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JP5478867B2 - 耐火壁装置および熱交換器 - Google Patents

耐火壁装置および熱交換器 Download PDF

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JP5478867B2
JP5478867B2 JP2008263301A JP2008263301A JP5478867B2 JP 5478867 B2 JP5478867 B2 JP 5478867B2 JP 2008263301 A JP2008263301 A JP 2008263301A JP 2008263301 A JP2008263301 A JP 2008263301A JP 5478867 B2 JP5478867 B2 JP 5478867B2
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Description

本発明は、腐食性の高温ガスの煙道の内周面に耐火材を保持する耐火壁装置およびこの耐火壁装置を備えた熱交換器に関するものである。
廃棄物の燃焼や溶融処理過程で発生した高温の排ガスから熱を回収し、熱エネルギーの有効利用を図るとともに排ガスを冷却し、さらにガス流路の路壁を熱や腐食から保護するものがたとえば特許文献1に開示されている。
特許文献1の炉壁構造は、ガス流路の周囲の炉壁を、複数の水管と、水管の間を連結するフィンからなる水管壁により形成し、この水管壁の内周面に耐火壁を取り付けるとともに、水管壁の外周面を保温材で覆ったものである。水管壁に対する耐火壁の取付手段は開示されていないが、水管壁に取り付けられたアンカーなどを介して耐火壁が保持されていると考えられる。
また他の従来の排ガス用熱交換器は、図19および図20に示すように、排ガスの排出流路である煙道50を形成する管体51の外周に所定隙間をあけて外筒52を配置することにより、管体51と外筒52との間に低温のエアを導入する環状空間室53を形成したものもある。この管体51の内周面に、アンカー54を介して耐火壁55が取り付けられ、外筒52の外周面に断熱材56が取り付けられている。
特開平10−325527号公報
しかしながら、水管壁と耐火壁、管体と耐火壁とはそれぞれ熱膨張率に差が大きく、特に運転と停止の繰り返しにより、温度変動が繰り返されると、耐火壁が割れて剥離したり、アンカーが損傷して耐火壁が外れることがあり、また割れた耐火壁の隙間から浸入した腐食性の高温ガスにより、アンカーや水管壁が腐食されるという問題があった。
本発明は上記問題点を解決して、耐火壁と管体との熱膨張差による破損や剥離を防止でき、腐食性の高温ガスによる腐食を防止することができる耐火壁装置および熱交換器を提供することを目的とする。
請求項1記載の耐火壁装置は、
腐食性の高温ガスを軸心方向に案内する筒体の内周面に耐火壁を取り付ける耐火壁装置であって、
前記耐火壁を、筒体の軸心方向および周方向に複数に分割した複数の耐火ブロックにより構成し、
各軸心方向に沿って配置された耐火ブロックのブロック列毎に、各耐火ブロックに互いに連通する貫通穴を軸心方向に貫通形成し、
筒体に支持された長尺支持部材を前記貫通穴に嵌合するとともに、当該長尺支持部材と前記貫通穴との間に、耐火ブロックおよび長尺支持部材の熱変形を許容する許容隙間を形成し、
前記長尺支持部材を中空状に形成するとともに、当該中空部に、高温ガスより高圧の低温ガスを導入する冷却手段を設け、
前記長尺支持部材に、当該長尺支持部材から前記貫通穴内に低温ガスを充填する複数の細孔を形成したものである。
請求項2記載の耐火壁装置は、請求項1または2記載の構成において、
