JP5321882B2 - ボールジョイント - Google Patents
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Description
この発明によれば、ハウジングの端部に形成された環状溝の内部で、ブーツの一端に固定リングが外嵌されており、この固定リングによって、ハウジングに対するブーツの一端の固定、およびブーツの一端の撓みの規制が行われている。さらに、環状溝の入口は、撓みが規制された状態のブーツの一端が出入りできない幅にされている。したがって、ブーツの一端を環状溝から抜け出させる荷重がブーツに作用したとしても、ブーツの一端が環状溝の入口を形成するハウジングの一部に引っ掛かって、環状溝から抜け出ることが防止される。これにより、ブーツがハウジングから外れることを防止することができる。
この発明によれば、環状溝を容易に形成することができる。すなわち、環状溝は、入口の幅がその内部の幅よりも狭くされているので、たとえばハウジングの端部の外周を切削加工によって削り取って環状溝を形成する場合に、切削工具をハウジングに衝突させずに環状溝の内部を形成することが困難である。一方、第1および第2突起のいずれか一方を塑性加工によって折り曲げれば、入口の幅がその内部の幅よりも広い溝を形成し、この溝を利用して環状溝を形成することができる。すなわち、第1および第2突起のいずれか一方を塑性加工によって折り曲げることにより、前記溝の入口の幅をその内部の幅よりも狭くすることができる。これにより、切削工具とハウジングとの干渉を考慮せずに、環状溝を容易に形成することができる。
また、ブーツは弾性を有しているので、その弾性による復元力によって、折り返し部を環状溝の内部で外方に移動させることができる。これにより、固定リングを配置させるための配置空間(撓み空間に相当する空間)を環状溝の内部に形成することができる。したがって、環状溝の内部において、固定リングを撓み空間に配置させた状態でブーツの一端に外嵌させることができる。これにより、撓み空間側への折り返し部の移動を固定リングによって規制して、ブーツの一端の撓みを規制することができる。したがって、ブーツの一端が環状溝から抜け出ることを確実に防止することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るボールジョイント1の部分断面図である。この実施形態に係るボールジョイント1は、たとえば、自動車などの車両において操舵装置と懸架装置との間に備えられるアウターボールジョイントとして機能するものである。
ボールジョイント1は、筒状のハウジング2と、このハウジング2の内部に保持された樹脂シート3およびボールスタッド4と、ハウジング2に取り付けられた筒状のブーツ5とを備えている。ハウジング2は、樹脂シート3がその内側に配置された筒状部材6と、この筒状部材6の下端を塞ぐように当該下端に固定されたプラグ板7とを含む。筒状部材6は、その上端が開口端6aになっている。
ハウジング2の開口端6aの外周には、その周方向に延びるブーツ装着用の環状溝14が形成されている。また、ハウジング2は、その周方向に延びる環状の第1突起15および第2突起16を有している。環状溝14は、第1突起15と第2突起16との間に形成されている。環状溝14は、鉛直方向に沿う円筒面17と、円筒面17の上端から外方に延びる環状の上内壁面18と、円筒面17の下端から外方に延びる環状の下内壁面19と、下内壁面19の外周端から斜め上方に向かって外方に延びる環状の傾斜面20とによって区画されている。傾斜面20は、第2突起16の内周面に相当する面である。
ハウジング2にブーツ5を装着させるときは、図3に示すように、円筒部21を外側に押し広げた状態で第1突起15に外嵌させる。そして、ブーツ5の下端5bを下方に移動させて、円筒部21および折り返し部22の下端を環状溝14に入り込ませる。環状溝14に入り込んだ円筒部21の下端は、図4に示すように、ブーツ5の弾性による復元力によって直径が小さくなり、環状溝14の奥(円筒面17の方)に入り込んでいく。また、環状溝14に入り込んだ折り返し部22の下側傾斜面22aは、図4に示すように、傾斜面20に当接する。
