[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP5402574B2 - 感光性導電ペースト - Google Patents

感光性導電ペースト Download PDF

Info

Publication number
JP5402574B2
JP5402574B2 JP2009269704A JP2009269704A JP5402574B2 JP 5402574 B2 JP5402574 B2 JP 5402574B2 JP 2009269704 A JP2009269704 A JP 2009269704A JP 2009269704 A JP2009269704 A JP 2009269704A JP 5402574 B2 JP5402574 B2 JP 5402574B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
photosensitive
conductive paste
group
paste
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009269704A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010152354A (ja
Inventor
一孝 草野
華乃子 富永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2009269704A priority Critical patent/JP5402574B2/ja
Publication of JP2010152354A publication Critical patent/JP2010152354A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5402574B2 publication Critical patent/JP5402574B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)

Description

本発明の感光性導電ペーストは、ディスプレイや電子回路部品等に用いられる。
近年、電子部品やディスプレイにおいて、高精細化が進んでおり、それに伴って微細な無機物のパターンを形成する技術が望まれている。微細な無機物のパターンを形成する技術としては、無機粉末と感光性成分を含む有機成分からなる感光性ペーストを基板上に塗布した後、露光、現像によりパターンを形成し、焼成することによって感光性成分を含む有機成分を揮散させ、無機粉末を焼結させることによって微細な無機物のパターンを形成する方法が知られている。
これら無機物のパターンは、導電パターンや絶縁パターンを多層化して用いられることが多い。この多層化の方法としては、導電パターンと絶縁パターンを逐次焼成する方法があるが、焼成工程が多くなり、コストが高くなる問題がある。そこで、未焼成の絶縁ペースト層と未焼成の導電ペーストパターンを形成、積層後、同時に焼成する方法が考えられるが、未焼成の絶縁ペースト層上に感光性導電ペーストを用いてパターン形成を行う場合、感光性導電ペースト層を露光後、現像する際に未焼成の絶縁ペースト層が剥がれたり、現像時に除去すべき感光性導電ペースト層の残渣が発生するという問題があった。
これらの問題を解消する方法として、特許文献1では下層に無機物を含まない感光性ペーストあるいはその上にガラスやセラミックを含む感光性ペーストの塗布膜を形成し、上層に感光性導電ペーストの塗布膜を形成した後、露光、現像、焼成を行う方法が提案されている。また、特許文献2では、フィルム上に感光性導電ペーストで導電パターンを形成後、絶縁層に転写する方法が提案されている。
しかしながら、この方法では材料や工程が増える問題がある。露光、現像工程の影響を受けず、未焼成の絶縁ペースト層上に直接、感光性導電ペーストを塗布し、露光、現像して導体ペーストパターンを形成した後に焼成することが好ましい。
特開2003−057829号公報(第6、10頁) 特開2002−329630号公報(第3頁)
本発明は、未焼成の絶縁ペースト層上に感光性導電ペーストを用いてパターン形成を行う場合であっても現像時に絶縁ペースト層の剥がれや現像で除去すべき感光性導電ペーストの残渣が発生せず、絶縁層と導体パターンの積層体を形成することが可能な感光性導電ペーストを提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、導電性無機粉末、感光性有機成分、および下記一般式(1)で表される化合物Aおよび下記一般式(2)で表される化合物Bを含むことを特徴とする感光性導電ペーストである。
HO−(RO)−ROH (1)
(式中、Rは、炭素数2〜4のアルキレン基、nは、2〜4の整数である)
O−(RO)−R (2)
(式中、Rは、炭素数1〜6のアルキル基、Rは、炭素数2〜4のアルキレン基、Rは、炭素数1〜6のアルキル基または水素、mは、2〜4の整数である)
本発明によれば、未焼成の絶縁ペースト層上に直接導体ペーストパターンを形成することが可能な感光性導電ペーストを提供できる。
本発明における導電性無機粉末としては、導電性を示す無機粉末であれば何でも良く、金属酸化物や炭素系材料であってもよいが、好ましくは金属粉末を用いることができる。金属粉末としては、Ag、Au、Pd、Ni、Cu、AlおよびPtの群から選ばれるものが使用できる。これらは、単独、合金のいずれの状態であってもよい。これら導電性無機粉末の粒子径としては、作製しようとする層の厚みや線幅を考慮して選ばれるが、体積基準分布の中心径が0.05〜5μmの範囲内、最大粒子サイズが15μm以下であることが好ましい。
また、本発明においては、焼成時における基板との結合成分として、あるいは低温での焼結を可能にする目的でフリットガラスを用いてもよいが、その添加量は感光性導電ペースト中に10質量%以下であることが好ましい。フリットガラスの添加量が10質量%を超えると感光性導電ペーストによって形成された導電パターンの比抵抗が高くなる場合がある。
