JP5406456B2 - 電離放射線硬化性再剥離用粘着剤組成物及びその用途 - Google Patents
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Description
以下に本発明を詳述する。
多官能単量体を1〜50質量%含むことによって、粘着剤として要求される初期タック、粘着力、凝集力を発現することになる。多官能単量体は、粘着剤の架橋密度を高めポリマー主鎖の動きを抑制して、被着体へのなじみ性や粘着力を調整することにより再剥離性能を調整し、特に光学フィルムの表面保護フィルムに必要な物性が発現することになる。
その他の多官能(メタ)アクリレートとしては、エポキシ(メタ)アクリレート類、ウレタン(メタ)アクリレート類を適宜使用可能である。
以下に、アクリル系重合体(A)を得るための単量体成分及び重合工程について説明する。
上記一般式(1)で表される化合物としては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソノニルアクリレート、イソデシルアクリレート、トリデシルアクリレート、イソミリスチルアクリレートが挙げられる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記R1は、炭素数が8〜12のアルキル基であることが好ましい。より好ましくは、8〜9のアルキル基である。上記R1が8〜9のアルキル基である化合物の中でも、2−エチルヘキシルアクリレート又はイソノニルアクリレートを用いることが特に好ましい。
偏光板の中には、表示部のぎらつき感を抑えるため表面に微細な凸凹を設けることで光の反射を抑制したいわゆるアンチグレア処理されたものがある。このアンチグレア処理された偏光板は微細な凸凹のために粘着剤の濡れが悪いという欠点を有する。一般に架橋密度を上げて高速剥離性を満たした保護フィルムはこのなじみ性が悪く、両物性を両立させることは困難である。本発明の電離放射線硬化性再剥離用粘着剤組成物を用いて得られる粘着フィルムは、なじみ性に優れるとともに高速剥離時の低粘着性にも優れ、アンチグレア処理された偏光板のような微細な凹凸を有する光学部材等にも好適に用いることができる。ここでいう微細な凹凸とは、凹凸の高低差が0.1〜10μm程度のものを言い、このような微細な凹凸を有する被着体としては、AG(アンチグレア、防眩)処理フィルム、AR(反射防止)フィルム、電磁波遮蔽フィルム等が挙げられる。
凹凸高低差とは、JIS B0601に準拠して測定される十点平均粗さ(Rz)で示される数値である。被着体表面の凹凸高低差の測定には、例えば、キーエンス社製レーザー顕微鏡VK−9710を用いることができる。
水酸基を有する単量体は、ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであることが好ましい。より好ましくは、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、更に好ましくは、炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルである。また、炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルのなかでも、2−ヒドロキシエチルメタクリレート又は2−ヒドロキシエチルアクリレートを用いることが特に好ましい。
カルボキシル基を有する単量体は、(メタ)アクリル酸であることが好ましい。
その他のビニル系単量体としては、例えば、アルキル基の炭素数が1から7のアクリル酸アルキルエステル、アルキル基の炭素数が1から18のメタクリル酸アルキルエステル、酢酸ビニル、ビニルトルエン、及び、スチレン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
側鎖に不飽和結合を有する重合体としては、(i)側鎖不飽和結合となる部分を有する単量体を用いて重合をおこなうか、又は、(ii)重合体を調製した後に側鎖に不飽和結合を導入してもよい。これらの方法の中でも、上記(ii)の方法でおこなうことが好ましい。
上記(ii)のように不飽和二重結合を重合体の側鎖に導入する方法としては、不飽和基二重結合及び官能基を有する化合物をアクリル系重合体(A)のもとになる重合体に付加させる(付加反応工程をおこなう)方法が挙げられる。なお、側鎖の不飽和結合が実質的に0mmol/gであっても、多官能単量体の使用量を上記のように特定することによって、本発明の効果を奏することができる。
上記重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、クメンヒドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等の有機過酸化物;
2,2′−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
