以下図面を参照して、本発明に係るLED駆動回路について説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
図1は、本発明に係るLED駆動回路の概略説明図である。
LED駆動回路1は、商用交流電源(交流100V)10と接続する接続端子11、全波整流回路12、始端回路20、中間回路30、及び終端回路40、逆電流防止用ダイオード15及び16、定電流ダイオード17等から構成される。始端回路20、中間回路30、及び終端回路40は、全波整流回路12のプラス電源出力13及びマイナス電源出力14間に並列に接続されている。また、始端回路20及び中間回路30はダイオード15を介して接続されており、中間回路30及び終端回路40はダイオード16及び定電流ダイオード17を介して接続されている。
始端回路20は、複数のLEDを含む第1LEDブロック21、第1LEDブロック21を流れる電流を検出するための第1電流モニタ22、第1電流制御部23等を含んでいる。第1電流モニタ22は、第1LEDブロック21を流れる電流に応じて第1電流制御部23を流れる電流を制限するように動作する。
中間回路30は、複数のLEDを含む第2LEDブロック31、第2LEDブロック31を流れる電流を検出するための第2−1電流モニタ32及び第2−2電流モニタ34、第2−1電流制御部33、及び第2−2電流制御部35等を含んでいる。第2−1電流モニタ32は、第2LEDブロック31を流れる電流に応じて第2−1電流制御部33を流れる電流を調整するように制御し、第2−2電流モニタ34は、第2LEDブロック31を流れる電流に応じて第2−2電流制御部35を流れる電流を制限するように動作する。
終端回路40は、複数のLEDを含む第3LEDブロック41、第3LEDブロック41を流れる電流を検出するための第3電流モニタ42、第3電流制御部43等を含んでいる。第3電流モニタ42は、第3LEDブロック41を流れる電流に応じて第3電流制御部43を流れる電流を制限するように動作する。
図2は、図1に示すLED駆動回路1の具体的な回路例100を示す図である。なお、回路例100において、図1と同じ構成は同じ番号を付し、図1の各構成に対応する部分を点線で示している。
回路例100の接続端子11は、商用交流電源10と接続するためのものであって、LED駆動回路1がLED電球に使用される場合には、LED電球の口金として形成される。
全波整流回路12は、4つの整流素子D1〜D4から構成されるダイオードブリッジ式であって、プラス電源出力13及びマイナス電源出力14を有する。なお、全波整流回路12は、トランスによる変圧回路を含んだ全波整流回路であって良く、またセンタータップ付きのトランスを用いた二相全波整流回路であっても良い。
始端回路20の第1LEDブロック21は、直列に接続された10個のLEDを含んで構成されている。第1電流モニタ22は2つの抵抗R1及びR2と、トランジスタQ1を含んで構成され、第1電流制御部23は、P型MOSFETであるM1を含んで構成されている。第1LEDブロック21を流れる電流によって抵抗R1で生じる電圧降下を利用してトランジスタQ1のベース電圧を変化させる。トランジスタQ1のベース電圧が変化することによって、抵抗R2を流れるトランジスタQ1のエミッタ−コレクタ間電流に変化が起こり、それによってMOSFET M1のゲート電圧を調整して、MOSFET M1のソース−ドレイン間の電流を制限する構成となっている。
中間回路30の第2LEDブロック31は、直列に接続された12個のLEDを含んで構成されている。第2−1電流モニタ32は2つの抵抗R3及びR4と、トランジスタQ2を含んで構成され、第2−1電流制御部33は、N型MOSFETであるM2を含んで構成されている。第2LEDブロック31を流れる電流によって抵抗R3で生じる電圧降下を利用してトランジスタQ2のベース電圧を変化させる。トランジスタQ2のベース電圧が変化することによって、抵抗R4を流れるトランジスタQ2のコレクタ−エミッタ間電流に変化が起こり、それによってMOSFET M2のゲート電圧を調整して、MOSFET M2のソース−ドレイン間の電流を制限する構成となっている。第2−2電流モニタ34は2つの抵抗R5及びR6と、トランジスタQ3を含んで構成され、第2−2電流制御部35は、P型MOSFETであるM3を含んで構成されている。第2−2電流モニタ34及び第2−2電流制御部35の動作は、第1電流モニタ22及び第1電流制御部23と同様である。
終端回路40の第3LEDブロック41は、直列に接続された14個のLEDを含んで構成されている。第3電流モニタ42は2つの抵抗R7及びR8と、トランジスタQ4を含んで構成され、第3電流制御部43は、N型MOSFETであるM4を含んで構成されている。第3電流モニタ42及び第3電流制御部43の動作は、第2−1電流モニタ32及び第2−1電流制御部33と同様である。
回路例100では、第1LEDブロック21は10個のLEDが直列に接続されているので、第1の順電圧V1(10×Vf=10×3.2=32.0(v))程度の電圧が第1LEDブロック21に印加されると、第1LEDブロック21に含まれるLEDが点灯する。また、第2LEDブロック31は12個のLEDが直列に接続されているので、第2の順電圧V2(12×Vf=12×3.2=38.4(v))程度の電圧が第2LEDブロック31に印加されると、第2LEDブロック31に含まれるLEDが点灯する。さらに、第3LEDブロック41は14個のLEDが直列に接続されているので、第3の順電圧V3(14×Vf=14×3.2=44.8(v))程度の電圧が第3LEDブロック41に印加されると、第3LEDブロック41に含まれるLEDが点灯する。
