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JP5421894B2 - 2重化プロセス制御装置および制御データ一致化方法 - Google Patents

2重化プロセス制御装置および制御データ一致化方法 Download PDF

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Description

本発明は、主系コントローラと待機系コントローラと含んで構成される2重化プロセス制御装置、および、その2重化プロセス制御装置において、待機系コントローラの制御データを主系コントローラの制御データに一致化させる制御データ一致化方法に関する。
近年では、発電所や工場などにおける各種のプラント装置を制御するプロセス制御装置は、一般的に2重化構成が採られるようになった。プロセス制御装置が2重化されると、一方の制御装置に異常が発生しても、他方の制御装置でプロセスの制御動作を継続して行うことができるので、プラント装置の稼動停止を防止することができる。
このような2重化されたプロセス制御装置では、制御動作を主系の制御装置から待機系の制御装置に切替えたときにしばしば生じる現象である、制御データの突変を防止する必要がある。2重化されたプロセス制御装置では、2つの制御装置が全く同じであっても、プロセスデータの入力値や入力タイミングのわずかな違いが時間の経過とともに積み重なっていくと、その2つの制御装置による制御動作に時間的なずれや相違が生じる。そのとき、その制御動作が主系の制御装置から待機系の制御装置へ切替えられると、制御対象プロセスを制御する制御データが急に変化(突変)する。その結果、突変した制御データを受けた制御対象プロセスは、しばしば擾乱することになる。
そこで、2重化されたプロセス制御装置では、制御データの突変を防止するために、主系および待機系の2つの制御装置の間で、プロセスへ出力する制御データや内部演算素子の演算に使用する内部データ(以下、内部データ含めて制御データと総称する)を一致させることが行われている。
例えば、特許文献1に開示された2重化プロセス制御装置では、2つの制御装置のそれぞれの記憶装置上に一致化データエリアが設けられている。その主系の制御装置は、演算周期ごとに一致化すべき制御データをその一致化データエリアに書き込むとともに、所定の一致化処理周期ごとに、その一致化データエリアのデータを待機系の制御装置の一致化データエリアに転写する。待機系の制御装置は、その一致化データエリアのデータを読み出すことにより、自装置の制御データを主系の制御装置の制御データに一致化させることができる。
さらに、発電所や工場などでは、プラントの操業停止は、即、製品の生産量の低下、ひいては、売上高や収益の低下をもたらす。そのため、その制御装置のプログラム更新をする際にも、できる限り制御動作を停止させることなく、つまり、プラントの操業停止に至ることなくプログラム更新することが望まれている。
特許文献2に開示された2重化制御システムでは、一方の制御装置が継続運転している状態で、他方のコントローラを停止させ、保守ツールから新しいプログラムがその停止した制御装置にダウンロードされる。従って、プログラム更新のために制御動作が途切れることはない。また、この2重化制御システムでは、それぞれの制御装置は、自系と相手系の制御データおよび自系と相手系の故障状態を記憶するトラッキングメモリを有し、プログラムのダウンロード完了後に、そのトラッキングメモリの内容を相互に送受信し合う初期トラッキング処理を実行する。そして、初期トラッキング処理により、その2つの制御装置の制御データの一致化が行われる。
特開平9−62304号公報 特開2007−172079号公報
しかしながら、特許文献2に開示された2重化制御システムにおいては、主系および待機系の2つの制御装置の制御プログラムは同じものであり、かつ、その初期トラッキング処理で一致化される制御データも同じであることが前提となっている。従って、制御プログラムを改訂する場合などには、両者の間で互いに相違する制御データが現れることがあるので、特許文献2に記載の初期トラッキング処理では、制御データの一致化が必ずしもうまく行われるとは限らない。
そこで、本発明の目的は、制御プログラムの改訂に際し、改訂前後の制御プログラムに互いに相違する制御データが存在し、主系の制御装置および待機系の制御装置のそれぞれにおいて、改訂前および改訂後の制御プログラムが別々に実行される場合であっても、制御データの一致化をプロセスの制御を停止させることなく行うことが可能な2重化プロセス制御装置および制御データ一致化方法を提供することにある。
本発明に係る主系コントローラと待機系コントローラと保守支援装置とを含んで構成された2重化プロセス制御装置では、主系コントローラと待機系コントローラとの間での制御データの一致化を行うために、一致化指示データおよび一致化用制御データなる概念を導入する。
ここで、一致化指示データは、一致化の対象となる制御データを指定するデータであり、その一致化の対象となる制御データを一意に識別する識別情報と、その制御データが主系コントローラまたは待機系コントローラの制御データメモリに格納されるときのアドレス情報と、が対応付けられて構成される。この一致化指示データは、主系コントローラおよび待機系コントローラそれぞれの制御プログラムのソースプログラムに基づき、保守支援装置により作成され、その作成された一致化指示データは、主系コントローラおよび待機系コントローラそれぞれに送信され、設定される。
また、一致化用制御データは、主系コントローラに設定された一致化指示データに基づき、主系コントローラによって作成され、主系コントローラから待機系コントローラへ転送される。この一致化用制御データは、一致化の対象となる制御データとその制御データを識別する識別情報とが対応付けられて構成される。
以上のような一致化指示データおよび一致化用制御データを用いた2重化プロセス制御装置では、主系コントローラは、所定の制御サイクルごとに、あらかじめ設定された一致化指示データに基づき、制御プログラムの実行によって取得される制御データの中から一致化対象のデータを選択して、一致化用制御データを作成し、その作成した一致化用制御データを待機系コントローラへ転送する。そして、待機系コントローラは、主系コントローラから転送された一致化用制御データの中から、自装置にあらかじめ設定された一致化指示データに含まれる識別情報と同じ識別情報を有する一致化用制御データを選択し、その選択した一致化用制御データに含まれる制御データを用いて、自装置の一致化指示データに含まれるアドレス情報で指定される制御データメモリ上のアドレスに格納されている制御データを書き換える。
