以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
●装置構成
図1は、本発明の実施の形態における撮像システムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施の形態の撮像システムは、主にカメラ本体100と、交換レンズタイプのレンズユニット200(撮影光学系)、フラッシュ400により構成されており、フラッシュ400に発光させながら撮像可能である。フラッシュ400は、カメラ本体100にホットシュー450を介して、電気的にはコネクタ451によりに接続される。なお、フラッシュ400は本体と一体化された構成であっても構わない。
まず、カメラ本体100の構成について説明する。
同図において、1は主ミラーであり、ファインダー観察状態では撮影光路内に斜設され、撮影状態では撮影光路外に退避する。また、主ミラー1はハーフミラーとなっており、撮影光路内に斜設されているときは、後述する焦点検出部8へ被写体からの光線の約半分を透過させる。
2は、ファインダー光学系を構成する、後述のフォーカスレンズ201の予定結像面に配置されたピント板、3はサブミラーであり、主ミラー1と共に、ファインダー観察状態では撮影光路内に斜設され、撮影状態では撮影光路外に退避する。このサブミラー3は、斜設された主ミラー1を透過した光線を下方に折り曲げて、後述する焦点検出部8の方に導くものである。
4はファインダー光路変更用のペンタプリズムである。5はアイピースであり、撮影者はアイピース5からピント板2を観察することで、撮影画面を確認することができる。この状態を光学ファインダーモード(OVFモード)と称す。6と7はファインダー観察画面内の被写体輝度を測定するための結像レンズと、測光手段の一例である測光センサであり、内部に公知の対数圧縮回路を有し、その出力は対数圧縮されたものとなる。
8は公知のいわゆる位相差検出法によってレンズユニット200の焦点調節状態を検出する焦点検出部である。
9はフォーカルプレンシャッター、14は、入射光を電気信号に変換して画像データを出力する撮像手段の一例である、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子である。
16は、撮像素子14から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器である。18は撮像素子14、A/D変換器16、D/A変換器26にそれぞれクロック信号や制御信号を供給するタイミング発生回路であり、メモリ制御回路22及びシステムコントローラ50により制御される。
20は画像処理回路であり、A/D変換器16からのデータ或いはメモリ制御回路22からのデータに対して所定の画素補間処理や色変換処理、前後のフレーム間の動きベクトル検出および、位相差AF演算を行う。輝度レベルの変換処理を行う。また、画像処理回路20は、A/D変換器16から出力される画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のオートホワイトバランス(AWB)処理も行っている。
22はメモリ制御回路であり、A/D変換器16、タイミング発生回路18、画像処理回路20、画像表示メモリ24、D/A変換器26、メモリ30、圧縮・伸長回路32を制御する。A/D変換器16から出力される画像データは、画像処理回路20、メモリ制御回路22を介して、或いはメモリ制御回路22のみを介して、画像表示メモリ24或いはメモリ30に書き込まれる。
24は画像表示メモリ、26はD/A変換器、28はTFT方式のLCD等から成る画像表示部であり、画像表示メモリ24に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器26を介して画像表示部28により表示される。主ミラー1およびサブミラー3をアップし、シャッター9を開いた状態で、画像表示部28を用いて、撮像した画像データを逐次表示することで、電子ファインダー(EVF)機能を実現することができる。以下、この状態を電子ファインダーモード(EVFモード)と称す。また、電子ファインダーに表示される画像をライブビュー画像と呼ぶ。
30は撮影した静止画像や動画像を格納するためのメモリであり、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像を格納するのに十分な記憶容量を備えている。これにより、複数枚の静止画像を連続して撮影する連写撮影やパノラマ撮影の場合にも、高速かつ大量の画像書き込みをメモリ30に対して行うことが可能となる。また、メモリ30はシステムコントローラ50の作業領域としても使用することが可能である。
