JP5457871B2 - 偏心したトラックに対するヘッド位置決め方法およびヘッド位置決め制御装置 - Google Patents
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Description
前記のような要請に応えるために最近実用化に至った超高密度記録の垂直磁気記憶方式の磁気ディスクメディアが前記の分野で採用され、急速に普及しつつある。
このような磁気ディスクメディアには、一般的にはガラス基板が用いられ、ガラス基板の上に軟磁性層が形成され、その上に磁性層が設けられる。そして、この磁性層がエッチングされることで溝を介したディスクリートなトラックがディスクサブストレート(なお、ここでのディスクサブストレートとはデータの読出/書込を行う磁気ディスクに対してその材料としてその前段階にある各種のディスク基板を指している。)に形成される。
トラック間を隔絶する溝のエッチングは、凹凸を持つフォトレジスト膜を介して行われ、フォトレジスト膜を介してドライエッチングすることで形成されるディスクリートなトラックの幅は100nm以下であり、トラック間を隔絶する溝には後の工程で非磁性体が充填される(特許文献1,2)。
そこで、DTMのトラックをアクセスするヘッドは、サーボ情報に従ってONトラックサーボ制御をしない限り、ヘッドがトラックをトレースすることはできないが、サーボ情報自体が各セクタ対応に設けられているので、トラックが偏心しているとサーボ情報の位置も偏心する。そのためにトラックの偏心がおおきくなるとONトラックサーボ制御が不確定になり、十分なONトラックサーボ制御も、また、ONトラックサーボ制御に入る以前に行われる目標トラックに対する高い精度のヘッド位置決めもできない問題がある。
この発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決するものであって、あらかじめトラックの偏心に応じたディスク回転中心のスピンドルに対する位置補正をすることなく、偏心して回転する目標トラックに対して高い精度でヘッドを位置決めすることが可能な、偏心したトラックに対するヘッド位置決め方法を提供することにある。
また、この発明の他の目的は、トラックについての偏心補正機構を設けることなく、目標トラックに対して高い精度でヘッドの位置決めが可能な偏心したトラックに対するヘッド位置決め制御装置を提供することにある。
およびヘッド位置決め制御装置の構成は、多数のトラックを有しその各トラックに対応し
てサーボ情報が設定された回転するディスクと、粗動移動ステージと、この粗動移動ステ
ージに搭載された微動移動ステージと、この微動移動ステージに搭載されたヘッドと、偏
心して回転する所定のトラックにヘッドを追従させて位置決めするためにディスク半径方
向に高速にヘッドを移動させる伸縮動作可能なアクチュエータとを有し、所定のトラックに対してヘッドを位置決めする、偏心したトラックに対するヘッド位置決め方法において、
ディスクの1回転ごとのトラックの偏心量多数について1回転ごとの偏心量のそれぞれに対応するようなアクチュエータの伸縮特性を得るための多数の駆動波形をデータとして1回転ごとの偏心量のそれぞれに応じた偏心したトラックからの複合磁気ヘッドの最大位置ずれ量のそれぞれに対して、それぞれの最大位置ずれ量に対応するアクチュエータの最大伸縮量それぞれをアクチュエータにそれぞれに発生させる正弦波類似のアクチュエータの駆動信号を多数記憶する記憶テーブルを有するメモリに記憶し、
サーボ情報を読出してディスク1回転におけるヘッドのポジション検出信号を所定のト
ラックからのヘッド変位量を示す信号として取得し、そして、
ポジション検出信号に基づいて複合磁気ヘッドの位置のずれ量に対応する振幅と最大偏心をする回転角度を得て、
前記の振幅により最適な駆動波形をメモリから読出し、最大偏心をする回転角度を合わ
せた駆動波形を生成してアクチュエータを駆動することにより所定のトラックが変位する
方向にヘッドを移動させるステップからなるものである。
所定の読出開始信号に応じてヘッドからサーボ情報の読出信号を受けて偏心して回転す
る所定のトラックからのヘッドの位置ずれに対応するトラック1周分のヘッドのポジショ
ン検出信号を発生し、
トラック1周分のポジション検出信号における振幅とポジション検出信号における、所
定の読出開始信号の位置から最大ピーク位置までの回転角度とを検出し、そして、
多数のトラック偏心量のそれぞれに対応する前記アクチュエータの多数の伸縮データと
して前記アクチュエータの駆動信号を多数記憶したメモリからポジション検出信号の振幅
が示す最大位置ずれ量に対応する最大伸縮量を持つアクチュエータ駆動信号を得るステッ
プとを有し、
得られたアクチュエータ駆動信号上において回転角度により決定される所定の読出開始
信号の発生タイミングに対応する位置を基準として所定の読出開始信号の発生に応じて得
られたアクチュエータ駆動信号あるいはこの駆動信号の波形を反転した波形を持つ信号に
よりアクチュエータを駆動することにより、ヘッドが所定のトラックの偏心方向に追従す
るように所定のトラックに複合ヘッドを位置決めするものである。
ディスクの回転中心に対する、例えば、DTMの回転中心に対する各トラックの偏心量は、トラック中心とディスクの回転中心とのずれ量で決定される。この偏心により生じる、ヘッドがアクセスするトラック位置に対するヘッドのずれ量(変位)は、ディスクの回転角度に応じて変化する。しかし、トラックが最大偏心をするディスクの回転角度はどのトラックでも、トラック中心とディスクの回転中心とを結ぶ直線上のトラック位置にヘッドが位置決めされたときである。もちろん、このときのディスクの回転中心は装着されたスピンドルの回転中心に一致している。
