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JP5448187B2 - 作業機械の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、圧油供給により作動する作業アタッチメントを標準仕様のものから特殊仕様のものに交換した場合でも、標準仕様のものと殆ど変わらない操作性を発揮できるように制御するための作業機械の制御装置の技術分野に関するものである。
一般に、圧油供給により作動する油圧アタッチメントを備えた油圧ショベルなどの作業機械において、これを油圧ショベルであるとして説明したときに、油圧ショベルはブーム、アーム、バケットで構成されるフロントアタッチメント(作業アタッチメント)を備えている。このような油圧ショベルにおいて、作業の種類を変更したり作業効率を高めたりするため、標準仕様のフロントアタッチメントに換えて先端アタッチメントを磁選機等の特殊なものに交換したり、高所作業に適したロングリーチアタッチメントに交換することがある。このようにフロントアタッチメントを、標準仕様のものよりも重い特殊仕様のものに交換した場合において、操作具を同じ操作量で操作したときに、特殊仕様のフロントアタッチメントの作動速度は、その作動が重力方向に向く側のものであったときには標準仕様のものよりも速くなり、逆に重力に逆らう方向のものであったときには標準仕様のものよりも遅くなって、標準仕様のものとは異なった操作感覚を強いられることになり操作性が損なわれ、作業効率が低下する等の問題がある。
そこでフロントアタッチメントを標準仕様のものから特殊仕様のものに変更した場合、重量変更に対応して圧油供給量を補正し、標準仕様の操作と近しいものになるように補正したものが提唱されている(例えば特許文献1参照)。
特開2008−32174号公報
ところで前記重量変更に対応して圧油供給量を補正するものは、ブームシリンダ、アームシリンダ、バケットシリンダの保持圧をそれぞれ検知する圧力センサを設け、各シリンダを予め定められた所定の長さにしてフロントアタッチメントを一定の保持圧計測姿勢にし、この姿勢にしたときの保持圧をそれぞれ計測し、この計測した保持圧から交換したアタッチメントの重量を推定するようにし、これに基づいて操作レバーの操作量に対する圧油供給量を補正しようとするものである。
しかしながらこのものは、前記一定の保持圧計測姿勢にして保持圧を計測するものであるため、例えば標準仕様のバケットよりも重い特殊仕様のバケットに交換した場合、バケットシリンダを前記一定の保持圧計測姿勢にするためのシリンダ長にしたときに、バケットのアームに対する姿勢が前記一定の保持圧計測姿勢に相当する姿勢になるという保証はなく、ましてや磁選機やブレーカのようにバケットとは重量だけでなく重心位置が明らかに異なる作業機に交換した場合にあっては、前記一定の保持圧計測姿勢そのものが意味のないものになって交換したアタッチメントの重量を計測される保持圧からは推定できないという問題がある。
このような問題は、バケットだけでなく、アーム、さらにはブームまでをも特殊仕様のものに交換したときにはさらに顕著になり、ここに本発明が解決せんとする課題がある。
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、機体本体にブーム支軸を介して軸支され、ブームシリンダの作動で上下揺動するブームと、該ブームの先端にアーム支軸を介して軸支され、アームシリンダの作動で上下揺動するアームと、該アームの先端に作業部支軸を介して軸支され、作業部シリンダの作動で上下揺動する作業部とを備えて構成される作業アタッチメントの少なくとも一部が、標準仕様のものから特殊仕様のものに交換可能に構成され、前記各シリンダをそれぞれ伸縮作動させるべく操作具操作に基づいて制御弁の流量制御をする流量制御手段を備えた作業機械において、前記特殊仕様とした場合に該特殊仕様に対応した各シリンダに対する流量補正をする流量補正手段を設けるにあたり、該流量補正手段は、アームシリンダ、ブームシリンダを任意の長さに設定して第一姿勢に保持した状態で、作業部を自然状態に垂下したときのブーム軸心回りのモーメントである第一最小モーメントと、作業部をアームに対して自重降下させたときの全降下過程で最大になるブーム軸心回りの第一最大モーメントとを演算する第一演算と、ブームシリンダを任意の長さに設定して第二姿勢に保持した状態で、作業部及びアームを自然状態に垂下したときのブーム軸心回りのモーメントである第二最小モーメントと、作業部シリンダ長を前記垂下姿勢になった状態に維持して作業部及びアームをブームに対して自重降下させたときの全降下過程で最大になるブーム軸心回りの第二最大モーメントとを演算する第二演算と、
作業部軸心がブーム軸心と同高さでかつ作業部軸心がブーム軸心から最遠位置にある第三姿勢にした状態で、作業部をアームに対して自重降下させたときの全降下過程で最大になるブーム軸心回りの第三最大モーメントとを演算する第三演算と、をするモーメント演算手段と、第一最大モーメントと第一最小モーメントとの差値である第一差値の演算と、第二最大モーメントと第二最小モーメントとの差値である第二差値の演算と、をするモーメント差値演算手段と、前記第一差値と標準仕様において作業部の作業部軸心回りの最大モーメントである第一標準最大モーメントとを比較することにより求められる第一比較値の演算と、前記第二差値と標準仕様において作業部がアームに取付けられた状態でのアーム軸心回りの最大モーメントである第二標準最大モーメントとを比較することにより求められる第二比較値の演算と、前記第三最大モーメントと標準仕様において作業部付きアームがブームに取付けられた状態でのブーム軸心回りの最大モーメントである第三標準最大モーメントとを比較することにより求められる第三比較値の演算と、をする比較値演算手段と、前記演算された第一比較値、第二比較値、第三比較値に基づいて各シリンダに対する補正流量の設定をする補正流量設定手段と、を備えて構成されていることを特徴とする作業機械の制御装置である。
請求項2の発明は、第一姿勢は第三姿勢と同一姿勢であり、第一最大モーメントは第三最大モーメントと同じであることを特徴とする請求項1記載の作業機械の制御装置である。
請求項3の発明は、前記流量制御手段により流量制御がなされる制御弁は、作業部用シリンダに対する流量制御をする作業部用流量制御弁、アーム用シリンダに対する流量制御をするアーム用流量制御弁、ブーム用シリンダに対する流量制御をするブーム用流量制御弁であり、前記各第一比較値、第二比較値、第三比較値に基づく各対応する流量制御弁の流量の補正は各流量制御弁の開度量の補正で行われることを特徴とする請求項1または2記載の作業機械の制御装置である。
請求項4の発明は、作業部用流量制御弁の開度量の補正は、第一差値が第一標準最大モーメントよりも大きい場合、作業部下降のときには減少し、作業部上昇のときには増大する方向の補正であり、逆に小さい場合、作業部下降のときには増大し、作業部上昇のときには減少する方向の補正であることを特徴とする請求項3に記載の作業機械の制御装置である。
請求項5の発明は、アーム用流量制御弁の開度量の補正は、第二差値が第二標準最大モーメントよりも大きい場合、アーム下降のときには減少し、アーム上昇のときには増大する方向の補正であり、逆に小さい場合、アーム下降のときには増大し、アーム上昇のときには減少する方向の補正であることを特徴とする請求項3または4に記載の作業機械の制御装置である。
請求項6の発明は、ブーム用流量制御弁の開度量の補正は、第三最大モーメントが第三標準最大モーメントよりも大きい場合、ブーム下降のときには減少し、ブーム上昇のときには増大する方向の補正であり、逆に小さい場合、ブーム下降のときには増大し、ブーム上昇のときには減少する方向の補正であることを特徴とする請求項3乃至5の何れか1に記載の作業機械の制御装置である。
請求項7の発明は、前記流量制御手段により流量制御がなされる制御弁は、作業部用流量制御弁、アーム用流量制御弁、ブーム用流量制御弁を通るセンターバイパス油路の下流側に設けられ、該センターバイパス油路の流量制御をするセンターバイパス制御弁であり、前記第一比較値、第二比較値、第三比較値に基づくセンターバイパス制御弁の流量の補正は、作業部上昇、アーム上昇、ブーム上昇させるときのみ行われるセンターバイパス制御弁の開度量の補正であり、該センターバイパス制御弁の開度量の補正は、第一差値、第二差値、第三最大モーメントが、それぞれ第一、第二、第三標準最大モーメントよりも大きい場合には減少し、小さい場合には増大する方向の補正であり、流量制御手段は、第一差値、第二差値、第三最大モーメントが、それぞれ第一、第二、第三標準最大モーメントよりも大きい場合には、作業部、アーム、ブームの各補正開度量のうちの最小の補正開度量を選択し、小さい場合には、作業部、アーム、ブームの各補正開度量のうちの最大の補正開度量を選択するようにしたことを特徴とする請求項3乃至6の何れか1に記載の作業機械の制御装置である。
請求項8の発明は、前記流量制御手段により流量制御がなされる制御弁は、ブーム用流量制御弁からブーム用シリンダに至る油路に設けられ、ブームが下降する際にブーム用シリンダのヘッド側油室の圧油をロッド側油室に供給するためのブーム用再生弁であり、前記第三比較値に基づくブーム用再生弁の流量の補正は、該ブーム用再生弁の開度量の補正で行われることを特徴とする請求項3乃至7の何れか1に記載の作業機械の制御装置である。
請求項9の発明は、ブーム用再生弁の開度量の補正は、第三最大モーメントが第三標準最大モーメントよりも大きい場合には減少し、小さい場合には増大する方向の補正であることを特徴とする請求項8に記載の作業機械の制御装置である。
請求項10の発明は、前記流量制御手段により流量制御がなされる制御弁は、アーム用流量制御弁からアーム用シリンダに至る油路に設けられ、アームが下降する際にアーム用シリンダのロッド側油室の圧油をヘッド側油室に供給するためのアーム用再生弁であり、前記第二比較値に基づくアーム用再生弁の流量補正は、該アーム用再生弁の開度量の補正で行われることを特徴とする請求項3乃至9の何れか1に記載の作業機械の制御装置である。
