以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の実施の形態の一つにおける携帯電話の外観を示す斜視図である。図1は、オープンスタイルの状態にある携帯電話の外観を示す図である。図1を参照して、携帯電話機1は、操作側部3と、表示側部2とを含む。操作側部3は、テンキーおよび通話キー等を含む操作キー14と、マイクロフォン(以下「マイク」という)13とが内側面に配置される。表示側部2は、液晶表示装置(LCD)15と、レシーバを構成するスピーカ11と、カメラ24とが内側面に配置される。なお、ここでは携帯電話機1がLCD15を備える例を示すが、LCD15に代えて、有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイを用いてもよい。操作側部3と表示側部2とは、ヒンジ機構で回転可能に連結され、操作側部3と表示側部2とは開閉自在である。携帯電話機1を折りたたんで、操作側部3と表示側部2とが閉状態にあるときの携帯電話機1の状態がクローズスタイルであり、携帯電話機1を開いて、操作側部3と表示側部2とが開状態にあるときの携帯電話機1の状態がオープンスタイルである。
図2は、第1の実施の形態における携帯電話機のハード構成の一例を示すブロック図である。図2を参照して、携帯電話機1は、携帯電話機1の全体を制御するための制御部21と、アンテナ22Aと接続された無線回路22と、音声データを符号化または復号するためのコーデック部23と、音声データを処理し音声を制御するための音声制御部28と、カメラ24と、ユーザの操作の入力を受付ける操作部25と、着信を報知するための振動部26と、LCD15の表示を制御するための表示制御部30と、制御部21で実行するプログラム等を記憶するためのフラッシュROM(Read Only Memory)31と、制御部21の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)32と、カードインターフェース(I/F)27と、を含む。
無線回路22は、制御部21により制御され、無線基地局と通信する。具体的には、無線回路22は、アンテナ22Aにより受信された無線信号が入力され、無線信号を復調した音声信号をコーデック部23に出力する。また、無線回路22は、コーデック部23から音声信号が入力され、音声信号を変調した無線信号をアンテナ22Aに出力する。コーデック部23は、無線回路22から入力される音声信号を復号し、復号したデジタルの音声信号をアナログに変換し、音声制御部28に出力する。また、コーデック部23は、音声制御部28からアナログの音声信号が入力され、音声信号をデジタルに変換し、符号化し、そして符号化した音声信号を無線回路22に出力する。
また、無線回路22は、無線基地局との間でデータ通信が可能である。特に、無線回路22は、無線基地局に接続された電子メールサーバと無線基地局を介して通信することが可能である。無線回路22は、電子メールサーバから送信される電子メールを受信し、制御部21に出力する。また、無線回路22は、制御部21から入力される電子メールを電子メールサーバに送信する。このため、制御部21は、電子メールサーバとの間で送受信した電子メールをフラッシュROM31に記憶する。
操作部25は、操作キー14を含む。操作キー14は、ユーザによる操作の入力を受け付け、受け付けた操作を制御部21に出力する。
音声制御部28は、マイク13と接続され、マイク13が集音して出力するアナログの音声信号が入力される。音声制御部28は、マイク13から入力される音声信号をコーデック部23に出力する。また、音声制御部28は、コーデック部23から音声信号が入力され、コーデック部23から入力された音声信号をスピーカ11に出力する。
表示制御部30は、制御部21により制御され、制御部21から入力される指示に従ってLCD16を制御して、LCD16に画像を表示させる。LCD16に表示させる画像は、動画像と静止画像とを含む。
カードI/F27には、着脱可能なフラッシュメモリ27Aが装着される。制御部21は、カードI/F27を介して、フラッシュメモリ27Aにアクセスが可能である。なお、ここでは制御部21で実行するための発信プログラムまたは着信プログラムをフラッシュROM31に記憶しておく例を説明するが、発信プログラムまたは着信プログラムをフラッシュメモリ27Aに記憶しておき、フラッシュメモリ27Aから発信プログラムまたは着信プログラムを読み出して、制御部21で実行するようにしてもよい。発信プログラムまたは着信プログラムを記憶する記録媒体としては、フラッシュメモリ27Aに限らず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(CD−ROM(Compact Disc−ROM)/MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROMなどの半導体メモリ等でもよい。また、制御部21が、無線回路22を介してインターネットに接続されたコンピュータから発信プログラムまたは着信プログラムをダウンロードし、その発信プログラムまたは着信プログラムを実行するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、制御部21により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
カメラ24は、レンズおよびCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等の光電変換素子を備え、レンズで集光した光をCMOSセンサに結像し、CMOSセンサは受光した光を光電変換して画像データを制御部21に出力する。カメラ24は、制御部21により制御され、制御部21からの指示により撮像を開始して、得られる静止画データまたは動画データを制御部21に出力する。制御部21は、カメラ24が出力する静止画データまたは動画データを表示制御部30に出力し、LCD16に表示させる、または、圧縮符号化方式で静止画データまたは動画データを符号化して、フラッシュROM31またはカードI/F27に装着されたフラッシュメモリ27Aに記憶する。