一方、前記のアクチュエータをピエゾアクチュエータとした場合、ピエゾアクチュエータのヒステリシス特性上におけるピエゾの伸縮特性は同様な正弦波に類似する波形特性となる。そこで、トラック1周分で1ヒステリシスループに沿った正弦波に類似する波形でピエゾアクチュエータを駆動をするとピエゾアクチュエータの伸縮特性を任意のトラック位置でのヘッドの位置ずれ量(トラックからの変位量)に対応させることが可能になる。
このようなことから、ピエゾアクチュエータの伸縮をヘッドのトラックずれ量とは反対方向になるようにピエゾアクチュエータを駆動すればDTM(ディスク)の回転中心に対してトラックが偏心していてもヘッドは、偏心したトラックの追従してこのトラックをトレースすることが可能である。
なお、ヘッドの位置決めのために正弦波類似の波形でアクチュエータを駆動する場合、アクチュエータは、ピエゾアクチュエータに限らず他のアクチュエータでも可能である。
もちろん、このような追従制御のときにはONトラックサーボ制御と併用して各種のアクチュエータを介してヘッド駆動をしてもよいし、このようなヘッド駆動は、ONトラックサーボ制御状態でなくてもよい。
その結果、この発明は、あらかじめトラックの偏心に応じたディスク回転中心のスピンドルに対する位置補正をする必要がない。しかも、トラックがディスクの回転中心に対して偏心した状態で所定のトラックに対するヘッドのリード/ライトをすることが可能となり、偏心したトラックに対するヘッド位置決めが容易にできる。
1は、DTM(ディスクリートトラックメディア)であって、スピンドル2に着脱可能に挿着されている。スピンドル2に隣接してヘッドキャリッジ3が設けられ、ヘッドキャリッジ3は、粗動ステージ4と微動のピエゾステージ5とからなる。
ピエゾステージ5は、MRヘッド(リードヘッド)と薄膜インダクティブヘッド(ライトヘッド)を有する複合磁気ヘッド9(以下ヘッド9)を搭載する。
粗動ステージ4は、XYステージであって、粗動ステージ4のXステージは、DTM1の半径方向(以下単に半径方向)の移動ステージである。これは、ピエゾステージ5をYステージを介してDTM1の半径方向に移動する。粗動ステージ4のYステージは、Xステージ上に搭載され、ヘッド9に対してスキュー等のY方向の位置調整のための移動を行う。このYステージ上にピエゾステージ5が搭載されている。これは、ヘッド9のX方向の位置を微調整する。なお、X方向は、DTM1の中心を通る半径方向に一致している。
ヘッド9は、ヘッドカートリッジ7にサスペンションスプリング8を介して支持され、サスペンションスプリング8の先端側にヘッド9が取付けられている。
ヘッド9は、DTM1のX軸方向に沿う半径方向に移動してDTM1のトラックをシークしてそのトラックの1つに位置決めされ、データをそのトラックから読出し、あるいはそのトラックにデータを書込む、いわゆるヘッドアクセス動作をする。
ヘッドカートリッジ7は、ヘッド9をヘッドキャリッジ3に装着するものであって、ヘッド9を着脱可能に搭載し、カートリッジ取付ベース6には、ヘッド9のMRヘッドに接続された読出アンプ9aとインダクティブヘッド(ライトヘッド)に接続された書込アンプ9b等が設けられている。
読出アンプ9aは、MRヘッドから読出信号を受けてそれを増幅してサーボ位置決め制御回路11とデータ読出回路12とに送出し、データ読出回路12を介して読出信号がデータ処理・制御装置20に入力される。
書込アンプ9bは、データ書込回路13に接続され、データ書込回路13からテストデータを受けてインダクティブヘッドを駆動する。
データ書込回路13は、テストデータ生成回路14から所定のテストデータを受けて、受けたテストデータに従って書込信号を生成して、書込アンプ9bを駆動し、ヘッド9のインダクティブヘッドを介して所定のトラックにデータを書込む。テストデータ生成回路14は、データ処理・制御装置20により制御されて所定のテストデータを生成する。
なお、16は、ディスク駆動回路である。
目標位置電圧発生回路111は、サーボ電圧復調・位置電圧演算回路120、ピエゾアクチュエータ5a側のレジスタ121とD/A変換回路(D/A)122、ピエゾアクチュエータ6a側のレジスタ123とD/A変換回路(D/A)124とを内蔵していて、データ処理・制御装置20から目標値データがレジスタ121,123にそれぞれに設定される。
切換スイッチ回路118は、データ処理・制御装置20から切換信号を受けてON/OFFする。これがONにされたときには切換スイッチ回路118は、サーボ電圧復調・位置電圧演算回路120から送出されるポジション検出信号PV(後述)を誤差電圧発生回路112、115に送出する。これとは別に、ポジション検出信号PVは、サーボ電圧復調・位置電圧演算回路120からデータ処理・制御装置20とへ送出される。
一方、切換スイッチ回路118がOFFのときには、ポジション検出信号PVが誤差電圧発生回路112、115には入力されない。誤差電圧発生回路112、115の入力信号は、データ処理・制御装置20から出力された目標位置電圧値がレジスタ121,123,D/A122あるいはD/A124を介して供給されるだけとなる。
なお、読出アンプ9aからの読出信号は、サーボ電圧復調・位置電圧演算回路120に入力され、そのうちのサーボ情報に基づいてサーボ電圧復調・位置電圧演算回路120からポジション検出信号PVが発生する。
