JP5498269B2 - 電磁式開閉弁 - Google Patents
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Description
上記発明において、前記パイロット弁体及び前記主弁体は、それらに挿通されているパイロットピンによって連動可能に連結されており、前記パイロットピンは、前記主弁体が開方向に押された時に前記パイロット弁体及び前記主弁体のいずれか一方に当接しないように設けられていることが好ましい。
前記第8離間距離は、前記第6離間距離より大きくなっていることが好ましい。
本発明の第1実施形態に係る電磁式開閉弁1は、天然ガスエンジンや燃料電池等のガス消費器に供給するガスを貯蔵する高圧タンク(図示せず)に設けられている。電磁式開閉弁1は、高圧タンクとガス消費器とを繋ぐ給排通路が形成されたバルブブロック(図示しない)に一体的に形成されており、バルブブロックと共に高圧タンクの開口部に設けられて該開口部を塞いでいる。電磁式開閉弁1は、高圧タンク内のガスの排出を制御すると共に、高圧タンク内へのガスの充填ができるようになっている。以下では、電磁式開閉弁1の構成を図1〜図5を参照しつつ説明する。
電磁式開閉弁1は、ハウジング2を備えている。ハウジング2は、バルブブロックに一体成型されているハウジング本体3と、後述する電磁ソレノイド31を収容するソレノイドケース4とを有している。ハウジング本体3は、上下方向に延びる軸線L1に沿って延在する貫通孔5を有している。貫通孔5は、上下両端が開口しており、上側の領域である弁室5aが下側の領域である給排通路5bに対して大径になっている。給排通路5bの弁室5aに臨む開口の周りには、主弁座6が形成されている。主弁座6は、上方に向かって突出する円環状の突起部であり、その先端の内側に円形の弁口7を形成している。また、弁室5aには、その上側開口からガイド部材8が挿入されている。
以下では、開弁状態にある電磁式開閉弁1を開弁する場合について、図3を参照しながら説明する。電磁ソレノイド31に電流を流すと、コイル線33が励磁して励磁力を発生し、プランジャ12を固定磁極30の方に吸引する。これによりプランジャ12が開方向に移動する。プランジャ12が開方向に距離A1移動すると、連結ピン28がパイロット弁体11の上側内周面に当たる。そのままプランジャ12を開方向に移動させると、パイロット弁体11が連結ピン28を介して開方向に持ち上げられる。他方、パイロット弁体11の下側内周面とパイロットピン25との間が隙間A5空いているため、主弁体10は、弁口閉位置に位置したままとなっている。従って、パイロット弁体11は、主弁体10に対して開方向に相対移動し、パイロット弁座20から離れる(通路開位置)。これにより、パイロット通路18が開く。
開弁状態において、電磁ソレノイド31に流す電流を止めると、励磁力が無くなり、第2スプリング34の付勢力によってプランジャ12が下方(閉方向)に移動する。これに伴って第1スプリング29に付勢されているパイロット弁体11も閉方向に移動し、やがてパイロット弁体11がパイロット弁座20に着座してパイロット通路18を閉じる。着座した後は、パイロット弁体11が主弁体10を閉方向に押すので、主弁体10もプランジャ12及びパイロット弁体11と共に閉方向に移動する。やがて、主弁体10が主弁座6に着座して弁口7を閉じ、プランジャ12が段部8aに支持され、電磁式開閉弁1が閉弁状態になる(図2参照)。
次に、高圧タンク内にガスを充填する場合について、図4を参照しながら説明する。高圧タンク内にガスを充填する場合、充填すべきガス(単に、「充填ガス」ともいう)を給排ポート3cから給排通路5bに供給する。そうすると、主弁体10は、充填ガスから開方向の作用力を受けて開方向に移動し、主弁座6から離れる。これにより弁口7が開き、給排通路5bの充填ガスが弁口7、タンク側空間15及びタンクポート3bを介して高圧タンク内に導かれ(図4の矢符B参照)、高圧タンク内にガスが充填される。
最後に電磁式開閉弁1を手動操作用ロッド36によって手動開閉する場合について、図5を参照しながら説明する。閉弁状態では、手動操作用ロッド36の先端で前述するように主弁体10の下端から離れており、手動操作用ロッド36を締付工具によって回すことで上方に移動させる。上方に移動させることで、やがて手動操作用ロッド36の先端が主弁体10に当り、そして手動操作用ロッド36によって主弁体10が持ち上げられる。これにより主弁体10が主弁座6から離れて弁口7が開き、高圧タンク内のガスをタンクポート3b及びタンク側空間15を介して給排通路5bに排出することができる(図5参照の矢符C参照)。
