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JP5409395B2 - 細胞外マーカーに結合する剤のパネルを用いる腫瘍細胞の多重検出 - Google Patents

細胞外マーカーに結合する剤のパネルを用いる腫瘍細胞の多重検出 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、生物学的サンプル中のガン細胞又はガン細胞成分(cancer cell element)の検出方法に関し、この方法は、2つ又はそれより多い細胞外マーカーに結合する剤であって少なくとも1つがガン特異的である剤のパネルの添加を含んでなる。検出は分光法により行われる。
発明の背景
ガンの予後因子の研究は、局所リンパ節の組織学的状態を患者生存の最も重要な予測因子(predictor)の1つとして同定する。Raymond Cabanas(Cabanasら,1977)により最初に紹介されたセンチネル節概念は、原発性腫瘍からのリンパ排液は1つの特定の局所リンパ節−センチネル節−を通過し、その後続くことを提案している。センチネル節概念は、原発腫瘍の異なる部分からの複数の排液経路の可能性を内含し、よって患者は1つより多いセンチネル節を有することがある。センチネル節は各個体に独特である。この節の腫瘍状態は、悪性メラノーマ及び乳ガンの大規模なフォローアップ研究で報告されたように、局所リンパ野(regional lymphatic field)の状態を反映し、予後に対して強力な影響を有する。
5年生存率は、腫瘍細胞転移陰性センチネル節を有すると診断されたメラノーマ患者については89%程度と高いことが報告されている。センチネル節に転移があると診断された患者については、5年生存は70%に減少する(Mortonら,2003)。転移のないセンチネル節を有すると診断された群で減少した11%は、実際には、偽陰性診断された症例であったと推測することができる。
センチネル節状態の予後因子としての強力な証拠に起因して、センチネル節生検及び転移性腫瘍細胞の有無の最終的評価は、多くの国でステージ決定のためのルーチン手順となっている。
センチネル節が一旦診断されると、センチネル節の診断は選択する治療ストラテジーに対しても影響する。センチネル節状態を迅速に決定することができれば、手術中に決定を下すために価値のある情報を提供することもできる。
今日、センチネルリンパ節評価のルーティン手順は、センチネルリンパ節の幾つかのレベルからのホルマリン固定パラフィン包埋切片の術後の組織病理学的検査である。しかし、切片間に位置する微小転移は見逃すことがある。1つの更なる発展は、センチネル節の術中検査である。この方法では、リンパ節の薄凍結切片(約5μm厚)をヘマトキシリン及びエオシンで染色する。次いで、凍結切片を病理学者が顕微鏡下で検査する。結果を手術室に報告し、リンパ節が腫瘍細胞を含んでいる場合には、例えばリンパ節切開を拡げる決断をすることができる。時には、術後に、検査されるガンタイプに特異的なマーカーについて標本を免疫組織化学的に染色する。このことにより、微小転移の検出が容易になる。標的されるマーカーの例は、悪性メラノーマについてはHMB-45であり、結腸及び乳ガンについてはサイトケラチン-20である。
腫瘍細胞検出のこれらルーティン手順は種々の欠点に悩まされている。それらは時間がかかり、原発腫瘍の術中に重要な情報を提供できる可能性を減少させる。最悪の場合、リンパ節のごく僅か(非常に薄いスライス)を検査し、これらスライスの外側の微小転移は不可避的に検出されないので、不正確でもある。サイトケラチン-20染色凍結切片のルーチンのスクリーニングを用いて転移を検出する確率は、転移のサイズにも依存する。乳ガンセンチネル節での特定の研究(Weaverら,2006)では、0.10mm以下の転移を見逃す確率は、61%である。0.05mm以下及び0.02以下の転移については、腫瘍細胞の存在を見逃す確率は、それぞれ69%及び75%であった。この方法はまた、腫瘍細胞を検出する病理学者の個々の技量にも依存する。現行の方法による共通する最後の問題は、病院の臨床検査室での熟練者の不足である。このことは、これら手順の利用可能性及び費用に関係する。
代替の検出方法も報告されており、それらには逆転転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)及びフローサイトメトリーアプローチが含まれる。RT-PCR法は、組織病理学的方法より感受性が高いが、時間がかかり、偽陽性結果を生じることが判明している(Merrieら,1999;Noguchiら,1999)。加えて、mRNAは分解に感受性であり、この特徴が、臨床設定での標本の取り扱い及び輸送を困難にしている。
フローサイトメトリーアプローチは、従来の技法より高い感受性を有していると報告されている(Leersら,2002)。これまで、リンパ節中の腫瘍細胞を検出するツールとしての方法(フローサイトメトリーを含む)は、種々のガン細胞(例えば乳ガン及び結腸ガン)により産生されるタンパク質である細胞内マーカー(例えば、サイトケラチン-20)及びDNAに対するモノクローナル抗体での染色に依存していた。
サイトケラチン-20への依存は、このタンパク質が腫瘍細胞によって排他的に発現されないので、偽陽性診断の危険を意味する。実験により、このタンパク質は健常被験者の末梢血液中の細胞でも発現することが示されている。したがって、(不可避的に偽りの結果の危険が付随する)陽性診断と陰性診断との間の「カットオフ」レートを決定する必要が生じる。
サイトケラチン-20又はHMB-45のような細胞内マーカーの使用はまた、抗体染色手順において追加の工程を必要とする。モノクローナル抗体がその標的に到達できるようにするために細胞を例えばサポニンで透過化しなければならない。この手順に少なくとも30分間余分にかかる。
更に、発現パターンは腫瘍細胞同士間で劇的に変化し、単一マーカーのみの使用は偽陰性結果を生じる危険を暗示する。
発明の説明
本発明は、生物学的サンプル中のガン細胞又はガン細胞成分の検出方法に関し、この方法は、2つ又はそれより多い細胞外マーカーに結合する剤であって少なくとも1つがガン特異的である剤のパネルの添加を含んでなる。検出は分光法により行われる。
よって、本発明は、生物学的サンプルに添加される剤のパネルを使用し、そのことにより幾つかのガン特異的マーカーの直接的な同時検出を可能にし、よってセンチネル節切開、切開サンプルの染色及びその後の経験豊富な病理学者による検査の工程を省略する一工程プロセスを包含する。結果として、本発明は、より高い特異性、感受性及び再現性を有し、主観的でない物理的特性に基づく、相当に迅速で、ロバストな(robust)、標準化された分析方法を可能にする。
本発明は種々の適用を有する。第1の診断的適用では、本方法は、センチネル節、メチネル節又は他のリンパ節における腫瘍細胞検出に使用することができる。上記のように、センチネル節における腫瘍細胞検出はガンのステージ決定のための一般的な手順である。或る種の腫瘍タイプを同定する細胞外マーカーに結合する剤のパネルの適用が、非常に高い感受性及び特異性での腫瘍細胞検出を可能にする。他の組織におけるガン細胞の検出にも類似の方法を適用することができる。
第2の診断的適用では、本発明は、未知の起源の転移を有する患者において原発腫瘍のタイプを決定するために使用することができる。或る種のガンタイプ及び/又は組織タイプに特異的な細胞外マーカーに結合する剤のパネルを適用することにより、本方法は、原発腫瘍部位の探索に有益な手掛かりを提供することができる。
本発明の更に別の適用では、本方法は、ガンに対する細胞療法(いわゆる養子免疫療法)のために細胞培養物をモニターするために使用することができる。養子免疫療法におけるセンチネル節リンパ球の使用には、単一細胞懸濁物中のガン細胞の検出が必要である。この適用では、治療される予定のガンタイプを同定する細胞外マーカーに結合する剤のパネルは、患者に細胞を戻すために投与する前に、細胞培養物にガン細胞が存在しないことを検証するために使用し得る。
この適用はまた、治療の間に患者をモニターするために使用し得、そして治療レジメンの有効性を評価するためにツール及び適切な治療の選択のための決定ツールとして使用し得る。
腫瘍細胞検出適用への本発明の使用は、異なる組織タイプから単一細胞懸濁物を調製することにより達成することができる。続く工程で、単一細胞懸濁物又はそれが由来するサンプルを、検出すべきガンタイプを同定するマーカーに結合する蛍光体接合モノクローナル抗体のパネルとインキュベートする。インキュベーション時間及び洗浄の後、フローサイトメトリーを使用してサンプルを分析する。分析結果は容易に入手可能である。
上記のように、単一細胞懸濁物は、種々の供給源(例えば、リンパ系、センチネル節、メチネル節、他のリンパ節、腫瘍組織、他の組織、血液及び/又は血漿)から調製することができる。
原発腫瘍の同定という第2の診断的適用では、単一細胞懸濁物は、未知の起源の転移を排出する(draining)リンパ節から、又は転移の生検からのいずれかから調製する。転移が見出された身体中の場所に依存して、蛍光体接合モノクローナル抗体の幾つかのパネルを使用して、転移が見出された器官又は組織に頻繁に転移する特定の原発腫瘍タイプを同定することができる。単一細胞懸濁物は、転移した腫瘍タイプについてスクリーニングするために、全てが異なる抗体パネルとインキュベートされる幾つかのサンプルに分割する必要があり得る。フローサイトメトリーを使用する分析はまた、本発明のこの適用でも可能である。
ガンに対する細胞療法用の細胞培養物中に腫瘍細胞が存在しないことの検証は、リンパ節中の腫瘍細胞の検出として類似の方法を使用して達成することができる。本発明のこの適用では、単一細胞懸濁物は細胞培養物のサンプルから調製する。腫瘍細胞検出の適用のためと同じタイプのモノクローナル抗体パネルを用いて、単一細胞懸濁物をインキュベートし、洗浄し、最後にフローサイトメトリーを用いて分析する。
