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JP5414082B2 - 電力供給システム、電力供給方法、プログラム、記録媒体及び電力供給制御装置 - Google Patents

電力供給システム、電力供給方法、プログラム、記録媒体及び電力供給制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、電力供給システム、電力供給方法、プログラム、記録媒体及び電力供給制御装置に関し、特に、商用電力供給源及び分散電源部を備え、負荷に対して商用電力供給源と分散電源部の一方又は双方から電力を供給可能な電力供給システム等に関する。
例えば家庭負荷などの負荷に電力を供給する手段として、商用系統に加えて太陽電池などの独立電源を商用系統に電気的に連結する系統連系型システムが提案されている(特許文献1参照)。
一方、出願人は、商用系統に連結する発電システムに蓄電手段を含めることにより、太陽光発電などにより得られる電力を有効活用するための技術について研究・開発してきた(特許文献2及び3など参照)。
特開2000−92720号公報 特許第3759151号 実用新案登録第3122815号
しかしながら、例えば太陽光や風力などの自然エネルギーを利用した発電手段は、発電量が予測不可能である。そのため、安定した電力供給源になり得なかった。特に、商用系統の停電時の電力供給源として用いるためには、継続的に安定した電力供給源とならないことは深刻な課題であった。
ゆえに、本発明は、例えば太陽光や風力のような自然エネルギーを利用した発電源のように、商用系統に電気的に接続されている発電手段として発電量が予測不可能な発電源を用いつつ、負荷に対して電力を継続的に安定して供給することを可能とする電力供給システム等を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、商用電力供給源及び分散電源部を備え、負荷に対して前記商用電力供給源と前記分散電源部の一方又は双方から電力を供給可能な電力供給システムであって、前記分散電源部は、供給する電力値の変化が予測困難である第1発電源と、前記商用電力供給源とも前記第1発電源とも異なる第2発電源と、電力を蓄電可能な蓄電手段と、第1判定手段が判定電力値と前記第1発電源の供給電力値とを比較して前記第1発電源の供給電力値が前記判定電力値よりも小さいと判定した場合に、前記第2発電源に対して、当該分散電源部が出力すべき電力値である基準電力値と前記第1発電源の供給電力値との差分の電力を発電させる第2発電源制御手段と、前記第1発電源及び前記第2発電源の供給電力値が前記基準電力値よりも小さい場合に、前記蓄電手段に対して、少なくとも前記基準電力値と前記第1発電源及び前記第2発電源の供給電力値との差分の電力値を供給させる蓄電供給制御手段とを備える。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の電力供給システムであって、前記商用電力供給源は、第1電力供給経路及び前記負荷に接続される共通経路により前記負荷に対して電力を供給し、前記第1電力供給経路には、前記商用電力供給源を解列可能な商用電力切換手段が存在し、前記分散電源部は、第2電力供給経路及び前記共通経路により前記負荷に対して電力を供給し、前記共通経路には、前記商用電力供給源又は/及び前記分散電源部を基準電源として電力を発電する第3発電源が接続され、前記第3発電源は、前記基準電源がなければ発電しないものであり、前記商用電力供給源が解列された場合、前記第3発電源に対して、前記分散電源部を基準電源として前記共通経路への接続点を経由して前記負荷へ電力を供給させる第3発電源制御手段をさらに備える。
請求項3に係る発明は、請求項2記載の電力供給システムであって、前記分散電源部において、前記第1発電源、前記第2発電源及び前記蓄電手段は直流で結合され、前記蓄電供給制御手段は、結合された直流の電力値が前記基準電力値よりも小さい場合には前記蓄電手段に対して電力を供給させ、結合された直流の電力値が前記基準電力値よりも大きい場合には前記蓄電手段に電力を蓄電させるものであり、前記第2電力供給経路には、前記分散電源部が生成する直流を交流に変換するインバータが存在し、前記第3発電源は、基準電源が供給する電力に加えて電力を前記負荷に供給するものであり、所定の出力で運用される電源である。
請求項4に係る発明は、請求項2又は3に記載の電力供給システムであって、前記商用電力供給源、前記分散電源部及び前記第3発電源が供給する電力を調整して、前記負荷に対して供給される電力を調整する調整手段を備える。
請求項5に係る発明は、商用電力供給源及び分散電源部を備え、負荷に対して前記商用電力供給源と前記分散電源部の一方又は双方から電力を供給可能な電力供給システムにおける電力供給制御方法であって、前記分散電源部は、供給する電力値の変化が予測困難である第1発電源と、前記商用電力供給源とも前記第1発電源とも異なる第2発電源と、電力を蓄電可能な蓄電手段とを備え、前記分散電源部がさらに備える第1判定手段が、前記第1発電源の供給電力値が判定電力値よりも小さいか否かを判定する第1判定ステップと、前記分散電源部がさらに備える第2発電源制御手段が、前記第1発電源の供給電力値が前記判定電力値よりも小さいと前記第1判定手段が判定した場合に、前記第2発電源に対して、当該分散電源部が出力すべき電力値である基準電力値と前記第1発電源の供給電力値との差分の電力値を発電させる第2発電源制御ステップと、前記分散電源部がさらに備える蓄電供給制御手段が、前記第1発電源及び前記第2発電源の供給電力値が前記基準電力値よりも小さい場合に、前記蓄電手段に対して、少なくとも前記基準電力値と前記第1発電源及び前記第2発電源の供給電力値との差分の電力値を供給させる蓄電供給制御ステップとを含む。
