以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る撮像装置を適用したデジタルカメラ100の概略構成を示すブロック図である。
図1において、撮像部103は、撮影レンズ101と、絞り機能を備えるシャッタ102とを介して得られた光学像を電気信号(撮像信号)に変換するCCDやCMOS等の撮像素子を含んでいる。この撮像素子には、公知のベイヤー配列からなる赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタが配置されている。
A/D(analog-to-digital)変換器104は、撮像部103からのアナログ信号(撮像信号)をデジタル信号(撮像データ)に変換(デジタル化)する。
タイミング信号発生部105は、撮像部103及びA/D変換器104にクロック信号や制御信号を供給する。タイミング信号発生部105は、後述するメモリ制御部108及びシステム制御部130によって制御される。
メモリ106は、さまざまなデータを一時的に保存するための揮発性メモリである。メモリ106は、A/D変換器104によってデジタルデータに変換されたRAW画像データを一時的に保持する他、後述する画像表示部112に表示するための画像データ、処理途中の画像データや演算処理結果を格納する。なお、メモリ106は、静止画像データ、動画像データ、及び静止画像データや動画像データが画像ファイルを構成する場合に生成されるファイルヘッダも格納する。したがって、メモリ106は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像を格納するのに十分な記憶容量を備えている。
画像処理部107は、撮像部103及びA/D変換器104を介して得られたRAW画像データ、又は、メモリ106内のRAW画像データに対し、所定の画素補間処理や色変換処理等からなる現像処理を行い、輝度・色差データ(YUVデータ)に変換する。また、拡大/縮小といったリサイズ処理もこの中に含まれる。さらに画像処理部107は、撮像したRAW画像データを用いて所定の演算処理を行い、その演算結果に基づいて露光制御及び測距制御を行う。これらの制御により、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理及びEF(フラッシュ調光)処理が行われる。画像処理部107はさらに、撮像したRAW画像データを用いて所定の演算処理を行い、その演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行っている。
メモリ制御部108は、メモリ106とシステム制御部130をはじめとする各部との間のデータバス109を介したデータの流れを制御する。
圧縮/伸長部110は、例えば適応離散コサイン変換(ADCT)により画像データを圧縮/伸長する。圧縮/伸長部110は、撮影時には、メモリ106に格納された現像済画像データ、つまりYUVデータを読み込んで圧縮処理を行う。なお圧縮処理は、本実施の形態ではJPEGベースライン符号化によって行うものとする。このようにして圧縮された画像データ、つまりJPEG画像データは、メモリ106に一時保存されてから、システム制御部130によってファイル化され、メモリカードインターフェース(I/F)146を介してメモリカード200に記録される。また圧縮/伸長部110は、再生時には、メモリカード200に記録された圧縮画像ファイル、つまりJPEG画像ファイルをメモリ106に読み出して伸長処理し、表示用YUVデータに変換した後、メモリ106に書き込む。
D/A(digital-to-analog)変換器111は、メモリ106に格納されている表示用画像データ(YUVデータ)をアナログ信号に変換する。
画像表示部112は、例えばLCD等の表示パネルと表示用ドライバにより構成される。メモリ106に書き込まれた表示用画像データは、D/A変換器111から画像表示部112に転送されて表示される。画像表示部112は、再生時のみならず撮影前のフレーミング用としても使用される。画像処理部107は、撮像部103及びA/D変換器104を介して連続的に入力される(動)画像データを順次処理し、メモリ106に格納して更新する。そして画像処理部107は、この(動)画像データを表示レートに応じた間隔で取り出し、連続的に画像表示部112に出力することによって、プレビュー用スルー画像を表示している。
ビデオインターフェース(I/F)113は、メモリ106に格納されている表示用画像データを外部の表示装置に出力するための変換等を行うインターフェースである。ビデオI/F113は、例えばHDMI(high-definition multimedia interface)コントローラ及びコネクタ等によって構成されている。ビデオI/F113の出力側には、不図示のケーブルを介して、テレビ等の外部表示装置300を接続することができる。