請求項11の発明は、アーム用再生弁の開度量の補正は、第二差値が第二標準最大モーメントよりも大きい場合には減少し、小さい場合には増大する方向の補正であることを特徴とする請求項10に記載の作業機械の制御装置である。
請求項1の発明とすることにより、作業アタッチメントの少なくとも一つを標準仕様のものから特殊仕様のものに交換したときに、第一、第二、第三姿勢にした状態で演算される作業部、アーム、ブームの各軸心回りの最大モーメントと標準仕様の各アタッチメントの最大モーメントとを比較することで各シリンダへの補正流量が簡単に演算できることになり、この結果、作業部だけでなく、アームやブームまでを特殊仕様のものに交換したときでも、標準仕様の作業アタッチメントの場合に近しい操作ができることになって操作性が向上する。
請求項2の発明とすることにより、第一姿勢と第三姿勢としたときに演算される第一最大モーメントと第三最大モーメントとが同じになる結果、その分、モーメントを演算するための作業が省略できることになって作業性が向上する。
請求項3の発明とすることにより、作業アタッチメントの各シリンダに対する流量制御が、特殊仕様のものに補正されたものとなって、該特殊仕様のものに適合した効率の良い流量制御を行うことができる。
請求項4の発明とすることにより、作業部用流量制御弁の開度量は、第一比較値に応じて補正されることになり、該補正開度量に基づいて作業部用流量制御弁の開閉制御がなされることになって、作業部を標準仕様のものから特殊仕様のものに交換した場合の作業部の操作性を標準仕様の作業部と近しいものにすることができ、作業部を交換したことによる操作具操作の違和感が低減され、操作性が向上する。
請求項5の発明とすることにより、アーム用流量制御弁の開度量は、第二比較値に応じて補正されることになり、該補正開度量に基づいてアーム用の流量制御弁の開閉制御がなされることになって、作業部及びアームの少なくともどちらかを標準仕様のものから特殊仕様のものに交換した場合でも、アームの操作性を標準仕様のアームと近しいものにすることができて、作業部及びアームの少なくともどちらかを交換したことによる操作具操作の違和感が低減され、操作性が向上する。
請求項6の発明とすることにより、ブーム用流量制御弁の開度量は、第三比較値に応じて補正されることになり、該補正開度量に基づいてブーム用の流量制御弁の開閉制御がなされることになって、作業アタッチメントの少なくとも一部を標準仕様のものから特殊仕様のものに交換した場合でも、ブームの操作性を標準仕様のブームと近しいものにすることができて、作業アタッチメントの少なくとも一部を交換したことによる操作具操作の違和感が低減され、操作性が向上する。
請求項7の発明とすることにより、センターバイパス制御弁の開度量は、第一比較値、第二比較値、第三比較値に基づいて演算された作業部、アーム、ブームにおける各センターバイパス制御弁の補正開度量のなかから、第一差値、第二差値、第三最大モーメントが第一、第二、第三標準最大モーメントよりも大きい場合は、最小のもの、つまり作業部、アーム、ブームにおける各センターバイパス制御弁の補正開度量のなかからセンターバイパス油路の油圧上昇のタイミングが最も早い補正開度量が選択され、小さい場合は、最大のもの、つまり作業部、アーム、ブームにおける各センターバイパス制御弁の補正開度量の中からセンターバイパス油路の油圧上昇のタイミングが最も遅い補正開度量が選択される。そして該選択された補正開度量に基づいてセンターバイパス制御弁の開度量補正がなされる結果、特殊仕様の作業アタッチメントを上昇方向に操作する場合にあって、操作具の作業アタッチメント作動開始位置を標準仕様の場合に近しいもとのすることができて、作業アタッチメントを交換したことによる上昇方向操作における操作具操作の違和感が低減され、操作性が向上する。
請求項8の発明とすることにより、ブーム下降時におけるブーム用シリンダのヘッド側からロッド側へのブーム用再生弁を介した流量制御が、特殊仕様のものに補正されたものとなって、該特殊仕様のものに適合した効率の良い流量制御を行うことができる。
請求項9の発明とすることにより、ブーム用再生弁の開度量は第三比較値に基づいて補正されることになり、該補正開度量に基づいてブーム用再生弁の開閉制御がなされることになって、作業アタッチメントの少なくとも一部を特殊仕様のものに交換した場合でも、ブーム下降操作における操作具の操作性を標準仕様のものと近しいものにすることができて、作業アタッチメントの少なくとも一部を交換したことによる操作具操作の違和感が低減され、操作性が向上する。
請求項10の発明とすることにより、アーム下降時におけるアーム用シリンダのロッド側からヘッド側へのアーム用再生弁による流量制御が、特殊仕様のものに補正されたものとなって、該特殊仕様のものに適合した効率の良い流量制御を行うことができる。
請求項11の発明とすることにより、アーム用再生弁の開度量は第三比較値に応じて補正されることになり、該補正開度量に基づいてアーム用再生弁の開閉制御がなされることになって、作業部及びアームの少なくとも一部を特殊仕様のものに交換した場合でも、アーム下降操作における操作具の操作性を標準仕様のものと近しいものにすることができて、作業部及びアームの少なくとも一部を交換したことによる操作具操作の違和感が低減され、操作性が向上する。
油圧ショベルの概略側面図である。 油圧ショベルの油圧回路図である。 制御システムのブロック図である。 メインタスクのフローチャート図である。 較正タスクのフローチャート図である。 フロントアタッチメントを第一姿勢(第三姿勢)にした油圧ショベルの概略側面図である。 フロントアタッチメントを第二姿勢にした油圧ショベルの概略側面図である。 モーメント算出を説明するための概略図である。 ブーム、アーム、バケット上昇時におけるセンターバイパス制御弁の開度量の補正状態を説明するためのグラフ図である。 ブーム、アーム、バケット上昇時における各流量制御弁の開度量の補正状態を説明するためのグラフ図である。 ブーム、アーム、バケット下降時における各流量制御弁及び再生弁の開度量の補正状態を説明するためのグラフ図である。 モーメント比較値に基づく複数の関数fの関係図である。 センターバイパス制御弁の開度量の補正状態を示すブロック図である。 ブーム用流量制御弁、ブーム用再生弁の開度量の補正状態を示すブロック図である。 アーム用流量制御弁、アーム用再生弁の開度量の補正状態を示すブロック図である。 バケット用流量制御弁の開度量の補正状態を示すブロック図である。
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1において、1は油圧ショベルであって、該油圧ショベル1は、クローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2に旋回自在に支持される上部旋回体3と、該上部旋回体3の前部に設けたフロントアタッチメント4等から構成されるが、該フロントアタッチメント4は、上部旋回体3に基端部がブーム支軸5aを介して前後揺動自在に軸支されるブーム5と、該ブーム5の先端部に基端部がアーム支軸6aを介して揺動自在に軸支されるアーム6と、該アーム6の先端部にバケット支軸7aを介して揺動自在に軸支される作業部であるバケット7とを用いて構成されている。
上部旋回体3とブーム5とのあいだには、ブーム5を上下揺動させるべく伸縮するブームシリンダ8を備え、ブーム5とアーム6とのあいだには、アーム6を揺動させるべく伸縮するアームシリンダ9を備え、さらにアーム6とバケット7とのあいだには、バケット7を揺動させるべく伸縮するバケットシリンダ10を備えている。尚、Cは、操縦室となるキャブである。
ブーム5の支軸5aには、上部旋回体3に対するブーム5の回動角度(ブーム角度)αを検知するためのブーム角度センサ11が取付けられており、また、ブームシリンダ8のヘッド側、ロッド側油室8a、8bへの油路には、該ヘッド側、ロッド側油室の油圧P1、Pを検知するヘッド圧センサ12a、ロッド圧センサ12bが取付けられている。
図2は、前記油圧ショベルの概略油圧回路を示すが、該図2において、14、15はエンジン16により駆動する第一、第二メインポンプ、17は油タンク、18はコントロールバルブユニット、19は上部旋回体3を旋回させるための旋回用油圧モータ、20L、20Rは左右の走行用油圧モータである。さらに、14a、15aは上記第一、第二メインポンプ14、15の吐出量制御をそれぞれおこなうための第一、第二油量可変手段である。そして、第一メインポンプ14から吐出される圧油は、第一センタバイパスラインFを通って油タンク17に戻り、第二メインポンプ15から吐出する圧油は、第二センタバイパスラインF2を通って油タンク17に戻るよう構成されている。
前記第一メインポンプ14からの圧油は、左走行用、バケット用、ブーム用第一、アーム用第一の各流量制御弁21a、22、23a、24aを介して各対応する左走行用油圧モータ20L、バケットシリンダ10、ブームシリンダ8L、8R、アームシリンダ9の各油圧アクチュエータへ供給されるようになっている。
また第二メインポンプ15からの圧油は、右走行用、ブーム用第二、旋回用、アーム用第二の各流量制御弁21b、23b、25、24bを介して各対応する右走行用油圧モータ20R、ブームシリンダ8L、8R、旋回用油圧モータ19、アームシリンダ9の各油圧アクチュエータへ供給されるようになっている。
これらの各流量制御弁21a、21b、22、23a、23b、24a、24b、25は、本実施の形態では全てパイロット操作式の切換え弁であって、そのうちの左右の走行用流量制御弁21a、21b、バケット流量制御弁22、ブーム用第一流量制御弁23a、アーム用第一、第二流量制御弁24a、24b、旋回用流量制御弁25は中立位置Nと、圧油供給をする二位置X、Yとを有した三位置切換弁で構成され、ブーム用第二流量制御弁23bは中立位置Nと圧油供給位置Xとを有した二位置切換弁で構成されており、これら流量制御弁は、図示しないパイロットポンプから供給されるパイロット圧油が各対応するパイロット油室に供給されることで切換えられて各対応する油圧アクチュエータに圧油供給をするようになっている。
