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JP5404214B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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JP5404214B2
JP5404214B2 JP2009156289A JP2009156289A JP5404214B2 JP 5404214 B2 JP5404214 B2 JP 5404214B2 JP 2009156289 A JP2009156289 A JP 2009156289A JP 2009156289 A JP2009156289 A JP 2009156289A JP 5404214 B2 JP5404214 B2 JP 5404214B2
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Description

この発明は、それぞれが反応ガスである燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させて発電を行う燃料電池の劣化が抑制されるように制御された燃料電池システムに関する。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる電解質膜(固体高分子電解質膜)の両側にそれぞれアノード電極(燃料極)及びカソード電極(酸化剤極)を設けた電解質膜・電極構造体を、一対のセパレータによって挟んで保持することで、アノード電極とセパレータとの間に燃料ガス流路が形成される一方、カソード電極とセパレータとの間に酸化剤ガス流路が形成される。
燃料電池は、通常、固体高分子電解質膜をアノード電極とカソード電極とで挟んで保持して構成される燃料電池セル(以下、単にセルという。)を、複数積層させて一体化させたスタック構造として使用されている。
このように構成される燃料電池では、アイドル停止状態等の燃料電池の発電停止状態においては、燃料電池に対する反応ガスの供給が停止され、セルの発電電圧が低くなっている。
アイドル停止状態中に、負荷の要求電力が発生したとき、通常発電状態に復帰させるために、エアポンプを駆動して酸化剤ガスの供給を開始するとともに高圧水素の水素供給弁を開弁して水素の供給を開始する。
このとき、セル電圧が急激に上昇するが、このセル電圧が劣化促進電位、例えば、0.7[V]程度を上回ると、燃料電池の劣化が促進されることが知られている(特許文献1)。
特開2006−309971号公報([0006]、[0047])
燃料電池の劣化が促進されることを回避するために、特許文献1に係る技術では、アイドル停止状態からアイドル状態への移行時に、燃料電池のセル電圧が上述した劣化促進電位を上回らないように、取り出し電流(発電電流)を増大させている。
しかしながら、この特許文献1に係る技術では、セル電圧が劣化促進電位を上回らないように制御する際に、酸化剤ガスのストイキ比(供給流量/消費流量)を低下させて発電を行うようにしたことを原因として、負荷の要求電力がアイドル状態からさらに増加したとき、燃料電池から負荷に対してその要求電力に応じた発電電力を即応して供給することができないという問題がある。
また、ストイキ比を低下させた状態で、換言すれば、発電効率を低下させた状態で発電を継続すると、燃料を無駄に消費してしまうという問題もある。
この発明は、上記の課題を考慮してなされたものであり、始動時やアイドル停止状態からの復帰を含む燃料電池の発電開始時に、燃料電池の劣化の促進を抑制するとともに、負荷の要求電力に即応した発電電力を発生し、且つ発電効率の低下を最小限に抑制することを可能とする燃料電池システムを提供することを目的とする。
この発明に係る燃料電池システムは、水素と酸化剤ガスからなる反応ガスを供給する反応ガス供給装置と、前記反応ガスにより発電し、電極触媒として白金を用いた固体高分子型の燃料電池と、前記燃料電池の発電出力により駆動される負荷と、前記反応ガス供給装置から前記燃料電池へ前記反応ガスの供給を開始するとき、前記燃料電池の目標発電出力を決定する目標発電出力決定部と、前記燃料電池の前記発電出力を調整する発電出力調整部と、を備える燃料電池システムにおいて、以下の特徴(1)〜(6)を備える。
(1)前記反応ガス供給装置が前記反応ガスの供給を停止していて、前記発電出力調整部が前記燃料電池から前記負荷への前記発電出力をゼロに調整している状態から、前記反応ガス供給装置が前記反応ガスの供給を開始し、前記発電出力調整部が前記燃料電池の前記発電出力を、前記目標発電出力決定部で決定された前記目標発電出力に一致させる過程を有し、前記過程で、前記燃料電池の発電電圧の波形が、前記発電電圧の指令電圧の波形に倣って、前記燃料電池の前記白金の溶出を招く劣化促進電位を超える領域である劣化促進領域に入る前まで上昇し、前記劣化促進領域内では前記劣化促進領域に入る前までの前記上昇より緩やかに上昇しているとともに、前記燃料電池から流れ出す発電電流の波形が、前記発電出力をゼロに調整していて前記発電電流がゼロになっている状態から前記目標発電出力に対応する目標電流を超えて上昇した後、前記目標電流に向かって下降していることを特徴とする。