同様に、第4の順電圧V4((10+12)×3.2=70.4(v))程度の電圧が第1LEDブロック21及び第2LEDブロック31が直列に接続されたものに印加されると、第1LEDブロック21及び第2LEDブロック31に含まれるLEDが点灯する。また、第5の順電圧V6((10+12+14)×3.2=115.2(v))程度の電圧が第1LEDブロック21、第2LEDブロック31及び第3LEDブロック41が直列に接続されたものに印加されると、第1LEDブロック21、第2LEDブロック31及び第3LEDブロック41に含まれるLEDが点灯する。
商用電源電圧を100(V)で利用すると、最大電圧は約141(V)となる。この電圧の安定性は、±10%程度の変動を考慮すべきである。全波整流回路12の整流素子D1〜D4の順電圧は1.0(V)であり、回路例100では、商用電源電圧が100(V)のときにはブリッジ全波整流回路12の最大出力電圧は約139(V)となる。第1LEDブロック21、第2LEDブロック31及び第3LEDブロック41に含まれる全てのLEDが直列に接続された場合の総個数(n)×Vfが、全波整流回路12の最大出力電圧を超えないように、総個数を36個とした(36×3.2=115.2)。なお、前述した様に、全てのLEDの順電圧Vfは3.2(v)であるが、個体差があり、実際の値は多少バラツキがある。
なお、図2に示す回路例100の回路構成は一例であって、これに限定するものではなく、第1LEDブロック21、第2LEDブロック31及び第3LEDブロック41に含まれるLEDの個数を含めて、様々な変更等が可能である点に留意されたい。
以下、回路例100の動作について図3〜5を用いて説明する。図3は全波整流回路12の出力電圧波形例50を示す図であり、図4は回路例100のLEDブロックの切り換えシーケンス例を示す図であり、図5は図1の一部抜粋であって、電流の流れを示した図である。
時刻T0(図3参照)において、全波整流回路12の出力電圧が0(v)の場合、第1LEDブロック21、第2LEDブロック31及び第3LEDブロック41の何れのLEDブロックを点灯させるための電圧に達していないので、全てのLEDブロックに含まれるLEDは点灯していない。
時刻T1(図3参照)において、全波整流回路12の出力電圧が第1の順電圧V1となり、第1LEDブロック21を点灯させるのに充分な電圧となると、第1LEDブロック21を通る電流経路が形成され、第1LEDブロック21に含まれるLEDが点灯する(図4(a)参照)。なお、前述したように、第1LEDブロック21に含まれる各LEDのVfに固体差があるため、実際に点灯を開始するのが、第1の順電圧V1(32.0(v))となるか否かは実際の回路に依存する。しかしながら、第1LEDブロックに含まれる10個のLEDのVfを合算した電圧が印加された時点で、第1LEDブロックに含まれる10個のLEDが点灯を開始する。そして、全波整流回路12の出力電圧がさらに上がっても、第1LEDブロック21は定電流で駆動されるので、第1LEDブロック21の順電圧は、LEDのVfを合算した値(即ちV1)のままである。なお、第2の順電圧V2〜第5の順電圧V5についても同様である。
時刻T2(図3参照)において、全波整流回路12の出力電圧が第2の順電圧V2となり、第2LEDブロック31を点灯させるのに充分な電圧となると、第1LEDブロック21と第2LEDブロック31とが、全波整流回路12の出力に対して並列に接続される電流経路が形成され、第1LEDブロック21及び第2LEDブロック31に含まれるLEDが点灯する(図4(b)参照)。
次に、図4(a)から図4(b)への移行を説明する。
第1LEDブロック21、第2LEDブロック31及び第3LEDブロック41は、全波整流回路12に対して、それぞれ並列に接続されており、且つ第1LEDブロック21、第2LEDブロック31及び第3LEDブロック41の相互間でも逆電流防止用ダイオード15及び16を介して接続されている。
時刻T1(図3参照)では、全波整流回路12の出力電圧は第1の順電圧V1であって、第1LEDブロック21に含まれるLEDを点灯させるための電圧は印加されているが、第2LEDブロック31及び第3LEDブロック41を点灯させるための順電圧V2及びV3が印加されることはない。したがって、電流I1は、電流I2として全波整流回路12のプラス電源出力から第1LEDブロック21に流れ、電流I2として全波整流回路12のマイナス電源出力に流れ込む。しかし、電流I4及び電流I8は流れていない。また、この場合、ダイオード15には逆方向バイアスがかかっているため、電流I3は流れていない。
ここで、第1電流モニタ22は、第1LEDブロック21を流れる電流I1を検出して、第1電流制御部23を制御してI2が所定の電流になるように制御を行っている。ここで、第1電流モニタ22で設定されている電流I2の設定電流をS2とする。電源電流が供給されていると、第1電流モニタ22のバイアス抵抗R2により、MOSFET M1のゲートに電圧が印加されて、MOSFET M1がON状態となる。第1電流モニタ22のモニタ抵抗R1にも同じ電流I1が流れる。