耐火ブロックの周方向に隣接する周方向隣接面および軸心方向に隣接する軸心方向隣接面の少なくとも一方に、互いに係合する段部または凹凸部を形成したものである。
請求項3記載の熱交換器は、
筒体に環状空間をあけて外嵌された外筒により二重筒構造にされ、筒体内に腐食性の高温ガスを導入する高温ガス流路を形成するとともに、前記環状空間に低温ガスを導入する低温ガス流路を形成し、高温ガス流路内の高温ガスと低温ガス流路内の低温ガスとの間で熱交換を行う熱交換器であって、
前記筒体の内周面に、請求項1または2に記載の耐火壁装置を設けた
ものである。
請求項4記載の熱交換器は、
耐火壁装置により筒体の内周面に取り付けられた耐火壁の軸心部に、腐食性の高温ガスを案内する高温ガス流路が形成されるとともに、前記耐火壁内に低温ガスを導入する低温ガス流路が形成され、高温ガス流路内の高温ガスと低温ガス流路の低温ガスとの間で熱交換を行う熱交換器であって、
前記耐火壁を、筒体の軸心方向および周方向に複数に分割された耐火ブロックにより構成し、
前記耐火壁装置は、各軸心方向に沿って配置された耐火ブロックのブロック列に軸心方向に貫通形成されて互いに連通する貫通穴と、筒体に支持されるとともに前記貫通穴内に、耐火ブロックおよび長尺支持部材の熱変形を許容する許容隙間を介して嵌合され耐火ブロックを保持するとともに低温ガス流路を形成する冷却ガス管とを具備し、
前記冷却ガス管に導入する低温ガスを、高温ガスより高圧とするとともに、前記冷却ガス管に、貫通穴内に低温ガスを充填する複数の細孔を形成したものである。
請求項5記載の熱交換器は、請求項4記載の構成において、耐火ブロックの周方向に隣接する周方向隣接面および軸心方向に隣接する軸心方向隣接面の少なくとも一方に、互いに係合する段部または凹凸部を形成したものである。
請求項1記載の発明によれば、腐食性の高温ガスを案内する筒体の内周面に取り付けられた耐火壁を、周方向および軸心方向に分割された耐火ブロックとし、これら耐火ブロックの軸心方向に沿って配置されたブロック列ごとに、貫通穴を介して長尺支持部材により保持し、長尺支持部材と貫通穴との間に熱変形を許容する許容隙間を設けたので、内筒や長尺支持部材の熱膨張による応力が耐火ブロックに負荷されることがなくなり、内筒と耐火ブロックとの熱膨張率差による破損や剥離を防止することができる。
また、長尺支持部材内に低温ガスを流すことにより、長尺支持部材を効果的に冷却することができ、長尺支持部材の焼損を効果的に防止することができる。
さらに、長尺支持部材の中空部で、高温ガスより高圧の低温ガスを、細孔を介して貫通穴内に充填することにより、耐火物の割れや欠けにより腐食性の高温ガスが貫通穴内に流入するのを未然に防止することができ、高温ガスによる長尺支持部材や筒体内周面の腐食を防止することができる。
請求項2記載の発明によれば、隣接面に形成された段部や凹凸部により、耐火ブロックの熱膨張や変位を吸収するとともに、位置ずれによる隙間の形成を防止することができて、高温ガスが隣接面を介して筒体の内周面に流入し接触するのを未然に防止することができ、筒体の内周面の腐食を効果的に防止することができる。
請求項3記載の発明によれば、腐食性の高温ガスを案内する筒体の内周面に取り付けられた耐火壁を、周方向および軸心方向に分割して形成された耐火ブロックにより形成するとともに、これら耐火ブロックを、軸心方向に形成された貫通穴を介して長尺支持部材により保持するとともに、長尺支持部材と貫通穴との間に熱変形を許容する許容隙間を設けたので、内筒の熱膨張による応力が耐火ブロックに負荷されることがなくなり、内筒と耐火ブロックの熱膨張率差による破損や剥離を防止することができる。また長尺支持部材内に低温ガスを導入することにより、長尺支持部材を冷却して焼損を防止することができる。さらに細孔から貫通穴内に低温ガスを充填することにより、高温ガスが貫通穴内に流入するのを防止して、長尺支持部材や筒体内周面の腐食を防止することができる。
