特性(GM)」と称する。
図4に自局情報(GM)160の一例を示している。同図に示すように、自局情報(GM)160は、識別子161、階層162、及び発電能力163を含む。
このうち識別子161には、General Masterのそれぞれに割り当てられた識別子が格納される。階層162には、自身がGeneral Masterである旨を表す情報が格納される。発電能力163には、自身が付設されている発電機5の発電能力(例えば、最大出力や定格出力等)が格納される。
図5に、出力燃料費特性テーブル(GM)170の一例を示している。同図に示すように、出力燃料費特性テーブル(GM)170は、出力値171、燃料費172、及び単位出力燃料費173の各項目を含む、少なくとも1つ以上のレコードから構成されている。
出力値171には、General Masterが付設されている発電機5の出力値が格納される。燃料費172には、出力値171が示す出力におけるその発電機5の燃料費が格納される。単位出力燃料費173には、出力値171が示す出力と燃料費172が示す燃料費から求められる、単位出力あたりの燃料費が格納される。
図6にMasterが備える主な機能を示している。同図に示すように、Masterは、出力燃料費特性記憶部231、発電機現在出力受信部232、予測出力配分部234、予測制御通知部235、発電機現在出力取得部237、発電能力記憶部238、地域要求量制御実行部239、地域要求量制御判断部240、及び予測制御実行部241の各機能を備える。これらの機能は、Masterのハードウエアによって、もしくは、MasterのCPU111が、メモリ112又は記憶装置113に格納されているプログラムを読み出して実行することにより実現される。
図6に示した機能のうち、出力燃料費特性記憶部231は、subMasterに付設されている発電機5の夫々について、夫々の出力と燃料費との関係を記憶する。
発電機現在出力受信部232は、subMasterから送信されてくる、そのsubMasterが付設されている発電機5の現在の出力を受信する。
予測出力配分部234は、予測出力算出部233が算出した予測出力を、subMasterが付設されている発電機5のうち少なくとも1つ以上に配分する。尚、予測出力配分部234は、予測出力算出部233が算出した予測出力を、自身が付設されている発電機5に配分する。
予測制御通知部235は、予測出力配分部234が配分した予測出力の出力制御(予測制御)を、予測出力の配分を行った発電機5に付設されているsubMasterに行わせることを通知する情報(予測制御指令値(EDC指令値))を、そのsubMasterに送信する。
発電機現在出力取得部237は、自身が付設されている発電機5の現在の出力を取得する。
発電能力記憶部238は、自身が付設されている発電機5の発電能力(例えば、最大出力や定格出力等)を取得する。
地域要求量制御実行部239は、自身が付設されている発電機5に対して、地域要求量制御を実行する。
地域要求量制御判断部240は、General Masterから送信されてきた予測制御指令値を受信した際、受信した予測制御指令値と、自身が記憶している発電能力との差に基づき、地域要求量制御を行うことが可能であるか否かを判断し、可能であると判断した場合にその地域要求量制御を行う。尚、本実施形態では、地域要求量制御を行うことが可能であるか否かは、自身が記憶している発電機5の発電能力から、受信した予測制御指令値を減じた値が、所定の閾値Aよりも大きいか否かで判断するものとする。
また、地域要求量制御判断部240は、上記地域要求量制御を行うことが可能であるか否かの判断の結果を、地域要求量制御を行うことが可能であるか否かを示す情報である地域要求量制御可能情報として記憶する。尚、本実施形態では、地域要求量制御可能情報は、自身が地域要求量制御を行うことが可能である場合には「1」が設定され、自身が地域要求量制御を行うことが可能でない場合には「0」が設定されるものとする。
また、地域要求量制御判断部240は、自身が付設されている発電機5に地域要求量制御を行うことが可能であると判断した場合、地域要求量制御可能情報を他の第1情報処理装置10(Master、subMaster、又はslave)に送信する。また、地域要求量制御判断部240は、他の第1情報処理装置10から地域要求量制御可能情報を受信した場合、自身が記憶している地域要求量を減少させ、減少させた地域要求量に基づき地域要求量制御を行う。
予測制御実行部241は、自身が付設されている発電機5に対して、予測制御を実行する。
図6に示すように、Masterは、自局情報(M)260、出力燃料費特性テーブル(M)270、及びグループ出力燃料費特性テーブル(M)280を管理している。尚、以下では、出力燃料費特性テーブル(M)270により管理される情報を「出力燃料費特性(M)」と称する。また、グループ出力燃料費特性テーブル(M)280により管理される情報を「出力燃料費特性(MG)」と称する。
図7に自局情報(M)260の一例を示している。同図に示すように、自局情報(M)260は、識別子261、階層262、及び発電能力263を含む。
このうち識別子261には、Masterのそれぞれに割り当てられた識別子が格納される。階層262には、自身がMasterである旨を表す情報が格納される。発電能力263には、自身が付設されている発電機5の発電能力(例えば、最大出力や定格出力等)が格納される。
図8は、出力燃料費特性テーブル(M)270の一例を示している。同図に示すように、出力燃料費特性テーブル(M)270は、出力値271、燃料費272、及び単位出力燃料費273の各項目を含む、少なくとも1つ以上のレコードから構成されている。
出力値271には、Masterが付設されている発電機5の出力値が格納される。燃料費272には、出力値271が示す出力における発電機5の燃料費が格納される。単位出力燃料費273には、出力値271が示す出力と燃料費272が示す燃料費から求められる、単位出力あたりの燃料費が格納される。
図9に、グループ出力燃料費特性テーブル(M)280の一例を示している。同図に示すように、グループ出力燃料費特性テーブル(M)280は、出力値281、燃料費282、及び単位出力燃料費283の各項目を含む、少なくとも1つ以上のレコードから構成されている。
出力値281には、自身が付設されている発電機5、又はsubMasterが付設されている発電機5の出力値が格納される。燃料費282には、出力値281が示す出力におけるその発電機5の燃料費が格納される。単位出力燃料費283には、出力値281が示す出力と燃料費282が示す燃料費から求められる、単位出力あたりの燃料費が格納される。
図10にsubMasterが備える主な機能を示している。同図に示すように、subMasterは、出力燃料費特性記憶部331、発電機現在出力受信部332、予測出力配分部334、予測制御通知部335、発電機現在出力取得部337、発電能力記憶部338、地域要求量制御実行部339、地域要求量制御判断部340、及び予測制御実行部341の各機能を備える。これらの機能は、subMasterのハードウエアによって、もしくは、subMasterのCPU111が、メモリ112又は記憶装置113に格納されているプログラムを読み出して実行することにより実現される。
図10に示した機能のうち、出力燃料費特性記憶部331は、slaveに付設されている発電機5の夫々について、夫々の出力と燃料費との関係を記憶する。
現在出力受信部332は、slaveから送信されてくる、そのslaveが付設されている発電機5の現在の出力を受信する。
予測出力配分部334は、予測出力算出部333が算出した予測出力を、slaveが付設されている発電機5のうち少なくとも1つ以上に配分する。
予測制御通知部335は、予測出力配分部334が配分した予測出力の出力制御(予測制御)を、予測出力の配分を行った発電機5に付設されているslaveに行わせることを通知する情報(予測制御指令値(EDC指令値))を、そのslaveに送信する。
