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JP5488480B2 - スイッチング素子の劣化診断回路及びその動作方法 - Google Patents

スイッチング素子の劣化診断回路及びその動作方法 Download PDF

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Description

本発明は、スイッチング素子の劣化診断回路及びその動作方法に関する。
LSI(Large Scale Integration)に代表される半導体装置は、時間経過に伴う特性の劣化が知られている。よく知られている半導体装置の特性劣化の例は、時間経過に伴うトランジスタの動作遅延の悪化によって、初期状態では正常であった論理回路の演算結果にエラーが生じることである。このトランジスタの特性劣化は、例えばホットキャリア劣化やNBTI(Negative Bias Temperature Instability)劣化が知られている。コンピュータの誤動作を抑制するために、上述のような半導体装置の特性劣化を生じるタイミングを見極めて、半導体装置の保守交換等を行うことが要請される。基幹系につながる機器において、半導体装置の特性劣化を生じるタイミングを見極めて半導体装置の保守交換等を行うことは、特に重要である。
上述の半導体装置の劣化対策として、劣化度合いを計算式により算出しその算出結果を半導体装置の設計に組み込むことで、半導体装置の長期間の性能を保証する技術がある。例えば、特許文献1には、少ない工数で実際のLSIの動作条件を反映した、集積回路の特性評価方法及びその設計方法の技術が開示されている。
しかしながら、近年の高速動作が要求されるLSI等では、遅延に関してマージン設計を行う上で、タイミングマージンの制約が厳しくなっている。そこで、半導体素子の劣化を直接モニタすることで遅延劣化の時機を検出できる技術が、必要とされる。例えば、特許文献2には、比較的簡単な回路構成でMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)の特性劣化を高精度に測定することが可能な、半導体集積回路の技術が開示されている。
特開2003−043115号公報 特開2010−087275号公報
より簡素な構成で、より高精度に半導体素子の劣化を検知することが望まれる。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、より簡素な構成でより精度が良いスイッチング素子の劣化診断回路およびその動作方法を提供することを目的とする。
本発明にかかる劣化診断回路は、スイッチ部及び当該スイッチ部に対して接続された容量部を含むと共に、入力波形に対してローパスフィルタ処理を実行するローパスフィルタ部と、前記入力波形の入力に応じた前記ローパスフィルタ部の出力と参照電圧とに基づいて、前記ローパスフィルタ部に含まれる前記スイッチ部の状態を示す状態値を生成する状態判定部を備える。
本発明にかかる劣化診断回路の動作方法は、スイッチ部及び当該スイッチ部に対して接続された容量部を含むローパスフィルタ部は、入力波形に対してローパスフィルタ処理を実行するステップと、前記ローパスフィルタ部に接続された状態判定部は、前記入力波形の入力に応じた前記ローパスフィルタ部の出力と参照電圧とに基づいて、前記スイッチ部の状態を示す状態値を生成するステップとを備える。
本発明により、より簡素な構成でより精度が良いスイッチング素子の劣化診断回路およびその動作方法を提供することができる。
実施の形態1にかかる劣化診断回路の構成例を示す全体図である。 実施の形態2にかかる劣化診断回路を実装したICチップの構成例を示す全体図である。 実施の形態2にかかる劣化診断回路の構成例を示す全体図である。 実施の形態2にかかる波形出力部が出力するパルス波形例を示す図である。 実施の形態2にかかる切替信号の論理レベルに応じた各セレクタの出力及びトランジスタの各端子への入力の例を示した図である。 実施の形態2にかかるトランジスタの劣化前と劣化後の、ローパスフィルタ部の出力及び状態値の例を示す図である。