図3は、第1の実施の形態における携帯電話機の制御部の機能の概要をフラッシュROMに記憶する情報とともに示す機能ブロック図である。図3を参照して、制御部21は、電子メール管理部61と、電子メール送信部63と、電子メール受信部65とを含む。電子メール管理部61は、ユーザが操作キー14に入力する指示に基づいて電子メールを生成し、生成した電子メールを電子メール送信部63に送信させるとともに、送信した電子メールに送信した日時を付加した送信電子メール83としてフラッシュROM31に格納する。電子メール送信部63は、電子メール管理部61から電子メールが入力されると、無線回路22を制御してその電子メールを無線基地局に送信する。
電子メール受信部65は、無線回路22を制御して、無線基地局から電子メールを受信する。そして、電子メール受信部65は、受信した電子メールを電子メール管理部61に出力する。電子メール管理部61は、電子メール受信部65から電子メールが入力されると、その電子メールにそれを受信した日時を付加した受信電子メール85としてフラッシュROM31に格納する。
図4は、送信電子メールのフォーマットの一例を示す図である。図4を参照して、送信電子メール83は、送信先電子メールアドレスと、コンテンツと、送信日時とを含む。送信先電子メールアドレスは、電子メールを送信した宛先の電子メールアドレスである。コンテンツは、電子メールのサブジェクトおよびボディである。送信日時は、電子メールを送信した日時である。
図5は、受信電子メールのフォーマットの一例を示す図である。図5を参照して、受信電子メール85は、送信元電子メールアドレスと、コンテンツと、閲覧有無フラグと、返信有無フラグと、受信日時とを含む。送信元電子メールアドレスは、電子メールを送信してきた携帯電話機に割当てられた電子メールアドレスである。コンテンツは、電子メールのサブジェクトおよびボディである。閲覧有無フラグは、電子メールがLCD15に表示されたか否かを示すフラグであり、LCD15に表示される前は閲覧無しに設定され、LCD15に表示された後に閲覧有りに設定される。返信有無フラグは、電子メールに対する返信のための電子メールが送信されたか否かを示すフラグであり、返信電子メールが送信される前に返信無しに設定され、返信電子メールが送信された後に返信有りに設定される。
図3に戻って、電子メール管理部61は、さらに、送信電子メール83または受信電子メール85の表示を制御する。ユーザが操作キー14に電子メールの閲覧指示を入力すると、電子メール管理部61は、閲覧指示に従って送信電子メール83または受信電子メール85を読出し、LCD15に表示する。これにより、ユーザは、送信電子メール83および受信電子メール85のうちから所望のものを選択し、閲覧することができる。電子メール管理部61は、受信電子メール85をLCD15に表示した場合、受信電子メール85の閲覧有無フラグを閲覧有りに書き換える。さらに、電子メール管理部61は、ユーザが操作キー14に返信電子メールの生成指示を入力すると、電子メール管理部61は、返信電子メールを生成するとともに、受信電子メール85の返信有無フラグを返信有りに書き換える。生成され返信電子メールは、先に説明した電子メールを送信する場合と同様に、電子メール送信部63により送信され、送信された日時を付加した送信電子メール83としてフラッシュROM31に格納される。
ここでは、フラッシュROM31に送信電子メール83および受信電子メール85を記憶する例を説明するが、カードI/F27に装着されたフラッシュメモリ27Aに、送信電子メール83および受信電子メール85の全部または一部を記憶するようにしてもよい。
フラッシュROM31は、アドレスデータ81を予め記憶している。図6は、アドレスデータのフォーマットの一例を示す図である。図6を参照して、アドレスデータ81は、ユーザ名と、電話番号と、電子メールアドレスとを関連付ける。ユーザ名は、通信相手を識別するためのユーザ識別情報である。電話番号は、ユーザ名の通信相手が携帯する携帯電話機に割当てられた電話番号である。電子メールアドレスは、ユーザ名の通信相手が携帯する携帯電話機に割当てられた電子メールアドレスである。
ここでは、フラッシュROM31にアドレスデータ81を記憶する例を説明するが、カードI/F27に装着されたフラッシュメモリ27Aがアドレスデータ81を記憶する場合には、フラッシュメモリ27Aからアドレスデータ81を読み出すようにしてもよい。また、携帯電話機1がカードI/F27を複数備える場合、アドレスデータを記憶するフラッシュメモリ27Aとは別のフラッシュメモリ27Bに送信電子メール83および受信電子メール85を記憶するようにしてもよい。この場合、携帯電話機1は、複数のカードI/F27の一方に装着されたフラッシュメモリ27Aからそれに記憶されたアドレスデータ81を読出し、複数のカードI/F27の他方に装着されたフラッシュメモリ27Bに送信電子メール83および受信電子メール85の全部または一部を記憶する。
図3に戻って、制御部21は、電話番号を受け付ける電話番号受付部51と、電話番号に関連する電子メールアドレスを抽出する発呼時電子メール抽出部53と、電子メールの少なくとも一部を選択する選択部55と、電話番号に発呼する発呼部57とをさらに含む。電話番号受付部51は、携帯電話機1のユーザ(発呼者)が、操作部25の操作キー14を押下することにより発呼のための電話番号を入力すると、操作部25からそれに入力された電話番号を受け付け、受け付けた電話番号を発呼時電子メール抽出部53に出力する。また、電話番号受付部51は、アドレスデータ81をLCD15に表示するようにし、ユーザが表示されたアドレスデータ81のうちからいずれかを選択する指示を操作部25に入力すると、選択されたアドレスデータ81に含まれる電話番号の指定を受け付けるようにしてもよい。
発呼時電子メール抽出部53は、電話番号を含むアドレスデータ81を取得する。ここでは、電話番号をキーにしてフラッシュROM31に記憶されたアドレスデータ81を検索し、電話番号を含むアドレスデータ81を読み出す。なお、アドレスデータ81がカードI/F27に装着されたフラッシュメモリ27Aに記憶されている場合には、フラッシュメモリ27Aから電話番号を含むアドレスデータ81を取得する。そして、読み出したアドレスデータ81で電話番号と関連付けられた電子メールアドレスを取得する。そして、発呼時電子メール抽出部53は、取得した電子メールアドレスを含む送信電子メール83または受信電子メール85を抽出する。さらに、発呼時電子メール抽出部53は、所定の条件の送信電子メール83または受信電子メール85を抽出する。所定の条件は、例えば次のものがある。