発電機現在出力取得部337は、自身が付設されている発電機5の現在の出力を取得する。
発電能力記憶部338は、自身が付設されている発電機5の発電能力(例えば、最大出力や定格出力等)を取得する。
地域要求量制御実行部339は、自身が付設されている発電機5に対して、地域要求量制御を実行する。
地域要求量制御判断部340は、Masterから送信されてきた予測制御指令値を受信した際、受信した予測制御指令値と、自身が記憶している発電能力との差に基づき、地域要求量制御を行うことが可能であるか否かを判断し、可能であると判断した場合にその地域要求量制御を行う。尚、尚、本実施形態では、地域要求量制御を行うことが可能であるか否かは、自身が記憶している発電機5の発電能力から、受信した予測制御指令値を減じた値が、所定の閾値Aよりも大きいか否かで判断するものとする。
また、地域要求量制御判断部340は、上記地域要求量制御を行うことが可能であるか否かの判断の結果を、地域要求量制御可能情報として記憶する。
また、地域要求量制御判断部340は、自身が付設されている発電機5に地域要求量制御を行うことが可能であると判断した場合、地域要求量制御可能情報を他の第1情報処理装置10(Master、subMaster、又はslave)に送信する。また、地域要求量制御判断部340は、他の第1情報処理装置10から地域要求量制御可能情報を受信した場合、自身が記憶している地域要求量を減少させ、減少させた地域要求量に基づき地域要求量制御を行う。
予測制御実行部341は、自身が付設されている発電機5に対して、予測制御を実行する。
図10に示すように、subMasterは、自局情報(SM)360、出力燃料費特性テーブル(SM)370、及びグループ出力燃料費特性テーブル(SM)380を管理している。尚、以下では、グループ出力燃料費特性テーブル(SM)370により管理される情報を「出力燃料費特性(SM)」と称する。また、グループ出力燃料費特性テーブル(SM)380により管理される情報を「出力燃料費特性(SMG)」と称する。
図11に自局情報(SM)360の一例を示している。同図に示すように、自局情報(SM)360は、識別子361、階層362、及び発電能力363を含む。
このうち識別子361には、subMasterのそれぞれに割り当てられた識別子が格納される。階層362には、自身がsubMasterである旨を表す情報が格納される。発電能力363には、自身が付設されている発電機5の発電能力(例えば、最大出力や定格出力等)が格納される。
図12に、出力燃料費特性テーブル(SM)370の一例を示している。同図に示すように、出力燃料費特性テーブル(M)370は、出力値371、燃料費372、及び単位出力燃料費373の各項目を含む、少なくとも1つ以上のレコードから構成されている。
出力値371には、subMasterが付設されている発電機5の出力値が格納される。燃料費372には、出力値371が示す出力におけるその発電機5の燃料費が格納される。単位出力燃料費373には、出力値371が示す出力と燃料費372が示す燃料費から求められる、単位出力あたりの燃料費が格納される。
図13に、グループ出力燃料費特性テーブル(SM)380の一例を示している。同図に示すように、グループ出力燃料費特性テーブル(SM)380は、出力値381、燃料費382、及び単位出力燃料費383の各項目を含む、少なくとも1つ以上のレコードから構成されている。
出力値381には、自身が付設されている発電機5、又はslaveが付設されている発電機5の出力値が格納される。燃料費382には、出力値381が示す出力における発電機5の燃料費が格納される。単位出力燃料費383には、出力値381が示す出力と燃料費382が示す燃料費から求められる、単位出力あたりの燃料費が格納される。
図14にslaveが備える主な機能を示している。同図に示すように、slaveは、発電機現在出力取得部437、発電能力記憶部438、地域要求量制御実行部439、地域要求量制御判断部440、及び予測制御実行部441の各機能を備える。これらの機能は、slaveのハードウエアによって、もしくは、slaveのCPU111が、メモリ112又は記憶装置113に格納されているプログラムを読み出して実行することにより実現される。
発電機現在出力取得部437は、自身が付設されている発電機5の現在の出力を取得する。
発電能力記憶部438は、自身が付設されている発電機5の発電能力(例えば、最大出力や定格出力等)を取得する。
地域要求量制御実行部439は、自身が付設されている発電機5に対して、地域要求量制御を実行する。
地域要求量制御判断部440は、subMasterから送信されてきた予測制御指令値を受信した際、受信した予測制御指令値と、自身が記憶している発電能力との差に基づき、地域要求量制御を行うことが可能であるか否かを判断し、可能であると判断した場合にその地域要求量制御を行う。尚、本実施形態では、地域要求量制御を行うことが可能であるか否かの判断は、自身が記憶している発電機5の発電能力から、受信した予測制御指令値を減じた値が、所定の閾値Aよりも大きいか否かで判断するものとする。
また、地域要求量制御判断部440は、上記地域要求量制御を行うことが可能であるか否かの判断の結果を、地域要求量制御可能情報として記憶する。
また、地域要求量制御判断部440は、自身が付設されている発電機5に地域要求量制御を行うことが可能であると判断した場合、地域要求量制御可能情報を他の第1情報処理装置10(Master、subMaster、又はslave)に送信する。また、地域要求量制御判断部440は、他の第1情報処理装置10から地域要求量制御可能情報を受信した場合、自身が記憶している地域要求量を減少させ、減少させた地域要求量に基づき地域要求量制御を行う。
予測制御実行部441は、自身が付設されている発電機5に対して、予測制御を実行する。
図14に示すように、slaveは、自局情報(SL)460、及び出力燃料費特性テーブル(SL)470を管理している。尚、以下では、出力燃料費特性テーブル(SL)470により管理される情報を「出力燃料費特性(SL)」と称する。
図15に自局情報(SL)460の一例を示している。同図に示すように、自局情報(SL)460は、識別子461、階層462、及び発電能力463を含む。
このうち識別子461には、slaveのそれぞれに割り当てられた識別子が格納される。階層462には、自身がslaveである旨を表す情報が格納される。発電能力463には、自身が付設されている発電機5の発電能力(例えば、最大出力や定格出力等)が格納される。
図16に、出力燃料費特性テーブル(SL)470の一例を示している。同図に示すように、出力燃料費特性テーブル(SL)470は、出力値471、燃料費472、及び単位出力燃料費473の各項目を含む、少なくとも1つ以上のレコードから構成されている。
出力値471には、slaveが付設されている発電機5の出力値が格納される。燃料費472には、出力値471が示す出力におけるその発電機5の燃料費が格納される。単位出力燃料費473には、出力値471が示す出力と燃料費472が示す燃料費から求められる、単位出力あたりの燃料費が格納される。
次に、電力系統1において行われる処理について説明する。
<General Masterの処理>
General Masterは、Masterが付設されている発電機5の出力や燃料費を取得し、また、自身が付設されている発電機5の出力や燃料費を取得する。
図17は、General Masterが行う処理のうち、Masterから送信されてくる出力燃料費特性(M)を受信し記憶する処理(以下、出力燃料費特性(M)記憶処理S1700と称する。)を説明するフローチャートである。
同図に示すように、General Masterは、随時、Masterから送信されてくる出力燃料費特性(M)を受信し、記憶する(S1711)。