図1は、単一の同定用の剤を用いた、結腸ガン細胞と白血球との混合物中の結腸ガン細胞のフローサイトメトリーによる同定を説明する。種々の数のCCL221結腸ガン細胞(0〜3%)をFicollにより精製した末梢血白血球中に導入し、細胞表面検出抗体として直接接合抗CA19-9を用いて染色した。腫瘍細胞の存在をフローサイトメトリーにより検出した。SSC(側方散乱)は細胞の粒状性を示す。 図2は、単一の同定用の剤を用いた、結腸ガン細胞と白血球との混合物中の結腸ガン細胞のフローサイトメトリーによる同定を説明する。種々の数のCCL221結腸ガン細胞(0〜3%)をFicollにより精製した末梢血白血球中に導入し、細胞表面検出用に直接接合EpCAM様抗体を用いて染色した。腫瘍細胞の存在をフローサイトメトリーにより検出した。SSC(側方散乱)は細胞の粒状性を示す。 図3は、4つの同定用の剤のパネルを用いた、結腸ガン細胞と白血球との混合物中の結腸ガン細胞のフローサイトメトリーによる同定を説明する。CCL221結腸ガン細胞10%(A)又は1%(B)をFicollにより精製した末梢血白血球中に導入し、細胞表面マーカーCA19-9、CEAエピトープ5及びCEAエピトープ4並びにSTNの4色同時検出用の直接接合抗体を使用して染色した。腫瘍細胞の存在をフローサイトメトリーにより検出した。CA19-9及びCEAエピトープ5により認識された二重陽性細胞(左パネル)を電気的にゲーティングし、抗体STN及びCEAエピトープ4の第2の対により評価した(右パネル)。 図4は、4つの同定用の剤のパネルを用いた、結腸ガン細胞と白血球との混合物中の結腸ガン細胞のフローサイトメトリーによる同定を説明する。CCL221結腸ガン細胞10%(A)又は1%(B)をFicollにより精製した末梢血白血球中に導入し、細胞表面マーカーCA19-9、CA242及びCEAエピトープ4並びにSTNの4色同時検出用の直接接合抗体を使用して染色した。腫瘍細胞の存在をフローサイトメトリーにより検出した。CA19-9及びCA242により認識された二重陽性細胞(左パネル)を電気的にゲーティングし、抗体STN及びCEAエピトープ4の第2の対により評価した(右パネル)。 図5は、4つの同定用の剤のパネルを用いた、結腸ガン細胞と白血球との混合物中の結腸ガン細胞のフローサイトメトリーによる同定を説明する。CCL221結腸ガン細胞10%(A)又は1%(B)をFicollにより精製した末梢血白血球中に導入し、細胞表面マーカーCA19-9、CA15-3、EpCAM様及びSTNの4色同時検出用の直接接合抗体を使用して染色した。腫瘍細胞の存在をフローサイトメトリーにより検出した。CA19-9及びCA15-3により認識された二重陽性細胞(左パネル)を電気的にゲーティングし、抗体STN及びEpCAM様の第2の対により評価した(右パネル)。 図6は、結腸ガンを有する患者のセンチネルリンパ節からの単一細胞懸濁物中の結腸ガン細胞のフローサイトメトリーによる同定を説明する。4つの異なる結腸マーカーCA19-9、CEA、STN及びEpCAM様タンパク質を認識する抗体のパネルを用いて分析を行った。 図7は、リンパ節の薄切片の組織化学的分析に代えてリンパ節から得た単一細胞懸濁物を分析したときの偽陰性結果の危険の減少を説明する。Aは、最終的に染色され顕微鏡で評価される切片の外側に転移(赤いクラスターにより示される)がある状況を説明する。リンパ節中の腫瘍細胞はこの切片には存在せず、分析は偽陰性結果を生じる。Bは、全リンパ節から得られた単一細胞懸濁物サンプルがどのように該全リンパ節を代表するかを説明する。統計学的に適切な数の細胞の分析は、真正陽性結果を生じる。 図8は、実施例4に記載されるような、結腸ガン患者集団におけるマーカーEpCAM及びCA 19-9の基準範囲(reference interval)の評価を説明する。Aは、染色した各センチネル節について実施したアイソタイプコントロール染色の結果を説明する。 Bは、患者1のセンチネル節SN1、SN2及びSN3の染色の結果を説明する。結果は、SN1及びSN2における両マーカーのそれぞれ高レベル及び中レベルの存在を示す一方、SN3における発現は検出レベルに近い。 Cは、患者2のセンチネル節SN1及びSN2の染色の結果を示す。結果はSN1における両マーカーの存在を示す。SN2では、存在は検出レベルに近い。 図9。CK20の染色後のフローサイトメトリーによる腫瘍細胞の検出。DLD-1結腸ガン細胞でスパイクしたPBMCの希釈系列を上皮細胞マーカーCK20について細胞内染色し、フローサイトメトリーを用いて分析した(1A)。 1人の結腸ガン患者及び1人の健常個体のPBMC中のCK20陽性細胞の発見を示す(1B)。 図10。腫瘍関連細胞表面マーカーEpCAM及びCA19-9の染色による腫瘍細胞のフローサイトメトリー検出。0.012〜9%の添加腫瘍細胞の希釈系列範囲で結腸ガン細胞株DLD-1をPBMC中で希釈した。PBMC単独を陰性コントロールとして使用した。EpCAM発現を分析し、SSC特性に対してプロットした;数字は、EpCAM+事象のパーセンテージを示す(2A)。CA19-9発現の分析を、SSC特性に対してプロットした。数字は、CA19-9について陽性である事象のパーセンテージを示す(2B)。EpCAM対CA19-9でプロットすることにより腫瘍マーカーの同時発現をしらべた。プロット中の数字は、それぞれの象限中の事象のパーセンテージを示す(2C)。図2Cの右側の欄には、検出細胞の総数、すなわちEpCAM+CA19-9-細胞、EpCAM-CA19-9+細胞及びEpCAM+CA19-9+細胞の合計、及び添加した腫瘍細胞の数から期待されるパーセンテージを示す。 図11。2つの個体研究に対応するアッセイ間分析。低い範囲(それぞれ0、0.012、0.037及び0.11)で腫瘍細胞が添加された、結腸ガン細胞株DLD-1でスパイクしたPBMCを、106事象を収集してアッセイ間変動について分析した。サンプルをEpCAM及びCA19-9に対する抗体で染色し、フローサイトメトリーにより分析した。試験1及び2をEpCAM発現(3A)、CA19-9発現(3B)及びEpCAM/CA19-9発現(3C)について比較する回帰分析を行った。 図12。腫瘍細胞の検出数と期待数との間の相関。結腸ガン細胞株DLD-1(それぞれ0.037、0.11、0.33、1及び3%)でスパイクしたPBMCサンプル及びPBMC単独の1サンプルを、アッセイ内変動の評価のために、10のアリコートに分けた。EpCAM及びCA19-9に特異的な抗体でサンプルを染色し、フローサイトメトリーにより分析した。SSC特徴に対してプロットしたEpCAM発現のパーセンテージ(4A)及びSSC特徴に対してプロットしたCA19-9発現のパーセンテージ(4B)について回帰分析を行った。EpCAM対CA19-9のドットプロットにおいて明らかなように、単一及び二重陽性細胞の総存在数、すなわちEpCAM+CA19-9-細胞、EpCAM-CA19-9+細胞及びEpCAM+CA19-9+細胞の合計を調べた(4C)。データは平均(±SD)として表す。検出腫瘍細胞のパーセンテージをy軸に、期待される細胞数をx軸に示した。 図13。センチネル節における結腸ガン転移の存在。結腸ガンを有すると診断された7人の患者からの14のセンチネル節を、フローサイトメトリー分析の前に、CK20について細胞内染色し並行してEpCAM及びCA19-9について細胞外染色した。各センチネル節について関連するアイソタイプコントロールでの染色を行った。ここでは、患者5のSN1の染色を例示する(5A)。患者1では、3つのセンチネル節が同定された。転移性細胞の存在はSN1及びSN2で検出された一方で、SN3だけは、検出レベルに近い少ない数の陽性事象を含んでおり、転移がないと考えられた(5B)。患者2から得られた2つのセンチネル節のフローサイトメトリー分析は、転移がSN1に拡大したことを示す;SN2では、陽性事象の数は検出限界に近く、よってSN2は陰性と考えられた(5C)。
定義
用語「剤」は、本明細書で使用する場合、細胞外マーカーに結合するか又はこれと相互作用し得る全ての剤をいい、既知の剤(例えば、市販のモノクローナル抗体)及び創出される剤の両方を包含する。適切な剤の例は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、Fabフラグメント、(Fab')2フラグメント、Fvフラグメント、ペプチド、タンパク質、RNA分子、多糖又はこれらの任意の組合せである。
用語「剤のパネル」は、例えば、3若しくはそれより多い剤、4若しくはそれより多い剤、5若しくはそれより多い剤、6若しくはそれより多い剤、7若しくはそれより多い剤、8若しくはそれより多い剤剤、9若しくはそれより多い剤又は10若しくはそれより多い剤のような、2つ又はそれより多い剤を含有するパネルを意味するものとする。選択する剤の数は、スクリーニングすべきマーカーの数、及び/又は個別細胞の数を定量する方法で使用する装置の能力、すなわちその装置がどれだけの剤を同時に検出し得るかに依存し得る。パネル中のガン特異的剤の数は、具体的な使用に依存するが、例えば、2若しくはそれより多い剤、3若しくはそれより多い剤、4若しくはそれより多い剤、5若しくはそれより多い剤、6若しくはそれより多い剤、7若しくはそれより多い剤、8若しくはそれより多い剤、9若しくはそれより多い剤又は10若しくはそれより多い剤のような、1又はそれより多いガン特異的剤が存在する。好適には、ガン特異的剤の入手可能性に依存して、例えば少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75又は少なくとも100のような、より遥かに多い特異的な剤が用いられる。パネル中のガン特異的な剤は全てが1つのガンタイプに特異的であってもよいし、異なるガンタイプに特異性を有していてもよい。