(1) 送信電子メール83であって、その送信電子メール83に対する返信電子メールを受信していない送信電子メール83。返信電子メールを受信していなければ、発呼者が通話の用件とする可能性が高いからである。送信電子メール83に対する返信電子メールを受信しているか否かの判断は、送信電子メール83の送信日時より後の受信日時を含み、送信電子メール83のコンテンツのサブジェクトと同じサブジェクトを含む受信電子メール85が存在するか否かにより判断する。
(2) 現在時刻に最も近い時刻の送信日時を含む送信電子メール83であって、その送信電子メール83に対する返信電子メールを受信していない送信電子メール83。返信電子メールを受信していない送信電子メール83が複数ある場合に、それらのうちで発呼者が通話の用件とする可能性が高いものを特定することができる。
(3) 受信電子メール85であって、その受信電子メール85に対応する返信電子メールを送信していない受信電子メール85。受信電子メール85に対する返信電子メールを送信する代わりに、通話のために発呼する可能性が高いからである。
発呼時電子メール抽出部53は、抽出した送信電子メール83または受信電子メール85を、選択部55に出力する。選択部55は、抽出された送信電子メール83または受信電子メール85のコンテンツの一部または全部の選択の指定を受け付ける。ユーザが、操作キー14にコンテンツの一部を選択する指定、または全部を選択する指定を入力すると、選択部55は、操作キー14に入力された指定を受け付け、その指定に従って送信電子メール83または受信電子メール85のコンテンツの一部または全部を選択する。以下、選択部55が選択した送信電子メール83または受信電子メール85のコンテンツの一部または全部を選択部分という。選択部55は、選択部分を発呼時電子メール抽出部53に出力し、発呼時電子メール抽出部53は、選択部分を発呼部57に出力する。なお、選択部55がユーザの操作(指示)に従って選択部分を選択するようにしたが、ユーザが操作(指示)をその都度しなくても選択部55が送信電子メール83または受信電子メール85のコンテンツの全部または一部を自動的に選択するようにしてもよい。
発呼部57は、制御信号生成部59を含む。制御信号生成部59は、発呼のために無線基地局に送信するための制御信号を生成する。制御信号生成部59は、電話番号受付部51で受け付けられた電話番号と、選択部55から入力される選択部分とを少なくとも含む制御信号を生成する。電話番号と選択部分とは、制御信号の予め定められた位置に配置される。発呼部57は、無線回路22に制御信号を出力する。発呼部57は、無線回路22を制御して、制御信号生成部59により生成された制御信号を無線基地局に送信させることにより、発呼する。
制御部21は、呼を検出するための呼検出部77と、ユーザに着信を通知するための着信通知部71とを含む。呼検出部77と、着信通知部71とは、別の携帯電話機が、携帯電話機1に発呼した場合に機能する。ここでは、携帯電話機1と同様の機能を有する携帯電話機Aが携帯電話機1に発呼した場合について説明する。
呼検出部77は、無線回路22を制御して、無線基地局から制御信号を受信する。この制御信号は、携帯電話機Aが送信した制御信号に含まれる電話番号と選択部分とを含み、その電話番号が接続先の電話番号を示す位置に配置され、選択部分がメッセージを示す位置に配置される。呼検出部77は、受信した制御信号の接続先の電話番号を示す位置に、自装置に割当てられた電話番号を含む場合、呼を検出する。呼検出部77は、呼を検出した場合、受信した制御信号を着信通知部71に出力する。
着信通知部71は、呼検出部77が呼を検出すると、ユーザに着信を通知する。具体的には、スピーカ11から着信音を出力する。これにより、ユーザに音で着信を通知する。また、音による通知に代えて、またはそれに加えて、振動部26を振動させる。これにより、ユーザに振動で着信を通知する。
さらに、着信通知部71は、メッセージ抽出部73と、メッセージ表示部75とを含む。メッセージ抽出部73は、呼検出部77から入力される制御信号のメッセージが配置される位置からメッセージを抽出し、抽出したメッセージをメッセージ表示部75に出力する。メッセージ表示部75は、表示制御部30を制御して、入力されるメッセージをLCD15に表示させる。これにより、携帯電話機1のユーザは、携帯電話機Aのユーザが選択した選択部分を読むことができ、着信に応答する前に、通話の用件を知ることができる。
図7は、発信処理の流れの一例を示すフローチャートである。発信処理は、制御部21がフラッシュROM31に記憶された発信プログラムを実行することにより、制御部21により実行される処理である。図7を参照して、制御部21は、電話番号を受け付けるまで待機状態となり(ステップS01でNO)、電話番号を受け付けると処理をステップS02に進める。すなわち、発信処理は、電話番号を受け付けることを条件に実行される処理である。電話番号が受け付けられる場合は、携帯電話機1のユーザ(発呼者)が、携帯電話機1に発呼のための電話番号を入力する場合、または、アドレスデータ81、発信履歴または着信履歴など携帯電話機1に予め記憶された電話番号のうちから1つを選択する場合を含む。
ステップS02においては、発呼時電子メール検索処理を実行する。発呼時電子メール検索処理については、その詳細は後述するが、受け付けた電話番号に関連する対象電子メールを抽出する処理である。発呼時電子メール検索処理を実行することによって、対象電子メールが抽出できたか否かを判断する(ステップS03)。対象電子メールを抽出できたならば処理をステップS04に進め、そうでなければ処理をステップS08に進める。
ステップS04においては、LCD15に問合せ画面を表示する。問合せ画面は、発呼と同時にメッセージを送信するか否かをユーザに問い合わせ、ユーザの指示を受け付けるための画面である。図8は、問合せ画面の一例を示す図である。図8を参照して、問合せ画面は、「先ほど○○さんに送信した電子メールをメッセージとして利用して相手の着信画面に表示させますか?」のメッセージを含む。「○○さん」は、図7のステップS01で受け付けた電話番号と、アドレスデータ81で関連付けられたユーザ名が表示される。ユーザが、操作キー14の決定キーを押下すれば、メッセージを送信する指示が制御部21で受け付けられ、操作キー14の取り消しキーを押下すれば、メッセージを送信しない指示が制御部21で受け付けられる。