上記特徴(1)を備える発明によれば、燃料電池への反応ガスの供給を停止していて、前記燃料電池から前記負荷への前記発電出力をゼロに調整している状態から、前記燃料電池に前記反応ガスの供給を開始したとき、前記燃料電池から流れ出す発電電流の波形が、前記発電出力をゼロに調整していて前記発電電流がゼロになっている状態から前記目標発電出力に対応する目標電流を超えて上昇した後、前記目標電流に向かって下降しているので負荷の要求電力に即応して発電電力が発生し、前記燃料電池の発電電圧の波形が、前記燃料電池の劣化促進電位を上回る劣化促進領域に入る前まで上昇し、前記劣化促進領域内では前記劣化促進領域に入る前までの前記上昇より緩やかに上昇しているので、燃料電池の劣化の促進が抑制され、且つ反応ガスを供給する際に従来技術のように制限していないので、ストイキ比が確保されて発電効率の低下を最小限に抑制することができる。
(2)上記の特徴(1)を備える発明において、前記反応ガス供給装置は、前記燃料電池の前記目標発電出力に応じて前記反応ガスを供給するようにしているので、反応ガスの供給に伴う騒音の発生に違和感がない。
(3)上記の特徴(1)又は(2)を備える発明において、前記劣化促進領域内では前記劣化促進領域に入る前までの前記上昇する速度より遅い速度で上昇する際、前記発電電圧の電圧上昇率が徐々に低下しているので、触媒の溶出が防止され、燃料電池の劣化が防止される。
(4)上記の特徴(1)〜(3)のいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、前記目標発電出力決定部で決定された前記目標発電出力に一致させる過程中に、前記負荷が要求する負荷要求電力が増大したとき、前記目標発電出力決定部は、前記負荷要求電力の増大に追従させて前記目標発電出力を増大させるようにしているので、負荷の要求電力に即応して対応できる。
(5)上記の特徴(1)〜(4)のいずれかを有する発明において、前記燃料電池に並列に蓄電装置を備え、前記発電出力調整部は、前記蓄電装置側に配置されたコンバータであり、前記コンバータは、前記燃料電池の電流・電圧特性を利用して前記発電電圧を調整することで前記発電電流の前記波形を調整するようにしているので、劣化促進領域での発電電圧の緩やかな上昇を正確に制御できる。
(6)上記の特徴(1)〜(5)のいずれかを有する発明において、前記反応ガス供給装置の前記反応ガスの供給開始と、前記燃料電池から流れ出す発電電流の波形が、前記発電出力をゼロに調整していて前記発電電流がゼロになっている状態からの上昇開始と、が同時であるので、反応ガスの供給開始時において発電電位が急激に高電位になることが抑制され燃料電池の劣化を防止することができる。
また、この発明に係る燃料電池システムは、水素と酸化剤ガスからなる反応ガスにより発電し、電極触媒として白金を用いた固体高分子型の燃料電池と、前記燃料電池の発電出力により駆動される負荷と、アイドル停止状態から復帰するとき、前記燃料電池の目標発電出力を決定する目標発電出力決定部と、前記燃料電池の前記発電出力を調整する発電出力調整部と、を備える燃料電池システムにおいて、前記燃料電池システムが前記アイドル停止状態から復帰する際、前記発電出力調整部が前記燃料電池の前記発電出力を、前記目標発電出力決定部で決定された前記目標発電出力に一致させる過程を有し、前記過程で、前記燃料電池の発電電圧の波形が、前記発電電圧の指令電圧の波形に倣って、前記燃料電池の前記白金の溶出を招く劣化促進電位を超える領域である劣化促進領域に入る前まで上昇し、前記劣化促進領域内では前記劣化促進領域に入る前までの前記上昇より緩やかに上昇しているとともに、前記燃料電池から流れ出す発電電流の波形が、前記目標発電出力に対応する目標電流を超えて上昇した後、前記目標電流に向かって下降していることを特徴とする。
この発明によれば、燃料電池の発電電圧の波形が、前記燃料電池の劣化促進電位を上回る劣化促進領域に入る前まで上昇し、前記劣化促進領域内では前記劣化促進領域に入る前までの前記上昇より緩やかに上昇しているので、燃料電池の劣化の促進が抑制され、且つ反応ガスを供給する際に従来技術のように制限していないので、ストイキ比が確保されて発電効率の低下を最小限に抑制することができる。
この発明の一実施形態に係る燃料電池システムを搭載した燃料電池車両の概略全体構成図である。 上記実施形態に係る電力分配装置を構成するDC/DCコンバータの詳細な構成例を示す回路図である。 燃料電池の発電電流・発電電圧特性図である。 燃料電池車両(燃料電池システム)の状態遷移説明図である。 エアポンプ駆動量指令値算出用のフローチャートである。 アイドル停止復帰時における電圧上昇量抑制制御処理のフローチャートである。 燃料電池システムが緩やかな加速でアイドル停止から復帰したときのタイムチャートである。 電圧加算量テーブルの説明図である。 電圧上昇量可変制御処理を説明するタイムチャートである。 燃料電池システムが急な加速でアイドル停止から復帰したときのタイムチャートである。