請求項4記載の発明によれば、段部や凹凸部により、耐火ブロックの位置ずれを吸収することができるとともに、位置ずれによる隙間の形成を防止できて、高温ガスが筒体の内周面に接触するのを防止することができ、筒体の内周面の腐食を防止することができる。
本発明は、たとえば廃棄物のガス化溶融炉から腐食性の高温ガスを排出するガス排出ダクトの筒体の内周面に、耐火材(耐火壁)を取り付ける耐火壁装置およびこの耐火壁装置を備えた熱交換器に関るものである。この熱交換器は、ガス排出ダクトの所定部位に設置され、軸心部で高温ガスを軸心方向に流す高温ガス流路と、当該高温ガス流路の外周部に設けられて低温ガスを軸心方向に流す低温ガス流路とを具備し、高温ガス流路に流される高温ガスと、低温ガス流路に流される低温ガスとの間で熱交換を行い、高温ガスから熱回収して冷却するとともに、高温ガスによる腐食を防止するものである。実施の形態1乃至5において、筒体の内周面に耐火壁を良好に取り付ける耐火壁装置の基本構造は同一に構成されている。
[実施の形態1]
以下、本発明に係る耐火壁装置を備えた熱交換器の実施の形態1を図1〜図6に基づいて説明する。
図1〜図3に示すように、この熱交換器1は、円筒形のガス排出ダクト11を、内筒(筒体)15の軸心部に形成された高温ガス流路10と、この内筒15とその外周部に配置されたケーシング(外筒)12との間の環状空間に形成された低温ガス流路16とからなる二重構造とし、高温ガス流路10にその軸心方向に沿って下から上に流される腐食性の高温ガスHGと、低温ガス流路16内にその軸心方向に沿って下から上に(または上から下に)流される熱媒用の低温ガス(低温エア)LGとの間で熱交換を行うように構成されている。
ケーシング12は耐熱鋼製で、その外周面に断熱材12aが取り付けられている。また内筒15の内周面に本発明に係る耐火壁装置13により耐火壁14が取り付けられている。
耐火壁14は、周方向に複数に分割されるとともに、高温ガス流路10の軸心方向に複数に分割されて、正面視が矩形で円弧状断面の複数の耐火ブロック17により構成されている。耐火壁装置13は、軸心方向に配列された軸心方向ブロック列の各耐火ブロック17の平面視断面の中央位置に、軸心方向に貫通する単数の貫通穴18がそれぞれ形成されて互いに連通されている。そして、これら貫通穴18に、熱変形により変位を許容可能な所定の隙間(熱変形許容隙間)をあけて耐火ブロック17を保持する耐熱鋼製の支持ロッド(長尺支持部材)19が嵌合されて構成されている。これら支持ロッド19は、ガスの流れ方向の上流端が端部耐火ブロック17A内で上流支持部材20Aにより支持されるとともに、ガスの流れ方向の下流端(図3では上部)が端部耐火ブロック17B内で下流支持部材20Bにより支持されて、内筒15の内面に沿って平行に軸心方向に設置されている。
耐火ブロック17は、図4,図5に示すように、耐火ブロック17の周方向に隣接する周方向隣接面17cに、互いに嵌合する凹凸部17d(または段部)がそれぞれ形成され、図6(a)に示すように、周方向隣接面17cの縦断面に沿う当接面間に周方向の変位を許容する許容隙間δ1が形成されることで、周方向隣接面17cに周方向の隙間が生じても凹凸部17dにより高温ガスHGの流入と内筒15との接触による腐食を防止することができる。軸心方向に隣接する2つの軸心方向隣接面17aに、互いに係合する段部17b(または凹凸部)がそれぞれ形成されており、図6(b)に示すように、軸心方向隣接面17aの横断面に沿う当接面間に軸心方向の変位を許容する許容隙間δ2が形成されることで、軸心方向隣接面17aに軸心方向の隙間が生じても段部17bにより高温ガスHGの流入と内筒15との接触による腐食を防止することができる。