フリットガラスとしては、特に限定されるものではないが、フリットガラスのガラス転移温度(Tg)および軟化点(Ts)は、それぞれ400〜800℃、450〜850℃であることが好ましい。Tg、Tsがそれぞれ400℃、450℃未満では、バインダー樹脂などの有機成分が蒸発する前にガラスの焼結が始まり、脱バインダーがうまくいかず、焼成後に残留炭素となり、導電パターンの剥がれ原因となることがあり、緻密かつ低抵抗の導電パターンを得るためには好ましくない。Tg、Tsがそれぞれ800℃、850℃を超えるガラスフリットでは、900℃以下の温度で焼き付けたときに、導電パターンと基板との充分な接着強度や緻密な電極膜が得られにくい。ガラスフリットの粉末粒子径は、平均粒子径が0.5〜5μmの範囲内、および最大粒子サイズが15μm以下であることが好ましい。
本発明における感光性有機成分は、感光性モノマー、感光性オリゴマーおよび感光性ポリマーから選ばれた少なくとも1種を含むものである。
感光性モノマーとしては、活性な炭素−炭素2重結合を有する化合物を用いることができる。官能基として、ビニル基、アリル基、アクリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基を有する単官能および多官能化合物が応用できる。アクリレートまたはメタクリレート官能基を有する多官能化合物には多様な種類の化合物が開発されているので、それらから反応性、屈折率などを考慮して選択することが可能である。具体的には、アリル化シクロヘキシルジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、グリセロールジアクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリグリセロールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物のジアクリレート、ビスフェノールA−プロピレンオキサイド付加物のジアクリレート、または上述の化合物のアクリル基を1部または全てメタクリル基に代えた化合物等が挙げられる。
感光性ペーストを構成する感光性有機成分として、光反応で形成される硬化物の物性の向上や感光性ペーストの粘度の調整などの役割を果たす成分としてオリゴマーまたはポリマーが用いられる。そのオリゴマーまたはポリマーは、炭素−炭素2重結合を有する化合物から選ばれた成分の重合または共重合により得られる。
共重合するモノマーとしては、不飽和カルボン酸などの不飽和酸を共重合することによって、感光後にアルカリ水溶液での現像性を向上することができる。不飽和カルボン酸の具体的な例として、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸またはこれらの酸無水物などが挙げられる。
こうして得られた側鎖にカルボキシル基などの酸性基を有するポリマーもしくはオリゴマーの酸価(AV)は50〜180、さらには70〜140の範囲が好ましい。酸価が180を超えると、現像許容幅が狭くなる。また、酸価が50未満になると未露光部の現像液に対する溶解性が低下するようになるため現像液濃度を濃くすることになり露光部まで剥がれが発生し、高精細なパターンが得られにくくなる。
以上に示したポリマーもしくはオリゴマーに対して、光反応性基を側鎖または分子末端に付加させることによって、感光性をもつ感光性ポリマーや感光性オリゴマーとして用いることができる。
好ましい光反応性基は、エチレン性不飽和基を有するものである。エチレン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基などが挙げられる。
このような側鎖をオリゴマーやポリマーに付加させる方法は、ポリマー中のメルカプト基、アミノ基、水酸基やカルボキシル基に対して、グリシジル基やイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライドを付加反応させて作る方法がある。
グリシジル基を有するエチレン性不飽和化合物としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、エチルアクリル酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル、イソクロトン酸グリシジルエーテルなどが挙げられる。イソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリロイルイソシアナート、(メタ)アクリロイルエチルイソシアネートなどがある。また、グリシジル基やイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライドは、ポリマー中のメルカプト基、アミノ基、水酸基やカルボキシル基に対して0.05〜1モル等量付加させることが好ましい。
本発明では、分子内にカルボキシル基と不飽和2重結合を含有する重量平均分子量500〜10万のオリゴマーもしくはポリマーを含有させることが好ましい。
バインダー成分として感光性を有さないポリマー成分が必要な場合には、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、メタクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル重合体、アクリル酸−メタクリル酸エステル重合体、ブチルメタクリレート樹脂等を用いることができる。
本発明における感光性ペーストは、感光性モノマー、感光性オリゴマー、感光性ポリマーおよび必要に応じバインダー樹脂を含有するが、これらの成分はいずれも活性光線のエネルギー吸収能力はないため、光反応を開始するためには光重合開始剤を用いる必要がある。感光性ペーストによるパターン形成は、露光された部分の感光性成分を重合および架橋させて現像液に不溶化することであり、上述のように感光性を示す官能基はラジカル重合性であるため、光重合開始剤はラジカル種を発生するものから選んで用いられる。
