JP5320368B2 - 時計 - Google Patents
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Description
最初に、駆動ドラム20aから歯車30aに駆動力が伝達される構造について説明する。図1、図3に示すように、軸28aにはラチェット車41が連結されている。軸28aが回転することによりラチェット車41も回転する。ラチェット車41は、歯車30aと正面板10aとの間で軸28aに固定されている。ラチェット車41の外周部には歯部42が形成されている。
歯車30aの外周部には歯部31aが形成されている。歯部31aは、歯車30bの歯部32bと噛合う。歯車30bは、歯部32bと、歯部32bよりも径の大きい歯部31bとを有している。歯車30bの歯部31bは、歯車30cの歯部32cと噛合う。歯車30cは、歯部32cと、歯部32cよりも径の大きい歯部31cとを有している。歯車30cの歯部31cは、歯車30dの歯部32dと噛合う。歯車30dは、歯部32dと、歯部32dよりも径の大きい歯部31dを有している。歯車30dの歯部31dは、歯車30eの歯部32eと噛合う。歯車30eは、歯部32eと、歯部32eよりも径の大きい歯部100aとを有している。歯部100aはクラウン歯車となっており、ガンギ車101のガンギ車カナ101aと噛み合っている。図示はしないが、ガンギ車101は特許文献1に示すような一般的な機械式時計の調速機構へと動力を伝達しており、この調速機構の備えるテンプの振幅に基づいた回転数で回転する。
図5は、図2のB―B断面図である。図5に示すように、歯車30cには、回転軸33bが嵌合している。歯車30cが回転することにより、回転軸33bも回転する。回転軸33bは、正面板10aの正面側にまで貫通している。回転軸33bの先端には、筒部34bが固定されている。筒部34bには、分針3cが連結されている。このように、回転軸33bが回転することにより分針3cが回転する。なお、歯車30cは、歯車30d、歯車30eを介してガンギ車101と連動しているので、分針3cは、調速機構の備えるテンプの振幅に基づいた回転速度で回転する。
図5に示すように、筒部34bには、歯部37bが設けられている。歯車37bは、歯車30gの歯部31gと噛合う。歯車30gは、正面板10aと正面板10aよりも正面側に配置された支持板38との間で回転可能に支持されている。歯車30gは、歯部31gと、歯部31gよりも径の小さい歯部32gを有している。歯部32gは、筒部34bに挿通された筒部36bと嵌合する歯車30fの歯部31fに噛合っている、筒部36bは、筒部34bの外側に配置されている。筒部36bの先端には、時針3bが連結されている。歯車30gが回転することにより、歯部32g、31fが噛合い、筒部36bは回転する。これにより、時針3bが回転する。ここで、歯部37bは歯車30cの回転に伴って回転するので、時針3bは調速機構の備えるテンプの振幅に基づいた回転数で回転する。
図6、図7は、時計1を正面側から見た場合の定荷重ばねS周辺の構造の透視図である。尚、図6、図7は、駆動ドラム20a、保持ドラム20bや、ゼネバ歯車50、巻取り量表示部60についても示している。定荷重ばねSは、一定の曲率で曲げられた帯状の板ばねであり、駆動ドラム20a、保持ドラム20b周りに巻かれる。定荷重ばねSの一端は、2つのネジ23aにより駆動ドラム20aに固定されている。定荷重ばねSの他端側は、保持ドラム20bに巻きつけられているが、保持ドラム20bに固定されていない。図6は、定荷重ばねSの大部分が保持ドラム20bに巻き付けられるとともに、後で詳述する所定量だけ駆動ドラム20aに巻き付けられた状態を示しており、図7は、定荷重ばねSの大部分が駆動ドラム20aに巻き付けられた状態を示している。定荷重ばねSは、自身の弾性復元力により、保持ドラム20bに巻き付けられた状態に戻ろうとする。駆動ドラム20aは、背面板10cから部分的に露出しており、露出した駆動ドラム20aの部分を回転させることにより、定荷重ばねSを駆動ドラム20aに巻取ることができる。