請求項6に係る発明は、商用電力供給源及び分散電源部を備え、負荷に対して前記商用電力供給源と前記分散電源部の一方又は双方から電力を供給可能な電力供給システムにおける電力供給制御方法であって、前記分散電源部は、供給する電力値の変化が予測困難である第1発電源と、前記商用電力供給源とも前記第1発電源とも異なる第2発電源と、前記第1発電源の供給電力値が判定電力値よりも小さい場合に、前記第2発電源に対して、当該分散電源部が出力すべき電力値である基準電力値と前記第1発電源の供給電力値の差分の電力を発電させる第2発電源制御手段と、電力を蓄電可能な蓄電手段と、前記第1発電源及び前記第2発電源の供給電力値が前記基準電力値よりも小さい場合に、前記蓄電手段に対して、少なくとも前記基準電力値と前記第1発電源及び前記第2発電源の供給電力値との差分の電力値を供給させる蓄電供給制御手段とを備え、前記商用電力供給源は、第1電力供給経路及び前記負荷に接続される共通経路により前記負荷に対して電力を供給し、前記第1電力供給経路には、前記商用電力供給源を解列可能な商用電力切換手段が存在し、前記分散電源部は、第2電力供給経路及び前記共通経路により前記負荷に対して電力を供給し、前記共通経路には、前記商用電力供給源又は/及び前記分散電源部を基準電源として電力を発電する第3発電源が接続されており、前記電力供給システムが備える第3発電源制御手段が、前記商用電力供給源が解列された場合に、前記第3発電源に対して、前記分散電源部を基準電源として前記共通経路への接続点を経由して前記負荷へ電力を供給させる第3発電源制御ステップを含む。
請求項7に係る発明は、コンピュータに、請求項5又は6記載の電力供給制御方法を実行させるためのプログラムである。
請求項8に係る発明は、請求項7記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
請求項9に係る発明は、商用電力供給源及び分散電源部を備え、負荷に対して前記商用電力供給源と前記分散電源部の一方又は双方から電力を供給可能な電力供給システムにおける電力供給制御装置であって、前記分散電源部は、供給する電力値の変化が予測困難である第1発電源と、前記商用電力供給源とも前記第1発電源とも異なる第2発電源と、電力を蓄電可能な蓄電手段とを備え、第1判定手段が判定電力値と前記第1発電源の供給電力値とを比較して前記第1発電源の供給電力値が前記判定電力値よりも小さいと判定した場合に、前記第2発電源に対して、当該分散電源部が出力すべき電力値である基準電力値と前記第1発電源の供給電力値との差分の電力を発電させる第2発電源制御手段と、前記第1発電源及び前記第2発電源の供給電力値が前記基準電力値よりも小さい場合に、前記蓄電手段に対して、少なくとも前記基準電力値と前記第1発電源及び前記第2発電源の供給電力値との差分の電力値を供給させる蓄電供給制御手段とを備える。
請求項10に係る発明は、商用電力供給源及び分散電源部を備え、負荷に対して前記商用電力供給源と前記分散電源部の一方又は双方から電力を供給可能な電力供給システムにおける電力供給制御装置であって、前記分散電源部は、供給する電力値の変化が予測困難である第1発電源と、前記商用電力供給源とも前記第1発電源とも異なる第2発電源と、前記第1発電源の供給電力値が判定電力値よりも小さい場合に、前記第2発電源に対して、当該分散電源部が出力すべき電力値である基準電力値と前記第1発電源の供給電力値との差分の電力を発電させる第2発電源制御手段と、電力を蓄電可能な蓄電手段と、前記第1発電源及び前記第2発電源の供給電力値が前記基準電力値よりも小さい場合に、前記蓄電手段に対して、少なくとも前記基準電力値と前記第1発電源及び前記第2発電源の供給電力値との差分の電力値を供給させる蓄電供給制御手段とを備え、前記商用電力供給源は、第1電力供給経路及び前記負荷に接続される共通経路により前記負荷に対して電力を供給し、前記第1電力供給経路には、前記商用電力供給源を解列可能な商用電力切換手段が存在し、前記分散電源部は、第2電力供給経路及び前記共通経路により前記負荷に対して電力を供給し、前記共通経路には、前記商用電力供給源又は/及び前記分散電源部を基準電源として電力を発電する第3発電源が接続されており、前記第3発電源は、前記商用電力供給源への逆潮流が検出された場合に発電を停止するものであり、前記商用電力供給源が解列された場合に、前記第3発電源に対して、前記分散電源部を基準電源として前記共通経路への接続点を経由して前記負荷へ電力を供給する第3発電源制御手段を備える。
なお、第1発電源は、例えば、太陽光発電、風力発電といった自然エネルギーを利用するものであり、発電量が予測不可能な発電源である。また、第2発電源には、例えば、電力供給システムとして第1発電源の出力に応じてトータルで安定した出力とするために出力調整可能な発電機である。
また、第1発電源の出力が急激に変化し、第2発電源の応答速度が追い付かない可能性がある。蓄電手段は、例えば、第2発電機よりも素早く応答して、蓄電している電力を供給可能なものである。蓄電供給制御手段により供給される蓄電手段の電力値は、基準電力値と等しいものを直接出力させ、第1発電源及び第2発電源の供給電力は蓄電手段に蓄電させるものであってもよい。また、第1発電源又は/及び第2発電源の供給電力値を蓄電手段の供給電力により補って全体として基準電力値を供給するものであってもよい。
さらに、商用電力供給源の解列は、例えば商用電力供給源の停電などのように商用電力供給源に異常が生じた場合だけでなく、検出手段が、分散電源部から商用電力供給源へ逆潮流が生じたこと及び電圧が上昇したことを検出した場合のように、商用電力供給源に与える影響を考慮して行われるものであってもよい。分散電源として太陽光発電などの自然エネルギーや燃料電池等を大量導入した場合に、商用電力供給源を保護するために解列する事態が十分に想定されるからである。また、蓄電手段を解列可能な蓄電手段切替手段を備え、検出手段が蓄電手段から商用電力供給源への逆潮流を検出した場合には、蓄電手段の解列が行われるものであってもよい。
さらに、判定電力値は、基準電力値と同じ値であってもよい。また、基準電力値よりも高い値でも低い値でもよい。例えば、基準電力値よりも高い値に設定し、第1発電源の電力値の変動の大小に応じて判定電力値も変動させて、第1発電源の電力値が基準電力値よりも減少する前に第2発電源の発電を行わせるようにしてもよい。また、基準電力値よりも低い値に設定し、基準電力値と第1発電源の電力値との差分を継続して計測して、その差分の電力に応じて判定基準値を変更して、蓄電手段の残量により判定基準値を変更するようにしてもよい。さらに、第2発電源に出力調整可能な発電機を用いたとしても、調整には、通常、一定の調整幅が存在する。判定電力値は、このような第2発電源の調整幅を考慮して設定するようにしてもよい。
