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JP5475026B2 - ブランキングシステム及び部材片の製造方法 - Google Patents

ブランキングシステム及び部材片の製造方法 Download PDF

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JP5475026B2 JP2012005762A JP2012005762A JP5475026B2 JP 5475026 B2 JP5475026 B2 JP 5475026B2 JP 2012005762 A JP2012005762 A JP 2012005762A JP 2012005762 A JP2012005762 A JP 2012005762A JP 5475026 B2 JP5475026 B2 JP 5475026B2
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Description

本発明は、一方向に間欠的に送られるコイル材をプレス加工して外形抜きすることによりコイル材から分離される部材片を作製するためのブランキングシステム、及び部材片の製造方法に関する。
従来、一方向に間欠的に送られるコイル材をプレス加工して外形抜きすることによって部材片を作製するブランキング装置が知られている。例えば特許文献1には、コイル材が自動送り装置によって送給され、コイル材の送給路に、コイル材送給方向に複数台のプレスが直列に配置されて、それぞれのプレスによって異なる形状の製品がコイル材から抜き加工されるコイル材の自動加工装置が開示されている。
この特許文献1の装置では、第1のプレスによって打ち抜かれる製品P1がコイル材の側縁部寄りとなるように、調節ねじを回動させ、第1のプレスのプレス本体をX方向に移動調節し、固定用ボルトを締め付けて第1のプレスを固定する。そして、第1のプレスによる製品P1,P1間の所定位置に第2のプレスによる製品P2が接近して収まるように、調節ねじを回動させ、第2のプレスのプレス本体をY方向に移動調節し、固定用ボルトを締め付けて第2のプレスを固定する。そして、特許文献1には、この装置を稼働させれば、第1のプレス及び第2のプレスにより製品P1,P2が板取り効率最良となる形態で連続して抜き加工される、と記載されている。
特開平9−108898号公報
ところで、互いに加工形状の異なる複数の金型を用いて複数形状の部材片を製造する場合、その歩留まり向上を目的として、各形状について複数の加工位置及び各加工位置における金型の回動角度が設定された複雑な配列パターンを作成することは可能である。
しかし、このような複雑な配列パターンを実際に製造に用いて配列パターン通りに漏れなくプレス加工するには、特許文献1のように複数の金型が固定された装置では対応できない。また、コイル材を一方向だけでなく逆方向や幅方向に移動させることによって金型と配列パターンとの位置を調節する方法も考えられるが、このような方法では製造効率が低下するという懸念がある。
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、コイル材を逆戻りさせることなく一方向に送ることにより製造効率の低下を抑制しつつ、歩留まり向上を目的とした複雑な配列パターン通りにコイル材から複数形状の部材片を外形抜きすることができるブランキングシステム及び部材片の製造方法を提供することである。
(1)本発明のブランキングシステムは、一方向に間欠的に送られるコイル材をプレス加工することにより複数形状の部材片を外形抜きするためのものであり、第1ダイセットと、第2ダイセットと、送材機構と、配列パターン記憶部と、可動範囲記憶部と、動作制御部とを備えている。
前記第1ダイセットは、前記コイル材に第1形状をプレス加工するための第1金型を有し、前記コイル材の長手方向に直交するX方向における所定の可動範囲内でX方向の位置調節が可能で、前記長手方向に平行なY方向における所定の可動範囲内でY方向の位置調節が可能で、前記第1金型がその軸回りに回動可能である。
前記第2ダイセットは、前記コイル材に前記第1形状とは異なる第2形状をプレス加工するための第2金型を有し、X方向における所定の可動範囲内でX方向の位置調節が可能で、Y方向における所定の可動範囲内でY方向の位置調節が可能で、前記第2金型がその軸回りに回動可能であり、前記第1ダイセットに対してY方向に並んで配置されている
前記送材機構は、前記コイル材を前記第1ダイセット及び前記第2ダイセットに対してY方向の一方である下流側に間欠的に送る。
前記配列パターン記憶部は、前記第1金型によってプレス加工される前記コイル材の中での複数の第1加工位置と、前記第2金型によってプレス加工される前記コイル材の中での複数の第2加工位置とが前記コイル材におけるX方向の幅及びY方向の長さの範囲内においてY方向の上流側に向かって順次並べられるとともに、各第1加工位置において前記第1金型の回動角度が予め定められ、各第2加工位置において前記第2金型の回動角度が予め定められた配列パターンを記憶する。
前記可動範囲記憶部は、Y方向における前記第1ダイセットの下流側への可動限界である第1下限と、Y方向における前記第2ダイセットの下流側への可動限界である第2下限とを記憶する。
前記動作制御部は、前記配列パターンに基づいて、前記送材機構を制御して前記第1ダイセット及び前記第2ダイセットに対して前記コイル材を下流側に送る送り長さを調節し、前記第1ダイセットを制御してそのX方向の位置、Y方向の位置及び前記第1金型の回動角度を調節し、前記第2ダイセットを制御してそのX方向の位置、Y方向の位置及び前記第2金型の回動角度を調節した後、前記第1ダイセット及び前記第2ダイセットを制御してコイル材をプレス加工する。
そして、前記動作制御部は、未だプレス加工されていない第1加工位置のうち最も下流側に位置する最下流の第1加工位置と前記第1下限との間の距離と、未だプレス加工されていない第2加工位置のうち最も下流側に位置する最下流の第2加工位置と前記第2下限との間の距離とを比較し、距離の小さい方の加工位置を優先的にプレス加工の対象とする。
この構成では、第1ダイセットは、X方向における所定の可動範囲内でX方向の位置調節が可能で、Y方向における所定の可動範囲内でY方向の位置調節が可能で、しかも第1金型がその軸回りに回動可能である。また、第2ダイセットは、X方向における所定の可動範囲内でX方向の位置調節が可能で、第2金型がその軸回りに回動可能である。したがって、前記配列パターンに定められた種々の加工位置及びその加工位置における金型の回動角度に、対応する金型の位置を適合させ、回動角度を適合させることができる。
しかも、この構成では、前記配列パターンに定められた複数の加工位置のうち、前記最下流の第1加工位置と前記第1下限との間の距離と、前記最下流の第2加工位置と前記第2下限との間の距離とを比較し、距離の小さい方の加工位置を優先的にプレス加工の対象とする。このようにダイセットの可動範囲の下限との距離が小さい加工位置、すなわち最も優先されるべき加工位置が必ずプレス加工の対象となるので、コイル材を逆戻りさせることなく一方向に送る場合であっても、プレス加工されずにダイセットを通過してしまう加工位置が生じるのを防止できる。
以上のことから、この構成では、コイル材を逆戻りさせることなく一方向に送ることにより製造効率の低下を抑制しつつ、歩留まり向上を目的とした複雑な配列パターン通りにコイル材から複数形状の部材片を外形抜きすることができる。
(2)前記ブランキングシステムにおいて、前記第2ダイセットは、さらに、Y方向における所定の可動範囲内でY方向の位置調節が可能である。
この構成では、Y方向の位置調節が第1ダイセットだけでなく、第2ダイセットについても可能であるので、より複雑な配列パターンにも対応することができる。
(3)前記ブランキングシステムは、加工位置記憶部と、ダイセット選択部と、ダイセット記憶部と、送り長さ決定部とをさらに備え、この場合において各部は次のように機能する。
前記加工位置記憶部は、各第1加工位置及び各第2加工位置についてプレス加工済みか否かを記憶する。前記ダイセット選択部は、前記第1ダイセット及び前記第2ダイセットについて、次回のプレス加工に用いるか否かを選択する。前記ダイセット記憶部は、前記ダイセット選択部における選択結果を記憶する。前記送り長さ決定部は、前記最下流の第1加工位置が前記第1下限よりも上流側に位置し、前記最下流の第2加工位置が前記第2下限よりも上流側に位置し、かつ前記最下流の第1加工位置及び前記最下流の第2加工位置の少なくとも一方が対応するダイセットの可動範囲内に位置するように、前記送材機構による前記コイル材の下流側への送り長さを決める。
