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JP5333270B2 - 印刷装置及び印刷方法 - Google Patents

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JP5333270B2
JP5333270B2 JP2010020630A JP2010020630A JP5333270B2 JP 5333270 B2 JP5333270 B2 JP 5333270B2 JP 2010020630 A JP2010020630 A JP 2010020630A JP 2010020630 A JP2010020630 A JP 2010020630A JP 5333270 B2 JP5333270 B2 JP 5333270B2
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Description

本発明は、印刷装置及び印刷方法に関する。
ノズルからインクを噴出して媒体上にインクドットを着弾させることで画像等の印刷を行うインクジェット印刷装置において、着弾後にインクドットが媒体に染みこむことによって、媒体が膨張することがある。一方、インクの噴出位置やタイミングは、膨張していない通常時の状態の媒体を基準として制御されている。したがって、膨張した媒体にインクが噴出されると、インクドットは当初の着弾予定位置からずれた地点に着弾することになり、画像劣化を引き起こす一因となる。
そこで、媒体の搬送中に、インクの噴出量が少ないノズルから順にインクを噴出するようにノズル配置を構成することで、搬送中(画像等の印刷中)に媒体が膨張するタイミングをなるべく遅らせて、インクドットの着弾位置のずれを少なくして良好な画像品質を保つ方法が提案されている(例えば特許文献1)。
特開2002−079696号公報
媒体の膨張タイミングを遅らせたとしても、結局は媒体の膨張自体を止めることはできないため、媒体の搬送下流域において媒体膨張後に噴出されたインクドットは、やはり着弾予定の位置からずれて着弾することになり、完全に画像劣化を防止することは難しい。特に、シアンインクやマゼンタインクによって形成されるドットは視覚的に目立ちやすく、シアンやマゼンタのインクドットが互いにずれて形成されると、画像の劣化も目立ちやすくなる。
本発明では、シアン、マゼンタ、イエローのインクを用いて印刷を行うインクジェット印刷装置において、マゼンタのインクドットとシアンのインクドットとが互いにずれた位置に形成されることによる印刷画像の劣化を防止することを目的としている。
上記目的を達成するための主たる発明は、A)媒体の搬送方向と直交する方向に配置されたノズル列により構成され、前記媒体に、シアンインク、マゼンタインク、及び、イエローインクを噴出して印刷を行うヘッド部と、B)前記ヘッド部を制御する制御部であって、前記媒体で前記イエローインクが噴出される画素と、前記イエローインクが噴出されない画素とを特定し、前記イエローインクが噴出される画素には、前記ヘッド部から前記イエローインクを噴出させ、前記イエローインクが噴出されない画素には、前記ヘッド部からアンダーコートインクを噴出させ、前記イエローインク、及び、前記アンダーコートインクが噴出された後に、前記ヘッド部から前記媒体に前記シアンインク、及び、前記マゼンタインクを噴出させる制御部と、を備える印刷装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
印刷装置の全体構成を示すブロック図である。 プリンター1の印刷領域周辺の構成を示す概略図である。 ヘッドの配列の説明図である。 図4Aは通常時の紙の構造を表した概念図である。図4Bは水分を含んだ場合の紙の構造を表した概念図である。 インクの吸収によって紙が膨張する様子を表した図である。 インクの打ち込み量と紙の伸縮量との関係を表した図である。 所定の画素データに基づいて、実際に媒体上に形成されるドットの配置を表した図である。 図7と同一の画素データによって、膨張した媒体上に形成されるドットの配置を表した図である。 図8の媒体が縮んだ状態におけるドットの配置を表した図である。 CMY各色のインク打ち込みタイミングと媒体の膨張量の関係を表した図である。 Cインクを打ち込んだ際のドット形成の様子を表した図である。 Mインクを打ち込んだ際のドット形成の様子を表した図である。 Yインクを打ち込んだ際のドット形成の様子を表した図である。 媒体が完全膨張してMインク及びCインクを打ち込む場合の、各色インク打ち込みタイミングと媒体の膨張量の関係を表した図である。 図12のタイミングで印刷を行った場合に媒体上に形成される各色インクドットの配置を表した図である。 第1実施形態における各色ヘッドの配置を表した図である。 第1実施形態における各色インクの打ち込みタイミングと媒体の膨張量との関係を表した図である。 第1実施形態において実際に媒体上に形成される各色ドットの様子を表した図である。 第2実施形態における各色ヘッドの配置を表した図である。 第2実施形態における各色インクの打ち込みタイミングと媒体の膨張量との関係を表した図である。 第2実施形態において実際に媒体上に形成される各色ドットの様子を表した図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
