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JP5332452B2 - 駆動力伝達装置 - Google Patents

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JP5332452B2 JP2008246275A JP2008246275A JP5332452B2 JP 5332452 B2 JP5332452 B2 JP 5332452B2 JP 2008246275 A JP2008246275 A JP 2008246275A JP 2008246275 A JP2008246275 A JP 2008246275A JP 5332452 B2 JP5332452 B2 JP 5332452B2
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Description

本発明は、ディファレンシャルを収容するケース内に、同ディファレンシャルと一体に収容される駆動力伝達装置に関する。
駆動力伝達装置の一形式として、第1の駆動軸に連結される第1の回転部材、前記第1の回転部材内に同軸的に位置して回転可能に支持され第2の駆動軸に連結される第2の回転部材、および、前記両回転部材の内周側および外周側間に位置し作動時にはこれら両回転部材をトルク伝達可能に連結するクラッチを備え、前記第2の駆動軸は前記第2の回転部材の他端側の内孔に設けた内スプラインに嵌合して同第2の回転部材に連結され、ディファレンシャルを収容するケース内に回転可能に支持された状態で同ケース内にて、前記ディファレンシャルと一体に収容されている形式の駆動力伝達装置がある(特許文献1を参照)。
当該形式の駆動力伝達装置においては、第2の回転部材は、その一端部を第1の回転部材の奥壁側に設けた環状凹部に嵌合させた軸受を介して回転可能に支持された状態でその他端部にスプライン嵌合している第2の駆動軸にて支持されている。これにより、第2の回転部材は、第1の回転部材に対して同軸状態を確保された状態で、第1の回転部材内にて回転可能に支持されている。
特開2003−278799号公報
ところで、当該形式の駆動力伝達装置においては、第1の回転部材の内部にて同軸的に支持されている第2の回転部材の一端側および他端側への移動(両軸方向への移動)を規制する抜け止めを施すことが必要である。このため、従来の駆動力伝達装置においては、第2の回転部材を支持する軸受を嵌合している環状凹部の開放側にアウタレースに当接させた状態でスナップリングを配設するとともに、当該環状凹部に対向する第2の回転部材側に設けた環状凹部の開放側にインナレースに当接させた状態でスナップリングを配設する手段が採られている。
従って、従来の駆動力伝達装置においては、第2の回転部材の軸方向への移動を規制するためには、2つのスナップリングの使用、および、これら各スナップリングの各環状凹部への取付け作業は不可欠であった。このため、第2の回転部材の軸方向への移動を規制するために、両スナップリングを使用しない手段を見出せば、これら両スナップリングを廃止することができるとともに、その取付け作業を廃止することができて、部品点数の削減および原価の低減を図ることができる。本発明の目的は、これら両のスナップリングを使用することなく、第2の回転部材の軸方向への移動を規制することができる手段を提供することにある。
本発明は、ディファレンシャルを収容するケース内に、同ディファレンシャルと一体に収容される駆動力伝達装置に関する。本発明が適用対象とする駆動力伝達装置は、下記に示す形式の駆動力伝達装置である。
すなわち、本発明が適用対象とする駆動力伝達装置は、相対回転可能に同軸上に支持した第1の回転部材と第2の回転部材の間に位置して摩擦係合により前記両回転部材間のトルク伝達をもたらすクラッチ機構を備え、前記第1の回転部材の入力端部に動力源から駆動力を付与される第1の駆動軸を連結し、前記第2の回転部材の外端部に前記クラッチ機構の係合により前記第1の回転部材から付与される駆動力を前記両回転部材と一体に組付けたデイファレンシャルに伝達する第2の駆動軸をスプライン嵌合により連結した駆動力伝達装置である。