用語「抗体」は、本明細書で使用する場合、IgG、IgM、IgA、IgD、IgE及びIgYを含む全てのタイプのイムノグロブリンをいう。抗体はモノクローナルであってもポリクローナルであってもよく、(例えば)マウス、ラット、ウサギ、ウマ、ニワトリ、又はヒトを含む任意の種を起源としてもよく、キメラ抗体であってもよい。本発明を実施するために使用するポリクローナル抗体は、公知の手順に従って、適切な動物(例えば、ウサギ、ヤギなど)を抗原で免疫し、その動物から免疫血清を収集し、該免疫血清からポリクローナル抗体を分離することにより製造し得る。
本発明を実施するために使用するモノクローナル抗体は、公知の技法に従って、ハイブリドーマ細胞株中に作製し得る。
本発明の範囲に含まれる「抗体フラグメント」は、例えば、Fab、F(ab')2及びFvフラグメント並びにIgG以外の抗体から得られる対応するフラグメントを包含する。このようなフラグメントは公知の技法により製造することができる。
用語「細胞外マーカー」は、本明細書で使用する場合、細胞の表面に発現するマーカーをいう。
用語「組織特異的細胞外マーカー」は、本明細書で使用する場合、或る種の組織タイプ(例えば、上皮起源又は間葉起源の組織)に属する細胞の表面に発現するマーカーをいう。
用語「ガン特異的細胞外マーカー」は、ガン細胞の表面に発現するマーカーをいう一方、用語「ガンタイプ特異的細胞外マーカー」は、或る種のガン細胞タイプの表面、すなわち結腸ガン細胞、乳ガン細胞などの表面に発現するマーカーをいう。用語「ガンサブタイプ特異的細胞外マーカー」は、ガン細胞の表面に発現するマーカーであって、例えば攻撃性、転移性性質、侵襲性、免疫抑制の能力、化学療法感受性及び免疫療法に関連する腫瘍抗原の存在のようなガン細胞の具体的特徴を示すマーカーをいう。
用語「センチネルリンパ節」は、腫瘍からのリンパ排液を受け入れる最初のリンパ節を意味するものとする。用語「メチネルリンパ節」は、転移からのリンパ排液を受け入れる最初のリンパ節をいう。
用語「真正陽性」は、試験で正確に陽性とされた試験サンプルを意味するものとする。
用語「偽陽性」は、試験で誤って陽性とされた試験サンプルを意味するものとする。
用語「真正陰性」は、試験で正確に陰性とされた試験サンプルを意味するものとする。
用語「偽陰性」は、真剣で誤って陰性とされた試験サンプルを意味するものとする。
用語「感受性」は、下記の式を用いて算出される尺度を意味するものとする:
用語「特異性」は、下記の式を用いて算出される尺度を意味するものとする:
用語「陰性予測値(negative predictive value;NPV)」は下記の式を用いて算出される尺度を意味するものとする:
用語「再現性」は、試験が独立して同じ試験結果で、例えば10%未満のアッセイ間変動及びアッセイ内変動で再現できることを意味するものとする。
用語「剤の標識化」は、装置によって検出可能な分子(例えば、酵素、蛍光分子、放射性分子、ビオチン、オリゴヌクレオチド及び/又は多糖)への剤の接合を意味するものとする。
用語「カットオフ値」は、陽性患者の症例と陰性患者の症例(健常状態)との適切な区別を与える値であると考えられる値を意味するものとする。
剤のパネルは、ヒト又は動物の身体(例えば、血液中又は組織中)に存在するガン細胞を検出するために使用し得る。しかし、特定の形態では、本願は、組織中の散在性ガン細胞を検出するための、細胞外マーカーに結合する剤のパネル(ここで、剤の少なくとも1つはガン特異的である)の使用に関する。
剤のパネルはヒト又は動物の身体の任意の場所のガン細胞を検出するために使用され得るが、以下では、剤のパネルの使用をリンパ系中のガン細胞の検出について例示し、更に詳細に説明する。しかし、本発明は、如何なる様式であっても具体的に記載された事項に限定されるものではない。
上記のように、センチネル又はメチネルリンパ節中の腫瘍細胞の存否の評価は、ガンのステージ決定に非常に重要であり、また選択した治療ストラテジーにも影響する。センチネル又はメチネル節の状態を迅速に決定することができれば、術中に決定を下すために価値のある情報を提供することもできる。したがって、本発明は、生物学的サンプル中のガン細胞又はガン細胞成分を検出する方法に関し、この方法は、生物学的サンプルに、2つ又はそれより多い異なる細胞外マーカーに結合する剤であって、その少なくとも1つはガン特異的である剤のパネルを添加することを含んでなる。ガン細胞又は細胞成分の検出は分光法により行ってもよい。分光法は、サンプルの前方散乱、側方散乱及び蛍光を検出することができるものであり得るが、これらに限定されない。分光法は、フローサイトメーターであり得るが、これに限定されない。
本発明の好適な形態において、分光方法はフローサイトメトリーである。
上記のように、センチネル又はメチネルリンパ節におけるガン細胞の検出に利用可能な公知の技法は、多くの欠点を有する。
利点:より高い感受性
リンパ節の検査に今日使用される組織病理学的及び免疫組織化学的方法では、リンパ節は、薄凍結切片に切り出されて染色される。しかし、ごく僅かなリンパ節のみが検査されるので、選択した切片の外の微小転移は不可避的に検出されない。また、たとえ腫瘍細胞が切片内に存在しても、組織病理学的及び免疫組織化学的方法による手作業のスクリーニングは、小さな転移(≦0.10mm)及び個々のガン細胞を頻繁に見逃してしまう(Weaverら)。
本発明では、センチネル又はメチネルリンパ節を取り出した後、センチネル又はメチネル節からの細胞の単一細胞懸濁物を調製する。単一細胞懸濁物のサンプルを、細胞外マーカーを標的する剤のパネルと共にインキュベートし、次いで例えば100,000又はそれより多い細胞のような多数の細胞を、特異細胞外マーカーを発現する個々の細胞の数及び割合を定量化し得る方法により分析する。したがって、1又はそれより多いセンチネル又はメチネルリンパ節からの細胞の懸濁物を使用することにより、1又はそれより多い全リンパ節を代表する細胞のランダム化集団が提供される。更に、相対的に高い数の細胞の分析は、腫瘍細胞の存否の統計学的に信頼できる証拠を提供する。
したがって、本発明が提供する公知の技法に対する1つの利点は、非常に高い感受性である。すなわち、本明細書中に記載されるような剤のパネルの使用により、ガン細胞は、ガン細胞を含むセンチネル又はメチネルリンパ節の、例えば、91%若しくはそれより多く、92%若しくはそれより多く、93%若しくはそれより多く、94%若しくはそれより多く、95%若しくはそれより多く、96%若しくはそれより多く、97%若しくはそれより多く、98%若しくはそれより多く、99%若しくはそれより多く又は100%のような、90%若しくはそれより多くが陽性と正確に診断されることを意味する、例えば、91%若しくはそれより高い、92%若しくはそれより高い、93%若しくはそれより高い、94%若しくはそれより高い、95%若しくはそれより高い、96%若しくはそれより高い、97%若しくはそれより高い、98%若しくはそれより高い、99%若しくはそれより高い又は100%のような、90%若しくはそれより高い感受性で検出され得る。
本発明を使用するより高い感受性の利点は、転移のサイズの減少に伴い、益々顕著になる。本発明は多数の個別細胞を分析するので、転移を検出する確率はリンパ節中に存在する腫瘍細胞の総数にのみ依存する。従来の方法については、検出確率は、転移のサイズにも依存することが示されている。例として、抗-サイトケラチン免疫組織化学による検出の感受性は、組織病理学的スクリーニングにより当初は陰性と分類された乳ガンセンチネル節について、僅か53%であることが判っている。転移を見逃す危険は、サイズの減少に伴って増大すると判明した。0.10mm以上の転移を見逃す確率は61%であると判明した。0.05mm以下及び0.02以下の転移については、腫瘍細胞の存在を見逃す確率は、それぞれ69%及び75%であった(Weaverら)。
ヘマトキシリン及びエオシン染色による組織病理学の全体の感受性は約50%である。組織病理学に続いて抗-サイトケラチン免疫組織化学によるスクリーニングについては、全体の感受性は約80%である。すなわち、本方法は、リンパ節サンプル中の腫瘍細胞を同定する現在使用されている方法より、遥かに高い感受性を提供する。
利点:より高い特異性
本発明の別の利点は、幾つかのマーカーを一度に分析することによって、各サンプルについてより詳細な情報が得られることである。よって、細胞発現における個体変動を考慮することにより、偽陽性結果の危険が減る。本方法はまた、以前に記載されたようにガン特異的マーカーではないサイトケラチン-20の検出に依存せず、このことが更に偽陽性診断の危険を減少させる。
すなわち、本明細書中に記載の剤のパネルを使用することにより、ガン細胞は、ガン細胞を含まないセンチネル又はメチネルリンパ節の、例えば、96%若しくはそれより多く、97%若しくはそれより多く、98%若しくはそれより多く、99%若しくはそれより多く又は100%のような、95%若しくはそれより多くが陰性と正確に診断されることを意味する、例えば、96%若しくはそれより高い、97%若しくはそれより高い、98%若しくはそれより高い、99%若しくはそれより高い又は100%のような、95%若しくはそれより高い特異性で検出され得る。
本発明の改善された感受性及び特異性を表現する別の方法は、陰性予測値、すなわちガン細胞を含まないセンチネル又はメチネル節が正確に診断される確率による。この値は、高い感受性及び特異性の組合せを反映する。今日使用される現行の他の公知の技法では感受性より特異性が優先されているが、本発明は、感受性及び特異性の両方で高レベルを維持できる。