このとき、モニタ抵抗R1に流れる電流I1が所定の電流より増えると、トランジスタQ1のベース電圧がスレッショルド電圧を超えて、トランジスタQ1がON状態となる。すると、電流制御部23のMOSFET M1のゲート電圧が高電位に引っ張られ、MOSFET M1のインピーダンスが高くなり、第1LEDブロック21に流れる電流を減らすように動作する。
逆に、第1LEDブロック21に流れる電流I1が減ると、MOSFET M1のインピーダンスは低くなり、第1LEDブロック21に流れる電流I1を増やすように動作する。これを繰り返すことにより第1LEDブロック21に流れる電流I1が定電流となるように制御している。即ち、第1電流モニタ22は、第1電流制御部23のインピーダンスを調整して、第1LEDブロック21に流れる電流が所定値以上とならないように電流調整を行っている。この状態では、I1=I2である。
時刻T1から時刻T2(図3参照)となると、全波整流回路12の出力電圧は第2の順電圧V2となり、第1LEDブロック21及び第2LEDブロック31に含まれるLEDを点灯させるための電圧が印加され、第3LEDブロック41を点灯させるための電圧には満たない。したがって、電流I1は第1LEDブロック21に、電流I4は第2LEDブロック31に流れるが、電流I8は流れていない。また、ダイオード15及び16には逆方向バイアスがかかっているため、電流I2及び電流I7は流れない。
ここで、第2−1電流モニタ32は第2LEDブロック31を流れる電流を検出して第2−1電流制御部33を制御して電流I4が所定の電流になるように制御をしている。第2−2電流モニタ34は第2LEDブロック31を流れる電流を検出して第2−2電流制御部35を制御して電流I6が所定の電流になるように制御できる回路構成となっている。この状態では、I4=I5=I6である。
このようにして、図4(a)の状態から図4(b)の状態に移行する。なお、時刻T3(図3参照)において、全波整流回路12の出力電圧が第3の順電圧V3となった場合(時刻T3)に、図4(b)の状態から図4(c)の状態に移行が、その場合も上記と同様である。
次に、図4(c)から図4(d)への移行を説明する。
時刻T4(図3参照)において、全波整流回路12の出力電圧が第4の順電圧V4となり、第1LEDブロック21と第2LEDブロック31を直列に接続した場合でも、それらに含まれる全てのLEDを点灯させるのに充分な電圧となると、第1LEDブロック21と第2LEDブロック31とが、全波整流回路12に対して直列に接続されるように、電流経路が切り換えられる(図4(d)参照)。
図4(c)の状態では、I1=I2、I4=I5=I6、I8=I9であって、ダイオード15及び16には逆電圧が印加されているので、I3及びI7の電流は流れていない。ここで、第2−1電流モニタ32で設定されている電流I4の設定電流をS4、第2−2電流モニタ34で設定されている電流I6の設定電流をS6とすると、S4<S6と設定してある。そのため、流れる電流を制御しているのは第2−1電流制御部33であり、第2−2電流制御部35のインピーダンスは、極めて低い状態となっている。
全波整流回路12の出力電圧が第3の順電圧V3から第4の順電圧V4へ上昇すると、第1電流モニタ22は、第1電流制御部23において電流I3を制限するように制御している。このとき、全波整流回路12の出力電圧が上がると、第1LEDブロック21の順電圧は一定のV1のままであり、第1電流制御部23での電圧降下が増える、即ち、第1の電流制御部23のインピーダンスが高い状態になるように制御されている。
このように、図4(c)から図4(d)への移行状態では、第1電流制御部23の電圧降下と、第2−1電流制御部33の電圧降下が大きい状態となっている。ここで、ダイオード15には、それまで逆方向バイアスがかかっていたが、順方向バイアスがかかるようになり、電流I3が流れ始める。そして、第1電流制御部23のインピーダンスを高くして、電流I2が減るように動作する。
また、第2−1電流モニタ32は、それまでモニタしていた電流I4に電流I3分が加算されるため、第2−1電流制御部33において電流I4減らす方向に、即ち、第2−1電流制御部33のインピーダンスを高くするように制限する。したがって、徐々に電流I2及びI4が少なくなり、最後には電流I2及びI4がほぼゼロとなって、I1=I3=I5=I6の状態(図4(d)の状態)となる。このとき、第1電流制御部23及び第2−1電流制御部33は高インピーダンスとなっている。そして、第2−2電流モニタ34は、第2−2電流制御部35のインピーダンスを制御して、電流I6の設定電流S6で電流を流している。
次に、図4(d)から図4(e)への移行について説明する。
時刻T5(図3参照)において、全波整流回路12の出力電圧が第5の順電圧V5となり、第1LEDブロック21、第2LEDブロック31及び第3LEDブロック41を直列に接続した場合でも、それらに含まれる全てのLEDを点灯させるのに充分な電圧となると、第1LEDブロック21、第2LEDブロック31及び第3LEDブロック41とが、全波整流回路12に対して直列に接続されるように、電流経路が切り換えられる(図4(e)参照)。
また、第3電流モニタ42は、第3電流制御部43のインピーダンスを制御している。そして、第3電流制御部43の電圧降下も徐々に増えている。そして、ダイオード16には、それまで逆方向バイアスがかかっていたが、順方向バイアスがかかるようになり、電流I7が終端回路40に流れ始める。