電磁式開閉弁1では、パイロット弁シート部23が経年劣化や使用状況により塑性変形することがある。この塑性変形によりパイロット弁体11が閉方向に隙間A6と同じ距離だけ下がると、弁本体22がストッパ部21に当たり、パイロット弁体11がそれ以上下がることが規制されている。隙間A6は、隙間A1及び隙間A4より小さくなっている。それ故、パイロット弁シート部23が塑性変形しても、パイロット弁体11がパイロットピン25及び連結ピン28に引っ掛かってパイロット弁シート部23がパイロット弁座20から浮き上がり、これによりパイロット通路18から漏れが生じてしまうことを防ぐことができる。
本発明の第2実施形態に係る電磁式開閉弁1Aは、第1実施形態に係る電磁式開閉弁1と構成が類似している。そこで、第2実施形態に係る電磁式開閉弁1Aの構成に関して第1実施形態の電磁式開閉弁1と異なる構成についてだけ説明し、同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
以下では、閉弁状態にある電磁式開閉弁1Aを開弁する場合について、図8を参照しながら説明する。電磁ソレノイド31に電流を流すと、プランジャ12Aが固定磁極30の方に吸引されてプランジャ12Aが開方向に移動する。この際、パイロット弁体11Aは、内向きフランジ42aに支持されて開方向に持ち上げられる。他方、プランジャ12Aの内周面と連結ピン28との間が隙間A13空いているため、主弁体10は、弁口閉位置に位置したままとなっている。従って、パイロット弁体11Aは、主弁体10に対して開方向に相対移動し、パイロット弁座20から離れる(通路開位置)。これにより、パイロット通路18が開く。
開弁状態において、電磁ソレノイド31に流す電流を止めると、第2スプリング34の付勢力によってプランジャ12Aが下方(閉方向)に移動する。これに伴ってパイロット弁体11Aも閉方向に移動し、やがてパイロット弁体11Aがパイロット弁座20に着座してパイロット通路18を閉じる。着座した後、このパイロット弁体11Aによって主弁体10が閉方向に押されて閉方向に移動する。やがて、主弁体10が主弁座6に着座して弁口7を閉じ、電磁式開閉弁1Aが閉弁状態になる(図7参照)。
次に、高圧タンク内にガスを充填する場合について、図9を参照しながら説明する。充填ガスを給排ポート3cから給排通路5bに供給すると、主弁体10が充填ガスからの作用力により開方向に移動し、主弁座6から離れる。これにより弁口7が開き、給排通路5bの充填ガスが弁口7、タンク側空間15及びタンクポート3bを介して高圧タンク内に導かれ(図9の矢符E参照)、高圧タンク内にガスが充填される。
最後に電磁式開閉弁1Aを手動操作用ロッド36によって手動開閉する場合について、図10を参照しながら説明する。閉弁状態では、手動操作用ロッド36の先端で主弁体10の下端から離れており、手動操作用ロッド36を締付工具によって回すことで上方に移動させる。上方に移動させることで、やがて手動操作用ロッド36の先端が主弁体10に当り、そして手動操作用ロッド36によって主弁体10が持ち上げられる。これにより主弁体10が主弁座6から離れて弁口7が開き、高圧タンク内のガスをタンクポート3b及びタンク側空間15を介して給排通路5bに排出することができる(図10参照の矢符F参照)。
電磁式開閉弁1Aでは、パイロット弁シート部23Aが経年劣化や使用状況により塑性変形すると、プランジャ12Aが閉方向に下がるようになっている。第1実施形態と同様に、主弁体10にはストッパ部21が形成されており、プランジャ12Aが閉方向に距離A15下がると、プランジャ12Aがストッパ部21に当たってそれ以上下がらないようになっている。隙間A15は、隙間A12より小さくなっており、パイロット弁シート部23Aが塑性変形しても、プランジャ12Aが連結ピン28に引っ掛かってパイロット弁シート部23Aがパイロット弁座20から浮き上がり、これによりパイロット通路18から漏れが生じてしまうことを防ぐことができる。
第1実施形態の電磁式開閉弁1では、パイロットピン25及び連結ピン28がパイロット弁体11に対して相対変位可能になっているが、パイロットピン25及び連結ピン28が相対変位不能にパイロット弁体11に嵌合されていてもよい。この場合、パイロットピン25及び連結ピン28が主弁体10及びプランジャ12に対して相対変位できるように、第1挿通孔26のような孔を主弁体10に形成し、第2挿通孔2のような孔をプランジャ12に形成しておく。そうすることで、第1実施形態の電磁式開閉弁1と同様の作用効果を奏することができる。
2 ハウジング
3b タンクポート
3c 給排ポート
5b 給排通路
7 弁口
10 主弁体
11,11A パイロット弁体
12,12A プランジャ
15 タンク側空間
18 パイロット通路
22 弁本体
23,23A パイロット弁シート部
25 パイロットピン
26 第1挿通孔
27 第2挿通孔
28 連結ピン
29,29A 第1スプリング
31 電磁ソレノイド