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施形態にかかる劣化診断回路100の全体構成例である。劣化診断回路100は、ローパスフィルタ部(RC時定数回路)1及び状態判定部2を備えている。ローパスフィルタ部1は、スイッチ部11と容量部12を有し、入力波形Vinに応じて出力Voutを出力する。状態判定部2は、ローパスフィルタ部1からの出力Voutと、参照電圧Vrefとに基づいて、スイッチ部11の状態値Vstateを生成する。
以上の構成により、劣化診断回路100によって、スイッチ部11の劣化を判定することができる。劣化診断回路100は、簡素な構成である。さらに、スイッチ部11の劣化診断は、スイッチ部11の劣化に伴うスイッチ部11の抵抗値の増加によって、ローパスフィルタ部1の遮断周波数が低下することを検知することにより行われる。スイッチ部11の抵抗値は、温度等の環境による変化をあまり受けない。そのため、特許文献2との比較において、本実施形態にかかる劣化診断回路100は、簡素な構成で精度良くスイッチ部11の劣化の診断をすることができる。
以下、本実施の形態にかかる劣化診断回路100の構成要素及びその動作について説明する。
ローパスフィルタ部1は、入力波形Vinに対してローパスフィルタ処理を実行し、出力Voutを出力する。具体的には、ローパスフィルタ部1は、入力波形Vin中の低周波数成分を通過させるローパスフィルタ処理を行う。つまり、入力波形Vin中の低周波数成分が、出力Voutとして出力される。
ローパスフィルタ部1は、スイッチ部11の劣化前後で、異なる出力Voutを出力する。スイッチ部11の劣化後には、スイッチ部11の抵抗値(以降、Rとする)が増大し、容量部12の容量値(以降、Cとする)との積である時定数RCが増大する。時定数RCの増大により、ローパスフィルタ部1の遮断周波数が低下することで、ローパスフィルタ部1は、スイッチ部11の劣化後には劣化前と異なる出力Voutを出力する。後述の状態判定部2は、出力Voutの波形変化を検知し、異なる状態値Vstateを生成する。これにより、スイッチ部11の状態診断が可能となる。
スイッチ部11は、スイッチング機能を有する部分であり、スイッチング素子を1個または複数個有する。そのスイッチング素子は、例えばNMOS(Negative-channel Metal Oxide Semiconductor)又はPMOS(Positive-channel Metal Oxide Semiconductor)の電界効果トランジスタである。スイッチング素子は、その他の種類のトランジスタでもよいし、サイリスタ等の他の種類のスイッチング素子でもよい。
スイッチ部11の有する抵抗値Rは、スイッチ部11が有するスイッチング素子の劣化によって増大する。
容量部12は、容量を有する部分であり、例えば1個又は複数個の容量素子(例えばコンデンサ)を有する。容量部12は、スイッチ部11と接続され、ローパスフィルタ部1を構成する。
状態判定部2は、2個の入力端子を有する。一方の入力端子にはローパスフィルタ部1の出力Voutが入力され、他方の入力端子には参照電圧Vrefが入力される。状態判定部2は、出力Vout及び参照電圧Vrefに基づき、スイッチ部11の状態を示す状態値Vstateを生成する。状態判定部2は、出力Voutが異なることに応じて、異なる状態値Vstateを生成する。状態判定部2は、大小関係の比較を行うコンパレータ回路、あるいはその他の比較回路から構成される。
入力波形Vin及び参照電圧Vrefは、図示を省略した波形発生回路、発振器等の発生源から出力される。これらの発生源は、劣化診断回路100内に実装されてもよいし、外部にあってもよい。
以下、スイッチ部11の劣化を診断する方法について説明する。
劣化診断の際、入力波形Vinがローパスフィルタ部1に入力されることにより、ローパスフィルタ部1は、ローパスフィルタ処理を行って出力Voutを出力する。入力波形Vinは、矩形波、三角波、正弦波等、凹凸を有する任意のテスト波形である。
状態判定部2には、入力波形Vinに対するローパスフィルタ部1の出力Voutが入力される。状態判定部2は、出力Vout及び参照電圧Vrefに基づいて、スイッチ部11の状態値Vstateを生成する。
上述の通り、出力Voutは、スイッチ部11の劣化前後で異なる。このため、状態判定部2は、スイッチ部11の劣化前後で異なる状態値Vstateを生成する。この状態値Vstateに基づいて、スイッチ部11の劣化を診断することができる。