全波整流回路12の出力電圧が第4の順電圧V4から第5の順電圧V5へ上昇すると、第2−2電流モニタ34は、第2−2電流制御部35のインピーダンスを調整して、電流I6を制限するように制御している。このとき、第2−2電流制御部35の電圧降下は徐々に増えている。第3電流モニタ42は、これまでモニタしていた電流I8に電流I7分が加算されるため、第3電流制御部43のインピーダンスを高くして、電流I8を減らように制御する。また、第2−2電流モニタ34は、第2−2電流制御部35のインピーダンスを高くして、電流I6を減らすように制御する。したがって、徐々に電流I6及びI8が少なくなり、最後には電流I6及びI8がほぼゼロとなって、I1=I3=I5=I7=I9の状態(図4(e)の状態)となる。
図4(e)の状態では、I1=I3=I5=I7=I9であって、定電流ダイオード17の設定電流をS7とすると、この状態での電流はS7である。また、この状態で、I2、I4、I6及びI8の電流はほぼ流れていない。このように、ほぼ電流を流さないようにするためには、定電流ダイオード17の設定電流S7を、他の設定電流S2、S4、S6及びS8よりも大きくなるように予め設定しておく。
次に、図4(e)から図4(f)への移行について説明する。
時刻T6(図3参照)において、全波整流回路12の出力電圧が第5の順電圧V5未満に低下すると、第2−2電流モニタ34は、第2−2電流制御部35において電流I6の制限を緩めるように制御する。すると、徐々に、電流I6が流れ始め、電流I7が低下する。電流I7が低下すると電流I9が低下するので、第3電流モニタ42は、第3電流制御部43において電流I8の制限を緩めるように制御する。すると、徐々に電流I8が流れ始め、図4(e)の状態から、図4(f)の状態に移行することとなる。ここで、前述したように、S6<S2の関係となるように予め設定されていることから、第1LEDブロック21と第2LEDブロック31との直列関係より、第2LEDブロック31と第3LEDブロック41との直列関係の方が先に切断されることとなる。
次に、図4(f)から図4(g)への移行について説明する。
時刻T7(図3参照)において、全波整流回路12の出力電圧が第4の順電圧V4未満となると、第1LEDブロック21と第2LEDブロック31を直列に接続した場合に、それらに含まれる全てのLEDを点灯させるのに充分な電圧未満となるため、更に電流I2及びI4が流れ始め、図4(g)の状態に移行する。
次に、図4(g)から図4(h)への移行について説明する。
時刻T8(図3参照)において、全波整流回路12の出力電圧が第3の順電圧V3以下となると、第3LEDブロック41に含まれる全てのLEDを点灯させるのに充分な電圧以下となるため、電流I7、I8及びI9が流れなくなり、図4(h)の状態に移行する。
次に、図4(h)から図4(i)への移行について説明する。
時刻T9(図3参照)において、全波整流回路12の出力電圧が第2の順電圧V2未満となると、第2LEDブロック31に含まれる全てのLEDを点灯させるのに充分な電圧未満となるため、更に電流I3〜I9が流れなくなり、図4(i)の状態に移行する。
時刻T10(図3参照)において、全波整流回路12の出力電圧が第1の順電圧V1未満となると、第1LEDブロック21に含まれる全てのLEDを点灯させるのに充分な電圧未満となるため、全ての電流I1〜I9が流れなくなる。以後、時刻T0〜時刻T11(次にサイクルの時刻T0に相当)の状態を繰り返しながら、第1LEDブロック21、第2LEDブロック31及び第3LEDブロック41の各LEDの点灯を行う。
逆電流防止用ダイオード15は、中間回路30から始端回路20側へ誤って電流が流れ、それによって第1LEDブロック21に含まれるLEDが破損するのを防止している。また、逆電流防止用ダイオード14は、終端回路40から中間回路30側へ誤って電流が流れ、それによって第2LEDブロック31に含まれるLEDが破損するのを防止している。なお、始端回路20、中間回路30、及び終端回路40に含まれる電流制御部では、それぞれインピーダンスを調整し、電流制御を行っている。このとき、電流制御部の電圧降下も変化する。そして、逆電流防止用ダイオード15及び16に順方向バイアスがかかると、電流が徐々に流れ始め、電流経路が上述したように切り替わることとなる。
定電流ダイオード17は、特に、図4(e)の状況で、第1LEDブロック21、第2LEDブロック31及び第3LEDブロック41に過電流が流れるのを防止している。図4(a)〜図4(i)を見ると理解できるように、図4(e)の状態以外では、何れかの電流制御部が電流経路中に存在するため、各LEDブロックに過電流が流れるのを防止することができる。しかしながら、図4(e)の状態では、電流経路に電流制御部が存在しないこととなるため、定電流ダイオード17を挿入している。なお、定電流ダイオード17の挿入箇所は、始端回路20と中間回路30との間に限定されるものではなく、図4(e)の状態における電流経路中であれば、他の箇所でも良い。また、図4(e)の状態における電流経路中の複数個所に定電流ダイオードを配置しても良い。なお、図4(e)の状況で、第1LEDブロック21、第2LEDブロック31及び第3LEDブロック41に過電流が流れるのを防止できるのであれば、定電流回路又は高抵抗等の電流調整回路又は素子を、定電流ダイオード17の代わりに用いても良い。