不揮発性メモリ121は、電気的に消去・記録可能なメモリであり、本実施の形態ではフラッシュROMが用いられている。不揮発性メモリ121には、システム制御部130の動作定数及びプログラム等が記憶される。ここでプログラムとは、後述する各種フローチャートの処理を実行するためのプログラムを意味する。
システム制御部130は、デジタルカメラ100全体を制御する。システム制御部130は、不揮発性メモリ121に記録された上記プログラムを実行することで、後述する各制御処理を実行する。
システムメモリ131としては、本実施の形態ではRAMが用いられている。システムメモリ131には、システム制御部130の動作用の定数、変数及び不揮発性メモリ121から読み出したプログラム等が記憶される。
ビデオジャック検出スイッチ132は、ビデオI/F113に外部表示装置300が接続されているかどうかを監視し、接続状態が変化すると、その接続状態をシステム制御部130に伝達する。
モード切替スイッチ133、シャッタボタン134及び操作部140は、システム制御部130に各種の動作指示を入力するための操作手段である。
モード切替スイッチ133は、システム制御部130の動作モードを静止画記録モード又は再生モードのいずれかに切り替えるものである。
シャッタボタン134は、第1シャッタスイッチと第2シャッタスイッチによって構成されている。第1シャッタスイッチは、シャッタボタン134の操作途中(半押し)でオンとなり、第1シャッタスイッチ信号SW1を発生する。システム制御部130は、第1シャッタスイッチ信号SW1の発生に応じて、AF処理、AE処理及びAWB処理等の動作を開始する。第2シャッタスイッチは、シャッタボタン134の操作完了(全押し)でオンとなり、第2シャッタスイッチ信号SW2を発生する。システム制御部130は、第2シャッタスイッチ信号SW2の発生に応じて、撮像部103から入力された画像信号をメモリカード200に画像データとして書き込むまでの一連の撮影処理を開始する。
操作部140を構成する各操作部材には、画像表示部112に表示される種々の機能アイコンを選択操作することなどに応じて切り替えられる場面ごとに適宜機能が割り当てられ、各種機能ボタンとして作用する。機能ボタンは、具体的には、終了ボタン、戻るボタン、画像送りボタン、ジャンプボタン、絞込みボタン及び属性変更ボタン等がある。例えば、メニューボタンが押されると各種設定が可能なメニュー画面が画像表示部112に表示される。利用者は、画像表示部112に表示されたメニュー画面と、4方向ボタンやSETボタンを用いて直感的に各種設定を行うことができる。
アスペクト比切替ボタン136は、撮影時に利用者がこのボタン136を押すことで、画像データを記録する際のアスペクト比を16:9と4:3のいずれかにトグル方式で自在に切り換えて設定できるようになっている。
電源スイッチ141は、電源のオン/オフを切り替える。
電源制御部142は、電池検出回路、DC−DCコンバータ、及び通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等によって構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また電源制御部142は、その検出結果あるいはシステム制御部130からの指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、各部へ供給する。
電源部143は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池、NiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプタ等からなる。
コネクタ144及び145は、電源部143と電源制御部142とを接続する。
メモリカードインターフェース(I/F)146は、カードスロットを含み、メモリカード200とデータのやりとりを行う。
メモリカード200は、記録媒体の1つで、半導体メモリ等から構成される。
通信インターフェース(I/F)147は、USB(universal serial bus)等の各種通信プロトコルに応じた通信制御を行うものである。通信I/F147は、システム制御部130からの指令に基づき、内部のコネクタを介して接続されたコンピュータやプリンタなどの機器と画像データのやりとりを行う。通信I/F147の出力側には、不図示のケーブルを介して、プリンタ400を接続することができる。
(撮影時の動作)