以下、この発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
1.全体的な構成の説明
[全体構成]
図1は、この発明の一実施形態に係る燃料電池システム12(以下「FCシステム12」ともいう。)を搭載した燃料電池車両10(以下「FC車両10」ともいう。)の概略全体構成図である。
このFC車両10は、FCシステム12に加え、走行用のモータ14と、インバータ16とを有する。FCシステム12は、第1の電源としての燃料電池ユニット18(以下「FCユニット18」という。)と、第2の電源としてのバッテリ20と、電力分配装置22と、電子制御装置24(以下「ECU24」ともいう。)と、を有する。
[駆動系]
モータ14は、FCユニット18及びバッテリ20から供給される電力に基づいて駆動力を生成し、当該駆動力によりトランスミッション26を通じて車輪28を回転させる。なお、前記電力は、ドライバによるアクセルペダル(不図示)の操作量を検出するアクセル開度センサ104の出力であるアクセル開度θapに応じた電力に対応する。
また、モータ14は、回生を行うことで生成した電力をバッテリ20に出力する。回生電力は、図示しない補機に対して出力してもよい。
インバータ16は、3相フルブリッジ型の構成とされて、直流/交流変換を行い、直流を3相の交流に変換してモータ14に供給する一方、回生動作に伴う交流/直流変換後の直流を電力分配装置22を通じてバッテリ20等に供給する。
なお、モータ14とインバータ16を併せて負荷30という。
[FCユニット18]
FCユニット18の燃料電池32(以下「FC32」ともいう。)は、例えば、固体高分子電解質膜をアノード電極とカソード電極とで両側から挟み込んで形成されたセルを積層したスタック構造にされている。FC32には、高圧の水素タンク34とエアポンプ36が流路38、40を通じて接続されており、水素タンク34からは一方の反応ガスである水素(燃料ガス)が、エアポンプ36からは他方の反応ガスである圧縮空気(酸化剤ガス)が供給される。水素タンク34及びエアポンプ36からFC32に供給された水素と空気がFC32内で電気化学反応を起こすことにより発電が行われ、発電電力(FC電力Pfc)[W]がモータ14とバッテリ20に供給される。FC32の発電電圧(以下「FC電圧Vfc」という。)[V]は、電圧センサ42により検出され、FC32の発電電流(以下「FC電流Ifc」という。)[A]は、電流センサ44により検出され、それぞれECU24に出力される。また、FC32を構成する各セルの発電電圧(以下「セル電圧Vcell」という。)[V]は、電圧センサ46により検出され、ECU24に出力される。
水素タンク34とFC32とを結ぶ流路38には、ノーマルクローズタイプのレギュレータ50が設けられている。このレギュレータ50には、エアポンプ36とFC32とを結ぶ流路40から分岐した流路52が連結されており、エアポンプ36からの圧縮空気が供給される。レギュレータ50は、供給された圧縮空気を信号圧とし該信号圧の圧力に比例して弁の開度を変化させ、FC32に供給する水素の流量を調整する。すなわち、FC32に供給される水素のストイキ比は、FC32に供給される圧縮空気である酸化剤ガスのストイキ比に応じて変化するように構成されている。
FC32の出口側に設けられた水素用の流路54には開閉弁58が設けられ、空気用の流路56には、出口側の空気の圧力を調整する背圧制御弁60が設けられている。また、水素用の入口側の流路38と出口側の流路54とを結ぶ流路62が設けられている。FC32から排出された水素は、この流路62を介してFC32の入口側に戻される。出口側の流路56には、圧力センサ66が設けられ、その検出値(圧力値)は、ECU24に出力される。
[バッテリ20]
バッテリ20は、蓄電装置(エネルギストレージ)であり、例えばリチウムイオン2次電池又はキャパシタ等を利用することができる。本実施形態ではリチウムイオン2次電池を利用している。バッテリ20の出力電圧(以下「バッテリ電圧Vbat」という。)[V]は、電圧センサ70により検出され、バッテリ20の入出力電流(以下「バッテリ電流Ibat」という。)[A]は、電流センサ72により検出され、それぞれECU24に出力される。
[電力分配装置22]
電力分配装置22は、FCユニット18からのFC電力Pfcと、バッテリ20から供給された電力(以下「バッテリ電力Pbat」という。)[W]と、モータ14からの回生電力Pregとの供給先を制御する。
図2は、電力分配装置22の詳細な構成例を示している。図2に示すように、電力分配装置22は、一方がバッテリ20のある1次側1Sに接続され、他方が負荷30とFC32との接続点である2次側2Sに接続されたDC/DCコンバータである電圧制御ユニット80(以下「VCU80」という。)を有する。