熱交換器1の上流端(または下流側)の外周部に、送風機23からエア供給管24を介して低温ガスLGが供給される環状の給気ヘッダ21が配置され、給気ヘッダ21と低温ガス流路16の上流端とが、ケーシング12を貫通する接続管22を介して互いに接続されている。また熱交換器1の下流端(または上流側)の外周部に環状の排気ヘッダ25が配置され、排気ヘッダ25と低温ガス流路16の下流端とが、ケーシング12を貫通する接続管26を介して接続されている。排気ヘッダ25には、加熱された低温ガスLGを加熱器やタービンなどの使用機器に送る高温エア排気管27が接続されている。
上記構成において、高温ガス流路10に高温ガスHGが上流側から下流側に軸心方向に沿って流送され、給気ヘッダ21から低温ガス流路16に低温ガスLGが導入されて上流側から下流側に軸心方向に沿って流送され、耐火壁14および内筒15を介して低温ガスLGが加熱されて熱回収されるとともに、高温ガスHGが冷却される。そして耐火壁14と、この耐火壁14より熱膨張率の大きい耐熱鋼製の内筒15、支持ロッド19が加熱されて熱膨張しても、支持ロッド19が貫通穴18内に熱変形を許容するだけの隙間をあけて遊嵌され耐火ブロック17がそれぞれ保持されているので、ケーシング12や内筒15、支持ロッド19の熱応力が耐火ブロック17に負荷されることがなく、耐火ブロック17に欠けや割れなど破損が生じることがない。
上記実施の形態1によれば、耐火壁14を周方向および軸心方向に分割された複数の耐火ブロック17により構成するとともに、これら耐火ブロック17を、貫通穴18に熱変形を許容するだけの隙間をあけて支持ロッド19により保持するように構成したので、内筒15の熱膨張による応力が耐火ブロック17に負荷されることがなくなり、内筒15と耐火ブロック17の熱膨張率差による破損や剥離を効果的に防止することができる。
なお、耐火ブロック17には、軸心方向隣接面17aに段部17bを形成し、周方向隣接面17cに凹凸部17dを形成したが、図7(a),(b)に示すように、軸心方向隣接面17aにのみ段部17bを形成したり、図8(a),(b)に示すように、周方向隣接面17cにのみ凹凸部17dを形成しても、シール効果を奏することができる。
[実施の形態2]
図9〜図11に示すように、実施の形態2は、実施の形態1の耐火壁装置13において、支持ロッド19を、中空部に冷却ガス(冷却エア)CGが供給される支持管(長尺支持部材)31に替えたものである。
すなわち、熱交換器1の上流端の外周部に環状の冷却用給気ヘッダ33が設けられるとともに、下流端の外周部に環状の排気ヘッダ25が設けられている。そして送風機23からエア供給管24を介して給気ヘッダ21に供給される低温ガスLGの一部を、分岐接続管32により冷却用給気ヘッダ33に導入し、冷却用給気ヘッダ33から給気管34を介して支持管31の上流端にそれぞれ冷却ガスCGが供給されて支持管31を冷却した後、この冷却ガスCGを各支持管31の下流端から排気管35を介して排気ヘッダ25に排出するように構成されている。
上記構成によれば、冷却ガスCGにより冷却される支持管31を設けたので、支持管31の焼損や強度低下を防止することができ、耐火ブロック17を確実に保持させることができる。
なお、図12に示すように、支持管31の内面に、横断面上で直交交差する対称位置に4枚の伝熱フィン36を軸心方向に沿って突設し、支持管31から冷却ガスCGに効果的に熱伝達できるように構成することもできる。
[実施の形態3]
図13に示すように、実施の形態3は、実施の形態2の耐火壁装置13において、支持管31に複数の細孔31aを所定ピッチで形成して、低温ガス(低温エア)LGの一部を加圧して、腐食防止ガスPGとして貫通穴18に充填するたものである。なお、実施の形態1と同一部材には、同一符号を付して説明を省略する。