光重合開始剤としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジヒドロキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン等が挙げられる。本発明では、これらを1種または2種以上使用することができる。光重合開始剤は、感光性モノマー、感光性オリゴマーおよび感光性ポリマーの合計量100質量部に対し、0.05〜10質量部の範囲で添加され、より好ましくは、0.1〜10質量部である。重合開始剤の量が少なすぎると光感度が不良となり、光重合開始剤の量が多すぎる場合には露光部の残存率が小さくなるおそれがある。
本発明においては、下記一般式(1)で表される化合物Aおよび下記一般式(2)で示される化合物Bを含むことが必要である。下記一般式(1)および(2)で示される化合物Aおよび化合物Bを混合して用いることにより、露光、現像工程の影響を受けず、未焼成の絶縁ペースト層上に導体ペーストパターンの形成が可能になる。
HO−(RO)−ROH (1)
O−(RO)−R (2)
式中のRは炭素数2〜4のアルキレン基であり、好ましくは、2または3のアルキレン基である。nは、2〜4の整数である。nが1の場合、感光性導電ペーストへの溶解性が不良となる。また、nが5以上の場合、塗膜の乾燥ができず、未焼成の絶縁ペースト層上に導体ペーストパターンの形成ができなくなる。
は炭素数1〜6のアルキル基、Rは炭素数2〜4のアルキレン基である。Rは炭素数1〜6のアルキル基または水素あり、好ましくは水素である。mは2〜4の整数であり、好ましくは2または3である。
上述の化合物Aと化合物Bを混合して用いることにより、露光、現像工程の影響を受けず、未焼成の絶縁ペースト層上に導体ペーストパターンの形成が可能になる。化合物Aと化合物Bを混合して用いる質量比としては、化合物A:化合物Bが5:95〜40:60の範囲内であることが好ましく、より好ましくは、5:95〜30:70の範囲内である。化合物Aの質量比が5未満、化合物Bの質量比が95を超える場合、未焼成の絶縁ペースト層上に導体ペーストパターンの形成が困難になる。また、化合物Aの質量比が40を超え、化合物Bの質量比が60未満の場合、塗膜の乾燥に多大なエネルギーと時間を要する等の問題を生じる場合がある。
化合物Aの具体例としては、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ペンタプロピレングリコール、トリブチレングリコール等が挙げられる。
化合物Bの具体例としては、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル等が挙げられる。
本発明では化合物Aおよび化合物Bを合計でペースト中に5〜30質量%の範囲で含まれるのが好ましく、より好ましくは7〜20質量%の範囲である。化合物Aおよび化合物Bの合計量が5質量%に満たない場合、ペーストの粘度が高くなり、未焼成の絶縁ペースト層上への塗布が困難となる。また、化合物Aおよび化合物Bの合計量が30質量%を超えると分散粒子の沈降が速くなり、ペーストの組成を安定化することが困難となって、乾燥に多大なエネルギーと時間を要する等の問題を生じる傾向がある。
また、本発明においては、さらに下記一般式(3)で表される化合物Cを含むことも有用である。
Figure 0005402574
(R〜Rはそれぞれ独立に水素または炭素数が1〜6のアルキル基を表す。)
化合物Cを含むことによって、露光、現像工程の影響を受けず、未焼成の絶縁ペースト層上への導体ペーストパターンの形成がさらに容易になる。特に、未焼成の絶縁ペースト層のバインダー樹脂などの種類が変わった場合に有効となる。
化合物A、化合物Bおよび化合物Cを混合して用いる質量比としては、化合物A:(化合物B+化合物C)が5:95〜40:60の範囲内であることが好ましく、より好ましくは、5:95〜30:70の範囲内である。化合物Bと化合物Cは、任意に混合して用いてよい。
化合物Cとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、イソブチレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、2,3−ブチレンカーボネートまたはペンチレンカーボネートが好ましく、中でもプロピレンカーボネートが特に好ましい。
本発明の感光性導電ペーストは、各種成分を所定の組成となるように調合した後、プラネタリーミキサー等のミキサーによって予備分散した後、3本ローラーなどの分散機で分散・混練手段によって均質に作製する。
このようにして得られる感光性導電ペーストは、次のようにパターン形成をすることができる。
まず、ガラス、アルミナ、フィルム等の基板上に、ガラス、セラミック、ガラスセラミック等の粉末をバインダー樹脂に分散してペースト状にした絶縁ペーストを全面塗布、もしくは部分的に塗布する。塗布方法としては、スクリーン印刷法、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、ブレードコーターなど方法を用いることができる。
塗布後、乾燥を行う。乾燥は、通風オーブン、ホットプレート、IR乾燥炉等を用いて、通常40〜120℃で5〜180分間行う。
次に、このように基板上に形成した未焼成の絶縁ペースト層上に本発明の感光性導電ペーストを塗布する。塗布方法としては、スクリーン印刷法、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、ブレードコーターなど方法を用いることができる。塗布後、乾燥を行う。乾燥は、通風オーブン、ホットプレート、赤外線(IR)乾燥炉等を用いて、通常40〜120℃で5〜180分間行う。
乾燥後、露光装置を用いて露光を行う。露光装置としては、プロキシミティ露光機などを用いることができる。また、大面積の露光を行う場合は、基板上に感光性ペーストを塗布した後に、搬送しながら露光を行うことによって、小さな露光面積の露光機で、大きな面積を露光することができる。