32は適応離散コサイン変換(ADCT)等、公知の圧縮方法を用いて画像データを圧縮・伸長する圧縮・伸長回路である。圧縮・伸長回路32は、メモリ30に格納された画像を読み込んで圧縮処理或いは伸長処理を行い、処理を終えたデータを再びメモリ30に書き込む。
40はフォーカルプレンシャッター9を制御するシャッター制御部であり、測光センサ7からの測光情報に基づいて絞り204を制御する絞り制御部205と連携しながらシャッター9を制御する。41は主ミラー1をアップ、ダウンさせるためのモータと駆動回路からなるミラー制御部である。
50はカメラ本体100全体を制御するシステムコントローラであり、周知のCPUなどを内蔵する。52はシステムコントローラ50の動作用の定数、変数、プログラム等を記憶するメモリである。
54はシステムコントローラ50でのプログラムの実行に応じて、文字、画像、音声などを用いて動作状態やメッセージなどを外部に通知するための通知部である。通知部54としては、例えばLCDやLEDなどによる視覚的な表示を行う表示部や音声による通知を行う発音素子などが用いられるが、これらのうち1つ以上の組み合わせにより構成される。特に、表示部の場合には、カメラ本体100の操作部70近辺の、視認しやすい、単数あるいは複数箇所に設置されている。また、通知部54は、その一部の機能がピント板2の下部に設置されている。
通知部54の表示内容の内、LCDなどに表示するものとしては以下のものがある。まず、単写/連写撮影表示、セルフタイマー表示等、撮影モードに関する表示がある。また、圧縮率表示、記録画素数表示、記録枚数表示、残撮影可能枚数表示等の記録に関する表示がある。また、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示、フラッシュ表示、赤目緩和表示等の撮影条件に関する表示がある。その他に、マクロ撮影表示、ブザー設定表示、時計用電池残量表示、電池残量表示、エラー表示、複数桁の数字による情報表示、記録媒体120の着脱状態表示がある。更に、レンズユニット200の着脱状態表示、通信I/F動作表示、日付・時刻表示、外部コンピュータとの接続状態を示す表示等を行うこともできる。
また、通知部54の表示内容のうち、ピント板2の下部に表示するものとしては、例えば、以下のものがある。合焦表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示、記録媒体書き込み動作表示等である。
56は後述するプログラムなどが格納された電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。
60、62、64、66、68及び70は、システムコントローラ50の各種の動作指示を入力するための操作手段であり、スイッチやダイアル、タッチパネル、視線検知によるポインティング、音声認識装置等の単数或いは複数の組み合わせで構成される。
ここで、これらの操作手段の具体的な説明を行う。
60はモードダイアルスイッチで、電源オフ、撮影モード(静止画撮影モード、動画撮影モード)、再生モード、消去モード、PC接続モード等の各機能モードを切り替え設定することができる。
62はシャッタースイッチSW1で、不図示のシャッターボタンの操作途中(例えば半押し)でONとなり、オートフォーカス(AF)処理、自動露出(AE)処理等の動作開始を指示する。
64はシャッタースイッチSW2で、不図示のシャッターボタンの操作完了(例えば全押し)でONとなり、露光処理、現像処理、及び記録処理からなる一連の処理の動作開始を指示する。まず、露光処理では、撮像素子14から読み出した信号をA/D変換器16、メモリ制御回路22を介して画像データをメモリ30に書き込み、更に、画像処理回路20やメモリ制御回路22での演算を用いた現像処理が行われる。更に、記録処理では、メモリ30から画像データを読み出し、圧縮・伸長回路32で圧縮を行い、記録媒体120に画像データを書き込む。
66はファインダーモード設定スイッチで、撮影時にOVFモードと、EVFモードのいずれかを選択する。EVFモードを設定した場合は、主ミラー1およびサブミラー3が撮影光路から退避し、シャッター9が開かれ、撮像素子14で撮像された画像は逐次、画像表示部28に表示される。
