JP5458469B2 - 凸版反転オフセット印刷用凸版及びその製造方法、並びに印刷物の製造方法 - Google Patents
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Description
まず、インキ供給手段61からインキをインキ膜形成基材62上に塗布してインキ膜63を形成する(図6(a))。このとき、インキはインキ膜形成基材上で予備乾燥状態に置かれ、多少の溶媒を失ってインキ膜となる。ついで、該インキ膜に対し所定形状の除去版64を接触させて該インキ膜の不要部63bを転写してインキ膜形成基材から除去する(図6(b))。ここでは除去版として要部に対応する部位が凹部、不要部に対応する部位が凸部となった凸版を使用している。次に、該インキ膜形成基材上に残った該インキ膜の要部63aを被印刷基板65に転写して、印刷物を得ることができる(図6(c))。
本発明の凸版について、図1を用いて説明する。
本発明の凸版の材料は、ガラス、ステンレスなどの金属、各種材料あるいはそれらを組み合わせたものなどを用いることができるが、これらに限定されるものではない。堅牢で加工が容易であることから、ガラスが好ましい。
本発明の凸版の製造工程の一例を図3を用いて説明する。
まず、凸版基材31となる基板表面の凸部に対応する位置をパターン状にマスク32する(図3(a))。マスクは次に行われるレリーフ形成工程において基材表面を保護できればよく、例えば金属や感光性樹脂を用いることができる。金属の場合は蒸着の後、必要な部分を覆うようレジストを形成し、金属のみをエッチングする条件でエッチングを行うことでパターン状に形成できる。
こうして得られた本発明の凸版を用いた凸版反転オフセット印刷法による印刷物の製造について図5及び図6を用い説明する。なお、既に説明したものについては説明を省略する。本発明の凸版は、凸版反転オフセット印刷法の除去版として使用される。
以下、本発明の実施の形態を例を挙げて説明する。
インキとして、銀粒子水分散液(平均粒径20nm、住友電工製)にポリエチレンオキサイド(平均分子量10,000、アルドリッチ製)を、(ポリエチレンオキサイド/銀粒子/水)=(1/8/31)の重量比となるように溶解させ導電性インキを調製した。
実施例に係る印刷物の製造は次のようにして行った。
まず、東芝GE社製の2液型シリコーンゴム(GE東芝シリコーン社製:商品名TSE3455T)を、厚さ2mm、大きさ150mm×120mmに成形してインキ膜形成基材であるブランケットを作製した。
まず、赤色顔料分散液を下記の組成で調整した。
〔赤色顔料分散液〕
・赤色顔料
C.I. Pigment Red 254(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガーフォーレッド B−CF」)…18重量部
C.I. Pigment Red 177 (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「クロモフタールレッド A2B」)…2重量部
・アクリルワニス(固形分20%)…108重量部
その後、下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルタで濾過して赤色着色インキを得た。
・上記赤色顔料分散液…100重量部
・メチル化メチロールメラミン(三洋化成工業株式会社製:商品名MW−30)…20重量部
・レベリング剤(大日本インキ化学工業株式会社製:商品名メガファック F−483SF)…1重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル…85重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…45重量部
凹部に撥インキ処理を施さない他は実施例1と同様に凸版反転オフセット印刷用凸版を製造し、印刷物の製造までを行った。得られた印刷物について、導電性パターンを光学顕微鏡で観察したところ、パターン疎部におけるパターン抜けが顕著で、所々に印刷不良があった。
11:撥インキ処理面
14:凸部頂部
15:凸部側面
16:凹部底面
20:凸版
22:撥インキ処理された凹部
27:パターン疎部
28:パターン密部
30:撥インキ性処理凸版
31:凸版基材
32:マスク
33:マスク済みの基材
34:レリーフ
35:撥インキ処理
36:撥インキ処理面(シランカップリング剤単分子膜)
37:親インキ処理
38:親インキ処理面(シランカップリング剤単分子膜)
39:親インキ性処理凸版
40:凸版
41a:パターン疎部