露光後、露光部分と非露光部分の現像液に対する溶解度差を利用して、現像を行うが、この場合、浸漬法やスプレー法、ブラシ法で行う。現像液には、感光性ペースト中の有機成分が溶解可能である有機溶媒を用いる。また、該有機溶媒にその溶解力が失われない範囲で水を添加してもよい。感光性ペースト中にカルボキシル基などの酸性基をもつ化合物が存在する場合は、アルカリ水溶液で現像できる。アルカリ水溶液としては水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム水溶液などが使用できるが、有機アルカリ水溶液を用いた方が焼成時にアルカリ成分を除去しやすいので好ましい。
有機アルカリとしては、一般的なアミン化合物を用いることができる。具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、炭酸ナトリウムなどが挙げられる。
アルカリ水溶液の濃度は通常0.05〜5質量%、より好ましくは0.1〜1質量%である。アルカリ濃度が低すぎれば可溶部が除去されず、アルカリ濃度が高すぎれば、パターン部を剥離させ、また非可溶部を腐食させるおそれがある。また、現像時の現像温度は、20〜50℃で行うことが工程管理上好ましい。
このようにして得られた絶縁ペースト層と感光性導電ペーストパターンの積層体を、それぞれのペースト中に含まれる有機成分の分解温度や無機成分の軟化点、基板の耐熱性を考慮した温度で焼成することによって、絶縁層/導電パターン複合体を得ることができる。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
(化合物A、Bまたは溶媒として用いた化合物)
以下の化合物を用いた。
化合物A−1:テトラエチレングリコール
化合物A−2:トリエチレングリコール
化合物B−1:ジエチレングリコールジエチルエーテル
化合物B−2:ジエチレングリコールジブチルエーテル
化合物B−3:トリエチレングリコールジメチルエーテル
化合物B−4:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
化合物B−5:トリプロピレングリコールジメチルエーテル
化合物B−6:ジプロピレングリコールジメチルエーテル
化合物C:プロピレンカーボネート
化合物D:γ−ブチルラクトン
(感光性導電ペーストの作製)
湿式還元法により製造された平均粒径3μm、比表面積0.5m/g、タップ密度5g/cmの銀粉末75質量%、感光性アクリルポリマー(APX−716、東レ社製)8質量%、感光性モノマー(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、第一工業製薬社製)4質量%、光重合開始剤(2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン)1質量%、および表1に示す化合物12質量%を加えたものを3本ローラーで混練して作製した。
(未焼成の絶縁ペースト層形成)
SiO、MgO、Al、KO、Bからなるガラスを粉砕した平均粒径1.2μmのガラス粉末75質量%、アクリル樹脂(共栄社化学社製“オリコックス”KC−7025T)5質量%、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート20質量%を加えたものを3本ローラーで混練して作製し、基板(99.6パーセントアルミナ基板、60mm角、厚さ0.635mm)上に乾燥後、20μmになるようにマイクロテック社製スクリーン印刷機およびSUS製200メッシュのスクリーン版を用いて、基板全面に印刷した。印刷後、通風オーブンを用いて、80℃で15分乾燥した。
(パターン加工性の評価)
上記未焼成の絶縁ペースト層が形成された基板上にマイクロテック社製スクリーン印刷機及び325メッシュのスクリーン版を用いて感光性導電ペースト全面塗布し、タバイ社製熱風乾燥機を用いて60℃で30分乾燥した。乾燥後の膜厚は15μmとした。乾燥後、ラインアンドスペース(L/S)がそれぞれ20μmであるストライプパターンを形成したフォトマスクを介して露光を行った。露光機は、大日本スクリーン製露光機(光源:2kW超高圧水銀灯)を用いた。露光量は、50mJ/cmとした。露光後、0.2質量%の炭酸ナトリウム水溶液を用いてシャワー現像を行った。現像液温度は23℃とした。60秒で現像を終了し、光学顕微鏡を用いてライン間(スペース部分)に残渣を観察した。結果を表1に示す。表1において、光学顕微鏡200倍でスペース部分の面積を観察し、スペース部分に全く残渣が観察されなかったものを◎、スペース部分の面積10%未満に残渣が観察されたものを○、スペース部分の面積10%を超える部分に残渣が観察されたものを×で示した。
(実施例1〜13、比較例1〜8)
化合物Aおよび化合物Bの両方を含む実施例1〜11では、未焼成の絶縁ペースト層上でも残渣が見られず、良好な解像性を示した。また、一般式(1)の化合物が少ない実施例12ではスペース部分の面積5%に残渣が観察されたものの十分実用レベルであった。さらに、化合物Aが多い実施例13では、乾燥が不十分ではあるが、ライン間に残渣はなく、十分実用レベルであった。
一方、化合物Aのみを用いた比較例1では、全く感光性導電ペーストの塗布膜が乾燥せず、パターン形成ができなかった。また、化合物Bのみを用いた比較例2〜7では、スペース部分の面積10%を超える部分に残渣が観察された。さらに、化合物Aおよび化合物Bをいずれも含まない比較例8では、ライン間全体に残膜が見られた。
(実施例14〜18、比較例9〜10)
化合物A、化合物Bおよび化合物Cを含む実施例14〜18では、未焼成の絶縁ペースト層上でも残渣が見られず、良好な解像性を示した。一方、化合物Cのみを用いた比較例9および化合物Bと化合物Cを混合して用いた比較例10ではスペース部分の面積10%を超える部分に残渣が観察された。
Figure 0005402574