以上、本発明に係る2重化プロセス制御装置では、主系コントローラと待機系コントローラとで、別々に一致化指示データを設定することができるので、両者の制御プログラムの一部に相違があっても相違する制御信号の一致化を回避させることが容易にできる。従って、主系コントローラおよび待機系コントローラのそれぞれにおいて、改訂前および改訂後の制御プログラムが別々に実行される場合であっても、両者の同じ制御データを用いて、制御データの一致化を行うことが可能となり、そのとき、プロセスの制御が停止されることもない。
本発明によれば、2重化プロセス制御装置において、その制御プログラムの改訂に際し、改訂前後の制御プログラムに互いに相違する制御データが存在し、主系の制御装置および待機系の制御装置のそれぞれにおいて、改訂前および改訂後の制御プログラムが別々に実行される場合であっても、制御データの一致化をプロセスの制御を停止させることなく行うことが可能になる。
本発明の実施形態に係る2重化プロセス制御装置の構成の例を示した図。 本発明の実施形態に係る2重化プロセス制御装置における制御サイクルの例を示した図。 主系のA系コントローラと待機系のB系コントローラとで行われる制御データの一致化動作を模式的に説明するための図。 主系のA系コントローラおよび待機系のB系コントローラが実行するプロセス制御処理および制御データの一致化処理の処理フローの例を示した図。 本発明の実施形態に係る2重化プロセス制御装置において、制御プログラムを更新するためのA系コントローラおよびB系コントローラに対する状態切り替えの手順の例を示した図。 保守支援装置での制御プログラム変数定義画面の例を示した図。 保守支援装置における一致化指示データ作成処理手順の概略を模式的に示した図。 保守支援装置における一致化指示データ作成処理の処理フローの例を示した図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る2重化プロセス制御装置100の構成の例を示した図である。図1に示すように、2重化プロセス制御装置100は、プロセス入出力装置2を介して制御対象プロセス3を制御する主系と待機系の2つのコントローラ1と、通信ネットワーク4を介して前記2つのコントローラ1に接続された保守支援装置5と、を含んで構成される。なお、説明の便宜上、以下、図1の左側のコントローラ1をA系コントローラ1aと呼び、右側のコントローラ1をB系コントローラ1bと呼ぶ。そして、この時点では、A系コントローラ1aは、主系のコントローラ1として機能し、また、B系コントローラ1bは、待機系のコントローラ1として機能するものとする。
A系コントローラ1aまたはB系コントローラ1bとなるコントローラ1は、制御処理部10と、制御データ一致化処理部13と、一致化用制御データ転送部14と、保守データダウンロード部15と、一致化指示データ記憶部16と、一致化用制御データ記憶部17と、を含んで構成される。
図1では、制御処理部10は、説明の便宜上、制御プログラム11と制御データメモリ12とを含んで構成されるとしているが、実際のハードウエアでは、制御処理部10は、例えば、汎用のマイクロプロセッサやFPGA(Field-Programmable Gate Array)を用いた演算処理装置(図示省略)と半導体メモリによる記憶装置(図示省略)とによって構成されている。そして、制御プログラム11は、その記憶装置に記憶された情報であり、演算処理装置は、その制御プログラム11を実行することによって、所定の制御動作を実現する。また、制御データメモリ12は、制御データが記憶された前記記憶装置の一部を指している。
この制御処理部10の機能は、主系のA系コントローラ1aと待機系のB系コントローラ1bとで、その機能が一部異なっている。すなわち、主系のA系コントローラ1aの制御処理部10aは、制御プログラム11aの指示に従って、制御対象プロセス3からプロセス入出力装置2を介してプロセスデータを入力し、制御データを演算し、その演算した制御データを制御データメモリ12aへ格納し、その制御データの一部を、プロセス入出力装置2を介して制御対象プロセス3へ出力する。
一方、待機系のB系コントローラ1bの制御処理部10bは、制御プログラム11bの指示に従って、制御対象プロセス3からプロセス入出力装置2を介してプロセスデータを入力し、制御データを演算し、その演算した制御データを制御データメモリ12bへ格納するが、その制御データをプロセス入出力装置2、すなわち、制御対象プロセス3へ出力しない。ただし、制御処理部10bが実行する制御プログラム11bは、基本的には、制御処理部10aが実行する制御プログラム11aと同じである。
以上の通り、制御対象プロセス3に対する制御データは、主系のA系コントローラ1aから出力されるので、制御対象プロセス3は、主系のA系コントローラ1aによって制御されることになる。一方で、待機系のB系コントローラ1bは、制御データを制御対象プロセス3へ出力することを除き、主系のA系コントローラ1aと同じ制御処理を実行しているので、主系のA系コントローラ1aに異常が生じた場合には、直ちに、A系コントローラ1aに代わって、制御データを制御対象プロセス3へ出力することができる。
図1において、A系コントローラ1aおよびB系コントローラ1bのそれぞれに含まれる制御データ一致化処理部13、一致化用制御データ転送部14、一致化指示データ記憶部16および一致化用制御データ記憶部17は、待機系のB系コントローラ1bの制御データを主系のA系コントローラ1aの制御データに一致化させる機能を担う。
また、保守データダウンロード部15は、制御プログラム11の更新や保守のために保守支援装置5から送信される、新たな制御プログラムおよび一致化指示データを受信し、その受信した制御プログラムおよび一致化指示データで、制御プログラム11、および、一致化指示データ記憶部16に記憶されている一致化指示データを更新する。