68はクイックレビューON/OFFスイッチで、撮影直後に撮影した画像データを所定時間自動再生する、所謂「クイックレビュー」機能のON/OFFを設定する。なお、本実施の形態では、特に、画像表示部28をONとした場合におけるクイックレビュー機能の設定をする機能を備えるものとする。
70は各種ボタンやタッチパネルなどから成る操作部である。一例として、メニューボタン、セットボタン、マクロボタン、単写/連写/セルフタイマー切り換えボタン、メニュー移動+(プラス)ボタン、メニュー移動‐(マイナス)ボタンを含む。更に、再生画像移動+(プラス)ボタン、再生画像移動‐(マイナス)ボタン、撮影画質選択ボタン、露出補正ボタン、日付/時間設定ボタン、拡大表示設定ボタンなども含む。
80は電源制御部で、電池検出回路、DC‐DCコンバータ、通電するブロックを切り換えるスイッチ回路等により構成されている。電源制御部80は、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行い、検出結果及びシステムコントローラ50の指示に基づいてDC‐DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体を含む各部へ供給する。
82、84はコネクタ、86はアルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li‐ion電池、Liポリマー電池等の二次電池、ACアダプター等からなる電源部である。
90はメモリカードやハードディスク等の記録媒体とのインタフェース、92はメモリカードやハードディスク等の記録媒体と接続を行うコネクタである。98はコネクタ92に記録媒体120が装着されているか否かを検知する記録媒体着脱検知回路である。
なお、本実施の形態では記録媒体を取り付けるインタフェース及びコネクタを1系統持つものとして説明しているが、記録媒体を取り付けるインタフェース及びコネクタは、単数或いは複数、いずれの系統数を備える構成としても構わない。また、異なる規格のインタフェース及びコネクタを組み合わせて備える構成としても構わない。
インタフェース及びコネクタとしては、種々の記憶媒体の規格に準拠したものを用いて構成することが可能である。例えば、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)カードやCF(コンパクトフラッシュ(登録商標))カード、SDカード等である。インタフェース90及び94、そしてコネクタ92及び96をPCMCIAカードやCF(登録商標)カード等の規格に準拠したものを用いて構成した場合、各種通信カードを接続することができる。通信カードとしては、LANカードやモデムカード、USB(Universal Serial Bus)カード、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394カードがある。他にも、P1284カード、SCSI(Small Computer System Interface)カード、PHS等がある。これら各種通信カードを接続することにより、他のコンピュータやプリンタ等の周辺機器との間で画像データや画像データに付属した管理情報を転送し合うことができる。
72は通信部で、RS232CやUSB、IEEE1394、P1284、SCSI、モデム、LAN、無線通信、等の各種通信機能を有する。73は通信部72によりカメラ本体100を他の機器と接続するコネクタ或いは無線通信の場合はアンテナである。
120はメモリカードやハードディスク等の記録媒体である。この記録媒体120は、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される記録部122、カメラ本体100とのインタフェース124、カメラ本体100と接続を行うコネクタ126を備えている。
記録媒体120としては、PCMCIAカードやコンパクトフラッシュ(登録商標)等のメモリカード、ハードディスク等を用いることができる。また、マイクロDAT、光磁気ディスク、CD‐RやCD‐WR等の光ディスク、DVD等の相変化型光ディスク等で構成されていても勿論構わない。
399は後述のレンズユニット200とカメラ本体100のシステムコントローラ50との通信を行う通信線群であり、499は後述の外付けフラッシュ400とカメラ本体100のシステムコントローラ50との通信を行う通信線群である。
次に、レンズユニット200の構成について説明する。
201は被写体光学像を撮像素子14に結像し、焦点調整を行う為のフォーカスレンズ、202はフォーカスレンズ201を光軸方向に駆動して、ピントを合わせるためのフォーカス駆動アクチュエータである。211はレンズ制御マイコン206からの指令に基づき、フォーカス駆動アクチュエータ202を制御するフォーカス制御部である。