前記ダイセット選択部は、前記送り長さ決定部により決められた前記送り長さの分だけ前記コイル材が下流側に移動すると仮定した場合に、前記最下流の第1加工位置と前記第1下限との間の距離と、前記最下流の第2加工位置と前記第2下限との間の距離とを比較し、距離の小さい方のダイセットを選択して前記ダイセット記憶部に記憶させる。また、前記ダイセット選択部は、選択された前記ダイセットがそれに対応する前記最下流の加工位置に前記動作制御部によって位置調節され、かつ選択されていない他方のダイセットがそれに対応する前記最下流の加工位置に前記動作制御部によって位置調節されると仮定した場合に、これらのダイセット同士が干渉しないときには、前記他方のダイセットを前記ダイセット記憶部に記憶させ、ダイセット同士が干渉するときには、前記他方のダイセットを前記ダイセット記憶部には記憶させない。
前記動作制御部は、前記ダイセット記憶部に記憶されたダイセットを制御して、そのX方向の位置、Y方向の位置及び前記回動角度を調節し、当該ダイセットにより前記コイル材をプレス加工する。
この構成では、ダイセット選択部は、前者の仮定において、最下流の第1加工位置と第1下限との間の距離と、最下流の第2加工位置と第2下限との間の距離とを比較し、距離の小さい方のダイセットを選択してダイセット記憶部に記憶させる。コイル材が一方向に送られるシステムにおいてはコイル材を上流側に逆戻りさせることはできないが、本構成のように下限との距離がより小さい加工位置を有するダイセットを優先的にダイセット記憶部に記憶させ、動作制御部がダイセット記憶部に記憶されたダイセットを制御して、当該加工位置を確実にプレス加工することができる。これにより、プレス加工されずにダイセットを通過してしまう加工位置が生じるのを防止できる。
また、この構成では、後者の仮定において、ダイセット選択部は、ダイセット同士が干渉しないときには、前記他方のダイセットを前記ダイセット記憶部に記憶させ、ダイセット同士が干渉するときには、前記他方のダイセットを前記ダイセット記憶部には記憶させない。このような構成を採用することにより、ダイセット同士が干渉しないときには第1ダイセットと第2ダイセットの両方を用いてコイル材をプレス加工することができ、干渉するときには、優先的に選択されたダイセットをプレス加工に用いる一方で他方のダイセットはプレス加工に用いられない。このようにして干渉の有無を判断することにより、できるだけ多くのダイセットを用いてプレス加工することができるので、加工効率をさらに向上させることができる。
(4)前記ブランキングシステムは、前記第1金型及び前記第2金型の両方をプレス方向に押し込む単一の加圧部をさらに備えているのが好ましい。この場合において、前記第1ダイセットは、前記第1金型が前記コイル材よりもX方向の外側に位置する退避位置まで移動可能であり、前記第2ダイセットは、前記第2金型が前記コイル材よりもX方向の外側に位置する退避位置まで移動可能であり、前記動作制御部は、前記加圧部をプレス方向に押し込む前に、前記ダイセット記憶部に記憶されていないダイセットを前記退避位置まで移動させる。
この構成では、プレス加工に用いられないダイセットが存在する場合にはそのダイセットを退避位置に移動させた状態で単一の加圧部がプレス方向に押し込まれ、コイル材に対してプレス加工が施される。一方、全てのダイセットがプレス加工に用いられる場合には単一の加圧部がプレス方向に押し込まれることにより、各ダイセットに対応する加工位置がプレス加工される。したがって、ダイセット毎に加圧部を設けてこれらの加圧部を個別に制御する必要がないので、システムの構造及び制御を簡略化できる。
(5)本発明の他のブランキングシステム一方向に間欠的に送られるコイル材をプレス加工することにより複数形状の部材片を外形抜きするためのブランキングシステムであって、
前記コイル材に第1形状をプレス加工するための第1金型を有し、前記コイル材の長手方向に直交するX方向における所定の可動範囲内でX方向の位置調節が可能で、前記長手方向に平行なY方向における所定の可動範囲内でY方向の位置調節が可能で、前記第1金型がその軸回りに回動可能な第1ダイセットと、
前記コイル材に前記第1形状とは異なる第2形状をプレス加工するための第2金型を有し、X方向における所定の可動範囲内でX方向の位置調節が可能で、前記第2金型がその軸回りに回動可能であり、前記第1ダイセットに対してY方向に並んで配置された第2ダイセットと、
前記コイル材を前記第1ダイセット及び前記第2ダイセットに対してY方向の一方である下流側に間欠的に送る送材機構と、
前記第1金型によってプレス加工される前記コイル材の中での複数の第1加工位置と、前記第2金型によってプレス加工される前記コイル材の中での複数の第2加工位置とが前記コイル材におけるX方向の幅及びY方向の長さの範囲内においてY方向の上流側に向かって順次並べられるとともに、各第1加工位置において前記第1金型の回動角度が予め定められ、各第2加工位置において前記第2金型の回動角度が予め定められた配列パターンを記憶する配列パターン記憶部と、
Y方向における前記第1ダイセットの下流側への可動限界である第1下限と、Y方向における前記第2ダイセットの下流側への可動限界である第2下限とを記憶する可動範囲記憶部と、
前記配列パターンに基づいて、前記送材機構を制御して前記第1ダイセット及び前記第2ダイセットに対して前記コイル材を下流側に送る送り長さを調節し、前記第1ダイセットを制御してそのX方向の位置、Y方向の位置及び前記第1金型の回動角度を調節し、前記第2ダイセットを制御してそのX方向の位置及び前記第2金型の回動角度を調節した後、前記第1ダイセット及び前記第2ダイセットを制御してコイル材をプレス加工する動作制御部と、を備え、
前記動作制御部は、未だプレス加工されていない第1加工位置のうち最も下流側に位置する最下流の第1加工位置と前記第1下限との間の距離と、未だプレス加工されていない第2加工位置のうち最も下流側に位置する最下流の第2加工位置と前記第2下限との間の距離とを比較し、距離の小さい方の加工位置を優先的にプレス加工の対象とし、
前記第1ダイセットは、第1金型を支持する主板と、前記主板におけるX方向の位置及びY方向の位置を調節するための位置調節機構と、をさらに有し、前記位置調節機構は、支柱と、一端が前記支柱に回動可能に支持され、他端が前記主板に回動可能に支持されたアームと、を含む。
(6)本発明の方法は、一方向に間欠的に送られるコイル材をプレス加工することにより複数形状の部材片を外形抜きする部材片の製造方法である。この製造方法では、前記コイル材に第1形状をプレス加工するための第1金型を有し、前記コイル材の長手方向に直交するX方向における所定の可動範囲内でX方向の位置調節が可能で、前記長手方向に平行なY方向における所定の可動範囲内でY方向の位置調節が可能で、前記第1金型がその軸回りに回動可能な第1ダイセットと、前記コイル材に前記第1形状とは異なる第2形状をプレス加工するための第2金型を有し、X方向における所定の可動範囲内でX方向の位置調節が可能で、Y方向における所定の可動範囲内でY方向の位置調節が可能で、前記第2金型がその軸回りに回動可能であり、前記第1ダイセットに対してY方向に並んで配置された第2ダイセットと、前記コイル材を前記第1ダイセット及び前記第2ダイセットに対してY方向の一方である下流側に間欠的に送る送材機構と、前記第1金型によってプレス加工される前記コイル材の中での複数の第1加工位置と、前記第2金型によってプレス加工される前記コイル材の中での複数の第2加工位置とが前記コイル材におけるX方向の幅及びY方向の長さの範囲内においてY方向の上流側に向かって順次並べられるとともに、各第1加工位置において前記第1金型の回動角度が予め定められ、各第2加工位置において前記第2金型の回動角度が予め定められた配列パターンを記憶する配列パターン記憶部と、を備えたブランキングシステムが用いられる。