一方、図1において、保守支援装置5は、保守データ記憶部50、制御プログラムエディタ部51、一致化指示データ作成部52、制御プログラムコンパイラ部53、保守データ配信部54などの機能ブロックを含んだ一般的なコンピュータによって構成され、キーボードやマウスなどの入力装置60、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置61などが付属している。
ここで、制御プログラムエディタ部51は、表示装置61などに対するグラフィカルなユーザインタフェースを有し、入力装置60を介してユーザの操作入力を受付けて、制御プログラムソース55a,55bを作成する。また、一致化指示データ作成部52は、ユーザによる操作入力を受付けて、一致化指示データ56a,56bを作成する。また、制御プログラムコンパイラ部53は、制御プログラムソース55a,55bをコンパイルして、A系コントローラ1aおよびB系コントローラ1bにおける実行プログラムモジュールである制御プログラム57a,57bを作成する。
こうして作成された制御プログラムソース55a,55b、一致化指示データ56a,56b、制御プログラム57a,57bは、いったん保守支援装置5の記憶装置である保守データ記憶部50に記憶される。そして、このうち、制御プログラム57a,57bおよび一致化指示データ56a,56bは、保守データ配信部54により、A系コントローラ1aおよびB系コントローラ1bへ配信(送信)される。
図2は、本発明の実施形態に係る2重化プロセス制御装置100における制御サイクルの例を示した図である。図2に示すように、A系コントローラ1aおよびB系コントローラ1bは、所定の周期(例えば、数m秒〜数100m秒)の制御サイクルで互いに同期しながら制御処理を実行する。そして、その単位となる制御サイクルは、Ph−1〜Ph−4の4つのフェーズによって構成されている。
主系のA系コントローラ1aの場合、その制御サイクルは、プロセス入力(Ph−1)、プログラム演算(Ph−2)、プロセス出力(Ph−3)および一致化用制御データ送信(Ph−4)の各フェーズによって構成されている。また、待機系のB系コントローラ1bは、プロセス入力(Ph−1)、プログラム演算(Ph−2)、無処理(Ph−3)および一致化用制御データ受信(Ph−4)の各フェーズによって構成されている。
Ph−1およびPh−2における動作は、主系のA系コントローラ1aと待機系のB系コントローラ1bとで同じである。すなわち、Ph−1(プロセス入力)において、制御処理部10a,10bは、プロセス入出力装置2を介して制御対象プロセス3からプロセスデータを入力する。また、Ph−2(プログラム演算)において、制御処理部10a,10bは、制御プログラム11a,11bに従って演算処理を実行し、その結果を制御データメモリ12a,12bに格納する。
Ph−3およびPh−4における動作は、主系のA系コントローラ1aと待機系のB系コントローラ1bとで相違する。すなわち、主系のA系コントローラ1aの場合、Ph−3(プロセス出力)で、制御処理部10aは、制御データメモリ12aに格納された制御データを、プロセス入出力装置2を介して制御対象プロセス3へ出力する。そして、Ph−4(一致化用制御データ送信)で、制御データ一致化処理部13aは、一致化対象の制御データを制御データメモリ12aから取り出し、一致化用制御データ転送部14aを介して待機系のB系コントローラ1bへ送信する。
一方、待機系のB系コントローラ1bの場合、Ph−3(無処理)は、ダミーフェーズであり、実行される処理はない。また、Ph−4(一致化用制御データ受信)では、制御データ一致化処理部13bは、一致化用制御データ転送部14bを介して受信した一致化対象の制御データを受信し、受信した制御データ(主系)を、制御データメモリ12bのその制御データ(主系)に対応する待機系の制御データの格納アドレスに上書きする。
図3は、主系のA系コントローラ1aと待機系のB系コントローラ1bとで行われる制御データの一致化動作を模式的に説明するための図である。図3において、制御データメモリ12a,12bには、制御プログラム11a,11bにしたがって実行された演算処理の結果が制御データとして格納される。このとき、制御データおよびその制御データが制御データメモリ12a,12bに格納されるアドレスは、制御プログラム11a,11bによって定められる。
例えば、図3において、制御プログラム11a,11bに含まれるin1,in2を入力データとしてout1を演算する演算素子FA(例えば、加算演算素子)の演算結果を、FAという名称の制御データで表し、その値がdata_FAであったとする。その場合には、制御データの値data_FAは、制御データメモリ12a,12bのあらかじめ定められたアドレスaddr_FAに格納される。
同様に、図3において、制御プログラム11a,11bに含まれるin3,1n4を入力データとしてout3,out4を演算する演算素子TP(例えば、オンタイマディレー素子)の演算結果を、TPいう名称の制御データで表し、その値がdata_TP(例えば、out3およびout4を連結した値)であったとする。その場合には、制御データの値data_TPは、制御データメモリ12a,12bのあらかじめ定められたアドレスaddr_TPに格納される。
また、一致化指示データ記憶部16a,16bに保持される一致化指示データは、制御プログラム11a,11bが保守支援装置5(図1参照)で作成されるときに併せて作成され、制御プログラム11a,11bとともに保守支援装置5からダウンロードされる。この一致化指示データは、制御データを一意に識別するIDが格納されるIDフィールドと、その制御データが格納されている制御データメモリ12a,12b上のアドレス情報(アドレスの値)格納されるアドレスフィールドと、を含んで構成されている。
すなわち、図3において、一致化指示データ記憶部16a,16bのデータ構成の例として記載された「5」、「12」は、制御データFA,TPそれぞれに割り当てられた識別番号(ID)を表し、「addr_FA」、「addr_TP」は、制御データFA,TPのそれぞれが制御データメモリ12a,12bに格納されたアドレスを表している。
また、一致化用制御データ記憶部17a,17bに保持される一致化用制御データは、一致化対象の制御データであり、制御データを一意に識別するIDが格納されるIDフィールドと、その制御データの値が格納されるデータフィールドと、を含んで構成されている。
