JP5332927B2 - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
特許文献1には、記録材上の画像を加熱ニップNにて加熱する加熱回転体と、加熱回転体との間で加熱ニップを形成するエンドレスベルトと、加熱ニップにおいてベルト内面と摺動自在に設けられベルトを加熱回転体に向けて圧接する加圧部材と、ベルト内面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布部材と、を有する画像加熱装置において、ベルトが加熱回転体に圧接した状態のとき潤滑剤塗布部材はベルトに当接しており、ベルトが加熱回転体に圧接していない状態のとき潤滑剤塗布部材はベルト内面から離間していることを特徴とする画像加熱装置が記載されている。
請求項3に記載の発明は、前記潤滑剤供給部材は、前記定着加圧部に隣接する位置であって前記記録材の挿入側に配設することを特徴とする請求項2に記載の定着装置である。
請求項4に記載の発明は、前記拭き取り部材は、前記定着加圧部に隣接する位置であって前記記録材の排出側に配設することを特徴とする請求項2または3に記載の定着装置である。
請求項5に記載の発明は、前記定着部材と前記定着加圧部材とが、接触状態と離間状態とを可変可能な移動機構を更に有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の定着装置である。
請求項8に記載の発明は、前記制御部は、前記拭き取り部材を前記ベルト部材の内周面に接触させた後に、前記潤滑剤供給部材を当該ベルト部材の内周面に接触させる制御を更に行なうことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置である。
請求項9に記載の発明は、前記定着部材と前記定着加圧部材とが、接触状態と離間状態とを可変可能な移動機構を更に有し、前記制御部は、少なくとも前記記録材が通過するときに前記定着部材と前記定着加圧部材とを接触状態にする制御を更に行なうことを特徴とする請求項6乃至8の何れか1項に記載の画像形成装置である。
請求項2の発明によれば、本構成を採用しない場合に比べ、より適切な量の潤滑剤をベルト部材の内周面に供給することができる。
請求項3の発明によれば、本構成を採用しない場合に比べ、ベルト部材の摺動抵抗を、より低減することができる。
請求項4の発明によれば、本構成を採用しない場合に比べ、ベルト部材の内周面を、より効率よく清掃できるという効果が生じる。
請求項5の発明によれば、本構成を採用しない場合に比べ、定着部材や定着加圧部材に変形が生じるのを抑制することができる。
請求項6の発明によれば、本構成を採用しない場合に比べ、形成される画像に乱れが生じにくい画像形成装置を提供できる。
請求項7の発明によれば、本構成を採用しない場合に比べ、より適切な量の潤滑剤をベルト部材の内周面に供給することができる。
請求項8の発明によれば、本構成を採用しない場合に比べ、潤滑剤をより均一にベルト部材の内面に塗布することができる。
請求項9の発明によれば、本構成を採用しない場合に比べ、定着部材や定着加圧部材に変形が生じるのを抑制することができる。
<画像形成装置の説明>
図1は、本実施の形態の定着装置が適用される画像形成装置の構成例を示した図である。図1に示す画像形成装置1は、所謂タンデム型のカラープリンタであり、画像データに基づき画像形成を行う画像形成部10、画像形成装置1全体の動作を制御する制御部31を備えている。さらには、例えばパーソナルコンピュータ(PC)3や画像読取装置(スキャナ)4等との通信を行って画像データを受信する通信部32、通信部32にて受信された画像データに対し予め定めた画像処理を施す画像処理部33を備えている。
画像形成ユニット11各々は、現像器15に収納されるトナーを除いて略同様に構成され、それぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成する。
一方、一次転写後に感光体ドラム12に付着しているトナー(一次転写残トナー)、および二次転写後に中間転写ベルト20に付着しているトナー(二次転写残トナー)は、それぞれドラムクリーナ16、およびベルトクリーナ25によって除去される。
このようにして、画像形成装置1での画像形成処理がプリント枚数分のサイクルだけ繰り返し実行される。
次に、本実施の形態の定着装置60について説明する。