図18は、General Masterが、自身が付設されている発電機5の現在の出力を取得する処理(以下、発電機現在出力取得処理S1800と称する。)を説明するフローチャートである。
同図に示すように、General Masterは、随時、自身が付設されている発電機5の現在の出力(以下、発電機現在出力(P)と称する。)を取得し、取得した発電機現在出力(P)を記憶する(S1811)。また、General Masterは、随時、電力系統1の現在の系統周波数(f)を取得し、取得した系統周波数(f)を記憶する(S1812)。
General Masterは、自身が記憶している地域要求量制御可能情報(Flg)を随時取得し(S1813)、取得した地域要求量制御可能情報(Flg)が、地域要求量制御が可能であることを示している場合は、自身が付設されている発電機5の現在の出力を示す情報であるAFC装置現在出力(Pa)に、上記で取得した発電機現在出力(P)の値を設定する。
図19は、General Masterが、随時、Masterから、発電機5の現在の出力を受信する処理(以下、発電機現在出力受信処理S1900と称する。)を説明するフローチャートである。
同図に示すように、General Masterは、Masterから送信されてくる、後述する、Masterグループ発電機現在出力(ΣP,MG)を受信する(S1911)。
また、General Masterは、Masterから送信されてくる、後述する、Masterグループ地域要求量制御装置数(ΣFlg,MG)を受信する(S1912)。
また、General Masterは、Masterから送信されてくる、後述する、MasterグループAFC装置現在出力(ΣPa,MG)を受信する(S1913)。
また、General Masterは、Masterから送信されてくる、後述する、MasterグループAFC装置EDC指令値(ΣPe,MG)を受信する(S1914)。
General Masterは、Masterが地域要求量制御を行うために必要な情報を、随時送信する。
図20は、General Masterが、Masterグループ発電機現在出力(ΣP,MG)の合計値を送信する処理(以下、発電機現在出力送信処理S2000と称する。)を説明するフローチャートである。
同図に示すように、General Masterは、発電機現在出力受信処理S1900で受信したMasterグループ発電機現在出力(ΣP,MG)の合計値と、自身が記憶している発電機現在出力(P)との合計値(以下、全発電機現在出力(ΣP)と称する。)を算出して現在時刻と対応づけて記憶し、記憶した全発電機現在出力(ΣP)をMasterに送信する(S2011)。
また、General Masterは、受信したMasterグループ地域要求量制御装置数(ΣFlg,MG)の合計値と、自身が記憶している地域要求量制御可能情報(Flg)との合計値(以下、全地域要求量制御装置数(ΣFlg)と称する。)を算出し、算出した全地域要求量制御装置数(ΣFlg)をMasterに送信する(S2012)。
また、General Masterは、受信したMasterグループAFC装置現在出力(ΣPa,MG)の合計値と、自身が記憶している、後述するAFC装置現在出力(Pa)との合計値(以下、全AFC装置現在出力(ΣPa)と称する。)を算出し、算出した全AFC装置現在出力(ΣPa)をMasterに送信する(S2013)。
また、General Masterは、自身が記憶しているAFC装置EDC指令値(Pe,A)と、受信したMasterグループAFC装置EDC指令値(ΣPe,MG)の合計との合計値である全AFC装置EDC指令値(ΣPe)を算出し、算出した全AFC装置EDC指令値(ΣPe)をMasterに送信する(S2014)。
また、General MasterはEDC指令値を生成し、生成したEDC指令値をMasterに送信することにより、そのMasterに予測制御を行わせる。
図21は、General MasterがEDC指令値(Pe)を送信する処理(以下、予測制御通知処理S2100と称する。)を説明するフローチャートである。予測制御通知処理S2100は、例えば、随時、又は所定時間間隔(例えば10分間隔)で行われる。
同図に示すように、General Masterは、発電機現在出力受信処理S1900で記憶した出力燃料費特性(M)と、全発電機現在出力算出処理S2000で記憶した全発電機現在出力(ΣP)とに基づき、電力系統1における所定時間帯の電力需要の変動を予測する処理(以下、需要電力変動予測処理S2111と称する。)を行う。需要電力変動予測処理S2111の詳細は後述する。
General Masterは、需要電力変動予測処理S2111で予測した電力需要の変動(以下、Pr(t)とも称する)に基づき、電力系統1における、現在から所定時間T0分後の時刻(以下、予測制御時刻と称する。)の電力需要に対応する、発電機5の出力(以下、予測出力(P0)と称する。)を算出する(S2112)。具体的には、所定時間T0分後におけるPr(t)の値を予測出力(P0)とする。尚、予測制御は、後述するように、予測制御時刻に行われる。
General Masterは、算出した予測出力(P0)を、電力系統1における発電機5の燃料費が最も安くなるように、Masterが付設されている発電機5のうち少なくとも1つ以上に配分する処理(以下、最小燃料費配分処理S2113と称する。)を行う(S2113)。最小燃料費配分処理S2113の詳細は後述する。
General Masterは、自身が付設されている発電機5、及び予測出力(P0)の配分を行ったMasterが付設されている発電機5のうち一つを選択する(S2114)。
General Masterは、S2114で選択した発電機5のEDC指令値(Pe)を生成し、記憶する(S2115)。具体的には、後述する最小燃料費配分処理S2113で算出した各発電機5の出力Pi(D)(i=1,2,・・・)のうち、S2114で選択した発電機5の出力と予測制御時刻とを、EDC指令値(Pe)として記憶する。
尚、図22は、General Masterが記憶する情報の一例を示している。同図に示すように、General Masterは、自身が付設されている発電機5のEDC指令値(Pe)を「100kW」に設定し、現在時刻「10:10」から10分後の予測制御時刻「10:20」と対応づけて記憶している。
図21に戻り、General Masterは、自身が付設されている発電機5、及び自身に発電機現在出力(P)を送信してきたMasterが付設されている発電機5のうち、EDC指令値(Pe)を生成していない発電機5があるか否かを判断する(S2116)。EDC指令値(Pe)を生成していない発電機5がある場合は(S2116:YES)S2114に戻り、EDC指令値(Pe)を生成していない発電機5が無い場合は(S2116:NO)S2117に進む。
S2117では、General Masterは、S2115で生成した各発電機5のEDC指令値(Pe)のうち、自身に発電機現在出力(P)を送信してきたMasterが付設されている発電機5のEDC指令値(Pe)を、自身に発電機現在出力(P)を送信してきたそのMasterに送信する。
General Masterは、S2115で生成した各発電機5のEDC指令値(Pe)のうち、自身が付設されている発電機5のEDC指令値(Pe)を取得する(S2118)。
General Masterは、自身が付設されている発電機5の発電能力(以下、Pcapと称する。)と、自身が付設されている発電機5に配分された予測出力(P0)との差に基づき、自身が付設されている発電機5に地域要求量制御を行うことが可能であるか否かを判断する(S2119)。具体的には、自身が付設されている発電機5の発電能力(Pcap)から、S2118で取得したEDC指令値(Pe)を減じた値(Pcap−Pe)が所定の閾値Aよりも大きいか否かで判断する。
地域要求量制御を行うことが可能である場合は(S2119:YES)S2120に進み、地域要求量制御を行うことが可能でない場合は(S2119:NO)予測制御通知処理S2100は終了する。