すなわち、図9を参照して説明すると、分岐接続管32を介して取り出された低温ガスLGの一部を、エアコンプレッサ(高圧ガス供給手段)28により高温ガスHGより高圧に加圧し、冷却用給気ヘッダ33から給気管35を介して支持管31に導入し、細孔31aを介して貫通穴18に充填する。また支持管31の下流端は閉塞されており、排気管は接続されていない。
これにより、支持管31に供給された低温ガスLGの一部が、腐食防止ガスPGとして複数の細孔31aから供給されて貫通穴18に充填される。
上記構成によれば、貫通穴18に腐食防止ガスPGが充填されるので、支持管31を効果的に冷却して焼損や強度低下から保護すると同時に、耐火ブロック17の隣接面17a,17cや欠け、割れで生じた隙間が生じることがあっても、これらの隙間から腐食防止ガスPGが高温ガス流路10に漏出することで、高温ガスHGが流入するのを防止することができる。これにより腐食性の高温ガスHGが支持管31や内筒15の内周面に接触して腐食させるのを防止することができる。
[実施の形態4]
本発明に係る熱交換器の実施の形態4を図14〜図16を参照して説明する。なお、実施の形態1と同一部材には、同一符号を付して説明を省略する。
この熱交換器2は、高炉ガス排出ダクト11のケーシング(筒体)42内に耐火壁44を介して形成されて軸心部で高温ガスHGを軸心方向に流す高温ガス流路10と、当該高温ガス流路10の外周部で耐火壁44内に配置された低温ガス管(長尺支持部材)45内に低温ガスLGを軸心方向に流す低温ガス流路46とを具備し、前記低温ガス管45により、耐火壁44を保持する耐火壁装置13を構成したものである。またケーシング42の外周面に断熱材42aが取り付けられている。この熱交換器2は、高温ガス流路10に流される高温ガスHGと、低温ガス流路46に流される低温ガスLGとの間で熱交換を行うものである。
耐火壁44は、実施の形態1と同様に、高温ガス流路10の周方向に複数に分割されるとともに、軸心方向に複数に分割され、正面視が矩形で円弧状断面の複数の耐火ブロック17により構成されている。ケーシング42の内周面に耐火ブロック17を取り付ける耐火壁装置13は、周方向に分割された耐火ブロック17の平面視断面の略中央位置に、軸心方向に貫通する単数の貫通穴18がそれぞれ形成されて互いに連通され、これら貫通穴18内に熱変形を許容可能な隙間(熱変形許容隙間)をあけて低温ガス管45が遊嵌され、耐火ブロック17をそれぞれ位置決め保持するように構成されている。
なお、図12に示すように、支持管31と同様に、低温ガス管45の内周面に、軸心に直交交差する方向に4枚の伝熱フィン36を軸心方向に沿って突設させ、これにより低温ガス管45から冷却ガスLGに効果的に熱伝達させることができる。
前記耐火ブロック17は、周方向隣接面17cに形成された凹凸部17d(または段部)と、軸心方向隣接面17aに形成された段部17b(または凹凸部)とがそれぞれ形成されている。前記低温ガス管45は、その上流端および下流端が、複数の接続管22,26により支持されている。
図16に示すように、熱交換器2の上流端の外周部に、送風機23からエア供給管24を介して低温ガスLGが供給される環状の給気ヘッダ21が配置され、給気ヘッダ21から接続管22を介して低温ガス管45の上流端に低温ガスLGが供給される。また熱交換器2の下流端の外周部に環状の排気ヘッダ25が配置され、低温ガス管45から接続管26を介して排気ヘッダ25に低温ガスLGが排出される。
なお、貫通穴18および低温ガス管45とを、耐火ブロック17に、図17に示すように、2箇所または2箇所以上設置することもできる。