Claims (7)

  1. 導電性無機粉末、感光性有機成分、および下記一般式(1)で表される化合物Aおよび下記一般式(2)で表される化合物Bを含むことを特徴とする感光性導電ペースト。
    HO−(RO)−ROH (1)
    (式中、Rは、炭素数2〜4のアルキレン基、nは、2〜4の整数である)
    O−(RO)−R (2)
    (式中、Rは、炭素数1〜6のアルキル基、Rは、炭素数2〜4のアルキレン基、Rは、炭素数1〜6のアルキル基または水素、mは、2〜4の整数である)
  2. 前記導電性無機粉末が、Ag、Au、Pd、Ni、Cu、AlおよびPtの群から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の感光性導電ペースト。
  3. 前記化合物Aと化合物Bの質量比が5:95〜40:60の範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載の感光性導電性ペースト。
  4. 前記一般式(1)において、Rは炭素数が2または3のアルキレン基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感光性導電ペースト。
  5. 前記一般式(2)において、Rが水素、mが2または3であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の感光性導電ペースト。
  6. さらに下記一般式(3)で表される化合物Cを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の感光性導電ペースト。
    Figure 0005402574
    (R〜Rはそれぞれ独立に水素または炭素数が1〜6のアルキル基を表す。)
  7. 下記一般式(3)で表される化合物Cがプロピレンカーボネートであることを特徴とする請求項6に記載の感光性導電ペースト。
JP2009269704A 2008-11-27 2009-11-27 感光性導電ペースト Expired - Fee Related JP5402574B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009269704A JP5402574B2 (ja) 2008-11-27 2009-11-27 感光性導電ペースト