S2120では、General Masterは、地域要求量制御が可能である旨を、地域要求量制御可能情報(Flg)に設定すると共に、自身が地域要求量制御が可能であることを示す情報であるAFC装置EDC指令値(Pe,A)に、自身が付設されている発電機5の現在のEDC指令値(Pe)を設定し、予測制御通知処理S2100は終了する。
図23は、需要電力変動予測処理S2111の詳細を説明するフローチャートである。同図に示すように、General Masterは、発電機現在出力送信処理S2000で蓄積している全発電機現在出力(ΣP)のうち、現在より所定時間t1前(例えば24時間前)から現在時刻までの時間帯における全発電機現在出力(ΣP)の時間変動を取得し、時間変動の関数(以下、Y(t)と称する。)を生成する(S2311)。
General Masterは、生成した時間変動の関数Y(t)を平滑化した関数(以下、y(t)と称する。)を生成する(S2312)。具体的には、y(t)は、
y(t)=(1−α)・y(t−T)+α・Y(t)
として求める。ここで、αは平滑化の強さを表す定数(平滑定数)(0<α<1)、Tは平滑化を行う時間の単位を表す定数(サンプリング時間)である。
次に、General Masterは、過去の日Di(i=1,2,・・・)における電力需要(例えば、現在から過去3ヶ月までの各日、又は、前年当日の前後1ヶ月の各日のうち、当日と曜日が同じ日における電力需要)であって、Y(t)の時間帯と同じ時間帯の電力需要を取得し、取得した電力需要の時間変化(以下、Yr,i(t)と称する)を生成する(S2313)。尚、上記の過去のDi(i=1,2,・・・)における電力需要は、General Masterが記憶している全発電機現在出力(ΣP)でも良いし、予めGeneral Masterに入力された電力需要の情報であっても良い。
General Masterは、S2313で生成したYr(t)の夫々(Yr,i(t)(i=1,2,・・・)について、その夫々を平滑化した関数(以下、yr,i(t)(i=1,2,・・・)と称する。)を生成する(S2314)。具体的には、y(t)は、
yr,i(t)=(1−α)・yr,i(t−T)+α・Yr,i(t)
として求める。ここで、αは平滑化の強さを表す定数(平滑定数)(0<α<1)、Tは平滑化を行う時間の単位を表す定数(サンプリング時間)である。
General Masterは、S2312で算出したy(t)と、S2314で算出したyr,i(t)(i=1,2,・・・)の夫々との間のユークリッド距離(以下、「Ei^2」と称する。)を算出する。具体的には、「Ei^2」は、
Ei^2=x1^2+x2^2+・・・+xn−1^2+xn^2
として求める。ここで、xi=y(t)−yi(t)である。尚、図24は、y(t)、yi(t)、及びxiの間の関係の一例を示している。
General Masterは、上記の過去の日Di(i=1,2,・・・)のうち全ての日について「Ei^2」を算出したか否か判断し(S2316)、「Ei^2」を全ての日について算出した場合は(S2316:YES)S2317に進み、「Ei^2」を算出していない日がある場合は(S2316:NO)S2313に戻る。
S2317では、General Masterは、「Ei^2」が最小値である日Diにおける関数yr,i(t)を、予測需要電力変動(Pr(t))として記憶する。
図25は、最小燃料費配分処理S2113の詳細を説明するフローチャートである。同図に示すように、General Masterは、自身の出力燃料費特性(GM)、及び自身に発電機現在出力(P)を送信してきたMasterの夫々の出力燃料費特性(M)を、出力燃料費特性Fi(Pi)(i=1,2,・・・)として順次取得する(S2511)。
General Masterは、予測制御通知処理S2100で算出した予測出力(P0)の値を、「配分対象出力(Pr)」として記憶する(S2512)。
General Masterは、記憶した配分対象出力(Pr)を、S2511で取得した出力燃料費特性Fi(Pi)(i=1,2,・・・)に基づき、自身が付設されている発電機5、及び自身に発電機現在出力(P)を送信してきたMasterが付設されている発電機5の夫々に配分する(S2513)。
General Masterは、配分対象出力(Pr)を配分した発電機5と、その発電機5に配分した出力との組み合わせを上記各発電機5について生成し、生成した組み合わせ全体を、配分(D)として記憶する(S2514)。
General Masterは、出力燃料費特性Fi(Pi)(i=1,2,・・・)に基づき、S2514で記憶した配分(D)から、各発電機5の燃料費(Fi(D)(i=1,2,・・・))を取得し、取得した燃料費の合計値(以下、Fall(D)と称する。)を算出する(S2515)。
General Masterは、S2413で生成した配分(D)とは異なる配分があるか否か判断し(S2516)、異なる配分がある場合には(S2516:YES)S2513に戻り、異なる配分がない場合には(S2517:NO)S2517に進む。
S2517では、General Masterは、S2513で算出した全ての配分(D)のうち、燃料費の合計値(Fall(D))が最小値となる配分(D)を、最小燃料費配分(Fr(Pr))として記憶する。また、General Masterは、最小燃料費配分(Fr(Pr))により配分された各発電機5の出力を、Pi(D)(i=1,2,・・・)として記憶する(S2518)。
尚、図26は、発電機5である「発電機1」,「発電機2」,・・・・「発電機n」の夫々の燃料費とその出力の範囲との関係の一例を示している。図27は、「発電機1」,「発電機2」,・・・・「発電機n」に対する最小燃料費配分(Fr(Pr))の一例を示している。
General Masterは、自身が付設されている発電機5に対する予測制御を、予測制御時刻に行う。また、General Masterは、随時、自身が付設されている発電機5に対して地域要求量制御を行う。
図28は、General Masterが、自身が付設されている発電機5に対して、予測制御及び地域要求量制御を行う処理(以下、需給制御処理S2800と称する。)を説明するフローチャートである。需給制御処理S2800は、随時、又は予測制御時刻に行われる。
同図に示すように、General Masterは、現在、自身が付設されている発電機5に対し、地域要求量制御を行うことが可能であるか否かを判断する(S2811)。
地域要求量制御を行うことが可能である場合は(S2811:YES)、AFC装置EDC指令値(Pe,A)を、予測制御通知処理S2100で生成した、自身が付設されている発電機5のEDC指令値に設定してS2812に進み、地域要求量制御を行うことができない場合は(S2811:NO)、S2821に進む。
S2812では、General Masterは、地域要求量(AR)を算出する。具体的には、地域要求量(AR)は、
AR=K・(f−f0)・(ΣP)+(ΣPe)−(ΣPa)
として算出する。ここで、Kは系統周波数特性定数、f0は基準周波数(例えば、50Hz又は60Hz)である。
General Masterは、算出した地域要求量(AR)と、自身が付設されている発電機5に配分したEDC指令値(Pe)とに基づき、予測制御及び地域要求量制御を行うための指令値である出力指令値(Pc)を生成する(S2813)。具体的には、出力指令値(Pc)は、
Pc=Pe+(AR/(ΣFlg))
として生成する。
尚、図29は、出力指令値(Pc)の算出方法の一例を説明する図である。同図に示すように、General Masterは、求めた地域要求量(AR)についてフィルタ処理、即ち、地域要求量(AR)に含まれる極短周期成分を除去する平滑化処理、及び微動成分を除去する不感帯処理を行う(S2911)。