前記ブーム用第二流量制御弁23bは、第二メインポンプ15からの圧油をブーム用第一流量制御弁23aのブーム上昇側油路(ヘッド側油路)に供給するよう接続され、これによってブーム5の上昇を第一、第二メインポンプ14、15の2つのポンプで駆動するように設定されている。また、アーム用第一流量制御弁24aは、第一メインポンプ14からの圧油をアーム用第二流量制御弁24bのアーム下降側油路(ヘッド側油路)、アーム上昇側油路(ロッド側油路)にそれぞれ供給するよう接続され、これによってアーム6の上昇、下降を前記第一、第二メインポンプ14、15の2つのポンプで駆動するように設定されている。
32aはバケット用流量制御弁22をX位置方向に切換えてバケットシリンダ10を伸長させ、バケット7を下降させるバケット下降用電磁比例弁、32bはバケット用流量制御弁22をY位置方向に切換えてバケットシリンダを縮小させ、バケット7を上昇させるバケット上昇用電磁比例弁、33aはブーム用第一流量制御弁23aをX位置に切換えてブームシリンダ8L、8Rを伸長させ、ブーム5を上昇させるブーム上昇用第一電磁比例弁、33bはブーム用第一流量制御弁23aをY位置に切換えてブームシリンダ8L、8Rを縮小させ、ブーム5を下降させるブーム下降用第一電磁比例弁、33cはブーム用第二流量制御弁23bをX位置に切換えてブームシリンダ8L、8Rを伸長させ、ブーム5を上昇させるブーム上昇用第二電磁比例弁、34aはアーム用第一流量制御弁24aをX位置に切換えてアームシリンダ9を伸長させ、アーム6を下降させるアーム下降用第一電磁比例弁、34bはアーム用第一流量制御弁24aをY位置に切換えてアームシリンダ9を縮小させ、アーム6を上昇させるアーム上昇用第一電磁比例弁、34cはアーム用第二流量制御弁24bをX位置に切換えてアームシリンダ9を伸長させ、アーム6を下降させるアーム下降用第二電磁比例弁、34dはアーム用第二流量制御弁24bをY位置に切換えてアームシリンダ9を縮小させ、アーム6を上昇させるアーム上昇用第二電磁比例弁である。
31a、31b、35a、35bは同様に左右各走行用流量制御弁21a、21bを三位置に切換え制御する左右走行用電磁比例弁であり、36a、36bは旋回用流量制御弁25を三位置に切換え制御する旋回用電磁比例弁である。
ブーム用第一流量制御弁23aおよびブーム用第二流量制御弁23bからブームシリンダ8L、8Rに至る油路には中立位置N、再生油路を開くX位置の二位置切換弁であるブーム用再生弁26が配されており、ブーム下降用再生電磁比例弁37によるN位置からX位置への切換えでブームシリンダ8L、8Rのヘッド側各油室8aからロッド側各油室8bへの再生油路が開閉調整されるようになっている。またアーム用第一流量制御弁24aおよびアーム用第二流量制御弁24bからアームシリンダ9に至る油路には中立位置N、再生油路を開くX位置の二位置切換弁であるアーム用再生弁27が配されており、アーム下降用再生電磁比例弁38によるN位置からX位置への切換えでアームシリンダ9のロッド側油室9bからヘッド側油室9aへの再生油路が開閉調整されるようになっている。
因みに、前記各流量制御弁はパイロット操作式でなく、電磁操作式であっても実施できることは言うまでもない。
尚、28は再生時にアームシリンダ9のヘッド側油室9aの圧力が規定よりも高くなった場合にロッド側油室9bの作動油を油タンク17に戻すバイパス弁である。
さらに、第一、第二センタバイパスラインF、Fの下流には、中立位置N、センターバイパス油路の流量を減少させる位置Xの可変絞り弁である第一、第二センターバイパス制御弁29a、29bが配されている。そして、第一、第二センターバイパス制御弁用電磁比例弁39a、39bによるN位置(全開状態)からX位置(全閉状態)に至るまでの絞り量(開度量)の調整で第一、第二センタバイパスラインF、Fの流量がそれぞれ制御されるようになっている。また、第一、第二センターバイパス制御弁29a、29bの下流には、第一、第二センタバイパスラインF、Fの圧力が規定以上になった場合に圧油を油タンク17に戻す第一、第二リリーフ弁30a、30bが配され、これによって後述するネガティブコントロール信号圧が出力されるようになっている。
前記第一、第二メインポンプ14、15の油量可変手段14a、15aは、第一、第二バイパスカット弁29a、29bと第一、第二リリーフ弁30a、30bとのあいだの油路の圧力を前記ネガティブコントロール信号圧として導入して第一、第二メインポンプ14、15の流量制御をするようになっている。そして第一、第二メインポンプ14、15の第一、第二油量可変手段14a、15aは、ネガティブコントロール信号圧が高いときにはポンプの流量を少なくし、信号圧が低いときにはポンプの流量を多くするネガティブコントロール制御をおこなっている。
40は、図3に示すように、CPU(中央演算処理装置)、メモリ等の各種電子電気機器を用いて構成されるコントローラであって、該コントローラ40には、ブーム角度センサ11で検知したブーム角度信号、ブームヘッド圧センサ12a、ブームロッド圧センサ12bで検知した圧力検知信号P、P、操作レバーによる各アクチュエータの操作信号等の各種の信号が入力するようになっており、そしてコントローラ40は、これら入力した各種の信号に基づいて前記各電磁比例弁31a、31b、32a、32b、33a、33b、34a、34b、35a、35b、36a、36b、37、38、39a、39bに対して必要な制御信号を出力し、これによってパイロット圧油の供給量を制御し、各対応する制御弁21a、21b、22、23a、23b、24a、24b、26、27、29a、29bの開度量制御(流量制御)を行うようになっていて本発明の流量制御手段を構成している。
さらにコントローラ40には、較正タスクS2を実施するためキャブC内に配した較正スイッチ41からの信号が入力するようになっていると共に、キャブC内のオペレータが視認可能な位置に配されるモニタ48、警報器(ブザー)49に対して必要な報知をするための信号を出力するように設定されている。
因みに較正スイッチ41はモニタ48に設けても良い。さらに後述する較正タスクによって特殊仕様のものに交換した場合の補正開度量の設定を、標準仕様のものと併せて特殊仕様のものごとに登録しておくことができ、そして特殊仕様から標準仕様に交換した場合や、前回登録した特殊仕様のものに交換したような場合には、登録したものを選択設定できるようにしておけば、較正タスクに入っての作業をいちいちしないでも開度量を補正することができる。
尚、図3では本発明とは直接関係がない走行制御、旋回制御についての記載は省略している。
図4は、コントローラ40における処理を示すメインタスクのフローチャートである。ここにおいてエンジン始動をすることでデータ読み込み等の初期設定がなされた後、必要な制御が開始されるが、まずコントローラ40では、判定器S1による判断が、較正スイッチ41がONであり、かつ全操作具(操作レバー)が中立である場合に較正タスクS2に入り、そうでない場合には通常制御タスクS3に入る。
そして、前述した較正タスクS2に入ると、図5に示すフローチャートのような制御が実施され、これによって較正制御が実行され、本発明の流量補正手段が構成されている。
まず処理S4では、モニタ48に較正タスクが開始されることを表示するとともにブザー49を所定時間のあいだ吹鳴してこれから較正タスクが実施されることをオペレータに報知する。
処理S5では、自動で(手動でも良い)、ブームシリンダ8L、8R、アームシリンダ9を伸縮して任意のシリンダ長に設定して該設定されたシリンダ長の姿勢に保持することになるが、本実施の形態では、ブームシリンダ8L、8R、アームシリンダ9の各シリンダ長を、バケット支軸7aの軸心高さがブーム支軸5aの軸心を通る第一水平線H上に位置し、かつ、バケット支軸7aの軸心がブーム支軸5aの軸心から最遠位置となる姿勢(本発明の第三姿勢)として本発明の第一姿勢と第三姿勢とを同一姿勢にしているが、本発明の第一姿勢はバケット7のモーメントを求めるためのものであるから、ブームシリンダ8L、8R、アームシリンダ9を第三姿勢とは異なる任意のシリンダ長にして第一姿勢と第三姿勢とが異なるようにしても実施することができる。
そして該第三姿勢における前記第一水平線Hと、ブーム支軸5aとアーム支軸6aとの軸心間を結ぶ直線Jとがなす角(第一ブーム角)αを読み込む。
処理S6では、ブーム5及びアーム6を第三の姿勢にしたままの状態で、バケットシリンダ10を縮小させてバケット7を上昇(前方に突出)させて、バケット重心Gが前記第一水平線Hよりも上に位置した姿勢(図6のA姿勢参照:実際にはバケット重心Gがどこにあるのか不明なので、バケットシリンダ10を最縮小させる)とし、この状態でエンジン16を停止する。次に、バケット流量制御弁22を、バケットシリンダ10が伸長する側であるX位置に僅かに切換える。するとバケットシリンダ10は、バケット7の自重を受けて緩やかに伸長していき、これによってバケット7が緩やかに下降していく。そしてバケット7は、バケット支軸7aの軸心とバケット重心Gとのあいだを結ぶ第一直線Eが、前記第一水平線Hと一致する姿勢を経てバケット軸心7aの軸心を通る鉛直線Vに一致する垂下姿勢(図6のB姿勢参照)となって停止する。このA姿勢からB姿勢に変姿するあいだのブームシリンダ8のヘッド側圧力P1およびロッド側圧力Pが最大となったときの圧力(Ph1、Pr1)、つまりバケット重心Gが第一水平線H上にあるときの圧力(センサ圧)をヘッド圧センサ12a、ロッド圧センサ12bで読込むとともに、垂下姿勢であるB姿勢になったときのブームシリンダ8のヘッド側圧力P、ロッド側圧力P(Ph2、Pr2)を読込む。この場合において、最大圧力(Ph1、Pr1)が読込まれるときの姿勢は、バケット軸心を支点とするバケット7が最大モーメント(第一最大モーメント)を呈する姿勢であり、また垂下姿勢であるB姿勢は、バケット軸心を支点とした場合のバケット7のモーメントが零となる姿勢である。但し、前述したようにバケット7の重心Gがどこにあるのか判らないので、ここではヘッド圧センサ12a、ロッド圧センサ12bでセンサ圧を測定し、これに基づいて後述するようにブーム軸心回りの最小モーメント(第一最小モーメント)を演算し、これらからバケット7のバケット軸心回りの最大モーメントを演算するようにしている。