続いて、不飽和基二重結合及び官能基を有する化合物をアクリル系重合体(A)のもとになる重合体に付加させる工程(付加反応工程)について説明する。
上記一般式(2)で表される化合物において、R3は、炭素数1〜5のアルキル基の1の水素原子がイソシアネート基で置換された基であることが好ましい。より好ましくは、炭素数1〜3のアルキル基の1の水素原子がイソシアネート基で置換された基である。なお、上記R3は、直鎖であっても分岐であってもよい。また、R3が有するイソシアネート基は、ブロックされていてもよい。
これらの化合物の中でも、(メタ)アクリロイルオキシメチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートが好ましい。より好ましくは、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートである。
このようなイソシアネート基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、カレンズシリーズ(昭和電工社製)等を用いることができる。
このような化合物としては、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸β−メチルグリシジル、(メタ)アクリル酸β−エチルグリシジル、(メタ)アクリル酸アリル、ビニルベンジルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の脂肪族1,2−エポキシド基を有する単量体、3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン等の脂肪族1,3−エポキシド基を有する単量体、(メタ)アクリル酸(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル、ビニルシクロヘキセンオキサイド等の脂環式1,2−エポキシド基を有する単量体が挙げられる。
これらの中でも、カルボキシル基への反応性及び経済性等の点で優れることから、脂肪族1,2−エポキシド基を有する単量体が好ましい。特に好ましくは、(メタ)アクリル酸グリシジルである。最も好ましくは、メタクリル酸グリシジルである。
このようなエポキシ基含有単量体ととしては、ブレンマーG(商品名、日本油脂社製)等を用いることができる。
上記温度としてより好ましくは、55〜90℃であり、更に好ましくは、60〜80℃で行う。温度が50℃未満であると、反応に長い時間がかかったり、反応率が低下したりするおそれがある。温度が100℃を超えると、反応中に重合体がゲル化し易くなる。また、ゲル化を防ぐために、更に重合禁止剤を混合し、分子状酸素含有ガスの存在下で行うことが望ましい。分子状酸素含有ガスとしては、通常、窒素等の不活性ガスで希釈された空気或いは酸素ガスが用いられ、反応容器内に吹き込まれる。
これによって、側鎖に充分な量の不飽和結合を導入したり、毒性の高いイソシアネート含有単量体及びエポキシ基含有単量体を充分に低減する等の効果が発揮されることになる。なお、反応率は、FT−IRによる未反応官能基量の定量、反応液の酸価の定量、ガス或いは液体クロマトグラフィ法を用いたエポキシ基含有単量体等の残存量の定量等により確認できる。
塩基性触媒としては、例えば、ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等の3級アミン、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、n−ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩、テトラメチル尿素等の尿素化合物、テトラメチルグアニジン等のアルキルグアニジン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド化合物、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等の3級ホスフィン、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、ベンジルトリフェニルホスホニウムブロマイド等の4級ホスホニウム塩等を挙げることができる。これらの触媒は、単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよい。
これらの中では、反応性、取扱い性やハロゲンフリーの点で、ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン、テトラメチル尿素、トリフェニルホスフィンが好ましい。