しかして、本発明に係る駆動力伝達装置は、前記第1の回転部材の内部奥壁に形成した環状凹部と前記第2の回転部材の一端部外周に形成した環状凹部の間に嵌合により位置決めして介在させた軸受により前記第2の回転部材を前記第1の駆動軸と同軸的に支持して軸方向の内側への移動を規制し、前記第2の回転部材の外端部の端面を前記第2の駆動軸の中間に設けた段部の端面に当接させて、前記第2の回転部材の軸方向の外側への移動を規制するようにしたことを特徴とするもである。
本発明の一実施形態においては、前記第1の回転部材が円筒状のハウジングであり、前記第2の回転部材が前記ハウジングの内部に同軸上に配置したインナシャフトであり、前記第2の駆動軸が前記デイファレンシャルのリングギヤに噛合するドライブピニオンであって、前記インナシャフトを前記ハウジングの後端開口部を通して同ハウジングの内部に挿入しその内端部を前記軸受けにより前記第1の駆動軸と同軸的に支持し、同インナシャフトの外端部の端面を前記ドライブピニオンの中間に設けた段部の端面に当接させて組付けた駆動力伝達装置が提供される。
本発明による駆動力伝達装置においては、第2の回転部材(インナシャフト)の軸方向の内端側への移動は、第2の回転部材の内端部を支持する軸受を前記第1の回転部材の内部奥壁に形成した環状凹部と前記第2の回転部材の内端部外周に形成した環状凹部の間に嵌合により位置決めして介在させたことにより前記第2の回転部材を前記第1の駆動軸と同軸的に支持して軸方向の内側への移動を規制し、前記第2の回転部材の外端部の端面を前記第2の駆動軸の中間に設けた段部の端面に当接させて前記第2の回転部材の軸方向の外側への移動を規制するようにしたので、従来の抜け止め構造において第2の回転部材の軸方向の移動を規制するために不可欠であった両スナップリングを廃止して第2回転部材の位置決め作業を簡略にすることができる共に、部品点数を削減して製造コストを低減することができる。
本発明は、ディファレンシャルを収容するケース内に、同ディファレンシャルと一体に収容される駆動力伝達装置に関するもので、その特徴とするところは、駆動力伝達装置を構成する第2の回転部材であるインナシャフトの抜止め構造にある。図1には、本発明の一実施形態に係る駆動力伝達装置10を示している。当該駆動力伝達装置10は、図3に示すように、ディファレンシャル20を収容するケース内にこれと一体に収容されて後輪側の駆動力伝達機構D1を構成している。当該駆動力伝達機構D1は、車両の後輪側への駆動力伝達経路に配設されて、図3に示す四輪駆動車を構成する。
当該四輪駆動車は、FF駆動をベースとする四輪駆動車であって、エンジンの駆動力を前輪側へ伝達する前輪側の駆動力伝達機構D2を備えている。前輪側の駆動力伝達機構D2は、トランスミッション、トランスファおよびフロントディファレンシャルを一体にしたトランスアクスル31を備え、トランスアクスル31を介して、エンジン32の駆動力を前輪側の左右の各アクスルシャフト33aへ出力する。これにより、当該四輪駆動車においては、エンジン32の駆動によって左右の各前輪33bが駆動するFF駆動走行状態を形成する。なお、この場合、エンジン32の駆動力を、プロペラシャフト34へ出力することも可能である。
当該駆動力伝達機構D2は、後輪側へ駆動力を伝達するプロペラシャフト34を備え、プロペラシャフト34は、後輪側の駆動力伝達機構D1を構成する駆動力伝達装置10のアウタケースのフロントハウジングに連結されていて、駆動力伝達装置10に駆動力を伝達する。駆動力伝達装置10は電磁式のクラッチであって、その作動時には、プロペラシャフト34をリヤディファレンシャル20のドライブピニオン21に連結し、エンジン32からの駆動力をリヤディファレンシャル20に伝達する。伝達された駆動力は、リングギヤ22および左右の各サイドギヤ23を介して、後輪側の左右の各アクスルシャフト24aへ出力される。これにより、当該四輪駆動車は、当該駆動力伝達装置10の作動時には、左右の各前輪33bおよび左右の各後輪24bが共に駆動する四輪駆動走行状態を形成する。