VCU80は、1次側1Sの電圧(1次電圧V1)[V]を2次側2Sの電圧(2次電圧V2)[V](V1≦V2)に昇圧するとともに、2次電圧V2を1次電圧V1に降圧する昇降圧型且つチョッパ型の電圧変換装置である。なお、この実施形態において、制御しようとする電圧は、2次電圧V2のみであり、以下、VCU指令電圧V2comは、2次電圧V2の指令電圧を意味する。また、この実施形態においては、逆方向阻止ダイオード13の順方向電圧は、FC電圧Vfcに比較してきわめて低いので無視し、FC電圧Vfcが2次電圧V2に等しいものとする(Vfc=V2)。
図2に示すように、VCU80は、1次側1Sと2次側2Sとの間に配される相アームUAと、リアクトル81とから構成される。
相アームUAは、上アーム素子(上アームスイッチング素子82とダイオード84)と下アーム素子(下アームスイッチング素子86とダイオード88)とで構成される。
上アームスイッチング素子82と下アームスイッチング素子86には、それぞれ例えばMOSFET又はIGBT等が採用される。
リアクトル81は、相アームUAの中点(共通接続点)とバッテリ20の正極との間に挿入され、VCU80により1次電圧V1と2次電圧V2との間で電圧を変換する際に、エネルギを放出及び蓄積する作用を有する。
上アームスイッチング素子82は、ECU24から出力されるゲート駆動信号(駆動電圧)UHのハイレベルによりオンにされ、下アームスイッチング素子86は、ゲートの駆動信号(駆動電圧)ULのハイレベルによりオンにされる。なお、ECU24は、1次側の平滑コンデンサ92に並列に設けられた電圧センサ70により1次電圧V1を検出し、電流センサ72により1次電流I1を検出し、2次側の平滑コンデンサ98に並列に設けられた電圧センサ96により2次電圧V2を検出し、電流センサ100により2次電流I2を検出する。
なお、図2のVCU80は、バッテリ電圧VbatがFC電圧Vfcより低い場合(Vbat<Vfc)であるのでバッテリ20側に配置した例を示しているが、FC電圧Vfcがバッテリ電圧Vbatより低い場合(Vfc<Vbat)には、VCU80は、FC32側に配置すればよい。
[ECU24]
ECU24は、通信線102を介して、モータ14、インバータ16、FCユニット18、バッテリ20及び電力分配装置22を制御する。当該制御に際しては、メモリ(ROM)に格納されたプログラムを実行し、また、実行に際し、電圧センサ42、46、70、96、電流センサ44、72、100、圧力センサ66、アクセル開度センサ104、車速センサ106、及びブレーキペダルセンサ108等の各種センサの検出値を用いる。ECU24は、マイクロコンピュータを含み、必要に応じて、タイマ、A/D変換器、D/A変換器等の入出力インタフェースを有する。なお、ECU24は、1つのECUのみからなるのではなく、モータ14、FCユニット18、バッテリ20及び電力分配装置22毎の複数のECUから構成することもできる。
ECU24は、FC32の状態、バッテリ20の状態、及びモータ14の状態の他、各種スイッチ及び各種センサからの入力(負荷要求)に応じた要求電力に対応する負荷電流(この実施形態では、負荷30の電流Imとする。)を決定し、負荷電流ImをVCU80の通過電流である2次電流I2(ここでは、バッテリ20からの供給電流又はバッテリ20への充電電流である1次電流I1に等しいものとする。)と発電電流Ifcに分配し、FC32が目標電流Ifctarである発電電流Ifcを流し出すための発電電圧Vfcを、図3のFC32の電流・電圧特性(マップ、関数)200を参照して決定し、VCU目標電圧VfctarのVCU指令電圧V2comとして算出する。
ECU24は、VCU80の2次電圧V2がVCU指令電圧V2com(この場合、VCU目標電圧Vfctar)となるように上アームスイッチング素子82及び下アームスイッチング素子86の駆動デューティをフィードフォワード・フィードバック制御する。
2.本実施形態の制御
燃料電池車両10におけるFCシステム12は、図4の状態遷移説明図に示すように、例えばFC車両10が走行中であるECU24による通常発電状態NSの制御中において、ECU24が、アクセル開度センサ104により検出されるアクセル開度がゼロ値(図示しないアクセルペダルが解放状態)であって、車速センサ106により検出される車速がゼロ値、さらにブレーキペダルセンサ108により検出される図示しないブレーキペダルを踏んでいるか否かの有無が有(ブレーキペダルが踏まれている。)を検出したとき、通常発電状態NSの制御からアイドル停止状態ISの制御に遷移する。
また、アイドル停止状態ISの制御中において、ブレーキペダルセンサ108によりブレーキペダルが踏まれなくなったことを検出したとき、さらには、図示しないアクセルペダルがドライバにより踏まれてアクセル開度がゼロ値を上回ったとき、アイドル停止状態ISの制御からアイドル停止復帰状態RSの制御に遷移する。
このアイドル停止復帰状態RSの制御中において、FC電圧Vfcが目標電流Ifcに対応するVCU指令電圧V2comに一致したとき、アイドル停止復帰状態RSの制御から通常発電状態NSの制御に遷移する。
図5は、エアポンプ指令算出部として機能するECU24のエアポンプ36に対するエアポンプ駆動量指令値Apcomの算出処理のフローチャートを示している。