この製造方法は、未だプレス加工されていない第1加工位置のうち最も下流側に位置する最下流の第1加工位置とY方向における前記第1ダイセットの下流側への可動限界である第1下限との間の距離と、未だプレス加工されていない第2加工位置のうち最も下流側に位置する最下流の第2加工位置とY方向における前記第2ダイセットの下流側への可動限界である第2下限との間の距離とを比較し、距離の小さい方の加工位置を選択するステップと、前記選択ステップにおいて選択された前記距離の小さい方の加工位置に、これに対応するダイセットの位置を調節するとともに、当該ダイセットの金型の回動角度を調節し、前記距離の小さい方の加工位置を優先的にプレス加工するステップと、を備える。
この方法で用いるブランキングシステムの第1ダイセットは、X方向における所定の可動範囲内でX方向の位置調節が可能で、Y方向における所定の可動範囲内でY方向の位置調節が可能で、しかも第1金型がその軸回りに回動可能である。また、第2ダイセットは、X方向における所定の可動範囲内でX方向の位置調節が可能で、第2金型がその軸回りに回動可能である。したがって、前記配列パターンに定められた種々の加工位置及びその加工位置における金型の回動角度に、対応する金型の位置を適合させ、回動角度を適合させることができる。
しかも、この方法では、前記配列パターンに定められた複数の加工位置のうち、前記最下流の第1加工位置と前記第1下限との間の距離と、前記最下流の第2加工位置と前記第2下限との間の距離とを比較し、距離の小さい方の加工位置を優先的にプレス加工する。このようにダイセットの可動範囲の下限との距離が小さい加工位置、すなわち最も優先されるべき加工位置が必ずプレス加工の対象となるので、コイル材を逆戻りさせることなく一方向に送る場合であっても、プレス加工されずにダイセットを通過してしまう加工位置が生じるのを防止できる。
以上のことから、この方法では、コイル材を逆戻りさせることなく一方向に送ることにより製造効率の低下を抑制しつつ、歩留まり向上を目的とした複雑な配列パターン通りにコイル材から複数形状の部材片を外形抜きすることができる。
(7)前記製造方法において、前記第2ダイセットは、さらに、Y方向における所定の可動範囲内でY方向の位置調節が可能である。
この方法では、Y方向の位置調節が第1ダイセットだけでなく、第2ダイセットについても可能であるので、より複雑な配列パターンにも対応することができる。
(8)前記製造方法において、前記選択ステップにおいて選択された前記距離の小さい方の加工位置に、これに対応するダイセットの位置を調節し、かつ前記距離の大きい方の加工位置に、これに対応するダイセットの位置を調節するすると仮定した場合に、これらのダイセット同士が干渉するか否かを判定するステップを、前記プレス加工ステップの前にさらに備えている。この場合において、前記プレス加工ステップでは、前記判定ステップにおいてダイセット同士が干渉しないと判定されたとき場合には、両方の加工位置をプレス加工し、ダイセット同士が干渉する判定されたとき場合には、前記距離の大きい方の加工位置に対応するダイセットを退避位置に移動させる。
この方法では、前記仮定において、ダイセット同士が干渉しないときには第1ダイセットと第2ダイセットの両方を用いてコイル材をプレス加工することができ、干渉するときには、優先的に選択されたダイセットをプレス加工に用いる一方で他方のダイセットはプレス加工に用いられない。このようにして干渉の有無を判断することにより、できるだけ多くのダイセットを用いてプレス加工することができるので、加工効率をさらに向上させることができる。
本発明によれば、コイル材を逆戻りさせることなく一方向に送ることにより製造効率の低下を抑制しつつ、歩留まり向上を目的とした複雑な配列パターン通りにコイル材から複数形状の部材片を外形抜きすることができる。
本発明の一実施形態に係るブランキングシステムを示す斜視図である。 図1に示すブランキングシステムにおいて、プレス機構の構成を説明するために筐体の図示及び各ダイセットの上部主板の図示を省略した斜視図である。 前記ブランキングシステムを示す平面図である。 前記ブランキングシステムを示す側面図である。 前記ブランキングシステムにおけるダイセットを示す斜視図である。 前記ブランキングシステムの制御系統を示すブロック図である。 前記ブランキングシステムの制御例を示すフローチャートである。 配列パターン記憶部に記憶された配列パターンの一例と、各ダイセットの配置を示す概略図である。 各ダイセットにおける複数の加工位置、各加工位置における回動角度、各加工位置についてプレス加工済みか否かの区分、各ダイセットのX方向の可動範囲及びY方向の可動範囲、ダイセット記憶部に記憶されている加工セレクションデータ、及びスタート位置からのY方向への移動量を示すテーブルである。 前記ブランキングシステムにおいて、n回目のプレス加工時における配列パターンの状態及び各ダイセットの配置を示す概略図である。 図10に示すn回目のプレス加工時における各ダイセットの座標データ等を示すテーブルである。 前記ブランキングシステムにおいて、n+1回目のプレス加工時における配列パターンの状態及び各ダイセットの配置を示す概略図である。 図12に示すn+1回目のプレス加工時における各ダイセットの座標データ等を示すテーブルである。 前記ブランキングシステムにおいて、n+2回目のプレス加工時における配列パターンの状態及び各ダイセットの配置を示す概略図である。 図14に示すn+2回目のプレス加工時における各ダイセットの座標データ等を示すテーブルである。 前記ブランキングシステムにおいて、n+3回目のプレス加工時における配列パターンの状態及び各ダイセットの配置を示す概略図である。 図16に示すn+3回目のプレス加工時における各ダイセットの座標データ等を示すテーブルである。 前記ブランキングシステムにおいて、n+4回目のプレス加工時における配列パターンの状態及び各ダイセットの配置を示す概略図である。 図18に示すn+4回目のプレス加工時における各ダイセットの座標データ等を示すテーブルである。 前記ブランキングシステムにおいて、n+5回目のプレス加工時における配列パターンの状態及び各ダイセットの配置を示す概略図である。 図20に示すn+5回目のプレス加工時における各ダイセットの座標データ等を示すテーブルである。 前記ブランキングシステムにおいて、n+6回目のプレス加工時における配列パターンの状態及び各ダイセットの配置を示す概略図である。 図22に示すn+6回目のプレス加工時における各ダイセットの座標データ等を示すテーブルである。 前記ブランキングシステムにおいて、n+7回目のプレス加工時における配列パターンの状態及び各ダイセットの配置を示す概略図である。 図24に示すn+7回目のプレス加工時における各ダイセットの座標データ等を示すテーブルである。
以下、本発明の一実施形態に係るブランキングシステム1について図面を参照して説明する。このブランキングシステム1は、一方向に間欠的に送られるコイル材をプレス加工して外形抜きするためのものである。
図1〜図4に示すように、ブランキングシステム1は、コイル材2を巻き戻して(ほどいて)下流側に送るアンコイラー3と、巻き戻された帯状のコイル材2を図略のピンチローラで挟んで平坦に伸ばして送り出すレベラー4と、プレス機構6と、これらを制御するコントローラ70と、プレス機構6を覆う筐体5とを備えている。アンコイラー3、レベラー4及びプレス機構6は、この順にコイル材2の送り方向に配列されている。
本実施形態では、アンコイラー3及びレベラー4によって送り機構が構成されている。この送り機構によって巻き戻されたコイル材2は、その長手方向に沿って送り機構よりも下流側に位置するプレス機構6に送られる。
プレス機構6は、第1ダイセット10、第2ダイセット20、第3ダイセット30、第4ダイセット40及び第5ダイセット50を含む。第1〜第5ダイセットは、金型の形や大きさなどが互いに異なる一方で、大まかな構成は同様である。図1〜図5を参照して第1ダイセット10について詳しく説明し、第2〜第5ダイセットについては詳細な説明を省略する。
図1〜図5に示すように、第1ダイセット10は、上下に対向しほぼ水平方向に延びる一対の主板13と、これらの主板13に支持された上述の第1金型11と、スライド機構と、第1金型11の回動角度を調節可能なインデックス12と、これらのX方向の位置調節及びY方向の位置調節をする位置調節機構とを有している。
一対の主板13は、下部主板13aと上部主板13bとにより構成されている。下部主板13a及び上部主板13bは、コイル材2の長手方向に平行なY方向の寸法よりもコイル材2の長手方向に直交するX方向の寸法の方が大きい長方形状を有している。
