JP5477699B2 - スイッチング電源装置 - Google Patents
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Description
トランスTは、1次巻線Pと2次巻線Sと補助巻線Dとを有し、2次側回路へエネルギーを伝達する。また、スイッチング素子Q1は、トランスTの1次巻線Pに接続されている。
エラーアンプ4は、Vout−SG間に接続され、出力電圧Voutと内部の基準電圧との差に応じて、フォトカプラPCaに流れる電流を制御する。フォトカプラPCaは、発光ダイオードにより構成され、基準電圧に対する誤差を1次側にフィードバックする。また、フォトカプラPCbは、フォトカプラPCaの発光ダイオードの光に応じて動作するフォトトランジスタであり、コレクタが制御部3bのFB端子に接続されるとともにエミッタがGNDに接地されている。
スイッチング素子Q1のオフ期間中に2次巻線Sに誘起される電圧は、整流用のダイオードD1と出力コンデンサC2とにより整流平滑され、2次側出力電圧としてVoutから負荷に対して出力される。
内部電源Regの電圧Vregは、外部でFB端子に接続されたフォトカプラPCbとコンデンサC9とにより、FB端子に2次側からのフィードバック電圧を生成する。
内部電源Regの電圧Vregは、抵抗R4とダイオードD3と抵抗R5と抵抗R6を介してGNDに接続され、抵抗R4とダイオードD3のアノードとにFB端子が接続されている。また、コンパレータFの反転端子には、抵抗R5と抵抗R6が接続され、FB端子電圧に比例した電圧が与えられる。
OC端子は、スイッチング素子Q1のソース端子と抵抗R1に接続されており、スイッチング素子Q1に流れる電流量に応じた電圧が印加され、コンパレータFの非反転端子及びコンパレータOCPの非反転端子に電圧信号を出力する。
コンパレータFは、反転入力端子の電圧Vfbに対して、制御回路3のOC端子から出力される、スイッチング素子Q1に流れる電流量に応じた電圧信号が上回った場合にH信号を出力する。これにより、コンパレータFは、FB端子に示される2次側からのフィードバック量に応じた電圧値vfbよりもOC端子電圧信号の電圧値が超えた際に、Hレベルの信号を、OR回路OR1を介してフリップフロップFF1のS端子に入力し、論理回路NOR1とドライブ回路BFを介してスイッチング素子Q1をオフさせ、2次側の出力電圧値を一定に制御することができる。
論理回路OR1は、コンパレータOCP、コンパレータFのうちいずれか1つによりH信号を入力された場合にH信号をフリップフロップFF1のS端子に対して出力する。
コンパレータBDは、補助巻線Dのフライバック電圧を基準電圧Vzと比較し、トランスTの蓄積エネルギーを2次巻線Sを介して2次側へエネルギーを放出し終え、巻線電圧の極性が反転したことを検出する。補助巻線Dの巻線電圧が、基準電圧Vzより低下した時点で、コンパレータBDの出力端子は、L信号をフリップフロップFF1のR端子と論理回路NOR1へ出力し、ドライブ回路BFを介してスイッチング素子Q1をオフからオンにする。
2次巻線Sに流れる電流は、ダイオードD1と出力コンデンサC2とにより整流平滑され直流電力となり、Voutから外部の負荷に対して出力される。
スイッチング素子Q1のオン・オフ動作が繰り返されることで、Voutの出力電圧が徐々に上昇し、エラーアンプ4で設定された基準電圧に達すると、フォトカプラPCaのフォトダイオードに流れる電流が増加する。すると、フォトカプラPCbのフォトトランジスタに流れる電流が増加するため、コンデンサC9が放電され、FB端子の電圧が低下する。これにより制御部3bは、上述したように、コンパレータF、論理回路OR1、フリップフロップFF1、論理回路NOR1、バッファ回路BFを介してスイッチング素子Q1を制御してVoutの出力電圧を安定化させる。
ここで、スイッチング素子Q1のオフからオンへの動作は、トランスTの2次巻線Sの電力放出後に起こるトランスのリンギング波形を利用している。すなわち、トランスの補助巻線Dのリンギング波形のボトムに合わせてスイッチング素子Q1をターンオンさせている。
図7に従来技術の擬似共振型リンギングチョークコンバータの動作波形の一部を示す。
図7の(a)にスイッチング素子Q1に流れる電流波形、(b)に2次側ダイオードD1に流れる電流波形、(c)にスイッチング素子Q1のドレインーソース間電圧波形を示す。