203はフォーカスレンズ201の位置から被写体距離を検出する為のエンコーダからなる距離検出部、204は撮影時の光量を調整する為の絞り、250は絞り駆動アクチュエータである。205はレンズ制御マイコン206からの指令に基づき、絞り駆動アクチュエータ250を制御する絞り制御部である。
207は変倍のための焦点距離調整を行うためのズーミングレンズ、208はズーミングレンズ207を光軸方向に駆動して、焦点距離調節を行うためのズーム駆動アクチュエータである。212はズーム駆動アクチュエータ208を制御するズーム制御部である。
206は前述のフォーカス駆動や絞り駆動などを制御するとともに、カメラ本体100側のシステムコントローラ50と通信を制御するレンズ制御マイコンである。
レンズユニット200はレンズマウント209を介して、着脱可能にカメラ本体100に装着され、電気的にはシリアル通信線と電源からなるコネクタ210でカメラ本体100に接続される。
なお、上記説明では、レンズ交換式の一眼レフタイプのデジタルカメラであるものとして説明したが、レンズや鏡筒が本体と一体化された、いわゆるデジタルコンパクトカメラなどであってもよい。
次に図2は撮像素子14の画素配列の一部を抜き出したものであり、撮像素子14の各画素の前にはベイヤー配列のカラーフィルターが規則的に並べて配置されている。Gは緑、Rは赤、Bは青のカラーフィルターに相当する。そして、8行毎、8列毎に位相差AF画素対SA及びSBが二次元的に配置されている。
図3は、AF画素SAの画素構造を示す図であり、図4はAF画素SBの構造を示す図である。
図3において、(A)は上部から見た図であり、(B)はb−b’断面図である。301はマイクロレンズ、302はマイクロレンズ301を形成するための平面を構成するための平坦化層である。AF画素SAはフィルタ層を持たず、最上部にマイクロレンズ301が構成される。303はアルミ配線層で作った遮光層であり、AF画素SAとAF画素SBとで、撮影レンズの異なる瞳領域を通過した光束を受光するように、画素の光電変換エリアの中心部から一方に偏心した位置に開口部を設けている。304は光電変換層である。
図4はAF画素SBの画素構造を示す図であり、図3のAF画素SAと左右対称の構造をしているので、説明は省略する。
図5は、図3及び図4に示す画素構造を有するAF画素対SA及びSBによる瞳分割を説明する図である。
図5において、310は撮影レンズを模式的に示したものであり、311はAF画素SA、312はAF画素SBである。AF画素SAには遮光層303の開口部を介して、L1〜L3の間の光束のみが光電変換部304に入射される。つまり、撮影レンズ310の左側の光束のみが入射される。一方、画素312には、同様にL4〜L6の光束だけが入射される。従って、各々の画素に入射される光束の重心は、Lだけ離れた位置を通っている。
この様な画素が多数並んだ場合の合焦状態及び非合焦状態での結像の状態に関して、図6を用いて説明する。
図6において、(A)は合焦状態からレンズが繰り出された場合、すなわち前ピン状態を示し、(A)は合焦状態、(C)は合焦状態からレンズが繰り込まれた場合、すなわち後ピン状態を示す。また、各図におけるA、Bは、AF画素SA及びSBをそれぞれ示している。
図6(A)の前ピン状態では、AF画素SAに結像される像の位置と、AF画素SBに結像される像の位置の差Lは負の値を示す。また、(B)の合焦状態では、AF画素SAに結像される像の位置と、AF画素SBに結像される像の位置の差Lは0であり、(C)の後ピン状態では、AF画素SAに結像される像の位置と、AF画素SBに結像される像の位置の差Lは正の値を示す。
従ってAF画素SAに結像される被写体光学像と、AF画素SBに結像される被写体光学像の間隔を測ることによって、前ピン、合焦、後ピンと言った合焦状態を検出することが可能である。
これらのAF検出用画素は、図2で説明した様に、センサー上に離散的に配置してある。
次に図7〜図13を参照して、第1の実施形態の動作を説明する。
図7および図8は、本実施の形態におけるカメラ本体100の撮影時の主ルーチンのフローチャートである。同図を用いてシステムコントローラ50の動作を以下に説明する。
図7において、電池交換等の電源投入により、システムコントローラ50はフラグや制御変数等を初期化する(ステップS101)。
