JP5458352B2 - 炭酸エステルの製造方法 - Google Patents
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Description
(1)固体触媒とベンゾニトリルの存在下で、一価アルコールと二酸化炭素とを、0.04〜5MPaの反応圧力で反応させて、炭酸エステルを製造することを特徴とする炭酸エステルの製造方法である。また、
(2)固体触媒とベンゾニトリルの存在下で、一価アルコールと二酸化炭素とを、0.04〜5MPaの反応圧力で反応させて、炭酸エステルと水を生成すると共に、前記ベンゾニトリルと前記生成した水との水和反応によりベンズアミドを生成させて、前記生成した水を反応系から除去又は低減することで、前記炭酸エステルの生成を促進させることを特徴とする炭酸エステルの製造方法である。また、
(3)前記固体触媒が、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、及び酸化セリウムと酸化ジルコニウムとの化合物からなる群から選ばれた一種または二種以上からなることを特徴とする(1)又は(2)に記載の炭酸エステルの製造方法である。また、
(4)前記一価アルコールがメタノールであり、炭酸エステルとして炭酸ジメチルを製造することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の炭酸エステルの製造方法である。また、
(5)前記反応時の圧力が3MPa以下であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の炭酸エステルの製造方法である。また、
(6)前記反応時の圧力が0.1〜1MPaであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の炭酸エステルの製造方法である。
(7)前記反応時の温度が50〜300℃であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の炭酸エステルの製造方法である。
本発明の炭酸エステルの製造方法は、固体触媒とベンゾニトリルの存在下、一価アルコールと二酸化炭素とを直接反応させて炭酸エステルを生成するものである。下記反応式Iに示すように(反応式Iでは一価アルコールとしてメタノールの場合を例に説明する)、一価アルコールと二酸化炭素とを反応させると炭酸エステルの他に水も生成するが、ベンゾニトリルが存在することで、生成した水との水和反応によりベンズアミドを生成し、生成した水を反応系から除去又は低減することで、炭酸エステルの生成を促進させることが可能となる。
酸化セリウム(第一稀元素製:不純物濃度0.02%以下)を873Kで空気雰囲気下、3時間焼成し、粉末状の固体触媒を得た。そこで、190mlのオートクレーブ(反応器)に磁気攪拌子、上記固体触媒(1mmol)、メタノール(100mmol)及びベンゾニトリル(100mmol)を導入し、約5gのCO2でオートクレーブ内の空気を3回パージした後、表1に示した圧力になるようCO2を導入して、そのオートクレーブをバンドヒーター、ホットスターラーにより423Kまで攪拌しながら昇温し、目的の温度に達した時間を反応開始時間とした。そして、423Kで2時間反応させた後、オートクレーブを水冷し、室温まで冷えたら減圧して内部標準物質の2-プロパノールを加え、生成物を採取し、GC(ガスクロマトグラフィー)で分析した。このようにして、反応圧力(CO2の導入量)を変えて表1に示す試験No.1〜7の実験を行った。
ベンゾニトリル(BN)を下記表2に示すような量にする他は実施例1と同様にして、反応圧力が0.5MPaになるようにCO2量を40mmol導入した後、423Kで2hr反応を行った。その結果を表2に示す。
反応温度を下記表3に示し、メタノール(100mmol)及びベンゾニトリル(200mmol)を導入し、反応圧力が1MPaになるようにCO2量を80mmol導入する他は実施例1と同様にして、各反応温度で12hr反応を行った。その結果を表3に示す。
固体触媒の酸化セリウムを0.05g(0.3mmol)用い、反応時間を下記表4に示すようにする他は実施例3と同様にして、反応圧力が1MPaになるようにCO2量を80mmol導入した後、423Kで反応を行った。その結果を表4に示す。
固体触媒の酸化セリウムを0.17g(1mmol)用い、反応時間を下記表5に示すようにする他は実施例3と同様にして、反応圧力が1MPaになるようにCO2量を80mmol導入した後、423Kで反応を行った。その結果を表5に示す。
固体触媒の酸化セリウムを0.51g(3mmol)用い、反応時間を下記表6に示すようにする他は実施例3と同様にして、反応圧力が1MPaになるようにCO2量を80mmol導入した後、423Kで反応を行った。その結果を表6に示す。