重合禁止剤としては、公知のラジカル重合性単量体用重合禁止剤を用いることができる。ラジカル重合性単量体用重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、メトキノン、6−t−ブチル−2,4−キシレノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のフェノール系禁止剤、有機酸銅塩やフェノチアジンを挙げることができる。これらの中では、低着色、重合防止能力の点でフェノール系禁止剤が好ましく、入手性、経済性から、中でもメトキノン、6−t−ブチル−2,4−キシレノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,2‘−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)が好ましい。より好ましくは、2,2‘−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)である。これらの重合禁止剤は、単独で使用しても、2種類以上混合して使用してもよい。
装置:HLC−8220GPC(商品名、東ソー株式会社製)
溶出溶媒:テトラヒドロフラン
標準物質:東ソー株式会社製標準ポリスチレン
分離カラム:TSKgel SuperHZM−M
Wn:各単量体の質量分率
Tgn:各単量体のホモポリマーのTg(K)
続いて、多官能単量体(B)について説明する。
紫外線(UV)硬化に用いられる開始剤には、水素引き抜き型及び自己開裂型があるが、本発明の場合には、水素引き抜き型の光開始剤を使用することが好ましい形態である。水素引き抜き型開始剤を用いると、開始剤が粘着剤樹脂から水素ラジカルを引き抜き、このポリマー上のラジカルが他のポリマー分子の側鎖不飽和結合と反応することにより(多官能モノマーを間に介する場合もあり)架橋構造が形成される。この反応はポリマーラジカルを起点とするため架橋効率がよく、その結果高速剥離性となじみ性の両立が可能になると推測される。一方、自己開裂型は開始剤がラジカル2分子に開裂し、このラジカルがまずあるポリマー分子の側鎖不飽和結合と反応し、さらに別のポリマー分子と反応することで架橋構造が形成される。先述の水素引き抜き型と比較して架橋構造を形成するまでのステップが長くなるために架橋効率が悪いと考えられる。実際、水素引き抜き型開始剤と比較して高速粘着力が下がりにくく、粘着剤樹脂側鎖の不飽和二重結合量や多官能モノマー量を増やすことで高速粘着力を下げることは可能であるが、なじみ性とのバランスが取れない。高速剥離性を出すには全体的にある程度の架橋度に上げる必要があるが、自己開裂型は架橋効率が悪いため過度の架橋が必要となる。そのため、架橋密度が高すぎるところが存在し、結果として高速剥離性となじみ性のバランスが悪くなると考えられる。
また、水素引き抜き型光開始剤の添加量は、電離放射線硬化性再剥離用粘着剤組成物の全質量を100質量%としたとき、0.1〜10質量%であることが好ましい。より好ましくは、0.2〜8質量%であり、0.3〜6質量%である。
UVの照射強度としては、粘着剤組成物を充分に硬化させることができればよく、例えば、50〜1000mW/cm2が好ましい。照射強度が弱すぎると硬化に時間がかかりすぎる場合がある。
UVの照射量としては、例えば、10〜1000mJ/cm2が好ましい。照射量が少なすぎると硬化が不十分で高速粘着力が高くなりすぎる場合があり、多すぎると過剰な硬化のためになじみ性が不足する場合がある。
再剥離型粘着剤は、粘着力を低く抑える、貼り付け後の経時的な粘着力の上昇を抑えるという目的から、通常の粘着剤と比較して高架橋密度にする必要がある。そのために、通常よりも多くの架橋点をもった粘着剤樹脂を多量の架橋剤で架橋するという形態をとっている。一般的に用いられるイソシアネート架橋方式では、架橋点として高極性のウレタン結合が多く形成されてしまい、これが粘着層のタックや濡れ性を低下させてしまうために、なじみ性を発現させることが困難となる。一方、電離放射線硬化の場合、架橋部は無極性のアルキル基であるため柔軟でなじみ性が発現しやすい。
また、イソシアネート架橋の場合、多量の架橋点を多量の架橋剤で反応させるため、架橋密度の分布ができやすいといった問題点や、目的としたのポリマー架橋点とイソシアネート化合物の反応(ウレタン結合)以外に、イソシアネート同士の反応(アロファネート結合)や系中に存在する水分との反応などの副反応も起こるため架橋構造は複雑であり、不均一であると考えられる。一方、電離放射線硬化の場合は、不飽和二重結合がラジカルと反応することによって架橋が形成されるため、イソシアネートのような副反応もなく、比較的架橋密度が均一であり、そのため高速剥離性となじみ性のバランスが優れているものと考えられる。
このような理由から、本発明の電離放射線硬化性再剥離用粘着剤組成物に含まれてもよいイソシアネート架橋剤及びエポキシ化合物等の架橋剤の含有量は、後述するような範囲とすることが好ましい形態である。
電子線照射により硬化させると、開始種がすべてポリマーラジカルであるため、高速剥離性となじみ性とのバランスがより優れることになる。また、電子線(EB)硬化は、電子線照射によりポリマーラジカルを発生させるところが起点となるため、水素引き抜き型開始剤を用いた紫外線(UV)硬化と同じ機構である。厳密に言えば、水素引き抜き型開始剤を用いたUV硬化は、ポリマーラジカルと開始剤ラジカル(開始剤がポリマーから水素ラジカルを引き抜いたもの)の2種が開始種となるが、EB硬化はすべてポリマーラジカルが開始種となるためより好ましい形態である。