すなわち、図3において、一致化用制御データ記憶部17a,17bのデータ構成の例として記載された「5」、「12」は、一致化対象の制御データFA,TPのそれぞれに割り当てられた識別番号(ID)を表し、「data_FA」、「data_TP」は、一致化対象の制御データの値を表している。
ここで、A系コントローラ1aの制御データ一致化処理部13aは、各制御サイクルのPh−4(図2参照)で、一致化指示データ記憶部16a,16bのアドレスフィールドに格納されているアドレス情報(addr_FA,addr_TPなど)を読み出す。そして、制御データメモリ12を参照して、そのアドレス情報が示すアドレスから、制御データの値(data_FA,data_TPなど)を読み出す。さらに、制御データ一致化処理部13aは、当該制御データのIDと制御データメモリ12から読み出した制御データの値とを対応付けたデータを、一致化用制御データとして、一致化用制御データ記憶部17aに格納する。このようにして、作成された一致化用制御データは、一致化用制御データ転送部14aを介して、B系コントローラ1bへ転送される。
一方、B系コントローラ1bの一致化用制御データ転送部14bは、同じPh−4で、A系コントローラ1aから送信されてくる一致化用制御データを受信し、一致化用制御データ記憶部17bに格納する。また、制御データ一致化処理部13bは、一致化用制御データ記憶部17bからIDフィールドを読み出し、そのIDフィールドに含まれるIDと同じIDを有する一致化指示データを一致化指示データ記憶部16から読み出す。そして、制御データ一致化処理部13bは、その読み出した一致化指示データのアドレスフィールドに含まれるアドレス情報によって指定される制御データメモリ12bに格納されている制御データの値を、当該IDを有する一致化用制御データのデータフィールドに含まれている制御データで書き換える(上書きする)。
以上のようにして、B系コントローラ1bの制御データメモリ12bに格納されている制御データは、A系コントローラ1aの制御データメモリ12aに格納されている制御データに一致化される。ただし、以上の手順によって一致化されるのは、A系コントローラ1aの一致化指示データ記憶部16aおよびB系コントローラ1bの一致化指示データ記憶部16bのそれぞれに設定された一致化指示データの両方で、一致化の対象とすることが指示された制御データだけである。
図4は、本発明の実施形態に係る2重化プロセス制御装置100における主系のA系コントローラ1aおよび待機系のB系コントローラ1bが実行するプロセス制御処理および制御データの一致化処理の処理フローの例を示した図である。
主系のA系コントローラ1a(制御処理部10a)は、まず、制御サイクルのPh−1(図2参照)の処理として、プロセス入出力装置2を介して制御対象プロセス3のプロセスデータを取得する(ステップS11)。次に、A系コントローラ1a(制御処理部10a)は、Ph−2の処理として、その取得したプロセスデータと制御データメモリ12aに記憶されている制御データ(各種の制御状態データを含む)を用いて、制御プログラム11aで定められた演算処理を実行し(ステップS12)、その演算処理結果を制御データメモリ12aに格納する(ステップS13)。さらに、A系コントローラ1a(制御処理部10a)は、Ph−3の処理として、制御データメモリ12aに格納された制御データのうち、あらかじめ定められた制御対象データを、プロセス入出力装置2を介して制御対象プロセス3へ出力する(ステップS14)。
続いて、A系コントローラ1a(制御データ一致化処理部13a)は、Ph−4の処理として、一致化指示データ記憶部16aから一致化指示データを読み出し、そのIDフィールドに含まれるIDと、そのアドレスフィールドに含まれるアドレスで指定される制御データメモリ12aから読み出した制御データと、を対応付けたデータを、一致化用制御データとして、一致化用制御データ記憶部17aに格納する(ステップS15)。続けて、A系コントローラ1a(制御データ一致化処理部13a)は、一致化用制御データ記憶部17aに格納された一致化用制御データを、一致化用制御データ転送部14aを介してB系コントローラ1bへ送信する(ステップS16)。
一方、待機系のB系コントローラ1b(制御データ一致化処理部13b)は、Ph−4の処理として、A系コントローラ1aから送信される一致化用制御データを、一致化用制御データ転送部14bを介して受信し(ステップS21)、その受信した一致化用制御データを一致化用制御データ記憶部17bへ格納する。そして、B系コントローラ1b(制御データ一致化処理部13b)は、その受信した一致化用制御データのIDフィールドに含まれるIDと同じIDを含んだ一致化指示データが、一致化指示データ記憶部16bの中に存在するか否かを判定する(ステップS22)。その判定の結果、同じIDを含んだ一致化指示データが存在した場合には(ステップS22でYes)、受信した一致化用制御データのデータフィールドに含まれる制御データを用いて、そのIDが同じ一致化指示データのアドレスフィールドで指定されるアドレスの制御データメモリ12bの制御データを書き換える(ステップS23)。また、同じIDを含んだ一致化指示データが存在しない場合には(ステップS22でNo)、ステップS23の処理をスキップする。
続いて、B系コントローラ1b(制御処理部10b)は、次の制御サイクルのPh−1の処理として、プロセス入出力装置2を介して制御対象プロセス3のプロセスデータを取得する(ステップS24)。次に、B系コントローラ1b(制御処理部10b)は、B系コントローラ1b(制御処理部10b)は、Ph−2の処理として、その取得したプロセスデータと制御データメモリ12bに記憶されている制御データ(各種の制御状態データを含む)を用いて、制御プログラム11bで定められた演算処理を実行し(ステップS25)、その演算処理結果を制御データメモリ12bに格納する(ステップS26)。なお、待機系のB系コントローラ1bは、Ph−3では、何も処理しない。
次に、A系コントローラ1aおよびB系コントローラ1bにおける制御プログラム11a,11bの更新手順について説明する。図1に示したように、A系コントローラ1aおよびB系コントローラ1bは、保守データダウンロード部15a、15bを有している。保守データダウンロード部15a、15bは、保守支援装置5から通信ネットワーク4を介して送信される制御プログラム57a,57bおよび一致化指示データ56a,56bを受信し、その受信した制御プログラム57a,57bおよび一致化指示データ56a,56bにより、制御処理部10a,10bにおける制御プログラム11a,11bおよび一致化指示データ記憶部16a,16bに記憶されている一致化指示データを更新する。