34 第2スプリング
41 プランジャ本体
43 第3挿通孔
45 シート保持部
Claims (8)
- タンクポートに繋がるタンク側空間と、給排ポートに繋がる給排側空間と、それらの空間を繋ぐ弁口とが形成されているハウジングと、
前記弁口を閉じる弁口閉位置と前記弁口を開く弁口開位置との間で移動し、前記タンク側空間と前記給排側空間とに繋がるパイロット通路が形成されている主弁体と、
前記主弁体に着座して前記パイロット通路を閉じる通路閉位置と、前記主弁体から離れて前記パイロット通路を開く通路開位置との間で移動するパイロット弁体と、
開方向に移動可能であって、前記開方向に移動すると前記パイロット弁体と前記主弁体とをその順で前記通路開位置及び前記弁口開位置に夫々動かすプランジャと、
励磁力を発生させて前記プランジャを前記開方向に動かす電磁ソレノイドと、
前記電磁ソレノイドの励磁力に抗して閉方向に前記プランジャを付勢するプランジャ付勢手段と、
前記プランジャ及び前記パイロット弁体の2つの部材に挿通され、又は前記プランジャ及び前記主弁体の2つの部材に挿通され、これらが連動可能且つ互いに相対変位可能に連結する連結ピンと、を備え、
前記連結ピンは、前記2つの部材のうち一方の部材に嵌合され、
前記主弁体が前記開方向に押された際、前記2つの部材のうち他方の部材に前記連結ピンが接触しないように、その前に前記プランジャに対する前記主弁体の前記開方向の相対的な動きを止めるようになっている、電磁式開閉弁。 - 前記連結ピンは、前記プランジャと前記パイロット弁体とを連結しており、
前記プランジャは、前記主弁体が弁口閉位置にあるときに前記主弁体から第1離間距離を離して設けられており、
前記パイロット弁体には、プランジャ側挿通孔が形成され、
前記連結ピンは、前記プランジャに固定され、且つ移動可能に前記プランジャ側挿通孔に挿通され、前記主弁体が弁口閉位置にあるときに前記プランジャ側挿通孔を形成する面から前記開方向に第2離間距離を離して設けられており、
前記第2離間距離は、前記第1離間距離より大きくなっている、請求項1に記載の電磁式開閉弁。 - 前記パイロット弁体及び前記主弁体は、それらに挿通されているパイロットピンによって連動可能に連結されており、
前記パイロットピンは、前記主弁体が開方向に押された時に前記パイロット弁体及び前記主弁体のいずれか一方に当接しないように設けられている、請求項2に記載の電磁式開閉弁。 - 前記パイロット弁体は、前記主弁体に移動可能に挿入された弁本体と、前記弁本体に設けられ、前記主弁体に着座して前記パイロット通路を閉じるパイロット弁シート部とを有し、
前記パイロット弁本体は、前記主弁体から前記開方向に第3離間距離を離して収容されており、
前記連結ピンは、前記パイロット弁本体が通路閉位置にあるときに前記プランジャ側挿通孔を形成する面から前記閉方向に第4離間距離を離して設けられており、
前記パイロット弁本体には、主弁側挿通孔が更に形成され
前記パイロットピンは、前記主弁体に固定され、且つ移動可能に前記主弁側挿通孔に挿通され、前記パイロット弁体が通路閉位置にあるときに前記主弁側挿通孔を形成する面から前記閉方向に第5離間距離を離して設けられており、
前記第4離間距離及び前記第5離間距離は、前記第3離間距離よりも大きくなっている、請求項3に記載の電磁式開閉弁。 - 前記連結ピンは、前記プランジャ及び前記主弁体を連結しており、
前記プランジャは、前記主弁体が弁口閉位置にあるときに前記主弁体から第6離間距離を離して設けられており、
前記プランジャには、挿通孔が形成され、
前記連結ピンは、前記主弁体に固定され、且つ移動可能に前記挿通孔に挿通され、前記主弁体が弁口閉位置にあるときに前記挿通孔を形成する面から前記閉方向に第7離間距離を離して設けられており、
前記第7離間距離は、前記第6離間距離より大きくなっている、請求項1に記載の電磁式開閉弁。 - 前記プランジャは、プランジャ本体とカバー部材とを有し、
前記プランジャ本体は、その前記開方向側に装着部を有し、
前記装着部には、カバー部材が螺合されており、
前記カバー部材の中には、前記装着部によって塞がれた弁空間が形成され、
前記パイロット弁体は、前記弁空間内で前記カバー部材に当接支持され、且つ前記当接支持された状態から移動可能に設けられている、請求項5に記載の電磁式開閉弁。 - 前記パイロット弁体は、前記パイロット弁体が通路閉位置にある時に前記装着部の端面から前記第8離間距離を離して設けられており、
前記第8離間距離は、前記第6離間距離より大きくなっている、請求項6に記載の電磁式開閉弁。 - 前記パイロット弁体を前記閉方向に付勢する弁体付勢手段を更に備える、請求項1乃至7の何れか1つに記載の電磁式開閉弁。
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