図7に戻って、ステップS05においては、メッセージを送信する指示を受け付けたか否かを判断し、メッセージを送信する指示を受け付けたならば処理をステップS06に進め、そうでなければ処理をステップS08に進める。ステップS06においては、メッセージ選択処理を実行する。メッセージ選択処理については詳細を後述するが、ステップS02における発呼時電子メール検索処理により抽出された対象電子メールのうちからメッセージとして送信する選択部分を選択する処理である。ステップS07においては、メッセージとして送信する選択部分が選択されたか否かを判断し、選択されるまでステップS06を繰り返し、選択されたならば処理をステップS08に進める。
ステップS08においては、制御信号を生成する。制御信号は、発呼のために無線基地局に送信するための信号である。処理をステップS03またはステップS05からステップS08に進める場合と、処理をステップS07からステップS08に進める場合とで、生成される制御信号が異なる。処理をステップS07からステップS08に進める場合、ステップS08においては、ステップS01で受け付けられた電話番号と、ステップS06で選択された選択部分とを含む制御信号を生成する。電話番号と選択部分とは、制御信号の予め定められた位置に配置される。一方、処理をステップS03またはステップS05からステップS08に進める場合、ステップS08においては、ステップS01で受け付けられた電話番号を含み、選択部分を配置するための位置には何も配置しない制御信号を生成する。
ステップS09においては、制御信号を無線基地局に送信することにより、発呼する。具体的には、制御信号を無線回路22に出力し、無線回路22に発呼させる。そして、応答を受け付けたか否かを判断する(ステップS10)。無線回路22が無線基地局から応答を示す制御信号を受信した場合に、制御部21は応答を受け付ける。応答を受け付けたならば処理をステップS11に進めるが、応答を受け付けなければ処理をステップS13に進める。ステップS11においては、回線を接続して通話を可能な状態にする。そして、通話が終了したか否かを判断する(ステップS12)。通話の終了は、回線が切断された場合、または、通話を終了させるためのキーとして操作キー14に割当てられた通話終了キーがユーザにより押下された場合のいずれかである。通話が終了するまでステップS11を繰り返し、通話が終了したならば処理を終了する。
ステップS13においては、発呼を停止させるための指示を受け付けたか否かを判断する。発呼を停止させるためのキーとして操作キー14に割当てられた発呼停止キーがユーザにより押下された場合、処理をステップS14に進めるが、そうでなければ処理をステップS10に戻し、発呼を継続する。ステップS14においては、発呼動作を停止し、処理を終了する。
図9は、発呼時電子メール検索処理の流れの一例を示す第1のフローチャートである。発呼時電子メール検索処理は、図7のステップS02において実行される処理である。図9を参照して、制御部21は、図7のステップS01で受け付けた電話番号を含むアドレスデータを取得する(ステップS21A)。具体的には、図7のステップS01で受け付けた電話番号を含むアドレスデータをフラッシュROM31に記憶されたアドレスデータ81のうちから抽出し、そのアドレスデータを読み出す。そして、読み出したアドレスデータ81で電話番号と関連付けられた電子メールアドレスを取得する(ステップS21)。そして、取得した電子メールアドレスを含む送信電子メール83を抽出する(ステップS22)。さらに、抽出の結果を判断し(ステップS23)、取得した電子メールアドレスを含む送信電子メール83が抽出できたならば(ステップS23でYES)、処理をステップS24に進めるが、そうでなければ(ステップS23でNO)、処理をステプS28に進める。
ステップS24においては、抽出された送信電子メール83のうちから処理対象とする送信電子メール83を決定し、処理対象の送信電子メール83が所定時間内に送信したものか否かを判断する。処理対象の送信電子メール83の送信日時と現在時刻とから判断する。処理対象の送信電子メール83が所定時間内に送信したものであれば処理をステップS25に進めるが、そうでなければ処理をステップS27に進める。
ステップS25においては、処理対象の送信電子メール83に対する返信電子メールを受信しているか否かを判断する。返信電子メールを受信していなければ、発呼者が通話の用件とする可能性が高いからである。送信電子メール83の送信日時より後の受信日時を含み、送信電子メール83のコンテンツのサブジェクトと同じサブジェクトを含む受信電子メール85が存在するか否かにより、返信電子メールを受信しているか否かを判断する。処理対象の送信電子メール83に対する返信電子メールを受信していなければ処理をステップS26に進め、返信電子メールを受信していれば処理をステップS27に進める。ステップS26においては、処理対象の送信電子メール83を対象電子メールに決定する。
ステップS27においては、ステップS22において抽出された送信電子メール83のうちに、未だ処理対象としていないものが存在するか否かを判断する。未処理の送信電子メール83が存在すれば、その送信電子メール83を処理対象に設定し、処理をステップS24に戻すが、そうでなければ処理をステップS28に進める。ステップS28においては、対象電子メールに設定された送信電子メール83が存在するか否かを判断する。対象電子メールに設定された送信電子メール83が存在すれば処理をステップS29に進め、そうでなければ処理をステップS30に進める。ステップS29においては、返り値に対象電子メールありを設定し、処理を発信処理に戻す。ステップS30においては、返り値に対象電子メールなしを設定し、処理を発信処理に戻す。