尚、エンジン16を停止した場合には、通常このようにバケット流量制御弁22等の各種の弁を動かすことは出来ないが、較正タスクでは後述のものも含んで限定的にこのような弁の開閉操作が可能となるよう設定されている。また較正タスクにおいては、バケット7、アーム6、ブーム5の上昇はエンジン16が駆動していないとできないが、下降については自重降下でよいためエンジンは停止状態でも可能であり、以降、このような場合のエンジンの駆動、停止作業の記載については省略する。
処理S7では、自動(または手動)で、ブームシリンダ8L、8Rを伸長させてアーム6及びバケット7が自然垂下姿勢となってもバケット7の先端が地面に接触することがない任意の高さまでブーム5を上昇させる。このようにブームシリンダ8L、8Rのシリンダ長がアーム6及びバケット7を垂下姿勢にすることができる任意の長さに設定されたブームの姿勢(本実施の形態ではブームシリンダ8L、8Rが最長となった姿勢)を第二姿勢とし、該第二姿勢における前記水平線Hと、ブーム支軸5aとアーム支軸6aとの軸心同士のあいだを結ぶ直線Jとがなす角(第二ブーム角)αを読込む。
処理S8では、ブーム5を第二姿勢に維持した状態で、アーム用再生弁27を僅かにX位置に切り換えて再生油路を開くと共に、バケット流量制御弁22を僅かにX位置側に動かすと、アームシリンダ9およびバケットシリンダ10は、アーム6、バケット7の自重を受けて伸長していき、アーム支軸6aの軸心、バケット重心G、アーム重心Gを結ぶ第二直線Eがアーム支軸6aの軸心を通る鉛直線Vと一致する姿勢(図7のC姿勢)になって停止する。このC姿勢におけるヘッド側圧力P及びロッド側圧力P(Ph4、Pr4)のセンサ圧を読み込む。この圧力値に基づいて後述するようにバケット7が取付けられた状態のアーム6のブーム軸心回りの最小モーメント(第二最小モーメント)を演算して、バケット7が取付けられた状態のアーム6のアーム軸心回りの最小モーメントを演算するようにしている。
ついでバケットシリンダ10のシリンダ長をC姿勢のときの長さに維持した状態で、アームシリンダ9を縮小させて前記第二直線Eがアーム支軸6aの軸心を通る第二水平線Hよりも上位になる姿勢(図7のD姿勢:実際には第二直線Eは判らないので、アームシリンダ9を最縮小状態にする)にした状態で、アーム用再生弁27を再び僅かにX位置に動かすと、アームシリンダ9は、バケット7、アーム6の自重を受けてゆっくりと伸長し、これによってアーム6及びバケット7は、前記第二直線Eがアーム支軸6aの軸心を通る第二水平線Hと一致する状態を経て前記C姿勢まで降下する。このD姿勢からC姿勢に至るまでのブームシリンダ8のヘッド側圧力Pおよびロッド側圧力Pが最大となったときの最大圧力(Ph3、Pr3)、つまり第二直線Eが第二水平線Hと一致したときの圧力をヘッド圧センサ12a、ロッド圧センサ12bで読込む。この場合において、最大圧力(Ph3、Pr3)が読込まれるときの姿勢は、アーム軸心6aを支点とするバケット7の取付けられた状態のアーム6が最大モーメント(第二最大モーメント)を呈する姿勢であり、ここから後述するようにバケットが取付けられた状態のアーム6の最大モーメント(第二最大モーメント)を演算するようにしている。
処理S9では、モーメント演算手段によって、前記第二姿勢、第三姿勢(第一姿勢)でそれぞれ読込まれた各ヘッド側圧力P、ロッド側圧力Pに基づいて、ブーム支軸回り5aの各モーメントの演算がなされるが、これらモーメントMの演算方式は図8を用いて次に説明する。
図8において、ブーム支軸5aの軸心をO、アーム支軸6aの軸心をA、ブームシリンダ8のヘッド側支軸8aの軸心をB、ロッド側支軸8bの軸心をC、辺BCに対する軸心Oを通る垂線の辺BCとの交点をD、辺OAの長さをLOA、辺OBの長さをLOB、辺OCの長さをLOC、辺BCの長さ(ブームシリンダ8の長さ)をLBC、辺ODの長さをLODとする。尚、LOA、LOB、LOCは取付けられたブームによって決まる固定値である。
また、辺OCと辺OAとのなす角度をα、辺OBと軸心Oを基点とするアタッチメント方向の水平線Hとのなす角度をαとする。α、αもブームによって決まる固定値であり、これらの固定値は予めコントローラに入力されている。尚、ブーム5を標準のものから交換した場合には、その都度、交換したブームの各部材の寸法データから演算したものがコントローラ40に入力される。
そしていま、辺OAと支軸Oを通る水平線Hとのなす角度(本実施の形態ではブーム角度α及びαとして読込まれている)をαとすると、長さLBCは余弦定理から、
BC={(LOB +LOC −2・LOB・LOC・cos(α+α+α)}1/2 ・・・式(1)
で求められる。
ここで、△OBCの辺OBと辺BCがなす角度をθとすると、同じく余弦定理から、
OC =LOB +LBC −2・LOB・LBC・cosθ ・・・式(2)
ここから
θ=cos−1{(LOB +LBC −LOC )/2LOB・LBC} ・・・式(3)
ここで角度θが求められたことで、辺ODの長さLODは、
OD=LOB・sinθ ・・・式(4)
で求められる。LODは、支軸Oを支点とするモーメントアームの長さである。
一方、ブームシリンダ8の推力Fbmは、ブームシリンダ8のヘッド側圧力とロッド側圧力との差によって求められる。そこで、ブームシリンダ8のヘッド側受圧面積(2本分)をA、ロッド側受圧面積(2本分)をA、ブームシリンダ8のヘッド圧をP、ロッド圧をPとすると、推力Fbmは、
bm=A・P−A・P ・・・式(5)
で求められる。
従って、支軸5aの軸心回りのモーメントMbmは、
bm=LOD・Fbm ・・・式(6)
として求められる。
尚、以下の各モーメントMについても上記参考式から同様にして求められる。
前述したモーメントMの演算方式に基づいて第三姿勢(第一姿勢)における第一ブーム角αとA姿勢からB姿勢に変姿するあいだのブームシリンダ8のヘッド側圧力P、ロッド側圧力Pの最大圧力(Ph1、Pr1)からブーム軸心回りの第三最大モーメント(第一最大モーメント)Mbm1xを演算し、同様に第一ブーム角αとB姿勢でのヘッド側圧力P、ロッド側圧力P(Ph2、Pr2)からブーム軸心回りの第一最小モーメントMbm1nを求める(第三演算及び第一演算)。
また、第二姿勢の第二ブーム角αとD姿勢からC姿勢に変姿するあいだのブームシリンダ8のヘッド側圧力P、ロッド側圧力Pの最大圧力(Ph3、Pr3)からブーム軸心回りの第二最大モーメントMbm2xを演算し、同様に第二ブーム角αとC姿勢でのヘッド側圧力P、ロッド側圧力P(Ph4、Pr4)から第二最小モーメントMbm2nをそれぞれ求める(第二演算)。
処理10では、モーメント差値演算手段によって、前記モーメント演算手段によって求められた第一最大モーメントMbm1xと第一最小モーメントMbm1nとの差である第一差値(Mbm1x−Mbm1n)、第二最大モーメントMbm2xと第二最小モーメントMbm2nとの差である第二差値(Mbm2x−Mbm2n)を求める。ここで演算された第一差値はバケット7のバケット軸心回りの最大モーメントであり、第二差値はバケット7とアーム6とを組み合わせたときのアーム軸心回りの最大モーメントである。また前記演算された第一最大モーメントMbm1xは、バケット7、アーム6、ブーム5を組み合わせたときのブーム軸心回りの最大モーメント(第三最大モーメント)である。
処理S11では、前記モーメント演算手段及びモーメント差値演算手段によって求められた特殊仕様のものにおけるモーメント値と予め入力されている標準仕様のモーメント値との比較演算を行う。
まず、第一比較の演算によって、処理S10で求めた第一最大モーメントMbm1xと第一最小モーメントMbm1nとの差である第一差値(Mbm1x−Mbm1n)と、標準仕様のバケットのバケット軸心回りの最大モーメントである第一標準最大モーメントMbksとの比として求められる第一比較値Kbk(Kbk=(Mbm1x−Mbm1n)/Mbks)を求める。
次に、第二比較の演算によって、処理S10で求めた第二最大モーメントMbm2xと第二最小モーメントMbm2nとの差である第二差値(Mbm2x−Mbm2n)と標準仕様のバケットおよびアーム6を組み合わせたときのアーム軸心回りの最大モーメントである第二標準最大モーメントMamsとの比として求められる第二比較値Kam(Kam=(Mbm2x−Mbm2n)/Mams)を求める。
さらに、第三比較の演算によって、処理S9で求めた第三最大モーメント(第一最大モーメント)Mbm1xと、標準仕様のバケット7、アーム6、ブーム5を組み合わせたときのブーム軸心回りの第三標準最大モーメントMbmsとの比として求められる第三比較値Kbm(Kbm=Mbm1x/Mbms)を求める。
処理S12では、これら演算された第一、第二、第三比較値Kbk、Kam、Kbmから各シリンダに対する油の補正流量を設定することになるが、これについては後述する。
処理13では、このようにして較正が完了したことをモニタ48に表示するとともに、ブザー49を鳴らしてオペレータに知らせる。
尚、標準仕様のフロントアタッチメント4を装着したときのブーム支軸回りのモーメントMbmsおよび標準アームおよび標準バケットが取付けられた状態のブーム支軸回りのモーメントMams、標準バケットが取付けられた状態のブーム支軸回りのモーメントMbksについては予め判っている場合が多く、この場合にはこれらのデータを予めコントローラ40に入力しておけばよいが、判っていない場合には標準フロントアタッチメントを装着して上記の手法で計測した演算したデータを用いることもできる。