上記照射線量は、樹脂層の架橋密度が飽和する量に調整するのが好ましく、通常5〜300kGyで調整される。照射線量は、好ましくは10〜250kGyであり、より好ましくは20〜200kGyである。
上記電子線照射における電子線源としては、例えば、コックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。
メルカプタン化合物(D)を0.1〜10質量%含むことによって、酸素による硬化阻害の抑制や、局所的に架橋密度が過剰になるのを連鎖移動効果により効果的に抑制することができ、なじみ性を更に向上することができる。
酸素による硬化阻害を抑制する効果は、酸素とラジカルとが結合してできる重合活性のないパーオキシラジカルがメルカプタンから水素を引き抜くことによって重合活性のあるチイルラジカルと変換されることによって得られる。なじみ性向上効果は、電離放射線硬化時に局所的に高架橋密度となるのをメルカプト基による連鎖移動により制御することによって得られると考えられる。
メルカプタン化合物の添加量が0.1質量%未満であると、添加の効果が得られない場合があり、10質量%を超えると硬化性が低下する場合がある。
なお、上記メルカプタン化合物(D)の添加量は、アクリル系重合体(A)を得るための上記重合工程で添加されるメルカプタン系の連鎖移動剤の残存物を含む量である。
メルカプタン化合物の例としては、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸、チオグリコール酸オクチル、β−メルカプトプロピオン酸、β−メルカプトプロピオン酸オクチル等の単官能メルカプタン類;1,4−ブタンジオールジチオグリコレート、1,4−ブタンジオールジ(β−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス(β−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキス(β−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキスペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ジペンタエリスリトールヘキサキスペンタエリスリトールテトラキス(β−メルカプトプロピオネート)等の多官能メルカプタン類が挙げられる。揮発性や臭気の観点から多官能メルカプタン類が好ましい。
多官能メルカプタン類とは、1分子あたりメルカプト基を2個以上有する化合物である。
イソシアネート含有化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、等のジイソシアネート化合物;「スミジュールN」(住友バイエルウレタン社製)等のビュレットポリイソシアネート化合物;「デスモジュールIL」、「デスモジュールHL」(いずれもバイエルA.G.社製)、「コロネートEH」(日本ポリウレタン工業社製)等として知られるイソシアヌレート環を有するポリイソシアネート化合物;「スミジュールL」(住友バイエルウレタン社製)等のアダクトポリイソシアネート化合物;「デユラネートD201」(旭化成社製)等のポリイソシアネート化合物等を挙げることができる。これらは、単独で使用し得るほか、2種以上を併用することもできる。
これらのイソシアネート化合物やエポキシ化合物の含有量は、アクリル系重合体(A)を100質量%としたとき、0.5質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、0.4質量%以下であり、更に好ましくは、0.3質量%以下である。イソシアネート化合物やエポキシ化合物の添加量が上記範囲を超えると、なじみ性が低下するおそれがある。
すなわち、得られる粘着シート(粘着フィルム)の低速粘着力が0.1N/25mm以上のものであることが好ましい。低速粘着力が0.1N/25mm以上であることによって、工程中における剥がれや、オートクレーブ処理時の浮き等をより抑制することができる。なお、本明細書において、低速粘着力とは、剥離速度0.3m/分で180°剥離した際の粘着力をいい、後述の測定方法で得られる値である。
上記低速粘着力としてより好ましくは、0.12N/25mm以上である。更に好ましくは、0.15N/25mm以上であり、特に好ましくは、0.17N/25mm以上であり、最も好ましくは、0.20N/25mm以上である。
上記高速粘着力としてより好ましくは、1.7N/25mm以下である。更に好ましくは、1.5N/25mm以下であり、特に好ましくは、1.2N/25mm以下であり、最も好ましくは、1.0N/25mm以下である。