図28に戻り、General Masterは、S2813で生成した出力指令値(Pc)に基づき、自身が付設されている発電機5に対する出力制御を行う(S2814)。
S2821では、General Masterは、予測制御通知処理S2100で生成したEDC指令値(Pe)に基づき、出力指令値(Pc)を生成する。具体的には、出力指令値(Pc)は、
Pc=Pe
として生成する。その後はS2814に進む。
尚、図30は、General Masterが行う出力制御(需給制御)の一例を説明する図である。同図に示すように、General Masterは、時刻t1からT0分後の時刻であるt2を予測制御時刻とするEDC指令値(Pe)を生成し、予測制御時刻において予測制御を行う。また、General Masterは、時刻t3において、全AFC装置EDC指令値(ΣPe)、全AFC装置現在出力(ΣPa)、及び地域要求量(AR)に基づき、時刻t3における需要電力である「目標出力Pt」(予測出力P0に相当)に出力を調整するための制御(地域要求量制御)を行う。
<Masterの処理>
次に、Masterが行う処理について説明する。
Masterは、subMasterが付設されている発電機5の出力や燃料費の情報を取得し、また、自身が付設されている発電機5の出力や燃料費の情報を取得する。
図31は、Masterが行う処理のうち、subMasterから送信されてくる出力燃料費特性(SM)を記憶する処理(以下、出力燃料費特性(SM)記憶処理S3100と称する。)を説明するフローチャートである。
同図に示すように、Masterは、随時、subMasterから送信されてくる出力燃料費特性(SM)を受信し、記憶する(S3111)。
また、Masterは、随時、subMasterにEDC指令値を送信する処理である予測制御指令値送信処理を行う(S3112)。尚、予測制御指令値送信処理S3112の詳細は後述する。
図32は、Masterが、自身が付設されている発電機5の現在の出力を取得する処理(以下、現在出力取得処理S3200と称する。)を説明するフローチャートである。
同図に示すように、Masterは、随時、自身が付設されている発電機5の現在の出力(発電機現在出力(P))を取得し、取得した発電機現在出力(P)を記憶する(S3211)。また、Masterは、随時、電力系統1の現在の系統周波数(f)を取得し、取得した系統周波数(f)を記憶する(S3212)。
また、Masterは、自身が記憶している地域要求量制御可能情報(Flg)を随時取得し(S3213)、取得した地域要求量制御可能情報(Flg)が、地域要求量制御が可能であることを示している場合は、AFC装置現在出力(Pa)に発電機現在出力(P)を設定する。
図33は、Masterが、随時、subMasterから、発電機5の現在の出力を受信する処理(以下、発電機現在出力受信処理S3300と称する。)を説明するフローチャートである。
同図に示すように、Masterは、subMasterから送信されてくる、後述する、subMasterグループ発電機現在出力(ΣP,SMG)を受信する(S3311)。
また、Masterは、subMasterから送信されてくる、後述する、subMasterグループ地域要求量制御装置数(ΣFlg,SMG)を受信する(S3312)。
また、Masterは、subMasterから送信されてくる、後述する、subMasterグループAFC装置現在出力(ΣPa,SMG)を受信する(S3313)。
また、Masterは、subMasterから送信されてくる、後述する、subMasterグループAFC装置EDC指令値(ΣPe,SMG)を受信する(S3314)。
Masterは、発電機現在出力受信処理S3300で受信した情報をGeneral Masterに送信する。
図34は、Masterが、subMasterグループ発電機現在出力(ΣP,SMG)の合計値をGeneral Masterに送信する処理(以下、発電機現在出力送信処理S3400と称する。)を説明するフローチャートである。
同図に示すように、Masterは、受信したsubMasterグループ発電機現在出力(ΣP,SMG)の合計値と、自身が記憶している発電機現在出力(P)とを合計した値であるMasterグループ発電機現在出力(ΣP,MG)を算出し、算出したMasterグループ発電機現在出力(ΣP,MG)をGeneral Masterに送信する(S3411)。
また、Masterは、受信したsubMasterグループ地域要求量制御装置数(ΣFlg,SMG)と、自身が記憶している地域要求量制御可能情報(Flg)とを合計した値であるMasterグループ地域要求量制御装置数(ΣFlg、MG)を算出し、算出したMasterグループ地域要求量制御装置数(ΣFlg、MG)をGeneral Masterに送信する(S3412)。
また、Masterは、受信したsubMasterグループAFC装置現在出力(ΣPa,SMG)の合計値と、自身が記憶しているAFC装置現在出力(Pa)との合計であるMasterグループAFC装置現在出力(ΣPa,MG)を算出し、算出したMasterグループAFC装置現在出力(ΣPa,MG)をGeneral Masterに送信する(S3413)。
また、Masterは、受信したsubMasterグループAFC装置EDC指令値(ΣPe,SMG)の合計値と、自身が記憶している、AFC装置EDC指令値(Pe,A)との合計であるMasterグループAFC装置EDC指令値(ΣPe,MG)を算出し、算出したMasterグループAFC装置EDC指令値(ΣPe,MG)をGeneral Masterに送信する(S3414)。
図35は、Masterが、General Masterから随時、全発電機現在出力(ΣP)を受信する処理(以下、全発電機現在出力受信処理S3500と称する。)を説明するフローチャートである。
同図に示すように、Masterは、General Masterから送信されてくる全発電機現在出力(ΣP)を受信する(S3511)。
また、Masterは、General Masterから送信されてくる全地域要求量制御装置数(ΣFlg)を受信する(S3512)。
また、Masterは、General Masterから送信されてくる全AFC装置現在出力(ΣPa)を受信する(S3513)。
また、Masterは、General Masterから送信されてくる全AFC装置EDC指令値(ΣPe)を受信する(S3514)。
図36は、予測制御指令値送信処理S3112の詳細を説明するフローチャートである。
同図に示すように、Masterは、自身が付設されている発電機5の出力燃料費特性、及び自身に発電機現在出力(P)を送信してきたsubMasterが付設されている発電機5の出力燃料費特性(SM)の夫々を、Fi(Pi)(i=1,2,・・・)として順次取得する(S3611)。
Masterは、取得したFi(Pi)(i=1,2,・・・)を参照し、各発電機5の出力の最小値を合計した値(Pmin)を算出する。また、Masterは、取得したFi(Pi)(i=1,2,・・・)を参照し、各発電機5の出力の最大値を合計した値(Pmax)を算出する(S3612)。
Masterは、Pmin以上Pmax以下の値のうちの一つを選択し、選択した値を配分対象出力(Pr)として設定する(S3612)。
Masterは、設定した配分対象出力(Pr)を、自身が付設されている発電機5、及び自身に発電機現在出力(P)を送信してきたsubMasterが付設されている各発電機5に配分する処理(以下、最小燃料費配分処理S3614と称する。)を行う。最小燃料費配分処理S3614の詳細は後述する。
Masterは、S3612で設定した配分対象出力(Pr)とは異なる他の配分対象出力(Pr)があるか否かを判断し(S3615)、他の配分対象出力(Pr)がある場合は(S3615:YES)S3613に戻り、他の配分対象出力(Pr)がない場合は(S3615:NO)出力燃料費特性(MG)生成処理S3600は終了する。