ただし、主系のA系コントローラ1aの制御プログラム11aは、制御対象プロセス3の制御動作に用いられているので、そのとき、その制御プログラム11aを更新することはできない。待機系のB系コントローラ1bは、制御対象プロセス3に制御データを出力していないので、制御プログラム11bの更新が可能である。そこで、制御プログラム11a,11bの更新は、それぞれ待機系の状態であるときに行われる。
図5は、本発明の実施形態に係る2重化プロセス制御装置100において、制御プログラム11a,11bを更新するためのA系コントローラ1aおよびB系コントローラ1bに対する状態切り替えの手順の例を示した図である。なお、前記したように制御プログラム11a,11bの更新時には、一致化指示データ記憶部16a,16bに記憶されている一致化指示データも併せて更新されるが、ここでは、制御プログラム11a,11bだけの更新として説明する。また、更新後の制御プログラム57a,57bは、更新前の制御プログラム11a,11bを小幅に改訂したプログラムであるとする。
まず、状態C0では、A系コントローラ1a、B系コントローラ1bともにオンライン運転されているとする。ここで、オンライン運転状態とは、主系の場合、制御対象プロセス3に対し制御データの出力動作を行っている状態、待機系の場合、主系と同じ制御プログラムを実行していつでも主系への切り替えが可能な状態をいう。
保守支援装置5は、状態C0のときに、待機系のB系コントローラ1bへ停止要求を送信する(ステップS31)。B系コントローラ1bは、その停止要求を受信すると、自装置を停止状態にする(状態C1)。ここで、停止状態とは、制御プログラム11bの実行を停止した状態をいう。従って、状態C1では、B系コントローラ1bのいわゆるホットスタンバイが解除された状態になる。
保守支援装置5は、状態C1の待機系のB系コントローラ1bへ改訂された制御プログラム57bを送信する(ステップS32)。B系コントローラ1bは、その制御プログラム57bを受信して、制御プログラム11bを制御プログラム57bに更新する。
次に、保守支援装置5は、待機系のB系コントローラ1bへオフライン運転要求を送信する(ステップS33)。B系コントローラ1bは、そのオフライン運転要求を受信すると、自装置を待機系オフライン運転状態にする(状態C2)。ここで、オフライン運転状態とは、待機系のB系コントローラ1bが制御プログラム11bの実行を開始し、その動作の正否を確認している状態をいう。その動作の正否は、例えば、B系コントローラ1bがA系コントローラ1aから送信される一致化用制御データを自装置で得られた制御データで比較することによって行うことができる。
保守支援装置5は、その正否動作の確認で、B系コントローラ1bの動作が正しいことを確認できなかった場合には(ステップS34でNo)、制御プログラム57bをさらに改訂するなどして、ステップS31以下の処理を再度実行する。また、B系コントローラ1bの動作が正しいことを確認できた場合には(ステップS34でYes)、保守支援装置5は、待機系のB系コントローラ1bへオンライン運転要求を送信する(ステップS35)。B系コントローラ1bは、そのオンライン運転要求を受信すると、自装置を待機系オンライン運転状態にする(状態C3)。
この状態C3では、B系コントローラ1bの制御プログラム57bは、改訂後のものであり、A系コントローラ1aの制御プログラム57aは、改訂前のものであるが、両者は、いずれもオンライン運転状態であるので、両者の間では、制御データの一致化が行われる。
次に、保守支援装置5は、主系のA系コントローラ1aへ主系放棄要求を送信する(ステップS36)。その主系放棄要求を受信したA系コントローラ1aは、主系を放棄して、待機系オンライン運転状態になり、それに伴い、B系コントローラ1bが主系オンライン運転状態になる(状態C4)。ここで、A系コントローラ1aおよびB系コントローラ1bは、主系および待機系を交替したことになる。
以下、ステップS41〜S46までの処理は、A系コントローラ1aとB系コントローラ1bが入れ替わった場合のステップS31〜S36までの処理と同じ処理であるので、その処理の説明を省略する。
以上のようにして、A系コントローラ1aおよびB系コントローラ1bの制御プログラム11a,11bは、保守支援装置5から送信された改訂された制御プログラム57a,57bに更新される。そして、A系コントローラ1aおよびB系コントローラ1bの状態は、もとの状態C0に戻る。
続いて、保守支援装置5における各種の処理について説明する。図6は、本発明の実施形態に係る2重化プロセス制御装置における保守支援装置5での制御プログラム変数定義画面の例を示した図であり、(a)は、改訂前の制御プログラムCの制御プログラム変数定義画面の例、(b)は、改訂後の制御プログラムDの制御プログラム変数定義画面の例である。また、それぞれの制御プログラム変数定義画面で、その上部には制御データ一覧表62が表示され、下部には、制御プログラム図面63が表示される。
ここで、制御プログラムCおよび制御プログラムDは、国際規格IEC61131−3で標準化されたFBD(Function Block Diagram)言語で作成されるものとする。FBD言語のプログラムは、プログラムの実行単位であるタスク、単位プログラムであるPOU(Program Organization Unit)、演算子であるFB(Function Block)やFN(Function)の三層構造である。タスクは複数のPOUから成り、POUは複数の演算子から成り、その演算子が保持するデータが制御データである。制御データの名称はそのデータに固有のものであるので、名称が違えば違うIDが割り当てられ、また、名称が同じ制御データには同じIDが割り当てられる。ただし、制御プログラムの中に複数のタスクが存在する場合、および、タスクの中に複数のPOUが存在する場合には、制御データの名称と、タスク名称、POU名称が同じ制御データに対して同じIDを割り当てることで、IDを固有にすることが可能である。なお、ここでいうIDとは、制御データを一意に識別する識別情報である。