さらに、判定電力値として、第2発電源を起動させるための判定電力値(起動判定電力値)と、第2発電源を停止させるための判定電力値(停止判定電力値)とを別の値として設けてもよい。このようにすることで、第1発電源が供給する電力値が激しく上下する場合に、第2発電源を頻繁に起動・停止させることによるエネルギー消費を抑えることが可能となる。
本願の各請求項に係る発明によれば、商用系統に電気的に接続された第1発電源として、太陽光発電、風力発電といった自然エネルギーを利用するがゆえに発電量が予測不可能な発電源を用いた場合にも、基準電力値に不足する分の電力を第2発電源及び蓄電手段が供給することが可能である。そのため、安定して継続的な電力供給可能な高品質電力供給発電システムを提供することが可能となり、通常の負荷ピークカットなどが確実に計画可能となる。また、自然エネルギーを利用したいわゆるゼロエミッションの電源の有効活用が可能となり、CO2削減に貢献することが容易となる。
ここで、仮に第2発電源のみが第1発電源を補う構成とした場合、第2発電源が発電を開始してから電力を供給するまでのタイムラグの間は、電力が不足する事態が生じうる。第1発電源として自然エネルギーを利用する発電源を用いた場合には、このような事態が当然にかつ頻繁に生じることが予想される。しかし、新たに発電の必要がない蓄電手段が素早く電力を供給することにより、第2発電源が電力を供給するまでのタイムラグにも関わらず、負荷に対して安定に電力を供給することが可能となる。しかも、第2発電源が発電することにより、蓄電手段に蓄電された電力が底をつく前に負荷に対して継続的に安定して電力を供給することが可能となる。すなわち、蓄電手段及び第2発電源の並存により、第1発電源の不安定な電力供給を素早くかつ安定に補うことが可能となる。
逆に、例えば第1発電源の発電源が過剰に発電することにより、第1発電源及び第2発電源が供給する電力が過剰となる場合にも、余分な電力を蓄電手段が蓄電することにより、負荷に対して安定に電力を供給することが可能となる。したがって、第1発電源の不安定な電力供給を平準化することが可能となる。
商用系統の停電時には、保安上等の理由から商用系統に電力を供給することは禁止されている。本願の請求項2及び6に係る発明によれば、商用系統の停電時にも商用系統を解列した上で、分散電源部から負荷に対して継続的に安定して電力を供給することが可能となる。
また、本願の請求項2及び6に係る発明によれば、分散電源部とは別に第3発電源を備える。例えば、燃料電池等は、主に商用電力供給源と共に運転している。このように、商用電力供給源のような他の電力供給源(本願では「基準電源」という。)が存在しない場合に、運転できない電力源が存在する。本願の請求項2及び6に係る発明によれば、このような電力源である第3発電源を共通経路に接続することにより、商用電力供給源が解列され、第3発電源の発電が停止した場合でも、分散電源部を基準電源として、再起動させて発電を継続させることが可能とする。これにより、負荷に対して、より安定した電力供給を継続的に行うことが可能となる。
さらに、本願の請求項3に係る発明によれば、分散電源部及び第3発電源として直流で結合される電源を用いた場合であっても、負荷に対して交流電流を供給することが可能となる。したがって、商用系統が解列された場合でも、負荷に対して安定して交流電流を継続的に供給することが可能となる。
さらに、本願の請求項4に係る発明によれば、調整手段が複数の電力供給源から負荷に対して供給される電力を調整することが可能となる。したがって、蓄電手段の蓄電残量や各発電源にかかる負担等を考慮した上で、各電力供給源からの電力供給量を調整することが可能となる。これにより、実用的なエネルギー管理システム(EMS:energy management system)が実現可能となる。
本願発明の実施の形態に係る電力供給システム1の構成を示したブロック図である。 本願発明の実施の形態に係る電力供給システム1の通常時の動作例を示すフロー図である。 太陽光発電パネル25の供給電力値の変動と分散電源部5による電力供給との関係の一例を示すグラフである。 本願発明の実施の形態に係る電力供給システム1において、商用電力供給源3の停電時の動作例を示すフロー図である。
以下では、図面を参照して、本願発明の実施の形態の一例について説明する。
図1は、本願発明の実施の形態に係る電力供給システム1の構成の概要を示したブロック図である。
電力供給システム1は、商用系統である商用電力供給源3(本願請求項の「商用電力供給源」の一例)と、分散電源部5(本願請求項の「分散電源部」の一例)とを備え、負荷11(本願請求項の「負荷」の一例)に対して商用電力供給源3と分散電源部5の一方又は双方から電力を供給可能である。
商用電力供給源3は、負荷11に対して、図1に(A)で表される商用電力供給源3から接続点14までの第1電力供給経路13及び接続点14から負荷11までの共通経路15により電力を供給する。第1電力供給経路13には、商用電力供給源3を解列可能な商用電力切換手段としてのスイッチ17が存在する。さらに、スイッチ17は、例えば商用電力供給源3の停電などのように商用電力供給源3に異常が生じた場合だけでなく、図示を省略する検出手段により、分散電源部5から商用電力供給源3へ逆潮流が生じたこと及び電圧が上昇したことを検出した場合のように、商用電力供給源3に与える影響をも考慮して行われるものであってもよい。分散電源部5として太陽光発電などの自然エネルギーを大量導入した場合に、商用電力供給源を保護するために解列する事態が十分に想定されるからである。
また、分散電源部5は、負荷11に対して、図1に(B)で表されるDC結合31から接続点14までの第2電力供給経路19及び共通経路15により電力を供給する。第2電力供給経路19には、分散電源部5を解列可能なスイッチ21が存在する。
電力供給システム1は、商用電力供給源3又は/及び分散電源部5を基準電源として電力を発電する燃料電池7(本願請求項の「第3発電源」の一例)と、燃料電池7を制御する制御装置9(本願請求項の「第3発電源制御手段」の一例)とを備える。