ベンゾニトリルを200mmol用いるほかは、実施例1と同様にして、CO2導入量及び反応圧力を変えて表7に示す試験No.35〜44の実験を行った。
固体触媒の酸化セリウムを0.17g(1mmol)用い、メタノール(200mmol)及びベンゾニトリル(400mmol)を導入し、反応圧力が0.2MPaになるようにCO2量を16mmol導入した後、423Kで下記表8に示すような各反応時間で反応を行った。その結果を表8に示す。
反応圧力が0.1MPaになるようにCO2量を8mmol導入する他は実施例8と同様にして、423Kで下記表9に示すような各反応時間で反応を行った。その結果を表9に示す。
酸化ジルコニウム(ナカライテスク製:不純物濃度0.08%以下)を673Kで空気雰囲気下、3時間焼成して得た粉末状の固体触媒を1mmol用いて、反応圧力及びCO2量を表10に示すようにした以外は、実施例1と同様にして実験した。尚、この場合は反応温度を443Kにて2時間反応させて行った。その結果を表10に示す。
硝酸セリウムと硝酸ジルコニウムをセリウムが20原子量%となるように溶解させた溶液に水酸化ナトリウムを導入して沈殿物を生成させた後、この沈殿物を濾過、水洗した後、1273Kで空気雰囲気下、3時間焼成し、粉末状の固体触媒を得た。そして、この固体触媒を1mmol用いて、反応圧力及びCO2量を表11に示すようにした以外は実施例1と同様にして実験した。尚、この場合、反応温度は443Kにて2時間反応させて行った。その結果を表11に示す。
固体触媒の酸化セリウムを0.17g(1mmol)用い、メタノールの代わりにエタノール(200mmol)を用いたほかは、実施例8と同様にして、反応圧力が0.2MPaになるようにCO2量を16mmol導入した後、423Kで下記表12に示すような各反応時間で反応を行った。その結果を表12に示す。
メタノールの代わりにプロパノール(100mmol)を用い、反応圧力及びCO2量を表13に示すようにした以外は実施例1と同様にして実験した。その結果を表13に示す。
メタノールの代わりにイソプロパノール(100mmol)を用い、反応圧力及びCO2量を表14に示すようにした以外は実施例1と同様にして実験した。その結果を表14に示す。
メタノールの代わりにt-ブチルアルコール(100mmol)を用い、反応圧力及びCO2量を表15に示すようにした以外は実施例1と同様にして実験した。その結果を表15に示す。
固体触媒の酸化セリウムを0.51g(3mmol)用い、且つベンゾニトリルを用いないようにして、反応圧力及びCO2量を表16に示すようにした以外は実施例1と同様にして実験した。その結果を表16に示す。
ベンゾニトリルの代わりに2,2-ジメトキシプロパンを30mmol用い、反応圧力及びCO2量を表17に示すようにした以外は実施例1と同様にして実験した。その結果を表17に示す。
Claims (7)
- 固体触媒とベンゾニトリルの存在下で、一価アルコールと二酸化炭素とを、0.04〜5MPaの反応圧力で反応させて、炭酸エステルを製造することを特徴とする炭酸エステルの製造方法。
- 固体触媒とベンゾニトリルの存在下で、一価アルコールと二酸化炭素とを、0.04〜5MPaの反応圧力で反応させて、炭酸エステルと水を生成すると共に、前記ベンゾニトリルと前記生成した水との水和反応によりベンズアミドを生成させて、前記生成した水を反応系から除去又は低減することで、前記炭酸エステルの生成を促進させることを特徴とする炭酸エステルの製造方法。
- 前記固体触媒が、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、及び酸化セリウムと酸化ジルコニウムとの化合物からなる群から選ばれた一種または二種以上からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭酸エステルの製造方法。
- 前記一価アルコールがメタノールであり、炭酸エステルとして炭酸ジメチルを製造することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭酸エステルの製造方法。
- 前記反応時の圧力が3MPa以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の炭酸エステルの製造方法。
- 前記反応時の圧力が0.1〜1MPaであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の炭酸エステルの製造方法。
- 前記反応時の温度が50〜300℃であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の炭酸エステルの製造方法。
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