A)媒体の搬送方向と直交する方向に配置されたノズル列により構成され、前記媒体に、シアンインク、マゼンタインク、及び、イエローインクを噴出して印刷を行うヘッド部と、B)前記ヘッド部を制御する制御部であって、前記媒体で前記イエローインクが噴出される画素と、前記イエローインクが噴出されない画素とを特定し、前記イエローインクが噴出される画素には、前記ヘッド部から前記イエローインクを噴出させ、前記イエローインクが噴出されない画素には、前記ヘッド部からアンダーコートインクを噴出させ、前記イエローインク、及び、前記アンダーコートインクが噴出された後に、前記ヘッド部から前記媒体に前記シアンインク、及び、前記マゼンタインクを噴出させる制御部と、 を備える印刷装置。
このような印刷装置によれば、印刷時にマゼンタのインクドットとシアンのインクドットとが互いにずれた位置に形成されることによって印刷画像が劣化するのを防止することができる。
かかる液体噴出装置であって、前記アンダーコートインクを噴出した後に、前記イエローインクを噴出することが望ましい。
このような印刷装置によれば、媒体上に形成されるイエローインクドットとマゼンタインクドット(またはシアンインクドット)とのズレをより少なくすることができる。
かかる液体噴出装置であって、前記イエローインクを噴出するヘッドと、前記アンダーコートインクを噴出するヘッドとの搬送方向の間隔よりも、前記イエローインクを噴出するヘッド、及び、前記アンダーコートインクを噴出するヘッドのうち、搬送方向下流側に設置されるヘッドと、前記マゼンタインクを噴出するヘッド、及び、前記シアンインクを噴出するヘッドのうち、搬送方向上流側に設置されるヘッドと、の搬送方向の間隔の方が大きいことが望ましい。
このような印刷装置によれば、イエローインク及びアンダーコートインクを媒体に打ち込んだ後に、マゼンタインク(またはシアンインク)を打ち込むまでに十分な時間が確保され、媒体を最大限まで膨張させることができるため、マゼンタインクドットとシアンインクドットとのズレを、より小さくすることができる。
かかる液体噴出装置であって、前記アンダーコートインクが、クリアーインクまたは白インクであることが望ましい。
このような印刷装置によれば、アンダーコートインクとして媒体に大量に打ち込んでも、クリアーインクまたは白インクを背景色として印刷することができるため、印刷画像自体は劣化しにくくなる。
また、媒体でイエローインクが噴出される画素と、イエローインクが噴出されない画素とを特定し、特定された前記イエローインクが噴出される画素に、前記媒体の搬送方向と直交する方向に配置されたノズル列により構成されるヘッド部から、イエローインクを噴出することと、特定された前記イエローインクが噴出されない画素に、前記ヘッド部からアンダーコートインクを噴出することと、前記イエローインク及び前記アンダーコートインクが噴出された後に、前記ヘッド部から前記媒体にシアンインク及びマゼンタインクを噴出することと、を有する印刷方法が明らかとなる。
===印刷装置の基本的構成===
発明を実施するための印刷装置の形態として、インクジェットプリンター(プリンター1)を例に挙げて説明する。
<プリンターの構成>
図1は、プリンター1の全体構成を示すブロック図である。
プリンター1は、紙・布・フィルム等の媒体に文字や画像を記録(印刷)する液体噴出装置であり、外部装置であるコンピューター110と通信可能に接続されている。
コンピューター110にはプリンタードライバーがインストールされている。プリンタードライバーは、表示装置(不図示)にユーザーインターフェースを表示させ、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換させるためのプログラムである。このプリンタードライバーは、フレキシブルディスクFDやCD−ROMなどの記録媒体(コンピューターが読み取り可能な記録媒体)に記録されている。また、プリンタードライバーはインターネットを介してコンピューター110にダウンロードすることも可能である。なお、このプログラムは、各種の機能を実現するためのコードから構成されている。
コンピューター110はプリンター1に画像を印刷させるため、印刷させる画像に応じた印刷データをプリンター1に出力する。
プリンター1は、搬送ユニット20と、ヘッドユニット40と、検出器群50と、コントローラー60と、を有する。コントローラー60は、外部装置であるコンピューター110から受信した印刷データに基づいて各ユニットを制御し、媒体に画像を印刷する。プリンター1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は検出結果をコントローラー60に出力する。コントローラー60は検出器群50から出力された検出結果に基づいて搬送ユニット20等の各ユニットを制御する。
<搬送ユニット>
図2は、プリンター1の印刷領域周辺の概略図である。
搬送ユニット20は、媒体(例えば紙Sなど)を所定の方向(以下、搬送方向という)に搬送させるためのものである。この搬送ユニット20は、上流側搬送ローラー23A及び下流側搬送ローラー23Bと、ベルト24とを有する(図2)。不図示の搬送モータが回転すると、上流側搬送ローラー23A及び下流側搬送ローラー23Bが回転し、ベルト24が回転する。給紙ローラー(不図示)によって給紙された媒体は、ベルト24によって印刷可能な領域(ヘッドと対向する領域)まで搬送される。印刷可能な領域を通過して画像が印刷された紙Sは、ベルト24によって外部へ排紙される。なお、搬送中の紙Sはベルト24に静電吸着又はバキューム吸着されている。