低速粘着力は、圧着1時間後に、0.3m/分の剥離速度で180°方向へ剥離した際の粘着力を測定して得られる。また、高速粘着力は、圧着1時間後に、30m/分の剥離速度で180°方向へ剥離した際の粘着力を測定して得られる。
つまり、上記電離放射線硬化性再剥離用粘着剤組成物を硬化して得られる粘着シートが、被着体に貼り付け、0.3m/分で180°剥離した際の粘着力が0.1N/25mm以上であり、かつ、30m/分で180°剥離した際の粘着力が1.5N/25mm以下であることは、本発明の好適な実施形態の1つである。
上記剥離速度依存性は、14以下であることが好ましい。より好ましくは、13以下であり、更に好ましくは、12以下であり、特に好ましくは、11以下である。最も好ましくは、10以下である。
濡れ時間が上記のような範囲であれば、なじみ性に優れたものであるといえ、更に効率的に粘着フィルムを剥がすことができ、生産性が優れることになる。このような物性を発現させるためには、上述した本発明の構成を採用し、適宜好ましい形態を採用することによって達成することが可能である。
微細凹凸面を有する被着体として、凹凸高低差5.7μm、表面粗さ(Ra)0.31μmである防眩処理フィルム(商品名「BOF−H141S」、BUFFALO社製液晶保護フィルム)を用い、これに本発明の組成物を乾燥後の糊厚が20μmとなるように厚さ38μmのPETフィルムへ塗工し、硬化させて得られる粘着フィルム(上記低速粘着力及び高速粘着力測定に用いるものと同じ試料)を40mm×40mmの大きさに裁断したものを粘着面を下にして静かに置いた。そして、粘着フィルムが防眩処理フィルムに濡れ始めてから(なじみ始めてから)試料の全面が濡れる(なじむ)のに要する時間を測定する。
続いて、本発明の積層体、粘着フィルム、粘着フィルムロール、及び、光学部材について説明する。
上記積層体は、ハードコート性能を付与したフィルムや光学部材用表面保護フィルム等の支持体を含んでなることが好ましい。ハードコートとは、フィルム等の樹脂(基材)の上層に塗布した液状塗膜に紫外線又は電子線を照射することにより得られた耐摩耗性に優れた塗膜である。光学部材用表面保護フィルムとは、液晶表示板に使用される光学部材、フィルム(偏光板、反射防止フィルム等)を傷や汚染等の要因より基材を保護するフィルムである。
本発明の積層体は、通常は、ポリエステルフィルム等のプラスチックフィルムや、紙、不織布等の多孔質材料等からなる各種の支持体の片面又は両面に、上記粘着剤層を塗布形成し、シート状やテープ状等の形態としたものである。本発明の電離放射線硬化性再剥離用粘着剤組成物を用いてなる粘着フィルム類を構成する支持体の厚みは、通常、5〜200μm、好ましくは10〜100μmである。
また、上記支持体は、耐熱性及び耐溶剤性を有するとともに可撓性を有するプラスチック基材であることが好ましい。支持体が可撓性を有することにより、ロールコーター等によって粘着剤組成物を塗布することができ、ロール状に巻き取ることができる。
上記プラスチック基材としては、シート状やフィルム状に形成できるものであればよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体等のポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリアクリレートフィルム、ポリスチレンフィルム、ナイロン6、ナイロン6,6、部分芳香族ポリアミド等のポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられる。
上記ラクトン環含有重合体とは、下記一般式(3);
本発明の積層体により構成される粘着フィルムは、剥離速度依存性が充分に低いものであり、再剥離型の表面保護フィルム等として各種基材に対して好適に用いることができる。上記基材としては、例えば、光学部材、金属板、ガラス板、プラスチック板、樹脂塗装銅板、窓ガラス、家具、車等の製品に対して使用することができる。これらの中でも、光学部材に使用することが好ましい。
上記粘着フィルムは、支持体背面に公知の離型剤を塗布してロール状に巻回したり(いわゆるセパレータフリー)、形成された放射線硬化した粘着剤層の露出表面に公知の離型剤を塗布したセパレータで被覆してロール状に巻き取ってもよい。
本発明の積層体により構成される粘着フィルムは、剥離速度依存性が充分に低いものであり、セパレータフリーのフィルムロールとすることが特に好適である。表面保護フィルム用途では、セパレータフリーによりロール状に巻き取る形態が、コスト削減、剥離したセパレータの廃棄がないので環境面にも悪影響を与えず、効率的な工業生産が可能となることで好ましい。
このような粘着フィルムロールの製造方法もまた、本発明の1つである。
凹凸高低差とは、JIS B0601に準拠して測定される十点平均粗さ(Rz)で示される数値である。上記被着体は、表面の凹凸高低差が1.0〜9.0μmのものであることが好ましい。より好ましくは、2.0〜8.0μmのものである。