上述したように、回路例100では、全波整流回路12の出力電圧に応じて、電流経路が切り替わるように構成されているため、多数のスイッチ回路を設ける必要がない。また、電流経路の切り換えは、全波整流回路12の出力電圧と、各LEDブロックに含まれる全てのLEDの実際のVfの合計に応じて、自動的に定まるので、予めLEDブロックに含まれるLEDの個数から、各LEDブロックを切替えるタイミングを予測して制御する必要が無く、最も効率的なタイミングで、各LEDブロック間の直列及び並列間の切り換えを行うことが可能となった。
図6は、本発明に係る他のLED駆動回路の概略説明図である。
図6に示すLED駆動回路2と、図1に示すLED駆動回路1との差異は、LED駆動回路2が、全波整流回路12の出力端子間に電解コンデンサ60を有している点のみである。
電解コンデンサ60によって、全波整流回路12の出力電圧波形が平滑化される(図3の電圧波形51参照)。図1に示すLED駆動回路1の出力電圧波形50では、時刻T0〜時刻T1及び時刻T10〜時刻T11間は、第1の順電圧V1未満であるため、いずれのLEDも点灯していない。したがって、図1に示すLED駆動回路1では、LEDが点灯しない期間とLEDが点灯する期間が交互に繰り返す、即ち、商用周波数が50Hzでは100Hz、商用周波数が60Hzでは120HzでLEDが点滅することとなる。
これに対して、図6に示すLED駆動回路2では、全波整流回路12の出力電圧波形が平滑化されているため、常に、全波整流回路12の出力電圧が、第3の順電圧V3以上となり、全てのLEDブロックが点灯することとなる(図3の点線51参照)。なお、全波整流回路12の出力電圧が、常に、第1の順電圧V1以上となるようにしても良い。このように、図6に示すLED駆動回路2ではLEDの点滅を防止することが可能となる。
なお、図6の例では、電解コンデンサ60を追加したが、電解コンデンサ60の代わりに、全波整流回路12の出力電圧波形を平滑化させるためのセラミックコンデンサ、他の素子又は回路を利用しても良い。さらに、高調波電流を抑制して力率を改善するために、コイルを全波整流回路12のダイオードブリッジより前のAC入力側やダイオードブリッジより後の整流出力側に置いても良い。
図7は、本発明に係る更に他のLED駆動回路の概略構成図である。
図7に示すLED駆動回路3において、図1に示すLED駆動回路1と同じ構成には同じ番号を付して説明を省略する。図7に示すLED駆動回路3と図1に示すLED駆動回路1との差異は、中間回路30(以下、「第1の中間回路30」と言う)と終端回路40の間に第2の中間回路50が挿入された点、逆電流防止用ダーオード18及び定電流ダイオード19が、第1の中間回路30と第2の中間回路50との間に配置されている点のみである。
第2の中間回路50は、複数のLEDを含む第4LEDブロック51、第4LEDブロック51を流れる電流を検出するための第4−1電流モニタ52及び第4−2電流モニタ54、第4−1電流制御部53、及び第2−2電流制御部55等を含んでいる。第4−1電流モニタ52は、第4LEDブロック51を流れる電流に応じて第4−1電流制御部53を流れる電流を制限するように動作し、第4−2電流モニタ54は、第4LEDブロック51を流れる電流に応じて第5−2電流制御部35を流れる電流を制限するように動作する。なお、第2の中間回路50を構成する具体的な回路構成は、図2に示す第1の中間回路30と同様な回路構成とすることが可能である。
LED駆動回路3においても、第1LEDブロック21〜第4LEDブロック51に含まれる全てのLEDが直列に接続された場合の総個数(n)×Vfが瞬間最大電圧の80%よりも高くなるように、直列に接続したLEDの総個数を39個とした(39×3.2=124.8)。また、以下では、第1LEDブロック21に含まれるLEDの個数を8個、第2LEDブロック31に含まれるLEDの個数を9個、第3LEDブロック41に含まれるLEDの個数を12個、第4LEDブロック51に含まれるLEDの個数を10個とした場合の回路例に基づいて、LED駆動回路3の動作を説明する。
この場合、第1LEDブロック21は8個のLEDが直列に接続されているので、第1の順電圧V1(8×3.2=25.6(v))程度の電圧が第1LEDブロック21に印加されると、第1LEDブロック21に含まれるLEDが点灯する。また、第2LEDブロック21は9個のLEDが直列に接続されているので、第2の順電圧V2(9×3.2=28.8(v))程度の電圧が第2LEDブロック31に印加されると、第2LEDブロック31に含まれるLEDが点灯する。さらに、第4LEDブロック51は10個のLEDが直列に接続されているので、第3の順電圧V3(10×3.2=32.0(v))程度の電圧が第4LEDブロック51に印加されると、第4LEDブロック51に含まれるLEDが点灯する。さらに、第3LEDブロック41は12個のLEDが直列に接続されているので、第4の順電圧V4(12×3.2=38.4(v))程度の電圧が第3LEDブロック41に印加されると、第3LEDブロック41に含まれるLEDが点灯する。