次にステップS102でシステムコントローラ50は、モードダイアル60の設定位置を判断する。モードダイアル60が電源OFFに設定されていたならば、システムコントローラ50は、各表示部の表示を終了状態に変更し、フラグや制御変数等を含む必要なパラメータや設定値、設定モードを不揮発性メモリ56に記録する。更に、システムコントローラ50は、電源制御部80により画像表示部28を含むカメラ本体100各部の不要な電源を遮断する等の所定の終了処理を行った後(ステップS103)、ステップS102に戻る。
また、ステップS102でモードダイアル60が撮影モードに設定されていたならば、ステップS105に進む。
また、ステップS102でモードダイアル60がその他のモードに設定されていたならば、システムコントローラ50は選択されたモードに応じた処理を実行し(ステップS104)、処理を終えたならばステップS102に戻る。
ステップS105において、システムコントローラ50は、電源制御部80により電池等により構成される電源86の残容量や動作情況がカメラ本体100の動作に問題があるか否かを判断する。問題があるならば(ステップS105でNO)通知部54を用いて画像や音声により所定の警告を行った後に(ステップS107)、ステップS102に戻る。
一方、電源86に問題が無いならば(ステップS105でYES)、システムコントローラ50は記録媒体120の空き容量などを判断する(ステップS106)。問題があるならば(ステップS106でNO)通知部54を用いて画像や音声により所定の警告を行った後に(ステップS107)、ステップS102に戻る。
記録媒体120の動作状態に問題が無いならば(ステップS106でYES)、通知部54を用いて画像や音声によりカメラ本体100の各種設定状態の告知を行う(ステップS108)。
続いて、システムコントローラ50は、ファインダーモード設定スイッチ66の設定状態を調べる(ステップS109)。EVFモードに設定されていたならば、ミラー制御部41を介して主ミラー1及びサブミラー3をアップ駆動して、撮影光路から退避させる(ステップS110)。更に、シャッター制御部40を制御してシャッター9を開き(ステップS111)、撮像素子14にレンズユニット200を介して入射する被写体光学像を結像し、撮像素子14から被写体画像を読み込む。そして、撮像素子14から読み込んだ被写体画像のデータを、A/D変換器16、画像処理回路20、メモリ制御回路22を介して、画像表示メモリ24に逐次書き込み、メモリ制御回路22、D/A変換器26を介して画像表示部28により逐次表示する。このようにして、EVF機能を実現している(ステップS113)。そして、図8のステップS120に進む。
一方、ステップS112において、ファインダーモード設定スイッチ66がOVFモードに設定されていた場合には、そのまま図8のステップS120に進む。
図8のステップS120において、シャッタースイッチSW1の状態を調べ、シャッタースイッチSW1が押されていないならば、ステップS102に戻る。シャッタースイッチSW1が押されたならば、ステップS121に進む。
ステップS121では、焦点調節処理を行ってフォーカスレンズ201の焦点を被写体に合わせ、測光処理を行って絞り値及びシャッタースピードを決定する。測光の結果、必要であればフラッシュフラグをセットし、フラッシュの設定も行う。このステップS121で行う焦点調節・測光処理の詳細は図9乃至図10を用いて後述する。
焦点調節・測光処理(ステップS121)を終えたならば、シャッタースイッチSW2の状態を調べる。シャッタースイッチSW2が押されていなければ(ステップS122でOFF)、図7のステップS102に戻る。
シャッタースイッチSW2が押されたならば(ステップS122でON)、ステップS123において、システムコントローラ50は露光処理及び現像処理からなる撮影処理を実行する。露光処理では、撮像素子14、A/D変換器16、画像処理回路20、メモリ制御回路22を介して、或いはA/D変換器16から直接メモリ制御回路22を介して、メモリ30に撮影した画像データを書き込む。そして、現像処理では、メモリ制御回路22そして必要に応じて画像処理回路20を用いて、メモリ30に書き込まれた画像データを読み出して各種処理を行う。なお、このステップS123における撮影処理の詳細は図13を用いて後述する。