エアポンプ36の駆動は、ステップS1において、FCシステム12(FC車両10)がアイドル停止状態ISの制御中であるかどうかにより判定され、アイドル停止状態ISの制御中である場合には、ステップS2において、エアポンプ36に対するエアポンプ駆動量指令値Apcomがゼロ値とされる(エアポンプ駆動量指令値Apcom←0)。一方、ステップS1の判定において、アイドル停止状態ISの制御中でない場合には、通常発電状態の制御中又はアイドル停止復帰状態の制御中であると判定される。この場合、ステップS3において、エアポンプ駆動量指令値ApcomがFC目標電流Ifctarに対応した圧縮空気の圧力値Apcom(Ifctar)が指令値に設定される{Apcom←Apcom(Ifctar)}。なお、FC目標電流Ifctarに対応した圧縮空気の圧力値Apcom(Ifctar)は、予めマップあるいは計算式としてECU24のメモリ(記憶部)に格納してある。
次に、アイドル停止復帰状態RSの制御時に、FC32の発電電圧Vfcの上昇率を所定条件のもとに抑制する電圧制御処理について、図6のフローチャートを参照して説明する。
理解の容易化のために、まず、FC車両10(FCシステム12)は、アイドル停止状態ISの制御中であるものとする。
そこで、ステップS11において、アイドル停止復帰状態RSでの発電電圧Vfc(2次電圧V2)の電圧制御中であるか否かが判定される。
ステップS11の判定は否定的となるので、アイドル停止状態IS又は通常発電状態NSでの制御中と判定される。
次いで、ステップS12において、通常発電状態NSでの制御中であるか否かが判定される。アイドル停止状態ISの制御中であるので、ステップS12の判断は否定的となる。
次いで、ステップS13において、アイドル停止状態ISの制御からアイドル停止復帰状態RSの制御に遷移したかどうかが判断される。アイドル停止状態ISの制御中であるので、ステップS13の判断は否定的となる。
次に、ステップS14において、アイドル停止状態ISの制御中には、VCU指令電圧V2comが所定の放電電圧Vdisとされる。ここで、放電電圧Vdisは、放電セル電圧VcelldisがVcelldis=0.4[V]程度に設定される。この実施形態において、セル数を500個とすれば、放電電圧Vdisは、Vdis=200[V]とされる。なお、この放電電力は、バッテリ20に充電される。このとき、既にエアポンプ駆動量指令値Apcomはゼロ値になっていて、反応ガスの供給が停止されているため、バッテリ20に充電される電力量は、数kW程度である。
次いで、ステップS15において、アイドル停止中フラグFisをFis=1にセットする。
次いで、ステップS16において、VCU指令電圧V2com、この場合、V2com=VdisをVCU指令電圧V2comの前回値として保持する。
再び、ステップS11において、アイドル停止復帰状態RSでの発電電圧Vfc(2次電圧V2)の電圧制御中であるか否かが判定される。
今回は、図7の(e)の時点t1に示すように、アクセル開度センサ104により時点t0から時点t1までの緩やかな加速を行うアクセルペダルの踏み込み操作がアクセル開度θapとして検出されたものとする。なお、時点t0〜t1のFC32が駆動されていない間では、バッテリ20から要求電力に対応する負荷電流Imが供給されるようにECU24により制御される。
そうすると、ステップS11の判定は、肯定的となりアイドル停止復帰状態RSでの発電電圧Vfc(2次電圧V2)の電圧制御中とされる。
このとき、図5のフローチャート中のステップS1の判定が否定的となるので、ステップS3において、アクセル開度θapの負荷要求に応じてFC目標電流Ifctarが算出され、算出されたFC目標電流Ifctarに応じてエアポンプ駆動量指令値Apcomが算出され、時点t1において、このエアポンプ駆動量指令値Apcomに応じてエアポンプ36が駆動される{図7の(c)の時点t1参照}。なお、この時点t1で、FC目標電流Ifctarに対応したFC目標電圧Vfctarが算出されるが、VCU指令電圧V2comは、以下に説明する電圧変化過程で、最終的にFC目標電圧Vfctarに設定される。
次いで、ステップS13において、アイドル停止状態ISの制御からアイドル停止復帰状態RSの制御に遷移したか否かの判定が肯定的とされ、ステップS17において、アイドル停止中フラグFisがFis=1であるか否かが判定される。
このとき、Fis=1となっているので、アイドル停止復帰状態RSの制御への直後の状態と判定され、ステップS18において、アイドル停止復帰状態RSの制御に遷移した最初のVCU指令電圧V2comが設定される。
このときのVCU指令電圧V2comは、電圧が減少中である場合の現時点でのFC電圧(復帰時初期電圧)Vfc、又は電圧がV2com=Vdisまで減少していた場合には、VCU指令電圧V2comの前回値、すなわちV2com=Vdisのいずれか大きい方の値に設定される。なお、同時に、このステップS18において、アイドル停止中フラグFisがFis=0にリセットされる。