図37は、最小燃料費配分処理S3614の詳細を説明するフローチャートである。同図に示すように、Masterは、自身の出力燃料費特性(M)、及び自身に発電機現在出力(P)を送信してきたsubMasterの夫々の出力燃料費特性(SM)を、出力燃料費特性Fi(Pi)(i=1,2,・・・)として順次取得する(S3711)。
Masterは、S3612で設定した配分対象出力(Pr)を、S3711で取得した出力燃料費特性Fi(Pi)(i=1,2,・・・)に基づき、自身が付設されている発電機5、及び自身に発電機現在出力(P)を送信してきたsubMasterが付設されている各発電機5に配分する(S3713)。
Masterは、配分対象出力(Pr)を配分した発電機5と、その発電機5に配分した出力との組み合わせを上記各発電機5について生成し、生成した組み合わせ全体を、配分(D)として記憶する(S3714)。
Masterは、出力燃料費特性Fi(Pi)(i=1,2,・・・)に基づき、S3714で記憶した配分(D)から、各発電機5の燃料費(Fi(D)(i=1,2,・・・))を取得し、取得した燃料費の合計値(Fall(D))を算出する(S3715)。
Masterは、S3713で算出した配分(D)とは異なる配分があるか否か判断し(S3716)、異なる配分がある場合には(S3716:YES)S3713に戻り、異なる配分はない場合には(S3717:NO)S3717に進む。
S3717では、Masterは、S3713で算出した配分(D)のうち、燃料費の合計値(Fall(D))が最小値となる配分(D)を、最小燃料費配分(Fr(Pr))として記憶する。
Masterは、自身に発電機現在出力(P)を送信してきたsubMasterに、EDC指令値Peを送信する(S3718)。具体的には、最小燃料費配分(Fr(Pr))により配分した出力(Pi(D)(i=1,2,・・・))と予測制御時刻とを、EDC指令値として送信する。尚、Masterは、自身が付設されている発電機5の出力(Pi(D))を、自身が付設されている発電機5に対するEDC指令値として記憶する。
Masterは、自身が付設されている発電機5に対する予測制御を、予測制御時刻に行う。また、Masterは、随時、自身が付設されている発電機5に対して地域要求量制御を行う。
図38は、Masterが、自身が付設されている発電機5に対して、予測制御及び地域要求量制御を行う処理(以下、需給制御処理S3800と称する。)を説明するフローチャートである。需給制御処理S3800は、随時、又は予測制御時刻に行われる。
同図に示すように、Masterは、自身が付設されている発電機5に配分した出力(EDC指令値)と、自身が付設されている発電機5の発電能力(Pcap)との差に基づき、自身が付設されている発電機5に地域要求量制御を行うことが可能であるか否かを判断する(S3811)。
地域要求量制御を行うことが可能である場合は(S3811:YES)、AFC装置EDC指令値(Pe,A)を、最小燃料費配分処理S3614で生成した、自身が付設されている発電機5に対するEDC指令値に設定してS3812に進み、地域要求量制御を行うことが可能でない場合は(S3819:NO)S3821に進む。
S3812では、Masterは、地域要求量(AR)を算出する。具体的には、地域要求量(AR)は、
AR=K・(f−f0)・(ΣP)+(ΣPe)−(ΣPa)
として算出する。ここで、Kは系統周波数特性定数、f0は基準周波数(例えば、50Hz又は60Hz)である。尚、Masterは、求めた地域要求量(AR)について、フィルタ処理、即ち、地域要求量(AR)に含まれる極短周期成分を除去する平滑化処理、及び微動成分を除去する不感帯処理を行う。
Masterは、算出した地域要求量(AR)と、EDC指令値(Pe)とに基づき、出力指令値(Pc)を生成する(S3813)。具体的には、出力指令値(Pc)は、
Pc=Pe+(AR/(ΣFlg))
として生成する。
Masterは、S3813で生成した出力指令値(Pc)に基づき、自身が付設されている発電機5に対する出力制御を行う(S3814)。
S3821では、Masterは、EDC指令値(Pe)に基づき、出力指令値(Pc)を生成する。具体的には、出力指令値(Pc)は、
Pc=Pe
として生成する。その後はS3814に進む。
尚、図39には、Masterが生成するEDC指令値(Pe)の一例を示している。同図に示すように、Masterは、EDC指令値(Pe)を「70kW」に設定し、現在時刻「10:10」から10分後の時刻である予測制御時刻「10:20」と対応づけて記憶している。
<subMasterの処理>
次に、subMasterが行う処理について説明する。
subMasterは、slaveが付設されている発電機5の出力や燃料費の情報を取得し、また、自身が付設されている発電機5の出力や燃料費の情報を取得する。
図40は、subMasterが行う処理のうち、slaveから送信されてくる出力燃料費特性(SL)を受信し記憶する処理(以下、出力燃料費特性(SL)記憶処理S4000と称する。)を説明するフローチャートである。
同図に示すように、subMasterは、随時、slaveから送信されてくる出力燃料費特性(SL)を受信し、記憶する(S4011)。また、subMasterは、slaveにEDC指令値を送信する処理である予測制御指令値送信処理を行う(S4012)。予測制御指令値送信処理S4012の詳細は後述する。
図41は、subMasterが、自身が付設されている発電機5の現在の出力を取得する処理(以下、発電機現在出力取得処理S4100と称する。)を説明するフローチャートである。
同図に示すように、subMasterは、随時、自身が付設されている発電機5の現在の出力(発電機現在出力(P))を取得し、取得した発電機現在出力(P)を記憶する(S4111)。また、subMasterは、随時、電力系統1の現在の系統周波数(f)を取得し、取得した系統周波数(f)を記憶する(S4112)。
また、subMasterは、自身が記憶している地域要求量制御可能情報(Flg)を随時取得する(S4113)。subMasterは、取得した地域要求量制御可能情報(Flg)が、自身が地域要求量制御が可能であることを示している場合は、AFC装置現在出力(Pa)に、上記で取得した発電機現在出力(P)を設定する。
図42は、subMasterが、随時、slaveから、発電機5の現在の出力を受信する処理(以下、発電機現在出力受信処理S4200と称する。)を説明するフローチャートである。
同図に示すように、subMasterは、slaveから送信されてくる発電機現在出力(P)を受信する(S4211)。
また、subMasterは、slaveから送信されてくる、地域要求量制御可能情報(Flg)を受信する(S4212)。
また、subMasterは、slaveから送信されてくる、AFC装置現在出力(Pa)を受信する(S4213)。
また、subMasterは、slaveから送信されてくる、AFC装置EDC指令値(Pe,A)を受信する(S4214)。
subMasterは、発電機現在出力受信処理S4200で受信した情報をMasterに送信する。
図43は、subMasterが、発電機現在出力受信処理S4200で受信したsubMasterグループ発電機現在出力(ΣP,SMG)の合計値をMasterに送信する処理(以下、発電機現在出力送信処理S4300と称する。)を説明するフローチャートである。
同図に示すように、subMasterは、受信した発電機現在出力(P)の合計値と、自身が記憶している発電機現在出力(P)とを合計した値であるsubMasterグループ発電機現在出力(ΣP,SMG)を算出し、算出したsubMasterグループ発電機現在出力(ΣP,SMG)をMasterに送信する(S4311)。