第1金型11は、コイル材2に第1形状をプレス加工する(例えば図9に示す第1形状B1など)。第1金型11は、ダイ11aとパンチ11bとを含む。ダイ11a及びパンチ11bは、平面視で円形状を有している。
インデックス12は、ダイ11aの回動角度を調節する下部インデックス12aと、パンチ11bの回動角度を調節する上部インデックス12bとを含む。下部インデックス12a及び上部インデックス12bは、平面視で円形状を有しており、ダイ11a及びパンチ11bよりも大きな外径を有している。
下部インデックス12aは、下部主板13aの上面側に配置されており、下部主板13aに対して回動可能に支持されている。下部インデックス12aは、例えば下部主板13aの上面又は下部主板13aの下面に設けられた図略のモータにより回動する。モータが下部主板13aの上面に設けられる場合には、モータの回転が例えばウォームギアによって下部インデックス12aに伝達される構成が例示できる。回動角度θは、例えば数値制御(NC)でコントロールされる。ダイ11aは、下部インデックス12aに固定されている。したがって、前記モータによって下部インデックス12aが所定の角度θだけ回動すると、ダイ11aは同じ角度θ回動する。
上部インデックス12bは、上部主板13bの下面側に配置されており、上部主板13bに対して回動可能に支持されている。上部インデックス12bは、例えば上部主板13bの下面又は上部主板13bの上面に設けられた図略のモータにより回動する。モータが上部主板13bの下面に設けられる場合には、モータの回転が例えばウォームギアによって上部インデックス12bに伝達される構成が例示できる。回動角度θは、例えば数値制御(NC)でコントロールされる。パンチ11bは、上部インデックス12bに固定されている。したがって、前記モータによって上部インデックス12bが所定の角度θだけ回動すると、パンチ11bは同じ角度θ回動する。
位置調節機構は、一対の支柱16と、第1アーム17(一対のアーム17a及び一対のアーム17b)と、図略のモータとを含む。各支柱16は、下端部が地面に固定され、上方に延びている。各支柱16の上端部にはアーム17aの一端部が回動可能に支持されている。各アーム17aの他端部は、アーム17bの一端部に回動可能に取り付けられている。図3に示すように、コイル材2の送り方向に向かって右側に位置するアーム17bの他端部は、下部主板13aにおけるX方向の右端部に回動可能に取り付けられている。コイル材2の送り方向に向かって左側に位置するアーム17bの他端部は、下部主板13aにおけるX方向の左端部に回動可能に取り付けられている。
アーム17a,17bは、下部主板13aがX方向に平行な姿勢を維持しつつ、下部主板13aがX方向又はY方向に移動するように駆動する。
第1ダイセット10は、上記のような位置調節機構を有しているので、X方向における所定の可動範囲内でX方向の位置調節が可能で、Y方向における所定の可動範囲内でY方向の位置調節が可能である。具体的に、図略のモータが作動すると、一対の主板13の長手方向がX方向に平行となる姿勢を維持しつつ、第1ダイセット10は、X方向の位置及びY方向の位置が調節される。X方向における可動範囲及びY方向における可動範囲は、後述する可動範囲記憶部73に記憶されている。また、第1ダイセット10は、第1金型11がコイル材2よりもX方向の外側に位置する退避位置まで移動可能である(例えば、後述する図22参照)。
スライド機構は、下部主板13aと上部主板13bとを互いに平行な姿勢に保ちつつ、上部主板13bが下部主板13aに対して接近する方向(下方)及び離隔する方向(上方)に移動させるための機構である。スライド機構は、下部主板13aの上面の四隅に固定された4つのシリンダ14と、上部主板13bの下面の四隅に固定された4つのガイド筒15とを含む。各シリンダ14は、その上端側の部位が対応するガイド筒15に挿通されている。上部主板13bの四隅には、対応するガイド筒15に連通する貫通孔13cが設けられている。
図5は、上部主板13bが下部主板13aに対して離隔する方向に移動した状態を示している。コイル材2に対して第1金型11によるプレス加工が施されるときには、上部主板13bが下部主板13aに対して接近する方向に移動し、ダイ11aの中にパンチ11bが嵌まり込む。このとき、各シリンダ14は、対応するガイド筒15内をスライド移動し、各シリンダ14の上端側の部位は、貫通孔13cを通って上部主板13bから上方に突出する。
上述したように第2〜第5ダイセットは、第1ダイセット10と同様の構成を有しているが、主な相違点について以下に説明する。
まず、第2ダイセット20は、コイル材2に第2形状をプレス加工するための第2金型21を有している。第3ダイセット30は、コイル材2に第3形状をプレス加工するための第3金型31を有している。第4ダイセット40は、コイル材2に第4形状をプレス加工するための第4金型41を有している。第5ダイセット50は、コイル材2に第5形状をプレス加工するための第5金型51を有している。第1〜第5形状は、互いに異なっている。
次に、第3ダイセット30は、X方向の位置調節が可能であるが、Y方向における位置は固定されている点が他のダイセットと異なっている。具体的に、第3ダイセット30の位置調節機構は、一対のシリンダ部37を有している。各シリンダ部37は、シリンダチューブ37aと、ピストンロッド37bとを含む。シリンダチューブ37aは、円筒形状を有しており、内部にピストンロッド37bが挿入されている。
図3に示すように、一対のシリンダ部37は、第3ダイセット30の長手方向に平行な姿勢で第3ダイセット30を両側から挟むように配置されている。図3においてコイル材2の送り方向に向かって右側に位置するピストンロッド37bの先端部は、下部主板13aにおけるX方向の右端部に固定されている。コイル材2の送り方向に向かって左側に位置するピストンロッド37bの先端部は、下部主板13aにおけるX方向の左端部に固定されている。
ピストンロッド37bは、油圧、モータなどの駆動源によってその軸方向に沿ってシリンダチューブ37aから突出し、又はシリンダチューブ37a内に収容される。これにより、第3ダイセット30は、X方向の位置が調節される。
上述したように第1ダイセット10は、位置調整機構として、支柱16と、第1アーム17とを有しており、同様に、第2ダイセットは、位置調整機構として支柱16と第2アーム17とを有し、第4ダイセットは、位置調整機構として支柱16と第3アーム17とを有し、第5ダイセットは、位置調整機構として支柱16と第2アーム17とを有している。
そして、図1〜図4に示すように、第1アーム17、第2アーム17、第4アーム17及び第5アーム17は、互いに干渉しないように配置されている。また、各アーム17と第3ダイセット30の位置調節機構としてのシリンダ部37とは、互いに干渉しないように配置されている。
具体的に、第1アーム17と第2アーム17とは、互いに高さ方向に位置がずれており、第4アーム17と第5アーム17とは、互いに高さ方向に位置がずれている。本実施形態では、第1アーム17よりも第2アーム17の方が高い位置に配置されており、第5アーム17よりも第4アーム17の方が高い位置に配置されている。また、第2アーム及び第4アームは、シリンダ部37よりも高い位置に配置されている。
位置調節機構としては、例えばXYテーブルなどの他の機構を採用することもできるが、位置調節機構としてアーム17を採用する場合には、例えばXYテーブルなどの他の位置調節機構に比べて上記のようにダイセット同士が干渉しにくい構造にすることができるので、ダイセット同士をより近づけた状態で各ダイセットを配置することが可能になる。
図4に示すように、ブランキングシステム1は、第1〜第5ダイセットの各上部主板13bをプレス方向(下方)に押し込む単一の加圧部91をさらに備えている。この加圧部91は、第1〜第5ダイセットの各上部主板13bの上面の一部又は全部を覆うことができる大きさを有する加圧部本体91aと、図略のモータとを含む。加圧部本体91aは、平面視で長方形状を有しており、前記モータによって上下方向に移動可能である。
図6に示すように、コントローラ70の機能には、動作制御部71、配列パターン記憶部72、可動範囲記憶部73、加工位置記憶部74、ダイセット選択部75、ダイセット記憶部76、送り長さ決定部77及び最下流加工位置選択部78が含まれている。コントローラ70は、第1ダイセット10、第2ダイセット20、第3ダイセット30、第4ダイセット40、第5ダイセット50、アンコイラー3及びレベラー4を制御する。