したがって、本発明では、高い感受性及び特異性を組み合せることが可能である。すなわち、ガン細胞は非常に高い陰性予測値で検出され得る。したがって、本発明は、サンプルが本明細書中に記載の方法によりガン細胞について陰性であると同定された場合、そのサンプルが実際に陰性である確率が、例えば、91%若しくはそれより高い、92%若しくはそれより高い、93%若しくはそれより高い、94%若しくはそれより高い、95%若しくはそれより高い、96%若しくはそれより高い、97%若しくはそれより高い、98%若しくはそれより高い、99%若しくはそれより高い又は100%のような、90%若しくはそれより高いことを意味する、例えば、91%若しくはそれより高い、92%若しくはそれより高い、93%若しくはそれより高い、94%若しくはそれより高い、95%若しくはそれより高い、96%若しくはそれより高い、97%若しくはそれより高い、98%若しくはそれより高い、99%若しくはそれより高い又は100%のような、90%若しくはそれより高い陰性予測値でガン細胞が検出され得る使用に関する。
患者が術中に健常組織を除去される危険が大いに減少するので、高い陰性予測値は本明細書中に記載のような方法において好ましくあり得る。
利点:より高い再現性
本発明の別の利点は、高い再現性で実施することが容易であることである。よって、アッセイ間変動及びアッセイ内変動は、例えば、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満又は1%未満のような、10%未満である。したがって、本手順は、標準化し得、そして例えば生物医学の科学者及び臨床検査の科学者のような広範囲の専門家により行われ得る。対照的に、現在使用されている組織病理学的方法は、熟練した病理学者の存在を必要とする。このことは、2人の異なる病理学者の観察の間で30〜35%までの変動が存在し得るので、遥かにより主観的なサンプル評価にも導く。
利点:より速い
本発明の別の利点は、ヒト又は動物のサンプル中のガン細胞の存否の分析を非常に短い時間で行い得ることである。このことは、本方法がリンパ節転移及び微小転移の術中診断に使用される場合に特に該当し、例えば原発腫瘍の術中に診断を提供することを可能にする。
したがって、本発明では、ガン細胞は、20分又はそれ未満、15分又はそれ未満、10分又はそれ未満のような、25分又はそれ未満で検出され得る。
比較すると、染色免疫組織化学的染色の公知の技法は、一般に、完了するまでに数時間必要である。
細胞内マーカーであるサイトケラチン-20を用いる細胞染色は、剤が細胞に進入できるようにサポニンで透過化処理されなければならず、そのためこの手順の時間が加算されるという欠点に悩まされる。
サイトケラチン-20を用いる分析を行うための平均時間は、約45分である。したがって、細胞外マーカーに結合する剤を用いることにより、分析時間が原著に短縮される。
従来の凍結組織切片の組織病理学的分析は、おそらく20分以内の迅速な診断を可能にし得るが、例えば微小転移を検出するためのそのような方法の感受性は、ごく僅かなリンパ節のみが検査され、サンプルの評価は上記のように主観的であるので、本明細書中に記載のパネルの感受性より遥かに低い。リンパ節転移を診断するためにRT-PCRを使用する実験も行い、高感受性が導かれたが、このようなアッセイを行うために一般に必要となる時間の量により、このアッセイは術中の決定には全く不適切である。これとの比較で、本発明に従うパネルの使用は、非常に高い感受性及び特異性を短い分析時間との組合せで提供する。
上記のように、本発明における使用のための剤のパネルは、具体的使用に依存して、組成が非常に変化し得る。以下における、パネルの具体的使用及び組成の例は、本発明をより適切に説明するために与えられる。しかし、これらは如何なる様式でも本発明を限定するように解釈されるべきではない。
パネルの使用及び剤の選択
表現型特性によるガン細胞の検出は、2つの異なる「ストラテジー」に従うことができる。第1のストラテジーは、細胞がガン性になると発現レベルが変化するマーカーを探すことである。或る種のガンタイプは或る種のマーカーを頻繁に発現する一方、同じ組織に起源を有する正常細胞は発現しないことを示すデータの支持の下で、その細胞がガン性であると仮定することができる。この場合、マーカーは「ガン特異的」又は「ガンタイプ特異的」と呼ばれ得る。
第2のストラテジーは、異所性細胞を探すこと、すなわち分析細胞を収集する組織では通常は発現されるはずのないマーカーを探すことである。或る種のマーカーは通常1つの組織タイプで発現され、分析細胞を収集する組織では発現されないことを示すデータの支持の下で、その細胞がガン性であると仮定することができる。この場合、「組織特異的マーカー」を探すことになる。
しかし、表現型からのガン細胞の検出は、単純な課題ではない。ガン細胞は正常細胞(「健常」細胞)に起源を有し、天然の表面マーカーの多くは正常細胞とガン性細胞とに共有される。加えて、ガン細胞は、未熟表現型を発現する発生タンパク質(早期の分化段階で多くの細胞系統前駆幹細胞(cell lineage committed stem cell)の間で共有されるタンパク質)を提示する。差異は、しばしば、幾つかのマーカーの発現レベルに存在する。
また、正常細胞がガン性細胞になる事象は遺伝子機能障害により引き起こされるので、ガン細胞の発現プロフィールは、各個に独特であり、同じ起源のガン細胞同士でさえ変わり得る。
結論として、同じマーカーが、そのマーカーを発現する細胞がガン細胞である証拠を提供する場合もあれば、そうでない場合もある。よって、或る種のマーカーを「ガンマーカー」と指定することは、どのガンタイプを検出すべきか、或る種のマーカーが或る種のガンタイプによってどの程度の頻度で発現されるか及びそのマーカーを発現する細胞がどの組織で見出されたかのような更なる情報を用いてなされなければならない。
よって、ガン細胞の検出は、理想的には、個体変動を考慮しなければならない。1つの或る種のマーカーは、或る種のガンタイプの多くの細胞によって発現されるが、全てで発現されないかもしれない。或る種の組織に起源を有するガン性細胞は、その組織により通常発現される或る種のマーカーの発現を喪失しているかもしれない。
ガン細胞の検出のために1つのマーカーだけに依存することとは対照的に、幾つかのマーカーに結合する剤のパネルの使用は、偽陽性及び偽陰性の両方の結果の危険を減少させる。本発明の使用により、幾つかのガン特異的マーカー、ガンタイプ特異的マーカー及び組織特異的マーカーの同時の検出が可能になる。ガン細胞が1つの或る種のマーカーを発現できないことは、別のマーカーの検出によって補償され得る。
センチネル節、メチネル節又は他のリンパ節中のガン細胞の検出のための本発明の適用において、陽性コントロールとして原発腫瘍を使用して試験結果を検証することも可能である。これは、偽の試験結果の危険を更に減少させる。
既知の原発腫瘍:剤の選択
本明細書中に記載のパネルが非常に有用である1つの設定は、ガンの拡散検出用、すなわちリンパ系における、例えばセンチネル及び/又はメチネルリンパ節中での転移(微小転移を含む)の存在の検出用である。
そのような設定に使用するためのパネルは、好適には、包括的な組織特異的細胞外マーカー(例えば、上皮系及び/又は間葉系細胞外マーカー)に結合する1又はそれより多い剤を含有すべきである。ほとんど全てのガン細胞は、上皮細胞又は間葉細胞のいずれかに由来するので、これらマーカーの少なくとも1つを発現する。対照的に、健常なリンパ節中に存在するほとんどの細胞は、通常、そのようなマーカーを発現しない。したがって、包括的上皮系及び/又は間葉系マーカーに結合する少なくとも1つの剤を含ませることにより、通常はリンパ節中に存在しない細胞の検出を確実にできる。しかし、組織特異的細胞外マーカーを有する非ガン性細胞(例えば、間葉系細胞外マーカーを含有する母斑細胞)もリンパ節中に存在し得るので、パネル中に少なくとも1つのガン特異的剤を含ませることが重要である。
したがって、パネルは、ガン特異的、ガンタイプ特異的及び/又はガンサブタイプ特異的細胞外マーカーに結合する1又はそれより多い剤を含有するべきである。原理上は、既に同定されているか又は現時点では未知である任意の剤又はマーカーを使用することができる。以下に例を示すが、本発明はそれらに限定されない。
使用することができるマーカーとしては、特異細胞外マーカー、包括的上皮系マーカー、上皮特異抗原、表皮増殖因子、間葉系細胞外マーカー、ガンタイプ特異的マーカー及びガンサブタイプ特異的マーカー、並びに「充実性腫瘍及び他のタイプの腫瘍」、結腸ガン細胞、膀胱ガン細胞、悪性メラノーマ細胞、乳ガン細胞、前立腺ガン細胞、卵巣ガン細胞、肺ガン細胞のマーカーが挙げられる。マーカーの具体例は、BC-10、炭水化物抗原125(CA125)、炭水化物抗原15-3(CA15-3)、炭水化物抗原19-9(CA19-9)、炭水化物抗原242(CA242)、ガン胎児性抗原(CEA)、Ep-CAM、G250、MDR1、MDR2、MSH-R、NY-ESO-1、PRL-R、PSMA、RCAS1、STN、TA-90及びβ2-ミクログロブリン(B2M)である。
使用できる剤としては、組織特異的細胞外マーカー、包括的上皮系マーカー、間葉系細胞外マーカー、ガンタイプ特異的及び/又はガンサブタイプ特異的細胞外マーカーに結合する剤、並びに乳ガン、結腸ガン、食道ガン、腎臓ガン、肝臓ガン、肺ガン、悪性メラノーマ、卵巣ガン、膵臓ガン、前立腺ガン、直腸ガン、胃ガン、甲状腺ガン又はこれらの任意の組合せのマーカーから選択されるガンタイプ特異的細胞外マーカーに結合する剤が挙げられる。更に、可能な剤としては、結腸ガン、悪性メラノーマ細胞、乳ガン細胞、前立腺ガン細胞、卵巣ガン細胞、肺ガン細胞に特徴的なマーカーのうちの1又はそれより多くに結合するモノクローナル抗体又はそのフラグメントが挙げれられる。剤の具体例は、ガン胎児性抗原(CEA)、炭水化物抗原15-3(CA15-3)、炭水化物抗原125(CA125)、炭水化物抗原19-9(CA19-9)、炭水化物抗原242(CA242)、Ep-CAM、G250、RCAS1、STN、TA-90、BC-10、NY-ESO-1、MSH-R、PRL-R及びPSMAに対するモノクローナル抗体である。