41b:パターン密部
42:インキ膜形成基材
43:インキ膜
44:凸版基材
45:マスク
50:凸版反転オフセット印刷装置
51、61:インキ供給手段
52:ブランケット
62:インキ膜形成基材
53、63:インキ膜
53a、63a:インキ膜の要部
53b、63b:インキ膜の不要部
54:除去版
55:被印刷基板
56:搬送手段
64:凸版
65:被印刷基板
Claims (5)
- インキをインキ膜形成基材上にバーコート、ダイコート、キャップコート、スピンコート、スリットコートのいずれかの方法を用いて塗布してインキの膜を形成するインキ膜形成工程と、該インキ膜に対し所定形状の凸版を接触させて凸版の凸部に該インキ膜の不要部を転写して前記インキ膜形成基材から除去する除去工程と、前記インキ膜形成基材上に残った該インキ膜の要部を被印刷基板に転写する転写工程とを備える凸版反転オフセット印刷法に使用する凸版であって、前記凸版はパターン密部とパターン疎部が混在する印刷パターンが形成され、かつ、前記凸版の版深に対して印刷物の要部に対応する領域である凹部の面積が凹部底面と前記インキ膜形成基材上のインキ膜が接触する程度に大きい印刷パターンが形成された凸版であり、前記凸版はガラス、金属材料、ガラスと金属材料を組み合わせた材料のいずれかであり、フルオロアルキルシラン、フルオロアルキル基含有オリゴマー、フルオロエーテル基含有ポリマー、もしくは加水分解性基含有シロキサンを含む撥インキ性のシランカップリング剤を用いて、該凸版の要部対応領域である凹部に単分子膜の撥インキ層をスピンコート、ロールコート、アプリケータ塗工いずれかの方法を用いて形成した後に、加熱乾燥を行うことで形成されていることを特徴とする凸版反転オフセット印刷用凸版。
- 前記凸版の凸部の頂部に親インキ処理を施してあることを特徴とする請求項1に記載の凸版反転オフセット印刷用凸版。
- インキをインキ膜形成基材上にバーコート、ダイコート、キャップコート、スピンコート、スリットコートのいずれかの方法を用いて塗布してインキの膜を形成するインキ膜形成工程と、該インキ膜に対し所定形状の凸版を接触させて凸版の凸部に該インキ膜の不要部を転写してインキ膜形成基材から除去する除去工程と、該インキ膜形成基材上に残った該インキ膜の要部を被印刷基板に転写する転写工程とを備える凸版反転オフセット印刷法に使用する凸版の製造方法であって、凸版基材となる基板表面の凸部に対応する位置をパターン状にマスキングする工程、次に該基板表面のマスキングされていない領域をエッチングする工程、次に該基板表面のエッチングされた領域にフルオロアルキルシラン、フルオロアルキル基含有オリゴマー、フルオロエーテル基含有ポリマー、加水分解性基含有シロキサンを含む撥インキ性のシランカップリング剤をスピンコート、ロールコート、アプリケータ塗工いずれかの方法を用いて形成した後に、加熱乾燥を行うことで撥インキ処理を施す工程、次にパターン状になされたマスキングを剥離する工程、を備えることを特徴とする請求項1記載の凸版反転オフセット印刷用凸版の製造方法。
- 前記凸版反転オフセット印刷法に使用する凸版の製造方法であって、凸版基材となる基板表面の凸部に対応する位置をパターン状にマスキングする工程、次に該基板表面のマスキングされていない領域をエッチングする工程、次に該基板表面のエッチングされた領域にフルオロアルキルシラン、フルオロアルキル基含有オリゴマー、フルオロエーテル基含有ポリマー、もしくは加水分解性基含有シロキサンを含む撥インキ性のシランカップリング剤をスピンコート、ロールコート、アプリケータ塗工いずれかの方法を用いて形成した後に、加熱乾燥を行うことで撥インキ処理を施す工程、次にパターン状になされたマスキングを剥離する工程、次に該基材上凸部の頂部に親インキ性のシランカップリング剤を用いて親インキ処理を施す工程、を備えることを特徴とする請求項2記載の凸版反転オフセット印刷用凸版の製造方法。
- インキをインキ膜形成基材上にバーコート、ダイコート、キャップコート、スピンコート、スリットコートのいずれかの方法を用いてインキの膜を形成するインキ膜形成工程と、該インキ膜に対し所定形状の凸版を接触させて凸版の凸部に該インキ膜の不要部を転写してインキ膜形成基材から除去する除去工程と、該インキ膜形成基材上に残った該インキ膜の要部を被印刷基板に転写する転写工程とを備える凸版反転オフセット印刷法による印刷物の製造方法であって、請求項1記載の凸版反転オフセット印刷用凸版を凸版として用いたことを特徴とする印刷物の製造方法。
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