配列パターン記憶部72は、予め定められた配列パターンを記憶する(例えば、後述する図8参照)。この配列パターンは、コイル材2に対して第1金型11によってプレス加工される複数の第1加工位置と、各第1加工位置における第1金型11の回動角度と、コイル材2に対して第2金型21によってプレス加工される複数の第2加工位置と、各第2加工位置における第2金型21の回動角度と、コイル材2に対して第3金型31によってプレス加工される複数の第3加工位置と、各第3加工位置における第3金型31の回動角度と、コイル材2に対して第4金型41によってプレス加工される複数の第4加工位置と、各第4加工位置における第4金型41の回動角度と、コイル材2に対して第5金型51によってプレス加工される複数の第5加工位置と、各第5加工位置における第5金型51の回動角度とが予め定められている。
動作制御部71は、アンコイラー3及びレベラー4を制御して第1ダイセット10及び第2ダイセット20に対してコイル材2を下流側に送る送り長さを調節する。
また、動作制御部71は、第1ダイセット10のX方向の位置、Y方向の位置及び第1金型11の回動角度を調節し、第2ダイセット20のX方向の位置、Y方向の位置及び第2金型21の回動角度を調節し、第3ダイセット30のX方向の位置及び第3金型31の回動角度を調節し、第4ダイセット40のX方向の位置、Y方向の位置及び第4金型41の回動角度を調節し、第5ダイセット50のX方向の位置、Y方向の位置及び第5金型51の回動角度を調節する。
その後、動作制御部71は、第1〜第5ダイセットを制御してコイル材2をプレス加工する。プレス加工の機構としては、例えばダイセットの駆動をサーボモーターで制御して加圧するサーブプレスなどが例示できる。
可動範囲記憶部73は、各ダイセットのX方向の可動範囲及びY方向の可動範囲を記憶する。具体的に、第1ダイセットのY方向の第1可動範囲は、Y方向における第1ダイセット10の下流側への可動限界である第1下限と前記第1ダイセットの上流側への可動限界である第1上限とにより規定される範囲である。第2ダイセットのY方向の第2可動範囲、第4ダイセットのY方向の第4可動範囲及び第5ダイセットのY方向の第5可動範囲については、第1可動範囲と同様の構成であるので説明を省略する。また、本実施形態では、第3ダイセットはY方向には移動しないので、可動範囲記憶部73は、第3ダイセットのY方向の範囲(第3ダイセットのY方向上流側端部の位置、Y方向下流側端部の位置)を記憶する。なお、第3ダイセットも他のダイセットと同様にY方向の位置調節が可能な形態の場合には、可動範囲記憶部73は、第3ダイセットのY方向の第3可動範囲を記憶する。
なお、後述する図8に示すように、隣り合うダイセットの可動範囲は、Y方向において、互いに一部が重なり合っている。ただし、第3ダイセット30は、Y方向に位置調節不可であるので、Y方向において、第2ダイセット20の可動範囲は、第3ダイセット30の範囲と重なっておらず、第4ダイセット40の可動範囲は、第3ダイセット30の範囲と重なっていない。
加工位置記憶部74は、各第1加工位置、各第2加工位置、各第3加工位置、各第4加工位置及び各第5加工位置についてプレス加工済みか否かを記憶する。ダイセット選択部75は、第1ダイセット10、第2ダイセット20、第3ダイセット30、第4ダイセット40及び第5ダイセット50について、次回のプレス加工に用いるか否かをそれぞれ選択する。ダイセット記憶部76は、ダイセット選択部75における選択結果を記憶する。送り長さ決定部77は、アンコイラー3及びレベラー4によるコイル材2の下流側への送り長さを決める。ダイセット選択部75は、プレス加工の対象となるダイセットを選択する。
次に、ブランキングシステム1の制御例について説明する。図7は、ブランキングシステム1の制御例を示すフローチャートである。この制御例では、図7に示すフローチャートに沿ってブランキングシステム1が制御されることにより、例えば後述する図8に示す配列パターンの通りにプレス加工がコイル材2に施される。
まず、動作制御部71は、送り機構(アンコイラー3及びレベラー4)を制御して最上流のダイセット(第5ダイセット50)のY方向の可動範囲にコイル材2の原点(Y=0)が含まれる位置までコイル材2を下流側に送る(ステップS1)。この制御例では、座標の原点(X=0,Y=0)は、コイル材2の角部に設定されている。
次に、ダイセット選択部75は、ダイセット記憶部76をリセットしてダイセット記憶部76に記憶されたデータを削除する(ステップS2)。
次に、最下流加工位置選択部78は、未だプレス加工されていない第1加工位置(第1ダイセット10によってプレス加工される加工位置)のうち最も下流側に位置する最下流の第1加工位置を選択し、同様に、未だプレス加工されていない第2加工位置のうち最も下流側に位置する最下流の第2加工位置を選択する。最下流加工位置選択部78は、最下流の第3加工位置、第4加工位置及び第5加工位置についても同様に選択する(ステップS3)。
次に、送り長さ決定部77は、最下流の第1加工位置が第1下限よりも上流側に位置し、最下流の第2加工位置が第2下限よりも上流側に位置し、最下流の第3加工位置が第3下限よりも上流側に位置し、最下流の第4加工位置が第4下限よりも上流側に位置し、最下流の第5加工位置が第5下限よりも上流側に位置し、かつ最下流の第1〜第5加工位置のうちのできるだけ多く加工位置が対応するダイセットの可動範囲内に位置するように、送材機構によるコイル材2の下流側への送り長さを決める(ステップS4)。このとき、送り長さは、少なくとも1つのダイセットの可動範囲内に対応する加工位置が含まれるように決められる。
次に、ダイセット選択部75は、送り長さ決定部77により決められた送り長さの分だけコイル材2が下流側に移動すると仮定した場合に、最下流の第1加工位置と第1下限との間の距離と、最下流の第2加工位置と第2下限との間の距離と、最下流の第3加工位置と第3下限との間の距離と、最下流の第4加工位置と第4下限との間の距離と、最下流の第5加工位置と第5下限との間の距離とを比較し、最も距離の小さいダイセットを選択してダイセット記憶部76に記憶させる(ステップS5)。
次に、ダイセット選択部75は、選択されたダイセットがそれに対応する最下流の加工位置に動作制御部71によって位置調節され、かつ選択されていない他のダイセットがそれに対応する最下流の加工位置に動作制御部71によって位置調節されると仮定した場合に、隣り合うダイセット同士が干渉しないときには(ステップS6においてYES)、他のダイセットをダイセット記憶部76に記憶させ(ステップS7)、いずれかのダイセット同士が干渉するときには、他のダイセットを前記ダイセット記憶部76には記憶させない(ステップS6においてNO)。また、ダイセット記憶部76は、ステップS4において送り長さが決められたときに、可動範囲に加工位置が含まれなかったダイセットについても記憶しない。
次に、動作制御部71は、ダイセット記憶部76に記憶されていないダイセットを退避位置まで移動させる(ステップS8)。
次に、ダイセット記憶部76に記憶されているダイセットについて、X方向の位置を対応する加工位置に移動させる(ステップS9)。ステップS9では、ダイセット記憶部76に記憶されているダイセットのうち、第3ダイセット30以外のダイセットについては、Y方向の位置も対応する加工位置に移動させる。ついで、各ダイセットにおける金型の回動角度θを調節する(ステップS10)。
次に、動作制御部71は、アンコイラー3及びレベラー4を制御して送り長さ決定部77により決められた送り長さの分だけコイル材2を下流側に送る(ステップS11)。その後、動作制御部71は、加圧部91を制御して第1〜第5ダイセットの各上部主板13bを下方に押し込み、コイル材2をプレス加工する(ステップS12)。
次に、加工位置記憶部74は、ステップS11においてプレス加工された加工位置が加工済みであることを記憶する(ステップS13)。そして、動作制御部71は、未加工の加工位置が残っている場合には、ステップS2に戻って上記制御を繰り返す(ステップS14)。制御例のおおまかな流れは以上である。
図8は、配列パターン記憶部72に記憶された配列パターンの一例と、各ダイセットの配置を示す概略図である。図9は、各ダイセットにおける複数の加工位置、各加工位置における回動角度θ、各加工位置についてプレス加工済みか否かの区分、各ダイセットのX方向の可動範囲及びY方向の可動範囲、ダイセット記憶部に記憶されている加工セレクションデータ、及びスタート位置からのY方向への移動量を示すテーブルである。