上記のように、特異サブタイプのガン細胞に特徴的なマーカー(ガンサブタイプ特異的細胞外マーカー)に結合する剤もパネルに含ませ得る。このようなマーカーの例は、腫瘍/腫瘍細胞の以下の特徴、すなわち、例えば攻撃性、転移性特性、侵襲性、免疫抑制能力、化学療法感受性及び免疫療法に関連する腫瘍抗原の存在、を示すマーカーであり得る。このようなマーカーの存在を分析することによって、ガンの治療を特異腫瘍サブタイプに基づいて誂え得る。例えば、ガン細胞で大量に発現され得、抗発ガン性剤をガン細胞から汲み出すことができ、ガン細胞を抗発ガン性物質に非感受性にする多剤耐性(MDR)タンパク質と呼ばれる一連の膜タンパク質が存在することが知られている。MDRに結合する1又はそれより多いマーカーを含ませることによって、ガン細胞が化学療法剤を用いる治療に対して感受性であるかどうかを決定することができ、そうであれば同じ治療レジメンの一部として化学療法剤を投与することができる。しかし、ガン細胞が化学療法剤に非感受性であることが示されれば、直ぐに他の治療レジメンを設定することができる。
未知の原発腫瘍:剤の選択
本明細書中に記載のようなパネルの別の使用は、ガン転移の起源を同定するためである。すなわち、患者において1又はそれより多い転移が同定されたが、転移した原発腫瘍の位置は不明であるという状況である。
理論上は、原発腫瘍は、腫瘍が発生した器官又は組織に存在する細胞を起源とする。原発腫瘍の転移は、原発腫瘍の拡大から生じるガンとして定義される。転移プロセスは、ガン細胞が獲得した2つの別個の能力−増大した自動能及び侵襲性−に依存する。転移する細胞は、基本的には、元の腫瘍中の細胞と同じ種類である。ガンが例えば結腸で生じて例えば肝臓に転移する場合、肝臓中のガン細胞は結腸ガン細胞である。しかし、細胞は、増大した自動能及び別の器官を侵襲する能力を獲得している。
ガンタイプ特異的及び/又はガンサブタイプ特異細胞外マーカーに結合する1又はそれより多い剤を含有する本発明に従うパネルを使用することにより、転移の起源を決定できる可能性、すなわち原発腫瘍が発生した組織を決定できる可能性がある。
パネルは、組織特異的細胞外マーカー(例えば包括的上皮系及び/又は間葉系細胞外マーカー)に結合する1又はそれより多い剤を更に含んでなり得る。
転移は、ヒト又は動物の身体のどこにでも見出し得るが、しかし、転移を見出す最も一般的な部位は、リンパ節、肝臓、肺、骨格、脳、卵巣、副腎及び腹腔である。
したがって、パネルは、ガン特異的、ガンタイプ特異的及び/又はガンサブタイプ特異的細胞外マーカーに結合する1又はそれより多い剤を含有すべきである。原理上は、既に同定されているか又は現時点では未知である任意の剤又はマーカーを使用することができる。以下に例を示すが、本発明はそれらに限定されない。
使用することができるマーカーとしては、特異細胞外マーカー、包括的上皮系マーカー、上皮特異抗原、表皮増殖因子、間葉系細胞外マーカー及びガンタイプ特異的マーカー並びに結腸ガン細胞、膀胱ガン細胞、悪性メラノーマ細胞、乳ガン細胞、前立腺ガン細胞、卵巣ガン細胞、肺ガン細胞のマーカーが挙げられる。マーカーの具体例は、BC-10、炭水化物抗原125(CA125)、炭水化物抗原15-3(CA15-3)、炭水化物抗原19-9(CA19-9)、炭水化物抗原242(CA242)、ガン胎児性抗原(CEA)、Ep-CAM、G250、MDR1、MDR2、MSH-R、NY-ESO-1、PRL-R、PSMA、RCAS1、STN、TA-90及びβ2-ミクログロブリン(B2M)である。
使用できる剤としては、組織特異的細胞外マーカー、包括的上皮系マーカー、間葉系細胞外マーカー、ガンタイプ特異的及び/又はガンサブタイプ特異的細胞外マーカーに結合する剤、並びに乳ガン、結腸ガン、食道ガン、腎臓ガン、肝臓ガン、肺ガン、悪性メラノーマ、卵巣ガン、膵臓ガン、前立腺ガン、直腸ガン、胃ガン、甲状腺ガン又はこれらの任意の組合せのマーカーから選択されるガンタイプ特異的細胞外マーカーに結合する剤が挙げられる。更に、可能な剤としては、結腸ガン、悪性メラノーマ細胞、乳ガン細胞、前立腺ガン細胞、卵巣ガン細胞及び肺ガン細胞に特徴的なマーカーのうちの1又はそれより多くに結合するモノクローナル抗体又はそのフラグメントが挙げれられる。剤の具体例は、ガン胎児性抗原(CEA)、炭水化物抗原15-3(CA15-3)、炭水化物抗原125(CA125)、炭水化物抗原19-9(CA19-9)、炭水化物抗原242(CA242)、Ep-CAM、G250、RCAS1、STN、TA-90、BC-10、NY-ESO-1、MSH-R、PRL-R及びPSMAに対するモノクローナル抗体である。
剤の標識化
本明細書中に記載のパネルの使用における重要な工程は、特異マーカーを有する細胞の数の同定であるので、1又はそれより多い検出可能な標識で剤を標識することが有利であり得る。このような標識は、酵素、蛍光分子、放射性標識、ビオチン及び/又はオリゴヌクレオチドからであり得る。
本発明の好適な形態において、剤は、蛍光分子(例えば、核特異的色素、フィコビリンタンパク質、シアニン誘導体、フルオレセイン誘導体及びローダミン誘導体)で標識される。パネル中で使用する異なる剤は、好適には、互いに識別できるように、異なる標識で標識する。標識に蛍光分子を使用する場合、本方法は、好適には、蛍光測定装置(例えばフローサイトメーター)により実施され得る。
代表的な手順
ガンの徴候を有する患者のセンチネルリンパ節を手術によって得る。簡潔には、トレーサー物質(例えば、パテントブルー色素、これはリンパ排液を辿り、最初の排出リンパ節を青色に着色する)の腫瘍周囲注入により手術中にセンチネル節を同定する。
2%胎仔ウシ血清及び0.05%アジ化ナトリウムを補充した5mlのPBS(染色緩衝液)中又は細胞培養培地(例えばX-Vivo 15又はAim 5)中で、ルーズフィットのガラスホモジナイザーを用いて、リンパ節を穏やかに圧迫することにより、検査すべき全センチネルリンパ節からの単一細胞懸濁物を得る。
1×106細胞のサンプルを2mlの染色緩衝液中で洗浄する。
次いで、細胞サンプルを100μlの染色緩衝液において組織特異的、ガンタイプ特異的及びガンサブタイプ特異的細胞外マーカーから選択される蛍光体接合抗体のパネルで標識し、室温で15〜30分間インキュベートする。使用する抗体の十分量を決定する。代表的には、この量は0.1〜0.5μgの範囲である。豊富な抗体を除去するため、フローサイトメトリー分析の前に、サンプルを2mlの染色緩衝液で洗浄し、300μlの染色緩衝液中に再懸濁する。
分析は、FACSAria、FACSCanto(Becton Dickinson)又はCytomics FC 500(Beckman Coulter)のような装置を用いて行う。フローサイトメトリー分析は、各細胞サンプルから100,000事象を収集して行う。
キット
本発明の使用を容易にするために、本発明の多くの適用のために特化したキットを開発することができる。このようなキットは、必要な全ての剤、標識及び流体並びに或る種の試験を実施するために必要な指示書を含み得る。本キットはまた、(例えば、陽性試験結果と陰性試験結果との間の予め規定したカットオフレートを用いて)試験結果の解釈を容易にするためのソフトウェアを含み得る。
本発明の好適な形態において、キットは、蛍光標識モノクローナル抗体のパネルを含み得、このパネルは或るタイプの試験に適切であり得る。更に、本キットは、フローサイトメトリーを用いて試験を実施するに必要な流体及び分析から作成されるデータを容易に解釈できるソフトウェアを含み得る。
カットオフ値の決定、有病率及びデータベースの使用
各試験で作成されたデータの解釈のためのソフトウェアの使用は、信頼できる統計学的方法及び各試験について最適なカットオフ値を見出すためのバックグランドデータに依存する。なぜならば、陽性試験結果と陰性試験結果との間のカットオフ値が変わるにつれて感受性及び特異性は変動し得るからである。
バックグランドデータは、状態が既知であるか又は関連する集団中の検索する異常性の有病率が既知である多数のサンプルについて試験を行うことによって得られ得る。各試験から作成したデータ(例えば、各マーカーについて試験で陽性とされた事象の割合)を、試験対象が属する集団のカテゴリー化についての情報(例えば性別、年齢、疾患、疾患のステージなど)と共に収集する。作成したデータは、最適なカットオフ値を決定するために使用し得る。
真正陰性サンプルもまた、生物学的理由(正常状態でもマーカー発現の程度は変化する)及び技術的理由(バックグランドノイズ)に起因して、「陽性率」の程度に変化を示すことからも、カットオフ値は必要である。
既知の状態(陽性又は陰性)を有するサンプルを用いてバックグランドデータが作成された場合には、最適なカットオフ値の発見は比較的簡単であり、試験の感受性及び特異性をカットオフ値とどの程度相関付けられるかを分析することにより達成できる。
カットオフ選択の1つのアプローチは、可能なカットオフ値の各々について感受性 対 (1−特異性)をプロットすることである。すなわち、先ず、幾つかの異なるカットオフ値を任意かつ系統的に選択する。得られる曲線は、「受信者動作特性」曲線(ROC曲線)として知られる。ROC曲線の下の面積により試験の正確性を測定する。面積1は「完璧な試験」を表し、面積0.5は「役立たない試験」を表す。
偽陰性結果の許容度が偽陽性結果の許容度と等しい場合、ROC曲線下面積が最大となるカットオフ値を選択すべきである。しかし、多くの場合、カットオフ値を決定する場合、試験の臨床使用を考慮しなければならない。例えばスクリーニング試験のためには、偽陰性結果の数を最小にすることが重要であり、中程度の数の偽陽性は許容され、カットオフ値はそれ相応に設定される。すなわち、カットオフ値は、臨床使用/目的に関して選択し得る。