燃料電池は、一般に、一定出力で運用される電源である。なぜなら、出力を変動させると排熱量や水素量など調整する要素が多岐にわたり、効率が悪くなるからである。また、燃料電池やガスエンジン発電機など逆潮流が認められていない発電機は負荷11が使用する電力が少ない場合、発電電力を絞り込む必要がある点も効率が悪い運転となる一因である。燃料電池は、主に商用系統と連系して電力を供給するものが主流であり、単に商用電力供給源3の電力との関係のみに着目して、商用電力供給源3を補助するために、太陽光発電パネル25に並列に接続される。
本実施例では、燃料電池7は、スイッチ22を介して接続点20において共通経路15に接続される。燃料電池7は、商用電力供給源3又は/及び分散電源部5を基準電源として発電し、商用電力供給源3又は/及び分散電源部5が供給する電力に加えて電力を負荷11に供給する。燃料電池7は、商用電力供給源3が解列された場合、分散電源部5を基準電源として共通経路15への接続点20を経由して負荷11へ電力を供給する。なお、電力供給システム1は、燃料電池7の供給する電力が商用電力供給源3へ逆潮流を監視して制御装置9に知らせるセンサ23を備える。センサ23は、接続点20よりも商用電力供給源3に近い接続点24で共通経路15に接続されている。センサ23で逆潮流を検出した場合、単独運転を防止するため、燃料電池は運転を停止する。そのため、本実施例では、燃料電池7は、売電等による商用電力供給源3への逆潮流を検出しないために、第1電力供給経路13ではなく、共通経路15に接続する。
分散電源部5は、太陽光を利用して発電する太陽光発電パネル25(本願請求項の「第1発電源」の一例)と、少なくとも太陽光発電パネル25からの発電を蓄電可能なバッテリー27(本願請求項の「蓄電手段」の一例)と、発電の電圧及び周波数を変更可能な出力調整可能発電機29(本願請求項の「第2発電源」の一例)と、分散電源部5が備える複数の電力供給源からの電流が合流する接続点の集合であるDC結合31と、複数の太陽光発電パネル25からの電力供給経路を1つの経路にまとめる接続箱33と、太陽光発電パネル25を解列可能なスイッチ35と、太陽光発電パネル25の変圧を行うPV D/Dコンバータ37と、バッテリー27を解列可能なスイッチ39と、バッテリー27の変圧を行うバッテリーD/Dコンバータ41と、出力調整可能発電機29を解列可能なスイッチ43と、出力調整可能発電機29の変圧を行う発電機A/Dコンバータ45、出力調整可能発電機29に発電機出力指令を与える制御装置47を備える。
本実施例では、太陽光発電パネル25の出力は50kW、バッテリー27の蓄電量は50kWh、出力調整可能発電機29の出力は50kVAであるとする。なお、太陽光発電パネル25、バッテリー27及び出力調整可能発電機29は、他の規格のものを用いてもよい。
DC結合31は、太陽光発電パネル25とバッテリー27と出力調整可能発電機29を直流として電気的に接続する。
太陽光発電パネル25は、接続箱33とスイッチ35とPV D/Dコンバータ37とを介してDC結合31に接続されている。PV D/Dコンバータ37は、太陽光発電パネル25と太陽光発電パネル25に接続されている負荷とのインピーダンスを常に整合させて最大の出力を取り出す最大電力追尾(MPPT:maximum power point tracking)機能を有する。
バッテリー27は、スイッチ39及びバッテリーD/Dコンバータ41を介してDC結合31に接続されている。バッテリーD/Dコンバータ41は、バッテリー27の充電を制御する蓄電制御手段としての機能、放電を制御する蓄電供給制御手段としての機能及びバッテリー27の電圧を制御する蓄電昇降圧手段としての機能を有する。バッテリー27を解列可能なスイッチ39は、図示を省略する検出手段が、バッテリー27からの放電圧の異常な上昇のようなバッテリー異常を検出した場合に、バッテリー27を解列する。
出力調整可能発電機29は、スイッチ43及び発電機A/Dコンバータ45を介してDC結合31に接続されている。発電機A/Dコンバータ45は、PV D/Dコンバータ37と同様に、出力調整可能発電機29の出力を最大とするMPPT機能を有する。ここで、出力調整可能発電機29は交流を発電するが、発電機A/Dコンバータ45のAC/DCコンバータ機能によって直流に変換され、DC結合31には直流が供給される。
また、本実施例における制御装置47(本願請求項の「第2発電源制御手段」)は、第2発電源制御手段としては、出力調整可能発電機29に対して発電機出力指令を与える。
太陽光発電パネル25、バッテリー27及び出力調整可能発電機29によってDC結合に供給された直流電流は、第2電力供給経路19及び共通経路15により負荷11へ供給される。第2電力供給経路19は、DC結合31と共通経路15とをつなぐものである。第2電力供給経路19上には、細かい波型の信号である直流リップル分を平準化するコンデンサ49と、通常時に分散電源部5からの電力を供給する主インバータ51と、商用電力供給源3の停電時に分散電源部5からの電力を供給するスタンドアロンインバータ53と、静止型のスイッチで高速スイッチであるスイッチ55及び57とが存在する。
現行の法制度の下では、一度商用系統から充電した電力を売電することは禁止されている。したがって、売電のためには太陽光発電パネル25を第1電力供給経路13に直接接続する構成も考えられる。しかし、太陽光発電パネル25の出力は自然エネルギーを利用するため、供給する電力は自然環境に依存し、予測不可能に変化する。負荷11に対して安定に電力を供給するためには、太陽光発電パネル25が供給する電力が予測不可能である点をカバーする必要がある。このため、本実施例においては、分散電源部5が太陽光発電パネル25を備える構成とした。なお、本実施例において、売電を実現するには、例えば、スイッチ35が、太陽光発電パネル25の発生した電力を、コンバータを経由して商用電力供給源3へDC結合31を経由せずに直接出力できるよう切り替えられるものとすることにより、DC結合31を経由させずに売電を可能とすることができる。
なお、図示を省略する検出手段が、蓄電手段から商用電力供給源3への逆潮流かつ逆潮流の電圧の異常な上昇を検出した場合には、主インバータ51、スタンドアロンインバータ53、スイッチ55、スイッチ57又はスイッチ21により分散電源部5からの電力供給を停止する。