当該駆動力伝達装置10は、リヤディファレンシャル20を収容するディファレンシャルキャリア25の開口部に取付けたカバー26内に収容されて、リヤディファレンシャル20とドライブピニオン21を介して、駆動力伝達可能に連結されている。
当該駆動力伝達装置10は、図1に示すように、電磁パイロットクラッチ式の摩擦クラッチ装置であって、第1の回転部材であるアウタケース11、第2の回転部材であるインナシャフト12、メインクラッチ13、作動カム14、およびパイロットクラッチ15を主要構成部品としている。
アウタケース11は、奥壁を有して後端側が開口する円筒状のフロントハウジング11aと、フロントハウジング11aの後端側の開口部を覆蓋するリヤハウジング11bとにより構成されている。リヤハウジング11bは、フロントハウジング11aの後端側の開口部内に螺着されて、同開口部を覆蓋している。アウタケース11は、フロントハウジング11aの先端側の軸部11cにて、ディファレンシャルキャリア25と一体のカバー26の開口部に液密的かつ回転可能に支持されている。当該軸部11cは、プロペラシャフト34に連結されるもので、プロペラシャフト34と一体で、本発明で規定する第1の駆動軸を構成する。
インナシャフト12は、シャフト本体12aの先端部側の外周に外スプライン12bを備えるとともに、シャフト本体12aの後端部側の内孔に内スプライン12cを備えている。インナシャフト12は、リヤハウジング11bの中心部を貫通させた状態でフロントハウジング11a内に同軸的に臨み、その先端部がフロントハウジング11a内にて回転可能に支持され、かつ、その後端部がリヤハウジング11bの貫通穴部にて液密的かつ回転可能に支持されている。インナシャフト12は、本発明で規定する第2の回転部材に該当するもので、インナシャフト12にはドライブピニオン21がスプライン嵌合して駆動力伝達可能に連結される。ドライブピニオン21は、本発明で規定する第2の駆動軸である。
なお、ドライブピニオン21は、ディファレンシャルキャリア25内の貫通孔部にて、一対の軸受27a,27bを介して回転可能に支持され、かつ、軸方向への移動を規制されている。ドライブピニオン21は、ディファレンシャル20を構成するリングギヤ22に噛合して、ディファレンシャル20に駆動力伝達可能に連結している。
メインクラッチ13、作動カム14、および、パイロットクラッチ15の一部は、フロントハウジング11aの内周とインナシャフト12の外周間に配設されている。メインクラッチ13は、多数のインナクラッチプレート13aおよびアウタクラッチプレート13bからなる湿式多板の摩擦クラッチであって、各インナクラッチプレート13aは、インナシャフト12の外スプライン12bにスプライン嵌合されて、軸方向へ摺動可能に組付けられている。また、各アウタクラッチプレート13bは、フロントハウジング11aの内周側の内スプライン11dにスプライン嵌合されて、軸方向へ摺動可能に組付けられている。これらのインナクラッチプレート13aおよびアウタクラッチプレート13bは、互いに交互に位置して、係合および離間が可能な状態にある。
作動カム14は、第1カム部材14a、第2カム部材14b、および、複数のカムフォロア14cにより構成されているもので、フロントハウジング11a内にて、メインクラッチ13とリヤハウジング11b間に配設されている。
第1カム部材14aは、内周側に内スプラインを有する円環状のもので、インナシャフト12の外スプライン12bにスプライン嵌合されて、軸方向へ摺動可能に組付けられている。第2カム部材14bは、外周側に外スプラインを有する円環状のもので、第1カム部材14aより小径に形成されている。第2カム部材14bは、インナシャフト12の外周に回転可能に組付けられている。各カムフォロア14cは、第1カム部材14aと第2カム部材14bが有する互いに対向する複数の各カム溝に嵌合して、作動カム14を構成している。
当該作動カム14は、かかる組付け状態にあっては、第1カム部材14aがメインクラッチ13の最端側のインナクラッチプレート13aに対向し、かつ、第2カム部材14bがリヤハウジング11bの内壁面に摺動可能に支承されており、両カム部材14a,14b間に相対回転が発生した場合に作動する。両カム部材14a,14bが相対回転すると、各カムフォロア14cは、各カム溝内にて偏倚して、両カム部材14a,14bを互いに離間する方向に押圧する。