図2は、本実施の形態の定着装置の第1の実施形態を説明した図である。
図2に示した定着装置60aは、図1で示した定着装置60の第1の例であり、所謂ベルトニップ方式の定着装置である。そして定着装置60aは、用紙Pにトナー像を定着する定着部材の一例としての定着ロール61と、定着ロール61との間に未定着画像を保持した用紙Pが通過するためのニップ部(定着加圧部)Nを形成する加圧ベルトモジュール62とで主要部が構成されている。
つまり、圧力パッド65および加圧ロール622により発生する押圧力により、加圧ベルト620が定着ロール61の外周面に圧接し、定着ロール61との間に未定着トナー像を保持した用紙Pが通過するためのニップ部(定着加圧部)Nを形成している。
され、トナー像が用紙Pに定着される。その際に、ニップ部Nの最下流部の加圧ロール6
22による局所的な高圧によって、用紙P上のトナー像には適度な光沢が付与される。
また、離型層としては、フッ素樹脂、例えばPFA等が5μm〜20μmの厚さでコーティングされたものが好ましい。さらに、弾性体層としては、厚さが20μm〜500μm、好ましくは50μm〜300μm、ゴム硬度が8Hs〜70Hs(JIS−A)、好ましくは15Hs〜30Hs(JIS−A)のシリコーンゴム等を使用することができる。
本実施の形態の定着装置60aにおいて、加圧ベルト620は、厚さ75μm、幅340mm、周長214mmのポリイミドフィルムのベース層に、ゴム硬度30Hs(JIS−A)、厚さ100μmのシリコーンゴムからなる弾性体層と、厚さ30μmのフッ素樹脂(PFA)からなる離型層とが外表面側(定着ロール61側)に積層されて構成されている。
圧力パッド65の弾性体部材としては、上記のシリコーンゴムの他に、フッ素ゴム等の耐熱性の高い弾性体や、板バネ等を用いることができる。
本実施の形態では、潤滑剤供給部材66は、圧力パッド65と加圧ベルト620との間の摺動抵抗をより効果的に低減するという観点から、ニップ部Nに隣接する位置であって用紙Pの挿入側に配設される。より具体的には、加圧ベルト620の内周面側であってリードロール621と圧力パッド65の間に配置される。潤滑剤供給部材66は、加圧ベルト620の内周面に接触することで、潤滑剤を加圧ベルト620の内周面に塗布することにより供給する。そしてこの潤滑剤により加圧ベルト620の摺動性が向上し、摩耗しにくくなる。
きる潤滑剤吸収材によって主要部が構成されている。
潤滑剤吸収材としては、例えばフェルト(不織布)、摩擦係数が低く形成されているPFE不織布からなるゴアテックス(登録商標)メンブレン、さらにはフッ素樹脂を多孔質に形成したもの等を用いることができる。ここで、多孔質に形成されたフッ素樹脂としては、PTFE樹脂等のフッ素樹脂を一軸或いは二軸方向に延伸成型して多孔質化したもの、または焼結成型して多孔質化したものを用いることができる。また、この場合の形態としては、フィルム形状のものを積層して構成したもの、織布形状のもの、フィルムと織布とを貼り合せた形状のもの等から選定することができる。
画像形成装置1の二次転写部T(図1参照)において未定着トナー像が静電転写された
用紙Pは、定着装置60aのニップ部Nに向けて(矢印E方向)搬送されてくる。ニップ部Nを通過する用紙P表面の未定着トナー像は、ニップ部Nに作用する圧力と熱とにより用紙Pに定着される。本実施の形態の定着装置60aでは、上述したように、圧力パッド65を押圧させながら、定着ロール61と加圧ベルト620とを接触させた構成により、ニップ部Nを広く設定することができるため、安定した定着性能を確保することができる。
まず、潤滑剤供給部材66が接触する圧力により、潤滑剤供給部材66と加圧ベルト620との間に摩擦抵抗が生じる。そしてこの摩擦抵抗が加圧ベルト620の回転の抵抗となることで回転速度が遅くなるときがある。即ち、加圧ベルト620に速度の変動が生じる。そしてその結果、定着画像に乱れが生じたり、加圧ベルト620表面の磨耗が促進されることがある。
加圧ベルト620が回転していない状態で潤滑剤供給部材66や拭き取り部材67を加圧ベルト620に接触させると、接触する圧力で加圧ベルト620に変形癖がつきやすくなる。特に加圧ベルト620のベース層に耐熱性樹脂基材を用いるとこの変形癖が発生しやすくなる。そして変形癖が生じると、次の定着動作時(特に開始直後)に加圧ベルト620に変形が残るため、用紙Pがニップ部Nを通過する際に用紙Pがバタつきやすくなる。その結果、先端紙折れや紙しわといった不具合が生じやすくなる。また用紙P上のトナー像がニップ部Nの手前で定着ロール61等に触れやすくなり、その結果、定着画像が乱れるスマッジと呼ばれる現象がおきやすくなる。