なお、図9では、第1形状B1〜第5形状B5に示す形状の組合せを例示しているが、これに限定されない。図8では、コイル材2は、長方形状に描かれているが、実際にはさらに上流側に延びている。
図8及び図9に示す配列パターンには、17個の第1形状B1、11個の第2形状B2、12個の第3形状B3、11個の第4形状B4及び17個の第5形状B5が配列されている。この配列パターンは、コイル材2の歩留まりを優先して設計されたものである。例えば、この配列パターンは、歩留まりがよくなる配列が得られるようにプログラミングされたネスティングのプログラムに従って決定される。また、図8及ぶ図9に示すように、本実施形態では、各形状の加工位置では、回動角度θも種々の値をとるように設計されている。これにより、コイル材2に対する各形状を配置するバリエーションが増加する。
コイル材2及び各ダイセットの寸法の一例を挙げると次の通りである。各ダイセットにおいて、金型の中心は、X方向のほぼ真ん中でY方向のほぼ真ん中に位置している。
コイル材2の巾:800mm
第1ダイセット:X方向の長さ2000mm,Y方向の長さ150mm
第2ダイセット:X方向の長さ2000mm,Y方向の長さ250mm
第3ダイセット:X方向の長さ2000mm,Y方向の長さ440mm
第4ダイセット:X方向の長さ2000mm,Y方向の長さ250mm
第5ダイセット:X方向の長さ2000mm,Y方向の長さ150mm
また、各ダイセットの可動範囲の一例を挙げると次の通りである。すなわち、第1ダイセット10は、X方向の可動範囲が0〜950mmであり、Y方向の可動範囲の大きさが500mmである。第2ダイセット20は、X方向の可動範囲が0〜1000mmであり、Y方向の可動範囲の大きさ400mmである。第3ダイセット30は、X方向の可動範囲が0〜1150mmであり、Y方向の可動範囲の大きさが300mmである。第4ダイセット40は、X方向の可動範囲が0〜1000mmであり、Y方向の可動範囲の大きさが400mmである。第5ダイセット50は、X方向の可動範囲が0〜950mmであり、Y方向の可動範囲の大きさが500mmである。なお、X方向の可動範囲については、原点Oをゼロとする座標を基準にして記載している。また、Y方向の可動範囲における上限の数値及び下限の数値はコイル材2が下流側に送られるにつれて変化するので、可動範囲の大きさで表している。
また、図9において、各加工位置のX及びYの数値は、図9に符号b1〜b5で示す点の座標を示している。本実施形態の場合、点b1〜b5は、対応する金型の中心C1〜C5(平面視で円形の金型の場合、その中心)に相当する位置である。また、回動角度θは、図9に示す各図形の向きを基準としたときに、平面視で時計回りに回動した角度を意味している。
また、図9における区分の欄において、「未」と記載されている加工位置は、プレス加工が未完であることを意味し、「済」と記載されている加工位置は、プレス加工が完了したことを意味している(例えば図11参照)。なお、図9における各形状の複数の加工位置の順番は、ネスティング処理により作成された図8に示す配列パターンにおいてY軸の値の小さいものから順に並べたものである。また、図9におけるY軸移動量とは、コイル材2が初期位置(プレス加工のスタート位置)からY方向に移動した累積距離を示している。
図10は、ブランキングシステム1において、n回目のプレス加工時における配列パターンの状態及び各ダイセットの配置を示す概略図である。図11は、図10に示すn回目のプレス加工時における各ダイセットの座標データ等を示すテーブルである。
図10では、白抜きで描いている加工位置は、プレス加工が完了していることを示しており、図11における区分欄の記載に対応している。このn回目のプレス加工について、再び図7のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS3において、最下流加工位置選択部78は、未だプレス加工されていない第1加工位置のうち最も下流側に位置する最下流の第1加工位置を選択する。選択された最下流の第1加工位置は、図11において丸印を付けている加工位置である。第2〜第5加工位置についても同様に、最下流の加工位置をそれぞれ選択する(図11において丸印を付けている加工位置)。
そして、ステップS4において送り長さ決定部77により決められた送り長さの分だけコイル材2が下流側に移動すると仮定した場合に、ダイセット選択部75は、最下流の第1加工位置(Y軸の値:110)と第1下限(−250)との距離(360)と、最下流の第2加工位置(380)と第2下限(100)との距離(280)と、最下流の第3加工位置(700)と第3下限(545)との距離(155)と、最下流の第4加工位置(1290)と第4下限(990)との距離(300)と、最下流の第5加工位置(1350)と第5下限(1240)との距離(110)とを比較する。この場合、最も距離の小さいダイセットは、第5ダイセット50である。したがって、ステップS5において、第5ダイセット50が選択されてダイセット記憶部76に記憶される。
前述したように、ステップS4では、送り長さ決定部77は、最下流の第1〜第5加工位置のうちのできるだけ多く加工位置が対応するダイセットの可動範囲内に位置するように、送材機構によるコイル材2の下流側への送り長さを決める。そして、図11に示すn回目のプレス加工では、送り長さ決定部77により決められた送り長さの分だけコイル材2が下流側に移動すると仮定した場合には、図11において各ダイセットのY可動範囲と、対応する最下流の加工位置とを比較すればわかるように、すべての最下流の加工位置(最下流の第1〜第5加工位置)が対応するダイセットの可動範囲内に位置している。
なお、図15に示すn+2回目のプレス加工では、送り長さ決定部77により決められた送り長さの分だけコイル材2を下流側に移動すると仮定した場合、第3加工位置が対応する第3ダイセット30の可動範囲外となる。可動範囲外となる第3ダイセット30は、ステップS6において隣り合うダイセット同士の干渉又は不干渉の判断の対象とはならない。
同様に、図17に示すn+3回目のプレス加工では、第2加工位置及び第3加工位置が対応するダイセットの可動範囲外となり、図19に示すn+4回目のプレス加工では、第2加工位置が対応する第2ダイセットの可動範囲外となり、図21に示すn+5回目のプレス加工では、第2加工位置が対応する第2ダイセット20の可動範囲外となり、図23に示すn+6回目のプレス加工では、第1加工位置が対応する第1ダイセット10の可動範囲外となり、図25に示すn+7回目のプレス加工では、可動範囲外となる加工位置はない。
次に、ステップS6において、選択された第5ダイセット50がそれに対応する最下流の加工位置に動作制御部71によって位置調節され、かつ選択されていない他の4つのダイセットがそれに対応する最下流の加工位置に動作制御部71によって位置調節されると仮定した場合に、ダイセット選択部75は、隣り合うダイセット同士が干渉しないときには、他のダイセットをダイセット記憶部76に記憶させ、いずれかのダイセット同士が干渉するときには、他のダイセットを前記ダイセット記憶部76には記憶させない。
この場合、第4ダイセット40は、第5ダイセット50と干渉するので、ダイセット記憶部には記憶されない。具体的に、第4ダイセット40のY方向の寸法は、250mmであり、第5ダイセット50のY方向の寸法は、150mmである。そして、優先される第5ダイセット50の第5金型51の中心は、Y座標1350に配置されるので、第5ダイセット50は、1350±75mmの位置を占めることになる。一方、第4ダイセット40の第4金型41の中心を、Y座標1290に配置すると、第4ダイセット40は、1290±125mmの位置を占めることになり、第5ダイセット50と干渉する。
第1ダイセット10、第2ダイセット20及び第3ダイセット30は、隣り合うダイセットと干渉しないので、ステップS7において、ダイセット記憶部76は、第5ダイセット50の他、第1ダイセット10、第2ダイセット20及び第3ダイセット30も記憶する。