前述の処理S12では、処理S11で各比較をすることによって求められたモーメントの第一、第二、第三比較値Kbk、Kam、Kbmから、フロントアタッチメント4を特殊仕様のものに交換した場合における各シリンダへの補正流量が設定される。この補正流量は、第一、第二センターバイパス制御弁29a、29b、ブーム用第一、第二流量制御弁23a、23b、アーム用第一、第二流量制御弁24a、24b、バケット用流量制御弁22、ブーム用再生弁26、アーム用再生弁27の各制御弁の開度量の補正であり、コントローラ40は該補正された開度量に基づいてこれら各制御弁に対する開閉制御を実行するための流量制御手段を備えている。以下詳述する。
まず、フロントアタッチメント4を標準仕様から特殊仕様のものに交換した場合の操作レバーの操作量に対する各制御弁の開度量補正について図9〜図11に基づいて説明する。
図9は、フロントアタッチメント4が、標準仕様のものから特殊仕様に交換された場合において、操作レバーによってブーム上昇、アーム上昇、バケット上昇の各操作がなされた場合における操作レバーの操作量と該操作量に応じた第一、第二センターバイパス制御弁29a、29bの開度量との関係を示したものであるが、第一、第二センターバイパス制御弁29a、29bは、フロントアタッチメント4を反重力方向に作動させる場合にのみ流量制御がなされるものであるため、この場合のみ開度量の補正がなされる。
図9において、破線は標準仕様のフロントアタッチメントが取付けられた場合、実線は特殊仕様のものに交換して第一差値、第二差値、第三最大モーメントが第一、第二、第三標準最大モーメントよりも大きい場合、一点鎖線は特殊仕様のものに交換して第一差値、第二差値、第三最大モーメントが第一、第二、第三標準最大モーメントよりも小さい場合のセンターバイパス制御弁29a、29bの補正開度量を説明している(後述する図10、図11についても同じ。)。
前記交換されたフロントアタッチメント4の各モーメントが標準仕様の各モーメントよりも大きい場合は、レバー操作したときの各シリンダの作動開始タイミングが標準仕様の場合よりも遅くなる。そこで操作レバーを同じ操作位置に位置させたときに、第一、第二センターバイパス制御弁29a、29bの開度量が標準仕様の場合よりも減少しているように補正し、これによってネガティブコントロール信号圧の下降のタイミングを標準仕様の場合よりも早くして、第一、第二メインポンプ14、15から各シリンダ8、9、10への圧油供給量が標準仕様の場合に比べて多くなるようにし、標準仕様のものと同じレバー操作位置で各シリンダ8、9、10が動き始めるように補正している。
逆に、前記交換されたフロントアタッチメント4の各モーメントが標準仕様の各モーメントよりも小さい場合は、レバー操作したときの各シリンダの作動開始タイミングが標準仕様の場合よりも早くなる。そこで操作レバーを同じ操作位置に位置させたときに、第一、第二センターバイパス制御弁29a、29bの開度量が標準仕様の場合よりも増大しているよう補正し、これによってネガティブコントロール信号圧の下降のタイミングを標準仕様の場合よりも遅くして、第一、第二メインポンプ14、15から各シリンダ8、9、10への圧油供給量が標準仕様の場合に比べて少なくなるようにし、標準仕様のものと同じレバー操作位置で各シリンダ8、9、10が動き始めるように補正している。
図10はフロントアタッチメント4を標準仕様のものから特殊仕様に交換した場合において、フロントアタッチメント4を上昇作動(反重力方向の作動)させたときの操作レバーの操作量と各流量制御弁の開度量の関係を説明しており、また図11は同じくフロントアタッチメント4を標準仕様のものから特殊仕様に交換した場合において、フロントアタッチメント4を下降作動(重力方向の作動)させたときの操作レバーの操作量と各流量制御弁及び各再生弁の開度量の関係を説明している。
図10においては、前述したように、破線は標準仕様、実線及び一点鎖線はそれぞれ特殊仕様の場合におけるブーム5、アーム6、バケット7の各流量制御弁の開度量を説明している。
特殊仕様のフロントアタッチメント4における各モーメントが標準仕様のものの各モーメントよりも大きい場合は、各フロントアタッチメント4を反重力方向に操作しようとしたときは、レバー操作したときの各シリンダの作動開始タイミングが標準仕様の場合よりも遅くなる。そこで操作レバーを同じ操作位置に位置させたときに、バケット、アーム、ブームの各流量制御弁22、23a、23b、24a、24bの開度量が標準仕様の場合よりも増大しているように補正し、これによって各シリンダ8、9、10への圧油供給量(P→C)が標準仕様の場合に比べて多くなるようにして、作動速度が遅くなることを相殺する一方で、各シリンダ23a、23b、24a、24b、22から油タンク17への排出流量(C→T)についても多くなるようにするため、標準仕様の場合よりも開度量が増大するよう補正している。
逆に、前記交換されたフロントアタッチメント4の各モーメントが標準仕様の各モーメントよりも小さい場合は、レバー操作したときの各シリンダの作動開始タイミングが標準仕様の場合よりも早くなる。そこで操作レバーを同じ操作位置に位置させたときに、バケット、アーム、ブームの各流量制御弁22、23a、23b、24a、24bの開度量が標準仕様の場合よりも減少しているように補正し、これによって各シリンダ8、9、10への圧油供給量(P→C)が標準仕様の場合に比べて少なくなるようにして、作動速度が速くなることを相殺する一方で、各シリンダ23a、23b、24a、24b、22から油タンク17への排出流量(C→T)についても少なくなるようにするため、標準仕様の場合よりも開度量が減少するよう補正している。
図11においても、図9、10と同様に、破線は標準仕様、実線及び一点鎖線はそれぞれ特殊仕様の場合におけるブーム5、アーム6、バケット7の各流量制御弁の開度量を説明している。
特殊仕様のフロントアタッチメント4における各モーメントが標準仕様のものの各モーメントより大きい場合は、各フロントアタッチメント4を重力方向に操作しようとしたときは、各流量制御弁22、23a、23b、24a、24bの開度が同じであれば、標準仕様の場合よりも作動速度が速くなる。そこで操作レバーを同じ操作位置に位置させたときに、バケット、アーム、ブームの各流量制御弁22、23a、23b、24a、24bの開度量が標準仕様の場合よりも減少しているとともに、ブーム用、アーム用再生弁26、27の開度量も標準仕様の場合よりも減少しているように補正し、これによって各シリンダ8、9、10への圧油供給量(P→C)が標準仕様の場合に比べて少なくなるようにして、作動速度が速くなることを相殺する一方で、各シリンダ23a、23b、24a、24b、22から油タンク17への排出流量(C→T)についても少なくなるようにするため、標準仕様の場合よりも開度量が減少するよう補正している。
逆に、前記交換されたフロントアタッチメント4における各モーメントが標準仕様のものの各モーメントより小さい場合は、各フロントアタッチメント4を重力方向に操作しようとしたときは、各流量制御弁22、23a、23b、24a、24bの開度が同じであれば、標準仕様の場合よりも作動速度が遅くなる。そこで操作レバーを同じ操作位置に位置させたときに、バケット、アーム、ブームの各流量制御弁22、23a、23b、24a、24bの開度量が標準仕様の場合よりも増大しているとともに、ブーム用、アーム用再生弁26、27の開度量も標準仕様の場合よりも増大しているように補正し、これによって各シリンダ8、9、10への圧油供給量(P→C)が標準仕様の場合に比べて多くなるようにして、作動速度が遅くなることを相殺する一方で、各シリンダ23a、23b、24a、24b、22から油タンク17への排出流量(C→T)についても多くなるようにするため、標準仕様の場合よりも開度量が増大するよう補正している。
尚、図11において、再生弁は、ブーム5及びアーム6に取付けられていてバケット7には取付けられていないので、バケット7の場合には再生弁の開度量の補正がないものとする。
このようなレバー操作量に対応する補正流量(補正された開度量)は、前記演算される第一、第二、第三モーメント比較値Kbk、Kam、Kbmの大小に基づいて変化することになるが、レバー操作量と補正開度量との関係は、図12に示すようにモーメント比較値の大きさに基づいて複数の関数f(1)、f(2)、・・・、f(x)として予め設定されており、これら関数がマップ化されたものとしてコントローラ40に予め登録されている。そしてコントローラ40は、前記処理S12で演算された第一、第二、第三モーメント比較値Kbk、Kam、Kbmに基づいて最適の関数f(i)を選択し、該選択された関数f(i)に基づいて各対応する制御弁の開度量制御を実行するようになっている。尚、図12における関数fの関係図はセンターバイパス制御弁の場合を例として挙げているが、これらの関数fは、各制御弁毎に任意に設定されるものであることは言うまでもない。
図13は第一、第二センターバイパス制御弁29a、29bの開度量制御についての説明であるが、ここにおいてコントローラ40に設けられる第一制御演算部50に前記演算された第一、第二、第三比較値Kbk、Kam、Kbmが入力されることになるが、第一、第二センターバイパス制御弁設定器51、52は、前記入力された第三比較値Kbmに基づき、予め設定登録された第一、第二センターバイパス制御弁29a、29bの各関数f(xbm1)、f(xbm2)のなかからそれぞれ最適の関数f(ibm1)、f(ibm2)を選択する。
同様に、第三センターバイパス制御弁設定器53は、前記入力された第一比較値Kbkに基づき、予め設定登録された第一センターバイパス制御弁29aの関数f(xbk1)のなかから最適の関数f(ibk1)を選択し、また第四、第五センターバイパス制御弁設定器54、55は、前記入力された第二比較値Kamに基づき、予め設定登録される第一、第二センターバイパス制御弁29b、29aの関数f(xam1)、f(xam2)のなかから最適の関数f(iam1)、f(iam2)を選択する。