これにより、第1カム部材14aは、メインクラッチ13側へ押動されてメインクラッチ13を押圧し、各インナクラッチプレート13aおよび各アウタクラッチプレート13bを互いに摩擦係合させる。この状態においては、アウタケース11とインナシャフト12とは、トルク伝達可能に連結される。
パイロットクラッチ15は、電磁石15a、摩擦クラッチ15b、および、アーマチャ15cにて構成されている。電磁石15aは、ヨーク15dに支持された状態で、リヤハウジング11bの外側壁部に嵌合されて組付けられている。摩擦クラッチ15bは、複数のインナクラッチプレートと複数のアウタクラッチプレートとからなるもので、フロントハウジング11a内にて、電磁石15aとはリヤハウジング11bを挟んだ状態で配置されている。摩擦クラッチ15bの各インナクラッチプレートは、第2カム部材14bの外スプラインにスプライン嵌合し、各アウタクラッチプレートは、フロントハウジング11aの内スプライン11dにスプライン嵌合して、互いに軸方向へ摺動可能に組付けられている。
アーマチャ15cは、外周に外スプラインを有する大径の円環状のもので、第1カム部材14aと摩擦クラッチ15b間にて、フロントハウジング11aの内スプライン11dにスプライン嵌合して組付けられている。アーマチャ15cは、この組付け状態においては、フロントハウジング11a内に位置し、摩擦クラッチ15bおよびリヤハウジング11bを挟んで電磁石15aと対向して位置している。
当該パイロットクラッチ15は、電磁石15aの電磁コイルへの通電により作動する。電磁石15aの電磁コイルへ通電されると、ヨーク15d、リヤハウジング11b、摩擦クラッチ15b、アーマチャ15c、摩擦クラッチ15b、リヤハウジング11b、およびヨーク15dを循環する磁路が形成され、これにより、アーマチャ15cは電磁石15a側に吸引されて、摩擦クラッチ15bを押圧し摩擦係合させる。アーマチャ15cの摩擦クラッチ15bに対する押圧力、換言すれば、摩擦クラッチ15bの摩擦係合力は、電磁石15aの電磁コイルへ印加する電流量に比例する。
当該パイロットクラッチ15において、摩擦クラッチ15bが摩擦係合すると、作動カム14を構成する第1カム部材14aと第2カム部材14b間に相対回転が発生し、カムフォロア14cが第1カム部材14aをメインクラッチ13側へ押動する。この結果、メインクラッチ13は第1カム部材14aによって押圧され、メインクラッチ13を構成する各インナクラッチプレート13aと各アウタクラッチプレート13bとは互いに摩擦係合し、アウタケース11とインナシャフト12とを摩擦係合力に応じた力で連結する。
これにより、アウタケース11とインナシャフト12間でのトルク伝達が可能となる。すなわち、当該パイロットクラッチ15の作動により、アウタケース11とインナシャフト12間でのトルク伝達が可能となる。アウタケース11とインナシャフト12間で伝達されるトルク量は、電磁石15aの電磁コイルへ印加する電流量に比例し、印加する電流量を大きな所定値とすることにより、アウタケース11とインナシャフト12を直結した連結状態として、アウタケース11とインナシャフト12間の伝達トルク比を1:1とすることも可能である。
しかして、本発明に係る駆動力伝達装置10においては、アウタケース11内に回転可能に支持されているインナシャフト12の軸方向への移動を規制するための抜止め構造に構成上の特徴がある。図1に示す駆動力伝達装置10は、本発明で規定する抜止め構造を採用したものである。図2には、当該抜止め構造と対比すべく、従来の抜止め構造を採用した従来の駆動力伝達装置10Aを示している。
図2に示す駆動力伝達装置10Aは、冒頭で述べた特許文献1に開示されている実施形態であって、その主たる構成部材については、本発明の実施形態に係る駆動力伝達装置10で使用している符号を援用してその詳細な説明を省略し、採用している抜止め構造について詳細に説明する。