この発信時電子メール検索処理を実行することにより、所定時間内に送信した送信電子メール83であって、その送信電子メール83に対する返信電子メールを受信していない送信電子メール83が対象電子メールとして抽出される。携帯電話機1のユーザが、送信電子メール83に対する回答を用件とする通話のために発呼する場合があり、携帯電話機1のユーザが通話の用件に関連する可能性の高い送信電子メール83を抽出することができる。なお、ここでは、所定時間内に送信した送信電子メール83であって、その送信電子メール83に対する返信電子メールを受信していない送信電子メール83を抽出するようにしたが、ステップS24を実行することなく、送信電子メール83に対する返信電子メールを受信していない送信電子メール83を抽出するようにしてもよい。また、対象電子メールとして1件のみを抽出するようにしてもよい。たとえば、所定時間内に送信した送信電子メール83であって、その送信電子メール83に対する返信電子メールを受信していない送信電子メール83が複数存在する場合、所定の条件、たとえば送信日時が最も新しい条件を満たす1件の送信電子メール83を抽出する。
図10は、メッセージ選択処理の流れの一例を示すフローチャートである。メッセージ選択処理は、図7のステップS06において実行される処理である。図10を参照して、制御部21は、対象電子メールを読み出す(ステップS41)。ここでは、対象電子メールに設定されている送信電子メール83を読み出す。対象電子メールに設定されている送信電子メール83が複数ある場合には、それらすべてを読み出す。次に、送信電子メールのコンテンツを含み、それらの少なくとも一部を選択可能な選択画面をLCD15に表示する(ステップS42)。選択可能に表示するのは、ユーザの意思で選択部分を選択することを可能とするためである。コンテンツは、電子メールのサブジェクトとボディとを含む。送信電子メール83が複数ある場合には、すべての送信電子メール83それぞれのコンテンツを表示する。
図11は、選択画面の一例を示す図である。図11を参照して、選択画面は、サブジェクト(タイトル)と、ボディ(本文)とを選択可能に表示する領域を含む。ユーザが表示されたサブジェクト(タイトル)およびボディ(本文)の一部または全部を指定すると、指定された選択部分が選択され、その選択部分が反転表示される。これにより、ユーザは、選択部分が指定されたことを確認することができる。図11においては、サブジェクトの「今からいくね」が選択部分として指定された例を示している。
図10に戻って、ステップS43においては、選択部分を受け付けたか否かを判断する。選択部分の受け付けは、コンテンツのすべての選択を含む。1つの送信電子メール83が対象電子メールとして設定されている場合に、その送信電子メール83のコンテンツの全部を選択部分として指定することが可能である。ステップS44においては、ユーザにより指定された選択部分をメッセージに決定し、処理を発信処理に戻す。
図12は、着信処理の流れの一例を示す第1のフローチャートである。着信処理は、制御部21がフラッシュROM31に記憶された着信プログラムを実行することにより、制御部21により実行される処理である。図12を参照して、制御部21は、呼を検出したか否かを判断する(ステップS51)。呼を検出するまで待機状態となり(ステップS51でNO)、呼を検出すると処理をステップS52に進める。すなわち、着信処理は、呼を検出することを条件に実行される処理である。
ステップS52においては、発呼側の電話番号を検出する。具体的には、無線基地局から受信した制御信号の発呼側の電話番号が配置されている位置から電話番号を読み出す。そして、検出した発呼側の電話番号をLCD15に表示する(ステップS53)。さらに、無線基地局から受信した制御信号からメッセージを抽出する(ステップS54)。具体的には、制御信号のメッセージが配置される位置からメッセージを抽出する。そして、メッセージが存在するか否かを判断する(ステップS55)。制御信号からメッセージを抽出できたならば処理をステップS56に進めるが、メッセージを抽出できなければステップS56をスキップして処理をステップS57に進める。
ステップS56においては、制御信号から抽出したメッセージを表示するための着信画面をLCD15に表示する。図13は、着信画面の一例を示す第1の図である。図13を参照して、着信画面は、「○○△△子から着信中」の発呼側情報を含む。発呼側情報の「○○△△」には、図12のステップS52で受け付けた電話番号とアドレスデータ81で関連付けられたユーザ名が表示される。また、着信画面は、「今からいくね」の着信メッセージを含む。このため、携帯電話機1のユーザは、着信画面を見れば、発呼側の「○○△△子」からの着信であり、かつ、電話の用件が「今から行くね」であることを、通話前に知ることができる。
図12に戻って、ステップS57においては、着信音を発生させる。そして、応答指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS58)。ユーザが操作キー14の通話ボタンを押下する操作を検出したならば処理をステップS59に進め、検出しなければ処理をステップS60に進める。ステップS59においては、着呼に応答する。これにより、発呼側の携帯電話機との間で電話による通話が可能となる。そして、通話が終了したか否かを判断する(ステップS62)。通話の終了は、回線が切断された場合、または、通話を終了させるためのキーとして操作キー14に割当てられた通話終了キーがユーザにより押下された場合のいずれかである。通話が終了するまでステップS59を繰り返し、通話が終了したならば処理を終了する。
ステップS61においては、呼が終了したか否かを判断し、呼が終了したならば処理をステップS62に進め、着呼が終了していなければ処理をステップS58に戻す。ステップS62では、ステップS57で開始した着信音の発生を終了して、処理を終了する。
<発呼時電子メール検索処理の第1の変形例>
図14は、発呼時電子メール検索処理の流れの一例を示す第2のフローチャートである。図9に示した発呼時電子メール検索処理と異なる点は、ステップS24〜ステップS27に代えて、ステップS24A〜ステップS26Aが実行される点である。他の処理は同じなので、ここでは異なる処理を説明する。図14を参照して、ステップS24Aにおいては、抽出された送信電子メールが複数か否かを判断する。複数であれば処理をステップS25Aに進め、単数であれば処理をステップS26Aに進める。ステップS25Aにおいては、ステップS22において抽出された複数の送信電子メール83のうち送信日時が最新の送信電子メール83を対象電子メールに決定し、処理をステップS28に進める。また、ステップS26Aにおいては、ステップS22において抽出された単一の送信電子メール83を対象電子メールに決定し、処理をステップS28に進める。