さらに第一制御演算部50は、前記各関数が選択された状態で、ブーム上昇操作信号42が入力されると、第一、第二センターバイパス制御弁設定器51、52は選択された関数f(ibm1)、f(ibm2)に基づいて第一、第二センターバイパス制御弁29aの補正開度量を演算する。ここで演算される補正開度量は、第三比較値Kbmにおける第三最大モーメントMbm1xが第三標準最大モーメントMbmsより大きい場合は標準仕様での開度量より増大し、逆に小さい場合は標準仕様での開度量より減少している。そして第一、第二センターバイパス制御弁設定器51、52は、補正開度量が増大していると判断した場合には、該補正開度量を第一、第二最小値選択器56a、57aにそれぞれ出力し、減少していると判断した場合には、該補正開度量を第一、第二最大値選択器56b、57bにそれぞれ出力する。
同様にしてバケット上昇操作信号47が入力されると、第三センターバイパス制御弁設定器53は、選択された関数f(ibk1)に基づいて第一センターバイパス制御弁29aの補正開度量を演算し、そして第一比較値Kbkにおける第一差値(Mbm1x−Mbm1n)が第一標準最大モーメントMbksより大きい場合には標準仕様のものより増大した補正開度量を第一最小値選択器56aに出力し、小さい場合には標準仕様のものより減少した補正開度量を第一最大値選択器56bに出力する。
同様にアーム上昇操作信号45が入力されると、第四、第五センターバイパス制御弁設定器54、55は、選択された関数f(iam1)、f(iam2)に基づいて第一、第二センターバイパス制御弁29a、29bの補正開度量をそれぞれ演算し、そして第二比較値Kamにおける第二差値(Mbm2x−Mbm2n)が第二標準最大モーメントMamsより大きい場合には標準仕様のものより増大した補正開度量を第一、第二最小値選択器56a、57aにそれぞれ出力し、小さい場合には標準仕様のものより減少した補正開度量を第一、第二最大値選択器56b、57bにそれぞれ出力する。
このような出力がなされることによって、第一、第二最小値選択器56a、57aには、第一差値(Mbm1x−Mbm1n)、第二差値(Mbm2x−Mbm2n)、第三最大モーメントMbm1xがそれぞれ第一、第二、第三標準最大モーメントMbks、Mams、Mbmsよりも大きい場合の第一、第二センターバイパス制御弁29a、29bの補正開度量が入力され、第一、第二最大値選択器57a、57bには第一差値(Mbm1x−Mbm1n)、第二差値(Mbm2x−Mbm2n)、第三最大モーメントMbm1xがそれぞれ第一、第二、第三標準最大モーメントMbks、Mams、Mbmsよりも小さい場合の第一、第二センターバイパス制御弁29a、29bの補正開度量が入力される。
そして第一最小値選択器56aでは、前記第一、第三、第五センターバイパス制御弁設定器51、53、54から入力された第一センターバイパス制御弁29aの開度量から最小値を選択して第一信号変換器58に出力し、第二最小値選択器57aでは、第二、第四センターバイパス制御弁設定器52、55から入力された第二センターバイパス制御弁29bの開度量から最小値を選択して第二信号変換器59に出力する。同様に、第一最大値選択器56bでは、前記第一、第三、第五センターバイパス制御弁設定器51、53、54から入力された第一センターバイパス制御弁29aの開度量から最大値を選択して第一信号変換器58に出力し、第二最大値選択器57bでは、第二、第四センターバイパス制御弁設定器52、55から入力された第二センターバイパス制御弁29bの開度量から最大値を選択して第二信号変換器59に出力する。
第一信号変換器58では、第一最小値選択器56a或いは第一最大値選択器56bから入力された開度量を電磁比例弁指令信号に変換して、第一センターバイパス制御弁用電磁比例弁39aへ指令信号として出力する。また、第二信号変換器59では、第二最小値選択器57a或いは第二最大値選択器57bから入力された開度量を電磁比例弁指令信号に変換して、第二センターバイパス制御弁用電磁比例弁39bへ指令信号として出力する。これらの出力により、第一、第二センターバイパス制御用電磁比例弁39a、39bの開度量制御がなされ、これに基づいて第一、第二センターバイパス制御弁29a、29bの開度量補正制御が実行される。
また、コントローラ40では、図14に示されるように、第三比較値Kbmが第二制御演算部60に入力されると、第一ブーム用流量制御弁設定器61は、第一ブーム用流量制御弁23aのブーム上昇時における開度量を示す関数f(xbm3)のなかから最適の関数f(ibm3)を選択し、第二ブーム用流量制御弁設定器62は、第二ブーム用流量制御弁23bのブーム上昇時における開度量を示す関数f(xbm4)のなかから最適の関数f(ibm4)を選択する。また、第三ブーム用流量制御弁設定器63は、第一ブーム量流量制御弁23aのブーム下降時における開度量を示す関数f(xbm5)のなかから最適の関数f(ibm5)を選択し、第四ブーム用流量制御弁設定器64は、ブーム下降時におけるブーム用再生弁26の開度量を示す関数f(xbm6)のなかから最適の関数f(ibm6)を選択する。
そして、前記各関数が選択された状態で、ブーム上昇操作信号42が入力されると、第一、第二ブーム用流量制御弁設定器61、62は、選択された関数f(ibm3)、f(ibm4)に基づいて第一、第二ブーム用流量制御弁23a、23bの補正開度量を演算し、該補正開度量を第三、第四信号変換器65、66にそれぞれ出力する。また、ブーム下降操作信号43が入力されると、第三ブーム用流量制御弁設定器63、第四ブーム用再生弁設定器64は選択された関数f(ibm5)、f(ibm6)に基づいて第一ブーム用流量制御弁23a、ブーム用再生弁26の補正開度量を演算し、該補正開度量を第五、第六信号変換器67、68にそれぞれ出力する。
第三〜第六信号変換器65〜68では、第一〜第三ブーム用流量制御弁設定器61〜63及び第四ブーム用再生弁設定器64から入力された開度量を電磁比例弁指令信号に変換して、ブーム上昇用第一、第二電磁比例弁33a、33c、ブーム下降用第一電磁比例弁33b、ブーム下降用再生電磁比例弁37への指令信号として出力する。これらの出力により、ブーム上昇用第一、第二電磁比例弁33a、33c、ブーム下降用第一電磁比例弁33b、ブーム下降用再生電磁比例弁37の開度量制御がなされ、これに基づいて第一、第二ブーム用流量制御弁23a、23b、ブーム用再生弁26の開度量補正制御が実行される。
そして、補正開度量の電気信号が入力された各電磁比例弁では、該補正開度量信号に基づいて、特殊仕様のブーム5の第三最大モーメントが第三標準最大モーメントよりも大きい場合は、ブーム上昇操作時にはブーム用第一、第二流量制御弁23a、23bのX位置における開度量を標準仕様のブーム装着の場合よりも増加させ、ブーム下降操作時にはブーム用第一流量制御弁のY位置における開度量およびブーム用再生弁26の開度量を標準仕様のブーム装着の場合よりも減少させる。また、特殊仕様のブーム5の第三最大モーメントが第三標準最大モーメントよりも小さい場合は、重い場合とは逆にブーム上昇操作時にはブーム用第一、第二流量制御弁23a、23bのX位置における開度量を標準仕様のブーム装着の場合よりも減少させ、ブーム下降操作時にはブーム用第一流量制御弁23aのY位置における開度量およびブーム用再生弁26の開度量を標準仕様のブーム装着の場合よりも増加させる。
また、コントローラ40では、図15に示されるように、第二比較値Kamが第三制御演算部69に入力されると、第一アーム用流量制御弁設定器70は、第一アーム用流量制御弁24aのアーム下降時における開度量を示す関数f(xam3)のなかから最適の関数f(iam3)を選択し、第二アーム用流量制御弁設定器71は、アーム用第二流量制御弁24bのアーム下降時における開度量を示す関数f(xam4)のなかから最適の関数f(iam4)を選択する。また、第三アーム用流量制御弁設定器72は、アーム下降時におけるアーム用再生弁27の開度量を示す関数f(xam5)のなかから最適の関数f(iam5)を選択する。そして、第四アーム用流量制御弁設定器73は、第一アーム用流量制御弁24aのブーム上昇時における開度量を示す関数f(xam6)のなかから最適の関数f(iam6)を選択し、第五アーム用流量制御弁設定器74は、第二アーム用流量制御弁24bのアーム下降時における開度量を示す関数f(xam7)のなかから最適の関数f(iam7)を選択する。
そして、前記各関数が選択された状態で、アーム下降操作信号44が入力されると、第一アーム用流量制御弁設定器70は関数f(iam3)に基づいてアーム用第一流量制御弁24aのアーム下降時における開度量を演算して第七信号変換器75に出力し、第二アーム用流量制御弁設定器71は関数f(iam4)に基づいてアーム用第二流量制御弁24bのアーム下降時における開度量を演算して第八信号変換器76に出力するとともに、第三アーム用再生弁設定器72は関数f(iam5)に基づいてアーム用再生弁27のアーム下降時における開度量を演算して第九信号変換器77に出力する。
また、アーム上昇操作信号45が入力されると、第四アーム用流量制御弁設定器73は関数f(iam6)に基づいてアーム用第一流量制御弁24aのアーム上昇時における開度量を演算して第十信号変換器78に出力し、第五アーム用流量制御弁設定器74は関数f(iam7)に基づいてアーム用第二流量制御弁24bのアーム上昇時における開度量を演算して第十一信号変換器79に出力する。
第七〜第十一信号変換器75〜79では、第一、第二、第四、第五アーム用流量制御弁設定器70、71、73、74、75及び第三アーム用再生弁設定器72によって演算された各流量制御弁の開度量をそれぞれ電磁比例弁指令信号に変換してアーム下降用第一、第二電磁比例弁34a、34c、アーム下降用再生電磁比例弁38、アーム上昇用第一、第二電磁比例弁34b、34dへの指令信号として出力する。