従来の駆動力伝達装置10Aにおいては、インナシャフト12はフロントハウジング11a内にて同軸的に位置し、フロントハウジング11aとリヤハウジング11bとの間で、軸受16,17を介して回転可能に支持されている。インナシャフト12の先端部を支持する軸受16は、フロントハウジング11aの内周側に設けた環状凹部11a1と、インナシャフト12のシャフト本体12aの先端部外周側に設けた環状凹部12a1に嵌合されている。フロントハウジング11a側の環状凹部11a1は後方側に開放され、インナシャフト12側の環状凹部12a1は、前方側に開放されている。これにより、軸受16の環状凹部11a1および環状凹部12a1への嵌合が容易に行われる。
軸受16は、インナシャフト12の環状凹部12a1に対しては、その先端側から挿入して嵌合することができ、また、フロントハウジング11の環状凹部11a1に対しては、その後端側から挿入して嵌合することができる。インナシャフト12の先端部をフロントハウジング11a内に支持するには、例えば、インナシャフト12を、その環状凹部12a1に軸受16を嵌合した状態で、フロントハウジング11aに後方開口部から挿入して、インナシャフト12の先端部に嵌合している軸受16を、フロントハウジング11aに設けた環状凹部11a1に嵌合する。かかる嵌合作業は極めて容易である。
インナシャフト12の環状凹部12a1に嵌合している軸受16は、インナシャフト12の先端部に取付けたサークリップ16aにて、環状凹部12a1からの抜止めが図られており、また、軸受16をフロントハウジング11aの環状凹部11a1に嵌合された状態で環状凹部11a1の開放側部に取付けたサークリップ16bにて、環状凹部11a1からの抜止めが図られている。
なお、サークリップ16bをフロントハウジング11aの環状凹部11a1の開放側部に取付けた後には、フロントハウジング11aとインナシャフト12間にメインクラッチ13、作動カム14、パイロットクラッチ15を構成するアーマチャ15c、摩擦クラッチ15bを組込み、その後、インナシャフト12上に挿通したリヤハウジング11bをフロントハウジング11aの後端側開口部に螺着する。これにより、インナシャフト12は、両軸受16および軸受17を介して、アウタケース11内にて回転可能に支持される。アウタケース11内に回転可能に支持されたインナシャフト12の後端部には、ドライブピニオン21がスプライン嵌合して連結される。
従って、かかる構成の抜止め構造を採用すれば、両サークリップ16a,16bの抜止め作用により、インナシャフト12の一端側および他端側の軸方向への移動が規制され、結果として、インナシャフト12は抜止めされる。しかしながら、当該抜止め構造を採用するには、両サークリップ16a,16bの使用、および、サークリップ16aのインナシャフト12への取付け作業、サークリップ16bのフロントハウジング11aへの取付け作業が不可欠である。
本願発明はかかる問題に対処するもので、インナシャフト12の抜止め構造を、両サークリップ16a,16bを使用しない構造として、当該駆動力伝達装置10における部品点数を削減し、両サークリップ16a,16bの取付け作業を廃止して、原価の低減を図ることにある。
しかして、本発明に係る駆動力伝達装置10においては、ドライブピニオン21のシャフト部の中間部外周に、インナシャフト12の後端面に当接してインナシャフト12の後端側への移動を規制するストッパ部を設けて、当該ストッパ部とフロントハウジング11aに設けた環状凹部11a1の段部との協働作用により、インナシャフト12の両端側の軸方向への移動を規制して、インナシャフト12の抜止めを図るものである。
本発明に係る駆動力伝達装置10においては、フロントハウジング11aの内周側に設けた環状凹部11a1とインナシャフト12のシャフト本体12aの先端部外周側に設けた環状凹部12a1間とに嵌合した軸受16と、インナシャフト12の後端部外周とリヤハウジング11bの内周間に介在させた軸受17とによって、インナシャフト12をアウタケース11内に回転可能に支持することについては、従来の駆動力伝達装置10Aにおけるインナシャフト12を支持する方法とは同一である。