本発明の表面保護フィルムをこのような被着体に用いると、高速剥離時の低粘着性となじみ性とを両立する効果が、更に顕著に発揮されることになる。
光学部材におこなうアンチグレア処理としては、例えば、液晶表示装置等の表面にシリカの微粉末等を吹き付けて微細な凹凸を付け、光を散乱させる方法、シリカのような無機フィラーや、メラミン、アクリル等のプラスチックビーズからなる有機フィラーを含有する樹脂溶液を塗工し、溶剤を乾燥させることによって表面に微細な凹凸を形成させ、光を散乱させる方法、及び、液晶表示装置等の表面に透明な薄膜を設けて光の干渉を発生させる(外光を打ち消す)ARコーティング等が挙げられる。これらの中でも、例えば、無機、有機フィラー含有樹脂溶液を塗工する方法でアンチグレア処理された光学部材に本発明の表面保護フィルムを用いることが特に好ましい。また、アンチグレア処理された光学部材は、表面の凹凸高低差が上記被着体の凹凸高低差と同様であることが好ましい。更に、光学部材は、偏光板であることが好ましい。
本発明の表面保護フィルムをこのような形態を有する光学部材に用いると、高速剥離時の低粘着性となじみ性とを両立する効果が、更に顕著に発揮されることになる。
なお、本発明の表面保護フィルムは、本発明の粘着フィルムロールを用いて構成されるものであることが好ましい。これによって、光学部材等の被着体の表面保護を更に効率的におこなうことができる等の有利な効果が発揮されることになる。
上記光学部材としては、例えば、液晶ディスプレイを構成する偏光板、位相差板、輝度向上フィルムや、プラズマディスプレイを構成するARフィルム、電磁波シールドフィルム、IRカットフィルム等の光学フィルム等が挙げられる。微細凹凸面を有する光学部材であることが特に好適である。
[微細凹凸面へのなじみ性]
微細凹凸面を有する被着体として、凹凸高低差5.7μm、表面粗さ(Ra)0.31μmである防眩処理フィルム(商品名「BOF−H141S」、BUFFALO社製液晶保護フィルム)を用い、これに粘着フィルムを40mm×40mmの大きさに裁断したものを粘着面を下にして静かに置いた。そして、粘着フィルムが防眩処理フィルムに濡れ始めてから(なじみ始めてから)試料の全面が濡れる(なじむ)のに要する時間を測定した。
アクリル重合体の重合例(樹脂A1)
温度計、冷却器、窒素ガス導入管、及び攪拌機を備えた反応器に、2−エチルヘキシルアクリレート 143.85部、ブチルアクリレート 63部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート 3.2部、連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタン 0.21部、溶剤として酢酸エチル 280.6部を仕込んだ後、反応器を窒素ガスで置換した。次に、上記の混合物を攪拌しながら内温を85℃に昇温した後、重合開始剤として2,2‘−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)(商品名「ABN−E」;日本ヒドラジン工業社製)0.175部、溶剤として酢酸エチル 3.15部を添加して反応を開始した。重合開始から10分後に、2−エチルヘキシルアクリレート 335.65部、ブチルアクリレート 147部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート 7.35部、連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタン 0.49部の混合物を滴下ロートから60分かけて滴下した。また、重合開始剤としてABN−E 0.175部、溶剤として酢酸エチル 14部を別の滴下ロートより同様に滴下した。滴下終了後に酢酸エチル 119部で滴下ロートを洗浄しながら反応器に添加した。その後、還流温度にて5時間反応させた後、酢酸エチル 105部で希釈を行い、不揮発分濃度53.9%、重量平均分子量21万のアクリル系重合体(樹脂A1)の溶液を得た。
アクリル重合体の重合例(樹脂A2〜A6)
モノマー組成を表1記載の比率に変更した以外は樹脂A1と同様の操作を行い、樹脂A2〜A5を得た。樹脂A2〜A5の不揮発分濃度、重量平均分子量を表1に示した。
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
BA:ブチルアクリレート
INA:イソノニルアクリレート
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
側鎖に不飽和二重結合を有するアクリル系重合体の製造例(樹脂B1)