第1の変形例における発呼時電子メール検索処理では、最新の送信電子メール83を対象電子メールに決定する。電子メールを送信した後に、その電子メールのコンテンツに記載した用件と同じ用件で電話する場合があり、携帯電話機1のユーザが通話の用件とする可能性の高い送信電子メール83を抽出することができる。
<発呼時電子メール検索処理の第2の変形例>
図15は、発呼時電子メール検索処理の流れの一例を示す第3のフローチャートである。図15を参照して、制御部21は、図7のステップS01で受け付けた電話番号を含むアドレスデータを取得する(ステップS31A)。具体的には、図7のステップS01で受け付けた電話番号を含むアドレスデータをフラッシュROM31に記憶されたアドレスデータ81のうちから抽出し、そのアドレスデータを読み出す。そして、読み出したアドレスデータ81で電話番号関連付けられた電子メールアドレスを取得する(ステップS31)。そして、取得した電子メールアドレスを含む受信電子メール85を抽出する(ステップS32)。抽出の結果を判断し(ステップS33)、取得した電子メールアドレスを含む受信電子メール85が抽出できたならば(ステップS33でYES)、処理をステップS34に進めるが、そうでなければ(ステップS33でNO)、処理をステプS37に進める。
ステップS34においては、抽出された受信電子メール85のうちから処理対象とする受信電子メール85を決定し、処理対象の受信電子メール85に対する返信電子メールを送信しているか否かを判断する。返信電子メールを送信していなければ、発呼者が返信電子メールを送信する代わりに電話する場合があるからである。受信電子メール85の受信日時より後の送信日時を含み、受信電子メール85のコンテンツのサブジェクトと同じサブジェクトを含む送信電子メール83が存在するか否かにより、返信電子メールを送信しているか否かを判断する。処理対象の受信電子メール85に対する返信電子メールを送信していなければ処理をステップS35に進め、返信電子メールを送信していれば処理をステップS37に進める。ステップS35においては、処理対象の受信電子メール85を対象電子メールに決定する。
ステップS36においては、ステップS22において抽出された受信電子メール85のうちに、未だ処理対象としていないものが存在するか否かを判断する。未処理の受信電子メール85が存在すれば、その受信電子メール85を処理対象に設定し、処理をステップS34に戻すが、そうでなければ処理をステップS37に進める。ステップS37においては、対象電子メールに設定された受信電子メール85が存在するか否かを判断する。対象電子メールに設定された受信電子メール85が存在すれば処理をステップS38に進め、そうでなければ処理をステップS39に進める。ステップS38においては、返り値に対象電子メールありを設定し、処理を発信処理に戻す。ステップS39においては、返り値に対象電子メールなしを設定し、処理を発信処理に戻す。
この第2の変形例における発信時電子メール検索処理を実行することにより、受信電子メール85であって、その受信電子メール85に対する返信電子メールを送信していない送信電子メール83が対象電子メールとして抽出される。受信電子メール85に対する返信電子メールを送信する代わりに、電話する場合があり、携帯電話機1のユーザが通話の用件とする可能性の高い受信電子メール85を抽出することができる。
以上説明したように、第1の実施の形態における携帯電話機1は、発呼操作のために通信相手の携帯電話機に割当てられた電話番号が受け付けられると、その電話番号と関連付けられた電子メールアドレスを含む送信電子メール83または受信電子メール85が抽出され、抽出されたデータの少なくとも一部が、通信相手の携帯電話機に送信される。このため、過去に送受信した電子メールの一部を送信することができるので、発呼とともに送信するメッセージを初めから入力する必要がなく、メッセージを容易に設定することができる。また、通信相手の携帯電話機では、メッセージが受信され、そのメッセージが表示されるので、通信相手は通話する前の段階で通話の用件を知ることができる。このため、通話する前の段階で、通話の用件を通信相手に知らせることができる。
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態における携帯電話機1Aは、第1の実施の形態における携帯電話機1と外観およびハード構成は同じである。ここでは、携帯電話機1Aと同様の機能を有する携帯電話機Bが携帯電話機1Aに発呼した場合について説明する。
図16は、第2の実施の形態における携帯電話機の制御部の機能の概要をフラッシュROMに記憶する情報とともに示す機能ブロック図である。図16を参照して、制御部21Aは、呼検出部77と、発呼側電話番号検出部91と、呼検出時電子メール抽出部92と、着信通知部71Aと、電子メール管理部61と、電子メール送信部63と、電子メール受信部65とを含む。呼検出部77と、電子メール管理部61と、電子メール送信部63と、電子メール受信部65とは、上述したのでここでは説明を繰り返さない。
呼検出部77が受信した制御信号は、発呼側の携帯電話機Bに割当てられた電話番号を含み、その電話番号が発呼側の電話番号を示す位置に配置される。発呼側電話番号検出部91は、呼検出部77が受信した制御信号の発呼側の電話番号を示す位置から電話番号を抽出する。発呼側の電話番号を抽出したならば、その電話番号を呼検出時電子メール抽出部92に出力する。また、発呼側電話番号検出部91は、抽出した発呼側の電話番号を含むアドレスデータ81を取得する。ここでは、発呼側の電話番号をキーにしてフラッシュROM31に記憶されたアドレスデータ81を検索し、電話番号を含むアドレスデータ81を読み出す。なお、アドレスデータ81がカードI/F27に装着されたフラッシュメモリ27Aに記憶されている場合には、抽出した発呼側の電話番号を含むアドレスデータ81をフラッシュメモリ27Aから取得する。そして、読み出したアドレスデータ81で電話番号と関連付けられた電子メールアドレスを取得し、取得した電子メールアドレスを呼検出時電子メール抽出部に出力する。呼検出時電子メール抽出部92は、入力される電子メールアドレスを含む送信電子メール83または受信電子メール85を抽出する。さらに、呼検出時電子メール抽出部92は、所定の条件の送信電子メール83または受信電子メール85を抽出する。所定の条件は、例えば次のものがある。