撮影処理(ステップS123)が終了した際に、システムコントローラ50はシャッタースイッチSW2の状態を判断する。シャッタースイッチSW2が押された状態であったならば(ステップS124でON)、システムコントローラ50はシステムコントローラ50の内部メモリ或いはメモリ52に記憶される連写フラグの状態を判断する(ステップS125)。連写フラグが設定されていたならば、連続して撮影を行うためにステップS121に戻り、次の撮影を行う。連写フラグが設定されていないならば(ステップS125でNO)、ステップS124に戻り、シャッタースイッチSW2が放されるまで、現在の処理を繰り返す。
シャッタースイッチSW2が放されると、システムコントローラ50は、画像表示部28に撮影された画像のクイックレビュー表示を行う(ステップS126)。そして、ステップS127において所定のミニマムレビュー時間が経過した後に、ステップS102に戻り、一連の処理を繰り返す。
図9は、図8のステップS121における焦点調節・測光処理で行われる測光処理を示す詳細なフローチャートである。
まず、ステップS221において、ファインダーモード設定スイッチ66の設定により、OVFモードに設定されている場合は、測光センサ7を用いて公知の方法で被写体輝度(BV)の測光を行う(ステップS222)。そして、撮像素子14の設定感度(SV)から露出値(EV)を決定し、所定の露出プログラム線図からEV=TV(シャッター速度)+AV(絞り値)となる絞りとシャッターの組み合わせによる本撮影露光量を決定する(ステップS223)。
一方、EVFモードが設定されている場合は、被写体輝度の測定を撮像素子14で行うこと以外は、基本的にOVFモードの時と同じである。まず、撮像素子14から被写体画像を読み込み(ステップS230)、A/D変換器16、画像処理回路20で、画面全体を所定の分割数に分割した、それぞれのブロックの輝度値(BV)に変換する(ステップS231)。次に、得られた被写体輝度情報と撮像素子14の感度設定情報(SV)より、適正な露出量であるか判断する(ステップS232)。適正でない場合は、撮像素子14の電子シャッター秒時(TV)及び/またはレンズユニット200の絞り204の設定値(AV)を変更して、被写体輝度が適正となるように、露光量を制御する(ステップS233)。一方、露出が適正であった場合は、ISO感度を基に本撮影の露光量を演算し(ステップS235)、続いて取得した画像に対してホワイトバランス演算を行い、適切なホワイトバランスとなるべくRGB各色のゲインを変更して制御を行う(ステップS236)。
次に図10のフローチャートを参照して、図8のステップS121における焦点調節・測光処理で行われる焦点調節処理(自動焦点調節方法)について詳細に説明する。
ステップ301において、ファインダーモード設定スイッチ66の設定により、OVFモードに設定されている場合は、焦点検出部8内のAFセンサーで電荷蓄積を行う(ステップS302)。そして、2像の一致度から公知の方法でデフォーカス量を演算する(ステップS303)。
一方、ステップS301において、EVFモードが設定されていると判断された場合は、ライブビュー画像の読み出しタイミングに合わせて、撮像素子14により撮像された画像を取得する(ステップS310)。次に被写体の動きベクトル検知の判断として、撮像された画像が初回画像であるかを判別し(ステップS311)、初回画像であるならば、被写体のどの部分でAF処理を行うか設定する(ステップS312)。なお、この設定方法は、ユーザーが設定した場所であっても良いし、コントラストの高い部分を自動的に選択して設定してもよい。
一方、初回画像でなければ、画像処理回路20にて、前回と今回の画像の比較で検出された、被写体平面内での移動方向を取得し(ステップS313)、今回のデフォーカス検出を行うAF測距枠(検出領域)を設定する(ステップS314)。
この被写体の動きを検出してAF測距枠を追従させる方法を図11(A)を用いて説明する。図11(A)において、1101は撮像素子14を撮像面から模式的に示した図であり、1102は撮像素子14上に結像された前回の撮像フレームにおける主被写体、1103は今回の撮像フレームにおける主被写体である。また、1104は前回の撮像フレームにおけるAF測距枠、1105は今回の撮像フレームにおけるAF測距枠を示す。
被写体の動きベクトル(移動量と方向)を求めるには、画像全体を任意のブロックに分割し、その特徴点P1〜Pnの動き方向とその大きさを検出し、その移動点の平均から、移動している被写体の平均動きベクトルVXを求める。従って、前回のAF測距枠1104に対して、動きベクトルVXを加算する事により、今回のAF測距枠1105の位置を決定できるわけである。