ROC曲線は、単独では、カットオフ値を決定するために使用できない。なぜならば、この方法は、調べる異常性の有病率を考慮していないからである。試験が真の疾患状態を予測できる能力を最適化するためには、検出すべき異常性の有病率についてのバックグランドデータが必要である。試験の感受性及び特異性は、試験対象が属する集団における検索すべき病的状態の有病率と共に変化し得る。よって、異なる集団については異なるカットオフ値を決定する必要があり得る。
サンプルの真の状態が未知である場合には、最適なカットオフ値を見出す異なる方法を使用しなければならない。異なる集団中の異常性の有病率が既知である場合、この目的には基準範囲を使用することができる。
基準範囲は、関連する集団内での値の或るパーセンテージを含む、値の推定範囲である。最も一般的に使用されるパーセンテージは95%である。
カットオフ値の決定には2つの基準範囲を算出しなければならない。1つは陰性とされるサンプルについてであり、1つは陽性とされるサンプルについてである。各サンプルのカテゴリー化は、サンプルを収集した集団における異常性の有病率に基づいてなされる。各サンプル群の比例サイズは、その集団中の異常性の有病率に一致させるべきである。各節の試験結果に基づいて、各サンプルを陰性とされる群及び陽性とされる群にカテゴリー化する。基準範囲を各群について作成することができ、カットオフ値は、一方の基準範囲と他方の基準範囲とのオーバーラップが最小となるように設定され得る。カットオフ値はまた、例えば偽陰性診断の危険を最小化するように設定され得る。
基準範囲は、2つの基本的アプローチで算出することができる。作成したデータが分布関数(例えば、正規分布)に一致する場合、基準範囲は、パラメトリック法を用いて算出することができる。このことは、分布が数学的に規定される統計学的分布(例えば、正規分布)に適合することを意味する。パラメトリック法の使用が一般には好適である。なぜならば、基準範囲の信頼区間は、サンプルサイズが非常に大きくなければ、一般にはより狭くなるからである。
作成したデータが数学的に規定される統計分布のいずれにも一致しない場合、ノンパラメトリック法(分布によらない方法)を使用しなければならない。ここで、許容されるカットオフ値に到達するためには、推定される分布は、分析により作成した実際のデータのみを使用して計算される。信頼区間を減少させるためには、非常に大きなサンプルサイズが必要である。
検出すべき異常性の有病率は、例えば年齢、性別及び疾患/徴候により変化し得る。したがって、関連集団の各々について基準範囲を決定するための大量のバックグランドデータへのアクセスは、腫瘍細胞の検出に本発明を使用する場合、診断性能を更に増強し得る。
分析により作成したデータを真正陽性サンプル及び真正陰性サンプルについての以前のデータと比較することにより、陽性結果と陰性結果との間のカットオフレートが最適化され得、感受性、特異性及びNPVに関するより高い性能を可能にする。
本発明の好適な形態において、各試験の解釈は、関連集団に関して試験する各マーカーについてのバックグランドデータを有するデータベースにリンクしているソフトウェアの使用により実施する。ソフトウェアはまた、同じデータベースにおける使用のためのデータを作成できてもよい。このことにより、各試験及び関連集団についてカットオフ値を継続的に微調整することが可能となる。
したがって、別の観点では、本発明は、本明細書中に記載のフローサイトメトリー法及びカットオフ値を算出し、データ材料が増加すると継続的に再調整するソフトウェアによって得られる結果を保存するデータベースに関する。このデータベースは複数のデータセットを含み、各データセットは、複数の細胞外表面マーカー及び対応するガン細胞タイプに関するデータを含んでなる。更に、本発明は、フローサイトメトリー法からの得られたデータセット(例えば、i)1又はそれより多い細胞外マーカーに結合する剤を有する細胞の数、ii)ガン細胞のタイプ、iii)組織のタイプなど)を保存する工程を更に含んでなる、本明細書中に記載のようなガン細胞を同定する方法に関する。データを保存する工程は、対応するデータセットを有する既知の起源のデータをインプットする工程を更に含んでなり得る。
更に、更なる観点では、本発明は、コンピュータ上で実行したときにi)細胞外マーカー用のデータを含んでなるフローサイトメトリーデータセットを受け入れるように適合され、ii)受け入れたデータをデータベース中のデータと比較するように適合され及びiii)a)ガン細胞の存否及び必要に応じてb)ガン細胞タイプを示す出力を提供するように適合されているソフトウェアプログラムに関する。
データベースにおける比較目的のために細胞外マーカーをどのように評価するかの例を実施例4に与える。
実施例1
白血球と結腸ガン細胞との混合物中の結腸ガン細胞のフローサイトメトリー検出
結果
細胞表面染色腫瘍細胞の単一細胞フローサイトメトリーを評価するために、本発明者らは、結腸ガン細胞株CCL221からの既知の数の結腸ガン細胞を末梢血白血球に添加した。これにより、本発明者らは、小さな転移を有するリンパ節中の状況を模倣する。本発明者らは、先ず、結腸ガン細胞の表面に発現することが知られている腫瘍マーカーCA19-9を使用した。このサンプルの分析を、サイズ及び粒状性については側方散乱(SSC)を使用し、FITC接合体染色細胞を反映するFL-1を使用して最適に行った。増大したSSC及び高い蛍光に関して二重陽性である細胞を、図1に例示するように同定した。添加したCCL221細胞が0.33%と低くても容易に検出された。しかし、腫瘍細胞がサンプル中に存在しないときでさえ、少数の非特異的染色が見られた。このことにより少ない割合の偽陽性細胞が示唆される。このアッセイを改善するために、結腸細胞に発現するEpCAM様細胞表面分子を認識する抗体を用い、PBLに0.0122〜3%の腫瘍細胞を加えて実験を行った。再度、腫瘍集団は、高量のEpCAM様タンパク質を発現し、増大したSSCを示す細胞のクラスターとして容易に検出された(図2)。0.0122%の細胞であっても、識別し得る細胞集団として検出された(図2)。腫瘍細胞を添加しないときには二重陽性として記録される事象はなかったので、EpCAM様タンパク質を標的化細胞表面マーカーとしての使用に偽陽性細胞の問題はなかった。
腫瘍細胞は成熟の喪失に伴い分子発現を喪失し得ることが周知であるので、本発明者らは、1セットの細胞表面分子を組み合わせて、或る種の細胞表面分子の発現を喪失した腫瘍細胞を見逃す危険がないようにこのアッセイの診断的正確性を改善することを望んだ。したがって、本発明者らは、4つの異なる細胞表面マーカーの組合せを試験した。CA19-9とCEAの2つのエピトープとSTNとの組合せは、大部分の細胞が四重陽性であることを検出した(図3A、右パネル)。本発明者らは、少ない割合(1%未満)が三重陽性であることに気付いた(図3A、右パネル、Q1)。このことにより、少ない割合の細胞が確かにCEAエピトープの一方の発現を喪失していることが示唆される。PBLに少数の細胞(1%)を添加した場合、同じ結果が得られた(図3B)。次いで、本発明者らは、結腸ガン細胞に発現する異なる組合せの4つの細胞表面タンパク質CA19-9、CA242、STN及びCEAエピトープ4を試験した。この四重組合せは、PBL中のCCL221細胞株の存在を認識する場合、同様な様式で挙動する(図4)。再度、細胞の大部分が4つ全てのマーカーCA19-9、CA242、STN及びCEAエピトープ4について陽性であり(図4A、右パネル、Q2)、少数のCCL221細胞を添加したとき結果は同じであった(図4B、右パネル、Q2)。細胞表面の第3の組合せを試験した。CA19-9、CA15-3、EpCAM様タンパク質及びSTNは試験で同様な結果であった(図5A及びB)。この系を結腸ガン患者に由来するセンチネル節で試験したとき、本発明者らは、フローサイトメトリーにより結腸ガン細胞の存在を容易に検出することができた。マーカーCA19-9及びCEAの使用は、センチネル節中の33%の細胞を、結腸ガン細胞マーカーを有する細胞と同定した(図6)。更に、電気的にゲーティングされたCA19-9+CEA+細胞をSTN及びEpCAM様発現について分析することにより、24%の細胞が試験した全てのマーカーを発現する四重陽性CA19-9+CEA+STN+EpCAM様+でありそうであることが明らかとなった。しかし、1.7%の細胞はこの組合せについて三重陽性CA19-9+CEA+STN+であり、7.7%は、CA19-9+CEA+EpCAM様+について陽性である。このことにより、結腸ガン細胞は、幾つかの細胞表面マーカーの発現を種々の程度で喪失している可能性があることが証明される。
実施例2
リンパ節中の転移性結腸ガン細胞のフローサイトメトリー検出
材料及び方法
細胞の調製
末梢血白血球をFicoll paqueにより得た。結腸ガン細胞株CCL221は供給者(ATCC)により示唆されたように増殖させた。結腸ガンを診断された患者からのセンチネルリンパ節を手術により得た。ルーズフィットガラスホモジナイザーを用いてリンパ節を穏やかに圧迫することにより、検査すべき全センチネルリンパ節からの単一細胞懸濁物を得た。
フローサイトメトリー
1×106細胞のサンプルを、2%胎仔ウシ血清及び0.05%アジ化ナトリウムを補充したPBS(FACS緩衝液)中で洗浄した。次いで、細胞サンプルを、組織特異的、ガンタイプ特異的及びガンサブタイプ特異的細胞外マーカーから選択される蛍光体接合抗体のパネルで染色し(上記表1の適切なマーカーの例を参照)、室温で15〜30分間インキュベートした。豊富な抗体を除去するため、フローサイトメトリー分析の前に、サンプルをFACS緩衝液で洗浄した。分析の結果は直ぐに入手できた。検査したリンパ節は、高い割合が四重陽性細胞を含有していたので、多量の転移性細胞を含有していることが示された(図6)。
実施例3