また、subMasterは、slaveから受信した地域要求量制御可能情報(Flg)と、自身が記憶している地域要求量制御可能情報(Flg)とを合計した値であるsubMasterグループ地域要求量制御装置数(ΣFlg,SMG)を算出し、算出したsubMasterグループ地域要求量制御装置数(ΣFlg,SMG)をMasterに送信する(S4312)。
また、subMasterは、slaveから受信したAFC装置現在出力(Pa)の合計値と、自身が記憶しているAFC装置現在出力(Pa)との合計であるsubMasterグループAFC装置現在出力(ΣPa,SMG)を算出し、算出したsubMasterグループAFC装置現在出力(ΣPa,SMG)をMasterに送信する(S4313)。
また、subMasterは、slaveから受信したAFC装置EDC指令値(Pe,A)の合計値と、自身が記憶しているAFC装置EDC指令値(Pe,A)との合計であるsubMasterグループAFC装置EDC指令値(ΣPe,SMG)を算出し、算出したsubMasterグループAFC装置EDC指令値(ΣPe,SMG)をMasterに送信する(S4314)。
subMasterは、General Masterから、自身が地域要求量制御を行うための情報を受信する。
図44は、subMasterが、General Masterから随時、全発電機現在出力(ΣP)を受信する処理(以下、全発電機現在出力受信処理S4400と称する。)を説明するフローチャートである。
同図に示すように、subMasterは、General Masterから送信されてくる全発電機現在出力(ΣP)を受信する(S4411)。
また、subMasterは、General Masterから送信されてくる全地域要求量制御装置数(ΣFlg)を受信する(S4412)。
また、subMasterは、General Masterから送信されてくる全AFC装置現在出力(ΣPa)を受信する(S4413)。
また、subMasterは、General Masterから送信されてくる全AFC装置EDC指令値(ΣPe)を受信する(S4414)。
図45は、予測制御指令値送信処理S4012の詳細を説明するフローチャートである。
同図に示すように、subMasterは、自身が付設されている発電機5の出力燃料費特性、及び自身に発電機現在出力(P)を送信してきたslaveが付設されている発電機5の出力燃料費特性(SL)の夫々を、Fi(Pi)(i=1,2,・・・)として順次取得する(S4511)。
subMasterは、取得したFi(Pi)(i=1,2,・・・)を参照し、各発電機5の出力の最小値を合計した値(Pmin)を算出する。また、Masterは、取得したFi(Pi)(i=1,2,・・・)を参照し、各発電機5の出力の最大値を合計した値(Pmax)を算出する(S4512)。
subMasterは、Pmin以上Pmax以下の値のうち一つを選択し、選択した値を配分対象出力(Pr)として設定する(S4513)。
subMasterは、設定した配分対象出力(Pr)を、自身が付設されている発電機5、及び発電機現在出力(P)を送信してきたslaveが付設されている各発電機5に配分する処理(以下、最小燃料費配分処理S4514と称する。)を行う。最小燃料費配分処理S4514の詳細は後述する。
subMasterは、S4512で設定した配分対象出力(Pr)とは異なる他の配分対象出力(Pr)があるか否かを判断し(S4515)、他の配分対象出力(Pr)がある場合は(S4515:YES)S4513に戻り、他の配分対象出力(Pr)がない場合は(S4515:NO)出力燃料費特性(SMG)生成処理S4500は終了する。
図46は、最小燃料費配分処理S4514の詳細を説明するフローチャートである。同図に示すように、subMasterは、自身の出力燃料費特性(SM)、及び自身に発電機現在出力(P)を送信してきたslaveの夫々の出力燃料費特性(SL)を、出力燃料費特性Fi(Pi)(i=1,2,・・・)として順次取得する(S4611)。
subMasterは、S4513で設定した配分対象出力(Pr)を、出力燃料費特性Fi(Pi)(i=1,2,・・・)に基づき、自身が付設されている発電機5、及び自身に発電機現在出力(P)を送信してきたslaveが付設されている各発電機5に配分する(S4613)。
subMasterは、配分対象出力(Pr)を配分した発電機5と、その発電機5に配分した出力との組み合わせを上記各発電機5について生成し、生成した組み合わせ全体を、配分(D)として記憶する(S4614)。
subMasterは、出力燃料費特性Fi(Pi)(i=1,2,・・・)に基づき、S4614で記憶した配分(D)から、各発電機5の燃料費(Fi(D)(i=1,2,・・・))を取得し、取得した燃料費の合計値(Fall(D))を算出する(S4615)。
subMasterは、S4613で生成した配分(D)とは異なる配分があるか否か判断し(S4616)、異なる配分がある場合には(S4616:YES)S4613に戻り、異なる配分がない場合には(S4617:NO)S4617に進む。
S4617では、subMasterは、S4613で生成した全ての配分(D)のうち、燃料費の合計値(Fall(D))が最小値となる配分(D)を最小燃料費配分(Fr(Pr))として記憶する。
subMasterは、自身に発電機現在出力(P)を送信してきたslaveに、EDC指令値Peを送信する(S4618)。具体的には、最小燃料費配分(Fr(Pr))により配分した出力(Pi(D)(i=1,2,・・・))と予測制御時刻とを、EDC指令値として送信する。尚、subMasterは、自身が付設されている発電機5の出力(Pi(D))を、自身が付設されている発電機5に対するEDC指令値として記憶する。
図47は、subMasterが、自身が付設されている発電機5に対して、予測制御及び地域要求量制御を行う処理(以下、需給制御処理S4700と称する。)を説明するフローチャートである。需給制御処理S4700は、随時、又は予測制御時刻に行われる。
同図に示すように、subMasterは、自身が付設されている発電機5に配分した出力(EDC指令値)と、自身が付設されている発電機5の発電能力(Pcap)との差に基づき、自身が付設されている発電機5に地域要求量制御を行うことが可能であるか否かを判断する(S4711)。
地域要求量制御を行うことが可能である場合は(S4711:YES)、AFC装置EDC指令値(Pe,A)を、最小燃料費配分処理S4514で生成した、自身が付設されている発電機5に対するEDC指令値に設定してS4712に進み、地域要求量制御を行うことが可能でない場合は(S4719:NO)S4721に進む。
S4712では、subMasterは、地域要求量(AR)を算出する。具体的には、地域要求量(AR)は、
AR=K・(f−f0)・(ΣP)+(ΣPe)−(ΣPa)
として算出する。ここで、Kは系統周波数特性定数、f0は基準周波数(例えば、50Hz又は60Hz)である。尚、subMasterは、求めた地域要求量(AR)についてフィルタ処理、即ち、地域要求量(AR)に含まれる極短周期成分を除去する平滑化処理、及び微動成分を除去する不感帯処理を行う。
subMasterは、算出した地域要求量(AR)と、EDC指令値(Pe)とに基づき、出力指令値(Pc)を生成する(S4713)。具体的には、出力指令値(Pc)は、
Pc=Pe+(AR/(ΣFlg))
として生成する。
尚、図48は、subMasterが生成するEDC指令値(Pe)の一例を示している。同図に示すように、subMasterは、自身が付設されている発電機5のEDC指令値(Pe)を「70kW」に設定し、現在時刻「10:10」から10分後の予測制御時刻「10:20」と対応づけて記憶している。
図47に戻り、subMasterは、S4713で生成した出力指令値(Pc)に基づき、自身が付設されている発電機5に対する出力制御を行う(S4714)。
S4721では、subMasterは、EDC指令値(Pe)に基づき、出力指令値(Pc)を生成する。具体的には、出力指令値(Pc)は、
