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JP5402343B2 - ペルチェモジュール - Google Patents

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JP5402343B2
JP5402343B2 JP2009167548A JP2009167548A JP5402343B2 JP 5402343 B2 JP5402343 B2 JP 5402343B2 JP 2009167548 A JP2009167548 A JP 2009167548A JP 2009167548 A JP2009167548 A JP 2009167548A JP 5402343 B2 JP5402343 B2 JP 5402343B2
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Description

本発明は、ペルチェモジュールに関する。
従来、ペルチェ効果を利用して吸熱部から吸収した熱を放熱部において放出する機能を備えたペルチェモジュールが公知である。ペルチェ効果とは、異種の導体や半導体等を接合して直流電流を流した場合、当該接合部の界面において吸熱現象、或いは放熱現象が生じる効果である。
ペルチェモジュールの一例として、P型の熱電変換材料と、N型の熱電変換材料とを交互に接合して形成された直列回路に直流電流を流す構成が挙げられる。この構成では、P型及びN型の熱電変換材を接合する接合部のうち、N型からP型の熱電変換材に向けて電流が流れる箇所の接合部には吸熱現象が生じる吸熱部が形成される。一方、P型の導電型材料側からN型の導電型材料側に向けて電流が流れる箇所の接合部には放熱現象が生じる放熱部が形成される。
ペルチェ効果は可逆的な現象であり、直流回路に流す電流の向きを逆転させると、当該逆転前において吸熱現象が生じていた吸熱部からは放熱現象が起き、放熱現象が生じていた放熱部からは吸熱現象が起きるようになる。すなわち、直流回路における電流の流れる方向を逆転させることで吸熱部と放熱部とが相互に入れ替わり、ペルチェモジュールの冷却機能と加熱機能とが切り替えられる。
近年、比較的微小な部分を局所的に冷却、又は加熱するための針状部材を備えたペルチェモジュールが提案されている。図15は、針状部材を備えたペルチェモジュールの概略構成例を示した図である。図15に示すように、ペルチェモジュール100は、P型半導体51A、51BとN型半導体52A、52Bを連続して接続したペルチェ素子50A、50Bを有する。ペルチェ素子50Aは、2枚の熱交換プレート53A、54Aの間に、P型半導体51AとN型半導体52Aを連続して接続している。また、ペルチェ素子50Bは、2枚の熱交換プレート53B、54Bの間に、P型半導体51BとN型半導体52Bを連続して接続している。
熱交換プレート54A及び54Bの間は接合部30を介して接合されており、接合部30の端部からは針部32が突出して設けられている。そして、針部32を冷却する場合には、ペルチェ素子50A側では一端部に配置されるP型半導体51Aと他端部に配置されるN型半導体52Aとに所定の電圧が印加される。また、ペルチェ素子50B側では、一端部に配置されるP型半導体51Bと、他端部に配置されるN型半導体52Bとに所定の電圧が印加される。
その結果、熱交換プレート54A(54B)から吸熱された熱が熱交換プレート53A(53B)から放熱され、針部32が冷却される。逆に、針部32を加熱する場合には、熱交換プレート53A(53B)から吸熱された熱が熱交換プレート54A(54B)にて放熱されることで当該針部32が加熱される。
特開2008−141161号公報 特開平11−295560号公報 特開2007−88203号公報
図15に示したペルチェモジュールの構成例では、熱交換プレート53A、54A、53B、54Bの各々が針部32の軸線に対して平行に設けられる。そうすると、熱交換プレート53A(53B)から熱交換プレート54A(54B)に向かう熱の輸送方向と、接合部30及び針部32における熱の伝導方向が大きく相違してしまい、針部32の冷却効率を高めることが困難であった。本件は、ペルチェモジュールにおける冷却効率、又は加熱効率を向上させることのできる技術を提供する。
本件の一観点によれば、ペルチェモジュールは、熱電変換プレートと、前記熱電変換プレートの長手方向における一端側の端面に形成された吸熱部と、前記熱電変換プレートの長手方向における他端側の端面に形成された放熱部と、前記熱電変換プレートにおける吸熱部又は放熱部の何れかと熱的に接合される熱交換部と、前記熱電変換プレートの長手方向と平行な軸線を有し、且つ前記熱交換部から前記熱電変換プレートの逆側に向けて突出する針部と、を備える。
本件によれば、ペルチェモジュールの冷却効率又は加熱効率を向上させることができる。
実施例1に係るペルチェモジュールの主要構造を示した概略構成図である。 図1におけるA−A矢視図である。 図1におけるB−B矢視断面図である。 図1におけるC−C矢視図である。 実施例1に係るペルチェモジュールにおける熱の輸送方向と熱の伝導方向とを模式的に示した図である。 実施例2に係るペルチェモジュールの主要構造を示した概略構成図である。 図6におけるA−A矢視図である。 図6におけるB−B矢視断面図である。 図6におけるC−C矢視図である。 実施例3に係るペルチェモジュールの主要構造を示した概略構成図である。 図10におけるA−A矢視図である。 図10におけるB−B矢視断面図である。 図10におけるC−C矢視図である。 針部の先端構造の一例を示した図である。 従来のペルチェモジュールの構成例を示した図である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態に係るペルチェモジュールについて説明する。本実施形態では、例えば局所を冷却又は加熱するための針部を具備するペルチェモジュールを例示的に説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本件のペルチェモジュールは実施形態の構成に限定されない。