以上、本実施形態にかかる劣化診断回路100によって、ローパスフィルタ部1に入力波形Vinを入力した際の出力Voutと参照電圧Vrefに基づき、スイッチ部11の劣化を診断することができる。つまり、スイッチ部11中のスイッチング素子の劣化を診断することができる。
なお、状態判定部2は、出力Vout及び参照電圧Vrefの大小関係を比較することで、ローパスフィルタ部1の状態値Vstateを生成してもよい。例えば、状態判定部2は、出力Voutが参照電圧Vrefよりも大きい場合に論理レベル「1」を、小さい場合には論理レベル「0」を状態値Vstateとして生成する。その場合、スイッチ部11の劣化度合いを示す状態値Vstateが、論理レベル「0」で固定されていれば、スイッチ部11は劣化していると診断される。状態判定部2が出力する論理レベルの値は、「1」と「0」を逆にしてもよい。
実施の形態2
以下、図面を参照して本発明の実施の形態2について説明する。
図2は、本実施形態にかかる劣化診断回路101を実装したIC(Integrated Circuit)チップの構成例である。本実施形態にかかる劣化診断回路101は、ICチップ200上に実装される他の対象回路102中のトランジスタ103の劣化診断をするためのものである。劣化診断回路101は、対象回路102とは独立の配線等を有する回路である。
劣化診断回路101は、実施の形態1にかかる劣化診断回路100と同様にローパスフィルタ処理によって、劣化診断回路101中のトランジスタ13(後述)の劣化を診断している。これにより、劣化診断回路101は、トランジスタ13の劣化をより精度良く診断できる。
また、劣化診断回路101は、簡素で小面積である。さらに、劣化診断回路101はトランジスタ13に劣化を付与する場合と、トランジスタ13の劣化を診断する場合とで、セレクタによってトランジスタに供給する電圧を選択して切り替えている。そのため、トランジスタに電圧を供給する供給電圧出力部を、セレクタを有しない場合と比較して、より小面積の構成にすることができる。
以下、劣化診断回路101の構成要素及びその動作について説明する。
図3は、本実施形態にかかる劣化診断回路101の全体構成例である。劣化診断回路101は、ローパスフィルタ部1、コンパレータ回路20、供給電圧出力部3及び参照電圧出力部4を備えている。
トランジスタ13の劣化前後における、ローパスフィルタ部1が出力する出力Voutの違いについては、実施形態1と同様であるため説明を省略する。
トランジスタ13は、NMOS型のトランジスタであり、ゲート端子(制御端子)15、ソース端子(入力端子)16及びドレイン端子(出力端子)17を備える。ゲート端子15には供給電圧出力部3のセレクタ31が接続され、セレクタ31からは、トランジスタ13のオン・オフを制御する制御信号Vconが出力される。ソース端子16には供給電圧出力部3のセレクタ32が接続され、セレクタ32からは入力波形Vinが出力される。ドレイン端子17には、コンデンサ14及びコンパレータ回路20が接続される。トランジスタ13は、実施の形態1におけるスイッチ部11に対応する。
トランジスタ13は、オン・オフを交互に繰り返す動作の頻度が多いほど(トグル率が高いほど)、劣化することが知られている。
コンデンサ14は、一端がトランジスタ13のドレイン端子17に接続され、他端は接地される。なお、コンデンサ14は、実施の形態1における容量部12に対応する。
コンパレータ回路20は、正の入力端子21と負の入力端子22を有する。正の入力端子21にはローパスフィルタ部1の出力Voutが入力され、負の入力端子22には参照電圧出力部4が出力した参照電圧Vrefが入力される。参照電圧出力部4から入力される参照電圧Vrefは、3/4Vdd(Vdd:定電圧出力部33が出力する所定電位)の定電圧である。コンパレータ回路20は、入力端子21、22に入力された電圧の大小を判定して、ローパスフィルタ部1の状態値Vstateを生成して出力する。状態値Vstateは、「1」又は「0」の論理レベルで示される。コンパレータ回路20は、実施の形態1における状態判定部2に対応する。