<ヘッドユニット40>
ヘッドユニット40は、媒体にインクを噴出するためのものである。ヘッドユニット40は、搬送中の媒体に対して各色インクを噴出することによってドットを形成し、媒体上に画像を印刷する。本実施形態のプリンター1はラインプリンターであり、ヘッドユニット40は搬送ユニット20のベルト24の上方に設けられ(図2)、各ヘッドは媒体幅分のドットを一度に形成することができる。
ヘッドユニット40は、複数のノズルを有するヘッド41を備える。図3は、ヘッドユニット40の下面における複数のヘッドの配列の説明図である。図に示すように、紙幅方向に沿って、複数のヘッド41が千鳥列状に並んでいる。各ヘッドには、C(シアン)インクノズル列、M(マゼンタ)インクノズル列、Y(イエロー)インクノズル列、及び、CL(クリアー)インクノズル列等が形成されている。なお、CL(クリアー)インクとは、無色透明のインクのことを言う。各ノズル列は、インクを吐出するノズルを複数個備えている。各ノズル列の複数のノズルは、紙幅方向に沿って、一定のノズルピッチで並んでいる。そして、搬送中の媒体に対して各ノズルから断続的にインク滴が噴出されることによって、各ノズルは、媒体の搬送方向に沿ったドットライン(ラスタライン)を形成する。
<検出器群50>
検出器群50には、ロータリー式エンコーダー(不図示)や、紙検出センサー(不図示)などが含まれる。ロータリー式エンコーダーは上流側搬送ローラー23Aや下流側搬送ローラー23Bの回転量を検出する。ロータリー式エンコーダーの検出結果に基づいて媒体の搬送量を検出することができる。紙検出センサーは給紙中の媒体の先端の位置を検出する。
<コントローラー60>
コントローラー60は、プリンターの制御を行うための制御ユニット(制御部)である。コントローラー60は、インターフェース部61と、CPU62と、メモリ63と、ユニット制御回路64とを有する。
インターフェース部61は、外部装置であるコンピューター110とプリンター1との間でデータの送受信を行う。CPU62は、プリンター1の全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子によって構成される。そして、CPU62は、メモリ63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して搬送ユニット20等の各ユニットを制御する。
<プリンターの印刷動作>
プリンター1の印刷動作について簡単に説明する。コントローラー60は、コンピューター110からインターフェース部61を介して印刷命令を受信し、各ユニットを制御することにより印刷を行う。
プリンター1がコンピューター110から印刷データを受信すると、コントローラー60は、不図示の給紙ローラーを回転させ、印刷すべき紙Sをプリンター内に供給し、印刷すべき紙Sを搬送ベルト24まで送る。続いて、上下流の搬送ローラー23A及び23Bによりベルト24を回転させ、給紙ローラーから送られてきた紙Sを印刷開始位置まで搬送する。紙Sはベルト24上を一定速度で停まることなく搬送され、ヘッドユニット40の下を通過する。
紙Sが搬送方向に沿って移動する間に、コントローラー60は、印刷データに基づいてヘッド41からインクを断続的に噴出させる。噴出されたインク滴が紙S上に着弾すると、紙S上にドットが形成され、紙S上には搬送方向に沿った複数のドットからなるドットライン(ラスタライン)が形成される。コントローラー60は、印刷すべきデータがなくなるまで、ヘッド41からインクを噴出させ、ドットラインにより構成される画像を徐々に紙Sに印刷する。そして、印刷すべきデータがなくなると、ベルト搬送によりその紙を排紙する。次の紙に印刷を行う場合は同処理を繰り返し、行わない場合は、印刷動作を終了する。
===媒体(紙)の膨張について===
本実施形態における印刷装置では、画像を印刷する媒体として、主に「紙」を使用することを想定している。印刷時には、ヘッドから噴出されたインク滴が媒体である紙に着弾し、浸透・定着することで紙面上にドットを形成し、該ドットが集合することで画像が形成される。
<紙の性質>
一般的に、「紙」はセルロース繊維によって構成されており、多数のセルロース繊維が絡まりあって密集することで平面形状の紙が形成される。セルロース繊維は炭水化物が直鎖状に重合した高分子化合物であり、紙の他にも衣料用繊維などに利用されている。
図4Aは通常時の紙の構造を概念的に表した図である。また、図4Bは水を含んだ場合の紙の構造を概念的に表した図である。
前述のように、紙は直鎖上のセルロース繊維が複雑に絡まりあった構造をしており、1本1本のセルロース繊維は、互いに水素結合により結びついている(図4A)。通常の状態では、水素結合の結合力によって、紙はその形状(印刷媒体としての紙は平面形状)を保っている。
ここで、紙に水分を加えると、水分子が紙を構成するセルロース繊維間に分散し、セルロース繊維間の水素結合が切断される。水素結合による結合力を失った繊維同士では、お互いの結びつきが弱まるために、絡み合っていた繊維の間隔が広がって膨潤した状態となる。これにより、平面形状の紙が膨張することになる(図4B)。
その後、吸収した水分が乾燥することにより、再び図4Aのような状態となり、紙は元の大きさに戻る(膨張していたものが元の大きさに縮む)。なお、セルロース繊維間の水素結合は、完全に元と同じ結合状態に戻るわけではないため、きれいな平面状になるとは限らず、一度水分を吸収した後に乾燥した紙には「しわ」ができる場合がある。
<紙の膨張の仕方>