〈実施例1〉
実施例1に係るペルチェモジュールを説明する。本実施例に係るペルチェモジュールは
、冷却機能を発揮する。図1は、実施例1に係るペルチェモジュールの主要構造を示した概略構成図である。図2は、図1におけるA−A矢視図である。図3は、図1におけるB−B矢視断面図である。図4は、図1におけるC−C矢視図である。
図1に示したように、筐体2の内部には、熱電変換プレートとしての1組のN型半導体プレート3とP型半導体プレート4とが配置されている。本実施例における筐体2は、電気絶縁性を有し、且つ耐熱性の高い樹脂を円筒形状に形成した部材を用いているが、種々の形状及び材料を用いることができる。筐体2における一方の端縁からは、後述する針部14が筐体2の軸線方向に沿って外方に向けて突出している。以下、筐体2の軸線方向における両端部のうち、針部14が突設される方の端部を「先端部」と称し、他方の端部を「基端部」と称する。
本実施形態に係るN型半導体プレート3及びP型半導体プレート4は共に板形状を有している。また、N型半導体プレート3及びP型半導体プレート4は、筐体2における軸線の直交断面内において並列に、且つ互いの長手方向が筐体2の軸線と平行となるように配置されている。N型半導体プレート3及びP型半導体プレート4は、いわゆる熱電変換材料であり、所定の条件下において電気エネルギーを熱エネルギーに変換する機能を有する。N型及びP型半導体プレート3,4には例えばビスマス・テルル系(Bi−Te系)、鉛・テルル系(Pb−Te系)、シリコン・ゲルマニウム系(Si−Ge系)等の材料を使用することができる。
例えば、第1導電型プレートの一例であるN型半導体プレート3は、Bi2Te2.85
0.15、N型Si0.8Ge0.2、N型PbTeの少なくとも何れかを含んでいても良い。また、第2導電型プレートの一例であるP型半導体プレート4は、Bi0.5Sb1.5Te3
P型Si0.8Ge0.2、P型PbTeの少なくとも何れかを含んでいても良い。
ビスマス・テルル系(Bi−Te系)において、N型及びP型の何れの半導体が得られるかについては、Bi及びTeの組成比によって変動し得る。上記Bi2Te2.85Se0.15をN型半導体プレート3に採用し、Bi0.5Sb1.5Te3をP型半導体プレート4に採用することで、ペルチェモジュールに係るペルチェ効果の向上が期待できるが、本実施形態は上記の組成比に限定されるものではない。
また、鉛・テルル系(Pb−Te系)においては、例えばPbTeにPbI2をドーパ
ント(不純物)として添加することでN型半導体プレート3が製造される。また、P型半導体プレート4については、PbTeにドーパントを添加せず、Teの組成比や温度領域等を調整することによって製造することができる。また、シリコン・ゲルマニウム系(Si−Ge系)においては、例えばSi0.8Ge0.2にリン(P)をドーパントとして添加することでN型半導体プレート3が製造される。また、例えばSi0.8Ge0.2にボロン(B)をドーパントとして添加することでP型半導体プレート4が製造される。
N型及びP型半導体プレート3,4に用いられる材料は、上記の例に限定されるものでなく、例えば、Ba8Ga16Ge30等に代表されるカゴ状化合物、ZrNiSiに代表さ
れるようなハーフホイスラー、Ca3CoO4に代表される酸化物等のように、高効率熱電材料であれば種々の材料を使用することができる。
N型半導体プレート3及びP型半導体プレート4は支持部材5によって支持されている。図1〜4に示すように、支持部材5は筐体2の軸線方向に沿って延伸する軸部材であり、筐体2と同軸上に配置されている。支持部材5には、当該支持部材5の軸線方向に沿って平行な2つの凹溝6が形成されている。支持部材5は、四角柱体の対向する一対の側面の各々に凹溝6が形成されており、支持部材5における軸線の直交断面はいわゆるH型断
面形状となっている。但し、支持部材5の軸線直交断面については、上記の例に限られず、他の形状を採用できる。
一方の凹溝6にはN型半導体プレート4が嵌合され、他方の凹溝6にはP型半導体プレート4が嵌合される。各半導体プレート3,4と支持部材5とは、例えば耐熱性の優れた接着剤を用いて接着されている。各々の凹溝6は、支持部材5の軸線廻りの角度が180°相違する位置に配置されている。つまり、各々の凹溝6は、支持部材5の軸線を挟んで対称となる位置、すなわち互いに対向する位置に設けられている。但し、凹溝6の配置位置や形状は適宜変更でき、また、N型半導体プレート3及びP型半導体プレート4における保持部材5への固定方法は、接着以外の方法を採用しても良い。
N型及びP型半導体プレート3,4における先端部側の端面同士は、導電性を有する接合部(以下、「先端側PN接合部」という)7によって電気的に接合されている(図1、図4参照)。一方、N型半導体プレート3における基端部側の端面には、直流電源10の正側端子が接続される基端正側電極11が設けられ、P型半導体プレート4における基端部側の端面には、直流電源10の負側端子が接続される基端負側電極12が設けられる(図1、図2参照)。