デジタルカメラ100は、上述のように、アスペクト比切替ボタン136により、アスペクト比を4:3又は16:9のいずれかに切り換えて画像データを記録することができる。またデジタルカメラ100は、静止画の記録モードとして、RAW画像データをJPEG画像データ(非可逆圧縮形式の画像データの一例)に変換してから記録する、業界標準のJPEG記録モードに加え、RAW画像データのまま記録する、RAW記録モードを備えている。このJPEG記録モードとRAW記録モードとの切り替えは、操作部140に割り当てられた機能ボタンを使用して行うことができる。
図2は、デジタルカメラ100の撮像部103における、イメージサークル(破線)、アスペクト比4:3選択時の記録領域(実線;領域A)及びアスペクト比16:9選択時の記録領域(2点鎖線;領域B)を示した図である。同図には、領域Cとして、双方のアスペクト比の記録領域を包含する矩形領域も示されている。
イメージサークルとは、レンズによる像が結ばれる円形の範囲のことであり、撮影レンズ101及び撮像部103の大きさや配置で決まる。そして、各アスペクト比における各記録領域は、図2に示すように、イメージサークルを可及的に有効活用するために互いに共通しない領域を持っている。
図3は、記録モード及びアスペクト比の異なる3種類の記録状態における各記録領域を示す図である。同図(a)は、JPEG記録モード及びアスペクト比4:3で記録する場合の記録領域を、同図(b)は、JPEG記録モード及びアスペクト比16:9で記録する場合の記録領域を、同図(c)は、RAW記録モードで記録する場合の記録領域をそれぞれ示している。RAW記録モードで記録する場合には、実際には光学的黒(オプティカルブラック;OB)領域も記録されるが、図3(c)では有効画像領域のみを示している。
図3中に示した記録サイズからも明らかなように、水平方向に関してはアスペクト比16:9の記録範囲がアスペクト比4:3のそれより広い反面、垂直方向に関しては逆に、アスペクト比4:3の記録範囲がアスペクト比16:9のそれより広くなっている。
また、RAW記録モードにおいては、記録時に選択されているアスペクト比に関係なく、4:3及び16:9の双方のアスペクト比の記録領域を包含するような、より広い記録領域で記録される。つまり、RAW記録モードにおいては、撮影前及びプレビュー中は選択されたアスペクト比に従った画角で表示されるものの、記録時には、それよりさらに広い画角で記録されるので、記録後にアスペクト比を変更して現像することが可能となっている。
図4は、前記画像処理部107が実行する撮影時画像処理の手順を示すフローチャートである。
同図において、まず画像処理部107は、記録モードがJPEG記録モードあるいはRAW記録モードのいずれに設定されているかをチェックする(ステップS1)。このチェックの結果、JPEG記録モードが設定されている場合には、次に画像処理部107は、アスペクト比が4:3あるいは16:9のいずれに設定されているかをチェックする(ステップS2)。このチェックの結果、アスペクト比が4:3に設定されている場合には、画像処理部107は有効領域を領域Aに設定する(ステップS3)。一方、アスペクト比が16:9に設定されている場合には、画像処理部107は有効領域を領域Bに設定する(ステップS4)。
そして画像処理部107は、有効領域内の画像データに対して現像処理を行い、YUVデータに変換する(ステップS5)。さらに画像処理部107は、この現像後の画像データ、つまりYUVデータをリサイズして、表示用画像データ及びサムネイル用画像データをそれぞれ生成する。また、指定された記録サイズに応じてYUVデータをリサイズして、記録用画像データを生成する(ステップS6)。その後、画像処理部107は、リサイズ済の各画像データを圧縮/伸長部110にて圧縮し、メモリ106及びメモリカードI/F146を介してメモリカード200に記録する(ステップS7)。
一方、前記ステップS1でのチェックの結果、記録モードがRAW記録モードに設定されている場合には、画像処理部107は有効領域を領域Cに設定する(ステップS8)。そして画像処理部107は、有効領域である領域C内の画像データに対して記録サイズ低減のための可逆圧縮を行った後、その画像データをメモリ106に格納する(ステップS9)。次に画像処理部107は、領域A及び領域B内の各画像データに対して現像処理を行い(ステップS10)、現像後の領域A及び領域B内の各画像データをリサイズして、表示用画像データ及びサムネイル用画像データを生成する(ステップS11及びS12)。その後、画像処理部107は、処理を前記ステップS7へ移行させる。但し、このステップS7の処理では、前記ステップS9で可逆圧縮されてメモリ106に格納された画像データについての圧縮・格納処理は行わない。
このようにRAW記録モードが選択された状態で撮影がなされると、4:3及び16:9の双方のアスペクト比の記録領域を包含する範囲の画像データがRAW画像データとして保存される。そして、表示用及びサムネイル用の縮小画像データについては、アスペクト比4:3版の画像データとアスペクト比16:9版の画像データの双方が作成されて保存される。但し、そのファイル構成は、次に説明するように、撮影時に設定されているアスペクト比に応じて異なっている。