ここで、主インバータ51及びスタンドアロンインバータ53は、共に本願請求項の「第1判定手段」として動作するものであってもよい。第1判定手段としては、太陽光発電パネル25の供給電力値Pが2つの判定電力値P判1及びP判2(P判1>P判2)のいずれかに等しいか否かを判定する。また、第2判定手段として、太陽光発電パネル25及び出力調整可能発電機29の供給電力値P+Pが所定の基準電力値Pを下回るか否かを判定してもよい。さらに、第3判定手段として、主インバータ51及びスタンドアロンインバータ53は、商用電力供給源3が停電であるか否かについても判定してもよい。
通常時には、分散電源部5の直流の電力は、コンデンサ49が接続されている経路を通って主インバータ51によって交流に変換されてスイッチ55を経由する。商用電力供給源3の停電時には、スイッチ55及び57が回路を切り替え、分散電源部5が供給する直流の電力は、スタンドアロンインバータ53によって交流に変換されてスイッチ57を経由して、第2電力供給経路を通って負荷11へと供給される。ここで、主インバータ51は、位相制御によって電力を制御する。これに対して、スタンドアロンインバータ53は、電圧制御によって電力を制御することにより、分散電源部5を発電源7にとっての基準電源とすることが可能である。
また、主インバータ51及びスタンドアロンインバータ53は、共に本願請求項の「調整手段」の一例でもある。調整手段としては、制御装置9及び制御装置47と協働して、商用電力供給源3、出力調整可能発電機29及び燃料電池7が負荷11に対して供給する電力を調整する。通常時には主インバータ51が、分散電源部5に基準電力値を安定して供給させるべく、太陽光発電パネル25が供給する電力に応じて、制御装置47にバッテリー27及び出力調整可能発電機29が供給する電力を制御させる。商用電力供給源3の停電時にはスタンドアロンインバータ53が、負荷が要求する電力を供給させるべく、太陽光発電パネル25が供給する電力と通常は一定の電力を供給する燃料電池7の供給する電力に応じて、制御装置47にバッテリー27及び出力調整可能発電機29が供給する電力を制御させる。
以下では、図2を用いて電力供給システム1の通常時の動作について説明する。図2は、本願発明の実施の形態に係る電力供給システム1の通常時の動作例を示すフロー図である。
まずステップS1において、第1判定手段としての主インバータ51又はスタンドアロンインバータ53が、太陽光発電パネル25の供給電力値Pが出力調整可能発電機29を停止させる判定電力値P判1以上か否かを判定する。P≧P判1と判定された場合、ステップS2において、主インバータ51又はスタンドアロンインバータ53は、制御装置47に出力調整可能発電機29を停止させてステップS5へと移る。
ステップS1においてP≧P判1と判定されなかった場合、ステップS3において、第1判定手段としての主インバータ51又はスタンドアロンインバータ53が、太陽光発電パネル25の供給電力値Pが出力調整可能発電機29を起動させる判定電力値P判2以下か否かを判定する。P≦P判2と判定された場合、ステップS4において、制御装置47が出力調整可能発電機29に対して発電機出力指令を出し、発電させる。ステップS3において、P≦P判2と判定されなかった場合、出力調整可能発電機29に指令は出されずにステップS5へ移る。
ステップS5において、第2判定手段としての主インバータ51又はスタンドアロンインバータ53が、太陽光発電パネル25及び出力調整可能発電機29の供給電力値P1+Pが基準電力値Pよりも小さいか否かを判定する。P1+P<Pと判定された場合、ステップS6において、主インバータ51又はスタンドアロンインバータ53は、制御装置47に、バッテリーD/Dコンバータ41にバッテリー27からの放電を開始させてフローを終了する。ここでバッテリー27から放電する電力値Pバ放は、太陽光発電パネル25及び出力調整可能発電機29の供給電力値が基準電力値に不足する電力P―(P1+P)に等しい。ステップS5において、P1+P<Pと判定されなければ、バッテリー27から電力は供給されずにフローを終了する。
バッテリー27には、すでに太陽光発電パネル25又は/及び商用電力供給源3から供給された電力が蓄電されているため、出力調整可能発電機29よりも素早く基準電力値の不足分を供給することが可能である。したがって、出力調整可能発電機29が電力を供給するまでのタイムラグにも関わらず、負荷11に対して安定に電力を供給することが可能である。逆に、例えば太陽光発電パネル25が過剰に発電することにより、太陽光発電パネル25及び出力調整可能発電機29が電力を過剰に供給する場合には、余分な電力を蓄電手段が蓄電することにより、負荷11に対して安定に電力を供給することが可能である。しかも、出力調整可能発電機29が発電することにより、バッテリー27に蓄電された電力が底をつく前に負荷11に対して安定に電力を供給することが可能である。いわば、太陽光発電パネル25の不安定な電力供給に対し、短い周期変動に対してはバッテリー27により安定な電力供給を実現し、長い周期変動に対しては出力調整可能発電機29により安定な電力供給を実現しているといえる。
このように、太陽光発電パネル25からの電力供給が予測できないほどに変動した場合であっても、図2のステップS1からステップS6により、バッテリー27及び出力調整可能発電機29が電力供給源としてのそれぞれの特長を活かして基準電力値との不足分の電力を調整して供給する。結果として、分散電源部5が負荷11に対する安定な電力供給源として機能することが可能となる。
ここで、図3を用いて出力調整可能発電機29の運用の詳細について説明する。図3は、太陽光発電パネル25の供給電力値Pと出力調整可能発電機29の起動及び停止との関係を示す図である。太陽光発電パネル25の供給電力値の経時変化と判定電力値との関係によって4つのケースを図3(a)(b)に示す。図3(a)(b)において、横軸は時間、縦軸は電力値を表す。