なお、仮に、第1ダイセット10と第2ダイセット20とが干渉する場合、どちらを優先するかの判断は、最下流の加工位置と下限との距離に基づいて行うことができる。前述したように、最下流の第1加工位置(Y軸の値:110)と第1下限(−250)との距離は、「360」であり、最下流の第2加工位置(380)と第2下限(100)との距離は、「280」であるので、この場合、第1ダイセット10よりも第2ダイセット20が優先され、ダイセット記憶部76は、第1ダイセット10を記憶せず、第2ダイセット20を記憶する。
そして、ステップS8において、動作制御部71は、ダイセット記憶部76に記憶されていない第4ダイセット40を図10に示すように退避位置に移動させる。以降のステップは、前述した通りであるので説明を省略する。
同様に、図12及び図13は、n+1回目のプレス加工時、図14及び図15は、n+2回目のプレス加工時、図16及び図17は、n+3回目のプレス加工時、図18及び図19は、n+4回目のプレス加工時、図20及び図21は、n+5回目のプレス加工時、図22及び図23は、n+6回目のプレス加工時、図24及び図25は、n+7回目のプレス加工時における各ダイセットの座標データ等を示すテーブルである。これらの制御の流れについては、n回目と同様にして行われるので、説明を省略する。
以上説明したように、本実施形態では、配列パターン記憶部72に配列パターンが記憶されており、動作制御部71が第1〜第5ダイセット及び送り機構を制御することにより、配列パターンの通りにコイル材2にプレス加工が施される。
また、本実施形態では、第1,第2、第4、第5ダイセットは、X方向における所定の可動範囲内でX方向の位置調節が可能で、Y方向における所定の可動範囲内でY方向の位置調節が可能で、第1金型がその軸回りに回動可能である。また、第3ダイセットは、X方向における所定の可動範囲内でX方向の位置調節が可能で、第2金型がその軸回りに回動可能である。これらのダイセットは、動作制御部71によって加工位置及び金型の回動角度が調節された後、コイル材2をプレス加工する。そして、次のプレス加工を実行するために、動作制御部は、送材機構を制御して第1ダイセット及び第2ダイセットに対してコイル材2を下流側に送る送り長さを調節し、上記と同様にして各ダイセットの加工位置及び回動角度θを調節する。その後、動作制御部71は、コイル材2のプレス加工を実行する。このように本構成では、プレス加工毎に各ダイセットの加工位置及び回動角度θを調節することができるので、従来のように複数の金型が固定されている場合に比べると、例えば歩留まり向上を優先させた複雑な配列パターンにも対応しやすくなる。よって、歩留まりを効果的に向上させることができる。
また、前記実施形態では、複数の加工位置をコイル材2のX方向及びY方向の任意の位置に配列できるので、コイル材2を予め小分けする必要がなく、巾の広い母材を直接プレス加工することができる。これにより、材料コストをさらに低減できる。
また、本実施形態では、ダイセット選択部75は、最下流の加工位置と下限との間の距離を、複数のダイセット間で比較し、距離の最も小さいダイセットを選択してダイセット記憶部76に記憶させる。コイル材2が一方向に送られるシステムにおいてはコイル材2を上流側に逆戻りさせることはできないが、本構成のように下限との距離が最も小さい加工位置を有するダイセットを優先的にダイセット記憶部76に記憶させることにより、当該加工位置を確実にプレス加工することができる。これにより、プレス加工されずにダイセットを通過してしまう加工位置が生じるのを防止できる。
また、本実施形態では、ダイセット選択部75は、ダイセット同士の干渉の有無に基づいて、残りのダイセットをダイセット記憶部76に記憶させるか否かを判断する。このような構成を採用することにより、できるだけ多くのダイセットを用いてプレス加工することができるので、加工効率を向上させることができる。
また、本実施形態では、プレス加工に用いられないダイセットが存在する場合にはそのダイセットを退避位置に移動させた状態で単一の加圧部91がプレス方向に押し込まれ、コイル材2に対してプレス加工が施される。一方、全てのダイセットがプレス加工に用いられる場合には単一の加圧部91がプレス方向に押し込まれることにより、各ダイセットに対応する加工位置がプレス加工される。したがって、ダイセット毎に加圧部を設けてこれらの加圧部を個別に制御する必要がないので、システムの構造及び制御を簡略化できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更、改良等が可能である。
例えば、前記実施形態では、第3ダイセット30はY方向に移動できない場合を例示したが、これに限定されず、他のダイセットと同様にY方向にも位置調節可能に構成されていてもよい。ただし、前記実施形態のように、複数のダイセットのうちの一つにおいてY方向の位置調節機構を省略することにより、位置調節機構の構造が簡略化でき、安価になるというメリットがある。特に、第3ダイセット30は、他のダイセットよりもサイズが大きいので、他のダイセットにおいてY方向の位置調節機構を省略する場合に比べて前記メリットがより大きくなる。
前記実施形態では、単一の加圧部91によって全ての金型を同時にプレス方向に押し込む形態を例示したが、これに限定されない。例えば、各金型を個別にプレス方向に押し込む機構を採用してもよい。
前記実施形態では、5つのダイセットを備えている場合を例示したが、ダイセットは2つ以上あればよい。
前記実施形態では、第3ダイセットは、X方向のみ位置調節可能である場合を例示したが、他のダイセットと同様にY方向にも位置調節可能であってもよい。
1 ブランキングシステム
2 コイル材
3 アンコイラー
4 レベラー
10 第1ダイセット
11 第1金型
11a ダイ
11b パンチ
12a 下部インデックス
12b 上部インデックス
13a 下部主板
13b 上部主板
13c 貫通孔
20 第2ダイセット
21 第2金型
30 第3ダイセット
31 第3金型
40 第4ダイセット
41 第4金型
50 第5ダイセット
51 第5金型
70 コントローラ
71 動作制御部
72 配列パターン記憶部
73 可動範囲記憶部
74 加工位置記憶部
75 ダイセット選択部
76 ダイセット記憶部
77 送り長さ決定部
91 加圧部

Claims (4)

  1. 一方向に間欠的に送られるコイル材をプレス加工することにより複数形状の部材片を外形抜きするためのブランキングシステムであって、
    前記コイル材に第1形状をプレス加工するための第1金型を有し、前記コイル材の長手方向に直交するX方向における所定の可動範囲内でX方向の位置調節が可能で、前記長手方向に平行なY方向における所定の可動範囲内でY方向の位置調節が可能で、前記第1金型がその軸回りに回動可能な第1ダイセットと、
    前記コイル材に前記第1形状とは異なる第2形状をプレス加工するための第2金型を有し、X方向における所定の可動範囲内でX方向の位置調節が可能で、Y方向における所定の可動範囲内でY方向の位置調節が可能で、前記第2金型がその軸回りに回動可能であり、前記第1ダイセットに対してY方向に並んで配置された第2ダイセットと、
    前記コイル材を前記第1ダイセット及び前記第2ダイセットに対してY方向の一方である下流側に間欠的に送る送材機構と、
    前記第1金型によってプレス加工される前記コイル材の中での複数の第1加工位置と、前記第2金型によってプレス加工される前記コイル材の中での複数の第2加工位置とが前記コイル材におけるX方向の幅及びY方向の長さの範囲内においてY方向の上流側に向かって順次並べられるとともに、各第1加工位置において前記第1金型の回動角度が予め定められ、各第2加工位置において前記第2金型の回動角度が予め定められた配列パターンを記憶する配列パターン記憶部と、
    Y方向における前記第1ダイセットの下流側への可動限界である第1下限と、Y方向における前記第2ダイセットの下流側への可動限界である第2下限とを記憶する可動範囲記憶部と、
    前記配列パターンに基づいて、前記送材機構を制御して前記第1ダイセット及び前記第2ダイセットに対して前記コイル材を下流側に送る送り長さを調節し、前記第1ダイセットを制御してそのX方向の位置、Y方向の位置及び前記第1金型の回動角度を調節し、前記第2ダイセットを制御してそのX方向の位置、Y方向の位置及び前記第2金型の回動角度を調節した後、前記第1ダイセット及び前記第2ダイセットを制御してコイル材をプレス加工する動作制御部と、
    各第1加工位置及び各第2加工位置についてプレス加工済みか否かを記憶する加工位置記憶部と、