目標位置電圧発生回路111は、データ処理・制御装置20から目標値データがレジスタ121,123にそれぞれに設定されるが、この目標値データの1つとして後述するピエゾアクチュエータ6aの駆動波形から得られるデータがある。目標値データがD/A122,D/A124によりアナログ変換電圧値にされ、これらが目標トラックに対応する電圧値として誤差電圧発生回路112,115にそれぞれ入力されると、ヘッド9が目標位置(目標トラックのセンタ)に向かって移動する。
もちろん、このような目標トラックへのヘッド9の微小位置決めは、ヘッドアクセス制御回路15によりピエゾアクチュエータ5aを介しても行うことができる。
同様に、切換スイッチ回路118がOFFのときでかつD/A124を介して誤差電圧発生回路115に出力される目標位置電圧値が一定のときにはピエゾアクチュエータ6aの伸縮駆動が固定された状態となる。そこで、ピエゾアクチュエータ6aは、自己の駆動範囲において目標トラックあるいは所定の目標位置にヘッド9を位置決めすることが可能である。
なお、ピエゾアクチュエータ5aとピエゾアクチュエータ6aのいずれか一方の移動範囲におけるヘッド9の位置固定は、ピエゾアクチュエータ6aの駆動によるヘッド9の移動の際にトラックの偏心範囲をカバーする前後移動が可能な位置に設定することが好ましい。それにより後述するポジション検出信号26をより適正ものとしてに得ることができるからである。
例えば、ヘッドが位置決めされるトラックを10本単位と仮定した場合にトラック0からトラック10に所定の周波数でかつ所定の間隔D(例えば、1μsec)だけ円周方向にずれてかつ前後のトラックの中心に接触する幅を持ち、かつ、その半分幅が前後に重なるように7個のサーボパターン信号(サーボバースト信号)A〜Jが各トラックに対応して記録されているとする。
この場合、読出アンプ9aから得られる各トラック位置でのサーボバースト信号についてトラック0の位置の検出電圧信号を基準として各サーボバースト信号の振幅レベルを電圧値Vi(i=a〜j)として得て、例えば、PV={(Va-Vj)+0.75*(Vb-Vh)+0.5*(Vc-Vg)+0.25*(Vd-Vf)}/(Va+Vb+Vc+Vd+Ve+Vf+Vg+Vh+Vi+Vj)による演算することで、トラックに対するヘッドの位置を示すポジション検出電圧PVを得ることができる。
なお、縦軸は、正規化POS電圧であり、横軸はトラック番号である。
そこで、通常は、この図2の特性グラフGに従って、Xステージで粗位置決めされた位置から前後5本のトラックについて高精度な微小位置決めをサーボ位置決め制御回路11がピエゾステージ5のピエゾアクチュエータ5aと、ヘッドカートリッジ7を移動させるピエゾアクチュエータ6aを駆動して行う。
なお、図2においては、ヘッドがトラックをアクセス方向(トラック番号/横軸)とポジション検出信号の電圧値(正規化POS電圧/縦軸)の関係は一例であって、トラック番号(横軸)に対してポジション検出信号(正規化POS電圧/縦軸)の正極側と負極側とが反転したものもある。
なお、読出開始信号は、インデックス信号INDに換えて1回転の開始セクタ信号(同期信号)が用いられてもよい。
図3(a)の縦軸は変位量である。縦軸が変位量となっているのは、ポジション検出信号26に振幅に対して図2の関係からトラック幅を掛けてトラックずれ量を変位量として算出したものである。これによりポジション検出信号26を位置決めトラック(目標トラック)に対する変位の波形として捉えることができる。
この場合、正規化しない前記式から得られるポジション検出電圧PVの信号をデータ処理・制御装置20に入力して変位量を得てもよい。ポジション検出電圧PVの信号は、−1V〜+1Vまでの正規化をしない状態にあるだけで、その波形自体は、ポジション検出信号26と同様な波形である。そこで、以下では、正規化の有無にかかわらず、ポジション検出電圧PVの信号およびポジション検出信号PVを含めてここではポジション検出信号26として説明する。
さて、ポジション検出信号26の変位波形は、正弦波類似の波形である。縦軸は、変位量[μm]である。
ポジション検出信号26の変位量は、図2に示すように、ヘッド9が目標トラックから後退したときには、+側の電圧値となり、前進したときには−側の電圧値になる。
図5から理解できるように、トラックの偏心方向とヘッドの変位(位置ずれ)とは逆方向である。
そこで、変位量を縦軸としたこのポジション検出信号26の波形をデータ処理・制御装置20において得ることで、トラック偏心によるDTM1の回転に応じた目標トラック(位置決めトラック)からのヘッド9の位置ずれ量(変位量)をデータ処理・制御装置20において検出することができる。
図4(b)に示すピエゾアクチュエータ6aのヒステリシスループHyの1往復の駆動波形の中から、ピエゾアクチュエータ6aが駆動されたときにその伸縮のセンタを基準とした最大伸び量、そして最大縮み量(以下伸縮量)が図3(a)に示すポジション検出信号26が示す位置決めトラックからの最大変位量(ヘッド9の位置ずれ量の最大値)とが一致するものをピエゾ駆動波形27として選択する。そしてそれを図4(a)に点線で示したポジション検出信号26とを重ねてみる。
なお、最大変位量(ヘッド9の位置ずれ量の最大値)は、図3(a)に示すようにポジション検出信号26の振幅に対応している。
図4(a),図4(b)において、縦軸は距離[μm]であり、横軸は電圧[V]である。図4(a)の縦軸はヘッド9の変位量を表し、図4(b)の縦軸はピエゾアクチュエータ6aの伸縮量を表している。
そこで、トラック1周をピエゾアクチュエータ6aの1ヒステリシスループHyに対応させて1ヒステリシスループHyに沿った正弦波に類似する波形でヘッド9を駆動をするとピエゾアクチュエータ6aの伸縮量を任意のトラック位置でのヘッド位置ずれ量に対応させることが可能になる。