出力調整可能発電機29の起動と停止を判定するための判定電力値を2つ別に設けたのは、次の理由による。太陽光発電パネル25は自然エネルギーを利用するため、供給電力値Pが予測不可能である。当然、Pの値が変化して基準電力値P又は1つの判定電力値Pの周りを小刻みにふれる事態も考えられる。また、頻繁に出力調整可能発電機29を起動・停止すること自体に多大なエネルギーを消費してしまうことにもなる。そこで、判定電力値としてP判1とP判2の2つを設けた。これにより、仮にPの値が小刻みに変化したとしても出力調整可能発電機29の起動・停止を頻繁に繰り返すことを防ぐこととした。
まず、図3(a)を参照して、P判1よりも大きかった太陽光発電パネル25の供給電力値Pが減少してP判2よりも小さくなり、その後再びP判1よりも大きくなる場合を考える。時刻TまでのP>P判2となっている時間では出力調整可能発電機29は停止している。Pが減少してP=P判2となる時刻Tにおいて、出力調整可能発電機29が起動される。その後、Pが増大して再びP=P判1となる時刻Tにおいて、出力可能発電機29は停止される。ケース1においては、基準電力値Pを大きく割り込んだ時刻T以降に出力調整可能発電機29が電力を供給する。バッテリー27は出力調整可能発電機29が起動するまでの基準電力値Pへの不足分を補い、基準電力値Pを超える過剰供給分を蓄電する。他方、例えば図3(b)のように、P判1よりも大きかった太陽光発電パネル25の供給電力値Pが減少するがP判2までは減少せず、その後再びP判1よりも大きくなる場合には、基準電力値Pへの不足分はバッテリー27からの放電で補い、出力調整可能発電機29を起動する必要はない。
上記のように、判定電力値を2つ設定することで、太陽光発電パネル25の予測不可能な電力供給地の変動をバッテリー27及び出力調整可能発電機29が補いつつ、出力調整可能発電機29を頻繁に起動・停止することによるエネルギー消費を抑制させることが可能となる。
ここで、出力調整可能発電機29は、出力を調整可能とはいえ、通常は出力調整可能な範囲の下限として、例えば最大出力の30%程度のように、最低供給電力値が存在する。そのため、基準電力値又は判定電力値をわずかに下回る程度で出力調整可能発電機29を起動すると、供給する電力が大幅に過剰となってしまう。そこで、出力調整可能発電機29の最低供給電力値付近の値を、例えば出力調整可能発電機29を起動するための判定電力値P判2とすることで供給電力の大幅な過剰となることを防ぐことが可能となる。
続いて、図3(c)を用いて分散電源部5が安定に基準電力値Pを供給する様子を例示する。図3(c)は、太陽光発電パネル25の供給電力値Pの変動と分散電源部5による電力供給との関係の一例を示すグラフである。図3(c)において、横軸は時間、縦軸は供給される電力を表す。Pは、分散電源部5が安定に供給することを求められる基準電力値である。P判1は、出力調整可能発電機29を停止させる判定電力値である。P判2は、出力調整可能発電機を起動させる判定電力値である。
図3(c)において、時刻t以前では、太陽光発電パネル25の供給電力値PがP判1を下回っているため、出力調整可能発電機29が起動しており、出力調整可能発電機29がPとの不足分の電力量S(図3(c)中に網状のエリアで表示)を供給している。Pが増大し、時刻tでP判1、時刻tでP、時刻tでP判2に達するとする。時刻tからtにかけてPとの不足分が出力調整可能発電機29の最小出力よりも小さくなり、出力調整可能発電機29の供給による余剰電力量Sが生じる。この余剰電力量Sはバッテリー27に蓄電される。
時刻tにおいて、PがP判1に達したため、出力調整可能発電機29が停止される。その後、PがP判1を超えた後にPは減少に転じているが、時刻tにおいてP判2まで減少するまでは、出力調整可能発電機29は停止したままである。時刻tからtまで及び時刻tからtまでのPのPを超えた余剰電力量Sは、バッテリー27に蓄電される。時刻tからtまで及び時刻tからtまでは、バッテリー27がPとの不足分の電力量Sを供給する。
時刻tでP判2に達すると出力調整可能発電機29が起動されるが、出力調整可能発電機29が電力供給を開始するまでにはタイムラグがあり、実際には時刻tから電力供給が開始される。また、電力供給が開始された後も出力調整可能発電機29がPとPとの差分を供給できるまでにはある程度の時間が必要である。そこで、時刻tから時刻t11までのPのPに満たない電力量のうち、出力調整可能発電機29が供給する電力量S(図3(c)中に斜線で表示)で間に合わない電力量Sを、より素早く電力供給が可能であるバッテリー27が供給する。
時刻t11の後、時刻t12においてPがP判1を超えると出力調整可能発電機29が停止される。時刻t10からt12に出力調整可能発電機29が供給した余剰電力量Sはバッテリー27が蓄電する。
時刻t12の後、PはPよりも高い電力を供給していて余剰電力をバッテリー27が蓄電していたが、時刻t13からt14までのごく短い時間だけPを割り込み、P判2よりも小さくなったとする。このとき、主インバータ51又はスタンドアロンインバータ53がPの値が小さくなったことを検出できなければ出力調整可能発電機29は起動されない。t13からt14の間のPに満たない不足分の電力量Sはバッテリー27からの放電によって供給される。このように、検出の精度は、必要に応じて(例えば短周期的な対応が必要か、長周期的な対応が必要か等により)設定される。同様に、主インバータ51又はスタンドアロンインバータ53が検出したとしても、制御装置47が出力調整可能発電機29を起動するまでにPがP判1よりも大きい値となれば、出力調整可能発電機29は起動を停止するようにしてもよい。
続いて、図4を用いて電力供給システム1の停電時の動作について説明する。図4は、本願発明の実施の形態に係る電力供給システム1において、商用電力供給源3の停電時の動作例を示すフロー図である。
ステップSS1において、判定手段としての主インバータ51又はスタンドアロンインバータ53が、商用電力供給源3が停電であるか否かを判定する。停電であると判定しない場合は、フローを終了する。停電であると判定した場合には、ステップSS2において、スイッチ17が商用電力供給源3を解列し、制御装置9が単独運転が禁止されている燃料電池7を停止させる。続いて、ステップSS3において、分散電源部5を基準電源として燃料電池7が電力供給を再開してフローを終了する。燃料電池7の再起動により、負荷11に対する電力の安定供給がさらに容易となる。