そして加圧ベルト620が回転し、用紙Pと加圧ベルト620と接触していない状態としては、具体的には、用紙Pが通紙する前後の回転中の時間帯や、画像情報を画像形成装置1内の処理回路で処理している間の時間帯や、画像形成装置1(図1参照)内の定着装置60a以外の装置の調整する時間帯などが挙げられる。
図4(a)〜(b)は、移動機構を有する定着装置について説明をした図である。図4(a)〜(b)に示した定着装置60bは、本実施の形態の定着装置の第2の実施形態である。そして図1で示した定着装置60の第2の例である。定着装置60bの基本的な構成は、図2で示した定着装置60aと同一である。ただし、図示しない移動機構により、加圧ベルトモジュール62と定着ロール61とが接触状態(図2の状態)と離間状態(図4(a)〜(b)の状態)とを可変可能であるように構成されている。この制御は、制御部31(図1参照)により行なうことができる。
このような定着装置60bでは、定着動作を行なわないときは、図4(a)〜(b)のような離間状態にすることで、ニップ部Nを形成させないようにすることができる。そのため定着ロール61の弾性体層に回復できない変形が生じたり、加圧ベルトモジュール62の加圧ベルト620に癖付きが生じるのを抑制することができる。
そして上述した定着装置60a,60bのように潤滑剤供給部材66および拭き取り部材67の両方を設ける場合は、拭き取り部材67を加圧ベルト620の内周面に接触させた後に、潤滑剤供給部材66を加圧ベルト620の内周面に接触させることが好ましい。即ち、まず拭き取り部材67により加圧ベルト620の内周面の清掃を行ない、その後で潤滑剤供給部材66により潤滑剤を供給することで、より均一に潤滑剤を加圧ベルト620の内周面に塗布することができる。なおこの制御も、制御部31(図1参照)により行なうことができる。
図5は、本実施の形態の定着装置の第3の実施形態を説明した図である。
図5に示した定着装置60cは、図1で示した定着装置60の第3の例である。そして定着装置60cは、定着ベルトモジュール71と、定着ベルトモジュール71との間に未定着画像を保持した用紙Pが通過するためのニップ部(定着加圧部)Nを形成する加圧ベルトモジュール62とで主要部が構成されている。
定着ベルトモジュール71は、矢印C方向に回転する定着ロール710、内部に加熱部材としてのハロゲンヒータ73が配設された張架ロール715、定着ロール710と張架ロール715に張架され定着ロール710が矢印C方向に回転するのに伴い矢印F方向に回転する定着部材の一例である定着ベルト714により主要部が構成されている。
また、定着ロール710の内部には加熱部材として定格1000Wのハロゲンヒータ73が配設され、定着ロール710の表面に接触するように配置された温度センサ74の計測値に基づき、画像形成装置1の制御部31(図1参照)が定着ロール710の表面温度を175℃に制御している。
なお、弾性体層712の材質としては、シリコーンゴムに限定されず、例えばフッ素ゴムのような従来公知の各種材質を用いることができ、また、シリコーンゴムとフッ素ゴムからなる複数層積層された弾性体層712を用いてもよい。さらに、定着ロール710としては、弾性体層712のない、所謂ハードロールを用いることができ、この場合には、定着ロール710から定着ベルト714への熱供給がさらに効率化され、より温度ドループの小さな高速適性に優れた定着装置60cが得られる。
定着ベルト714は、厚さ75μmのポリイミド樹脂で形成されたベース層と、ベース層の表面側(外周面側)に積層された厚さ200μmのシリコーンゴムからなる弾性体層と、さらに弾性体層の上に、離型層として厚さ30μmのテトラフルオロエチレン−ペルフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)で形成された表面層とからなる多層構造で構成されている。ここでは、弾性体層は、特にカラー画像に対する画質向上のために設けられたものであり、本実施の形態ではゴム硬度が20Hs(JIS−A)のシリコーンゴムを使用している。なお、定着ベルト714の構成は、使用目的や使用条件等の装置設計条件に応じて、材質・厚さ・硬度等から選択することができる。