紙の膨張が、セルロース繊維間の結合力の変化に起因することを説明したが、実際に、印刷媒体としての紙を構成する繊維間で、どの部分の結合がどの程度切断されるのかを把握することは不可能である。そこで、本実施形態では、インクを吸収した紙は一様に膨張するものと仮定して、単純化して説明を行う。
図5は、本実施形態においてインクの吸収によって紙が膨張する様子を説明する図である。実線で描かれたものが通常状態の紙の輪郭を表し、破線で描かれたものが水分(インク)を吸収することにより膨張した紙の輪郭を表す。膨張は、紙の中央を基準点として、図5の横方向(X方向)と縦方向(Y方向)に均等に膨張するものとする。例えば紙の中央部にインク滴が1ドット分形成された場合、該インク滴に含まれる水分を吸収することによって、紙はX方向に±nマイクロメートル(μm)ずつ広がり、同様にY方向に±nマイクロメートル(μm)ずつ広がるものとする。
次に、水分の吸収量と紙の膨張量との関係について検討する。紙に水分が吸収され、セルロース繊維間の水素結合が切断されたとしても、繊維同士が絡まった状態は維持され、1本1本の繊維がバラバラになるわけではない。したがって、紙は水分の吸収量に応じて無限に膨張するのではなく、膨張量には必ず限界がある。
図6に、紙に対して噴出されるインクの量(以下、インクの打ち込み量とも言う)と該インクを吸収して紙が伸縮する量との関係を表した図を示す。なお、図6のデータは、本実施形態の印刷装置を用いてA4サイズ(210mm×297mm)の媒体(紙)に噴出量を変えながら黒インクを噴出した場合に、インクが噴出されてから4秒後における紙の伸縮量を測定した結果に基づいている。また、A4全面にベタ印刷を行った場合(A4の紙の全画素について最大径のインクドットが形成された場合)のインク打ち込み量は3.6mg/inchである。
紙の伸縮量は、インクの打ち込み量が増加するに従って増加していくが、インク打ち込み量が2mg/inchを超えたあたりから伸縮量が一定となることがわかる。すなわち、紙はインク(水分)の吸収量に比例して膨張する。そして、ある程度以上の量のインク(水分)を吸収すると飽和状態となり、それ以上の量のインクを打ち込んでも紙は膨張しない。なお、紙の膨張量は、紙の種類・性質、インクの成分(水分含有率)等によっても異なるものと考えられる。
===膨張による印刷ずれの発生===
紙が膨張することによって、印刷される画像がどのような影響を受けるのかについて説明する。
<紙が膨張しない場合のドット形成>
まず、媒体(紙)が全く膨張しない場合におけるインクドットの形成について説明する。図7は、ある印刷データを用いて媒体に印刷を行う場合に、実際に媒体上に形成されるドットの配置を表した図である。印刷に使用するデータは、3×3の格子状画素P1〜P9中の所定の画素(図7においてはP1・3・4・5・8・9の6画素)にドットを形成するための画素データとする。当該画素データに応じて媒体上の対応画素に向けてヘッドからインクが噴出されることで、画素データで指定された画素にドットが形成される。なお、当該画素データは便宜上、簡略化したデータであり、実際の印刷に用いられる画素データはこれよりも大きなものである。ここで、P5の画素に形成されるドットが媒体の(紙)中心位置に着弾するものとし、また、ヘッドユニットや搬送ユニットの動作誤差等によるドット着弾位置のズレは発生しないものとする。
媒体(紙)が膨張していない状態であれば、画素データで表されるドットの位置と、それに対応して実際に媒体上に形成されるドットの位置とでズレを生じることなく、印刷データどおりの画像を印刷することができる。
<紙が膨張した場合のドット形成>
続いて、水分を吸収することによって膨張した状態の媒体(紙)にインクが噴出された場合の、ドット形成の様子について説明する。図8は図7で使用した画素データと同一の画素データを用いて、膨張状態の媒体に印刷を行う場合に、実際に媒体上に形成されるドットの配置を表した図である。また、図9は図8でドットが形成された媒体が乾燥によって縮んだ状態を表す図である。なお、媒体の膨張は、前述のように、媒体の中心位置を基準として、X方向及びY方向に均等に膨張するものとする。
膨張後の媒体上の画素P1′〜P9′は、それぞれ膨張前の画素P1〜P9よりも広くなり、また、膨張の基準位置となる中央部の画素P5′以外の画素は位置もズレる。元となる印刷データ通りの画像を印刷するためには、この膨張後の画素P1′〜P9′に合わせてドットを形成する必要がある。すなわち、ヘッドユニットから噴出されたインクドットはP1′〜P9′の各画素の中心位置にそれぞれ着弾しなければならず、本来であれば図8の○で表される位置にドットが形成されるべきである。しかし、媒体の膨張によって、画素データ上の画素(P1〜P9)と、実際の媒体上の画素(P1′〜P9′)とにズレが生じていることから、実際には図8の●で表される位置にドットが形成される。この、○と●との間に生じる相対位置のズレが印刷ズレとなる。
所定の時間が経過することにより媒体が乾燥すると、媒体の大きさは元の状態(図7における媒体の大きさ)に戻る。媒体の縮小時は膨張時と同様に、媒体の中心(画素P5′)を基準として縮むものとすると、膨張していた画素(P1′〜P9′)も、(P1″〜P9″)となり、再び画素データ(P1〜P9)に対応する形状に戻る。そして、図8で形成されたインクドットも、媒体の縮小に伴って図9の●で表される位置に移動する。