図5は、RAW記録モードが選択された状態で撮影がなされときに生成されるファイル構成の一例を示す図である。同図(a)は、撮影時にアスペクト比4:3が選択されている場合のファイル構成を示し、同図(b)は、撮影時にアスペクト比16:9が選択されている場合のファイル構成を示している。
RAW記録モードが選択された状態で撮影がなされたときに、アスペクト比4:3が選択されていれば、図5(a)に示すようにXXX.CRW及びXXX.THMの2つのファイルが作成される。XXX.CRWファイルには、前記図4を用いて説明した、領域Cの可逆圧縮済RAW画像データの他、撮影時のアスペクト比設定情報(4:3)、領域A及び領域Bの各表示用JPEG画像データ、領域Bのサムネイル用JPEG画像データが含まれている。このように、領域A及び領域Bの各表示用JPEG画像データは、撮影時に選択設定されているアスペクト比と関連付けられてメモリカード200に記録されている(この事情は、図5(b)の例でも同様である)。一方、XXX.THMファイルには、領域Aのサムネイル用JPEG画像データが含まれている。
一方、RAW記録モードが選択された状態で撮影がなされたときに、アスペクト比16:9が選択されていれば、図5(b)に示すようにYYY.CRW及びYYY.THMの2つのファイルが作成される。YYY.CRWファイルには、前記図4を用いて説明した、領域Cの可逆圧縮済RAW画像データの他、撮影時のアスペクト設定情報(16:9)、領域A及び領域Bの表示用JPEG画像データ、領域Aのサムネイル用JPEG画像データが含まれている。一方、YYY.THMファイルには、領域Bのサムネイル用JPEG画像データが含まれている。
両ファイル構成の共通点は、撮影時に選択しているアスペクト比に対応するサムネイル用JPEG画像データをTHMファイルに含ませていることである。これは、再生互換性を考慮したものであり、RAW記録モードで記録された画像データの場合、そのサムネイル用画像データはTHMファイルから読み出すというルールを決めておけば、撮影時に選択されているアスペクト比で表示することができる。
(再生時;外部表示装置への表示)
図6は、前記システム制御部130が実行する再生モード時画像表示処理の手順を示すフローチャートである。
同図において、まずシステム制御部130は、メモリカード200から最新画像情報を取得する(ステップS21)。次にシステム制御部130は、取得した最新画像情報に基づいて、メモリカード200から最新画像データを読み込む(ステップS22)。そしてシステム制御部130は、読み込んだ最新画像データについてファイルの解析を行い、その画像データの撮影情報や属性情報等を取得する(ステップS23)。
次にシステム制御部130は、その画像データがJPEG画像データであるか、RAW画像データであるかを判定する(ステップS24)。この判定の結果、その画像データがJPEG画像データであるときには、システム制御部130は処理をステップS25へ進める一方、その画像データがRAW画像データであるときには、システム制御部130は処理をステップS26へ進める。
ステップS25では、システム制御部130は、JPEG画像データをデコードするとともに表示用サイズにリサイズした後、メモリ106に格納する。
ステップS26では、システム制御部130は、RAWファイル内にある表示用JPEG画像データをデコードするとともに表示用サイズにリサイズするデコード・リサイズ処理を行う。このデコード・リサイズ処理の詳細については、図7を用いて後述する。
続くステップS27では、システム制御部130は、メモリ106内のデコード・リサイズ済画像データを所定の表示レートで読み出し、D/A変換器111を介して画像表示部112に転送することで画像の表示を行う。そしてシステム制御部130は、モード切替スイッチ133、シャッタボタン134及び操作部140内のスイッチを含む各種スイッチ(SW)が操作されるのを待つ(ステップS28)。操作者が機能キーを用いて画像送りを指示すると、システム制御部130は、送り方向に応じてファイルの画像番号を取得し、次の画像を読み込んだ(ステップS29→S30)後、前記ステップS23へ戻る。一方、操作者が画像送り以外のSWを操作した場合には、システム制御部130は処理をステップS31に進め、SWに応じた処理を行う。なお本実施の形態では、このSWに応じた処理の詳細については説明しない。
図7は、前記ステップS26のデコード・リサイズ処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