(1) 未だ表示されていない受信電子メール85。未だ表示されていない受信電子メール85を表示させることにより、その受信電子メール85に含まれるコンテンツを携帯電話機1Aのユーザに伝えることができる。発呼側の携帯電話機Bのユーザが、先に送信した電子メールに関連する用件で通話してきた可能性が高いからである。
(2) 受信電子メール85であって、その受信電子メール85に対する返信電子メールを送信していない受信電子メール85。返信電子メールを受信していなければ、発呼側のユーザ、換言すれば受信電子メール85の送信者が、その受信電子メール85の回答を要求する用件で発呼する場合がある。このため、受信電子メール85に対応する回答の要求を用件とする通話であることを、通信相手に知らせることができる。受信電子メール85に対する返信電子メールを送信しているか否かの判断は、受信電子メール85の受信日時より後の送信日時を含み、受信電子メール85のコンテンツのサブジェクトと同じサブジェクトを含む送信電子メール83が存在するか否かにより判断する。
(3) 現在時刻に最も近い時刻に受信した受信電子メール85であって、その受信電子メール85に対する返信電子メールを送信していない受信電子メール85。
(4) 送信電子メール83であって、その送信電子メール83に対する返信電子メールを受信していない送信電子メール83。返信電子メールを受信していなければ、発呼側のユーザ、換言すれば送信電子メール83の受信者が、送信電子メール83の回答を通話の用件とする場合がある。このため、送信電子メール83に対する回答を用件とする通話であることを、ユーザに知らせることができる。送信電子メール83に対する返信電子メールを受信しているか否かの判断は、送信電子メール83の送信日時より後の受信日時を含み、送信電子メール83のコンテンツのサブジェクトと同じサブジェクトを含む受信電子メール85が存在するか否かにより判断する。
呼検出時電子メール抽出部92は、抽出した送信電子メール83または受信電子メール85を着信通知部71に出力する。
着信通知部71は、呼検出部77が呼を検出すると、ユーザに着信を通知する。具体的には、スピーカ11から着信音を出力する。これにより、ユーザに音で着信を通知する。また、音による通知に代えて、またはそれに加えて、振動部26を振動させる。これにより、ユーザに振動で着信を通知する。さらに、着信通知部71は、電子メール表示部93を含む。電子メール表示部93は、表示制御部30を制御して、呼検出時電子メール抽出部92から入力される送信電子メール83または受信電子メール85をLCD15に表示させる。電子メール表示部93は、送信電子メール83または受信電子メール85のコンテンツの全部を表示してもよいし、またはコンテンツの一部、例えば、サブジェクトのみ、本文のみ、本文の前半部分等を表示するようにしてもよい。これにより、携帯電話機1Aのユーザは、携帯電話機Bのユーザが先に送信した受信電子メール85、または、携帯電話機1Aのユーザが携帯電話機Bに先に送信した送信電子メール83を読むことができ、着信に応答する前に通話の用件を知ることができる。
図17は、着信処理の流れの一例を示す第2のフローチャートである。この着信処理は、制御部21AがフラッシュROM31に記憶された着信プログラムを実行することにより、制御部21Aにより実行される処理である。図17を参照して、制御部21Aは、呼を検出したか否かを判断する(ステップS71)。呼を検出するまで待機状態となり(ステップS71でNO)、呼を検出すると処理をステップS72に進める。すなわち、着信処理は、呼を検出することを条件に実行される処理である。
ステップS72においては、発呼側の電話番号を検出する。具体的には、無線基地局から受信した制御信号の発呼側の電話番号が配置されている位置から電話番号を読み出す。そして、検出した発呼側の電話番号をLCD15に表示する(ステップS73)。ステップS74においては、呼検出時電子メール検索処理を実行する。呼検出時電子メール検索処理については、その詳細は後述するが、発呼者側の電話番号に関連する対象電子メールを抽出する処理である。そして、呼検出時電子メール検索処理を実行することによって、対象電子メールが抽出できたか否かを判断する(ステップS75)。対象電子メールを抽出できたならば処理をステップS76に進め、そうでなければステップS76をスキップして処理をステップS77に進める。ステップS76においては、対象電子メールに設定された受信電子メール85のコンテンツを含む着信画面をLCD15に表示する。コンテンツは、電子メールのサブジェクトとボディとを含む。対象電子メールに設定された受信電子メール85が複数ある場合には、すべての受信電子メール85それぞれのコンテンツを表示する。
ステップS77〜ステップS82の処理は、図12のステップS57〜ステップS62の処理とそれぞれ同じなのでここでは説明を繰り返さない。
図18は、呼検出時電子メール抽出処理の流れの一例を示す第1のフローチャートである。発呼時電子メール検索処理は、図17のステップS74において実行される処理である。図18を参照して、制御部21Aは、図17のステップS72で検出した発呼側の電話番号を含むアドレスデータを取得する(ステップS91A)。具体的には、図17のステップS72で受け付けた電話番号を含むアドレスデータをフラッシュROM31に記憶されたアドレスデータ81のうちから抽出し、そのアドレスデータ81を読み出す。そして、読み出したアドレスデータ81で電話番号と関連付けられた電子メールアドレスを取得する(ステップS91)。そして、取得した電子メールアドレスを含む受信電子メール85を抽出する(ステップS92)。抽出の結果を判断し(ステップS93)、取得した電子メールアドレスを含む受信電子メール85が抽出できたならば(ステップS93でYES)、処理をステップS94に進めるが、そうでなければ(ステップS93でNO)処理をステップS98に進める。