また、張架ロール715は、定着ベルト714の軸方向の変位をできる限り小さくするため、および、定着ベルト714に作用する張力を幅方向に亘って均一にするため、外径が端部よりも中央部の方を100μmだけ大きくした所謂クラウン形状で形成している。
本実施の形態では、潤滑剤供給部材66bは、定着ロール710と定着ベルト714との間の摺動抵抗をより効果的に低減するという観点から、定着ベルト714の内周面側であって定着ロール710に対し上流側に配置される。潤滑剤供給部材66bは、定着ベルト714の内周面に接触することで、潤滑剤を定着ベルト714の内周面に塗布することにより供給する。
そして、トナー像を保持した用紙Pは、このニップ部Nを通過する際に加熱および加圧
され、トナー像が用紙Pに定着される。
Claims (9)
- 記録材にトナー像を定着する定着部材と、
前記定着部材の外周面に圧接することで当該定着部材との間に未定着トナー像を保持した記録材が通過するための定着加圧部を形成する定着加圧部材と、
前記定着部材を回転させることで前記定着加圧部材を回転させる駆動部と、
前記定着部材および前記定着加圧部材の少なくとも一方はベルト部材からなり、当該ベルト部材の内周面に接触する潤滑剤調整部材と、を備え、
前記潤滑剤調整部材は、少なくとも前記記録材と前記ベルト部材とが接触中および当該ベルト部材の回転停止中は、当該ベルト部材の内周面から離間することを特徴とする定着装置。 - 前記潤滑剤調整部材は、前記ベルト部材の内周面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給部材および当該ベルト部材の内周面を拭き取る拭き取り部材の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記潤滑剤供給部材は、前記定着加圧部に隣接する位置であって前記記録材の挿入側に配設することを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
- 前記拭き取り部材は、前記定着加圧部に隣接する位置であって前記記録材の排出側に配設することを特徴とする請求項2または3に記載の定着装置。
- 前記定着部材と前記定着加圧部材とが、接触状態と離間状態とを可変可能な移動機構を更に有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の定着装置。
- トナー像を形成するトナー像形成手段と、
前記トナー像形成手段によって形成された前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、
記録材にトナー像を定着する定着部材と、当該定着部材の外周面に圧接することで当該定着部材との間に未定着トナー像を保持した記録材が通過するための定着加圧部を形成する定着加圧部材と、当該定着加圧部材を回転させることで当該定着部材を回転させる駆動部と、当該定着部材および当該定着加圧部材の少なくとも一方はベルト部材からなり、当該ベルト部材の内周面に接触する潤滑剤調整部材と、を備える定着手段と、
前記潤滑剤調整部材を、少なくとも前記記録材と前記ベルト部材とが接触中および当該ベルト部材の回転停止中は、当該ベルト部材の内周面から離間させる制御を行なう制御部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記潤滑剤調整部材は、前記ベルト部材の内周面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給部材および当該ベルト部材の内周面を拭き取る拭き取り部材の少なくとも一方であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記拭き取り部材を前記ベルト部材の内周面に接触させた後に、前記潤滑剤供給部材を当該ベルト部材の内周面に接触させる制御を更に行なうことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
- 前記定着部材と前記定着加圧部材とが、接触状態と離間状態とを可変可能な移動機構を更に有し、
前記制御部は、少なくとも前記記録材が通過するときに前記定着部材と前記定着加圧部材とを接触状態にする制御を更に行なうことを特徴とする請求項6乃至8の何れか1項に記載の画像形成装置。
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