しかしながら、本発明に係る駆動力伝達装置10においては、軸受16自体を各環状凹部11a1,12a1から抜止めする両スナップリング16a,16bの使用を廃止するとともに、インナシャフト12の抜止めを図るストッパ機能を有するドライブピニオン21を採用している。当該ドライブピニオン21は、シャフト本体21aの先端側である外スプライン部21bの後端に、同外スプライン部21bより大径の中間部21cを備え、当該中間部21cの段部端面21c1をストッパ部として機能させている。
当該ドライブピニオン21は、両軸受16,17にてアウタケース11内に回転可能に支持されたインナシャフト12の後端部の内スプライン部12cに挿入されてスプライン嵌合され、この嵌合状態で、中間部21cの段部端面21c1を、インナシャフト12の後端部の端面に当接させる。当該ドライブピニオン21については、その後、各軸受27a,27bを介してディファレンシャルキャリア25の貫通孔部に回転可能に支持するようにする。
なお、当該ドライブピニオン21の支持構造において、符号28aは両軸受27a,27bを所定の間隔に保持するスペーサであり、また、符号28bはシャフト本体28aの外周に設けたネジ部21d上に螺合して、軸受27aをスペーサ28a側へ締付けるナットである。
本発明に係る駆動力伝達装置10で採用している当該抜止め構造においては、インナシャフト12の先端側への移動は、軸受16が嵌合するフロントハウジング11a側の環状凹部11a1の段部端面により規制され、また、インナシャフト12の後端側への移動は、ディファレンシャルキャリア25に回転可能で移動を規制されて取付けられているドライブピニオン21の中間部21cの段部端面21c1により規制される。
従って、本発明に係る駆動力伝達装置10で採用している抜止め構造によれば、従来の抜止め構造では不可欠としている両スナップリング16a,16bの使用を廃止することができ、かつ、各スナップリング16a,16bのインナシャフト12側またはフロントハウジング11a側に対する取付け作業を廃止することができる。この結果、当該駆動力伝達装置10の構成部品の部品点数を削減し、かつ、原価を低減することができる。
なお、インナシャフト12のアウタケース11に対する支持、フロントハウジング11aとインナシャフト12間へのメインクラッチ13、作動カム14、パイロットクラッチ15を構成するアーマチャ15c、摩擦クラッチ15bの組込み、および、リヤハウジング11bのフロントハウジング11aの後端開口部への螺着については、従来の駆動力伝達装置10Aの場合と同様の方法で行うことができ、また、アウタケース11内に回転可能に支持されたインナシャフト12の後端部に対するドライブピニオン21のスプライン嵌合も、従来の駆動力伝達装置10Aの場合と同様の方法で行うことができる。これにより、本発明で規定するインナシャフト12の抜止め構造を容易に構成することができる。
本発明の一実施形態に係る駆動力伝達装置の中心軸線に基いて半割した状態の断面図である。 従来の駆動力伝達装置を示す図1に対応する断面図である。 本発明の一実施形態に係る駆動力伝達装置を使用して構成した四輪駆動車を示す概略的構成図である。
符号の説明
D1…後輪側の駆動力伝達機構、D2…前輪側の駆動力伝達機構、10,10A…駆動力伝達装置、11…アウタケース、11a…フロントハウジング、11a1…環状凹部、11b…リヤハウジング、11c…軸部、11d…内スプライン、12…インナシャフト、12a…シャフト本体、12a1…環状凹部、12b…外スプライン、12c…内スプライン、13…メインクラッチ、13a…インナクラッチプレート、13b…アウタクラッチプレート、14…作動カム、14a…第1カム部材、14b…第2カム部材、14c…カムフォロア、15…パイロットクラッチ、15a…電磁石、15b…摩擦クラッチ、15c…アーマチャ、15d…ヨーク、16…軸受、20…リヤディファレンシャル、21…ドライブピニオン、21a…シャフト本体、21b…外スプライン部、21c…中間部、21c1…段部端面、21d…ネジ部、22…リングギヤ、23…サイドギヤ、24a…アクスルシャフト、24b…後輪、25…ディファレンシャルキャリア、26…カバー、27a,27b…軸受、28a…スペーサ、28b…ナット、31…トランスアクスル、32…エンジン、33a…アクスル、33b…前輪、34…プロペラシャフト。