そして、補正開度量の電気信号が入力された各電磁比例弁では、該補正開度量信号に基づいて、特殊仕様のアーム6の第二差値が第二標準最大モーメントよりも大きい場合は、アーム下降操作時にはアーム用第一、第二流量制御弁24a、24bのX位置における開度量及びアーム用再生弁27の開度量を標準仕様のアーム装着の場合よりも減少させ、アーム上昇操作時にはアーム用第一、第二流量制御弁のY位置における開度量を標準仕様のブーム装着の場合よりも増加させる。また、特殊仕様のアーム6の第二差値が第二標準最大モーメントよりも小さい場合は、重い場合とは逆にアーム下降操作時にはアーム用第一、第二流量制御弁24a、24bのX位置における開度量及びアーム用再生弁27の開度量を標準仕様のアーム装着の場合よりも増加させ、アーム上昇操作時にはアーム用第一、第二流量制御弁24a、24bのY位置における開度量を標準仕様のアーム装着の場合よりも減少させる。
また、コントローラ40では、図16に示されるように、第一比較値Kbkが第四制御演算部80に入力されると、第一バケット用流量制御弁設定器81は、バケット用流量制御弁22のバケット下降時における開度量を示す関数f(xbk2)のなかから最適の関数f(ibk2)を選択し、第二バケット用流量制御弁設定器82は、バケット用流量制御弁22のバケット上昇時における開度量を示す関数f(xbk3)のなかから最適の関数f(ibk3)を選択する。
そして、前記各関数が選択された状態で、バケット下降操作信号46が入力されると、第一バケット用流量制御弁設定器81は関数f(ibk2)に基づいてバケット用流量制御弁22のバケット下降時における開度量を演算して第十二信号変換器83に出力し、バケット上昇操作信号47が入力されると、第二バケット用流量制御弁設定器82は関数f(ibk3)に基づいてバケット用流量制御弁22のバケット上昇時における開度量を演算して第十三信号変換器84に出力する。
第十二、第十三信号変換器83、84では、第一、第二バケット用流量制御弁設定器81、82によって演算されたバケット用流量制御弁22の開度量をそれぞれ電磁比例弁指令信号に変換してバケット下降用電磁比例弁32a、バケット上昇用電磁比例弁32bへの指令信号として出力する。
そして、補正開度量の電気信号が入力された各電磁比例弁では、該補正開度量信号に基づいて、特殊仕様のバケット7の第一差値が標準仕様の第一標準最大モーメントよりも大きい場合は、バケット下降操作時にはバケット用流量制御弁22のX位置における開度量を標準仕様のブーム装着の場合よりも減少させ、バケット上昇操作時にはバケット用流量制御弁のY位置における開度量を標準仕様のブーム装着の場合よりも増加させる。また、特殊仕様のバケット7の第一差値が標準仕様の第一標準最大モーメントよりも小さい場合は、重い場合とは逆にバケット下降操作時にはバケット用流量制御弁22のX位置における開度量を標準仕様のバケット装着の場合よりも増加させ、バケット上昇操作時にはバケット用流量制御弁22のY位置における開度量を標準仕様のバケット装着の場合よりも減少させる。
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、フロントアタッチメント4の一部を標準仕様のものから重量や重心位置が異なる特殊仕様のものに交換した場合に、各流量制御弁の開度量を補正することによって各シリンダ8、9、10への流量補正をし、標準仕様のものと近しいレバー操作の操作量で特殊仕様のフロントアタッチメント4を操作できるようにしたものであるが、該開度量補正は、較正タスクS2によってフロントアタッチメント4を第一姿勢(第三姿勢)にした状態でバケット7を揺動して計測された圧力値に基づいて演算されるブーム軸心回りの第一最大、第一最小モーメントの差値である第一差値からバケット7のバケット軸心回りの最大モーメントを演算し、次にフロントアタッチメント4を第二姿勢にした状態でバケット7及びアーム6を揺動して計測された圧力値に基づいて演算されるブーム軸心回りの第二最大、第二最小モーメントの差値である第二差値からバケット付きアーム6のアーム軸心回りの最大モーメントを演算し、さらに前記第三姿勢で計測された圧力値に基づいて演算されるブーム軸心回りの第三最大モーメントからバケット付きアーム6が取付けられた状態のブーム5のブーム軸心回りの最大モーメントを演算し、これら演算された第一差値、第二差値、第三最大モーメントと第一、第二、第三標準最大モーメントとをそれぞれ比較して求められた第一比較値Kbk、第二比較値Kam、第三比較値Kbmによって補正開度量を設定し、該設定された補正開度量によって各シリンダの流量補正をするものであるから、これによってフロントアタッチメント4の少なくとも一つを標準仕様のものから特殊仕様のものに交換したときにフロントアタッチメント4の重量や重心位置が標準仕様のものとは異なっていたとしても、精度の高い補正ができることになってレバーの操作性を標準仕様のものと近しいものにできて、油圧ショベルの操作性に違和感を生じることを低減できる。
そして、バケット7のバケット軸心回りの最大モーメントを演算する場合の第一姿勢は、ここではバケット軸心がブーム軸心と同高さでかつバケット軸心がブーム軸心から最遠位置にある第三姿勢と同じ姿勢にしたため、第一姿勢が第三姿勢に兼用されることになって較正するときの作業が省略できるうえ、第一最大モーメントと第三最大モーメントとの演算が同時に出来てモーメント演算も単純化できることになる。
しかも前記特殊仕様にした場合の油の流量制御は、第一、第二センターバイパス制御弁29a、29b、バケット用流量制御弁22、アーム用第一、第二流量制御弁24a、24b、ブーム用第一、第二流量制御弁23a、23b、ブーム用再生弁26、アーム用再生弁27のそれぞれの開度量を補正することによって行われるため、バケット7、アーム6、ブーム5の各シリンダに対する油の流量制御が特殊仕様の各フロントアタッチメント4に対応したものに補正されることになって、特殊仕様のものに適合した効率の良い油の流量制御を行うことができる。
さらに、第一、第二センターバイパス制御弁29a、29bは、フロントアタッチメント4が上昇操作される場合だけ開度量補正がなされて各シリンダへの流量制御が行われるが、該補正開度量は、第一、第二、第三比較値Kbk、Kam、Kbmに応じてバケット7、アーム6、ブーム5のそれぞれに設定され、該それぞれ設定された補正開度量のなかから、それぞれ第一差値、第二差値、第三最大モーメントが、第一、第二、第三標準最大モーメントよりも大きい場合は、最も小さい補正開度量が選択され、第一、第二、第三標準最大モーメントよりも小さい場合は、最も大きい補正開度量が選択されるため、特殊仕様のフロントアタッチメントが標準仕様のものと比べて重量や重心位置が異なるものであっても該特殊仕様のものに対応した各シリンダへの流量制御を行うことができて、特殊仕様のフロントアタッチメントを上昇方向に操作する場合の操作タイミングが遅くなったり早くなったりする現象を標準仕様のものの操作性と近しいものにでき操作性に違和感が発生することを低減し、操作性が向上する。
また、バケット用流量制御弁22は、第一比較値Kbkに応じて補正開度量が設定され、該補正開度量によってバケットシリンダ10への流量制御が行われるが、該補正開度量は、第一比較値Kbkに応じて設定されるため、特殊仕様のバケット7に応じた流量制御を行うことができる。つまり、第一差値が第一標準最大モーメントと比較して大きい場合は、操作レバーによる操作がバケット7を下降させるものであれば標準仕様のものよりも開度量を減少させ、上昇させるものであれば増大させる。逆に、第一差値が第一標準最大モーメントと比較して小さい場合は、操作レバーによる操作がバケット7を下降させるものであれば標準仕様のものよりも開度量を増大させ、上昇させるものであれば標準仕様のものよりも減少させる。このように特殊仕様のバケットと標準仕様のバケットとの最大モーメントを比較することによってバケット用流量制御弁22の開度量補正を行うため、特殊仕様のバケットや他の作業機に交換した場合に、レバー操作した場合のバケット作動が速くなったり遅くなったりする現象を標準仕様のものの操作性と近しいものに修正できることになって、操作性に違和感が発生することを低減し、操作性が向上する。
また、アーム用流量制御弁24a、24bは、第二比較値Kamに応じて補正開度量が設定され、該補正開度量によってアームシリンダ10への流量制御が行われるが、該補正開度量は、第二比較値Kamに応じて設定されるため、特殊仕様のアーム6に応じた流量制御を行うことができる。つまり、第二差値が第二標準最大モーメントと比較して大きい場合は、操作レバーによる操作がアーム6を下降させるものであれば標準仕様のものよりも開度量を減少させ、上昇させるものであれば増大させる。逆に、第二差値が第二標準最大モーメントと比較して小さい場合は、操作レバーによる操作がアーム6を下降させるものであれば標準仕様のものよりも開度量を増大させ、上昇させるものであれば標準仕様のものよりも減少させる。このように特殊仕様のアームと標準仕様のアームとの最大モーメントを比較することによってアーム用流量制御弁24a、24bの開度量補正を行うため、特殊仕様のバケット7やアーム6を単独で交換した場合や、アーム6及びバケット7の両者交換した場合に、レバー操作した場合のアーム作動が速くなったり遅くなったりする現象を標準仕様のものの操作性と近しいものに修正できることになって、操作性に違和感が発生することを低減し、操作性が向上する。
また、ブーム用流量制御弁23a、23bは、第三比較値Kbmに応じて補正開度量が設定され、該補正開度量によってブームシリンダ8への流量制御が行われるが、該補正開度量は、第三比較値Kbmに応じて設定されるため、特殊仕様に応じた流量制御を行うことができる。つまり、第三最大モーメントが第三標準最大モーメントと比較して大きい場合は、操作レバーによる操作がブーム6を上昇させるものであれば標準仕様のものよりも開度量を増大させ、下降させるものであれば減少させる。逆に、第三最大モーメントが第三標準最大モーメントと比較して小さい場合は、操作レバーによる操作がブーム6を上昇させるものであれば標準仕様のものよりも開度量を減少させ、下降させるものであれば標準仕様のものよりも増大させる。このように特殊仕様のブームと標準仕様のブームとの最大モーメントを比較することによってブーム用流量制御弁23a、23bの開度量補正を行うため、バケット7、アーム6、ブーム5を単独で交換した場合、バケット7、アーム6、ブーム5のうちの二者を交換した場合、あるいは三者を交換した場合に、レバー操作した場合のブーム作動が速くなったり遅くなったりする現象を標準仕様のものの操作性と近しいものに修正できることになって、操作性に違和感が発生することを低減し、操作性が向上する。