    前記第1ダイセット及び前記第2ダイセットについて、次回のプレス加工に用いるか否かを選択するダイセット選択部と、
    前記ダイセット選択部における選択結果を記憶するダイセット記憶部と、
    前記最下流の第1加工位置が前記第1下限よりも上流側に位置し、前記最下流の第2加工位置が前記第2下限よりも上流側に位置し、かつ前記最下流の第1加工位置及び前記最下流の第2加工位置の少なくとも一方が対応するダイセットの可動範囲内に位置するように、前記送材機構による前記コイル材の下流側への送り長さを決める送り長さ決定部と、を備え、
    前記動作制御部は、未だプレス加工されていない第1加工位置のうち最も下流側に位置する最下流の第1加工位置と前記第1下限との間の距離と、未だプレス加工されていない第2加工位置のうち最も下流側に位置する最下流の第2加工位置と前記第2下限との間の距離とを比較し、距離の小さい方の加工位置を優先的にプレス加工の対象と
    前記ダイセット選択部は、まず、前記送り長さ決定部により決められた前記送り長さの分だけ前記コイル材が下流側に移動すると仮定した場合に、前記最下流の第1加工位置と前記第1下限との間の距離と、前記最下流の第2加工位置と前記第2下限との間の距離とを比較し、距離の小さい方のダイセットを選択して前記ダイセット記憶部に記憶させ、
    前記ダイセット選択部は、次に、選択された前記ダイセットがそれに対応する前記最下流の加工位置に前記動作制御部によって位置調節され、かつ選択されていない他方のダイセットがそれに対応する前記最下流の加工位置に前記動作制御部によって位置調節されると仮定した場合に、これらのダイセット同士が干渉しないときには、前記他方のダイセットを前記ダイセット記憶部に記憶させ、ダイセット同士が干渉するときには、前記他方のダイセットを前記ダイセット記憶部には記憶させず、
    前記動作制御部は、前記ダイセット記憶部に記憶されたダイセットを制御して、そのX方向の位置、Y方向の位置及び前記回動角度を調節し、当該ダイセットにより前記コイル材をプレス加工する、ブランキングシステム。
  2. 前記第1金型及び前記第2金型の両方をプレス方向に押し込む単一の加圧部をさらに備え、
    前記第1ダイセットは、前記第1金型が前記コイル材よりもX方向の外側に位置する退避位置まで移動可能であり、前記第2ダイセットは、前記第2金型が前記コイル材よりもX方向の外側に位置する退避位置まで移動可能であり、
    前記動作制御部は、前記加圧部をプレス方向に押し込む前に、前記ダイセット記憶部に記憶されていないダイセットを前記退避位置まで移動させる、請求項に記載のブランキングシステム。
  3. 一方向に間欠的に送られるコイル材をプレス加工することにより複数形状の部材片を外形抜きするためのブランキングシステムであって、
    前記コイル材に第1形状をプレス加工するための第1金型を有し、前記コイル材の長手方向に直交するX方向における所定の可動範囲内でX方向の位置調節が可能で、前記長手方向に平行なY方向における所定の可動範囲内でY方向の位置調節が可能で、前記第1金型がその軸回りに回動可能な第1ダイセットと、
    前記コイル材に前記第1形状とは異なる第2形状をプレス加工するための第2金型を有し、X方向における所定の可動範囲内でX方向の位置調節が可能で、前記第2金型がその軸回りに回動可能であり、前記第1ダイセットに対してY方向に並んで配置された第2ダイセットと、
    前記コイル材を前記第1ダイセット及び前記第2ダイセットに対してY方向の一方である下流側に間欠的に送る送材機構と、
    前記第1金型によってプレス加工される前記コイル材の中での複数の第1加工位置と、前記第2金型によってプレス加工される前記コイル材の中での複数の第2加工位置とが前記コイル材におけるX方向の幅及びY方向の長さの範囲内においてY方向の上流側に向かって順次並べられるとともに、各第1加工位置において前記第1金型の回動角度が予め定められ、各第2加工位置において前記第2金型の回動角度が予め定められた配列パターンを記憶する配列パターン記憶部と、
    Y方向における前記第1ダイセットの下流側への可動限界である第1下限と、Y方向における前記第2ダイセットの下流側への可動限界である第2下限とを記憶する可動範囲記憶部と、
    前記配列パターンに基づいて、前記送材機構を制御して前記第1ダイセット及び前記第2ダイセットに対して前記コイル材を下流側に送る送り長さを調節し、前記第1ダイセットを制御してそのX方向の位置、Y方向の位置及び前記第1金型の回動角度を調節し、前記第2ダイセットを制御してそのX方向の位置及び前記第2金型の回動角度を調節した後、前記第1ダイセット及び前記第2ダイセットを制御してコイル材をプレス加工する動作制御部と、を備え、
    前記動作制御部は、未だプレス加工されていない第1加工位置のうち最も下流側に位置する最下流の第1加工位置と前記第1下限との間の距離と、未だプレス加工されていない第2加工位置のうち最も下流側に位置する最下流の第2加工位置と前記第2下限との間の距離とを比較し、距離の小さい方の加工位置を優先的にプレス加工の対象とし、
    前記第1ダイセットは、
    第1金型を支持する主板と、
    前記主板におけるX方向の位置及びY方向の位置を調節するための位置調節機構と、をさらに有し、
    前記位置調節機構は、
    支柱と、
    一端が前記支柱に回動可能に支持され、他端が前記主板に回動可能に支持されたアームと、を含む、ブランキングシステム。
  4. 前記コイル材に第1形状をプレス加工するための第1金型を有し、前記コイル材の長手方向に直交するX方向における所定の可動範囲内でX方向の位置調節が可能で、前記長手方向に平行なY方向における所定の可動範囲内でY方向の位置調節が可能で、前記第1金型がその軸回りに回動可能な第1ダイセットと、
    前記コイル材に前記第1形状とは異なる第2形状をプレス加工するための第2金型を有し、X方向における所定の可動範囲内でX方向の位置調節が可能で、Y方向における所定の可動範囲内でY方向の位置調節が可能で、前記第2金型がその軸回りに回動可能であり、前記第1ダイセットに対してY方向に並んで配置された第2ダイセットと、
    前記コイル材を前記第1ダイセット及び前記第2ダイセットに対してY方向の一方である下流側に間欠的に送る送材機構と、
    前記第1金型によってプレス加工される前記コイル材の中での複数の第1加工位置と、前記第2金型によってプレス加工される前記コイル材の中での複数の第2加工位置とが前記コイル材におけるX方向の幅及びY方向の長さの範囲内においてY方向の上流側に向かって順次並べられるとともに、各第1加工位置において前記第1金型の回動角度が予め定められ、各第2加工位置において前記第2金型の回動角度が予め定められた配列パターンを記憶する配列パターン記憶部と、を備えたブランキングシステムを用いて、一方向に間欠的に送られるコイル材をプレス加工することにより複数形状の部材片を外形抜きする部材片の製造方法であって、
    未だプレス加工されていない第1加工位置のうち最も下流側に位置する最下流の第1加工位置とY方向における前記第1ダイセットの下流側への可動限界である第1下限との間の距離と、未だプレス加工されていない第2加工位置のうち最も下流側に位置する最下流の第2加工位置とY方向における前記第2ダイセットの下流側への可動限界である第2下限との間の距離とを比較し、距離の小さい方の加工位置を選択するステップと、
    前記選択ステップにおいて選択された前記距離の小さい方の加工位置に、これに対応するダイセットの位置を調節し、かつ前記距離の大きい方の加工位置に、これに対応するダイセットの位置を調節すると仮定した場合に、これらのダイセット同士が干渉するか否かを判定するステップと、
    前記選択ステップにおいて選択された前記距離の小さい方の加工位置に、これに対応するダイセットの位置を調節するとともに、当該ダイセットの金型の回動角度を調節し、前記距離の小さい方の加工位置を優先的にプレス加工するステップと、を備え
    前記プレス加工ステップでは、前記判定ステップにおいてダイセット同士が干渉しないと判定されたとき場合には、両方の加工位置をプレス加工し、ダイセット同士が干渉する判定されたとき場合には、前記距離の大きい方の加工位置に対応するダイセットを退避位置に移動させる、部材片の製造方法。
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