しかも、ヒステリシスループHyにおいて電圧を上げると、ヘッド9は、前進して目標トラックより先のトラックをアクセスすることになる。これに対してポジション検出信号26では図2に示すように、ヘッド9が目標トラックから後退すると、ポジション検出信号26の電圧は高くなる。相互に逆方向にヘッド9が移動する。ヘッド9が目標トラックに対して後退した場合にも同様に相互に逆方向になる。
ピエゾ駆動波形27によるピエゾアクチュエータ6aの伸縮のセンタを基準とした伸縮量がヘッド9の位置決めした目標トラックからの位置ずれ量(変位量)に対応するものと仮定して図3(b)にはピエゾ駆動波形27を図3(a)のポジション検出信号26の波形の下側に対比して示している。
ヘッド9の位置決めした目標トラックからの位置ずれ量をキャンセルするために、ピエゾ駆動波形27でピエゾアクチュエータ6aを駆動するとした場合、ヒステリシスループHyの原点から駆動すると、図3(a)と図3(b)とでは、波形の位相にθ分のずれがある。そこで、まず、ピエゾ駆動波形27をポジション検出信号26の波形の位相に合わせることが必要になる。
図3(b)の点線で示すピエゾ駆動信号28の波形は、ポジション検出信号26に位相合わせをしたピエゾ駆動波形を持つ駆動信号である。このピエゾ駆動信号28の最初の最大ピーク位置から回転角度α手前のピエゾ駆動信号28の駆動開始電圧値Vsを求める。これによりインデックス信号IND(読出開始信号)の発生タイミングに対応するピエゾ駆動信号28におけるピエゾアクチュエータ6aの駆動開始位置を求めることができる。
その結果、ここでは、ポジション検出信号26の波形を採取してその振幅A(図3(a)参照)と回転基準位置(インデックス信号IND)から最大偏心をする回転角度αとを、ポジション検出信号26の波形を解析して求め、ポジション検出信号26の振幅Aに対応するピエゾアクチュエータ6aのヒステリシスループHyを持つピエゾ駆動波形27の駆動信号を求めて、磁気ヘッド/磁気ディスクの検査装置10においてデータ処理・制御装置20がヘッド9をトラックの偏心に追従させるヘッド駆動制御をする。
図1に戻り、データ処理・制御装置20は、MPU21とメモリ22、インタフェース23、CRTディスプレイ24、そしてキーボード等により構成され、これらがバス25により相互に接続されている。そして、メモリ22には、ヘッドアクセスプログラム22a、DCイレーズプログラム22b、ポジション検出信号採取プログラム22c、振幅・回転角のDFT(ディスクリート・フーリエ・変換)解析プログラム22d、最適駆動波形検索プログラム22e、偏心追従ヘッド駆動プログラム22f、そして磁気ヘッド/磁気ディスクの検査プログラム22g等が記憶され、ピエゾ駆動波形記憶テーブル22hと作業領域22iとが設けられている。
MPU21は、ヘッドアクセスプログラム22aを実行してインタフェース23を介してヘッドアクセス制御回路15の所定のレジスタにR方向の移動距離rmmを設定してヘッドアクセス制御回路15を起動する。
レジスタにR方向の移動距離rmmが設定されることにより、ヘッドアクセス制御回路15により粗動ステージ4のXステージが駆動されて基準点あるいは所定のトラック位置からrmm分、粗動移動し、さらにピエゾステージ5が駆動されてヘッド9が距離rに向かって微動移動してトラック番号を読取り、目標トラックに位置決めされる(ステップ101)。
インタフェース23を介してヘッドアクセス制御回路15の所定のレジスタにR方向の移動距離−Kμmを設定する。レジスタにR方向の移動距離−Kμmが設定されることにより、ヘッドアクセス制御回路15によりピエゾステージ5が駆動されてヘッド9が目標トラックから数トラック分の手前のKμmの位置にシフトする(ステップ102)。
このDCイレーズは、トラックの偏心範囲をカバーする全体(各トラックおよびトラック間)にデータ“0”を、例えば永久磁石により書き込むことにより行われる。これにより、サーボエリアの磁性膜の領域は、例えば、S極に磁化される。
なお、DCイレーズは、偏心をカバーする範囲全体にデータ“1”を書き込むことでもよい。これによりサーボエリアに磁性膜の領域は、逆にN極に磁化される。
次に、MPU21は、トラック番号を読取り、ヘッド9を目標トラックに位置決めし、切換スイッチ回路118をOFFにする(ステップ104)。
ピエゾアクチュエータ6aに所定の一定電圧を加えてピエゾアクチュエータ6aにより駆動されるヘッド9の位置を固定する(ステップ105)。
そして、インデックス信号IND(あるいは1回転の開始セクタ信号)を待って、これを受けてMPU21は、インデックス信号IND(あるいは1回転の開始セクタ信号)に同期してポジション検出信号のA/D変換を開始して次のインデックス信号IND(あるいは1回転の開始セクタ信号)発生までのトラック1周分のポジション検出信号のデジタル値をメモリ22の作業領域22iに記憶する(ステップ107)。
このとき採取される、目標トラックを含めたその前後のトラック位置でのトラック1周分のポジション検出信号は、ポジションのずれ量が変位量に変換されて図3(a)に示すようなポジション検出信号26として算出される。すなわち、図3(a)の縦軸は変位量となっているが、これは半径方向の距離に相当し、横軸は回転角度となっているが、これはトラックのヘッド走査時間に相当している。そこで、半径方向の距離とヘッド走査時間においてポジション検出信号が採取されてポジション検出信号26が算出されることになる。
ポジション変位波形: X=X0+X1・sin(2πf−θ) ……(1)