Pc=Pe
として生成する。その後はS4714に進む。
<slaveの処理>
次に、slaveが行う処理について説明する。
slaveは、自身が付設されている発電機5の出力や燃料費の情報を取得する。
図49は、slaveが行う処理のうち、自身が付設されている発電機5の現在の出力を取得する処理(以下、現在出力取得処理S4900と称する。)を説明するフローチャートである。
同図に示すように、slaveは、随時、自身が付設されている発電機5の現在の出力(発電機現在出力(P))を取得し、取得した発電機現在出力(P)を記憶する(S4911)。また、slaveは、随時、電力系統1の現在の系統周波数(f)を取得し、取得した系統周波数(f)を記憶する(S4912)。
また、slaveは、自身が記憶している地域要求量制御可能情報(Flg)を随時取得し(S4913)、取得した地域要求量制御可能情報(Flg)が、自身が地域要求量制御が可能であることを示している場合は、AFC装置現在出力(Pa)に発電機現在出力(P)を設定する。
slaveは、自身が付設されている発電機5の現在の出力を取得すると、取得した情報をsubMasterに送信する。
図50は、slaveが、随時、取得した発電機現在出力(P)を送信する処理(以下、発電機現在出力送信処理S5000と称する。)を説明するフローチャートである。同図に示すように、slaveは、取得した発電機現在出力(P)をsubMasterに送信する(S5011)。
また、slaveは、自身が記憶している地域要求量制御可能情報(Flg)を、subMasterに送信する(S5012)。
また、slaveは、自身が記憶しているAFC装置現在出力(Pa)をsubMasterに送信する(S5013)。
また、slaveは、自身が記憶しているAFC装置EDC指令値(Pe,A)をsubMasterに送信する(S5014)。
slaveは、General Masterから、地域要求量制御を行うための情報を受信する。
図51は、slaveが、General Masterから随時、全発電機現在出力(ΣP)を受信する処理(以下、全発電機現在出力受信処理S5100と称する。)を説明するフローチャートである。
同図に示すように、slaveは、General Masterから送信されてくる全発電機現在出力(ΣP)を受信し、記憶する(S5111)。
また、slaveは、General Masterから送信されてくる全地域要求量制御装置数(ΣFlg)を受信し、記憶する(S5112)。
また、slaveは、General Masterから送信されてくる全AFC装置現在出力(ΣPa)を受信し、記憶する(S5113)。
また、slaveは、General Masterから送信されてくる全AFC装置EDC指令値(ΣPe)を受信し、記憶する(S5114)。
slaveは、受信したEDC指令値に基づき、自身が付設されている発電機5に対する予測制御を、予測制御時刻に行う。また、slaveは、随時、自身が付設されている発電機5に対して地域要求量制御を行う。
図52は、slaveが、予測制御及び地域要求量制御を行う処理(以下、需給制御処理S5200と称する。)を説明するフローチャートである。需給制御処理S5200は、随時、又は予測制御時刻に行われる。
同図に示すように、slaveは、受信したEDC指令値(Pe)と、自身が付設されている発電機5の発電能力(Pcap)との差に基づき、自身が付設されている発電機5に地域要求量制御を行うことが可能であるか否かを判断する(S5211)。具体的には、受信したEDC指令値(Pe)から、自身が付設されている発電機5の発電能力(Pcap)を減じた値が、所定の閾値Aより大きいか否かによって判断する。
地域要求量制御を行うことが可能である場合は(S5211:YES)、AFC装置EDC指令値(Pe,A)を、受信したEDC指令値に設定してS5212に進み、地域要求量制御を行うことが可能でない場合は(S5219:NO)S5221に進む。
S5212では、slaveは、地域要求量(AR)を算出する。具体的には、地域要求量(AR)は、
AR=K・(f−f0)・(ΣP)+(ΣPe)−(ΣPa)
として算出する。ここで、Kは系統周波数特性定数、f0は基準周波数(例えば、50Hz又は60Hz)である。尚、slaveは、求めた地域要求量(AR)についてフィルタ処理、即ち、地域要求量(AR)に含まれる極短周期成分を除去する平滑化処理、及び微動成分を除去する不感帯処理を行う。
slaveは、算出した地域要求量(AR)と、受信したEDC指令値(Pe)とに基づき、出力指令値(Pc)を生成する(S5213)。具体的には、出力指令値(Pc)は、
Pc=Pe+(AR/(ΣFlg))
として生成する。
尚、図53は、slaveが生成するEDC指令値(Pe)の一例を示している。同図に示すように、slaveは、自身が付設されている発電機5のEDC指令値(Pe)を「60kW」に設定し、現在時刻「10:10」から10分後の予測制御時刻「10:20」と対応づけて記憶している。
図52に戻り、slaveは、S5213で生成した出力指令値(Pc)に基づき、自身が付設されている発電機5に対する出力制御を行う(S5214)。
S5221では、slaveは、EDC指令値(Pe)に基づき、出力指令値(Pc)を生成する。具体的には、出力指令値(Pc)は、
Pc=Pe
として生成する。その後はS5214に進む。
以上のように、本実施形態の電力系統1によれば、第2情報処理装置20は、電力系統1における発電機5の燃料費が最も安く、かつその電力系統1における所定時間後の電力需要に対応する発電機5の出力である予測出力を算出し、算出した予測出力を、第1情報処理装置10に付設されている発電機5に配分し、配分した予測出力の出力制御である予測制御をその配分を行った発電機5に付設されている第1情報処理装置10に行わせるための情報である予測制御指令値を、その第1情報処理装置10に送信し、他方、第1情報処理装置10は、予測制御指令値を受信した際、受信した予測制御指令値と、自身の発電能力との差に基づき、地域要求量制御を行うことが可能であるか否かを判断し、可能であると判断した場合に地域要求量制御を行うので、第1情報処理装置10は、予測制御指令値と自身の発電能力に応じて、地域要求量制御を適切に行うことができる。これにより、1電力系統における需給制御を適切かつ低コストで行うことができる。
また、第1情報処理装置10は、自身が付設されている発電機5に地域要求量制御を行うことが可能であると判断した場合、他の第1情報処理装置10に、自身が地域要求量制御を行うことが可能であることを示す情報である地域要求量制御可能情報を送信し、他の第1情報処理装置10から地域要求量制御可能情報を受信した場合、記憶している地域要求量を減少させ、減少させた地域要求量に基づき地域要求量制御を行うので、複数の第1情報処理装置10が地域要求量制御を行うことができる場合、その複数の第1情報処理装置10の夫々が協調して、適切に地域要求量制御を行うことができる。これにより、電力系統における需給制御をより適切に行うことができる。
また、第1情報処理装置10の夫々は、地域要求量(AR)を、電力系統1において現在地域要求量制御が可能である発電機5の数を示す全地域要求量制御装置数(ΣFlg)で除した値に基づき地域要求量制御を行うので、複数の第1情報処理装置10が地域要求量制御を行うことができる場合、その複数の第1情報処理装置10の夫々が協調して、適切な地域要求量制御を適切に行うことができる。これにより、電力系統1における需給バランスをより適切に維持することができる。
以上に説明した実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
また本実施形態では、4階層の情報処理装置が存在する場合の需給制御について説明したが、同様の方法により本発明はn階層(n=5,6,・・・)の情報処理装置が存在する場合に拡張することができる。