次に、動きベクトルVXの上下方向の移動量と撮像素子14の読み出しクロックレートより、AF測距枠の撮像素子14の上下方向の移動による読み出し時間の遅れ(または進み)を演算する(ステップS315)。
この遅れ(または進み)時間を求める方法を図11(B)のタイミングチャートを用いて説明する。
図11(B)に示すタイミングチャートは、撮像素子14の読み出しタイミングを説明するものである。時刻t0とt3の時間間隔Vtはライブビュー表示を行うための読み出しフレーム間隔であり、一定の時間Vtにて、ライブビュー表示を行っている間、繰り返し撮像素子14から画像を読み出している。
そして被写体輝度のアペックス値BV、設定絞り値のアペックス値AV、撮像素子14の感度のアペックス値SVより、撮像素子14の蓄積時間のアペックス値TVは以下の式で求められる。
TV=BV+SV−AV
従って、撮像素子14の実際の蓄積時間TはT=2^(−TV)で求める事ができ、図11(B)において畜積時間Tとなるタイミングt1よりリセットを解除し、撮像素子14の蓄積を順次開始する。
そして、前回の撮像でのAF測距枠1103の上端に相当する撮像素子14の蓄積開始タイミングはt2であり、今回の撮像でのAF測距枠が同じ位置であるならば、その上端は時刻t4である。従って、前回と今回の蓄積開始時間の差は読み出しフレーム間隔Vtである。しかしながら、被写体とカメラの相対位置が画面下方向に移動した事により、今回のAF測距枠1105として図11(A)に示す位置に移動した場合は、そのAF測距枠1105の上端に相当する撮像素子の蓄積開始タイミングはt5となる。そのため、前回と今回の蓄積開始時間の差は読み出しフレーム間隔Vtにt5−t4に相当する補正時間Δt(画像間における検出領域読み出しまでの時間差)を加算したVt+Δtとなる訳である。
そしてこのΔtは、前回のAF測距枠の上端位置V1と今回のAF測距枠の上端位置V4の差分を撮像素子14の上下方向の総ライン数Lで割り、撮像素子14の1ラインの読み出し時間Vrを乗ずることにより、以下の式で求める事ができる。
Δt=(V4−V1)/L*Vr
ただし、このΔtは、測距点が撮像素子14の読み出し方向で下に動く場合は正の値になるが、上に動く場合は負の値になる。
上述したようにしてステップS315の処理が終了すると、ステップS316に進む。前述のステップS310で取得した各画像には、AF画素SA、SBの画像信号も含まれている。このAF画素の2像一致度から、画像処理回路20にて、図6にて説明した方法で、AB像の一致度より各画像についてAF測距枠内のデフォーカス量を算出する(合焦状態検出工程)。
次にステップS320において、ステップ303またはステップ316で求めたデフォーカス量の回数に応じて、1回の場合はステップS321へ、2回の場合はステップS322へ、3回以上の場合はステップS323に分岐する。そして、各々の処理ルーチンにて、合焦させるためのフォーカスレンズ201の駆動量を求める(駆動量算出工程)。
このフォーカスレンズ201の駆動量の算出方法を図12を用いて説明する。
図12において、横軸は時刻、縦軸はレンズユニット200により被写体が結像される像面位置X、Lはフォーカスレンズ201の位置を示す。また、Z1は被写体の距離方向の移動により結像される像面位置の変化を示し、Z2は前述の読み出し時間の遅れまたは進みにより誤差をもって演算された像面位置の変化を示す。
時刻t0におけるレンズ位置L0と像面位置x0による差はデフォーカス量DF0である。このとき、デフォーカス量の検出回数が1回であるならば、被写体の距離方向による像面移動速度はわからないので、検出されたデフォーカス量DF0だけフォーカスレンズ201を駆動する事で被写体に対してフォーカシングを行う。これがステップS321における算出されたフォーカスレンズ201の駆動量である。
そして、デフォーカス量DF0だけフォーカスレンズ201を駆動すると、フォーカスレンズ201の位置は図12におけるL1の位置に移動する。
しかしながら、次の時刻t1においては、被写体が距離方向で移動しているために、実際の像面位置はX1となり、像面位置X1とレンズ位置L1の差分であるDF1のデフォーカス量が検出される。
時刻t1では、t0およびt1で2回のデフォーカス量検出が行われたので、1次関数としての像面移動速度が計算され、次回のAFタイミングであるt2での像面移動予想量を求める事ができる。すなわち、
像面移動速度=DF1/Vt
従って、
フォーカスレンズ駆動量=DF1/Vt*Vt=DF1
と求められる。これがステップS322における算出されたフォーカスレンズ201の駆動量である。
