JP5477197B2 - スピーカー用振動板 - Google Patents
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Description
1)予備発泡粒子を用いて製造された熱可塑性樹脂粒子発泡成形体から得られた、厚みが0.1mm以上1.5mm以下の熱可塑性樹脂粒子発泡フィルムを用いたスピーカー用振動板であって、上記予備発泡粒子が実質的に直径1500μm以下のもののみからなり、上記熱可塑性樹脂粒子発泡成形体が、アクリロニトリルを5重量%以上50重量%以下含有し、密度が100kg/m 3 以上500kg/m 3 以下、ガラス転移温度が105℃以上であるスチレン系樹脂粒子発泡成形体であって、発泡成形体内部に、実質的に粒子状の未発泡部位が存在しないことを特徴とするスピーカー用振動板。
2)上記予備発泡粒子が実質的に直径300μm以上のもののみからなることを特徴とする上記1)記載のスピーカー用振動板。
3)上記1)または2)記載の熱可塑性樹脂粒子発泡フィルムの両側にアルミニウム箔を積層してなることを特徴とするスピーカー用振動板。
4)上記熱可塑性樹脂粒子発泡成形体を切削する工程を含んで得られたことを特徴とする、上記1)〜3)のいずれか記載のスピーカー用振動板。
5)熱可塑性樹脂粒子発泡成形体を切削する工程を含んで得られた熱可塑性樹脂粒子発泡フィルムが、熱可塑性樹脂粒子発泡成形体或いは刃の少なくとも一方を往復運動させ、かつ、往路或いは復路の少なくとも一方の工程において熱可塑性樹脂粒子発泡成形体と刃が摺動することにより熱可塑性樹脂粒子発泡成形体を間歇的に切削することにより得られた熱可塑性樹脂粒子発泡フィルムであることを特徴とする、上記4)記載のスピーカー用振動板。
6)熱可塑性樹脂粒子発泡成形体を切削する工程を含んで得られた熱可塑性樹脂粒子発泡フィルムが、熱可塑性樹脂粒子発泡成形体を切削して薄片とした後、該薄片を、該熱可塑性樹脂のガラス転移温度−30℃以上の温度、かつガラス転移温度以下の温度にて加熱しつつ平板化することにより得られたものであることを特徴とする、上記4)記載のスピーカー用振動板。
7)熱可塑性樹脂粒子発泡フィルムの、密度100kg/m3以上500kg/m3以下、10%圧縮時の圧縮強度が0.8MPa以上であることを特徴とする、上記1)〜6)のいずれか記載のスピーカー用振動板。
また本発明における熱可塑性樹脂粒子発泡フィルムの密度については、100kg/m3以上500kg/m3以下であり、好ましくは、120kg/m3以上300kg/m3以下である。密度が100kg/m3を下回ると、スライスにより得られる発泡フィルムの剛性が不足し、500kg/m3を超えると上記発泡フィルムの軽量性が損なわれる。
厚みゲージを用いて、450mm×300mmのサンプルについて、サンプル周辺端部30mmを除いて切り出し、ランダムに30箇所で厚みを測定し、算術平均により平均厚みを算出すると共に、最大値と最小値の差を算出した。
上記熱可塑性樹脂発泡フィルムの厚み測定を行ったサンプルについて、縦横の長さ及び重量を測定し、縦横の長さと平均厚みから体積を算出し、重量を体積で除して算出した。
上記熱可塑性樹脂発泡フィルムの厚み測定の際に切り取られた周辺端部について、厚みゲージを用いて、四隅部での厚みを測定し、最小値を端部最小厚みとした。
熱可塑性樹脂発泡フィルムを3cm×3cmに10枚切り出して重ねて測定試料とし、23℃雰囲気下、オートグラフを用いて1m/minの速度で圧縮し、変形量が10%となった際の応力(N)を試料面積(0.03m×0.03m=0.0009m2)で除すことにより、10%圧縮時の圧縮強度を算出した。
発泡フィルムの中央部から100mm×100mmのサンプルを切り出し、各辺の長さを測定した後、85℃に設定した熱風オーブン中にて2時間加熱後に再度測定し、加熱後の長さを加熱前の長さで除して寸法変化の割合を算出した。