基端正側電極11及び基端負側電極12の夫々は、リード線を介して直流電源10と接続される。これによれば、直流電源10の正側端子、基端正側電極11、N型半導体プレート3、先端側PN接合部7、P側半導体プレート4、基端負側電極12、直流電源10の負側端子を含んで直流回路が形成される。
尚、本実施例では、先端側PN接合部7、基端正側電極11、基端負側電極12の各々に銅(Cu)を使用しているが、これに限られない。例えばタングステン、モリブデン等を用いても良く、また、N型半導体プレート3或いはP型半導体プレート4との熱伝導性を考慮して使用材料を決定しても良い。
先端側PN接合部7の表面には、電気絶縁性を有し、且つ熱伝導性の高い熱交換プレート13が接合されている。つまり、先端側PN接合部7は、熱交換プレート13と熱的に接合されている。熱交換プレート13はいわゆる円板形状を有しており、筐体2の内周面に接する側面を有する。熱交換プレート13は、一方の底面にて先端側PN接合部7と接合され、他方の底面において針部14と熱的に接合されている。針部14は、例えば円錐体であり、筐体2の軸線方向、すなわちN型及びP型半導体プレート3,4の長手方向と平行な軸線を有する。
尚、針部14は、N型及びP型半導体プレート3,4の長手方向と平行な軸線を有していれば、様々な形状を採用することができる。また、熱交換プレート13は、先端側PN接合部7及び針部14との間の熱伝導を円滑に行うことができれば、上記の例に限定されない。熱交換プレート13は、例えばアルミナ(Al23)を材料として形成されたセラミックス体であるが、他の材料を採用しても構わない。
針部14は、熱交換プレート13からN型及びP型半導体プレート3,4の位置する方向とは逆側に向けて突出している。また、針部14は、先端部側に向かうほど直径が縮小されており、最も先端側に位置する針先端部14Aにおける直径は数μm程度となっている。針先端部14Aは、例えば針部14の中心軸上に配置されている。
尚、針部14を構成する材料としては、熱伝導性の優れた材料、例えば銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、アルミ(Al)、ニッケル(Ni)等が挙げられる。また、本実施例では、針部14と熱交換プレート13とを別部材としているが、双方の部材を一体的
に形成しても良い。すなわち、針部14は、先端側PN接合部7との関係で相互に熱伝導可能な態様であれば、他の様々な形態を採用できる。
ペルチェモジュール1は、直流電源10から所定の電圧を印加することで得られるペルチェ効果を利用して針先端部14Aを冷却する冷却機能(吸熱機能)を発揮する。すなわち、針先端部14Aは、ペルチェモジュール1における冷却対象部としての意義を有する。そして、冷却された針先端部14Aは、例えば細胞組織などの被冷却部と接触させて用いられる結果、当該被冷却部が冷却される。
直流電源10から電圧が印加されると、直列回路には、直流電源10の正側端子→基端正側電極11→N型半導体プレート3→先端側PN接合部7→P型半導体プレート4→基端負側電極12→直流電源10の負側端子の方向に電流が流れる。
N型及びP型半導体の接合部に直流電流を流した場合、N型半導体からP型半導体に向けて電流が流れる接合部(以下、「N→P接合部」と表記する)には吸熱現象が生じる「吸熱部」が形成され、P型半導体からN型半導体に向けて電流が流れる接合部(以下、「P→N接合部」と表記する)には放熱現象が生じる「放熱部」が形成される。この例では、先端側PN接合部7が「N→P接合部」に該当し、基端正側電極11及び基端負側電極12が「P→N接合部」に該当する。
より詳しく述べると、直流電源10からの電圧が印加された場合、N型半導体プレート3においては電流の流れる方向(以下、「通電方向」という)とは逆向きに電子が移動し、P型半導体プレート4においては通電方向と同じ方向に正孔が移動する。N型半導体プレート3の伝導帯と先端側PN接合部7の伝導帯との間、及びN型半導体プレート3と基端正側電極11との間にはポテンシャルエネルギーのギャップが存在する。
そのため、先端側PN接合部7からN型半導体プレート3へと電子が移動する際に、電子が先端側PN接合部7から熱を吸収する結果、先端側PN接合部7が冷却される。一方、N型半導体プレート3から基端正側電極11に電子が移動する際に、電子から熱が放出される結果、基端正側電極11が加熱される。
同様に、P型半導体プレート4の伝導帯と先端側PN接合部7の伝導帯との間、及びP型半導体プレート4と基端負側電極12との間にはポテンシャルエネルギーのギャップが存在する。従って、先端側PN接合部7側から基端負側電極12側に向けてP型半導体プレート4内を移動する正孔によって、先端側PN接合部7が吸熱されると共に、基端負側電極12からの放熱が行われる。その結果、先端側PN接合部7が冷却され、且つ基端負側電極12が加熱されるペルチェ効果が発揮される。
以上のように、実施例1に係るペルチェモジュール1では、先端側PN接合部7から吸収された熱が電子や正孔等の荷電粒子によって輸送され、基端正側電極11及び基端負側電極12から放出される。本実施例における先端側PN接合部7は、吸熱部の一例として挙げられる。また、基端正側電極11及び基端負側電極12の各々は、放熱部の一例として挙げられる。
先端側PN接合部7及び熱交換プレート13、並びに熱交換プレート13及び針部14は熱的に接合されているため、先端側PN接合部7、熱交換プレート13及び針部14での各部材間では熱伝導が生じる。すなわち、より高温側の針先端部14Aから、ペルチェ効果により冷却されることで低温化された先端側PN接合部7に向かって、熱が伝導する。その結果、針先端部14Aが冷却される。本実施例における熱交換プレート13は熱交換部の一例として挙げられる。また、N型半導体プレート3とP型半導体プレート4の各