次いで、ステップS16において、ステップS18で設定されたVCU指令電圧V2comが前回値として設定される。
次いで、ステップS11(YES)、ステップS13(YES)の判定の後、ステップS17の判定が否定的となり、ステップS19にて、VCU指令電圧V2comの前回値にて電圧上昇可変制御を行うための図8に示す電圧加算量テーブル202が参照されて、電圧加算量が算出される。
電圧加算量テーブル202は、FC32の劣化を抑制するためのテーブルであり、FC32は、単位時間当たりの電圧変化率[V/s]が大きい場合、具体的には、発電電圧Vfcが劣化促進電位Vdet(この実施形態では、Vdet=350[V])以上の劣化促進領域では、換言すれば、セル電圧Vdetcell=0.7[V]以上の劣化促進領域では、セル電圧Vcellの電圧変化率を、10[mV/s]以下の値に制限する必要がある。そのため、制御毎に更新される発電電圧Vfcの電圧加算量を2[V]にしている。
また、発電電圧Vfcが劣化電位Vth〜Vdet(この実施形態では、301[V]〜350[V])、セル電圧Vcellでは、Vthcell〜Vdetcell=0.6[V]〜0.7[V]の範囲でのセル電圧Vcellの電圧変化率は、10[mV/s]程度の値に制限する必要がある。そのため、制御毎に更新される発電電圧Vfcの電圧加算量を5[V]にしている。
さらに、発電電圧Vfcが非劣化電位0〜Vdis〜Vth(この実施形態では、0[V]〜200[V]〜300[V])、セル電圧Vcellでは、0〜Vdiscell〜Vthcell(0[V]〜0.4[V]〜0.6[V])の範囲での電圧変化率は、制限する必要がない。そのため、制御毎に更新される電圧加算量を10[V]にしている。
次いで、ステップS20において、VCU指令電圧V2comの前回値に算出された電圧加算量が加算されて新たなVCU指令電圧V2comに設定される。
このアイドル停止復帰状態RSの電圧上昇可変制御は、図7の時点t1〜t2の間で実行され、その間、ステップS11(YES)、ステップS13(YES)、ステップS17(NO)、ステップS19、ステップS20、及びステップS16の処理を繰り返す。
図9は、時点t1〜t2の間でのセル電圧Vcellの変化を示している。時点t1からエアポンプ駆動量指令値Apcomを要求電力に対応する目標発電電流Ifctarが取れる値に設定しているので、反応ガスが概ね図9の(c)の波形に対応して供給される。そして、発電電圧Vfcの低い領域の閾値電位VthまではVCU指令電圧V2comの電圧上昇量を大きくしているので、ストイキ不足が解消されて時点t1後のセル電圧Vcellの低下量を最小限にすることができ、一方、閾値電位Vthを上回る発電電圧Vfcの高い領域では、電圧上昇量を小さくするようにしているので、FC32の劣化を抑制することができる。
図7の(d)の時点t2に示すように、FC電流Ifc(FC実電流)がステップS3で算出したFC目標電流Ifctarとなった時点、換言すれば、図7の(b)の時点t2に示すように、VCU指令電圧V2comと略比例して変化するFC電圧Vfcが、FC目標電圧Vfctarとなった時点で、ステップS11の判定が否定的とされ、さらにステップS12の判定が成立して、アイドル停止復帰状態RSの制御から通常発電状態NSの制御とされる。
図7の時点t2以降の通常発電状態NSの制御では、ステップS21において、FC目標電流Ifctarにより図3の電流・電圧特性200が参照されてFC目標電圧Vfctarに対応したVCU指令電圧V2comが算出される。通常発電中は、ステップS16、ステップS11(NO)、ステップS12(YES)、及びステップS21の処理を繰り返す。
なお、実際の発電電流Ifcは、図7の(d)に示すように、時点t1〜t2の間でVCU指令電圧V2comをFC目標電圧Vfctarより低く設定しているので、FC目標電流Ifctarを上回って流れ出しているので、この余剰分は、バッテリ20の充電あるいは図示しない補機の駆動に分配する。
次に、図10の(e)の時点t12〜t13に示すように、急な加速を行うためのアクセルペダルの踏み込み操作がアクセル開度センサ104によりアクセル開度θapとして検出されたものとして動作を説明する。
この場合、ステップS3において、アクセル開度θapに応じて、図10の(d)に示すように、FC目標電流Ifctarが算出されるとともに、このFC目標電流Ifctarに応じてエアポンプ駆動量指令値Apcomが算出され(図10の時点t11〜t13)、エアポンプ36が駆動される。
この場合には、FC目標電流Ifctarが大きいので、時点t12でステップS11の判定が否定的となりアイドル停止復帰状態RSの制御からステップS12の判定が肯定的となる通常発電状態NSの制御となる。すなわち、時点t12以降では、VCU指令電圧V2comが、FC目標発電電圧Vfctarに設定される。なお、図7の(b)での時点t1〜t2までの処理並びに図10の(b)の時点t11〜t12までの処理は、いわゆるレートリミット処理と称される。