以下、本明細書では、タスクNoが「x」で、POU Noが「y」で、制御データ名称が「Z」で、制御データ種別が「w」である制御データ(演算子)のことを、便宜上、「xyZw」という文字列で表す。
図6に示した制御データ一覧表62には、一致化対象のデータにチェックボックスが設けられており、ユーザがそのチェックボックスにチェックマークを入れることで、一致化対象の制御データを指定する。その場合、一致化対象の制御データとしては、改訂前後の制御プログラムで、「xyZw」が同じ制御データを選択するものとした。すなわち、両者の制御プログラム間で、タスクNo、POU No、制御データ名称、制御データ種別がすべて一致する制御データを一致化対象の制御データとする。図6の例では、実線の丸で囲んだ制御データは、一致化する制御データの例であり、破線の丸で囲んだ制御データは、一致化しない制御データの例である。
なお、本実施形態の場合、ユーザが一致化すべきでない制御データを一致化対象として選択した場合であっても、両者の制御データに別々のIDが付される限り問題はない。これは、制御データの一致化を実施する待機系のB系コントローラ1bは、IDが一致する制御信号でなければ、制御データの一致化、すなわち上書きは行われないからである。
次に、図7および図8を参照して、一致化指示データ作成部52による一致化指示データ作成処理フローの例について説明する。ここで、図7は、保守支援装置5における一致化指示データ作成処理手順の概略を模式的に示した図、図8は、保守支援装置5における一致化指示データ作成処理の処理フローの例を示した図である。
一致化指示データ作成部52(図1参照)は、保守データ記憶部50から制御プログラムソース55a,55bを読み込んで、制御プログラム変数定義画面(図6参照)を用いて設定された制御データ一覧表62の基づき、図7に示すような制御データ一覧テーブル58a,58bを作成する。ここで、フラグ欄のチェックマークは、A系、B系それぞれでその制御信号が一致化対象の制御信号として選択されていることを表す。ここでは、制御プログラムソース55aに対する制御データ一覧テーブル58aが先に作成されているので、そのB系に対するフラグ欄は、空欄となっている。また、制御プログラムソース55bに対する制御データ一覧テーブル58bにおいて、制御データのIDは、xyZwが同じ制御データについては同じIDが付されている。
こうして作成された制御データ一覧テーブル58a,58bを用いて、一致化指示データ作成部52は、制御データのIDと、その制御データが格納される制御データメモリ12a、12b上でのアドレスと、から構成される一致化指示データ56a,56bを作成する。さらに、その一致化指示データ56a,56bは、それぞれ、制御プログラム57a,57bとともに、A系コントローラ1aおよびB系コントローラ1bへ送信される。
さらに、図8を用いて、一致化指示データ作成処理を詳しく説明する。なお、図8に示した一致化指示データ作成処理では、ユーザが図6に示した制御プログラム変数定義画面を用いて、一致化対象の制御データを選択しなくても、一致化対象の制御データが選択され、制御データ一覧テーブル58a,58bが作成される。
一致化指示データ作成部52は、まず、A系用の制御プログラムソース55aから演算制御行を1行読み取り(ステップS51)、その演算制御行に含まれる演算子(演算素子ともいう)のxyZwがユニークであるか否かを判定する(ステップS52)。
その判定で、xyZwがユニークであった場合には(ステップS52でYes)、一致化指示データ作成部52は、xyZwを制御データ一覧テーブル58aに追加し、xyZwに新しいIDを付与する(ステップS53)。ここで、制御データ一覧テーブル58aは、初期状態ですべて空欄のデータであり、IDは、xyZwが追加されるたびに、その順序を表す数が付与されるものとする。また、ステップS52の判定で、xyZwがユニークでなかった場合には(ステップS52でNo)、ステップS53の処理は、スキップされる。
次に、一致化指示データ作成部52は、制御データ一覧テーブル58aにおいてA系コントローラ1aでの一致化対象データであることを示すフラグAをセットする(ステップS54)、すなわち、フラグAの欄にチェックマークを入れる。
次に、一致化指示データ作成部52は、A系用の制御プログラムソース55aから演算制御行の読み取りが終了したか否かを判定し(ステップS55)、演算制御行の読み取りが終了していなかった場合には(ステップS55でNo)、ステップS51へ戻って、ステップS51以下の処理を再度実行する。また、演算制御行の読み取りが終了した場合には(ステップS55でYes)、一致化指示データ作成部52は、それまでに作成された制御データ一覧テーブル58aから一致化指示データ56aを作成し(ステップS56)、保守データ配信部54を介して、その作成した一致化指示データ56aをA系コントローラ1aへ送信する(ステップS57)。
次に、一致化指示データ作成部52は、B系用の制御プログラムソース55bから演算制御行を1行読み取り(ステップS58)、その演算制御行に含まれる演算子のxyZwがA系用の制御プログラムソース55aに存在したか否かを判定し(ステップS59)、A系用の制御プログラムソース55aに存在した場合には(ステップS59でYes)、制御データ一覧テーブル58bにおいてB系コントローラ1bでの一致化対象データであることを示すフラグBをセットする(ステップS62)。なお、制御データ一覧テーブル58bは、実体として、制御データ一覧テーブル58aと同じものであり、ステップS56直前までに作成された制御データ一覧テーブル58aを継続して使用したものである。
一方、ステップS59の判定で、演算子のxyZwがA系用の制御プログラムソース55aに存在しなかった場合には、一致化指示データ作成部52は、さらに、その演算子のxyZwがB系用の制御プログラムソース55bだけに存在するか否かを判定する(ステップS60)。
そして、そのxyZwがB系用の制御プログラムソース55bだけに存在した場合には(ステップS60でYes)、制御データ一覧テーブル58bに、そのxyZwを制御データ一覧テーブル58bに追加し、xyZwに新しいIDを付与し(ステップS61)、さらに、制御データ一覧テーブル58bのフラグBをセットする(ステップS62)。また、ステップS60の判定で、xyZwがB系用の制御プログラムソース55bだけに存在した場合でないときには(ステップS60でNo)、一致化指示データ作成部52は、その処理の実行をステップS63へ移す。