単一細胞サンプル中の結腸ガン細胞のフローサイトメトリー検出及びアッセイ性能/ロバストネス
検査する患者からのセンチネル節リンパ球、腫瘍細胞及びPBMCの単一細胞懸濁物を分析した。結腸ガン細胞の定量化を可能とするために、健常ボランティアからの、結腸ガン細胞株DLD-1でスパイクしたPBMCサンプルもまた調べた。出発濃度9%腫瘍細胞の7段階3倍系列希釈により、9%、3%、1%、0.33%、0.11%、0.037%及び0.012%の濃度が得られた。PBMC単独サンプルをこの系列に加えた。
上皮細胞マーカーCK20の細胞内染色のために、細胞を先ず、2% BGS及び0.05%(w/v)アジ化ナトリウムを補充したPBS(染色緩衝液)中で洗浄し、その後製造業者の指示に従ってCytofix/Cytoperm(Becton Dickinson)で処理した。その後、細胞を、0.3%サポニン(w/v)(Sigma)を補充した染色緩衝液中に保持した。一次染色をマウス抗-ヒトCK20抗体(Dakocytomation)又はIgG2aアイソタイプコントロール(Dakocytomation)で30分間行った。細胞を洗浄し、アロフィコシアニン(APC)(Jackson Immunoresearch)と接合したヤギ-抗-マウス抗体又はフルオレセインイソチオシアネート(FITC)(Jackson Immunoresearch)と接合したロバ-抗-マウス抗体と共に30分間インキュベートした。
細胞表面マーカーの染色を染色緩衝液中で行った。細胞を洗浄し、次いで製造業者の書面に従ってそれぞれAlexa fluor 488(AF488)(Molecular probes Invitrogen)又はペリジニン-クロロフィル-タンパク質複合体(PerCP)(Prozyme)と接合した抗-上皮細胞接着マーカー(EpCAM)及び抗-炭水化物抗原19-9(CA19-9)(Fujirebio diagnostics)と共に30分間インキュベートした。使用したアイソタイプコントロールは、AF488と接合したIgG2a(clone G155-178)及びPerCP(Becton Dickinson)と接合したIgG1(clone MOPC-21)であった。FACSAria(Becton Dickinson)を使用して、各サンプルからそれぞれ100,000事象(表2、表4)又は1,000,000事象(表3)の獲得を行い、FACSDivaソフトウェアを用いて収集データを分析した。陽性事象は、それぞれの蛍光をリニアスケールの側方散乱(SSC)特性に対して対数スケールでプロットすることにより同定した。死亡細胞を排除するように左上象限及び右上象限を設定し、細胞片はPIで最初に試験から排除した。EpCAM及びCA19-9の両方について染色されたサンプルを、対数緑色蛍光(AF488) 対 対数赤色蛍光(PerCP)でのドットプロットを用いて分析した。
アッセイ性能、ロバストネス
腫瘍表面マーカーのフローサイトメトリー分析についてのアッセイ内変動を、フローサイトメトリー分析の前にサンプルを10のアリコートに分けることにより試験した。希釈系列からのDLD-1腫瘍細胞を0.037%、0.11%、0.33%、1%及び3%で添加したサンプル及びPBMC単独サンプルを調べた。EpCAM及びCA19-9について、別々に存在するとき、陽性事象の数を、それぞれの蛍光をリニアスケールのSSC特性に対して対数スケールでプロットすることで決定した。対数緑色蛍光 対 対数赤色蛍光のプロットにより、検出細胞の総数の分析を行い、EpCAM+CA19-9-、EpCAM-CA19-9+又はEpCAM+CA19-9+のいずれかとして記録された事象を蓄積した。結腸ガン細胞の検出の得られた平均、標準偏差及び変動係数を表2に列挙する。
EpCAM発現により検出された腫瘍細胞の平均値は、期待値に近かった。このことは、ほとんど全てのDLD-1細胞がEpCAMを発現していたことを示す(表2)。DLD-1結腸ガン細胞を0.11、0.33、1及び3%添加したサンプルから得られたCV値は、4.6〜10.7%の範囲であった。このことは非常に低いアッセイ内変動を示している。0.037%での細胞添加についての検出細胞の平均数は、0.041%(範囲0.035〜0.055%)であり、腫瘍細胞を添加していないPBMCについては0.002(範囲0〜0.004%)であった(表2)。CA19-9発現を調べると、腫瘍細胞回収の平均値は期待数より低かった。このことはまた、全ての腫瘍細胞がCA19-9を発現しているわけではないことを示している(表2)。PBMC中の平均バックグランド染色は0.036%であった。これは低濃度の腫瘍細胞の検出を妨げる。しかし、0.33、1及び3%での細胞添加についてはそれぞれ67、71及び82%がCA19-9を発現している。0.037〜3%の範囲での細胞添加は、CA19-9検出についての平均CVは8.4%であった。このことは、低いアッセイ内変動を示す。
EpCAM+CA19-9-、EpCAM-CA19-9+及びEpCAM+CA19-9+の発現を調べると、得られる平均は細胞の期待数に近い(表2)。加えて、閾値に近い細胞数で本方法を更に検証するために、106細胞/サンプルを収集した(表3)。測定値の標準偏差は低かった(範囲0.001〜0.016)。このことは、10サンプルを試験するときの低いアッセイ内変動を示す。全範囲(0〜0.11%)の細胞添加についてのEpCAM+及びCA19-9+細胞の検出のCVは、一般的に低かった。このことはまたアッセイの安定性を示す。しかし、0に近い細胞数を測定したときは、変動係数は、標準偏差の小さな変化に対して数学的に感受性であった。このことは、少数の細胞に関する計算についての本方法の有用性を制限する。EpCAM、CA19-9及びEpCAM/CA19-9抗体を用いる腫瘍細胞検出についての試験1と試験2との性能は一致しており、回帰係数は1に近かった(図11A-C)。
回帰分析を行うことにより0〜3%細胞のダイナミックレンジを試験した(図12A-C)。サンプルの決定係数は、EpCAM+(図12A)、CA19-9+(図12B)及び二重陽性細胞(図12C)について1であり、調べた範囲内で安定で信頼できる性能が証明された。EpCAM+(図12A)及びEpCAM+CA19-9-、EpCAM-CA19-9+及びEpCAM+CA19-9+細胞の合計(図12C)についての腫瘍細胞の観察数と期待数との間の相関は、添加した細胞の理論数から期待されるものに近かった。CA19-9は、DLD-1腫瘍細胞の約73%で発現しているようである。
実施例4
結腸ガン患者からのセンチネル節中のマーカーの評価
材料及び方法
トレーサー物質の腫瘍周囲注入により手術中に7人の患者のセンチネルリンパ節を同定した。
ルーズフィットのガラスホモジナイザーを用いて、各リンパ節からの単一細胞懸濁物を調製した。細胞外マーカーの染色を染色緩衝液中で行った。細胞を洗浄し、それぞれAlexa488及びPerCPと接合した抗-EpCAM及び抗CA 19-9と30分間インキュベートした。
患者5からのSN1の染色によって例示される、染色した各センチネル節についてアイソタイプコントロールを行った(図8A)。
FACSAriaフローサイトメーターを用いて各サンプルからの100,000事象を獲得することにより、分析を行った。
分析の結果を図8B及び8C(それぞれ患者1及び2)に示す。
分析の結果を下記の表2に示す:
上記の表に示したデータは、各マーカー及びマーカーの組合せについての最適なカットオフ値の発見に使用できる。しかし、信頼できるカットオフ値を見出すためには、サンプルサイズをより大きくする必要があろう。
各サンプルの真正の状態が既知である場合、異なるカットオフ値についての感受性及び特異性は容易に算出できる。その後、各集団についての最適なカットオフ値を、上記に示したように、例えばROC曲線を用いて算出し得る。
真の状態が未知の場合、関連する患者集団内のセンチネルリンパ節の結腸ガン細胞の有病率が判らなければならない。各節の試験結果に基づいて、各サンプルを陰性とされる群と陽性とされる群にカテゴリー化する。ここで、各群の比例サイズは関連患者集団内の有病率と一致させる。次いで、両群について基準範囲を算出する。
作成したデータが分布関数(例えば、正規分布)に一致する場合、基準範囲は、パラメトリック法を用いて算出することができる。パラメトリック法の使用が一般には好適である。なぜならば、基準範囲の信頼区間は、サンプルサイズが非常に大きくなければ、一般にはより狭くなるからである。
作成したデータがいずれの統計分布にも一致しない場合、ノンパラメトリック法を使用しなければならない。信頼区間を減少させるためには、非常に大きなサンプルサイズが必要である。
両サンプル群(陽性とされる群及び陰性とされる群)についての基準範囲の比較を使用して適切なカットオフ値を設定することができる。カットオフ値は、例えば基準範囲のオーバーラップを最小にするか、又は偽陰性診断の危険を最小にするように設定することができる。
実施例5
結腸ガン細胞株中のCK20の細胞内染色(参照実験)
結腸ガンからのリンパ節中の転移検出の標準アプローチは、CK20抗体を用いる免疫組織化学的染色である。このマーカーをフローサイトメトリーによる転移検出について評価するために、CK20の細胞内染色及びAPC接合二次抗体での検出を行った。
最初の試験には、漸減数のDLD-1結腸ガン細胞株をPBMCに添加した。9%添加腫瘍細胞の濃度から出発して、全てのCK20陽性細胞が検出されることが決定された(図9A、上パネル)。3倍希釈系列を使用して、0.037%添加細胞の濃度までCK20陽性腫瘍細胞を検出することが可能であった(図9A)。DLD-1細胞を添加していないPBMC中のバックグランド染色は、0.009% CK20陽性細胞であり(図9A、下パネル)、アイソタイプコントロールは平均0.011%陽性細胞の非特異的染色を与えた(データは示さず)。このことは、少数の偽陽性事象を示す。