以上説明したように上述した実施形態によれば、アイドル停止復帰状態RSにおいて、FC電圧Vfcの電圧上昇を抑制し、且つエアポンプ36の駆動量であるエアポンプ駆動量指令値Apcomを低い側で一定に制御し、一時的に低ストイキ比運転を許容する。ただし、低ストイキ比運転を行うと、FC32のセル電圧Vcellが低下し目標とする出力が得られなくなる。発電電圧Vfcが低い領域(FC高出力領域:図3参照)で低ストイキ比運転を行うとセル電圧Vcellの低下量が大きいが、発電電圧Vfcが高い領域になるにつれて低ストイキ比運転でもセル電圧Vcellの低下量は小さくなるため、発電電圧Vfcが低い領域では電圧上昇速度が早くなるように制御し、発電電圧Vfcが高い領域では電圧上昇速度が遅くなるよう、それぞれの電圧領域で電圧上昇量(電圧上昇率)を変化させることにより、FC32の劣化が抑制され、エアポンプ駆動音が大きくなることによる商品性の低下が防止され、その上、セル電圧Vcellの著しい低下を防止することができる。
より詳しく説明すると、水素と酸化剤ガスからなる反応ガスを供給する反応ガス供給装置としてのエアポンプ36及び水素タンク34(ここでは、分かり易さを考慮してエアポンプ36で代表する。)と、前記反応ガスにより発電するFC32と、FC32の発電出力により駆動される負荷30と、エアポンプ36からFC32へ前記反応ガスの供給を開始するとき、FC32の目標発電出力としてFC目標電流Ifctarを決定する目標発電出力決定部(ステップS3)としてのECU24と、FC32の前記発電出力を調整する発電出力調整部としてのECU24と、を備えるFCシステム12において、エアポンプ36が前記反応ガスの供給を停止していて、前記発電出力調整部がFC32から負荷30への前記発電出力をゼロに調整している状態から、エアポンプ36が前記反応ガスの供給を開始し、前記発電出力調整装置がFC32の前記発電出力を、前記目標発電出力決定部で決定されたFC目標電流Ifctarに一致させる過程を有し、前記過程で、FC32から流れ出す発電電流Ifcの波形が、前記発電出力をゼロに調整していて発電電流Ifcがゼロになっている状態からFC目標電流Ifctarに対応する電流を超えて上昇した後、FC目標電流Ifctarに向かって下降しているとともに{図7の(d)の時点t1〜t2又は図10の(d)の時点t11〜t12}、FC32の発電電圧Vfcの波形(VCU指令電圧V2comの波形に相似している。)が、FC32の劣化領域(閾値電位Vth以上の電圧)又は劣化促進領域(閾値電位Vth以上の電圧で劣化促進電位Vdet以上の電圧)に入る前まで上昇し、前記劣化促進領域内では前記劣化促進領域に入る前までの前記上昇より緩やかに上昇している{図7の(b)の時点t1〜t2、又は図10の(b)の時点t11〜t12}。
このように、FC32への反応ガスの供給を停止していて、FC32から負荷30への前記発電出力をゼロに調整している状態から、FC32に前記反応ガスの供給を開始したとき、FC32から流れ出す発電電流Ifcの波形が、前記発電出力をゼロに調整していて発電電流Ifcがゼロになっている状態からFC目標電流Ifctarを超えて上昇した後、FC目標電流Ifctarに向かって下降しているので負荷30の要求電力に即応して発電電力が発生し、FCの発電電圧Vfcの波形が、FC32の劣化促進電位Vdetを上回る劣化促進領域に入る前まで上昇し、前記劣化促進領域内では前記劣化促進領域に入る前までの前記上昇より緩やかに上昇しているので、FC32の劣化の促進(触媒である白金の溶出)が抑制され、且つ反応ガスを供給する際に従来技術のように制限していないので、ストイキ比が確保されて発電効率の低下を最小限に抑制することができる。
この場合、エアポンプ36は、FC32の目標発電電流Ifctarに応じて前記反応ガスを供給するようにしているので、反応ガスの供給に伴う騒音の発生に違和感がない。
また、前記劣化促進領域内では前記劣化促進領域に入る前までの前記上昇する速度より遅い速度で上昇する際、発電電圧Vfcの電圧上昇率が徐々に低下しているので、触媒の溶出が防止され、FC32の劣化が防止される。
さらに、前記目標発電出力決定部で決定された目標発電電流Ifctarに一致させる過程中に、負荷30が要求する負荷要求電力が増大したとき、前記目標発電出力決定部は、前記負荷要求電力の増大に追従させて目標発電電流Ifctarを増大させるようにしているので、負荷30の要求電力に即応して対応できる。
さらにまた、FC32に並列に蓄電装置としてのバッテリ20を備え、前記発電出力調整部は、バッテリ20に配置されたVCU80であり、VCU80は、FC32の電流・電圧特性200を利用して発電電圧Vfcを調整することで発電電流Ifcの前記波形を制御するようにしているので、劣化促進領域での発電電圧Vfcの緩やかな上昇を正確に制御できる。
さらにまた、エアポンプ36の前記反応ガスの供給開始と、FC32から流れ出す発電電流Ifcの波形が、前記発電出力をゼロに調整していて発電電流Ifcがゼロになっている状態からの上昇開始と、が同時であるので、反応ガスの供給開始時において発電電位が急激に高電位になることが抑制されFC32の劣化を防止することができる。