インデックス信号INDから最初の最大ピークの位置までの回転角度 α ……(2)
ただし、X0は、DFT処理における基準レベルに対するオフセット量、X1・sin(2πf−θ)は、ポジションのずれの第1次項数値であり、X1はその最大振幅値、2πfは回転角(ラジアン)である。
なお、2次項数値以上の高次の項,数値もあるが、ここでは、第1次項数値のみを補正値とする。高い精度が必要な場合には、必要に応じてより高次の項を加えてパラメータとすることも可能である。
V=Va・sin(2πf)+Vb・sin(2πf+θa) ……(3)
第1項のVa・sin(2πf)は、図4(a)の実線で示すピエゾ駆動波形27の駆動信号に対応する駆動関数であり、第2項のVb・sin(2πf+θa)は、図4(a)の点線で示すポジション検出信号26とピエゾ駆動波形27の駆動信号との差を補正する関数である。
なお、ピエゾ駆動波形テーブル22h(図1参照)は、多数のトラック偏心量に対応するピエゾアクチュエータ6aの多数の伸縮データとしてピエゾアクチュエータ6aの駆動信号を多数記憶した記憶テーブルである。具体的には、ピエゾ駆動波形記憶テーブル22hは、多数のトラック偏心量のそれぞれに応じた偏心したトラックからのヘッド9の最大位置ずれ量のそれぞれに対して、それぞれの最大位置ずれ量に対応するピエゾアクチュエータ6aの最大伸縮量それぞれをピエゾアクチュエータ6aにそれぞれに発生させるピエゾアクチュエータ6aの駆動信号を多数記憶しているテーブルである。ここでは、式(1)から最大位置ずれ量は、最大振幅値X1に対応しているので、最大振幅値X1を検索項目として式(3)に示す電圧値Va,Vbを振幅とする多数のピエゾ駆動波形27の駆動信号について記憶している。電圧値Va,Vbの値が異なるものについては種々の最大振幅値X1に対応させて式(3)の形態でテーブル化してある。
次に式(3)のピエゾ駆動波形の関数と式(1)のポジション検出信号の関数との位相差θを検出する(ステップ110)。
次に式(3)のピエゾ駆動波形の位相をθずらせてピエゾ駆動波形の位相を式(1)のポジション検出信号の関数に合わせた式(4)のピエゾ駆動信号28(図3(b)参照)の関数を算出する(ステップ111)。
V=Va・sin(2πf−θ)+Vb・sin(2πf+θa−θ) ……(4)
なお、式(4)からピエゾ駆動信号28が図3(a)のように正のピーク側から先に駆動して負のピーク側が後になる波形のときには偏心したトラックに対する補正方向がピエゾアクチュエータ6aを伸ばして縮ませることになるので、図4(b)のヒステリシスループHyのループの下側の経路において駆動開始電圧値をVsが選択される。
式(4)からピエゾ駆動信号28が逆に負のピーク側から先に駆動して正のピーク側が後になるときには偏心したトラックに対する補正方向がピエゾアクチュエータ6aを縮ませて伸ばすことになるので、図4(b)のヒステリシスループHyのループの上側の経路において駆動開始電圧値Vsを選択することになる。
ここで、MPU21は、ステップ104の設定した切換スイッチ回路118がOFFの状態において、インデックス信号INDを待ってこれに同期して前記式(4)のピエゾ駆動信号28を形成するデジタル値を順次レジスタ123に入力してピエゾアクチュエータ6aをピエゾ駆動信号28により、くり返し駆動してヘッド9を半径方向において前後にダイナミックに移動させる、加振駆動をする(ステップ114)。この加振駆動によるヘッド9の移動範囲は、トラックの偏心範囲に対応している。そして、ピエゾステージ5を微動移動してトラック番号を読取り、目標トラックにヘッド9を位置決めする(ステップ115)。
この位置決めのときのヘッド9の移動は、MPU21がレジスタ121に移動データを入力して移動してもよいし、ヘッドアクセス制御回路15を介してピエゾステージ5を移動させるものであってもよい。
この場合には、ヘッド位置決め後のONトラック制御をしなくてもよいが、ステップ115で目標トラックにヘッド9を位置決めした後に切換スイッチ回路118をONにしてさらにサーボ情報を読出してONトラック制御をすることで、より精度の高い位置決めが可能になる。
磁気ヘッドの検査のときには目標トラックにテストデータが書込まれ、テストデータの読出が行われる。磁気ディスクの検査の場合には、内周トラックと外周トラックとでは、補正駆動波形を相違させた方がよい場合があるので、DTM1の各トラックを数十本乃至数百十本程度で領域に分割して各領域に対してそれぞれにピエゾ駆動波形記憶テーブル22hから最適なピエゾ駆動波形を得て、それに対応する式(4)のピエゾ駆動関数(ピエゾ駆動信号28)により数十本乃至数百十本程度のトラックからなる各領域の中で各トラックに位置決めして検査をするようにするとよい。
しかし、この場合、ポジション検出信号26もピエゾ駆動波形27も正弦波類似の波形であるので、180°の位相差を採ることなく、ピエゾ駆動波形27の駆動信号の電圧値を反転させて駆動することも可能である。
なお、位相差θあるいは180°+θによるポジション検出信号26とピエゾ駆動波形27の駆動信号の位相合わせをしなくても、ポジション検出信号26において先に正極側ピークの後に負極側ピークがくる波形か、その逆かを検出すればピエゾアクチュエータ6aによるトラック偏心に対する補正駆動は可能である。その理由は、ピークの順序の検出によりピエゾ駆動信号28において正極側ピークが先か負極側ピークが先か決定できるからである。検定されたピークから回転角度α手前において駆動開始電圧値Vsを求めることができるからである。