図7と図9とで印刷された画像を比較すると、同じ画素データを用いて印刷を行った場合でも、媒体の膨張後に形成されたインクドットは、媒体の膨張前に形成されたインクドットよりも全体的に内側(基準点寄り)にズレて形成される。
<複数の色のインクを用いた印刷時について>
本実施形態の印刷装置では、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)等の複数のインクを用いて印刷を行う。そして各色のインクは、媒体の搬送方向に並んだ各色ヘッドから順番に媒体上に噴出される(図2参照)。ここで、媒体上にインクが全く噴出されていない搬送の初期段階では媒体の膨張も生じていないため、搬送過程の最初に形成されるインクドットでは、図7に示したように印刷ずれの問題は生じない。しかし、搬送の終盤においては、それまでの搬送過程で媒体上に多数のインクドットが噴出されているため、該インクの水分を吸収することによって媒体が膨張し、図8及び図9に示したようにドットはズレて形成される。つまり、媒体の搬送過程において、インクが噴出されるタイミングの違いにより、形成されるドットの着弾位置にずれが生じる場合がある。
例えば、媒体にY,M,Cの順にインクを噴出して印刷を行う場合に、媒体の膨張が印刷画像にどのような影響を与えるかについて考える。図10は、YMCの3色のインクを用いて、それぞれ同じ画素データに基づいて同じ量ずつ媒体にインクを打ち込んでいく場合の、各色インクの打ち込みタイミングと媒体の膨張量との関係を表した図である。図11AはYインクを打ち込んだ際のドット形成の様子を表した図である。図11BはMインクを打ち込んだ際のドット形成の様子を表した図である。図11CはCインクを打ち込んだ際のドット形成の様子を表した図である。前述の場合と同様に、媒体は中央部を基準として均等に膨張するものとする。
はじめにYインクを噴出する以前は、媒体は水分を吸収していないため膨張量はゼロである(図10)。したがって、Yインクドットは媒体上の画素データで指定された通りの位置にズレることなく形成される。なお、図11Aでは3×3の各画素にドットを形成する画素データに基づいて印刷が行われた場合を示している。
続いて、Mインクを媒体に噴出する。Mインク噴出時には、媒体は、先に打ち込まれたYインクを吸収した分だけ膨張した状態となっている(第1段階目の膨張とする)。なお、Mインクの打ち込みタイミングは、図10に示すように媒体がYインクを吸収して第1段階目の膨張が完了し、媒体の大きさが一定となった後とする。
図7〜9で説明したように、膨張した状態の媒体に同じ画素データに基づいてインクを噴出すると、媒体の膨張前後でズレた位置にドットが形成される。図11BにおいてもMインクドットは媒体膨張前に形成されたYインクドットからズレた位置に形成されている。例えば、図11Bの右上の画素に形成されるMインクドットは、最初に形成されたYインクドットから−X方向にx1、−Y方向にy1だけズレた位置に形成される。
最後に、Cインクを媒体に噴出する。Cインク噴出時には、媒体は、先に打ち込まれたYインク及びMインクを吸収してさらに膨張した状態となっている(第2段階の膨張とする)。Cインクの打ち込みタイミングは、前述の場合と同様に媒体がMインクを吸収して第2段階目の膨張が完了し、媒体の大きさが一定となった後とする(図10参照)。媒体がさらに膨張しているため、図11Cに示されるように、CインクドットはMインクドットよりさらにズレた位置に形成される。例えば、図11Cの右上の画素に形成されるCインクドットは、最初に形成されたYインクドットから−X方向にx2(x2>x1)、−Y方向にy2(y2>y1)ズレた位置に形成される。
つまり、媒体の搬送過程で、搬送上流側に位置するヘッドから順番に各色インクを噴出していく場合、搬送が進むにしたがって徐々にインクドットの着弾位置のズレが大きくなる。すなわち、後から形成されるインクドットほど、最初に形成されるインクドットからのズレ量が大きくなり、印刷ズレによる画像の劣化が目立つようになる。
===印刷ズレによる画像劣化の防止方法===
このように、印刷媒体として紙を使用する場合には、印刷の途中でインクを吸収することにより媒体のサイズが変化することから、予定通りの位置にインクドットを着弾させることは難しく、着弾位置にズレが生じることが多くなる。そこで、ドットの着弾位置にズレが生じたとしても、印刷される画像の劣化が目立ちにくくなるような方法を検討する必要がある。
ここで問題となるのは、媒体上に形成されたインクドット同士の“ズレ”が目立つ場合である。ドットのズレが目立つということは、当該ドット同士の視認性が高いということを意味するので、印刷に使用するインク(本実施形態においては少なくともC,M,Yの3色)の配色が大きく影響する。一般に、異なる色同士の明度差が大きいほど視認性が高くなるからである。
本実施形態では「白い紙」を媒体として印刷を行うことが多く、印刷画像の背景色は白となる。背景色が「白」の場合、M(マゼンタ)及びC(シアン)は「白」に対して明度差が大きい色となる。したがって、白い媒体上に形成されたMインクドットは目立ちやすく、同様に、白い媒体上に形成されたCインクドットも目立ちやすい。一方で、背景色の「白」に対してY(イエロー)は明度差が小さいため、白い媒体上に形成されたYインクドットは、MインクドットやCインクドットよりも目立ちにくい。
以上のことから、「白い紙」の上に形成されるMインクドットとCインクドットとの形成位置がズレた場合は、両ドット間のズレが視認しやすく、印刷画像劣化の直接的な原因となる。