時刻t1〜t2が、スイッチング素子Q1がオン状態、時刻t2〜t4がスイッチング素子Q1のオフ状態、ここで時刻t2〜t3が2次巻線SからトランスTの蓄積エネルギーが放出される期間であり、2次側ダイオードD1に電流が流れる期間となり、時刻t3〜t4はトランスTがリンギングする1/2周期となる。
ここで、擬似共振型リンギングチョークコンバータの自励発振の周期は下式(4)で表される。
Ton=スイッチングオン時間
Toff=スイッチングオフ時間
Lp=1次巻線Pのインダクタンス値
Vin=入力電圧
Vo=出力電圧
Ippk=1次巻線電流のピーク値
Ispk=2次巻線電流のピーク値
Vf=2次側整流ダイオードの順方向電圧
Cqr=電圧共振コンデンサ容量
Cmos=スイッチング素子の主端子間容量
Ton=(Lp/Vin)×Ippk・・・(1)
Toff=(Ls×Ispk)/(Vo×Vf)・・・(2)
Tlc=2×Π×√(Lp×(Cqr+Cmos))・・・(3)
リンギングチョークコンバータの周期=Ton+Toff+Tlc/2・・・(4)
(1)式から、入力電圧が低ければTon時間が長くなる傾向にあり、また(2)式から、出力電圧が低ければToff時間が長くなる傾向がわかる。
従って、電源起動時は入力電圧が低い状態から始まり、かつ出力電圧は0Vからスタートするので周期は長い時間となり、自励発振である擬似共振型リンギングチョークコンバータの電源起動時のスイッチング周波数は可聴域にまで低くなる問題点が内在している。これは、先行技術文献のようにオフ時間を設定したり、オフ時間を延長したりする手段では解決しない本質的な内容である。
また、民生機器においては、電源起動時に耳障りな音が発生する不具合・問題となっていた。
トランスの1次巻線に接続されたスイッチング素子を有し、前記トランスの1次側に電圧が入力された場合に制御回路が前記スイッチング素子をオン/オフ制御することにより前記トランスの2次巻線に誘起される電圧を整流平滑して負荷に出力するスイッチング電源装置であって、前記制御回路は、ソフトスタート機能を有し、ソフトスタートの期間はPWM制御によるオン/オフ制御をさせ、前記ソフトスタート期間後は周波数制御に切替えて負荷に出力する電圧を安定に制御し、前記ソフトスタート期間において、スイッチング素子に流れる電流を制限しながら段階的に増加させることを特徴とする。
図1に示したスイッチング電源装置2の電力変換回路は擬似共振型リンギングチョークコンバータである。
交流電源1の交流電圧はブリッジ整流器DBとコンデンサC1により直流電圧に整流平滑され、直流電圧はトランスTの1次巻線Pを介してスイッチング素子Q1のオン動作により電磁エネルギーを蓄え、スイッチング素子Q1のオフ時にトランスTの2次巻線Sに誘起される電圧をダイオードD1とコンデンサC2にて整流平滑し出力Voutに電力を供給する。
電源起動時には、スタートアップ10より制御回路3に電源電圧が供給され、次に、時刻t0〜t1において、ソフトスタート機能によりPWM制御にてスイッチング電源装置(リンギングチョークコンバータ)は制御され、負荷へ電力を供給し始める。 時刻t1後は、制御回路のソフトスタート期間終了後は速やかにスイッチSWにより周波数制御に切替えられる。
また、負荷短絡検知15を備えて、スイッチング素子Q1に流れるドレイン電流は抵抗R3を介して負荷短絡検知15へ信号として入力され、負荷短絡検知15はドレイン電流の値から過負荷か否かを検知し、過負荷を検知すると、検知した時点でスイッチング素子Q1のオンからオフへ移行させる。
図3は、本発明に係る第1の実施形態の、スイッチング電源装置における1次側制御回路の構成を示す図である。なお、本発明のスイッチング電源装置全体の構成は、図6を用いて説明した従来のスイッチング電源装置と同様であり、図6における制御回路3bを図2に記載した制御回路3に置き換えたものとする。
なお、図3及び図5の各実施形態を示す図において、図6における構成要素と同一ないし均等なものは、前記と同一符号を以って示し、重複した説明を省略する。
スイッチング電源装置2には1次巻線P、2次巻線S、補助巻線Dを有するトランスTを備えている。ブリッジ整流器DBの正極出力端子はトランスTの1次巻線Pの一方の端子に接続され、1次巻線Pの他方の端子はスイッチング素子であるMOSFETQ1のドレイン端子に接続されている。また、MOSFETQ1のソース端子は抵抗R1を介してブリッジ整流器DBの負極出力端子(以下、ブリッジ整流器DBの負極出力端子に接続されたラインを接地電位GND1とする。)に接続されている。