同様に、第5の順電圧V5((8+9)×3.2=54.4(v))程度の電圧が第1LEDブロック21及び第2LEDブロック31が直列に接続されたものに印加されると、第1LEDブロック21及び第2LEDブロック31に含まれるLEDが点灯する。また、第6の順電圧V6((10+12)×3.2=70.4(v))程度の電圧が第3LEDブロック41及び第4LEDブロック51が直列に接続されたものに印加されると、第3LEDブロック41及び第4LEDブロック51に含まれるLEDが点灯する。さらに、第7の順電圧V7((8+9+10+12)×3.2=124.8(v))程度の電圧が第1LEDブロック21〜第4LEDブロック51が直列に接続されたものに印加されると、第1LEDブロック21〜第4LEDブロック51に含まれるLEDが点灯する。
以下、LED駆動回路3の動作について図8〜10を用いて説明する。図8は全波整流回路12の出力電圧波形例50を示す図であり、図9及び図10はLED駆動回路3のLEDブロックの切り換えシーケンス例を示す図である。
時刻T0(図8参照)において、全波整流回路12の出力電圧が0(v)の場合、第1LEDブロック21〜第4LEDブロック51の何れのLEDブロックを点灯させるための電圧に達していないので、全てのLEDブロックに含まれるLEDは点灯していない。
時刻T1(図8参照)において、全波整流回路12の出力電圧が第1の順電圧V1となり、第1LEDブロック21を点灯させるのに充分な電圧となると、第1LEDブロック21に含まれるLEDが点灯する(図9(a)参照)。なお、前述したように、第1LEDブロック21に含まれる各LEDのVfに固体差があるため、実際に点灯を開始するのが、第1の順電圧V1(25.6(v))となるか否かは実際の回路に依存する。しかしながら、第1LEDブロックに含まれる8個のLEDのVfを合算した電圧が印加された時点で、第1LEDブロックに含まれる8個のLEDが点灯を開始する。なお、第2の順電圧V2〜第7の順電圧V7についても同様である。
時刻T2(図8参照)において、全波整流回路12の出力電圧が第2の順電圧V2となり、第2LEDブロック31を点灯させるのに充分な電圧となると、第1LEDブロック21及び第2LEDブロック31に含まれるLEDが点灯する(図9(b)参照)。このとき、第1LEDブロック21及び第2LEDブロック31が全波整流回路12に対して並列に接続された電流経路が形成される。
時刻T3において、全波整流回路12の出力電圧が第3の順電圧V3となり、第4LEDブロック51を点灯させるのに充分な電圧となると、第1LEDブロック21、第2LEDブロック31及び第4LEDブロック51に含まれるLEDが点灯する(図9(c)参照)。このとき、第1LEDブロック21、第2LEDブロック31及び第4LEDブロック51が全波整流回路12に対して並列に接続された電流経路が形成される。
時刻T4において、全波整流回路12の出力電圧が第4の順電圧V4となり、第3LEDブロック41を点灯させるのに充分な電圧となると、第1LEDブロック21〜第4LEDブロック51に含まれるLEDが電流経路を替えて点灯を継続する(図9(d)参照)。このとき、第1LEDブロック21〜第4LEDブロック51が全波整流回路12に対して並列に接続された電流経路が形成される。
時刻T5において、全波整流回路12の出力電圧が第5の順電圧V5となり、第1LEDブロック21及び第2LEDブロック31を直列に接続したものを点灯させるのに充分な電圧となると、第1LEDブロック21〜第4LEDブロック51に含まれるLEDが電流経路を替えて点灯を継続する(図9(e)参照)。このとき、第1LEDブロック21及び第2LEDブロック31が全波整流回路12に対して直列に接続され電流経路と、第4LEDブロック51及び第3LEDブロック41が全波整流回路12に対して並列に接続された電流経路が形成される。
時刻T6において、全波整流回路12の出力電圧が第6の順電圧V6となり、第3LEDブロック41及び第4LEDブロック51を直列に接続したものを点灯させるのに充分な電圧となると、第1LEDブロック21〜第4LEDブロック51に含まれるLEDが電流経路を替えて点灯を継続する(図9(f)参照)。このとき、第1LEDブロック21及び第2LEDブロック31が全波整流回路12に対して直列に接続され電流経路と、第3LEDブロック41及び第4LEDブロック51が全波整流回路12に対して直列に接続された電流経路が形成される。
時刻T7において、全波整流回路12の出力電圧が第7の順電圧V7以上となり、第1LEDブロック21〜第4LEDブロック51を直列に接続したものを点灯させるのに充分な電圧となると、第1LEDブロック21〜第4LEDブロック51に含まれるLEDが電流経路を替えて点灯を継続する(図9(g)参照)。このとき、第1LEDブロック21〜第4LEDブロック51が全波整流回路12に対して直列に接続された電流経路が形成される。
時刻T8において、全波整流回路12の出力電圧が第7の順電圧V7未満となると、第1LEDブロック21〜第4LEDブロック51に含まれるLEDが電流経路を替えて点灯を継続する(図10(a)参照)。このとき、第1LEDブロック21及び第2LEDブロック31が全波整流回路12に対して直列に接続され電流経路と、第3LEDブロック41及び第4LEDブロック51が全波整流回路12に対して直列に接続された電流経路が形成される。