環状溝14は、たとえば研削加工などの切削加工によってハウジング2の周囲を削り取ることにより形成されてもよいが、以下に説明するように、塑性加工を経て形成されてもよい。たとえば、図6に示す筒状体23(ハウジング2の中間体)をたとえば鍛造加工によって形成する。そして、この筒状体23に塑性加工を施して環状溝14を形成する。より具体的には、筒状体23に、第2突起16と、第2突起16の内側に形成された環状の溝24と、軸方向D2に延びる環状の突起25とを形成する。溝24は、上方に開いた溝であり、その入口の幅(図6では、径方向への長さ)は、その内部の幅よりも広くされている。また、突起25は、第1突起15となるものであり、筒状体23の上端部に設けられている。環状溝14は、この突起25がたとえばプレス加工によって全周にわたって外側にほぼ直角に折り曲げられることにより形成される。
Claims (5)
- ロッド、および前記ロッドの一端に設けられた球頭部を有するボールスタッドと、
開口を有し、その開口から前記ロッドを突出させた状態で前記球頭部をその内部で保持する筒状のハウジングと、
前記球頭部と前記ハウジングとの間に介在する筒状の樹脂シートと、
その一端および他端がそれぞれ前記ハウジングの端部および前記ロッドの途中部に外嵌され、前記開口を覆う弾性を有するブーツと、
前記ブーツの一端に外嵌され、当該一端を前記ハウジングの端部に固定するための固定リングとを含み、
前記ハウジングの端部の外周には、前記ハウジングの周方向に延びるブーツ装着用の環状溝が形成されており、
前記環状溝は、鉛直方向に沿う内側円筒面と、前記内側円筒面の上端から外方に延びる環状の上内壁面と、前記内側円筒面の下端から外方に延びる環状の下内壁面と、前記下内壁面の外周端から斜め上方に向かって外方に延びる環状の傾斜面または鉛直方向に沿うように前記下内壁面の外周端から上方に延びる外側円筒面とによって区画され、内部に比べて入口の幅が狭くされており、
前記ブーツの一端は、撓まされた状態で前記環状溝の入口を通過して、当該環状溝に差し込まれ、
前記固定リングは、前記環状溝内において前記ブーツの一端に外嵌され、
前記ブーツの一端は、前記固定リングによって撓みが規制され、前記環状溝の入口は、撓みが規制された状態の前記ブーツの一端が出入りできない幅にされている、ボールジョイント。 - 前記ハウジングは、当該ハウジングの周方向に延びる環状の第1突起および第2突起を有するものであり、
前記環状溝は、前記第1突起と前記第2突起との間に形成されたものであり、
前記第1および第2突起は、先端部同士の間隔が他の部分の間隔よりも狭くなるように形成されたものである、請求項1記載のボールジョイント。 - 前記第1突起は、前記第2突起よりも前記ハウジングの端部の先端側に配置され、前記ハウジングの径方向に突出するものであり、
前記ブーツの一端は、弾性的に拡径された状態で前記第1突起の周囲を通過して、前記環状溝に差し込まれるものであり、
前記第2突起は、前記第1突起に向かって前記ハウジングの軸方向に突出するものである、請求項2記載のボールジョイント。 - 前記第1および第2突起のいずれか一方は、塑性加工により折り曲げられて前記ハウジングの径方向または軸方向に突出するように形成されたものである、請求項3記載のボールジョイント。
- 前記ブーツは、その一端に設けられた筒状部と、この筒状部の先端から外方に広がるように前記筒状部側に折り返された環状の折り返し部とを含むものであり、
前記筒状部と前記折り返し部との間には、前記折り返し部を撓ませて移動させるための環状の撓み空間が設けられており、
前記ブーツの一端は、前記折り返し部が撓まされた状態で前記環状溝の入口を通過するものであり、
前記固定リングは、前記環状溝内において、前記撓み空間に配置された状態で前記ブーツの一端に外嵌されるものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のボールジョイント。
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