上記構成において、高温ガス流路10に高温ガスHGが上流側から下流側に軸心方向に沿って流送され、送風機23からエア供給管24を介して低温ガスLGが供給され、給気ヘッダ21から低温ガス管45に低温ガスLGが供給され、耐火壁44および低温ガス管45を介して低温ガスLGが加熱されて熱回収され、高温ガスHGが冷却される。
上記構成によれば、起動、停止および運転時に、耐火壁44と、この耐火壁44より熱膨張率の大きい耐熱鋼製のケーシング42や低温ガス管45が加熱、冷却されて熱膨張、収縮しても、耐火壁装置13により低温ガス管45が耐火ブロック17の貫通穴18に熱変形を許容可能な熱変形許容隙間をあけて遊嵌され、耐火壁44を位置決め保持しているので、ケーシング42や低温ガス管45の熱応力が耐火ブロック17に負荷されることがない。したがって、熱変形による耐火壁44の割れや欠けを少なくすることができ、高温ガスHGによる腐食を防止することができる。
[実施の形態5]
実施の形態5は、図18に示すように、実施の形態4の低温ガス管45に供給した冷却用の低温ガスLGの一部を、低温ガス管45から貫通穴18内に噴出させる複数の細孔45aを所定ピッチで形成して、貫通穴18内に腐食防止ガスPG(低温ガスLG)を充填させるものである。低温ガスLGのエア圧が高温ガスHGより低い場合には、エア供給管24にエア加圧機であるエアコンプレッサ(高圧ガス供給手段)28を介在させて低温ガスLGを昇圧する(図16参照)。
すなわち、給気ヘッダ21から低温ガス管45の上流端に、高温ガスHGより高圧の低温ガスLGが供給され、低温ガス管45に沿って流送される。そして、低温ガスLGの一部を腐食防止ガスPGとして細孔45aから貫通穴18内に充填させることにより、欠けや割れ、隣接面17a,17cの隙間などが生じても、腐食防止ガスPGをこれら隙間から高温ガス流路10に流入させて、高炉ガスHGが貫通穴18内やケーシング42の内周面側に流入するのを防止することができ、これにより腐食性の高温ガスHGによる低温ガス管45およびケーシング42の内周面の腐食を防止することができる。
上記構成によれば、低温ガス管45により熱回収して低温ガス管45を焼損や強度低下から保護できるとともに、低温ガス管45から細孔45aを介して貫通穴18内に低温ガスLGの一部が充填されるので、低温ガス管45の過熱を防止できるとともに、耐火ブロック17に生じた欠け、割れや隣接面17a,17cに生じた隙間から高温ガス流路10に流入させ、これにより腐食性の高温ガスHGが貫通穴18に流入したり、ケーシング42に接触するのを防ぎ、腐食を効果的に防止することができる。
本発明に係る熱交換器の実施の形態1を示す横断面図である。 図1の部分拡大図である。 熱交換器の縦断面図である。 耐火ブロックおよび耐火壁を示し、(a)は一部を取り出した部分斜視図、(b)は部分縦断面図である。 耐火ブロックを示し、(a)は上方斜視図で、(b)は下方斜視図である。 耐火ブロックの接合部を示し、(a)は周方向隣接面の平面視の拡大断面図、(b)は軸心方向隣接面を示す側面図である。 耐火ブロックの変形例1を示し、(a)は上方斜視図、(b)は下方斜視図である。 耐火ブロックの他の変形例2を示し、(a)は上方斜視図、(b)は下方斜視図である。 本発明に係る熱交換器の実施の形態2を示す縦断面図である。 ガス排出ダクトの部分拡大横断面図である。 ガス排出ダクトの一部を切り欠いた拡大斜視図である。 支持管の変形例を示す横断面図である。 本発明に係る熱交換器の実施の形態3を示す部分拡大斜視図である。 本発明に係る熱交換器の実施の形態4を示すガス排出ダクトの平面視の断面図である。 図14の部分拡大図である。 熱交換器の縦断面図である。 熱交換器の変形例を示す部分拡大横断面図である。 本発明に係る熱交換器の実施の形態5を示す部分拡大斜視図である。 従来の熱交換器を示す横断面図である。 従来の熱交換器を示す部分拡大横断面図である。