時刻T9において、全波整流回路12の出力電圧が第6の順電圧V6未満となると、第1LEDブロック21〜第4LEDブロック51に含まれるLEDが電流経路を替えて点灯を継続する(図10(b)参照)。このとき、第1LEDブロック21及び第2LEDブロック31が直列に接続されたもの、第4LEDブロック51、及び第3LEDブロック41が、全波整流回路12に対して並列に接続されているような電流経路が形成される。
時刻T10において、全波整流回路12の出力電圧が第5の順電圧V5未満となると、第1LEDブロック21〜第4LEDブロック51に含まれるLEDが電流経路を替えて点灯を継続する(図10(c)参照)。このとき、第1LEDブロック21〜第4LEDブロック51が、全波整流回路12に対して並列に接続された電流経路が形成される。
時刻T11において、全波整流回路12の出力電圧が第4の順電圧V4未満となると、第3LEDブロック41が消灯して、第1LEDブロック21、第2LEDブロック31及び第4LEDブロック51が点灯を継続する(図10(d)参照)。このとき、第1LEDブロック21、第2LEDブロック31及び第4LEDブロック51が、全波整流回路12に対して並列に接続されているような電流経路が形成される。
時刻T12(図8参照)において、全波整流回路12の出力電圧が第3の順電圧V3未満となると、第4LEDブロック51が消灯して、第1LEDブロック21及び第2LEDブロック31が点灯を継続する(図10(e)参照)。このとき、第1LEDブロック21及び第2LEDブロック31が、全波整流回路12に対して並列に接続された電流経路が形成される。
時刻T13において、全波整流回路12の出力電圧が第2の順電圧V2未満となると、第2LEDブロック31が消灯して、第1LEDブロック21が点灯を継続する(図10(f)参照)。このとき、第1LEDブロックが、全波整流回路12に対して接続されるように電流経路が形成される。また、時刻T14おいては、全波整流回路12の出力電圧が第1の順電圧V1未満となると、全てのLEDが点灯しなくなる。
逆電流防止用ダイオード15は、第1の中間回路30から始端回路20側へ誤って電流が流れ、それによって第1LEDブロック21に含まれるLEDが破損するのを防止している。また、逆電流防止用ダイオード18は、第2の中間回路50から第1の中間回路30側へ誤って電流が流れ、それによって第2LEDブロック31に含まれるLEDが破損するのを防止している。さらに、逆電流防止用ダイオード16は、終端回路40から第2の中間回路50側へ誤って電流が流れ、それによって第4LEDブロック51に含まれるLEDが破損するのを防止している。なお、始端回路20、第1の中間回路30、第2の中間回路50及び終端回路40に含まれる電流制御部では、それぞれインピーダンスを調整し、電流制御を行っている。このとき、電流制御部の電圧降下も変化する。そして、逆電流防止用ダイオード15、16及び18に順方向バイアスがかかると、電流が徐々に流れ始め、電流経路が上述したように切り替わることとなる。
定電流ダイオード19は、特に、図9(g)の状況で、第1LEDブロック21〜第4LEDブロック51に過電流が流れるのを防止している。図9(a)〜図9(g)及び図10(a)〜図10(f)を見ると理解できるように、図9(g)の状態以外では、何れかの電流制御部が電流経路中に存在するため、各LEDブロックに過電流が流れるのを防止することができる。しかしながら、図9(g)の状態では、電流経路に電流制御部が存在しないこととなるため、定電流ダイオード19を挿入している。なお、定電流ダイオード19の挿入箇所は、第1の中間回路20と第2の中間回路50との間に限定されるものではなく、図9(g)の状態における電流経路中であれば、他の箇所でも良い。また、図9(g)の状態における電流経路中の複数個所に定電流ダイオードを配置しても良い。なお、図9(g)の状況で、第1LEDブロック21〜第4LEDブロック51に過電流が流れるのを防止できるのであれば、他の電流調整素子、例えば、接合型FETで構成しても良い。また、始端回路20、第1の中間回路30、第2の中間回路50及び終端回路40用いた抵抗とバイポーラトランジスタから構成される電流モニタ及びMOSFETから構成される電流制御回路を、電流調整素子として利用することもできる。
上述したように、LED駆動回路3では、全波整流回路12の出力電圧に応じて、電流経路が切り替わるように構成されているため、多数のスイッチ回路を設ける必要がない。また、電流経路の切り換えは、全波整流回路12の出力電圧と、各LEDブロックに含まれる全てのLEDの実際のVfの合計に応じて、自動的に定まるので、予めLEDブロックに含まれるLEDの個数から、各LEDブロックを切替えるタイミングを予測して制御する必要が無く、最も効率的なタイミングで、各LEDブロック間の直列及び並列間の切り換えを行うことが可能となった。なお、商用電源の電源電圧が違っても、それに応じて各LEDブロックのLEDの直列数を調整すればよく、回路自体を変更する必要はない。
なお、図7に示すLED駆動回路3においても、図6に示すように、全波整流回路12の出力端子間に電解コンデンサ60等の出力を平滑化させるための素子又は回路を配置しても良い。また、説明の便宜上、上記の例では、各LEDブロックのLEDの直列数を、LEDブロック毎に変えたが、全てのLEDブロック又は一部のLEDブロックにおけるLEDの直列数を同じ個数としても良い。全てのLEDブロック又は一部のLEDブロックにおけるLEDの直列数を同じ個数とすると、製造上便利であって、コストダウンに繋がる可能性がある。さらに、上記の例では、各LEDブロックにおいては、全てLEDを直列に接続したが、ブロック内で、複数個直列に接続したLEDを2回路、3回路と、複数回路並列に接続するようにしても良い。