温度計、冷却器、窒素ガス導入管、及び攪拌機を備えた反応器に、樹脂A1溶液を固形分換算で100部、重合禁止剤として2,2‘−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)(商品名「アンテージW−400」;川口化学工業社製)0.06部、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名「カレンズAOI」;昭和電工社製)0.18部を加え、窒素/空気=2/1の混合ガスをバブリングさせながら攪拌を行い、内温を70℃に昇温した。その後、触媒としてジラウリン酸ジブチルスズ 0.04部を添加し、70℃で3時間反応させた後、FT−IR分析によりイソシアネート基に由来する2273cm−1ピークの消失を確認し、樹脂固形分あたり0.013mmol/gの不飽和二重結合を有するアクリル重合体(樹脂B1)を得た。
側鎖に不飽和二重結合を有するアクリル系重合体の製造例(樹脂B2〜B6)
使用するアクリル系重合体およびカレンズAOI量を、表2のように変更した以外は樹脂B1と同様の操作を行い、樹脂B2〜B6を得た。樹脂B1〜B6の不飽和二重結合導入量、重量平均分子量を表2に示した。なお、下記表2のDBTDLとは、ジラウリン酸ジブチルスズを表す。
粘着剤樹脂A1 100部(固形分換算)に対し、トリメチロールプロパントリアクリレート 23.5部、光開始剤としてベンゾフェノン 2.5部、メルカプタンとしてペンタエリスリトールテトラキス(β−メルカプトプロピオネート)(商品名:PEMP;堺化学工業社製)1.2部を加えてUV硬化型粘着剤組成物を得た。
この粘着剤組成物を厚さ38μmのPETフィルムへ、乾燥後の糊厚が20μmとなるようにアプリケーターで塗工し、熱風循環オーブンにて80℃、3分間の条件で乾燥させた。次いで、この乾燥物を高圧水銀ランプを有するUV照射機にて、ピーク照度168mW/cm2、照射量100mJ/cm2の条件でUVを照射してUV硬化型粘着シートを作成した。
[低速粘着力測定方法]
硬化後の粘着シートを25mm×150mmの大きさに裁断し、PMMA板(エンジニアリングテストサービス社製)に貼り付け、2kgローラーで1往復圧着させた。圧着1時間後に、0.3m/分の剥離速度で180°方向へ剥離した際の粘着力を測定した。低速粘着力としては、工程中における剥がれや、オートクレーブ処理時の浮きを抑制する観点からは高いことが好ましく、具体的には0.1N/25mm以上であることが好ましい。
硬化後の粘着シートを25mm×150mmの大きさに裁断し、PMMA板(エンジニアリングテストサービス社製)に貼り付け、2kgローラーで1往復圧着させた。圧着1時間後に、30m/分の剥離速度で180°方向へ剥離した際の粘着力を測定した。高速粘着力としては、剥離時の被着体へのダメージを小さくするという観点からはできるだけ低いことが好ましく、具体的には1.5N/25mm以下であることが好ましい。
剥離速度依存性は、上記の高速粘着力を低速粘着力でわったものであるが、低速粘着力を大きくし、かつ高速粘着力を小さくすることが望ましいため、できるだけ小さいことが好ましい。具体的には、剥離速度依存性が10以下であるものが好ましいといえる。
微細凹凸面を有する被着体として、十点平均粗さ(Rz)6.74μm、算術平均粗さ(Ra)0.31μm(キーエンス社製レーザー顕微鏡VK−9710を用い、JIS B0601に準拠して測定)である防眩処理フィルム(商品名「BOF−H141S」、BUFFALO社製液晶保護フィルム)を用い、これに粘着シートを40mm×40mmの大きさに裁断したものを粘着面を下にして静かに置いた。そして、粘着シートが防眩処理フィルムに濡れ始めてから(なじみ始めてから)試料の全面が濡れる(なじむ)のに要する時間を測定し、以下の判定基準により判断した。
判定基準
◎:全面が60秒以内になじむ
○:全面が60〜180秒以内になじむ
×:全面がなじむのに180秒を超える
粘着剤樹脂、多官能モノマー、単官能モノマー、光開始剤、及び、メルカプタンを表3のように変更した以外は実施例1と同様の操作を行ってUV硬化型粘着シートを作成した。そして、実施例1と同様の評価方法で低速粘着力測定方法、高速粘着力測定方法、剥離速度依存性、及び、微細凹凸面へのなじみ性を測定した。
粘着剤樹脂A6に対し、イソシアネート架橋剤である「デユラネートD−201」(旭化成社製)、硬化触媒であるジラウリン酸ジブチルスズを表3記載の配合比で加えてイソシアネート硬化型粘着剤組成物を得た。
この粘着剤組成物を厚さ38μmのPETフィルムへ、乾燥後の糊厚が20μmとなるようにアプリケーターで塗工し、熱風循環オーブンにて80℃、3分間の条件で乾燥させた。次いで、この乾燥物を23℃、65%RHの条件で1週間養生を行ってイソシアネート硬化型粘着シートを作成した。
粘着剤樹脂B3 100部(固形分換算)に対し、トリメチロールプロパントリアクリレート、メルカプタンを表3記載の配合比で加えてEB硬化型粘着剤組成物を得た。
この粘着剤組成物を厚さ38μmのPETフィルムへ、乾燥後の糊厚が20μmとなるようにアプリケーターで塗工し、熱風循環オーブンにて80℃、3分間の条件で乾燥させた。次いで、この乾燥物をEB照射機にて、加速電圧130kV、照射線量60kGyの条件でEBを照射してEB硬化型粘着シートを作成した。
これらの実施例、参考例及び比較例の結果を下記表3及び表4に示す。
A−TMPT:トリメチロールプロパントリアクリレート