々は熱電変換プレートの一例として挙げられる。
ペルチェ効果に係る熱の輸送方向と、先端側PN接合部7〜針部14間における熱の伝導方向の関係について着目する。ここでのペルチェ素子とは、一対のN型及びP型半導体プレート3,4が電気的に接合されることで形成され、ペルチェ効果を奏する熱電変換素子を指す。
図5に、ペルチェモジュールが冷却機能を発揮する場合のペルチェ効果に係る熱の輸送方向と、熱の伝導方向とを模式的に示す。ペルチェモジュール1に冷却機能を発揮させる場合、ペルチェ効果に係る熱の輸送方向は、荷電粒子の移動方向であるN型及びP型半導体プレート3,4の長手方向、すなわち筐体2の軸線と平行であり、先端側PN接合部7(吸熱部)から基端正側電極11、基端負側電極12(放熱部)へと向かう方向に一致する。一方、先端側PN接合部7〜針部14における熱の伝導方向は、冷却対象部としての針先端部14Aから先端側PN接合部7へと向かう方向に一致する。
これによれば、冷却対象部(針先端部14A)、吸熱部(先端側PN接合部7)、放熱部(基端正側電極11、基端負側電極12)がこれらの順にペルチェモジュールの軸方向に沿って配置されることになる。その結果、吸熱部から放熱部へと向かうペルチェ効果に係る熱の輸送方向と、先端側PN接合部7〜針部14における熱の伝導方向とが一致する。
つまり、図15に示した従来例のように、上記熱の輸送方向と熱の伝導方向とが大きく相違することがなく、ペルチェモジュール1によれば、針先端部14Aから伝導されてくる熱をより効率良く先端側PN接合部7にて吸収し、基端正側電極11及び基端負側電極12にて効率的に放出することができる。したがって、針先端部14Aの冷却効率が向上し、ペルチェモジュール1の冷却機能を向上させることができる。
<変形例1>
実施例1の変形例として、ペルチェモジュール1に加熱機能を発揮させ、針先端部14Aを加熱対象部として加熱する例を説明する。変形例1では、直流回路の通電方向を実施例1と逆転させる。すなわち、例えば直流電源10の正側端子を基端負側電極12にリード線を介して接続し、直流電源10の負側端子を基端正側電極11にリード線を介して接続する。その結果、直列回路には、直流電源10の正側端子→基端負側電極12→P型半導体プレート4→先端側PN接合部7→N型半導体プレート3→基端正側電極11→直流電源10の負側端子の方向に電流が流れる。尚、本変形例において、基端正側電極11及び基端負側電極12の接続先を実施例1における接続先と入れ替えるに際して、周知の切り替えスイッチ機構を用いても良いのは勿論である。
ペルチェモジュール1に加熱機能を発揮させる場合、基端正側電極11及び基端負側電極12がN→P接合部に該当するため、吸熱現象が生じる。一方、先端側PN接合部7がP→N接合部に該当するため、放熱現象が生じる。したがって、ペルチェモジュール1に冷却機能を発揮させる場合と比べて、ペルチェモジュール1の吸熱部と放熱部とが相互に入れ替わることになる。
その結果、基端正側電極11及び基端負側電極12から吸収された熱が荷電粒子によって先端側PN接合部7に向かって輸送され、当該先端側PN接合部7から放出される。これにより、基端正側電極11及び基端負側電極12が冷却されると共に先端側PN接合部7が加熱されるペルチェ効果が発揮される。変形例1では、先端側PN接合部7が放熱部の一例として挙げられ、基端正側電極11と基端負側電極12の各々が吸熱部の一例として挙げられる。
ペルチェ効果によって加熱された先端側PN接合部7の熱は、熱交換プレート13、針部14に伝導されるため、最終的に針先端部14Aを加熱することができる。針部14における針先端部14Aは、例えば細胞組織などの被加熱部を加熱するために、当該被加熱部と接触させられる。変形例1において、熱交換プレート13は熱交換部の一例として挙げられる。また、N型半導体プレート3とP型半導体プレート4の各々は熱電変換プレートの一例として挙げられる。
ペルチェモジュール1に加熱機能を発揮させる場合、ペルチェ効果に係る熱の輸送方向は、同モジュール1に冷却機能を発揮させる場合と逆になる。すなわち、N型及びP型半導体プレート3,4の長手方向と平行であり、且つ基端正側電極11及び基端負側電極12側(吸熱部)から先端側PN接合部7(放熱部)へと向かう方向に一致する。一方、先端側PN接合部7〜針部14間における熱の伝導方向は、先端側PN接合部7から加熱対象部としての針先端部14Aへと向かう方向に一致する。
これによれば、加熱対象部(針先端部14A)、放熱部(先端側PN接合部7)、吸熱部(基端正側電極11、基端負側電極12)がこれらの順にペルチェモジュールの軸方向に沿って配置されることになる。その結果、吸熱部から放熱部へと向かうペルチェ効果に係る熱の輸送方向と、先端側PN接合部7〜針部14における熱の伝導方向とが一致する。これによれば、針先端部14Aに伝導するための熱を効率良く基端正側電極11及び基端負側電極12にて吸収し、吸収した熱をPN接合部7にて効率的に放出することが可能となる。その結果、針先端部14Aの加熱効率が向上し、ペルチェモジュール1の加熱機能を向上させることができる。
<実施例2>
次に、実施例2に係るペルチェモジュールを説明する。実施例2において実施例1と共通する部材は、同一の参照符号を付すことでその詳しい説明を省略する。実施例2では、N型半導体プレート3及びP型半導体プレート4を交互、且つ直列に接合して直列回路を形成する。すなわち、1組のN型半導体プレート3とP型半導体プレート4とからなるペルチェ素子を複数、直列に接合する。