図11は、本発明の発展形態を説明するための図である。
上記では、中間回路が1つの場合(図1に示すLED駆動回路1)及び中間回路が2つの場合(図7に示すLED駆動回路3)について説明した。しかしながら、本発明に係るLED駆動回路は、中間回路がN個ある場合にも適用可能である。即ち、図11に示すように、始端回路20と終端回路40との間には、複数の中間回路を適宜設けることができる。なお、図11は、説明の便宜上、全ての回路構成を記載していない点に留意されたい。
図11の例では、第2の中間回路50の終端回路40側に、定電流ダイオード70を1つ配置した。しかしながら、定電流ダイオード70の配置箇所及び個数は、これに限定されるものではなく、全ての回路に含まれるLEDブロックが、全波整流回路12に対して直列に接続されたような電流経路が形成された場合(例えば、図9(g)参照)に、各LEDブロックに過電流が流れないように、そのような経路内の何れ一箇所又は複数個所に定電流ダイオード70を配置すれば良い。
図3及び図8を比較すると理解できるように、LEDブロックに含まれるLEDの個数を少なくすれば、それだけ、時刻T0から時刻T1(LEDが最初に点灯し始める時間)までの時間を短くすることができる。したがって、中間回路の個数を増やして、1つの中間回路に含まれるLEDの個数を少なくすることによって、よりLEDの駆動効率を高めることができる。特に、本発明に係るLED駆動回路では、電流経路の切り換えは、全波整流回路12の出力電圧と、各LEDブロックに含まれる全てのLEDの実際のVfの合計に応じて、自動的に定まるので、中間回路が多くても、効率良く、LEDブロック間の切り換えを行うことが可能となるという利点がある。さらに、LEDブロック数を多くして、LEDブロック内のLEDの順電圧を低くしておくと、MOSFETを含む電流制御部の電力損失を減少させることができる。
なお、LEDの駆動効率とは、全てのLEDが定格電流で駆動している時間的な割合を言う。図1に示すLED駆動回路1の場合において、図3を参照して、LEDの駆動効率(K(%))を示すと以下のように表すことができる。
K=100×{V1×(T10−T1)+V2×(T9−T2)+V3}/{(V1+V2+V3)×(T11−T0)}
例えば、3つのLEDブロックを含む図1に示すLED駆動回路1の場合(第1LEDブロックのLEDの数が10個、第2LEDブロックのLEDの数が12個及び第3LEDブロックのLEDの数が14個の場合)のLEDの駆動効率は80.5%であり、4つのLEDブロックを含む図7に示すLED駆動回路3の場合(第1LEDブロックのLEDの数が8個、第2LEDブロックのLEDの数が9個、第4LEDブロックのLEDの数が10個及び第3LEDブロックのLEDの数が12個の場合)の駆動効率は83.9%である。また、駆動効率は、LEDの数の調整や、各ブロックへの分配の調整によっても高めることができ、例えば、第1LEDブロックのLEDの数が9個、第2LEDブロックのLEDの数が9個、第4LEDブロックのLEDの数が9個及び第3LEDブロックのLEDの数が9個の場合、駆動効率は86.0%となる。
図12は、本発明に係る更に他のLED駆動回路の概略構成図である。
図12に示すLED駆動回路4は、本発明に係るLED駆動回路の最小要素である、始端回路20、終端回路40、及び始端回路20と終端回路40とを接続する逆電流防止用ダイオード15のみを含むものである。本発明に係るLED駆動回路の特徴は、始端回20に含まれる第1LEDブロック21と終端回路40に含まれる第3LEDブロック41が、全波整流回路12の出力電圧に応じて、全波整流回路12に対して並列に接続された電流経路(Ix及びIy)と、全波整流回路12に対して直列に接続された電流経路(Iz)とが、自動的に切り替わって形成される点にある。なお、本明細書において、並列に接続されたと言った場合、主な電流経路が並列に接続されているように形成されていることを言い、直列に接続されるような電流経路には微小な電流が流れる場合を含む。同様に、本明細書において、直列に接続されたと言った場合、主な電流経路が直列に接続されているように形成されていることを言い、並列に接続されるような電流経路には微小な電流が流れる場合を含む。
並列から直列への電流経路の切り換えは、全波整流回路12の出力電圧が増加して第1LEDブロック21を通過する電流Iaが増加することによって、第1電流制御部23のインピーダンスが高い状態となるように制御されて電流Ibが制限され、それまで逆方向バイアスがかかっていたダイオード15に順方向バイアスがかかるようになって、それまでは流れなかった電流Icが流れ始め、電流Icが流れ始めると、第3LEDブロック41を流れる電流Ieが増加することによって、第3電流制御部43のインピーダンスが高い状態となるように制御されて電流Idが制限される、ことによって実行される。
上記では、並列から直列への電流経路の切り換えについて、始端回路20及び終端回路40を含むLED駆動回路4を用いて説明したが、始端回路20と終端回路40の間に1つ又は複数の中間回路を含むLED駆動回路であっても、回路間での電流経路の切り替えは、上記の説明と同様な原理で実行される。