健常個体からのPBMC中のCK20陽性細胞が報告されている。このことは、血液におけるサイトケラチン陽性上皮細胞の正常な一過性の存在を示唆する。PBMCをCK20について細胞内染色したとき、本発明者らは、転移性疾患を有する結腸ガン患者及び健常個体で例示されるように、それぞれ0.19%及び0.16%のCK20陽性細胞を検出することができた(図9B、左パネル)。対照的に、0.03%及び0.02%陽性は、アイソタイプコントロールを使用したときに検出された(図9B、右パネル)。よって、CK20陽性上皮細胞は、健常個体において低いレベルで血液中に存在しているようである。
実施例6
結腸ガン細胞株の表面マーカーの染色
CK20陽性細胞が健常個体中でさえ低いレベルで同定され、細胞内染色はより厄介であるので、結腸ガン細胞表面マーカーを認識する直接接合抗体の有用性を調べた。したがって、DLD-1補充腫瘍細胞の希釈系列を、それぞれ蛍光体AF488及びPerCPと接合した2つの腫瘍関連表面抗原EpCAM及びCA19-9に特異的な抗体で染色した。
EpCAMはほとんど全てのDLD-1結腸ガン細胞で発現した(図9A)。検出細胞の数は、CK20の染色と良好に相関する。最低数で添加された腫瘍細胞(0.012% DLD-1細胞)の検出は、0.014%がEpCAM陽性細胞と同定された(図9A)。PBMC単独を用いたバックグランド染色は、0.004%検出事象であったので、本発明者らは、EpCAM陽性細胞は細胞の小さなサンプル内でも良好な正確性で検出することができると結論付けた。
抗原CA19-9はDLD-1腫瘍細胞の約80%で発現する(図10B)。5つ高い濃度についてのCA19-9+細胞と添加細胞数との間の平均比率は0.80(範囲0.73〜0.91)であった。結腸ガン細胞を添加していないPBMC中のバックグランド染色は、CA19-9について、EpCAMよりわずかに高く、0.004%がEpCAM陽性(図10A、下パネル)であったのに対し0.017%の細胞がCA19-9陽性であった(図10B、下パネル)。腫瘍細胞の存在は、バックグランド染色の干渉がなく、0.11%添加細胞の低い濃度で容易に検出可能であった。バックグランドがEpCAMでの染色よりわずかに高くても、CA19-9は、フローサイトメトリーによる結腸ガン細胞の検出についての有用なマーカーであるようである。
2つの腫瘍関連マーカーの同時発現を、対数緑色蛍光(AF488) 対 対数赤色蛍光(PerCP)のドットプロットを使用するEpCAM発現対CA19-9発現の分析により評価した。9%〜0.11%添加細胞の検出細胞数に良好な相関が存在した(図10C)。平均すると、84%の添加細胞がEpCAM及びCA19-9発現二重陽性であった(図10C、右上象限)。これは単一染色データと一致しており、CA19-9が80%の細胞で発現していた(図10B)。希釈系列中では平均24%の細胞がEpCAM+CA19-9-であった(図10C、右下象限)。CA19-9単一陽性細胞の数は非常に低かった(平均0.5%)(図10C、左上象限)。よって、大部分のCA19-9+DLD-1細胞は、同時に、EpCAMを発現する。両軸での蛍光の使用は、PBMC中のバックグランド染色を0.087%に増加させた(図10C、下パネル)。これら事象のほとんど(0.079%)が左上象限に限局されていたので、増大したバックグランドは、偽陽性CA19-9事象がより高いことに起因している。アイソタイプコントロール(IgG2a AF488又はIgG1 PerCP)のいずれも有意な非特異的染色を与えなかった(データは含まれず)。したがって、DLD-1結腸ガン細胞株でスパイクしたPBMC中の腫瘍細胞の検出は、複数の細胞表面マーカーについての染色により容易にすることができる。
実施例7
センチネル節中の腫瘍細胞の検出
結腸ガンを有する患者におけるEpCAM及びCA19-9に特異的な直接接合抗体の有用性を検証するために、7人の患者の14のセンチネル節から新たに回収した単一細胞懸濁物を分析した(表4)。比較を可能にするために、細胞を並行してCK20について細胞内染色した。サイトケラチン20、EpCAM及びCA19-9についてのアイソタイプコントロールを使用して陽性細胞の存在を決定した(図13A)。平均すると、CK20、EpCAM及びCA19-9のアイソタイプコントロールを使用して、それぞれ0.32、0.21及び0.16%細胞が陽性染色された。
患者1では、3つのセンチネル節が同定された(SN1〜3)。SN1には、転移性結腸ガン細胞が明らかに存在していた。そのうち5.6%がCK20陽性であり、同じ割合の細胞がCA19-9陽性であると同定された(図13A)。EpCAMは、3分の1(34%)の転移性細胞(又は総事象の1.9%)で発現しているようであった。転移性細胞はSN2にも存在し、0.57%の細胞がCK20陽性であり、0.72%がCA19-9について陽性であった。EpCAM発現は0.18%であった。これは、サイトケラチン発現に関して転移性細胞の32%を表し、CA19-9陽性細胞については25%である。しかし、検出EpCAM陽性細胞の数はアイソタイプコントロールレベルに近い。SN3の検査により、CK20、EpCAM又はCA19-9について、アイソタイプコントロールによって決定される検出レベルに近い非常に少ない事象陽性が明らかになった。よって、SN3は、転移性結腸ガン細胞の存在について、陰性であると考えられた。
患者2では、2つのセンチネル節を術中に同定した(図13B)。SN1では、CK20及びCA19-9染色は、検出転移性細胞の0.69%及び0.42%である一方で、検出事象の1.3%がEpCAM+であった。SN2では、再び、3つ全てのマーカーを用いた陽性事象の検出数は、アイソタイプコントロールによって決定される検出レベルに近い検出限界に近かった。よって、SN2は転移がないと考えられた。腫瘍細胞でスパイクしたPBMCを用いる試験系(図10)と比較して、リンパ節組織のサンプルは、より高いバックグランドに起因して、均一性が低かった。
考察
本発明者らは、ここに、リンパ節中の転移性細胞を迅速かつ再現可能に検出するための新規な多重方法を提示する。これまでは、転移の検出は、病理学者により評価されるリンパ節材料の少数の切片の顕微鏡観察に基づいていた。この方法は時間がかかり、人手もかかり、高価であり、個々の病理学者の評価が主観的である。例えば、外科的手順を続けるのか否か及び外科的手順を拡げるのか否かの意見を外科医が待っているという、手術室から持ち出した凍結切片を評価する病理学者への圧力が、偽陽性結果の危険を有する状況を引き起こす。更に、この手順では少数の6μm切片の分析のみが可能であり、リンパ節の残りの部分は検査さえされないので、偽陰性結果の確率が高くなる状況を生み出している。
この障害を迂回し、リンパ節中の転移性細胞を評価するための迅速で客観的方法を可能にするために、本発明者らは、全リンパ節の統計学的に関連するサンプルを検査する系を設定した。ここで、転移性細胞の存在は、正常条件下でリンパ節中に存在しない結腸細胞に存在する細胞表面分子の多重染色により確実に同定される(図6)。少なくとも4つのマーカーの組合せにより、偽陽性サンプル及び偽陰性サンプルの数が減少して、このアッセイの感受性及び特異性が増大する。よって、この検査の結果は、顕微鏡評価と比較して陽性予測値及び陰性予測値が増大しており、このことにより、外科医が、リンパ節検査から、より高い信頼性で手術の程度を計画できるようになる。更に、リンパ節からの単一細胞の取り出しは容易であり、効率的手順並びに高い親和性及び高い結合率(kon)を有する抗体を使用するので、検出試薬の結合は迅速であり、短いインキュベーション時間及びフローサイトメトリーによる数分以内の客観的測定が可能となる。分析のためのフローサイトメトリーの使用により、より高い程度の標準化が可能になり、標準の使用によって質をコントロールする作業が単純化される。
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Claims (5)

  1. i)センチネル節、メチネル節又は他のリンパ節の生物学的サンプルに、2つ又はそれ
    より多い細胞表面マーカーに結合する標識された剤のパネルであって、少なくとも1つの剤がガン特異的であり、パネルが、結腸ガン細胞の表面に発現するガン特異的マーカーに結合する1つ又はそれより多い剤であり、その1つがCA19-9に結合する剤と、上皮系マーカー及び/又は間葉系マーカーである組織特異的細胞表面マーカーに結合する1つ又はそ
    れより多い剤であり、その1つがEp-CAMに結合する剤とを含有するパネルを添加し、
    ii)そうして得られた生物学的サンプルをフローサイトメトリーに付すること
    を含んでなる、生物学的サンプル中の結腸ガン細胞又は結腸ガン細胞成分を直接かつ同時に検出する一工程方法。
  2. 前記間葉系マーカーがCD44、c-Kit及びVEGFレセプター2から選択される請求項1に記載
    の方法。
  3. 前記上皮系マーカーが上皮特異抗原、表皮増殖因子及びE-カドヘリンから選択される請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記ガン特異的マーカーが、ガン胎児性抗原(CEA)、炭水化物抗原15-3(CA15-3)、炭水化
    物抗原125(CA125)、炭水化物抗原19-9(CA19-9)、炭水化物抗原242(CA242)、G250、RCAS1
    、STN、TA-90から選択される請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記剤が、モノクローナル抗体又はそのフラグメントから選択される請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
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