例えば、ローパスフィルタ部1の出力Voutの電圧値がVddである場合、この電圧値は3/4Vddの参照電圧Vrefよりも大きいので、コンパレータ回路20は、状態値Vstateとして論理レベル「1」を生成し、出力する。ローパスフィルタ部1の出力電圧が1/4Vddである場合、この出力電圧は3/4Vddの参照電圧Vrefよりも小さいので、コンパレータ回路20は、状態値Vstateとして論理レベル「0」を生成し、出力する。
供給電圧出力部3は、セレクタ31、セレクタ32、定電圧出力部33、波形出力部34及び制御部35を備える。供給電圧出力部3は、トランジスタ13のゲート端子15及びソース端子16に電圧を供給する。
セレクタ31は、ゲート端子15と接続される。セレクタ31は、制御部35からの切替信号Vchに応じて定電圧出力部33又は波形出力部34の出力を選択し、制御信号Vconとしてゲート端子15に供給する。セレクタ32は、ソース端子16と接続される。セレクタ32は、制御部35からの切替信号Vchに応じて定電圧出力部33又は波形出力部34の出力を選択し、入力波形Vinとしてソース端子16に供給する。
定電圧出力部33は、所定電位Vddを出力し、波形出力部34は、パルス波形Data1又はData2を出力することが可能である。なお、定電圧出力部33及び波形出力部34は、例えば波形生成回路、発振器等から構成される。
図4(a)及び(b)は、それぞれ波形出力部34が出力するパルス波形Data1及びData2の例を示した図である。図4(a)及び(b)は、各パルス波形の電圧−時間の関係を示している。パルス波形Data1及びData2は、最大電圧値がVddであるパルス波形である。パルス波形Data1は、一定のトグル率を有するパルス波形であり、パルス波形Data2は、デューティー比が1:1の矩形波である。制御部35は、波形出力部34を制御して、波形出力部34の出力波形をパルス波形Data1からパルス波形Data2に、又はパルス波形Data2からパルス波形Data1に変更することができる。
制御部35は、2値の切替信号Vchを制御して、セレクタ31及びセレクタ32からの出力を切り替える。制御部35が、切替信号Vchの論理レベルをLowレベル(以降、Lレベルと略す)と設定した場合、セレクタ31からは波形出力部34からの電圧が、セレクタ32からは定電圧出力部33からの電圧が出力される。逆に、制御部35が、切替信号Vchの論理レベルをHighレベル(以降、Hレベルと略す)と設定した場合、セレクタ31からは定電圧出力部33からの電圧が、セレクタ32からは波形出力部34からの電圧が出力される。
さらに、制御部35は、波形出力部34の出力する波形を変更する制御を行う。制御部35は、切替信号VchがLレベルの場合、波形出力部34を制御してパルス波形Data1を出力させる。制御部35は、切替信号VchがHレベルの場合、波形出力部34を制御してパルス波形Data2を出力させる。
図5は、切替信号Vchの論理レベルL、Hに応じた、セレクタ31、32の出力及びトランジスタ13のゲート端子15、ソース端子16への入力を示した図である。切替信号VchがLレベルの場合、セレクタ31からは波形出力部34からの電圧が出力され、セレクタ32からは定電圧出力部33からの電圧が出力される。つまり、セレクタ31からはパルス波形Data1が出力され、セレクタ32からは所定電位Vddが出力される。ゲート端子15、ソース端子16にはそれぞれセレクタ31、セレクタ32が接続されているので、ゲート端子15、ソース端子16にはそれぞれパルス波形Data1、所定電位Vddが入力される。
切替信号VchがHレベルの場合、セレクタ31からは定電圧出力部33からの電圧が出力され、セレクタ32からは波形出力部34からの電圧が出力される。つまり、セレクタ31からは所定電位Vddが出力され、セレクタ32からはパルス波形Data2が出力される。ここから、ゲート端子15、ソース端子16にはそれぞれ、所定電位Vdd、パルス波形Data2が入力される。
参照電圧出力部4は、状態判定部2の負の入力端子22に対して3/4Vddの定電圧の参照電圧Vrefを出力する。参照電圧出力部4は、例えば波形生成回路、発振器等から構成される。参照電圧Vrefは、トランジスタ13の劣化の判定に用いる電圧である。
以下、劣化診断回路101の動作について、トランジスタ13を劣化させるモード(劣化付与モード)と、トランジスタ13の劣化を診断するモード(劣化診断モード)に分けて説明する。