また、ステップS62に引き続いて、一致化指示データ作成部52は、B系用の制御プログラムソース55bから演算制御行の読み取りが終了したか否かを判定し(ステップS63)、演算制御行の読み取りが終了していなかった場合には(ステップS63でNo)、ステップS58へ戻って、ステップS58以下の処理を再度実行する。また、演算制御行の読み取りが終了した場合には(ステップS63でYes)、一致化指示データ作成部52は、それまでに作成された制御データ一覧テーブル58bから一致化指示データ56bを作成し(ステップS64)、保守データ配信部54を介して、その作成した一致化指示データ56bをB系コントローラ1bへ送信する(ステップS65)。
なお、ここでは、B系コントローラ1bの一致化指示データ56bがA系コントローラ1aの一致化指示データ56aに引き続いて送信されるとしたが、一般的には、A系コントローラ1aにはすでに一致化指示データ56aが送信されており、そのあと、制御プログラム11a,11bを改訂する場合に、その改訂された制御プログラム57a,57bを送信するときに併せて送信される。
また、以上の説明では、制御データのIDは、制御データ一覧テーブル58a,58bに登録された順序に従って、その順序数が割当てられるものとしたが、制御信号のタスクNo、POU No、制御データ名称、制御データ種別を表す文字列xyZwを、CRC(Cyclic Redundancy Check Code)で符号化したデータであっても、特定の処理でハッシュ化したデータであってもよい。
以上、本発明の実施形態によれば、主系のA系コントローラ1aおよび待機系のB系コントローラ1bの一致化指示データ記憶部16a,16bには、別々に作成された一致化指示データ56a,56bを設定することができ、また、その一致化指示データには、一致化対象の制御データを識別するIDが付されている。また、主系のA系コントローラ1aは、制御データの一致化を実施する待機系のB系コントローラ1bに対して、制御データを識別するIDを付した制御データを一致化用制御データとして送信する。そして、B系コントローラ1bは、A系コントローラ1aから送信された一致化用制御データのうち、自装置があらかじめ一致化指示データ記憶部16bに保持している一致化指示データで指示される制御データについてのみ、制御データの一致化を行う。そのため、B系コントローラ1bは、A系コントローラ1aから送信された一致化用制御データと、一致化指示データとの間で一致化する制御データが相違しても、その一致化処理に支障を致すことがない。
従って、2重化プロセス制御装置100において、その制御プログラム11a,11bの改訂に際し、改訂前後の制御プログラムに互いに相違する制御データが存在し、主系のA系コントローラ1aおよび待機系のB系コントローラ1bのそれぞれにおいて、改訂前および改訂後の制御プログラムが別々にロードされ、実行される場合であっても、制御データの一致化を主系のA系コントローラ1aによる制御対象プロセス3の制御を停止させることなく行うことが可能になる。
1 コントローラ
1a A系コントローラ(主系コントローラ)
1b B系コントローラ(待機系コントローラ)
2 プロセス入出力装置
3 制御対象プロセス
4 通信ネットワーク
5 保守支援装置
10,10a,10b 制御処理部
11,11a,11b 制御プログラム
12,12a,12b 制御データメモリ
13,13a,13b 制御データ一致化処理部
14,14a,14b 一致化用制御データ転送部
15,15a,15b 保守データダウンロード部
16,16a,16b 一致化指示データ記憶部
17,17a,17b 一致化用制御データ記憶部
50 保守データ記憶部
51 制御プログラムエディタ部
52 一致化指示データ作成部
53 制御プログラムコンパイラ部
54 保守データ配信部
55a,55b 制御プログラムソース
56a,56b 一致化指示データ
57a,57b 制御プログラム
58a,58b 制御データ一覧テーブル
60 入力装置
61 表示装置
63 制御プログラム図面
100 2重化プロセス制御装置

Claims (4)

  1. 制御プログラムを保持し、前記保持した制御プログラムを実行することにより、制御対象プロセスを制御する主系コントローラと、
    前記主系コントローラが保持した制御プログラムと同じ制御プログラム、または、その制御プログラムの一部を改訂した制御プログラムを保持し、前記主系コントローラに同期して前記保持した制御プログラムを実行するとともに、前記主系コントローラに異常が生じた場合に、前記主系コントローラに代わって、前記制御対象プロセスを制御する待機系コントローラと、
    前記主系コントローラおよび前記待機系コントローラのそれぞれが自身の制御プログラムを実行することによって取得される制御データのうち、一致化の対象となる制御データを指定する一致化指示データを、前記それぞれの制御プログラムのソースプログラムに基づき作成し、その作成したそれぞれの一致化指示データを前記主系コントローラおよび前記待機系コントローラのそれぞれに設定する保守支援装置と、
    を含んで構成された2重化プロセス制御装置であって、
    前記保守支援装置が作成する一致化指示データは、
    前記一致化対象の制御データを一意に識別する識別情報と、前記一致化対象の制御データが前記主系コントローラまたは前記待機系コントローラの制御データメモリに格納されるときのアドレス情報と、を対応付けた情報によって構成され、
    前記主系コントローラは、
    前記制御プログラムによる所定の制御サイクルごとに、自装置にあらかじめ設定された前記一致化指示データに基づき、前記制御プログラムの実行によって取得される制御データの中から前記一致化対象の制御データを選択し、その選択した一致化対象の制御データと、その制御データの識別情報と、を対応付けて構成された一致化用制御データを作成し、その作成した一致化用制御データを待機系コントローラへ転送し、
    前記待機系コントローラは、
    前記主系コントローラと同期した所定の制御サイクルごとに、前記主系コントローラから転送される前記一致化用制御データの中から、自装置にあらかじめ設定された一致化指示データに含まれる識別情報と同じ識別情報を有する一致化用制御データを選択し、その選択した一致化用制御データに含まれる制御データを用いて、前記一致化指示データに含まれるアドレス情報で指定される前記制御データメモリ上のアドレスに格納されている制御データを書き換えること