株式会社カネカ製の低発泡成形用耐熱発泡性ポリスチレン系樹脂、ヒートマックス(商標)HM5の内、JIS Z8801に基づく呼び寸法600μmの網ふるいを通過した樹脂だけを取り出し、予備発泡し、再度 呼び寸法500μmの網ふるいを通過しない樹脂だけを取り出し成形することにより、450mm×300mm×25mm、密度210kg/m3の方形状成形体を得た。この方形状発泡体を、以下の切削機を用いて目標厚み0.3mmに設定して切削を行った。
実施例1で得られた熱可塑性樹脂粒子発泡フィルムの両面に、大日本ホイル製VCコートアルミ箔(塩ビ系粘着剤付きの厚さ0.012mmのアルミニウム箔)を貼付したところ、剛性の高い積層発泡フィルムが得られた。
実施例1の方形状成形体について、実施例1と同じ切削機を用いて目標厚み0.7mmに設定して切削を行い、実施例1と同様にして平板化を行った。
実施例3で得られた熱可塑性樹脂粒子発泡フィルムに実施例2と同様にして厚さ0.012mmのアルミニウム箔を貼付したところ、剛性の高い積層発泡フィルムが得られた。
実施例1と同様に、株式会社カネカ製の低発泡成形用耐熱発泡性ポリスチレン系樹脂、ヒートマックス(商標)HM5の内、JIS Z8801に基づく呼び寸法600μmの網ふるいを通過した樹脂だけを取り出し、予備発泡し、再度 呼び寸法500μmの網ふるいを通過しない樹脂だけを取り出し成形することにより、450mm×300mm×25mm、密度140kg/m3の方形状成形体を得、さらに、実施例1と同様にして目標厚み0.3mmに設定して切削、平板化を行った。
実施例5で得られた熱可塑性樹脂粒子発泡フィルムに実施例2と同様にして厚さ0.012mmのアルミニウム箔を貼付したところ、剛性の高い積層発泡フィルムが得られた。
予備発泡の前後で、網ふるいを使用しない以外は、実施例1と同様にして方形状成形体を得、実施例1と同じ切削機を用いて目標厚み0.3mmに設定して切削を行なった結果、切削の段階で、刃こぼれが多発し、刃こぼれしていない部分の発泡フィルムを選別し、実施例1と同様にして平板化を行った。評価結果を表1に示す。得られた熱可塑性樹脂発泡フィルムは、密度212kg/m3、平均厚み0.3mm、最大値と最小値の差は0.04mm、端部最小厚みは0.05mmで、表面は平滑だが、非常に脆い剛性にも欠ける熱可塑性樹脂発泡フィルムを得た。この発泡フィルムの10%圧縮時の圧縮強度は4.3MPaであり、耐熱性評価での寸法変化は1.00で変わらなかった。
比較例1で得られた熱可塑性樹脂粒子発泡フィルムに実施例2と同様にして厚さ0.012mmのアルミニウム箔を貼付したところ、剛性に欠ける積層発泡フィルムしか得られなかった。
使用する樹脂を、株式会社カネカ製の発泡成形用耐熱発泡性ポリスチレン系樹脂、ヒートマックス(商標)HMに代えた以外は、実施例1と全く同様に方形状成形体を得、実施例1と同様にして切削、平板化を行った。得られた熱可塑性樹脂発泡フィルムは、密度36kg/m3、平均厚み0.31mm、最大値と最小値の差は0.06mmと若干大きいが、端部最小厚み0.28mmの表面の平滑な熱可塑性樹脂発泡フィルムを得た。この発泡フィルムの樹脂のガラス転移温度116℃で、耐熱性評価での寸法変化は1.00で変わらなかったが、10%圧縮時の圧縮強度は0.3MPaであり、剛性に欠ける熱可塑性樹脂粒子発泡フィルムを得た。
比較例3で得られた熱可塑性樹脂粒子発泡フィルムに実施例2と同様にして厚さ0.012mmのアルミニウム箔を貼付したところ、剛性に欠ける積層発泡フィルムしか得られなかった。