劣化付与モードにおいては、制御部35は、論理レベルが「L」の切替信号Vchを出力する。この場合、セレクタ31は、図5の通り、トランジスタ13のオン・オフを所定の割合で切り替えるパルス波形Data1を制御信号Vconとして出力する。また、セレクタ32は、所定電位Vddを入力波形Vinとして出力する。つまり、トランジスタ13のゲート端子15にはパルス波形Data1が入力され、ソース端子16にはVddが入力される。
以上のように、トランジスタ13は、トランジスタをトグルするロジックデータがゲート端子15に入力されることで、通常の半導体装置中で使われるトランジスタと同様に劣化する。
トランジスタ13を劣化させる方法については、上記の方法に限られない。例えば、パルス波形Data1は、必ずしもパルス波形でなくてもよく、正弦波等、トランジスタ13のオン・オフを切り替えるような波形であれば、どのようなものでもよい。
次に、劣化診断モードの場合の劣化診断回路101の動作について説明する。以下に示す劣化診断モードにおける劣化診断回路101の動作は、トランジスタ13を、任意の時間、劣化付与モードにより劣化させた後でなされてもよい。
制御部35は、論理レベルが「H」の切替信号Vchを出力する。この場合、図5にて示した通り、セレクタ31は、所定電位Vddを制御信号Vconとして出力し、セレクタ32は、パルス波形Data2を入力波形Vinとして出力する。所定電位Vddは、トランジスタ13をオンの状態にさせるのに十分な電圧値を有する。パルス波形Data2は、実施の形態1における入力波形Vinに対応する。
以上の供給電圧出力部3の動作により、トランジスタ13のゲート端子15には、所定電位Vddが入力されてトランジスタ13は常時オン状態になる。トランジスタ13のソース端子16には、パルス波形Data2が入力される。ここから、ローパスフィルタ部1は、パルス波形Data2に対応した出力Voutを出力する。
図6は、トランジスタ13の劣化前後の、ローパスフィルタ部1が出力する出力Vout及びコンパレータ回路20が出力する状態値Vstateの例を示す図である。以下、図6を用いて、トランジスタ13の劣化前と劣化後における、出力Vout及び状態値Vstateの違いを説明する。
図6(a)及び(b)は、ローパスフィルタ部1の出力Voutの電圧−時間の関係を示した図である。図6(a)は、トランジスタ13が劣化前の出力Voutであり、図6(b)は、トランジスタ13が劣化後の出力Voutを示している。
トランジスタ13の劣化前においては、トランジスタ13の抵抗値Rは増大していないため、前述の通り、パルス波形Data2の低周波数成分はローパスフィルタ部1を通過できる。そのため、図6(a)に示すように、出力Voutは参照電圧3/4Vddを超える電圧値を有するときがある。
しかし、トランジスタ13の劣化後においては、トランジスタ13の抵抗値Rが増大する。そのため、劣化前にローパスフィルタ部1を通過していたパルス波形Data2の低周波数成分は、ローパスフィルタ部1を通過することが殆どできなくなる。そのため、図6(b)に示すように、出力Voutは、パルス波形Data2の平均電圧値である0.5Vddにほぼ固定され、電圧値が参照電圧3/4Vddを超えることはない。
図6(c)、(d)は、それぞれ出力Voutが図6(a)、(b)に示した場合における、状態値Vstateの時間推移を示した図である。図6(c)は、トランジスタ13が劣化前の状態値Vstateであり、図6(d)は、トランジスタ13が劣化後の状態値Vstateを示している。
トランジスタ13の劣化前において、出力Voutは、前述の通り参照電圧を超える電圧値を有するときがある。そのため、コンパレータ回路20は、図6(c)に示す通り、ローパスフィルタ部1の状態値Vstateとして一定の頻度で「1」の論理レベルを出力する。
しかし、トランジスタ13の劣化後においては、出力Voutは、前述の通り参照電圧を超える電圧値を有することはない。そのため、コンパレータ回路20は、図6(d)に示す通り、ローパスフィルタ部1の状態値Vstateとして「0」のみの論理レベルを出力する。
劣化診断モード時に、状態値Vstateの論理レベルが「0」で固定された場合、トランジスタ13が劣化されたと判定できる。