    を特徴とする2重化プロセス制御装置。
  2. 前記保守支援装置は、
    前記主系コントローラおよび前記待機系コントローラのそれぞれがオンライン運転中に、そのそれぞれが保持する前記制御プログラムおよび前記一致化指示データを更新する場合には、
    前記待機系コントローラに対し、オンライン運転停止要求を送信して、その待機系コントローラのオンライン運転を停止させ、
    前記待機系コントローラがオンライン運転を停止した状態で、その待機系コントローラの改訂された制御プログラムとその改訂された制御プログラムに応じた前記一致化指示データとを、前記待機系コントローラへ送信して、その待機系コントローラに保持された前記制御プログラムおよび前記一致化指示データを更新し、
    前記待機系コントローラに対し、オンライン運転要求を送信して、その待機系コントローラのオンライン運転を再開させ、
    前記主系コントローラに対し、主系放棄要求を送信して、その主系コントローラを交替後の待機系コントローラとしてオンライン運転させ、それまでの待機系コントローラを交代後の主系コントローラとしてオンライン運転させ、
    前記交替後の待機系コントローラに対し、オンライン運転停止要求を送信して、その交替後の待機系コントローラのオンライン運転を停止させ、
    前記交替後の待機系コントローラがオンライン運転を停止した状態で、その交替後の待機系コントローラの改訂された制御プログラムとその制御プログラムに応じた前記一致化指示データとを、前記交替後の待機系コントローラへ送信して、その交替後の待機系コントローラに保持された前記制御プログラムおよび前記一致化指示データを更新すること
    を特徴とする請求項1に記載の2重化プロセス制御装置。
  3. 制御プログラムを保持し、前記保持した制御プログラムを実行することにより、制御対象プロセスを制御する主系コントローラと、
    前記主系コントローラが保持した制御プログラムと同じ制御プログラム、または、その制御プログラムの一部を改訂した制御プログラムを保持し、前記主系コントローラに同期して前記保持した制御プログラムを実行するとともに、前記主系コントローラに異常が生じた場合に、前記主系コントローラに代わって、前記制御対象プロセスを制御する待機系コントローラと、
    前記主系コントローラおよび前記待機系コントローラのそれぞれが自身の制御プログラムを実行することによって取得される制御データのうち、一致化の対象となる制御データを指定する一致化指示データを、前記それぞれの制御プログラムのソースプログラムに基づき作成し、その作成したそれぞれの一致化指示データを前記主系コントローラおよび前記待機系コントローラのそれぞれに設定する保守支援装置と、
    を含んで構成された2重化プロセス制御装置における制御データ一致化方法であって、
    前記保守支援装置が作成する一致化指示データは、
    前記一致化対象の制御データを一意に識別する識別情報と、前記一致化対象の制御データが前記主系コントローラまたは前記待機系コントローラの制御データメモリに格納されるときのアドレス情報と、を対応付けた情報によって構成され、
    前記主系コントローラは、
    前記制御プログラムによる所定の制御サイクルごとに、自装置にあらかじめ設定された前記一致化指示データに基づき、前記制御プログラムの実行によって取得される制御データの中から前記一致化対象の制御データを選択し、その選択した一致化対象の制御データと、その制御データの識別情報と、を対応付けて構成された一致化用制御データを作成し、その作成した一致化用制御データを待機系コントローラへ転送する処理を実行し、
    前記待機系コントローラは、
    前記主系コントローラと同期した所定の制御サイクルごとに、前記主系コントローラから転送される前記一致化用制御データの中から、自装置にあらかじめ設定された一致化指示データに含まれる識別情報と同じ識別情報を有する一致化用制御データを選択し、その選択した一致化用制御データに含まれる制御データを用いて、前記一致化指示データに含まれるアドレス情報で指定される前記制御データメモリ上のアドレスに格納されている制御データを書き換える処理を実行すること
    を特徴とする制御データ一致化方法。
  4. 前記保守支援装置は、
    前記主系コントローラおよび前記待機系コントローラのそれぞれがオンライン運転中に、そのそれぞれが保持する前記制御プログラムおよび前記一致化指示データを更新する場合には、
    前記待機系コントローラに対し、オンライン運転停止要求を送信して、その待機系コントローラのオンライン運転を停止させる処理と、
    前記待機系コントローラがオンライン運転を停止した状態で、その待機系コントローラの改訂された制御プログラムとその改訂された制御プログラムに応じた前記一致化指示データとを、前記待機系コントローラへ送信して、その待機系コントローラに保持された前記制御プログラムおよび前記一致化指示データを更新する処理と、
    前記待機系コントローラに対し、オンライン運転要求を送信して、その待機系コントローラのオンライン運転を再開させる処理と、
    前記主系コントローラに対し、主系放棄要求を送信して、その主系コントローラを交替後の待機系コントローラとしてオンライン運転させ、それまでの待機系コントローラを交代後の主系コントローラとしてオンライン運転させる処理と、
    前記交替後の待機系コントローラに対し、オンライン運転停止要求を送信して、その交替後の待機系コントローラのオンライン運転を停止させる処理と、
    前記交替後の待機系コントローラがオンライン運転を停止した状態で、その交替後の待機系コントローラの改訂された制御プログラムとその制御プログラムに応じた前記一致化指示データとを、前記交替後の待機系コントローラへ送信して、その交替後の待機系コントローラに保持された前記制御プログラムおよび前記一致化指示データを更新する処理と、
    を実行すること
    を特徴とする請求項3に記載の制御データ一致化方法。
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