図6は、実施例2に係るペルチェモジュール1Aの主要構造を示した概略構成図である。図7は、図6におけるA−A矢視図である。図8は、図6におけるB−B矢視断面図である。図9は、図6におけるC−C矢視図である。ここでは、2組のペルチェ素子を直列に接合した場合を例に説明する。
筐体2の内部には、2個ずつのN型及びP型半導体プレート3,4が筐体2の軸線方向に沿って配置されている。N型及びP型半導体プレート3,4の各々は、筐体2における軸線の直交断面内において並列に、且つ互いの長手方向が筐体2の軸線と平行となるように配置されている。また、筐体2の先端部には、実施例1と同等の針部14が突出しており、当該針部14の軸線は筐体2の軸線方向、すなわちN型及びP型半導体プレート3,4の長手方向と平行である。また、ペルチェモジュール1Aも、実施例1と同等の熱交換プレート13を備え、針部14と熱的に接合されている。
N型及びP型半導体プレート3,4は、長手方向が筐体2の軸線方向と平行になるように支持部材5Aに支持されている。支持部材5Aは、筐体2の軸線と同軸を有する軸部材である。支持部材5Aは、凹溝6の配置パターンを除いて実施例1に係る支持部材5と同等である。支持部材5Aには、当該支持部材5Aの軸線方向に沿って平行な4つの凹溝6が形成されている。本実施例における支持部材5Aは、各側面に凹溝6が一つずつ形成された四角柱体である。図8に示すように、各凹溝6は、支持部材5Aの軸線廻りの角度が
90°ずつ相違する位置に配置されている。
図8に示すように、各凹溝6に対してN型及びP型半導体プレート3,4が嵌合及び固定されている。したがって、N型半導体プレート3とP型半導プレート4とは、支持部材5Aの軸線を中心に放射状に配置される。対向する凹溝6同士には、同種(同型)の半導体プレート同士が固定されている。そのため、支持部材5A(筐体2)の軸線廻りに、N型半導体プレート3とP型半導プレート4とが交互に配置される。
一のN型半導体プレート(以下、符号3Aにて表す)における基端部側の端面と、一のP型半導体プレート(以下、符号4Aにて表す)における基端部側の端面には、それぞれ基端正側電極11と基端負側電極12が配設されている。基端正側電極11はリード線を介して直流電源10の正側端子と接続され、基端負側電極12はリード線を介して直流電源10の負側端子と接続されている。
一のN型半導体プレート3Aと一のP型半導体プレート4Aとの間には、他のP型半導体プレート(以下、符号4Bにて表す)と他のN型半導体プレート(以下、符号3Bにて表す)のそれぞれが直列に電気的に接合される。すなわち、一のN型半導体プレート3Aと、他のP型半導体プレート4Bとにおける先端部側の端面同士は、先端側PN接合部7Aによって電気的に接合されている(図9参照)。一のP型半導体プレート4Aと、他のN型半導体プレート3Bとにおける先端部側の端面同士は、先端側PN接合部7Bによって電気的に接合されている(図9参照)。
先端側PN接合部7A,7Bは、実施例1に係る先端側PN接合部7と同等の部材である。他のP型半導体プレート4Bと、他のN型半導体プレート3Bとにおける基端部側の端面同士は、基端側PN接合部8によって電気的に接合されている(図7参照)。基端側PN接合部8の材料としては、先端側PN接合部7A,7B、基端正側電極11、基端負側電極12と同様に銅(Cu)を使用しているが、これに限られるものではなく、例えばタングステン、モリブデン等を用いても良い。なお、基端正側電極11、基端負側電極12、基端側PN接合部8の各々は相互に絶縁されている。また、各先端側PN接合部7A,7Bは互いに絶縁されている。
また、筐体2の基端部側には、基端正側電極11及び基端負側電極12を冷却するための冷却ユニット15が設けられている。冷却ユニット15は、例えば図示しないヒートシンク(放熱器)及びファンを有し、基端正側電極11及び基端負側電極12からの放熱を促進させる。また、放熱ユニット15は、例えばヒートパイプを備え、当該ヒートパイプの内部に封入した作動液の蒸発(潜熱の吸収)および凝縮(潜熱の放出)のサイクルを利用して排熱を行っても良いし、他の構成を採用しても良い。基端正側電極11及び基端負側電極12からの放熱を促すことにより、先端側PN接合部7A,7Bでの吸熱量が確保され、ペルチェモジュール1の冷却能力の維持が図られる。
上記構成によれば、直流電源10の正側端子、基端正側電極11、N型半導体プレート(3A,3B)、P型半導体プレート4(4A,4B)、先端側PN接合部7(7A,7B)、基端側PN接合部8、基端負側電極12、直流電源10の負側端子を含んで直流回路が形成されている。当該直流回路に直流電源10からの電圧が印加されると、ペルチェモジュール1Aは冷却機能(吸熱機能)を発揮する。
すなわち、直流電源10から電圧が印加されると、直流電源10の正側端子→基端正側電極11→N型半導体プレート3A→先端側PN接合部7A→P型半導体プレート4B→基端側PN接合部8→N型半導体プレート3B→先端側PN接合部7B→P型半導体プレート4A→基端負側電極12→直流電源10の負側端子の方向に電流が流れる。したがっ
て、先端側PN接合部7A,7Bが吸熱部となり、基端正側電極11、基端負側電極12、及び基端側PN接合部8が放熱部となる。すなわち、ペルチェ効果によって、先端側PN接合部7A,7Bから吸収された熱が荷電粒子によって輸送され、基端正側電極11、基端負側電極12、及び基端側PN接合部8から放出される。その結果、先端側PN接合部7A,7Bが冷却され、且つ基端正側電極11、基端負側電極12、及び基端側PN接合部8が加熱される。