トランジスタ13の劣化が判定された場合、図2に示した対象回路102のトランジスタ103は、保守点検が必要と判断される。この保守時期の設定は、劣化付与モード時にローパスフィルタ部1に入力されるパルス波形Data1のパターンにより制御できる。つまり、パルス波形Data1のトグル率の設定によって、トランジスタ13の劣化の進行具合を調整できる。通常、コンピュータ等に実装される論理回路中のトランジスタは、トグル率が10〜20%程度であるから、パルス波形Data1のトグル率をこれ以上の値に設定することで、保守点検対象となるトランジスタ103の事前保守が可能となる。つまり、パルス波形Data1のトグル率を、トランジスタ103のゲート端子に対して供給されるパルス波形のトグル率以上に設定しておけばよい。
以上、本実施形態にかかる劣化診断回路101においては、トランジスタの劣化診断が可能となるため、保守点検の対象となるトランジスタに関して事前に保守又は交換を行うことができる。これにより、停止が基本的に困難な基幹システム等におけるトランジスタを保守点検の対象とする場合でも、劣化診断回路101を用いることで、対象のトランジスタを停止せずに、劣化診断が可能になるという効果を奏する。
実施の形態1にかかる劣化診断回路100と同様、劣化診断回路101は簡素で精度が良い。さらに、小面積であることから、ICチップ等に実装することも容易である。
最近のLSIの微細化にともない、トランジスタ等のスイッチング素子の劣化は顕著となる傾向にある。つまり、スイッチング素子は、コンシューマ製品又は工業製品において周囲の温度が比較的高い環境で用いられることが多く、劣化の進行が起こりやすい。このようなスイッチング素子の劣化診断は、今後も必要となる技術である。そのため、いかなるLSIにも実装できるよう小面積で、かつ精度が十分な測定回路を提供すること、またその回路を用いた測定方法を提供することが、急務となっていた。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、実施の形態2にかかる劣化診断回路101におけるトランジスタ13は、NMOS型を例に挙げたが、PMOS型でも同様にトランジスタ13の劣化診断が可能である。その場合、トランジスタのソース端子、ドレイン端子は実施の形態2にかかる劣化診断回路101とは逆になる。つまり、ソース端子が出力端子となり、ドレイン端子が入力端子となる。
劣化診断回路101は、トランジスタ、コンデンサをそれぞれ複数備えてもよいし、トランジスタではないスイッチング素子を備えてもよい。
実施の形態2の説明にて示された電圧値又は波形等は、あくまで一例であり、任意の変更が可能である。例えば、参照電圧Vrefは、入力波形Vinの平均の電圧値よりも高い電圧値を有し、最大電圧値よりも低い電圧値を有する定電圧としてもよい。つまり、ローパスフィルタ部1の劣化前の出力Voutの電圧値が一定の頻度で参照電圧Vrefの電圧値を超えるときがあり、劣化後の出力Voutの電圧値が参照電圧Vrefの電圧値を超えないような入力波形Vin及び参照電圧Vrefであれば、他の値をとってもよい。
ローパスフィルタ部1の劣化後の出力Voutの電圧値が参照電圧Vrefの電圧値を超えることがあっても、劣化前に比べて格段に超える頻度が落ちた場合(コンパレータ回路20が、状態値Vstateとして論理レベル1を出力する頻度が格段に減少した場合)には、トランジスタ13は劣化されたと判定してもよい。
コンデンサ14の接地側の端子に電圧を加えて高電圧とし、トランジスタ13側の端子を低電圧とするように劣化診断回路101を構成してもよい。その場合、出力Voutの電圧値が参照電圧Vrefの電圧値を超えたままの状態であるときに、トランジスタ13は劣化されたと診断される。
劣化診断回路101の劣化診断の対象は、同一のICチップ200に実装された対象回路102中のトランジスタ103であるとした。しかし、同一のICチップ200ではなく、同一のコンピュータ内に実装された他の回路中のトランジスタを劣化診断の対象にしてもよい。
劣化診断回路101は、保守点検の対象回路102とは独立の配線等を有する回路としなくてもよい。例えば、保守点検の対象回路102中のトランジスタ103のゲート端子に実際に出力される入力波形を、トランジスタ13のゲート端子15に入力するようにしてもよい。つまり、トランジスタ13は、劣化付与モードにおいて、保守点検の対象となるトランジスタとほぼ同一に劣化することが期待される。ここから、保守点検の対象となるトランジスタを、精度よく劣化診断することが可能になる。