次に時刻t3では、図12に示すDF2のデフォーカス量が検出されてしまう。これは、被写体が等速度運動を行っていても、像面位置の変化は等速度とならないためである。
この場合、過去のデフォーカス検出結果が3点あるので、この3点を通る曲線を2次式で近似する事で、時刻t3での像面位置X3を精度良く求める事ができる。これがステップS323における算出されたフォーカスレンズ201の駆動量である。
しかしながら、前述の様に被写体とカメラの相対位置が上下方向に移動する場合は、フレームレートVtに対して、読み出し時間にΔtの遅れ(または進み)が生じ、実際にデフォーカス検出を行った位置での時刻t2’ではDF2’のデフォーカス量が検出される。この際、読み出し時間の補正を行わず時刻t2の時点でDF2’のデフォーカス量が検出されたとして時刻t3でのフォーカスレンズ駆動量を演算すると、像面位置はX3’となってしまい、大きな誤差を生じてしまう。従って、前回のAF測距枠と今回のAF測距枠が撮像素子14の上下方向(読み出し方向)で異なる場合は、その読み出し遅れ(または進み)を図11で説明した様に、被写体の上下移動に基づく読み出しタイミングズレを補正する。これにより、被写体の距離方向の移動に対して正確にピントを追従させる事が可能となる。
このようにして求めたフォーカスレンズ201の駆動量により、ステップS324にてフォーカスレンズ201を駆動して、焦点調節処理を終了する。
なお、以上説明した場合において、t3のタイミングが本撮影の場合には、t2’からt3までの、本撮影に必要なタイムラグに基づき、本撮影時のフォーカスレンズ201の位置を求める。これにより、移動する被写体に対して、正確にピントの合った画像を撮影する事ができる。
次に、図13のフローチャートを参照して、図8のステップS123で行われる撮影処理の詳細について説明する。
ステップS331において、ファインダーモード設定スイッチ66によりOVFモードに設定されている場合は、撮影準備のためにミラー制御部41を介して主ミラー1及びサブミラー3をアップ駆動して、撮影光軸上から退避させる(ステップS332)。
一方、ステップS331においてEVFモードと判断された場合は、撮影準備のためにシャッター9を閉じる(ステップS333)。
続いてOVFモード、EVFモード共に、ステップS223或いはS234で演算した絞り値にレンズ200の絞り204を駆動し(ステップS334)、撮像素子14の蓄積を開始すると共にシャッター9を開いて露光を開始する(ステップS335)。
所定のシャッター秒時が経過すると、シャッター9を閉じ(ステップS336)、撮像素子14からA/D変換器16を介して撮影画像を読み出し、メモリ30に保存する(ステップS337)。更に、圧縮・伸長回路32でメモリ30に格納された画像を読み込み(ステップS338)、圧縮処理或いは伸長処理を行い(ステップS338)、処理を終えたデータをインタフェース90を介して記憶媒体120に書き込む(ステップS339)。そして、一連の処理が終了すると、撮影処理を終了する。
なお、本実施の形態では、撮像素子14に埋め込んだ位相差AF画素を使用する場合に関して説明したが、位相差AF画素をもたず、撮影画像の高周波成分でピントのピークを判定するいわゆるコントラストAFに適用することも可能である。その場合においても同様の効果を得ることができる。
1:主ミラー、2:ピント板、3:サブミラー、4:ペンタプリズム、5:アイピース、6:結像レンズ、7:測光センサ、8:焦点検出部、9:シャッター、14:撮像素子、16:A/D変換器、18:タイミング発生回路、20:画像処理回路、22:メモリ制御回路、24:画像表示メモリ、26:D/A変換器、28:画像表示部、30:メモリ、32:圧縮・伸長回路、40:シャッター制御部、41:ミラー制御部、50:システムコントローラ、52:メモリ、54:通知部、56:不揮発性メモリ、60:モードダイアルスイッチ、62:シャッタースイッチSW1、64:シャッタースイッチSW2、66:ファインダーモード設定スイッチ、68:クイックレビューON/OFFスイッチ、70:操作部、72:通信、73:コネクタ(またはアンテナ)、80:電源制御部、82、84:コネクタ、86:電源、90:I/F、92:コネクタ、98:記録媒体着脱検知部、100:カメラ本体、120:記録媒体、122:記録部、124:I/F、126:コネクタ、200:レンズユニット、201:フォーカスレンズ、204:絞り、205:絞り制御部、206:レンズ制御マイコン、207:ズームレンズ、211:フォーカス制御部、212:ズーム制御部、400:フラッシュ