同図において、まずシステム制御部130は、デジタルカメラ100に外部表示装置が接続されているかどうかを、前記ビデオジャック検出スイッチ132の状態に基づいてチェックする(ステップS41)。このチェックの結果、外部表示装置が接続されていなければ、システム制御部130は、RAWファイル(つまり、前記図5のCRWファイル)から撮影時のアスペクト比設定情報を取得する(ステップS42)。次にシステム制御部130は、取得したアスペクト比設定情報によって示されるアスペクト比(撮影時アスペクト比)を変数ASPECTに代入する(ステップS43)。そしてシステム制御部130は、このアスペクト比(変数ASPECT内の値)に応じてデコード対象の画像データを決定する(ステップS44)。アスペクト比が4:3のときには、システム制御部130は、RAWファイル内の領域Aの表示用JPEG画像データをデコードするとともに表示用サイズにリサイズした(ステップS45)後、本デコード・リサイズ処理を終了する。一方、アスペクト比が16:9のときには、システム制御部130は、RAWファイル内の領域Bの表示用JPEG画像データをデコードするとともに表示用サイズにリサイズした(ステップS46)後、本デコード・リサイズ処理を終了する。
一方、ステップS41のチェックの結果、外部表示装置が接続されていれば、システム制御部130は、接続されている端子を検出する(ステップS47)。この検出の結果、接続されている端子がコンポジット・ビデオ端子であった場合には、システム制御部130は、前記ステップS42以降の処理を行う。一方、接続されている端子がコンポジット・ビデオ端子でない場合には、システム制御部130は、外部表示装置の解像度情報を取得可能であるかどうかをチェックする(ステップS48)。このチェックの結果、外部表示装置の解像度情報を取得できないときには、システム制御部130は、前記ステップS42以降の処理を行う。一方、外部表示装置の解像度情報を取得できるときには、システム制御部130は、その解像度情報を取得し、取得した解像度情報から表示アスペクト比を取得する(ステップS49)。システム制御部130(外部表示制御手段)は、取得したアスペクト比を前記変数ASPECTに代入した(ステップS50)後、前記ステップS44以降の処理を行う。
本デコード・リサイズ処理によれば、外部表示装置が接続されていない状態で、画像表示部112に再生画像を表示する場合には、撮影時アスペクト比の画像データを表示する。一方、外部表示装置が接続され、かつその外部表示装置の解像度情報を取得できる状態で、その外部表示装置に再生画像を表示する場合には、取得した解像度情報に応じた表示アスペクト比のJPEG画像データをRAWファイルから読み出してデコードする。このように、表示対象の画像データとしてRAW画像データが指定された場合には、外部表示装置の解像度に応じたアスペクト比で表示することができるため、画面に余分な黒枠などが発生せず、画面を有効利用できる。
黒枠については、表示装置側の画面モード切替等によっても消すことは可能であるが、このようにして黒枠を消した場合には、画像の端がカットされたり、画像が歪んだりしていた。しかし本発明によれば、そのような弊害が生じることはない。
また、RAWファイル内には、2つのアスペクト比に対応する画像データが、現像・圧縮済画像データとして保存されているため、表示アスペクト比に応じて表示対象の画像データを切り替える場合でも、RAW画像データから改めて現像する必要がなく、表示対象の画像データを迅速に表示することができる。
なお本実施の形態では、外部表示装置に再生画像を表示する場合、当該外部表示装置から取得した解像度情報に応じたアスペクト比の表示用JPEG画像データを、RAWファイルに含まれる複数のJPEG画像データから選択するようにした。しかし、これに代えて、あるいはこれとともに、前記アスペクト比切替ボタン136を撮影時だけでなく再生中にも使用できるようにして、操作者がアスペクト比切替ボタン136を操作する度に、その操作に応じて指示されたアスペクト比の画像データを選択して外部表示装置に表示するようにしても良い。これにより、複数のアスペクト比の画像をユーザ操作に応じて瞬時に切り替えることが可能となり、画角の違いを簡単に確認することができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態に係る撮像装置について説明する。