コンデンサC10は、ダイオードD10のカソード端子と制御回路3のVcc端子が接続され、ダイオードD10のアノード端子はトランスTの補助巻線Dの一方の端子と抵抗R3の一方の端子に接続され、抵抗R3の他方の端子は制御回路3のZC端子に接続されている。コンデンサC9の一方の端子とフォトカプラPCbのフォトトランジスタのコレクタと制御回路3のFB端子は接続され、コンデンサC9の他方の端子と、フォトカプラPCbのフォトトランジスタのエミッタ端子と、補助巻線Dの他方の端子と制御回路3のGND端子と接地電位GNDは接続されている。また、スイッチング素子であるMOSFETQ1のドレイン端子には、電圧共振コンデンサC3の一方の端子と制御回路3のDV端子が接続され、MOSFETQ1のソース端子には、電圧共振コンデンサC3の他方の端子が接続され、さらに制御回路3のOC端子が接続されている。
トランスTの2次巻線Sの一方の端子にはダイオードD1のアノード端子が接続され、ダイオードD1のカソード端子とコンデンサC2の正極端子とフォトカプラPCaのフォトダイオードのアノード端子とエラーアンプ4の電圧検出端子と負荷への出力端子Voutに接続され、フォトカプラPCaのフォトダイオードのカソード端子とエラーアンプ4の制御端子は接続され、トランスTの2次巻線Sの他方の端子とコンデンサC2の負極端子とエラーアンプ4の負極端子と負荷への出力のSG端子が接続されている。
図3の制御回路3は、スタートアップStartUp、内部電源Reg、論理回路NOR1、OR1、OR2、NOT1、コンパレータBD、F、OCP、フリップフロップFF1、抵抗R4、R5、R6、ダイオードD3、基準電圧Vz、Voc、ドライブ回路BF、ソフトスタートSoftStart、発振器MaxON、スイッチSWにより構成される。
論理回路NOR1の第1入力端子と論理回路OR1の第2入力端子とスイッチSW1の一方の端子に接続されている。論理回路NOR1の第3入力端子とフリップフロップFF1の出力Qは接続され、フリップフロップFF1のリセット端子Rは論理回路OR2の出力に接続され、フリップフロップFF1のセット端子Sは論理回路OR1の出力に接続されている。論理回路NOR1の出力は、バッファ回路BFの入力端子とソフトスタートSoftStartの入力端子に接続され、ソフトスタートSoftStartの出力は、論理回路NOT1の入力端子と、発振器MaxONのオンオフ端子に接続されている。論理回路NOT1の出力は、スイッチSW1のオンオフ制御端子に接続されている。
論理回路OR1の第1入力端子には、コンパレータFの出力が接続され、第2入力端子には、コンパレータOCPの出力が接続されている。コンパレータOCPとFの非反転端子同士は接続されて、制御回路端子OCを介してスイッチング素子Q1のソース端子と抵抗R1の一方の端子と電圧共振コンデンサC3の他方の端子に接続されている。コンパレータOCPの反転端子には基準電圧Vocが接続され、コンパレータFの反転端子には抵抗R5の他端と抵抗R6の一方の端子に接続されている。
抵抗R5の一方の端子には、ダイオードD3のカソードが接続され、ダイオードD3のアノードには抵抗R4の他方の端子と制御回路3のFB端子に接続されている。抵抗R4の一方の端子には、内部電源Regの電源電圧Vregに接続されている。制御回路3のFB端子には、従来技術と同様、フォトカプラPCbのコレクタ端子とコンデンサC9の一方の端子が接続されている。
コンパレータBDの出力は、スイッチSWの他方の端子に接続され、コンパレータBDの反転入力端子には、基準電圧Vzが接続され、非反転入力端子には制御回路3のZC端子を介して抵抗R3の他方の端子に接続されている。抵抗R3の一方の端子は、トランスTの補助巻線Dのドット極性の端子に接続されている。ここで、補助巻線Dのドット極性は、トランスTの2次巻線Sの電力供給側の極性と同極になっている。
制御回路3のGND端子には、各基準電圧Voc、Vzの負極端子、抵抗R6の他方の端子が接続され、抵抗R1の他方の端子及びコンデンサC9、フォトカプラPCbのトランジスタのエミッタ端子、平滑コンデンサC1の負極端子及びブリッジ整流器DBの負極端子に接続されている。
バッファ回路BFの出力は、制御回路3のDR端子を介して、スイッチング素子Q1のゲート端子に接続されている。
ソフトスタート回路SoftStartは、電源起動時から時間を計測し、所定の時間に達するとLレベルの出力信号を送出し、論理回路NOT1を介してスイッチSWをオンし、かつ、発振器MaxOnの発振を停止させる。例えばソフトスタート回路SoftStartの構成は、タイマ回路又は、論理回路NOR1の出力信号パルスを所定の回数カウント後、出力するカウンタ回路で構成される。