なお、実施例において、発電量が予測不可能である第1発電源の例として、太陽光発電パネル25以外にも、例えば風力発電装置であってもよいし、これらの発電装置を組み合わせたものであってもよい。
また、第3発電源としては、燃料電池7以外にも、安定に電力を供給する分散電源であれば他の発電手段による電源を用いてもよく、当然、RDF(ごみ固形化燃料)を用いた発電システムや発電の廃熱を再利用するコジェネレーションシステムのような発電システムを用いてもよい。
さらに、実施例のステップS1からS6において、太陽光発電パネル25からの電力供給を他の電力供給源から補うことができればよく、バッテリー27からの放電を出力調整可能発電機29の発電開始よりも早く開始してもよいし、同時に発電を開始するとしてもよい。すなわち、ステップS5及びS6をステップS1からS4に先立って行うとしてもよい。
さらに、分散電源部5が供給するべき電力である基準電力値Pは変動する値であってもよい。本実施例に係る電力供給システム1が負荷11に対して安定に電力供給できればよく、例えば、商用系統から電力が供給されている場合には、基準電力値Pは変動する値であって商用系統から供給される電力と基準電力値Pの和が一定であるとしてもよい。また、商用系統から電力が供給されている場合において、基準電力値Pは太陽光発電パネル25の変動する電力供給値Pに追従する値としてもよい。
さらに、判定電力値P判1及びP判2共に固定値である必要はなく、変動する値としてもよい。例えば、基準電力値Pは太陽光発電パネル25の変動する電力供給値Pに追従する値として、2つの判定電力値を決定する(例えば基準電力値の±10%など)としてもよい。このように基準電力値P、判定電力値P判1及びP判2を太陽光発電パネル25の電力供給値Pに追従させることにより、出力調整可能発電機29を極力起動させないシステム運用が可能となる。
さらに、制御装置9が発電源7を停止させる前に、高速スイッチであるスイッチ55及び57が主インバータ51からの電力供給からスタンドアロンインバータ53からの電力供給に切り替えて分散電源部5を基準電源とした場合、発電源7を停止させることなく負荷11に対して電力を供給させることとしてもよい。
さらに、主インバータ51とスタンドアロンインバータ53は物理的に一体である構成とし、それぞれ通常時及び商用系統の停電時に切り替えて用いられるものであってもよい。
さらに、第1判定手段、第2判定手段及び調整手段の各機能は、主インバータ51及びスタンドアロンインバータ53以外の構成が担うものとしてもよい。
さらに、制御装置9と制御装置47は、まとめて一つの制御装置としてもよい。また、制御装置47が、PV D/Dコンバータ37、バッテリーD/Dコンバータ41又は発電機A/Dコンバータ45が有する電力供給手段に対する制御機能を兼ね備える構成としてもよい。
さらに、DC結合31において太陽光発電パネル25が供給した電力を補って出力調整可能発電機29から電力が供給される構成であればよく、交流発電源である出力調整可能発電機29の代わりに直流発電源を用いてもよい。このとき、発電機A/Dコンバータ45のAC/DCコンバータ機能は不要となる。
さらに、DC結合31は、分散電源部5が備える複数の電力供給源である太陽光発電パネル25、バッテリー27、出力調整可能発電機29からの電流が同一の電圧レベルで接続されていればよく、接続点の数や接続場所が限定されるものではない。
さらに、DC/ACインバータの位置は、例えば太陽光発電パネル25、バッテリー27及び出力調整可能発電機29から供給される電力を交流に変換した後に1つのサイトに集める構成としてもよい。
さらに、負荷11に対して直流によって負荷11に対して電力を供給する構成であってもよい。
1 電力供給システム、3 商用電力供給源、5 分散電源部、7 燃料電池、9 制御装置、11 負荷、13 第1電力供給経路、15 共通経路、19 第2電力供給経路、25 太陽光発電パネル、27 バッテリー、29 出力調整可能発電機、31 DC結合、47 制御装置、51 主インバータ、53 スタンドアロンインバータ

Claims (10)

  1. 商用電力供給源及び分散電源部を備え、負荷に対して前記商用電力供給源と前記分散電源部の一方又は双方から電力を供給可能な電力供給システムであって、
    前記商用電力供給源又は/及び前記分散電源部を基準電源とし、電力を発電して、前記基準電源が供給する電力に加えて前記負荷に電力を供給する第3発電源と、
    前記第3発電源を制御する第3発電源制御手段を備え、
    前記商用電力供給源は、前記負荷に対して、第1電力供給経路及び前記負荷に接続される共通経路により電力を供給し、
    前記分散電源部は、前記負荷に対して、第2電力供給経路及び前記共通経路により電力を供給し、
    前記第1電力供給経路には、前記商用電力供給源を解列可能な商用電力切換手段が存在し、
    前記第3発電源は、前記共通経路に接続されており、
    前記分散電源部は、
    供給する電力値の変化が予測困難である第1発電源と、
    前記商用電力供給源とも前記第1発電源とも異なる第2発電源と、
    前記第2発電源を制御する第2発電源制御手段と、
    電力を蓄電可能な蓄電手段と、
    前記蓄電手段の蓄電及び電力供給を制御する蓄電供給制御手段とを備え、
    前記第3発電源制御手段は、前記第3発電源に対して、前記商用電力供給源又は/及び前記分散電源部を基準電源とさせると共に、前記商用電力供給源が解列された場合、前記分散電源部を前記基準電源とさせるものであり、
    前記第2発電源制御手段は、前記第2発電源に対して、前記第1発電源が供給する電力値に応じて、電力を供給させるか否かを制御する、電力供給システム。
  2. 前記分散電源部において、前記第1発電源、前記第2発電源及び前記蓄電手段から供給される電力は、DC結合において直流で結合され、
    前記第2電力供給経路には、前記分散電源部が生成する直流を交流に変換するインバータが存在し、
    前記蓄電供給制御手段は、
    前記DC結合における電力値が、前記分散電源部が出力すべき電力値である基準電力値よりも小さい場合には、前記蓄電手段に対して少なくとも前記基準電力値と前記第1発電源及び前記第2発電源の供給電力値との差分の電力値を供給させ、