本実施の形態の撮像装置は、上記第1の実施の形態の撮像装置に対して、次の点が異なっている。すなわち、上記第1の実施の形態の撮像装置は、外部機器として外部表示装置を接続して撮影画像(再生画像)を表示する際に、その外部表示装置の表示アスペクト比のJPEG画像データをRAWファイル内から読み出し、このJPEG画像データをデコード・リサイズして外部表示装置に表示する。これに対して、本実施の形態の撮像装置は、外部機器としてプリンタ(外部印刷装置)を接続して撮影画像を印刷する際に、そのプリンタで印刷しようとしている用紙サイズを検出し、検出した用紙サイズに対応するアスペクト比のJPEG画像データをRAWファイル内から読み出し、このJPEG画像データをデコード・リサイズしてプリンタに印刷する。このように相違する本実施の形態の撮像装置は、上記第1の実施の形態の撮像装置が実行する制御処理の一部を変更するだけで実現できる。したがって、本実施の形態の撮像装置のハードウェアは、上記第1の実施の形態の撮像装置と同様のもの、すなわち前記図1に記載のものをそのまま用いることにする。
なお、本実施の形態の撮像装置、つまりデジタルカメラ100には、外部表示装置300は接続されていないものとする。また上記第1の実施の形態では、アスペクト比として4:3又は16:9のいずれかを選択できるようにしたが、本実施の形態では撮影画像を印刷用紙上に印刷するので、アスペクト比としては16:9よりも3:2あるいは7:5の方を使用することが多い。そのため本実施の形態では、印刷用紙用アスペクト比として3:2を採用し、アスペクト比として4:3又は3:2のいずれかを選択できるようにしている。
図8は、デジタルカメラ100、特にシステム制御部130が実行するSWに応じた処理の手順を示すフローチャートである。この図8のSWに応じた処理は、前記図6のステップS31の「SWに応じた処理」を詳細に記載したものである。つまり、本実施の形態の制御処理は、前記第1の実施の形態の撮像装置が実行する制御処理の一部(ステップS31の「SWに応じた処理」)を用いて実現されている。
図8において、まずシステム制御部130は、プリンタとの接続が検出されたかどうかをチェックする(ステップS61)。このチェックの結果、プリンタとの接続が検出されなかった場合、つまり、プリンタ以外のSWが検出された場合には、システム制御部130は、処理をステップS62へ進める。ステップS62では、システム制御部130は、検出されたSWに応じた処理(但し、その詳細については省略)を行う。そしてシステム制御部130は、処理をステップS61へ戻す。
一方、前記ステップS61でのチェックの結果、プリンタとの接続が検出された場合には、システム制御部130は、処理をステップS63へ進める。ステップS63では、処理対象の画像データ、つまり前記図6のステップS22又はS30で読み込まれた画像データが、JPEG画像データであるか、RAW画像データであるかを判定する。この判定の結果、その画像データがJPEG画像データであるときには、システム制御部130は処理をステップS69へ進める一方、その画像データがRAW画像データであるときには、システム制御部130は処理をステップS64へ進める。
ステップS64では、システム制御部130は、プリンタ200から通信I/F147を介して用紙情報を取得する。そしてシステム制御部130は、取得した用紙情報に基づいて用紙アスペクト比を取得し(ステップS65)、取得した用紙アスペクト比が4:3あるいは3:2のいずれであるかをチェックする(ステップS66)。このチェックの結果、用紙アスペクト比が4:3である場合には、システム制御部130(外部印刷制御手段)は、RAWファイル内の領域Aの表示用JPEG画像データをデコードするとともに表示用サイズにリサイズする(ステップS67)。一方、用紙アスペクト比が3:2である場合には、システム制御部130(外部印刷制御手段)は、RAWファイル内の領域B′の表示用JPEG画像データをデコードするとともに表示用サイズにリサイズする(ステップS68)。なお、用紙アスペクト比が4:3及び3:2のどちらでもない場合には、どちらか近い方のアスペクト比を採用して分岐するものとする。
図9は、本実施の形態のデジタルカメラ100における、イメージサークル(破線)、アスペクト比4:3選択時の記録領域(実線;領域A)及びアスペクト比3:2選択時の記録領域(2点鎖線;領域B′)を示した図である。同図には、領域C′として、双方のアスペクト比の記録領域を包含する矩形領域も示されている。
次にシステム制御部130は、リサイズした表示用YUV画像データを画像表示部112に転送することで、再表示を行う(ステップS69)。さらにシステム制御部130は、印刷開始や設定変更の方法をガイド表示する(ステップS70)。
そして、印刷開始が指示されると、システム制御部130は、接続されているプリンタへ用紙アスペクト比に応じた画像データを転送した(ステップS71→S72)後、本SWに応じた処理を終了する。
なお本実施の形態では、選択可能なアスペクト比として、4:3と3:2の2種類を採用した。しかし、用紙アスペクト比としては、この2種類以外にさまざまなものが考えられるため、撮影時に3種類以上のアスペクト比に対応した画像データを保存しておくようにしても、もちろん構わない。