逆に、「白い紙」の上に形成されるYインクドットと、Mインクドットとの相対位置がズレたとしても、Yインクドット自体が目立ちにくいために、Mインクドットとのズレも目立ちにくい。同様に「白い紙」の上に形成されるYインクドットと、Cインクドットとのズレも目立ちにくい。したがって、Yインクドットの形成位置がズレたとしても、印刷画像劣化の原因にはなりにくい。
そこで、MインクドットとCインクドットとの形成位置がズレないような印刷を行うことで、印刷画像の劣化を防止する。
図12にMインクドットとCインクドットとの形成位置がずれないような印刷を行う際の、各色インク打ち込みタイミングと媒体の膨張量との関係を示す。また、その場合に媒体上に形成される各色ドットの様子を図13に示す。
前述のように、媒体の膨張に起因する画像の劣化は、媒体が搬送される間にインクの水分を吸収して徐々に膨張していくのに対して、媒体の膨張途中で各色インクが打ち込まれることによって各色インクドットの着弾位置がズレることによって生じる(図11A〜図11C)。逆に、媒体が十分に水分を吸収して最大限まで膨張し、それ以上膨張しない状態になってからMインクとCインクとを打ち込めば、MインクドットとCインクドットとの形成位置がズレることは無い。
そのためには、図12に示されるように、最初にYインクとCL(クリアー)インクとを媒体全面に打ち込むことで、媒体に十分な量の水分を吸収させて完全に膨張状態にしておく。媒体がそれ以上膨張しない状態となった後でMインク及びCインクを打ち込むことで、MインクドットとCインクドットについては媒体膨張による影響を受けずに印刷を行うことができる。なお、CLインクの打ち込み等に関する詳細は後述する。
実際に印刷された画像では、図13に示されるように、最初に媒体に打ち込まれたYインクドットと、媒体膨張後に打ち込まれたMインクドット及びCインクドットとの形成位置のズレは大きくなる。しかし、前述のとおりYインクドットのズレは目立ちにくいため画像は劣化しない。そしてMインクドットとCインクドットとの形成位置のズレは小さくなることから、全体として、印刷画像の劣化を防止することが可能になる。
===第1実施形態===
第1実施形態ではY,M,Cの3色のインクに加えて、媒体に水分を吸収させるためのアンダーコートインクとしてCL(クリアー)インクを用いて印刷を行う。ただし、CLインクは画像を構成するためのインクではなく、背景または下地となるインクである。したがって、CLインクの代わりに背景色としてW(白)インクを使うことも可能である。以下、CLインクを用いて印刷を行う場合について説明する。
図14に、第1実施形態における各色ヘッドの配置を示す。図14から明らかなように、本実施形態においては、搬送方向上流側からY→CL→M→Cの順にインクが媒体上に噴出される。なお、MインクとCインクの噴出の順番は逆であってもよい。ただし、本実施形態では、後述するように、Yインク及びCLインクを十分に媒体に吸収させた後に、Mインク及びCインクを打ち込む必要がある。したがって、図14でCLインクヘッドとMインクヘッド(またはCインクヘッド)との間隔はなるべく広い方がよく、少なくともYインクヘッドとCLインクヘッドとの間隔よりも広く取っておくことが望ましい。
また、M,Cインクに加えてK(黒)インクを用いて印刷を行うこともできる。YインクとCLインクを打ち込むことにより、媒体が完全膨張状態に達した場合には、その後どのような順番でインクを打ち込んでもドットの着弾位置のズレは生じないからである。つまり、Y→CLの順にインクが噴出されることによって、媒体が最大限に膨張した状態となればよい。
図15に本実施形態における各色インクの打ち込みタイミングと媒体(紙)の膨張量との関係を示す。また、図16に実際に媒体上の3×3の画素(P1〜P9)に形成される各色ドットの様子を示す。
最初に、印刷データにしたがって、媒体に対してYインクヘッドからYインクドットが噴出される。着弾したYインクドットを吸収することにより、媒体はわずかに膨張する(図15における第1段階目の膨張)。通常の画像印刷では、媒体上の全画素に対してYインクドットが形成される画素の占める割合はあまり大きくない場合がほとんどである。例えば、図16においてYインクドットが形成されるのは(P1〜P9)の9画素中(P3,P4,P8)の3画素だけである。このような少量のYインクドットだけで媒体を飽和状態まで膨張させることはできない。
そこで、媒体上でYインクが形成されなかった残りの全画素に対してCLインクドットを噴出する。例えば、図16においては(P1,P2,P5,P6,P7,P9)の6画素分にCLインクドットが形成される。これにより、媒体はCLインクドットを吸収してさらに膨張する(図15における第2段階目の膨張)。なお、CLインクは透明であるため、大量に媒体に打ち込まれても、印刷画像は劣化しない。最終的には媒体上の全画素(図16においてP1〜P9)がYインクドット及びCLインクドットで完全に埋められることになるため、媒体は飽和状態まで水分を吸収して膨張する。その後、媒体が膨張するための時間を十分にとり、媒体が完全膨張状態となってからMインク及びCインクを噴出する。
印刷の際、コントローラー60は、印刷に用いられる画素データから、媒体上の全画素のうちYインクが噴出される画素と、Yインクが噴出されない画素とを特定する。Yインクが噴出される画素(図16においてP3,P4,P8)にはYインクを噴出させ、Yインクが噴出されない画素(図16においてP1,P2,P5,P6,P7,P9)にはCLインクを噴出させる。そして、Yインク及びCLインクが噴出された後に、搬送下流側のMインクヘッド及びCインクヘッドから、Mインク及びCインクを噴出させる。