熱交換プレート13は、各先端側PN接合部7A,7B及び針部14の双方と熱的に接合されている。したがって、より高温側の針部14からより低温側の先端側PN接合部7A,7Bに向かって熱が伝導し、針先端部14Aが冷却される。本実施例において、各先端側PN接合部7A,7Bは吸熱部の一例として挙げられる。基端正側電極11、基端負側電極12、及び基端側PN接合部8は放熱部の一例として挙げられる。また、熱交換プレート13は熱交換部の一例として挙げられる。また、N型半導体プレート3は第1導電型プレートの一例、P型半導体プレート4は第2導電型プレートの一例として挙げられる。
ペルチェ効果に係る熱の輸送方向は、N型及びP型半導体プレート3,4の長手方向と平行であり、先端側PN接合部7A,7Bから基端正側電極11、基端負側電極12、及び基端側PN接合部8へと向かう方向に一致する。一方、先端側PN接合部7〜針部14における熱の伝導方向は、冷却対象部としての針先端部14Aから先端側PN接合部7A,7Bへと向かう方向に一致する。
したがって、実施例1に係るペルチェモジュール1と同様、冷却対象部(針先端部14A)、吸熱部(先端側PN接合部7A,7B)、放熱部(基端正側電極11、基端負側電極12、基端側PN接合部8)がこれらの順にペルチェモジュールの軸方向に沿って配置される。その結果、吸熱部から放熱部へと向かうペルチェ効果に係る熱の輸送方向と、先端側PN接合部7〜針部14における熱の伝導方向とが一致するため、針先端部14Aの冷却効率が向上する。
ところで、ペルチェモジュール1Aは、実施例1に係るペルチェモジュール1に比して、N型及びP型半導体プレート3,4を交互かつ直列に接合する接合数、すなわちペルチェ素子の接合数が多い。例えば、ペルチェモジュールが有するペルチェ素子の総容積が等しい場合、ペルチェ素子を接合する接合数が多いほどペルチェ効果に係る熱の輸送量が増加する。更には、ペルチェ素子同士を直列に接合する場合、並列接合する場合に比して各接合部に流れる電流の量を低減でき、ジュール熱の発生量も低減できる。
しかし、ペルチェ素子同士の直列接合に際して、図15に示した従来例のように、熱交換プレート53A、54A、53B、54Bの各々が針部32の軸線に対して平行に設置してしまうと、ペルチェ効果に係る熱の輸送方向が針部の軸線と直交方向となってしまう。したがって、この構成においてN型及びP型半導体プレートを交互に連続して接合していくと、各々の吸熱部が針部の軸線方向に沿って並んで配置される。
ここで、ペルチェモジュールに係る各吸熱部と針先端部との距離、すなわち、熱の伝導経路が長くなると冷却効率の悪化に繋がるおそれがある。したがって、各吸熱部を針部の軸線方向に沿って並んで形成させる場合には、ペルチェ素子の接合数の増加に伴い、各吸熱部から針先端部までの熱伝導経路の平均距離が長くなる。そのため、ペルチェ素子の接合数が多い割にはペルチェモジュールに係る冷却機能の向上に繋がらない可能性がある。
これに対し、本実施例に係るペルチェモジュール1Aの場合、各N型及びP型半導体プレート3,4の長手方向が、筐体2及び針部14の軸線に対して平行である。そのため、
ペルチェ素子の接合数にかかわらず、各吸熱部(先端側PN接合部7A,7B)が熱交換プレート13の底面に接触して配置される。ここで、熱交換プレート13の底面と針先端部14Aとにおける距離は不変である。よって、本実施例によれば、ペルチェ素子の接合数を増やしても熱伝導経路の平均距離が長くなることが抑止され、以ってペルチェモジュール1Aに係る冷却機能の向上を好適に図ることができる。
更に、図15に示した従来例のように、ペルチェモジュールに係る各々の放熱部が針部の軸線方向に沿って並んで配置されると、各放熱部からの放熱を促進させるための冷却ユニットを設ける場合、当該冷却ユニットをコンパクトにすることが難しいという実情がある。これに対して、本実施例によれば、放熱部として機能する基端正側電極11及び基端負側電極12が筐体2の基端部に集約される。そのため、冷却ユニット15及びペルチェモジュールのコンパクト化を可能とし、製造コストの削減も図ることができる。
<変形例2>
実施例2の変形例として、ペルチェモジュール1Aに加熱機能を発揮させ、針先端部14Aを加熱対象部として加熱することができる。この場合、変形例1と同様、直流回路に流れる電流の向きを、冷却機能を発揮させるときに比べて逆転させる。その結果、先端側PN接合部7A,7Bには放熱現象が生じる放熱部が形成され、基端正側電極11、基端負側電極12、及び基端側PN接合部8には吸熱現象が生じる吸熱部が形成される。すなわち、ペルチェ効果によって、基端正側電極11、基端負側電極12、及び基端側PN接合部8から吸収された熱が先端側PN接合部7A,7Bに向かって輸送され、当該先端側PN接合部7A,7Bが加熱される。加熱された先端側PN接合部7A,7Bの熱は、熱交換プレート13、針部14に伝導され、最終的に針先端部14Aが加熱される。
ペルチェモジュール1Aに加熱機能を発揮させる場合、ペルチェ効果に係る熱の輸送方向は、同モジュール1に冷却機能を発揮させる場合と逆である。すなわち当該熱の輸送方向はN型及びP型半導体プレート3,4の長手方向と平行であり、且つ基端正側電極11、基端負側電極12、及び基端側PN接合部8から先端側PN接合部7A,7Bへと向かう方向に一致する。一方、先端側PN接合部7〜針部14における熱の伝導方向は、先端側PN接合部7A,7Bから加熱対象部としての針先端部14Aに向かう方向である。