また、ブーム用再生弁26、アーム用再生弁27は、それぞれ第三比較値Kbm、第二比較値Kamに応じて補正開度量が設定され、該補正開度量によってブーム5、アーム6の下降操作におけるブームシリンダ8、アームシリンダ9への流量制御が行われるが、該補正開度量は、第三比較値Kbm、第二比較値Kamに応じて設定されるため、特殊仕様のブーム5、アーム6に応じた流量制御を行うことができる。つまり、ブーム5或いはアーム6を下降操作する場合、それぞれ第三最大モーメント、第二差値が第三標準最大モーメント、第二標準最大モーメントと比較して大きい場合は、開度量を減少させ、小さい場合は開度量を増大させる。このように特殊仕様のブーム、アームと標準仕様のブーム、アームとの最大モーメントをそれぞれ比較することによってブーム用再生弁26、アーム用再生弁27の開度量補正を行うため、特殊仕様のフロントアタッチメント4に交換した場合、レバー操作した場合のアームやアーム作動が速くなったり遅くなったりする現象を標準仕様のものの操作性と近しいものに修正できることになって、操作性に違和感が発生することを低減し、操作性が向上する。
尚、本発明は、前記実施の形態に限定されるものでないことは勿論であって、バケットシリンダの油路に、アームシリンダのように再生弁を設けたものにあっては、第一最大、最小モーメントを演算するため該再生弁の開成によってバケットをバケット軸心回りに回動させても良い。またアームシリンダに再生弁が設けられていないものにあっては、第二最大、最小モーメントを演算するためアーム用流量制御弁の開成をしてバケット、アームを組み合わせたものをアーム軸心回りに回動させても良い。
本発明は、圧油供給により作動する作業アタッチメンを標準仕様のものから特殊仕様のものに交換した場合に作業アタッチメントの操作性を損なわないよう制御するための作業機械の分野に利用することができる。
1 油圧ショベル
5 ブーム
5a ブーム支軸
6 アーム
6a アーム支軸
7 バケット
7a バケット支軸
8L、8R ブームシリンダ
9 アームシリンダ
10 バケットシリンダ

Claims (11)

  1. 機体本体にブーム支軸を介して軸支され、ブームシリンダの作動で上下揺動するブームと、該ブームの先端にアーム支軸を介して軸支され、アームシリンダの作動で上下揺動するアームと、該アームの先端に作業部支軸を介して軸支され、作業部シリンダの作動で上下揺動する作業部とを備えて構成される作業アタッチメントの少なくとも一部が、標準仕様のものから特殊仕様のものに交換可能に構成され、
    前記各シリンダをそれぞれ伸縮作動させるべく操作具操作に基づいて制御弁の流量制御をする流量制御手段を備えた作業機械において、
    前記特殊仕様とした場合に該特殊仕様に対応した各シリンダに対する流量補正をする流量補正手段を設けるにあたり、
    該流量補正手段は、
    アームシリンダ、ブームシリンダを任意の長さに設定して第一姿勢に保持した状態で、作業部を自然状態に垂下したときのブーム軸心回りのモーメントである第一最小モーメントと、作業部をアームに対して自重降下させたときの全降下過程で最大になるブーム軸心回りの第一最大モーメントとを演算する第一演算と、
    ブームシリンダを任意の長さに設定して第二姿勢に保持した状態で、作業部及びアームを自然状態に垂下したときのブーム軸心回りのモーメントである第二最小モーメントと、作業部シリンダ長を前記垂下姿勢になった状態に維持して作業部及びアームをブームに対して自重降下させたときの全降下過程で最大になるブーム軸心回りの第二最大モーメントとを演算する第二演算と、
    作業部軸心がブーム軸心と同高さでかつ作業部軸心がブーム軸心から最遠位置にある第三姿勢にした状態で、作業部をアームに対して自重降下させたときの全降下過程で最大になるブーム軸心回りの第三最大モーメントとを演算する第三演算と、をするモーメント演算手段と、
    第一最大モーメントと第一最小モーメントとの差値である第一差値の演算と、第二最大モーメントと第二最小モーメントとの差値である第二差値の演算と、をするモーメント差値演算手段と、
    前記第一差値と標準仕様において作業部の作業部軸心回りの最大モーメントである第一標準最大モーメントとを比較することにより求められる第一比較値の演算と、
    前記第二差値と標準仕様において作業部がアームに取付けられた状態でのアーム軸心回りの最大モーメントである第二標準最大モーメントとを比較することにより求められる第二比較値の演算と、
    前記第三最大モーメントと標準仕様において作業部付きアームがブームに取付けられた状態でのブーム軸心回りの最大モーメントである第三標準最大モーメントとを比較することにより求められる第三比較値の演算と、をする比較値演算手段と、
    前記演算された第一比較値、第二比較値、第三比較値に基づいて各シリンダに対する補正流量の設定をする補正流量設定手段と、
    を備えて構成されていることを特徴とする作業機械の制御装置。
  2. 第一姿勢は第三姿勢と同一姿勢であり、第一最大モーメントは第三最大モーメントと同じであることを特徴とする請求項1記載の作業機械の制御装置。
  3. 前記流量制御手段により流量制御がなされる制御弁は、作業部用シリンダに対する流量制御をする作業部用流量制御弁、アーム用シリンダに対する流量制御をするアーム用流量制御弁、ブーム用シリンダに対する流量制御をするブーム用流量制御弁であり、
    前記各第一比較値、第二比較値、第三比較値に基づく各対応する流量制御弁の流量の補正は各流量制御弁の開度量の補正で行われることを特徴とする請求項1または2記載の作業機械の制御装置。
  4. 作業部用流量制御弁の開度量の補正は、
    第一差値が第一標準最大モーメントよりも大きい場合、作業部下降のときには減少し、作業部上昇のときには増大する方向の補正であり、
    逆に小さい場合、作業部下降のときには増大し、作業部上昇のときには減少する方向の補正であることを特徴とする請求項3に記載の作業機械の制御装置。
  5. アーム用流量制御弁の開度量の補正は、
    第二差値が第二標準最大モーメントよりも大きい場合、アーム下降のときには減少し、アーム上昇のときには増大する方向の補正であり、
    逆に小さい場合、アーム下降のときには増大し、アーム上昇のときには減少する方向の補正であることを特徴とする請求項3または4に記載の作業機械の制御装置。
  6. ブーム用流量制御弁の開度量の補正は、
    第三最大モーメントが第三標準最大モーメントよりも大きい場合、ブーム下降のときには減少し、ブーム上昇のときには増大する方向の補正であり、
    逆に小さい場合、ブーム下降のときには増大し、ブーム上昇のときには減少する方向の補正であることを特徴とする請求項3乃至5の何れか1に記載の作業機械の制御装置。
  7. 前記流量制御手段により流量制御がなされる制御弁は、作業部用流量制御弁、アーム用流量制御弁、ブーム用流量制御弁を通るセンターバイパス油路の下流側に設けられ、該センターバイパス油路の流量制御をするセンターバイパス制御弁であり、
    前記第一比較値、第二比較値、第三比較値に基づくセンターバイパス制御弁の流量の補正は、作業部上昇、アーム上昇、ブーム上昇させるときのみ行われるセンターバイパス制御弁の開度量の補正であり、
    該センターバイパス制御弁の開度量の補正は、第一差値、第二差値、第三最大モーメントが、それぞれ第一、第二、第三標準最大モーメントよりも大きい場合には減少し、小さい場合には増大する方向の補正であり、
    流量制御手段は、第一差値、第二差値、第三最大モーメントが、それぞれ第一、第二、第三標準最大モーメントよりも大きい場合には、作業部、アーム、ブームの各補正開度量のうちの最小の補正開度量を選択し、
    小さい場合には、作業部、アーム、ブームの各補正開度量のうちの最大の補正開度量を選択するようにしたことを特徴とする請求項3乃至6の何れか1に記載の作業機械の制御装置。
  8. 前記流量制御手段により流量制御がなされる制御弁は、ブーム用流量制御弁からブーム用シリンダに至る油路に設けられ、ブームが下降する際にブーム用シリンダのヘッド側油室の圧油をロッド側油室に供給するためのブーム用再生弁であり、
    前記第三比較値に基づくブーム用再生弁の流量の補正は、該ブーム用再生弁の開度量の補正で行われることを特徴とする請求項3乃至7の何れか1に記載の作業機械の制御装置。
  9. ブーム用再生弁の開度量の補正は、
    第三最大モーメントが第三標準最大モーメントよりも大きい場合には減少し、小さい場合には増大する方向の補正であることを特徴とする請求項8に記載の作業機械の制御装置。
  10. 前記流量制御手段により流量制御がなされる制御弁は、アーム用流量制御弁からアーム用シリンダに至る油路に設けられ、アームが下降する際にアーム用シリンダのロッド側油室の圧油をヘッド側油室に供給するためのアーム用再生弁であり、
    前記第二比較値に基づくアーム用再生弁の流量補正は、該アーム用再生弁の開度量の補正で行われることを特徴とする請求項3乃至9の何れか1に記載の作業機械の制御装置。
  11. アーム用再生弁の開度量の補正は、
    第二差値が第二標準最大モーメントよりも大きい場合には減少し、小さい場合には増大する方向の補正であることを特徴とする請求項10に記載の作業機械の制御装置。
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