発振器MaxOnは、PWM制御時の発振周波数を決定し、かつ、スイッチング素子の最大オン幅を制限するものである。発振器MaxOnの出力は、前記ソフトスタート回路SoftStartによりオンオフ制御され、オフ状態はLレベルを保持する。
スイッチSWは、制御回路3の制御を、発振器MaxOnによるPWM制御或いは、コンパレータBD出力信号による周波数制御のいずれかを選択するスイッチであって、前記ソフトスタート回路SoftStartによりオンオフ制御される。
次に、図3に示す制御回路3の内部構成、図4に示すタイミングチャートを参照して、起動時のPWM制御から周波数制御へ切り替わる動作について説明する。
図4の時刻t6までのソフトスタート期間中は、ソフトスタート回路SoftStartの出力信号vsoは、Hレベルとなり、この期間はスイッチSWがオフ状態でありPWM制御であるため、論理回路NOR1の第1入力端子電圧r1はLレベルとなっている。また、発振器MaxOnの出力信号は時刻t1〜t3のように、周期tmaxのパルス波形を出力している。
ここで、上記繰り返しによりトランスTから図示しない2次側の負荷へ電力が供給されて出力電圧Voutが上昇し定格電圧に近づくと、時刻t3〜t8にかけて、2次側のエラーアンプ4からフォトカプラPCa、PCbを介して電流を流し、FB端子電圧fbを徐々に下げて行く。このため、コンパレータFの反転端子電圧vfbも比例して低下し、時刻t4にて抵抗R1の電圧vrより下がった時点で、コンパレータFの出力はHレベルに反転し、論理回路OR1を介してフリップフロップ回路FF1をセット状態にセットする。フリップフロップ回路FF1がセット状態となることで、Q出力は反転し、信号r3はHレベルとなり、論理回路NOR1及びバッファ回路BFを介してスイッチング素子Q1をオフ状態にする。このとき、電圧vrは基準電圧Vocのレベルに達していないので、コンパレータOCPの出力信号vcpはLレベルの状態を保っている。
時刻t5において、発振器MaxOnのHレベルの出力信号が論理回路OR2の一方の入力端子に入力され、上記と同じ動作が繰り返される。
信号r1にはコンパレータBDの出力信号が接続され、コンパレータBDの非反転入力端子には基準電圧Vzよりも低い電圧が入力されているので、コンパレータBDの出力はLレベルであり、信号r1はLレベルのまま変化せず、信号r4及び信号r3も同様に変化しない。従って、時刻t7におけるスイッチング素子Q1のオン状態に変化はおこらない。
また、時刻t8において、コンパレータBDの非反転入力端子には基準電圧Vzよりも高い電圧が入力されているので、信号r1はHレベルに反転し論理回路NOR1の出力信号vdをLレベルに保ち、かつ、論理回路OR2を介してフリップフロップFF1のリセット端子にHレベルを入力してリセット状態にする。ここで、
フリップフロップFF1のQ出力はLレベルに反転するが、論理回路NOR1の第1入力信号r1がHレベルであるため、論理回路NOR1の出力信号vdはLレベルを保つ。
以上、本発明を具体的な実施形態で説明したが、これら実施形態は例示であって、本発明はこれら実施形態に限定されないことは言うまでも無い。
2・・・スイッチング電源装置
DB・・・ブリッジ整流器
3、3a、3b・・・1次側制御回路
4・・・エラーアンプ
T・・・トランス
P・・・トランスTの1次巻線
S・・・トランスTの2次巻線
D・・・トランスTの補助巻線
R1〜R6、R6a・・・抵抗
C1〜C3、C9、C10・・・コンデンサ
D1、D3、D10・・・ダイオード
Q1・・・スイッチング素子
PCa、PCb・・・フォトカプラ
OCP、F、BD・・・コンパレータ
FF1・・・フリップフロップ
BF・・・バッファ回路
NOR1、OR1、OR2、NOT1・・・論理回路
Voc、Vz・・・基準電圧
Claims (1)
- トランスの1次巻線に接続されたスイッチング素子を有し、
前記トランスの1次側に電圧が入力された場合に制御回路が前記スイッチング素子をオン/オフ制御することにより前記トランスの2次巻線に誘起される電圧を整流平滑して負荷に出力するスイッチング電源装置であって、
前記制御回路は、ソフトスタート機能を有し、
ソフトスタートの期間はPWM制御によるオン/オフ制御をさせ、
前記ソフトスタート期間後は周波数制御に切替えて負荷に出力する電圧を安定に制御し、
前記ソフトスタート期間において、スイッチング素子に流れる電流を制限しながら段階的に増加させることを特徴とするスイッチング電源装置。
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