EHDG:2−エチルヘキシル−ジグリコールアクリレート
BP:ベンゾフェノン
MBB:O−ベンゾイル安息香酸
4−ClBP:4−クロロベンゾフェノン
DETX−S:2,4−ジエチルチオキサントン
IRG184:イルガキュア184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)
IRG651:イルガキュア651(2,2−ジメトキシー1,2−ジフェニルメタンー1−オン)
IRG819:イルガキュア819[ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド]
PEMP:ペンタエリスリトールテトラキス(β−メルカプトプロピオネート)
n−DM:n−ドデシルメルカプタン
TMMP:トリメチロールプロパントリス(β−メルカプトプロピオネート)
A−HD:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
A−NOD:1,9−ノナンジオールジアクリレート
実施例1のUV硬化型粘着シートは、低速粘着力0.1N/25mm以上、高速粘着力1.5N/25mm以下、剥離速度依存性10以下、微細凹凸面へのなじみ性○を満足しており、高速剥離性となじみ性の両立した粘着シートであることがわかる。
一方、比較例1はイソシアネート硬化型の粘着シートであるが、なじみ性は合格であるものの高速粘着力が1.5N/25mmを超えており、高速剥離性となじみ性の両立ができていない。高速粘着力を下げるためにさらにイソシアネート架橋剤の添加量を増やした比較例2では何とか高速粘着力が1.5N/25mmを満足するものの、一方でなじみ性が×となりやはり高速剥離性となじみ性の両立ができていない。
Claims (10)
- アクリル系重合体(A)100質量%に対して、多官能単量体(B)を1〜50質量%含む電離放射線硬化性再剥離用粘着剤組成物であって、
該アクリル系重合体(A)は、アルキル基の炭素数が8〜14であるアクリル酸アルキルエステルを必須とする単量体成分を重合して得られ、かつ、側鎖の不飽和結合が0〜0.200mmol/gである側鎖不飽和結合含有重合体であり、
該単量体成分は、単量体全量を100質量%とすると、アルキル基の炭素数が8〜14であるアクリル酸アルキルエステルが50〜100質量%、水酸基及び/又はカルボキシル基を有する単量体が0〜10質量%、並びに、その他のビニル系単量体が0〜50質量%であり、
該電離放射線硬化性再剥離用粘着剤組成物は、更に、水素引き抜き型光重合開始剤(C)を含んでなり、紫外線照射により硬化するものであり、該粘着剤組成物100質量%に対して、メルカプタン化合物(D)を0.1〜10質量%含んでなる
ことを特徴とする電離放射線硬化性再剥離用粘着剤組成物。 - 前記電離放射線硬化性再剥離用粘着剤組成物は、電子線照射により硬化するものであることを特徴とする請求項1に記載の電離放射線硬化性再剥離用粘着剤組成物。
- 前記電離放射線硬化性再剥離用粘着剤組成物は、電離放射線硬化性再剥離用粘着剤組成物を硬化して得られる粘着シートが、被着体に貼り付け、0.3m/分で180°剥離した際の粘着力が0.1N/25mm以上であり、かつ、30m/分で180°剥離した際の粘着力が2.0N/25mm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電離放射線硬化性再剥離用粘着剤組成物。
- 前記電離放射線硬化性再剥離用粘着剤組成物は、電離放射線硬化性再剥離用粘着剤組成物を硬化して得られる粘着シートが、0.1〜10μmの凹凸高低差を表面に有する被着体上に静置した際に、濡れ始めから全面が濡れるまでに要する時間が180秒以内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電離放射線硬化性再剥離用粘着剤組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の電離放射線硬化性再剥離用粘着剤組成物を基材に塗布し、電離放射線照射により硬化させて得られることを特徴とする積層体。
- 請求項5に記載の積層体により構成されることを特徴とする粘着フィルム。
- 請求項5に記載の積層体により構成される粘着フィルムロールであって、該粘着フィルムロールは、セパレーターを介さずに巻回されたものであることを特徴とする粘着フィルムロール。
- 請求項6に記載の粘着フィルムにより構成される表面保護フィルムであって、
該表面保護フィルムは、表面の凹凸高低差が0.1〜10μmの被着体に用いられることを特徴とする表面保護フィルム。 - 請求項6に記載の粘着フィルムにより構成される表面保護フィルムであって、
該表面保護フィルムは、アンチグレア処理された光学部材に用いられる
ことを特徴とする表面保護フィルム。 - 請求項6に記載の粘着フィルムを貼り付けてなることを特徴とする光学部材。
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