ステップS94においては、抽出された受信電子メール85のうちから処理対象とする受信電子メール85を決定し、処理対象の受信電子メール85が所定時間内に受信したものか否かを判断する。処理対象の受信電子メール85の受信日時と現在時刻とから判断する。処理対象の受信電子メール85が所定時間内に受信したものであれば処理をステップS95に進めるが、そうでなければ処理をステップS97に進める。
ステップS95においては、処理対象の受信電子メール85が閲覧済みか否かを判断する。閲覧有無フラグが閲覧有りに設定されていれば閲覧済みと判断する。処理対象の受信電子メール85が閲覧済みでなければ処理をステップS96に進め、閲覧済みならばステップS96をスキップして処理をステップS97に進める。ステップS96においては、処理対象の受信電子メール85を対象電子メールに決定する。
ステップS97においては、ステップS92において抽出された受信電子メール85のうちに未だ処理対象としていないものが存在するか否かを判断する。未処理の受信電子メール85が存在すれば、その受信電子メール85を処理対象に設定し、処理をステップS94に戻すが、そうでなければ処理をステップS98に進める。
ステップS98においては、対象電子メールに設定された受信電子メール85が存在するか否かを判断する。対象電子メールに設定された受信電子メール85が存在すれば処理をステップS99に進め、そうでなければ処理をステップS100に進める。ステップS99においては、返り値に対象電子メールありを設定し、処理を着信処理に戻す。ステップS100においては、返り値に対象電子メールなしを設定し、処理を着信処理に戻す。
この呼検出時電子メール検索処理を実行することにより、所定時間内に受信した受信電子メール85であって、閲覧された受信電子メール85が対象電子メールとして抽出される。なお、ここでは、所定時間内に受信した受信電子メール85であって、閲覧された受信電子メール85を抽出するようにしたが、ステップS94を実行しないようにし、閲覧されていない受信電子メール85をすべて抽出するようにしてもよい。
図19は、着信画面の一例を示す第2の図である。図19を参照して、着信画面は、「○○△△子から着信中」の発呼側情報と、発呼側のユーザが先に送信した受信電子メール85のサブジェクト(タイトル)と、ボディ(本文)とを含む。発呼側情報の「○○△△」には、図17のステップS72で検出した電話番号とアドレスデータ81で関連付けられたユーザ名が表示される。また、発呼側のユーザが先に送信した受信電子メール85のサブジェクト(タイトル)と、ボディ(本文)が表示されるため、携帯電話機1Aのユーザは、着信画面を見れば、発呼側情報から「○○△△子」からの着信であることを通話前に知ることができ、先に受信した受信電子メール85のタイトルおよびボディから電話の用件を通話前に知ることができる。
<呼検出時電子メール抽出処理の第1の変形例>
図20は、呼検出時電子メール検索処理の流れの一例を示す第2のフローチャートである。図18に示した発呼時電子メール検索処理と異なる点は、ステップS95に代えて、ステップS95Aが実行される点である。他の処理は同じなので、ここでは異なる処理を説明する。図20を参照して、ステップS95Aにおいては、処理対象の受信電子メール85に対する返信電子メールを送信しているか否かを判断する。受信電子メール85の受信日時より後の送信日時を含み、受信電子メール85のコンテンツのサブジェクトと同じサブジェクトを含む送信電子メール83が存在するか否かにより、返信電子メールを送信しているか否かを判断する。処理対象の受信電子メール85に対する返信電子メールを送信していなければ処理をステップS96に進め、返信電子メールを送信していれば処理をステップS97に進める。
第1の変形例における呼検出時電子メール抽出処理を実行することにより、所定時間内に受信した受信電子メール85であって、返信電子メールを送信していない受信電子メール85が対象電子メールとして抽出される。返信電子メールを送信していなければ、発呼側のユーザが送信した処理対象の受信電子メール85に対する回答を要求する用件で通話のために発呼する場合がある。このため、発呼側のユーザが通話の用件とする可能性の高い受信電子メール85を抽出することができる。
なお、ここでは、現在時刻から所定時間内に受信した受信電子メール85であって、返信電子メールを送信していない受信電子メール85を抽出するようにしたが、現在時刻に最も近い最新の受信電子メール85であって、返信電子メールを送信していない受信電子メール85のみを抽出するようにしてもよい。
<呼検出時電子メール抽出処理の第2の変形例>
第2の変形例における呼検出時電子メール検索処理は、図9に示した発呼時電子メール検索処理と同じ処理である。この呼検出時電子メール検索処理を実行することにより、所定時間内に送信した送信電子メール83であって、その送信電子メール83に対する返信電子メールを受信していない送信電子メール83が対象電子メールとして抽出される。このため、発呼側のユーザが、送信電子メール83に対する回答を用件とする通話のために発呼する場合がある。このため、発呼側のユーザが通話の用件とする可能性の高い受信電子メール85を抽出することができる。
以上説明したように、第2の実施の形態における携帯電話機1Aは、呼の検出に応じて、発呼側の携帯電話機Bに割当てられた電話番号が検出され、記憶された電子メールのうちから検出された電話番号と関連付けられた電子メールアドレスを含む送信電子メール83または受信電子メール85が抽出され、抽出された送信電子メール83または受信電子メール85のコンテンツの少なくとも一部が表示される。携帯電話機1Aのユーザは、発呼側の携帯電話機Bのユーザが先に送信した受信電子メール85、または、携帯電話機1Aのユーザが携帯電話機Bに先に送信した送信電子メール83を読むことができ、通話の呼があったときに通話する前の段階で、通話の用件を知ることができる。
なお、上述した実施の形態においては、携帯通信端末の一例として携帯電話機1,1Aを説明したが、携帯電話機1,1Aの制御部21,21Aに図7に示した発信処理を実行させるための発信方法または発信プログラム、または、図12または図17に示した着信処理を実行させるための着信方法または着信プログラムとして発明を捉えることができるのは、言うまでもない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。