10…燃料電池車両(FC車両) 12…燃料電池システム(FCシステム)
14…モータ 16…インバータ
18…燃料電池ユニット(FCユニット) 20…バッテリ
22…電力分配装置 24…ECU
30…負荷 32…燃料電池(FC)
34…水素タンク(水素貯蔵装置) 36…エアポンプ
104…アクセル開度センサ

Claims (7)

  1. 水素と酸化剤ガスからなる反応ガスを供給する反応ガス供給装置と、
    前記反応ガスにより発電し、電極触媒として白金を用いた固体高分子型の燃料電池と、
    前記燃料電池の発電出力により駆動される負荷と、
    前記反応ガス供給装置から前記燃料電池へ前記反応ガスの供給を開始するとき、前記燃料電池の目標発電出力を決定する目標発電出力決定部と、
    前記燃料電池の前記発電出力を調整する発電出力調整部と、
    を備える燃料電池システムにおいて、
    前記反応ガス供給装置が前記反応ガスの供給を停止していて、前記発電出力調整部が前記燃料電池から前記負荷への前記発電出力をゼロに調整している状態から、前記反応ガス供給装置が前記反応ガスの供給を開始し、前記発電出力調整部が前記燃料電池の前記発電出力を、前記目標発電出力決定部で決定された前記目標発電出力に一致させる過程を有し、
    前記過程で
    記燃料電池の発電電圧の波形が、前記発電電圧の指令電圧の波形に倣って、
    前記燃料電池の前記白金の溶出を招く劣化促進電位を超える領域である劣化促進領域に入る前まで上昇し、前記劣化促進領域内では前記劣化促進領域に入る前までの前記上昇より緩やかに上昇しているとともに、
    前記燃料電池から流れ出す発電電流の波形が、
    前記発電出力をゼロに調整していて前記発電電流がゼロになっている状態から前記目標発電出力に対応する目標電流を超えて上昇した後、前記目標電流に向かって下降している
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 請求項1記載の燃料電池システムにおいて、
    前記反応ガス供給装置は、前記燃料電池の前記目標発電出力に応じて前記反応ガスを供給する
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  3. 請求項1又は2記載の燃料電池システムにおいて、
    前記劣化促進領域内では前記劣化促進領域に入る前までの前記上昇する速度より遅い速度で上昇する際、前記発電電圧の電圧上昇率が徐々に低下している
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記目標発電出力決定部で決定された前記目標発電出力に一致させる過程中に、前記負荷が要求する負荷要求電力が増大したとき、
    前記目標発電出力決定部は、前記負荷要求電力の増大に追従させて前記目標発電出力を増大させる
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記燃料電池に並列に蓄電装置を備え、
    前記発電出力調整部は、前記蓄電装置側に配置されたコンバータであり、
    前記コンバータは、前記燃料電池の電流・電圧特性を利用して前記発電電圧を調整することで前記発電電流の前記波形を調整する
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記反応ガス供給装置の前記反応ガスの供給開始と、
    前記燃料電池から流れ出す発電電流の波形が、前記発電出力をゼロに調整していて前記発電電流がゼロになっている状態からの上昇開始と、が同時である
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  7. 水素と酸化剤ガスからなる反応ガスにより発電し、電極触媒として白金を用いた固体高分子型の燃料電池と、
    前記燃料電池の発電出力により駆動される負荷と、
    アイドル停止状態から復帰するとき、前記燃料電池の目標発電出力を決定する目標発電出力決定部と、
    前記燃料電池の前記発電出力を調整する発電出力調整部と、
    を備える燃料電池システムにおいて、
    前記燃料電池システムが前記アイドル停止状態から復帰する際、前記発電出力調整部が前記燃料電池の前記発電出力を、前記目標発電出力決定部で決定された前記目標発電出力に一致させる過程を有し、
    前記過程で
    記燃料電池の発電電圧の波形が、前記発電電圧の指令電圧の波形に倣って、
    前記燃料電池の前記白金の溶出を招く劣化促進電位を超える領域である劣化促進領域に入る前まで上昇し、前記劣化促進領域内では前記劣化促進領域に入る前までの前記上昇より緩やかに上昇しているとともに、
    前記燃料電池から流れ出す発電電流の波形が、前記目標発電出力に対応する目標電流を超えて上昇した後、前記目標電流に向かって下降している
    ことを特徴とする燃料電池システム。
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