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008302278 2008-11-27
JP2008302278 2008-11-27
JP2009269704A JP5402574B2 (ja) 2008-11-27 2009-11-27 感光性導電ペースト

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010152354A JP2010152354A (ja) 2010-07-08
JP5402574B2 true JP5402574B2 (ja) 2014-01-29

Family

ID=42571436

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009269704A Expired - Fee Related JP5402574B2 (ja) 2008-11-27 2009-11-27 感光性導電ペースト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5402574B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106057278B (zh) * 2016-08-05 2017-11-28 陆福萍 一种光敏电极浆料及其制备方法
JP7577949B2 (ja) 2020-07-14 2024-11-06 住友ベークライト株式会社 ペースト状樹脂組成物、高熱伝導性材料、および半導体装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3394938B2 (ja) * 1999-03-25 2003-04-07 株式会社村田製作所 感光性導体ペースト
JP2003280195A (ja) * 2002-03-26 2003-10-02 Dainippon Printing Co Ltd フェニル基含有光反応性ポリマーを用いた導電ペースト、電極の形成方法及び電極
JP3975932B2 (ja) * 2003-02-12 2007-09-12 株式会社村田製作所 光反応性樹脂組成物、回路基板の製造方法、およびセラミック多層基板の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010152354A (ja) 2010-07-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7105256B2 (en) Photosensitive conductive composition and plasma display panel formed by using the same
US20060071202A1 (en) Photosensitive paste composition
KR101113473B1 (ko) 은페이스트용 유리 조성물, 이를 이용한 감광성 은페이스트, 전극 패턴 및 플라즈마 디스플레이 패널
KR20090029305A (ko) 전극 형성용 감광성 도전 페이스트 및 전극
JP2010153362A (ja) 感光性導電ペースト、それを用いて形成した電極とプラズマディスプレイパネル及び感光性導電ペーストの製造方法
JP2008225477A (ja) 感光性ペースト組成物、これを利用して製造されたプラズマディスプレイパネルおよびその製造方法
JP2006199958A (ja) 感光性ペースト組成物、及びそれを利用して製造されたプラズマディスプレイパネル
JP4062805B2 (ja) 焼成用感光性導電ペーストおよび微細電極パターン形成方法
JP2009245704A (ja) 感光性導電性ペースト組成物、電極回路、およびプラズマディスプレイパネル
JP5402574B2 (ja) 感光性導電ペースト
JP2009076233A (ja) パターン形成方法およびそれを用いた回路材料の製造方法
KR100902729B1 (ko) 감광성 도전 페이스트 및 이를 사용하여 형성된 도전체패턴
JP2007012371A (ja) 導電組成物およびプラズマディスプレイの背面基板の製造方法
JP2005276573A (ja) 感光性導電ペースト及びそれを用いて形成した導電体パターン
KR20110112768A (ko) 도전 페이스트 및 도전 패턴
JP4253951B2 (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2009237245A (ja) 感光性導電ペースト
JP2003100208A (ja) 電極パターンの形成方法および該電極パターンを形成したプラズマディスプレイパネル
JP2001278906A (ja) 光硬化性ペースト組成物
JP3599733B2 (ja) 感光性導電ペースト及びそれを用いて形成した導電体パターン
JP2012246176A (ja) 絶縁ペーストおよびそれを用いた多層構造体の製造方法
JP4278312B2 (ja) 導電回路パターンの形成方法
WO2023032536A1 (ja) 感光性導電ペースト、導電パターン付き基材の製造方法、電子部品の製造方法、硬化膜、焼成体および電子部品
JP2010009777A (ja) 感光性導電ペーストおよびこれを用いた電極パターンの製造方法
JP4374653B2 (ja) 導体パターンの形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120329

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130913

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131001

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131014

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5402574

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees