JP5452910B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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Description
しかし、装着者の体の動きにより、吸収性物品の前方部又は後方部に中高部を変形させる力が発生すると、この変形させる力が後方部又は前方部へ伝わり、吸収性物品全体が変形し、ヨレを生じていた。
しかしながら、前方中高部と後方中高部との間に折り曲げ起点を設けると、折り曲げ起点が隙間となり、その隙間の部分において、中高部を臀部の溝に密着することができず、経血等の体液の漏れを防止することが困難となる。
従って、以下には、主として生理用ナプキン1の右側の構成について詳述し、左側の構成については、適宜説明を省略し、右側の構成要素に対応する左側の構成要素は、符号にダッシュ(’)を付してある。
吸収体4は、図1及び図2に示すように、生理用ナプキン1の前方部b及び後方部cにおける肌当接面側に、吸収体4より幅狭で且つ肌当接面側に凸状に突出する前方中高部41及び後方中高部42を有し、前方中高部41は装着者の体液排泄部に当接される排泄部領域aに形成されている。
生理用ナプキン1には、前方中高部41と後方中高部42との間に、生理用ナプキン1の幅方向(CL線が延びる方向と直交する方向)に延び且つ後方中高部42に向って凸状に形成された中間溝62が形成されている。
本実施形態の生理用ナプキン1では、図1及び図2に示すように、生理用ナプキン1の前方部b及び後方部cにおける吸収体4の肌当接面側に、吸収体4より幅狭で且つ肌当接面側に凸状に突出する前方中高部41及び後方中高部42を有している。具体的には、吸収体4は、その上面であって、生理用ナプキン1の前方部b及び後方部cに、別個に設けられた前方中高部41及び後方中高部42を有している。前方中高部41及び後方中高部42は、吸収体4の上方に凸状の形状である。
上記表面シート2、上記裏面シート3、上記吸収体4及び一対の防漏壁7としては、通常、生理用ナプキン等の吸収性物品に用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート2としては、液透過性の不織布や、開孔フィルム等を用いることができ、裏面シート3としては、樹脂フィルムや樹脂フィルムと不織布の積層体等を用いることができる。吸収体4としては、パルプ等の繊維材料の繊維集合体又はこれに高吸収性ポリマーを担持させたものからを、ティッシュペーパーや透水性の不織布等の被覆材で包んでなるもの等を用いることができる。防漏壁7を形成する伸縮シートとしては、伸縮性のフィルム、不織布、織物またはそれらの積層シート等が挙げられる。具体的には、天然ゴム、ポリウレタン、ポリスチレン−ポリイソプレン共重合体、ポリスチレン−ポリブタジエン共重合体、アクリル酸エチル−エチレン等のポリエチレン−αオレフィン共重合体等からなる材自体が伸縮性を有する材料(フィルム、糸状物、不織布、織物)やこれら伸縮性の材料(弾性部材)と不織布等の積層物等が挙げられる。
本実施形態の生理用ナプキン1は、図1及び図2に示すように、吸収体4の上面であって、生理用ナプキン1の前方部b及び後方部cに、別個に設けられた前方中高部41及び後方中高部42を有している。即ち、前方中高部41及び後方中高部42は、生理用ナプキン1のウイング部31,31’の長手方向(CL方向:CL線の延びる方向)の後端付近において、離れて設けられているため、生理用ナプキン1の前方部b又は後方部cの何れか一方に前方中高部41又は後方中高部42を変形させる力が発生しても、その変形させる力が他方の後方中高部42又は後方中高部42に伝わらず、生理用ナプキン1にヨレを生じ難い。
以下の部材を用いて図1〜図4に示す生理用ナプキンを作製した。
・表面シート:ポリエステル・ポリエチレン複合繊維を原料とする坪量25g/m2のエアスルー不織布。
・裏面シート:ポリエチレン製の坪量30g/m2のフィルム。
・吸収体:フラッフパルプの積繊体(坪量280g/m2)を、坪量16g/m2のティッシュペーパーで包んだもの。
・防漏壁を形成する伸縮シート:ポリエチレン・ポリプロピレン複合繊維製の坪量20g/m2のスパンボンド不織布に、複数本の糸状の弾性部材を配置し、伸縮性を付与した複合シート。
・前方中高部及び後方中高部:フラッフパルプの積繊体(坪量500g/m2)。
中間溝62を、後方中高部42に向って凸状のV字状に形成する以外は実施例1と同様にして生理用ナプキンを得た。
中間溝62を、幅方向にドット状、即ち非連続的に延びて形成する以外は実施例1と同様にして生理用ナプキンを得た。
中間溝62を、後方中高部42に向って拡開するように、凸状の逆八の字状に形成する以外は実施例1と同様にして生理用ナプキンを得た。
されており、
前方溝61を、幅方向内方に、即ち、前方中高部41に向かって凸状に形成する以外は実施例1と同様にして生理用ナプキンを得た。
中間溝62を、前方中高部41に向って凸状のU字状に形成する以外は実施例1と同様にして生理用ナプキンを得た。
中間溝62を、前方中高部41と後方中高部42との間に配置された、後方中高部42に向ってCL線と平行な2本の直線状に形成する以外は実施例1と同様にして生理用ナプキンを得た。
中間溝62を設けず、前方中高部41と後方中高部42との間の間隔d1を15mmに形成する以外は実施例1と同様にして生理用ナプキンを得た。
中間溝62の凸状の頂部と前方中高部41の中間溝62寄りの端部の間隔d2を5mmに形成する以外は実施例1と同様にして生理用ナプキンを得た。
中間溝62の凸状の頂部と前方中高部41の中間溝62寄りの端部の間隔d2を20mmに形成する以外は実施例1と同様にして生理用ナプキンを得た。
前方中高部41と後方中高部42との間の間隔d1を35mmに形成する以外は実施例1と同様にして生理用ナプキンを得た。
実施例1〜4及び比較例1〜7の生理用ナプキンのサンプルそれぞれに、前方中高部41の幅方向中央であって、中間溝62寄りの端部から5mm離れた位置上の表面シートに印1を付け、更に、後方中高部42の幅方向中央であって、中間溝62寄りの端部から5mm離れた位置上の表面シートに印2を付ける。次に、実施例1〜4及び比較例1〜7の生理用ナプキンのサンプルそれぞれを、図4に示すように、装着者の足の動き等による左右からの応力(矢印(1))が、生理用ナプキン1の排泄部領域aに生じた場合を想定して、矢印(1)の方向に応力を作用させるように掴み、股間幅35mmまで圧縮させる。その際の前記印1及び前記印2の間の間隔を測定し、間隔が10mm以下であれば、装着時に前方中高部41と後方中高部42との間に隙間を生じず、経血等の体液の漏れ防止性を高めることができるものとして評価した。これらの結果を下記表1、表2及び表3に示す。
2 表面シート
3 裏面シート
31 ウイング部
32 後方フラップ
4 吸収体
41 前方中高部
41a,41a’ 前方中高部の長手方向の側部
41b1,41b2 前方中高部の長手方向の端部
42 後方中高部
42a,42a’ 後方中高部の長手方向の側部
5 吸収性本体
61,61’ 前方溝
61b1,61b1’,61b2,61b2’ 前方溝の括れ部
62 中間溝
63,63’ 後方内溝
63c 最後方先端部
64,64’ 後方外溝
7 防漏壁
8 固定部
8b 長手方向の前方部寄りの端部
9 折り線
a 排泄部領域
b 前方部
c 後方部
CL 生理用ナプキンの長手方向に延びる中心線
IL 仮想直線
Claims (5)
- 肌当接面を形成する表面シート、非肌当接面を形成する裏面シート及び両シート間に介在する吸収体を具備する吸収性物品であって、
前記吸収体は、前記吸収性物品の前方部及び後方部における肌当接面側に、該吸収体より幅狭で且つ肌当接面側に凸状に突出する前方中高部及び後方中高部を有し、該前方中高部は装着者の体液排泄部に当接される排泄部領域に形成されており、
前記吸収性物品の長手方向に延びる中心線に線対称的に設けられる一対の前方溝が、前記前方中高部の側部に沿って形成され且つ前記吸収性物品の幅方向外方に凸状に形成されており、
前記前方中高部と前記後方中高部との間に、前記吸収性物品の幅方向に延び且つ該後方中高部に向って凸状に形成された中間溝が形成されており、
前記前方溝は凸状の曲線であり、前記一対の前方溝は、互いの間隔が最も広い部分と、該広い部分の前方及び後方それぞれに、互いの間隔が狭い部を有しており、
前記一対の前方溝は、前記間隔が狭い部分として、前記前方中高部の長手方向の前方端部の近傍及び後方端部の近傍それぞれに、前記吸収性物品の内側に括れた一対の括れ部を有している吸収性物品。 - 前方側の前記一対の括れ部と後方側の前記一対の括れ部との間の長さは、40〜80mmである請求項1に記載の吸収性物品。
- 前記後方中高部が、前記吸収性物品の長手方向の後方に向かって先細り形状に形成されており、前記吸収性物品の前記中心線に線対称的に設けられる一対の後方内溝が、該後方中高部の側部に沿って形成されており、
前記吸収性物品の前記中心線に線対称的に設けられる一対の後方外溝が、前記後方内溝より前記吸収性物品の外方に形成され且つ前記前方溝と繋がって形成されている請求項1又は2に記載の吸収性物品。 - 前記前方溝、前記中間溝、前記後方内溝及び前記後方外溝が、それぞれ前記表面シートと前記吸収体とを接合している請求項3に記載の吸収性物品。
- 前記後方部の幅方向両外方には、一対の後方フラップが配置され、該後方フラップそれぞれの非肌当接面には、下着に固定する固定部が一つずつ存在し、該固定部は、前記後方内溝の最後方先端部に接し、且つ長手方向に延びる前記中心線に垂直な仮想直線上に配置されており、
前記吸収性物品の後方部における個装時の折り線は、前記固定部が配置されている部位よりも後方側に存在する請求項3又は4に記載の吸収性物品。
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