したがって、実施例1に係るペルチェモジュール1と同様、加熱対象部(針先端部14A)、放熱部(先端側PN接合部7A,7B)、吸熱部(基端正側電極11、基端負側電極12、基端側PN接合部8)がこれらの順にペルチェモジュールの軸方向に沿って配置される。その結果、吸熱部から放熱部へと向かうペルチェ効果に係る熱の輸送方向と、先端側PN接合部7〜針部14における熱の伝導方向とが一致するため、針先端部14Aの加熱効率が向上する。変形例2においては、各先端側PN接合部7A,7Bは放熱部の一例として挙げられ、基端正側電極11、基端負側電極12、及び基端側PN接合部8は吸熱部の一例として挙げられる。また、N型半導体プレート3は第1導電型プレートの一例、P型半導体プレート4は第2導電型プレートの一例として挙げられる。
<実施例3>
次に、実施例3に係るペルチェモジュールを説明する。実施例3に係るペルチェモジュールでは、直列に接合されるペルチェ素子の接合数を実施例2に比べて増加させた例を説明する。ここでは、6組のペルチェ素子を直列に接合する場合を例に説明する。図10は、実施例3に係るペルチェモジュール1Bの主要構造を示した断面図である。図11は、図10におけるA−A矢視図である。図12は、図10におけるB−B矢視断面図である。図13は、図10におけるC−C矢視図である。
筐体2の内部には、6対のN型及びP型半導体プレート3,4が筐体2の軸線方向に沿
って配置されている。N型及びP型半導体プレート3,4の各々は、筐体2における軸線の直交断面内において並列に、且つ互いの長手方向が筐体2の軸線と平行となるように支持部材5Bに支持されている。支持部材5Bは、軸線方向に沿って12本の互いに平行な凹溝6が形成された円柱体であり、当該支持部材5Bの軸線直交断面はいわゆる歯車形状となっている。
図12に示すように、各凹溝6に対してN型及びP型半導体プレート3,4が嵌合及び固定されている。各凹溝6は、支持部材5Bの軸線を中心として30°毎の位置に配置されている。したがって、N型及びP型半導プレート3,4は、支持部材5Bの軸線(すなわち、針部14の軸線)を中心に放射状に配置される。隣接する凹溝6同士には、それぞれ異種の半導体プレートが配置されている。そのため、支持部材5B(筐体2)の軸線廻りには、N型半導体プレート3及びP型半導プレート4が交互に隣接するように放射状に配置される。
一のN型半導体プレート(図中、符号3Aにて表す)における基端部側の端面には既述の基端正側電極11が配設されている。また、当該一のN型半導体プレート3Aに隣接する一のP型半導体プレート(図中、符号4Aにて表す)における基端部側の端面には、既述の基端負側電極12が配設されている(図11参照)。一のN型半導体プレート3Aと一のP型半導体プレート4Aとの間には、他の(残りの)P型半導体プレート4とN型半導体プレート3がそれぞれ交互に、直列に接合される。N型及びP型半導体プレート3,4の接合に際して、先端部側の端面同士は先端側PN接合部7によって接合され(図13参照)、基端部側の端面同士は基端側PN接合部8によって接合される(図11参照)。
尚、基端正側電極11、基端負側電極12、基端側PN接合部8の各々は相互に絶縁されている。また、先端側PN接合部7の各々は相互に絶縁されている。このように構成された直流回路に直流電源10からの電圧が印加されると、ペルチェモジュール1Bは冷却機能(吸熱機能)を発揮する。また、ペルチェモジュール1Bに加熱機能を発揮させる場合には、冷却機能を発揮させるときに比べて直流回路に流れる電流の向きを逆転させれば良い。
本実施例では、N型及びP型半導プレート3,4を、針部14の軸線を中心として放射状に配置する。これによれば、ペルチェモジュール1Bが冷却機能を発揮する場合には吸熱部となる一方で、加熱機能を発揮する場合には放熱部となる先端側PN接合部7を、筐体2内部の中心側の領域では密集して配置させることができる。更には、冷却又は加熱対象部となる針先端部14Aは、針部14の中心軸上に配置されている。したがって、先端側PN接合部7と針先端部14Aとの間の熱の授受が円滑に行われ易くなる。更に、この構成によれば、筐体2内部の軸線直交断面内において、熱伝導に伴う温度分布を針部14の中心軸に対して対称に形成することができる。そのため、上記軸線直交断面内における温度分布が針部14の中心軸に対して過度に偏ることを抑制できる。よって、本構成によれば、ペルチェモジュール1Bが冷却機能を発揮する際には針先端部14Aの冷却を促進させることができ、加熱機能を発揮する際には針先端部14Aの加熱を促進させることができる。
以上述べた実施形態において、実施例2及び3に係るペルチェモジュールでは、複数のペルチェ素子を直列に接続する場合を例に説明したが、並列に接合しても良い。
また、本実施形態に係るペルチェモジュールは、P型又はN型の単一の半導体プレートを用いてペルチェ素子を形成しても構わない。例えば、単一のP型半導体プレート4を、長手方向が筐体2の軸線と平行になるように配置し、当該P型半導体プレート4の先端部側及び基端部側のそれぞれの端面に電極を配設する。そして、先端部側の端面に設けられ
た電極を直流電源10の正側又は負側の何れか一方の端子に接続し、基端部側の端面に設けられた電極を他方の端子に接続すると共に、先端部側の端面に設けられた電極を熱交換プレート13と熱的に接合しても良い。また、本実施形態に係るペルチェモジュールは、同型(P型又はN型)の半導体プレートを複数個、並列に接合しても良い。このように、単数又は複数からなる同型(P型又はN型)の半導体プレートを用いる場合、ペルチェモジュールにおける製造コストの削減効果を奏する。