    前記DC結合における電力値が前記基準電力値よりも大きい場合には、前記蓄電手段に電力を蓄電させるものである、請求項1記載の電力供給システム。
  3. 前記第2発電源制御手段は、
    起動判定手段が、前記第1発電源の供給電力値と前記第2発電源を起動させるための起動判定電力値とを比較して前記第1発電源の供給電力値が前記起動判定電力値よりも小さいと判定した場合に、前記第2発電源に対して前記基準電力値と前記第1発電源の供給電力値との差分の電力を発電させ、
    停止判定手段が、前記第1発電源の供給電力値と前記第2発電源を停止させるための停止判定電力値とを比較して前記第1発電源の供給電力値が前記停止判定電力値よりも大きいと判定した場合に、前記第2発電源を停止させるものであり、
    前記起動判定電力値は、前記停止判定電力値よりも小さい値である、請求項1又は2記載の電力供給システム。
  4. 前記商用電力供給源、前記分散電源部及び前記第3発電源が供給する電力を調整して、前記負荷に対して供給される電力を調整する調整手段を備える、請求項1から3のいずれかに記載の電力供給システム。
  5. 商用電力供給源及び分散電源部を備え、負荷に対して前記商用電力供給源と前記分散電源部の一方又は双方から電力を供給可能な電力供給システムにおける電力供給制御方法であって、
    前記電力供給システムは、
    前記商用電力供給源又は/及び前記分散電源部を基準電源とし、電力を発電して、前記基準電源が供給する電力に加えて前記負荷に電力を供給する第3発電源と、
    前記第3発電源を制御する第3発電源制御手段を備え、
    前記商用電力供給源は、前記負荷に対して、第1電力供給経路及び前記負荷に接続される共通経路により電力を供給し、
    前記分散電源部は、前記負荷に対して、第2電力供給経路及び前記共通経路により電力を供給し、
    前記第1電力供給経路には、前記商用電力供給源を解列可能な商用電力切換手段が存在し、
    前記第3発電源は、前記共通経路に接続されており、
    前記分散電源部は、
    供給する電力値の変化が予測困難である第1発電源と、
    前記商用電力供給源とも前記第1発電源とも異なる第2発電源と、
    前記第2発電源を制御する第2発電源制御手段と、
    電力を蓄電可能な蓄電手段と、
    前記蓄電手段の蓄電及び電力供給を制御する蓄電供給制御手段とを備え、
    前記第3発電源制御手段は、前記第3発電源に対して、前記商用電力供給源又は/及び前記分散電源部を基準電源とさせると共に、前記商用電力供給源が解列された場合、前記分散電源部を前記基準電源とさせるものであり、
    前記第2発電源制御手段が、前記第2発電源に対して、前記第1発電源が供給する電力値に応じて、電力を供給させるか否かを制御する第2発電源制御ステップとを含む、電力供給制御方法。
  6. 前記第2発電源制御ステップにおいて、前記第2発電源制御手段は、
    起動判定手段が、前記第1発電源の供給電力値と前記第2発電源を起動させるための起動判定電力値とを比較して前記第1発電源の供給電力値が前記起動判定電力値よりも小さいと判定した場合に、前記第2発電源に対して前記基準電力値と前記第1発電源の供給電力値との差分の電力を発電させ、
    停止判定手段が、前記第1発電源の供給電力値と前記第2発電源を停止させるための停止判定電力値とを比較して前記第1発電源の供給電力値が前記停止判定電力値よりも大きいと判定した場合に、前記第2発電源を停止させ、
    前記起動判定電力値は、前記停止判定電力値よりも小さい値である、請求項5記載の電力供給制御方法。
  7. コンピュータに、請求項5又は6記載の電力供給制御方法を実行させるためのプログラム。
  8. 請求項7記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  9. 商用電力供給源及び分散電源部を備え、負荷に対して前記商用電力供給源と前記分散電源部の一方又は双方から電力を供給可能な電力供給システムにおける電力供給制御装置であって、
    前記商用電力供給源又は/及び前記分散電源部を基準電源とし、電力を発電して、前記基準電源が供給する電力に加えて前記負荷に電力を供給する第3発電源を制御する第3発電源制御手段と、
    前記商用電力供給源を解列可能な商用電力切替手段と、
    前記商用電力供給源とも供給する電力値の変化が予測困難である第1発電源とも異なる第2発電源を制御する第2発電源制御手段と、
    電力を蓄電可能な蓄電手段の蓄電及び電力供給を制御する蓄電供給制御手段とを備え、
    前記商用電力供給源は、前記負荷に対して、第1電力供給経路及び前記負荷に接続される共通経路により電力を供給し、
    前記分散電源部は、前記負荷に対して、第2電力供給経路及び前記共通経路により電力を供給し、
    前記商用電力切換手段は、前記第1電力供給経路に接続されており、
    前記第3発電源は、前記共通経路に接続されており、
    前記分散電源部は、前記第1発電源と、前記第2発電源と、前記蓄電手段とを備え、
    前記商用電力供給源が解列された場合、
    前記第3発電源制御手段は、前記第3発電源に対して、前記分散電源部を前記基準電源とさせるものであり、
    前記第2発電源制御手段は、前記第2発電源に対して、前記第1発電源が供給する電力値に応じて、電力を供給させるか否かを制御する、電力供給制御装置。
  10. 前記第2発電源制御手段は、
    起動判定手段が、前記第1発電源の供給電力値と前記第2発電源を起動させるための起動判定電力値とを比較して前記第1発電源の供給電力値が前記起動判定電力値よりも小さいと判定した場合に、前記第2発電源に対して前記基準電力値と前記第1発電源の供給電力値との差分の電力を発電させ、
    停止判定手段が、前記第1発電源の供給電力値と前記第2発電源を停止させるための停止判定電力値とを比較して前記第1発電源の供給電力値が前記停止判定電力値よりも大きいと判定した場合に、前記第2発電源を停止させるものであり、
    前記起動判定電力値は、前記停止判定電力値よりも小さい値である、請求項9記載の電力供給制御装置。
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