また、上記実施例の形態においては、サーボ電圧復調・位置電圧演算回路120のみがDSPで構成されているが、サーボ位置決め制御回路11のうち、ピエゾドライバ114,117以外の一部あるいは全部をDSP等のデジタル演算回路で構成することも可能である。
さらに、実施例では、ピエゾアクチュエータのヒステリシス特性を例としているが、同様な正弦波類似の波形が得られる他のアクチュエータを使用してもこの発明は適用可能である。
3…ヘッドキャリッジ、4…粗動ステージ、
5…ピエゾステージ、5a…ピエゾアクチュエータ、
6…カートリッジ取付ベース、6a…ピエゾアクチュエータ
7…ヘッドカートリッジ、6a…読出アンプ、6b…書込アンプ、
7…ピエゾアクチュエータ、8…サスペンションスプリング、
9…複合磁気ヘッド、9a…読出アンプ、9b…書込アンプ、
10…磁気ヘッド/磁気ディスクの検査装置、
11…サーボ位置決め制御回路、
12…データ読出回路、13…データ書込回路、
14…テストデータ生成回路、
15…ヘッドアクセス制御回路、
16…ディスク駆動回路、
20…データ処理・制御装置、21…MPU、
22…メモリ、22a…ヘッドアクセスプログラム、
22b…DCイレーズプログラム、
22c…ポジション検出信号採取プログラム、
22d…振幅・回転角のFFT解析プログラム、
22e…最適駆動波形検索プログラム、
22f…偏心追従ヘッド駆動プログラム、
22g…磁気ヘッド/磁気ディスクの検査プログラム、
22h…ピエゾ駆動波形記憶テーブル、22i…作業領域、
23…インタフェース、24…CRTディスプレイ、25…バス、
26…ポジション検出信号、27…ピエゾ駆動波形。
Claims (19)
- 多数のトラックを有しその各トラックに対応してサーボ情報が設定された回転するディ
スクと、粗動移動ステージと、この粗動移動ステージに搭載された微動移動ステージと、
この微動移動ステージに搭載された複合磁気ヘッドと、偏心して回転する所定のトラック
に前記複合磁気ヘッドを追従させて位置決めするためにディスク半径方向に高速に前記複
合磁気ヘッドを移動させる伸縮動作可能なアクチュエータとを有し、前記所定のトラックに対してヘッドを位置決めする、偏心したトラックに対するヘッド位置決め方法において、
前記ディスクの1回転ごとのトラックの偏心量について前記1回転ごとの偏心量のそれぞれに対応するような前記アクチュエータの伸縮特性を得るための多数の駆動波形をデータとして前記1回転ごとの偏心量のそれぞれに応じた偏心したトラックからの前記複合磁気ヘッドの最大位置ずれ量のそれぞれに対して、それぞれの前記最大位置ずれ量に対応する前記アクチュエータの最大伸縮量それぞれを前記アクチュエータにそれぞれに発生させる正弦波類似の前記アクチュエータの駆動信号を多数記憶する記憶テーブルを有するメモリに記憶し、
前記サーボ情報を読出して前記ディスク1回転における前記複合磁気ヘッドのポジショ
ン検出信号を前記所定のトラックからのヘッド変位量を示す信号として取得し、そして、
前記ポジション検出信号に基づいて前記複合磁気ヘッドの位置のずれ量に対応する振幅と最大偏心をする回転角度を得て、
前記振幅により最適な前記駆動波形を前記メモリから読出し、前記最大偏心をする回転
角度を合わせた駆動波形を生成して前記アクチュエータを駆動することにより前記所定の
トラックが変位する方向にヘッドを移動させるステップを有することを特徴とする偏心したトラックに対するヘッド位置決め方法。 - 多数のトラックを有しその各トラックに対応してサーボ情報が設定された回転するディ
スクと、粗動移動ステージと、この粗動移動ステージに搭載された微動移動ステージと、
この微動移動ステージに搭載された複合磁気ヘッドと、偏心して回転する所定のトラック
に前記複合磁気ヘッドを追従させて位置決めするためにディスク半径方向に高速に前記複
合磁気ヘッドを移動させる伸縮動作可能なアクチュエータとを有し、前記所定のトラックに対してヘッドを位置決めする、偏心したトラックに対するヘッド位置決め方法において、
前記アクチュエータによる前記複合磁気ヘッドの移動を固定した状態において前記微動
移動ステージを移動させて前記複合磁気ヘッドを前記所定のトラックに位置決めし、
所定の読出開始信号に応じて前記複合磁気ヘッドから前記サーボ情報の読出信号を受けて偏心して回転する前記所定のトラックからの前記複合磁気ヘッドの位置ずれに対応するトラック1周分の前記複合磁気ヘッドのポジション検出信号を発生し、
前記トラック1周分のポジション検出信号における振幅と前記ポジション検出信号にお
ける、前記所定の読出開始信号の位置から最大ピーク位置までの回転角度とを検出し、そ
して、
多数のトラック偏心量のそれぞれに対応する前記アクチュエータの多数の伸縮データと
して前記アクチュエータの駆動信号を多数記憶したメモリから前記ポジション検出信号の
振幅が示す最大位置ずれ量に対応する最大伸縮量を持つアクチュエータ駆動信号を得るス
テップとを有し、
得られた前記アクチュエータ駆動信号上において前記回転角度により決定される前記所
定の読出開始信号の発生タイミングに対応する位置を基準として前記所定の読出開始信号
の発生に応じて前記得られたアクチュエータ駆動信号あるいはこの駆動信号の波形を反転
した波形を持つ信号により前記アクチュエータを駆動することにより前記複合磁気ヘッド
が前記所定のトラックの偏心方向に追従するように前記所定のトラックに前記複合磁気ヘッドを位置決めすることを特徴とする偏心したトラックに対するヘッド位置決め方法。 - 前記多数のトラック偏心量のそれぞれに応じた偏心したトラックからの前記複合磁気ヘッドの最大位置ずれ量のそれぞれに対して、それぞれの前記最大位置ずれ量に対応する前記アクチュエータの最大伸縮量それぞれを前記アクチュエータにそれぞれに発生させる正弦波類似の前記アクチュエータの駆動信号を記憶テーブルに記憶させることを特徴とする請求項2記載の偏心したトラックに対するヘッド位置決め方法。