次に、本実施形態に係るペルチェモジュールの用途について説明する。本実施形態に係るペルチェモジュールは、先端径が数μm程度となるように形成された針部14を備えるため、細胞組織等などの局所を冷却、又は加熱するのに都合が良い。例えば、人体などに発現した患部を、凍結手術や温熱療法によって治療する際に適用しても良い。ペルチェモジュールにおける冷却機能及び加熱機能の切り替えは、ペルチェモジュールに流す電流の向きを逆転することで容易に行うことができる。
なお、本実施形態に係る針部14の先端構造は、適宜の変更を採用することができる。例えば、図14に示すように、針部14の先端部にカンチレバー14Bを取り付けても良い。カンチレバー14Bは、例えば原子間力顕微鏡やリソグラフィー等の用途で用いられる如く、先端部の曲率半径が10nm程度のものを採用しても良い。この場合、細胞を構成している染色体、ミトコンドリア、細胞壁などを単独で冷却又は加熱することができる。なお、針部14に対するカンチレバー14Bの接合方法は、例えば固定用治具14Cを用いて固定する方法、導電性樹脂等を介して接合する方法等が挙げられる。
また、微粒子は温度変化による離合集散特性を有するため、本実施形態に係るペルチェモジュールは、微粒子の離合、集散に係る制御に用いることもできる。例えば、針先端部14Aを微粒子が存在する液体等に接触させた状態でペルチェモジュールに冷却機能を発揮させる。これにより、微粒子を冷却することにより集合させることができる。同様に、ペルチェモジュールに加熱機能を発揮させて微粒子を加熱することにより、微粒子を散逸させることができる。
また、本実施形態に係るペルチェモジュールは、固体、液体、又は気体の流れや振動が存在する場所で、局所的に針先端部14Aを接触させることにより、固体、液体、又は気体の流れや振動を制御する用途に適用することができる。また、針部14をパイプ状にするなどして空洞部を形成し、当該空洞部に気体又は液体等の流体を通過させることで、流体の流れを制御しても良い。
なお、本実施形態に係るペルチェモジュールは、冷却機能及び加熱機能のうち少なくとも何れかの機能を発揮するものであれば良い。また、本実施形態には、本旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得る。
1 ペルチェモジュール
2 筐体
3 N型半導体プレート
4 P型半導体プレート
5 支持部材
7 先端側PN接合部
10 直流電源
11 基端正側電極
12 基端負側電極
13 熱交換プレート
14 針部
14A 針先端部

Claims (7)

  1. 複数組の第1導電型プレート及び複数組の第2導電型プレートと、
    前記複数組の第1導電型プレート及び前記複数組の第2導電型プレートの長手方向の先端面同士を電気的に直列に接合する導電性の先端側接合部と、
    前記複数組における一の第1導電型プレートの長手方向の基端面と、前記複数組における一の第2導電型プレートの長手方向の基端面とにそれぞれ設けられる電極と、
    前記複数組における他の第1導電型プレートの長手方向の基端面と、前記複数組における他の第2導電型プレートの長手方向の基端面とを電気的に直列に接合する導電性の基端側接合部と、
    前記先端側接合部と熱的に接合されると共に前記先端側接合部における前記第1導電型プレート及び前記第2導電型プレートとの接合面と反対側に配置される熱交換部と、
    前記複数組の第1導電型プレート及び前記複数組の第2導電型プレートの長手方向と平行な軸線を有し、且つ前記熱交換部から前記複数組の第1導電型プレート及び前記複数組の第2導電型プレートの逆側に向けて突出する針部と、
    を備えることを特徴とするペルチェモジュール。
  2. 前記第1導電型プレート及び第2導電型プレートの長手方向に沿った側面同士が互いに対向するように支持し、且つ、前記第1導電型プレート及び第2導電型プレートの長手方向の両端面の位置が互いに揃うように支持する支持部材を、更に備えることを特徴とする請求項1に記載のペルチェモジュール。
  3. 前記支持部材の軸線廻りに、前記第1導電型プレート及び前記第2導電型プレートが交互に隣接するように配置されることを特徴とする請求項2に記載のペルチェモジュール。
  4. 記第1導電型プレート及び第2導電型プレートが交互に接合されて直列回路が形成され、
    前記直列回路に一の方向から電流を流した時に、前記一端側の端面では前記第1導電型プレートから前記第2導電型プレートへと電流が流れ、且つ前記他端側の端面では前記第2導電型プレートから前記第1導電型プレートへと電流が流れることを特徴とする請求項
    から3の何れか一項に記載のペルチェモジュール。
  5. 前記第1導電型プレート及び第2導電型プレートは、前記針部の軸線を中心として放射状に配置されることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のペルチェモジュール。
  6. 前記第1導電型プレートは、Bi2Te2.85Se0.15、N型Si0.8Ge0.2、N型PbTeの少なくとも何れかを含むことを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載のペルチェモジュール。
  7. 前記第2導電型プレートは、Bi0.5Sb1.5Te3、P型Si0.8Ge0.2、P型PbTeの少なくとも何れかを含むことを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載のペルチェモジュール。
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