本実施形態の方法により、図16に示されるように、Yインクドットと、CLインクドットと、Mインクドット及びCインクドットとが、それぞれ媒体上のズレた位置に形成される。なお、図16では説明のために、3×3の各画素についてM,Cのドットがそれぞれ形成されるものとする。
前述のようにYインクドットの形成位置のズレは目立たず、また、CLインクドットの形成位置のズレは、ドット自体が透明であることから無視することができる。一方、視認性に大きな影響を及ぼすMインクドットとCインクドットに関しては、互いの相対位置にズレが発生しない。これにより、画像の劣化が防止される。
なお、CLインクの打ち込み量は、媒体(紙)の水分吸収量等の性質に合わせて決定すれば良い。例えば、階調値としてCLドットの大きさを指定することで、印刷時の条件に対応して打ち込み量の調整を行う。その他にも大気の湿度による影響を考慮して、湿度の高い時にはCLインクの打ち込み量を少なめにし、逆に湿度の低い時はCLインクの打ち込み量を多くする等の調整をすることができる。
===第2実施形態===
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であり、Y,M,Cの3色のインクに加えて、アンダーコートインクとしてCLを用いて印刷を行う。ただし、YインクとCLインクの噴出順序が第1実施形態とは異なる。
図17に、第2実施形態における各色ヘッドの配置を示す。図17から明らかなように、本実施形態においては、搬送方向上流側からCL→Y→M→Cの順にインクが媒体上に噴出される。なお、第1実施形態と同様、MインクとCインクとの順番は逆であってもよい。つまり、第2実施形態では、CL→Yの順にインクが噴出されることによって、媒体が最大限に膨張した状態となればよい。
図18に第2実施形態における各色インクの打ち込みタイミングと媒体(紙)の膨張量との関係を示す。また、図19に実際に媒体上の3×3の画素(P1〜P9)に形成される各色ドットの様子を示す。
本実施形態においても、まず、コントローラー60によって、Yインクを噴出する画素と噴出しない画素とが特定される。そして、媒体上でYインクが噴出されない画素に対してCLインクヘッドからCLインクドットが噴出される。媒体は、着弾したCLインクドットを吸収することによって膨張する(図18における第1段階目の膨張)。CLインクドットは、印刷データにおいて、媒体上でYインクドットが形成されない予定の全ての画素に対して噴出される。そのため、CLインクドットの噴出量はその後に噴出されるYインクドットの噴出量と比較して相対的に多くなる。例えば、図19においてCLインクドットが形成されるのは(P1〜P9)の9画素中(P1,P2,P5,P6,P7,P9)の6画素分である。したがって、第1段階での媒体のインク吸収量も多くなり、媒体の膨張量も大きくなる。すなわち、第2実施形態における第1段階目の媒体膨張量は、第1実施形態における第1段階目の媒体膨張量よりも大きい。
CLインクドットが噴出された後に、印刷データに応じて所定の画素にYインクドットが噴出される。例えば、図19においては(P3,P4,P8)の3画素にYインクドットが形成される。これにより、媒体はYインクドットを吸収してさらに膨張する(図18における第2段階目の膨張)。最終的には媒体上の全画素(図19においてP1〜P9)がYインクドット及びCLインクドットで完全に埋められることになるため、媒体は飽和状態まで水分を吸収して完全に膨張する。その後、完全膨張状態となった媒体に対してMインク及びCインクを噴出する。
図19に示されるように、第2実施形態でもYインクドットと、CLインクドットと、Cインクドット及びMインクドットとは媒体上でズレて形成される。一方、視認性に大きな影響を及ぼすMインクドットとCインクドットに関しては、互いの相対位置にズレが発生しない。
さらに、本実施形態では、第1実施形態と比較して、第1段階での媒体膨張量が大きく(図15及び図18参照)、第1段階における膨張状態から完全膨張状態に達するまでの媒体の膨張量が少なくなる。つまり、媒体が第1段階目の膨張時にYインクドットが打ち込まれ、Yインクドットが打ち込まれた後は、媒体が大きな膨張をすることなくMインクドット及びCインクドットが打ち込まれることになる。したがって、媒体上に形成されるYインクドットと、Mインクドット及びCインクドットとの相対位置のズレをより小さくすることができる(図16及び図19参照)。これにより、さらなる画像劣化防止効果を得ることが出来る。
===まとめ===
本実施形態では、媒体の搬送方向と直行する方向に並んだノズル列からインクドットを噴出して印刷を行うプリンターを用いて、C(シアン)インクドットとM(マゼンタ)インクドットとで形成位置にズレが生じにくい印刷を行うことができる。
最初に、ヘッド部からY(イエロー)インク及びオーバーコートインクとしてのCL(クリアー)インクを噴出して、媒体(紙)表面上の全ての画素をYインクドット及びCLインクドットで埋めておき、その後、M(マゼンタ)インク及びC(シアン)インクを噴出して印刷を行う。
これにより、M(マゼンタ)インクドットとC(シアン)インクドットとがズレることなく形成されるようになり、媒体の膨張によって生じる印刷画像の劣化を防止することができる。
また、印刷時には、先に媒体にCLインクを噴出しておき、続いて、媒体表面でCLインクドットが形成された画素以外の全ての画素にYインクを噴出することで、媒体(紙)を十分に膨張させてから、Mインク及びCインクを噴出して印刷を行う。