このように本実施の形態では、RAW画像データを記録する際にRAWファイル内にJPEG画像データをプリンタの用紙アスペクト比に応じて複数用意しておくようにしたので、そのデータを用いて印刷する場合に、画像表示部112上で確認した画像と同じ画角で、周囲に余白の生じないプリント画像を得ることができる。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態に係る撮像装置について説明する。
第1及び第2の実施の形態では、撮影画像の全体を表示したり印刷したりするようにしたが、撮影画像の一部をトリミングして表示したり印刷したりしたい場合もある。
例えば第2の実施の形態では、印刷用紙の用紙アスペクト比に合わせた画像データを選択するのは、あくまでも撮影画像の全体を印刷する際に印刷用紙に余白を生じさせたくない場合に有効である。したがって、画像の一部をトリミング指定し、この一部を印刷する場合には、トリミング指定枠のアスペクト比を用紙アスペクト比に一致させれば、用紙アスペクト比に合わせた画像データを選択する必要はない。
しかし、トリミング指定枠が元画像の上/下/左/右の端にある場合に、余白を入れないとすると、必要な画像が端にあるままでトリミングすることになる。この場合、トリミングされた画像が利用者の意図に合わないことがある。
また、記録されたRAW画像データには含まれているにもかかわらず、RAWファイル内の印刷用アスペクト比に応じたJPEG画像データではカットされてしまうため印刷できない画像がある。
図10は、本実施の形態の撮像装置が実行する制御処理を説明するための図である。
図10(a)は、RAW画像データとして記録される領域を示している。斜線部は、イメージサークルの範囲外となるため、無効データとなっている部分を示している。
図10(b)及び図10(c)はそれぞれ、アスペクト比4:3及び3:2で記録されたRAWファイル内の各JPEG画像データのイメージを示している。同図(b)及び(c)の斜線部は便宜上描いたもので、データとしては記録されていない。
デジタルカメラ100とプリンタ400(印刷用紙の用紙アスペクト比は3:2とする)が接続されたときに画面表示部112に表示される印刷前画面は、図10(c)の画面と同じになる。すなわち、画面上の文字“X”及び“Y”の一部がカットされたものとなっている。
図10(d)は、この画像データ(表示対象又は印刷対象の画像データ)に対してトリミング指定を行った一例を示している。同図(d)において、トリミング枠1001(一部領域内)は、印刷に合わせ3:2のアスペクト比で表示される。同図(d)に示すように、カットされていたXが表示されている。これは、RAWファイル内のアスペクト比4:3のJPEG画像データを使って画像を補完することで可能となる。
このように、トリミング指定時には、複数のアスペクト比からなる画像を併用することで、トリミング指定範囲を広げることができる。
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態に係る撮像装置について説明する。
前記第1の実施の形態の撮像装置では、RAW画像データを記録する際に、複数のアスペクト比に対応した画像の現像・リサイズ処理を行っているので、その記録処理に時間がかかっていた。本実施の形態の撮像装置では、次の撮影までのタイムラグを短くするようにしている。このように相違する本実施の形態の撮像装置は、上記第1の実施の形態の撮像装置の制御処理の一部を変更するだけで実現できる。したがって、本実施の形態の撮像装置のハードウェアは、上記第1の実施の形態の撮像装置と同様のもの、すなわち前記図1に記載のものをそのまま用いることにする。
図11は、本実施の形態のデジタルカメラ100、特に画像処理部107が実行する撮影時画像処理の手順を示すフローチャートである。図11中、図2と同様の処理を行うステップには同一のステップ番号を付し、その説明は省略する。
図11において、画像処理部107は、記録モードとしてRAW記録モードが設定されている場合には、前記図2のステップS8及びS9の処理と同様の処理を行った後、処理をステップS81に進める。
ステップS81では、画像処理部107は、前記図2のステップS2の処理と同様にして、アスペクト比が4:3あるいは16:9のいずれに設定されているかをチェックする。このチェックの結果、アスペクト比が4:3に設定されている場合には、画像処理部107は、領域A内の画像データに対して現像処理を行い、YUVデータに変換する(ステップS82)。さらに画像処理部107は、この現像後の画像データ、つまりYUVデータをリサイズして、表示用画像データ及びサムネイル用画像データをそれぞれ生成し、リサイズ済の各画像データを圧縮/伸長部110にて圧縮する(ステップS83)。