Claims (4)

  1. 相対回転可能に同軸上に支持した第1の回転部材と第2の回転部材の間に位置して摩擦係合により前記両回転部材間のトルク伝達をもたらすクラッチ機構を備え、前記第1の回転部材の入力端部に動力源から駆動力を付与される第1の駆動軸を連結し、前記第2の回転部材の外端部に前記クラッチ機構の係合により前記第1の回転部材から付与される駆動力を前記両回転部材と一体に組付けたデイファレンシャルに伝達する第2の駆動軸をスプライン嵌合により連結した駆動力伝達装置において、
    前記第1の回転部材の内部奥壁に形成した環状凹部と前記第2の回転部材の内端部外周に形成した環状凹部の間に嵌合により位置決めして介在させた軸受により前記第2の回転部材を前記第1の駆動軸と同軸的に支持して軸方向の内端側への移動を規制し、前記第2の回転部材の外端部の端面を前記第2の駆動軸の中間に設けた段部の端面に当接させて前記第2の回転部材の軸方向の外端側への移動を規制するようにしたことを特徴とする駆動力伝達装置。
  2. 相対回転可能に同軸上に支持した第1の回転部材と第2の回転部材の間に位置して摩擦係合により前記両回転部材間のトルク伝達をもたらすクラッチ機構を備え、前記第1の回転部材の入力端に動力源から駆動力を付与される第1の駆動軸を連結し、前記第2の回転部材の外端部に前記クラッチ機構の係合により前記第1の回転部材から付与される駆動力を前記両回転部材と一体に組付けたデイファレンシャルに伝達する第2の駆動軸をスプライン嵌合により連結した駆動力伝達装置において、
    前記第1の回転部材の内部奥壁に形成した環状凹部と前記第2の回転部材の一端部外周に形成した環状凹部の間に嵌合により位置決めして介在させた軸受により前記第2の回転部材を前記第1の駆動軸と同軸的に支持して軸方向の内側への移動を規制し、前記第2の回転部材の他端部の端面を前記第2の駆動軸の中間に設けた段部の端面に当接させて、前記第2の回転部材の軸方向の外側への移動を規制するようにしたことを特徴とする駆動力伝達装置。
  3. 相対回転可能に同軸上に同心的に支持した第1の回転部材と第2の回転部材の間に位置して摩擦係合により前記両回転部材間のトルク伝達をもたらすメインクラッチ機構と、電磁力の作用により摩擦係合するパイロットクラッチ機構と、同パイロットクラッチ機構の摩擦係合力に応じて前記メインクラッチ機構を摩擦係合させるスラスト力を生じるカム機構とを備え、前記第1の回転部材の入力端部に原動機から伝達される駆動力を付与される入力側駆動軸を連結し、前記第2の回転部材の外端部に前記両回転部材と一体に組付けたデイファレンシャルの入力側駆動軸の軸部をスプライン嵌合により連結した駆動力伝達装置において、前記第1の回転部材の内部奥壁に形成した環状凹部と前記第2の回転部材の内端部外周に形成した環状凹部の間に嵌合して位置決めした軸受を介在させて前記第2の回転部材を前記入力側駆動軸と同軸的に支持して軸方向の内端側への移動を規制し、前記第2の回転部材の外端部の端面を前記出力側駆動軸の軸部に設けた段部の端面に当接させて、前記第2の回転部材の軸方向の外端側への移動を規制するようにしたことを特徴とする駆動力伝達装置。
  4. 前記第1の回転部材が円筒状のハウジングであり、前記第2の回転部材が前記ハウジングの内部に同軸上に配置したインナシャフトであり、前記第2の駆動軸が前記デイファレンシャルのリングギヤに噛合するドライブピニオンであって、前記インナシャフトを前記ハウジングの後端開口部を通して同ハウジングの内部に挿入しその内端部を前記軸受により前記第1の駆動軸と同軸的に支持し、同インナシャフトの外端部の端面を前記ドライブピニオンの中間に設けた段部の端面に当接させて組付けたことを特徴とする請求項1又は2に記載した駆動力伝達装置。
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