- さらに、アクチュエータ駆動ステップを有し、このアクチュエータ駆動ステップは、前
記得られたアクチュエータ駆動信号あるいはこの駆動信号の波形を反転した波形を持つ前
記信号により前記アクチュエータを駆動しかつ前記所定の読出開始信号の発生タイミング
に対応する位置を前記回転角度により決定される前記アクチュエータの駆動開始電圧値と
して得るものであり、
前記振幅と回転角度とを検出する前記ステップは、前記所定の読出開始信号の位置から
最初の前記最大ピーク位置までの角度を前記回転角度として検出するものであることを特徴とする請求項3記載の偏心したトラックに対するヘッド位置決め方法。 - さらに、位相合わせステップを有し、この位相合わせステップは、前記得られたアクチ
ュエータ駆動信号の位相を前記ポジション検出信号の位相に合わせるあるいは180度相
違する位相に合わせるものであり、前記アクチュエータ駆動ステップは、前記位相に合わ
せステップにより位置合わせがなされた前記得られたアクチュエータ駆動信号から前記駆
動開始電圧値を得ることを特徴とする請求項4記載の偏心したトラックに対するヘッド位置決め方法。 - 前記位相合わせステップは、前記得られたアクチュエータ駆動信号と前記ポジション検
出信号の波形の位相差を検出してこれらの信号の位相合わせをするものであり、
前記アクチュエータの前記最大伸縮量は、前記アクチュエータの伸縮のセンタを基準と
した最大伸び量と最大縮量に対応するものであり、
前記アクチュエータ駆動ステップは、前記駆動開始電圧値から前記アクチュエータの駆
動を開始し、前記得られたアクチュエータ駆動信号により前記ポジション検出信号が示す
前記所定のトラックからの前記最大位置ずれ量と前記最大伸縮量とが一致するように前記
アクチュエータを駆動することを特徴とする請求項5記載の偏心したトラックに対するヘッド位置決め方法。 - 前記アクチュエータはピエゾアクチュエータであり、前記アクチュエータ駆動ステップ
は、前記得られたアクチュエータ駆動信号を前記ピエゾアクチュエータにくり返し加える
ものであることを特徴とする請求項4記載の偏心したトラックに対するヘッド位置決め方法。 - 前記所定の読出開始信号はインデックス信号あるいはセクタ信号であり、前記複合磁気
ヘッドを前記所定のトラックに位置決めする前記ステップは、前記トラックの偏心をカバ
ーする前後移動が可能な位置において前記アクチュエータによる前記複合磁気ヘッドの移
動を固定するものであることを特徴とする請求項2記載の偏心したトラックに対するヘッド位置決め方法。 - さらに、サーボ位置決めステップを有し、このサーボド位置決めステップは、前記複合
磁気ヘッドに対してONトラックサーボ制御をして前記所定のトラックに前記複合磁気ヘ
ッドを位置決めするものであり、前記ONトラックサーボ制御は、前記所定のトラックに
対応する前記サーボ情報を読出してこのサーボ情報に応じて前記ピエゾアクチュエータを
駆動する制御であることを特徴とする請求項7記載の偏心したトラックに対するヘッド位置決め方法。 - さらに、サーボ位置決め制御回路を有し、このサーボ位置決め制御回路は、前記ONト
ラックサーボ制御をしかつ前記ポジション検出信号を発生するものであり、前記所定のト
ラックへの前記複合磁気ヘッドの位置決めは、前記サーボ位置決め制御回路における前記ONトラックサーボ制御を無効にして行われることを特徴とする請求項9記載の偏心したトラックに対するヘッド位置決め方法。 - 前記アクチュエータ駆動ステップは、前記複合磁気ヘッドを前記ディスク半径方向にお
いて前後にダイナミックに移動させる、加振駆動ステップを有し、この加振駆動ステップ
は、前記所定の読出開始信号に同期させて前記駆動開始電圧値から前記アクチュエータの
駆動を開始し、前記得られたアクチュエータ駆動信号を前記ピエゾアクチュエータにくり
返し加えて、前記所定のトラックに前記複合磁気ヘッドを位置決めするものであり、
この加振駆動ステップにより前記複合磁気ヘッドが前記ディスク半径方向に振動する駆
動状態において前記所定のトラックに前記複合磁気ヘッドが位置決めされた後に前記サー
ボ位置決め制御回路により前記ONトラックサーボ制御において前記複合磁気ヘッドが前記所定のトラックに位置決めされることを特徴とする請求項9記載の偏心したトラックに対するヘッド位置決め方法。 - 多数のトラックを有しその各トラックに対応してサーボ情報が設定された回転するディ
スクと、粗動移動ステージと、この粗動移動ステージに搭載された微動移動ステージと、
この微動移動ステージに搭載された複合磁気ヘッドと、偏心して回転する所定のトラック
に前記複合磁気ヘッドを追従させて位置決めするためにディスク半径方向に高速に前記複
合磁気ヘッドを移動させる伸縮動作可能なアクチュエータとを有し、前記所定のトラックに対してヘッドを位置決めする、偏心したトラックに対するヘッド位置決め制御装置であって、
前記ディスクの1回転ごとのトラックの偏心量について前記1回転ごとの偏心量のそれぞれに対応するような前記アクチュエータの伸縮特性を得るための多数の駆動波形をデータとして記憶する、前記1回転ごとの偏心量のそれぞれに応じた偏心したトラックからの前記複合磁気ヘッドの最大位置ずれ量のそれぞれに対して、それぞれの前記最大位置ずれ量に対応する前記アクチュエータの最大伸縮量それぞれを前記アクチュエータにそれぞれに発生させる正弦波類似の前記アクチュエータの駆動信号を多数記憶する記憶テーブルを有するメモリと、