次に画像処理部107は、第2シャッタスイッチ135の状態を検出して、撮影指示がなされているかどうかをチェックする(ステップS84)。このチェックの結果、次の撮影指示がなされていれば、画像処理部107は、選択されなかったアスペクト比16:9の画像データ(領域B)の現像をせずに撮影処理を優先させる。この領域B内の画像データの現像・圧縮・記録については、画像処理部107は、撮影処理終了後に、図示しない処理内でまとめて行うようにしている。
一方、前記ステップS84におけるチェックの結果、次の撮影指示がなされていなければ、画像処理部107は、処理をステップS85に進める。ステップS85では、画像処理部107は、領域B内の画像データに対して現像処理を行い、YUVデータに変換する。さらに画像処理部107は、この現像後の画像データ、つまりYUVデータをリサイズして、表示用画像データ及びサムネイル用画像データをそれぞれ生成した(ステップS86)後、処理をステップS7に進める。
一方、ステップS81におけるチェックの結果、アスペクト比が16:9に設定されている場合には、画像処理部107は、領域B内の画像データに対して現像処理を行い、YUVデータに変換する(ステップS87)。さらに画像処理部107は、この現像後の画像データ、つまりYUVデータをリサイズして、表示用画像データ及びサムネイル用画像データをそれぞれ生成し、リサイズ済の各画像データを圧縮/伸長部110にて圧縮する(ステップS88)。
次に画像処理部107は、第2シャッタスイッチ135の状態を検出して、撮影指示がなされているかどうかをチェックする(ステップS89)。このチェックの結果、次の撮影指示がなされていれば、画像処理部107は、選択されなかったアスペクト比4:3の画像データ(領域A)の現像をせずに撮影処理を優先させる。この領域A内の画像データの現像・圧縮・記録については、画像処理部107は、撮影処理終了後に、図示しない処理内でまとめて行うようにしている。
一方、前記ステップS89におけるチェックの結果、次の撮影指示がなされていなければ、画像処理部107は、処理をステップS90に進める。ステップS90では、画像処理部107は、領域A内の画像データに対して現像処理を行い、YUVデータに変換する。さらに画像処理部107は、この現像後の画像データ、つまりYUVデータをリサイズして、表示用画像データ及びサムネイル用画像データをそれぞれ生成した(ステップS91)後、処理をステップS7に進める。
なお、前記ステップS84の撮影指示のチェックは、図11ではステップS85の処理の直前で行うようにしているが、これは一例であって、ステップS85の処理が開始してからステップS86の処理が終了するまでの途中で行うようにしてもよい。この事情は、前記ステップS89の撮影指示のチェックについても同様である。
このように本実施の形態では、撮影時に選択されていないアスペクト比の現像・リサイズ処理中に撮影指示があると、現像・リサイズ処理を中断し、撮影動作を優先させるように構成したので、RAW画像データの記録時であっても、最小限のタイムラグで次の撮影を開始することができる。
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態に係る撮像装置について説明する。
第4の実施の形態では、複数のアスペクト比に対応した画像データを現像・リサイズ処理することで、その処理に時間がかかってしまうという問題に対処するために次の撮影までのタイムラグを短くする方法を提示した。これに対して本実施の形態では、現像処理そのものの時間短縮を行なうために複数のアスペクト比に共通する領域に対する現像処理を1回だけ行うようにしている。
図12に、本実施の形態のデジタルカメラ100における、イメージサークル(破線)、アスペクト比4:3選択時の記録領域(実線;領域A)及びアスペクト比16:9選択時の記録領域(2点鎖線;領域B)を示した図である。同図には、領域Cとして、双方のアスペクト比の記録領域を包含する矩形領域も示されている。
図12は、前記図2とほぼ同様であるが、領域Aをa1,common,a2の各領域に分割した形で表示している。領域Bについてもb1,common,b2の各領域に分割することができる。ここで領域A及び領域Bに共通するcommon領域についての現像処理を1回のみ行うことで、現像処理に要する時間をほぼ半分に減らすことができる。但し、実際に分割して現像処理を行うためには、分割された領域間にある程度オーバーラップ分が必要となる(したがって、領域A及び領域Bに略共通する領域について現像処理を1回のみ行うことになる)が、その場合でも、処理時間の低減が期待できる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
なお、上述した各実施の形態は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウェア(プログラム)をパーソナルコンピュータ(CPUやプロセッサ)にて実行することでも実現できる。