符号の説明
HG 高温ガス
LG 低温ガス(低温エア)
CG 冷却ガス(冷却エア)
PG 腐食防止ガス
δ1,δ2 許容隙間
1 熱交換器
2 熱交換器
10 高温ガス流路
11 ガス排出ダクト
12 ケーシング(外筒)
13 耐火壁装置
14 耐火壁
15 内筒
16 低温ガス流路
17 耐火ブロック
17a 軸心方向隣接面
17b 段部
17c 周方向隣接面
17d 凹凸部
18 貫通穴
19 支持ロッド(長尺支持部材)
31 支持管(長尺支持部材)
31a 細孔
32 分岐接続管
33 冷却用給気ヘッダ
42 ケーシング(筒体)
44 耐火壁
45 低温ガス管(長尺支持部材)
46 低温ガス流路

Claims (5)

  1. 腐食性の高温ガスを軸心方向に案内する筒体の内周面に耐火壁を取り付ける耐火壁装置であって、
    前記耐火壁を、筒体の軸心方向および周方向に複数に分割した複数の耐火ブロックにより構成し、
    各軸心方向に沿って配置された耐火ブロックのブロック列毎に、各耐火ブロックに互いに連通する貫通穴を軸心方向に貫通形成し、
    筒体に支持された長尺支持部材を前記貫通穴に嵌合するとともに、当該長尺支持部材と前記貫通穴との間に、耐火ブロックおよび長尺支持部材の熱変形を許容する許容隙間を形成し、
    前記長尺支持部材を中空状に形成するとともに、当該中空部に、高温ガスより高圧の低温ガスを導入する冷却手段を設け、
    前記長尺支持部材に、当該長尺部材内から前記貫通穴内に低温ガスを充填する複数の細孔を形成した
    ことを特徴とする耐火壁装置。
  2. 耐火ブロックの周方向に隣接する周方向隣接面および軸心方向に隣接する軸心方向隣接面の少なくとも一方に、互いに係合する段部または凹凸部を形成した
    ことを特徴とする請求項1記載の耐火壁装置。
  3. 筒体に環状空間をあけて外嵌された外筒により二重筒構造にされ、筒体内に腐食性の高温ガスを導入する高温ガス流路を形成するとともに、前記環状空間に低温ガスを導入する低温ガス流路を形成し、高温ガス流路内の高温ガスと低温ガス流路内の低温ガスとの間で熱交換を行う熱交換器であって、
    前記筒体の内周面に、請求項1または2に記載の耐火壁装置を設けた
    ことを特徴とする熱交換器。
  4. 耐火壁装置により筒体の内周面に取り付けられた耐火壁の軸心部に、腐食性の高温ガスを案内する高温ガス流路が形成されるとともに、前記耐火壁内に低温ガスを導入する低温ガス流路が形成され、高温ガス流路内の高温ガスと低温ガス流路の低温ガスとの間で熱交換を行う熱交換器であって、
    前記耐火壁を、筒体の軸心方向および周方向に複数に分割された耐火ブロックにより構成し、
    前記耐火壁装置は、各軸心方向に沿って配置された耐火ブロックのブロック列に軸心方向に貫通形成されて互いに連通する貫通穴と、筒体に支持されるとともに前記貫通穴内に、耐火ブロックおよび長尺支持部材の熱変形を許容する許容隙間を介して嵌合され耐火ブロックを保持するとともに低温ガス流路を形成する冷却ガス管とを具備し、
    前記冷却ガス管に導入する低温ガスを、高温ガスより高圧とするとともに、前記冷却ガス管に、貫通穴内に低温ガスを充填する複数の細孔を形成した
    ことを特徴とする熱交換器。
  5. 耐火ブロックの周方向に隣接する周方向隣接面および軸心方向に隣接する軸心方向隣接面の少なくとも一方に、互いに係合する段部または凹凸部を形成した
    ことを特徴とする請求項4記載の熱交換器。
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