これにより、CLインクよりも先にYインクを噴出した場合よりも、YインクドットとC及びMインクドットとの形成位置のズレを小さくすることができる。
また、本実施形態では、YインクヘッドとCLインクヘッドのうちの搬送方向下流側にあるヘッドと、MインクヘッドとCインクヘッドのうちの搬送方向上流側にあるヘッドとの搬送方向間隔を、YインクヘッドとCLインクヘッドとの搬送方向間隔よりも大きくとっている。
これにより、媒体が十分に膨張した後に、M・Cインクをうちこむことができるため、MインクドットとCインクドットとの形成位置の相対的なズレ量が最小になり、画質の劣化を防止する効果がより大きくなる。
また、本実施形態では、オーバーコートインクとしてCL(クリアー)インク、または、W(白)インクを使用することができる。
これらのインクを下地インクとして使用することにより、CMYによる形成される画像を劣化させること無く、媒体を十分に膨張させることができる。
===その他の実施形態===
一実施形態としてのプリンターを説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<使用するインクについて>
前述の実施形態では、CMY及びCLの4色のインクを使用して印刷する例が説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ、ホワイト、ブラック等、CMYCL以外の色のインクを用いて印刷を行ってもよい。
他色のインクを用いる場合には、明度差の大きい色の組み合わせはなるべく後から媒体に打ち込むようにすると、ドットのズレが目立ちにくくなる。
<プリンタードライバーについて>
プリンタードライバーの処理はプリンター側で行ってもよい。その場合、プリンターとドライバーをインストールしたPCとで印刷装置が構成される。
<他の印刷装置について>
前述の実施形態では、プリンター1としてヘッドが固定された、いわゆるラインプリンターを例に挙げて説明したが、インクを噴出する順番を制御できるのであれば、ヘッド41をキャリッジとともに移動させるタイプのプリンターを用いてもよい。
1 プリンター、20 搬送ユニット、
23A 上流側搬送ローラー、23B下流側搬送ローラー、
24 ベルト、40 ヘッドユニット、
41 ヘッド、411 ケース、412 流路ユニット、
412a 流路形成板、412b 弾性板、412c ノズルプレート、
412d 圧力室、412e ノズル連通口、412f 共通インク室、
412g インク供給路、412h アイランド部、412i 弾性膜、
50 検出器群、60 コントローラー、61 インターフェース部、
62 CPU、63 メモリ、64 ユニット制御回路、
110 コンピューター

Claims (5)

  1. A)媒体の搬送方向と直交する方向に配置されたノズル列により構成され、前記媒体に、シアンインク、マゼンタインク、及び、イエローインクを噴出して印刷を行うヘッド部と、
    B)前記ヘッド部を制御する制御部であって、
    前記媒体で前記イエローインクが噴出される画素と、前記イエローインクが噴出されない画素とを特定し、
    前記イエローインクが噴出される画素には、前記ヘッド部から前記イエローインクを噴出させ、
    前記イエローインクが噴出されない画素には、前記ヘッド部からアンダーコートインクを噴出させ、
    前記イエローインク、及び、前記アンダーコートインクが噴出された後に、前記ヘッド部から前記媒体に前記シアンインク、及び、前記マゼンタインクを噴出させる制御部と、
    を備える印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記アンダーコートインクを噴出した後に、前記イエローインクを噴出することを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項1または2に記載の印刷装置であって、
    前記イエローインクを噴出するヘッドと、前記アンダーコートインクを噴出するヘッドとの搬送方向の間隔よりも、
    前記イエローインクを噴出するヘッド、及び、前記アンダーコートインクを噴出するヘッドのうち、搬送方向下流側に設置されるヘッドと、
    前記マゼンタインクを噴出するヘッド、及び、前記シアンインクを噴出するヘッドのうち、搬送方向上流側に設置されるヘッドと、
    の搬送方向の間隔の方が大きい
    ことを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記アンダーコートインクが、クリアーインクまたは白インクであることを特徴とする印刷装置。
  5. 媒体でイエローインクが噴出される画素と、イエローインクが噴出されない画素とを特定し、
    特定された前記イエローインクが噴出される画素に、前記媒体の搬送方向と直交する方向に配置されたノズル列により構成されるヘッド部から、イエローインクを噴出することと、
    特定された前記イエローインクが噴出されない画素に、前記ヘッド部からアンダーコートインクを噴出することと、
    前記イエローインク及び前記アンダーコートインクが噴出された後に、前記ヘッド部から前記媒体にシアンインク及びマゼンタインクを噴出することと、
    を有する印刷方法。
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