劣化診断回路101のトランジスタ13は、実際にコンピュータで動作するトランジスタであり、コンピュータが動作していない間に、前述の劣化診断を行うようにしてもよい。
コンパレータ回路20が出力する状態値Vstateは、劣化診断回路101に接続されたコンピュータシステム等がモニタしていてもよい。例えば、コンピュータシステムは、モニタしている状態値Vstateの値が「0」しかないことを認識した場合、トランジスタ13が劣化している旨の警告を外部に出力してもよい。また、コンピュータシステムは、劣化診断回路101を複数有してもよい。例えば、コンピュータシステムは劣化診断回路101を10個有し、そのうちの5個のトランジスタが劣化したと診断された場合に、保守点検の対象とするトランジスタが劣化したとして、警告を発してもよい。
1 ローパスフィルタ部
2 状態判定部
3 供給電圧出力部
4 参照電圧出力部
11 スイッチ部
12 容量部
13 トランジスタ
14 コンデンサ
15 ゲート端子
16 ソース端子
17 ドレイン端子
20 コンパレータ回路
21、22 入力端子
31、32 セレクタ
33 定電圧出力部
34 波形出力部
35 制御部
100、101 劣化診断回路
102 対象回路
103 トランジスタ
200 ICチップ

Claims (7)

  1. スイッチ部及び当該スイッチ部に対して接続された容量部を含むと共に、入力波形に対してローパスフィルタ処理を実行するローパスフィルタ部と、
    前記スイッチ部の制御端子に対して、前記スイッチ部をオン状態とする制御信号を選択的に供給する第1セレクタと、
    前記ローパスフィルタ部に対して、前記入力波形を選択的に供給する第2セレクタと、
    前記入力波形の入力に応じた前記ローパスフィルタ部の出力と参照電圧とに基づいて、前記ローパスフィルタ部に含まれる前記スイッチ部の状態を示す状態値を生成する状態判定部と、
    を備える劣化診断回路。
  2. 前記第1セレクタは、前記スイッチ部の前記制御端子に対して、パルス波形を選択的に供給し、
    前記第2セレクタは、前記ローパスフィルタ部に対して所定電位を選択的に供給することを特徴とする請求項に記載の劣化診断回路。
  3. 前記第1及び第2セレクタの選択状態を制御する制御部を更に備え、
    前記制御部は、前記スイッチ部の劣化診断時、前記第1セレクタに第1の所定電位を選択させ、かつ、前記第2セレクタに第1のパルス波形を選択させ、前記スイッチ部の劣化付与時、前記第1セレクタに第2のパルス波形を選択させ、かつ、前記第2セレクタに第2の所定電位を選択させることを特徴とする請求項に記載の劣化診断回路。
  4. 前記劣化診断回路は、当該劣化診断回路が実装されるICチップに対して実装される他の回路の回路素子の劣化診断をするためのものである、請求項3に記載の劣化診断回路。
  5. 前記パルス波形のトグル率は、前記他の回路の回路素子に対して供給されるパルス波形のトグル率以上であることを特徴とする請求項に記載の劣化診断回路。
  6. 前記参照電圧は、前記スイッチ部の劣化の判定に用いる電圧であって、
    前記状態判定部は、前記ローパスフィルタ部の出力と前記参照電圧との大小関係に基づいて前記状態値を生成する、
    請求項1ないしのいずれか一項に記載の劣化診断回路。
  7. スイッチ部及び当該スイッチ部に対して接続された容量部を含むローパスフィルタ部、入力波形に対してローパスフィルタ処理を実行するステップと、
    第1セレクタが、前記スイッチ部の制御端子に対して、前記スイッチ部をオン状態とする制御信号を選択的に供給するステップと、
    第2セレクタが、前記ローパスフィルタ部に対して、前記入力波形を選択的に供給するステップと、
    前記ローパスフィルタ部に接続された状態判定部、前記入力波形の入力に応じた前記ローパスフィルタ部の出力と参照電圧とに基づいて、前記スイッチ部の状態を示す状態値を生成するステップと、
    を備えた劣化診断回路の動作方法。
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