前記サーボ情報を読出して前記所定のトラックからのヘッド変位量を示す信号として前
記ディスク1回転における前記複合磁気ヘッドのポジション検出信号を発生するポジショ
ン検出信号発生回路と、
前記ポジション検出信号に基づいて前記複合磁気ヘッド位置のずれ量に対応する振幅と
最大偏心をする回転角度とを検出する振幅・回転角度検出手段とを備え、
前記振幅により最適な前記駆動波形を前記メモリから読出し、前記最大偏心をする回転
角度を合わせた駆動波形を生成して前記アクチュエータを駆動することにより前記所定の
トラックが変位する方向にヘッドを移動させることを特徴とするヘッド位置決め制御装置。 - 多数のトラックを有しその各トラックに対応してサーボ情報が設定された回転するディ
スクと、粗動移動ステージと、この粗動移動ステージに搭載された微動移動ステージと、
この微動移動ステージに搭載された複合磁気ヘッドと、偏心して回転する所定のトラック
に前記複合磁気ヘッドを追従させて位置決めするためにディスク半径方向に高速に前記複
合磁気ヘッドを移動させる伸縮動作可能なアクチュエータとを有し、前記所定のトラックに対してヘッドを位置決めするヘッド位置決め制御装置において、
前記アクチュエータによる前記複合磁気ヘッドの移動を固定した状態で前記微動移動ス
テージを移動させて前記複合磁気ヘッドを所定のトラックに位置決めするヘッド位置決め
手段と、
所定の読出開始信号に応じて前記複合磁気ヘッドから前記サーボ情報の読出信号を受けて偏心して回転する前記所定のトラックからの前記複合磁気ヘッドの位置ずれに対応するトラック1周分の前記複合磁気ヘッドのポジション検出信号を発生するポジション検出信号発生回路と、
前記ポジション検出信号発生回路が発生する前記トラック1周分のポジション検出信号
における振幅と前記ポジション検出信号における、前記所定の読出開始信号の位置から最
大ピーク位置までの回転角度とを検出する振幅・回転角度検出手段と、
多数のトラック偏心量のそれぞれに対応する前記アクチュエータの多数の伸縮データと
して前記アクチュエータの駆動信号を多数記憶した記憶テーブルとを備え、
前記ポジション検出信号の振幅が示す最大位置ずれ量に対応する最大伸縮量を持つアク
チュエータ駆動信号を前記記憶テーブルから得て、このアクチュエータ駆動信号上におい
て前記回転角度により決定される前記所定の読出開始信号の発生タイミングに対応する位
置を基準として前記所定の読出開始信号の発生に応じて前記得られたアクチュエータ駆動
信号あるいはこの駆動信号の波形を反転した波形を持つ信号により前記アクチュエータを
駆動して前記複合磁気ヘッドが前記所定のトラックの偏心方向に追従するように前記所定
のトラックに前記複合磁気ヘッドを位置決めすることを特徴とするヘッド位置決め制御装置。 - 前記記憶テーブルは、前記多数のトラック偏心量のそれぞれに応じた偏心したトラックからの前記複合磁気ヘッドの最大位置ずれ量のそれぞれに対して、それぞれの前記最大位置ずれ量に対応する前記アクチュエータの最大伸縮量それぞれを前記アクチュエータにそれぞれに発生させる正弦波類似の前記アクチュエータの駆動信号を多数記憶することを特徴とする請求項13記載のヘッド位置決め制御装置。
- さらに、アクチュエータ駆動手段を有し、このアクチュエータ駆動手段は、前記得られ
たアクチュエータ駆動信号あるいはこの駆動信号の波形を反転した波形を持つ前記信号に
より前記アクチュエータを駆動しかつ前記所定の読出開始信号の発生タイミングに対応す
る位置を前記回転角度により決定される前記アクチュエータの駆動開始電圧値として得る
ものであり、
前記振幅・回転角度検出手段は、前記所定の読出開始信号の位置から最初の前記最大ピ
ーク位置までの角度を前記回転角度として検出するものであることを特徴とする請求項13記載のヘッド位置決め制御装置。 - さらに、位相合わせ手段を有し、この位相合わせ手段は、前記得られたアクチュエータ
駆動信号の位相を前記ポジション検出信号の位相に合わせるあるいは180度相違する位
相に合わせるものであり、
前記アクチュエータ駆動手段は、前記位相に合わせ手段により位置合わせがなされた前
記得られたアクチュエータ駆動信号から前記駆動開始電圧値を得ることを特徴とする請求項15記載のヘッド位置決め制御装置。 - 前記位相合わせ手段は、前記得られたアクチュエータ駆動信号と前記ポジション検出信
号の波形の位相差を検出してこれらの信号の位相合わせをするものであり、
前記アクチュエータの前記最大伸縮量は、前記アクチュエータの伸縮のセンタを基準と
した最大伸び量と最大縮量に対応するものであり、
前記アクチュエータ駆動手段は、前記駆動開始電圧値から前記アクチュエータの駆動を
開始し、前記得られたアクチュエータ駆動信号により前記ポジション検出信号が示す前記
所定のトラックからの前記最大位置ずれ量と前記最大伸縮量とが一致するように前記アク
チュエータを駆動することを特徴とする請求項16記載のヘッド位置決め制御装置。 - 前記アクチュエータはピエゾアクチュエータであり、前記アクチュエータ駆動手段は、
前記得られたアクチュエータ駆動信号を前記ピエゾアクチュエータにくり返し加えることを特徴とする請求項17記載のヘッド位置決め制御装置。 - さらに、プロセッサとメモリとを有するデータ処理・制御装置を有し、前記振幅・回転
角度検出手段と前記位相合わせ手段と前記ヘッド位置決め手段とが前記メモリに記憶され
たプログラムを前記プロセッサが実行することで実現されることを特徴とする請求項18記載のヘッド位置決め制御装置。
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