実施例1の内、予備発泡後のみ、網ふるいを使用しない以外は、実施例1と全く同様にして、450mm×300mm×25mm、密度210kg/m3の方形状成形体を得た。さらに、実施例1と同じ切削機を用いて目標厚み0.3mmに設定して切削を行い、実施例1と同様にして平板化を行った。得られた熱可塑性樹脂発泡フィルムは、密度210kg/m3、平均厚み0.30mm、最大値と最小値の差は0.03mm、端部最小厚みは0.28mmで、表面の平滑な熱可塑性樹脂粒子発泡フィルムを得たが、収率が低くなった。具体的には、切削工程において、頻繁に硬芯が影響していると思われる刃こぼれが発生し、結果として、傷の無い表面の均一なフィルムは、わずか50枚しか得られず、さらに、平坦化工程において、フィルム割れが発生し、最終的には、30枚しか良好なフィルムが得られなかった。実施例1においては、70枚以上のフィルムが安定的に得られている。こうして得られた傷の無い表面の均一なフィルムの10%圧縮時の圧縮強度は4.5MPaであり、樹脂のガラス転移温度は122℃であり、耐熱性評価での寸法変化は1.00となり、実施例1と同等の結果であった。
比較例5で得られた傷の無い表面の均一な熱可塑性樹脂粒子発泡フィルムに実施例2と同様にして厚さ0.012mmのアルミニウム箔を貼付したところ、アルミニウム箔の表面に皺が目立つ外観の悪い積層発泡フィルムが得られた。
一方で、比較例1〜6で得られたもので、同様にスピーカー用振動板として評価したが、音域の狭い、音圧の低いものしか得られなかった。
実施例1〜6、比較例1〜6の対比により、本発明の効果は明らかである。
2 刃
3 発泡体を所定量繰り出し可能な架台
Claims (7)
- 予備発泡粒子を用いて製造された熱可塑性樹脂粒子発泡成形体から得られた、厚みが0.1mm以上1.5mm以下の熱可塑性樹脂粒子発泡フィルムを用いたスピーカー用振動板であって、上記予備発泡粒子が実質的に直径1400μm以下のもののみからなり、上記熱可塑性樹脂粒子発泡成形体が、アクリロニトリルを5重量%以上50重量%以下含有し、密度が100kg/m 3 以上500kg/m 3 以下、ガラス転移温度が105℃以上であるスチレン系樹脂粒子発泡成形体であって、発泡成形体内部に、実質的に粒子状の未発泡部位が存在しないことを特徴とするスピーカー用振動板。
- 上記予備発泡粒子が実質的に直径300μm以上のもののみからなることを特徴とする請求項1記載のスピーカー用振動板。
- 請求項1または2記載の熱可塑性樹脂粒子発泡フィルムの両側にアルミニウム箔を積層してなることを特徴とするスピーカー用振動板。
- 上記熱可塑性樹脂粒子発泡成形体を切削する工程を含んで得られたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか記載のスピーカー用振動板。
- 熱可塑性樹脂粒子発泡成形体を切削する工程を含んで得られた熱可塑性樹脂粒子発泡フィルムが、熱可塑性樹脂粒子発泡成形体或いは刃の少なくとも一方を往復運動させ、かつ、往路或いは復路の少なくとも一方の工程において熱可塑性樹脂粒子発泡成形体と刃が摺動することにより熱可塑性樹脂粒子発泡成形体を間歇的に切削することにより得られた熱可塑性樹脂粒子発泡フィルムであることを特徴とする、請求項4記載のスピーカー用振動板。
- 熱可塑性樹脂粒子発泡成形体を切削する工程を含んで得られた熱可塑性樹脂粒子発泡フィルムが、熱可塑性樹脂粒子発泡成形体を切削して薄片とした後、該薄片を、該熱可塑性樹脂のガラス転移温度−30℃以上の温度、かつガラス転移温度以下の温度にて加熱しつつ平板化することにより得られたものであることを特徴とする、請求項4記載のスピーカー用振動板。
- 熱可塑性樹脂粒子発泡フィルムの、密度100kg/m3以上500kg/m3以下、10%圧縮時の圧縮強度が0.8MPa以上であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか記載のスピーカー用振動板。
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