前述したように、巻取り量表示部60は、正面板10aの正面側に回転可能に支持されている。巻取り量表示部60は、円板状である。巻取り量表示部60の外周には、歯部63が形成されている。また、駆動ドラム20aと共に回転する軸28aの先端側にはゼネバ歯車50が固定されている。ゼネバ歯車50は、詳しくは後述するが2つの歯部が形成されている。駆動ドラム20aによる定荷重ばねSの巻取り作業が行なわれている間は、ゼネバ歯車50も反時計方向に回転する。ゼネバ歯車50の動力は、間欠的に巻取り量表示部60に伝達される。これにより、巻取り量表示部60は、間欠的に時計方向に回転する。尚、定荷重ばねSの弾性復元力により駆動ドラム20aが時計方向に回転すると、ゼネバ歯車50も時計方向に回転して巻取り量表示部60は反時計方向に回転する。このように、駆動ドラム20aにおける定荷重ばねSの巻取り量に応じて巻取り量表示部60が回転する。これにより、ユーザは定荷重ばねSの巻取り量を把握することができる。このように、巻取り量表示部60は、駆動ドラム20aに連動し、駆動ドラム20aにより巻き取られた定荷重ばねSの巻取り量を示す。
上述したように本発明においては、巻取り量によらずに弾性復元力が略一定となる領域で定荷重ばねSを用いている。そのため巻取り量を増やしても弾性復元力が上昇することがないので、負荷が増えないままに巻取りを行うことができるが、定荷重ばねSの全長が決まっているので巻き取れる範囲には限界がある。限界に到達した状態で、さらに定荷重ばねSを巻きとろうとすると、本実施例においては定荷重ばねSは保持ドラム20bに固定されていないため、定荷重ばねSが保持ドラム20bから離脱してしまい駆動ドラム20aを駆動させることができなくなる。また、仮に定荷重ばねSが保持ドラム20bに固定されていた場合には、定荷重ばねSに負荷がかかって破損するおそれがある。従って、いずれの場合であっても定荷重ばねSの巻取り可能範囲を制限する必要がある。
図8Aは、定荷重ばねSの巻取り量と弾性復元力との関係を示した図である。ここで巻取り量とは、定荷重ばねSの弾性復元力に抗してドラムに巻取られた長さである。巻取り量ゼロから所定の巻取り量まで間は、定荷重ばねSの弾性復元力は徐々に増大する。その後、定荷重ばねSの弾性復元力は、巻取り量に関わらずに略一定となる。弾性復元力が初めて一定となる時の巻取り量をR1とする。巻取り量R1よりも大きく、定荷重ばねSの全長よりも短い時点での巻取り量を巻取り量R2とする。
図9は、図2の状態にある時計1のゼネバ歯車50周辺の構造を示した模式図である。なお、説明を容易にするため、巻取り量表示部60のフランジ部102を省略した状態で図示している。ゼネバ歯車50は、本体部52、本体部52の外周に部分的に設けられた2つの隣接した歯53a、53b、本体部52よりも径が大きく本体部52よりも軸方向の厚みが薄い外周部56、を含む。巻取り量表示部60の歯部63は、交互に設けられた歯63a、63bを含む。歯63aの歯たけh1は、歯63bの歯たけh2よりも大きい。ゼネバ歯車50が一回転することにより、2つの歯53a、53bが、歯63a、63bに噛合って、巻取り量表示部60を間欠的に駆動させる。このように、ゼネバ歯車50は巻取り量表示部60を間欠的に駆動させる。これにより、ゼネバ歯車50の回転は、結果的に減速されて巻取り量表示部60へと伝達され、巻取り量表示部60は、定荷重ばねS巻取り量がR1からR2へと至るに要する駆動ドラム20aの回転数に対して1回転以内で回転する。このように、ゼネバ歯車50と巻取り量表示部60は、ゼネバ歯車機構として機能する。
3a 秒針
3b 時針
3c 分針
10a 正面板
10b 中板
10c 背面板
16 ストッパ
20a 駆動ドラム
20b 保持ドラム
30a〜30g、30i、30j 歯車
28a 軸
41 ラチェット車
43 係合部材
48 線バネ
50 ゼネバ歯車
53 歯
60 巻取り量表示部
63 歯部
63a、53b 歯
66 係合溝
68 指針
S 定荷重ばね
Claims (5)
- 時刻表示部を駆動するための定荷重ばねと、
前記定荷重ばねが巻かれた状態で保持する保持ドラムと、
前記定荷重ばねの弾性復元力に抗して巻取り可能であり、前記定荷重ばねの弾性復元力に従って前記定荷重ばねを巻き取る方向とは逆方向に回転させられて前記時刻表示部を駆動する、駆動ドラムと、
前記駆動ドラムに連動し、前記駆動ドラムにより巻き取られた前記定荷重ばねの巻取り量を示す巻取り量表示部と、
前記駆動ドラムの動力を前記巻取り量表示部に間欠的に伝達するゼネバ歯車と、
前記巻取り量表示部の可動範囲を制限することにより、前記駆動ドラムにより巻取り可能な前記定荷重ばねの巻取り可能範囲を制限するストッパと、
を備えたことを特徴とした時計。 - 前記ゼネバ歯車は、前記駆動ドラムに直接連結された回転軸に固定され、
前記巻取り量表示部は、前記ゼネバ歯車と噛合い可能な歯部を有している、請求項1の時計。 - 前記ストッパは、前記巻取り可能範囲を、前記定荷重ばねの弾性復元力が一定に維持される前記巻取り量の範囲内に制限する、請求項1又は2の時計。
- 前記巻取り量表示部は、前記駆動ドラムに連動して回転すると共に、回転方向に延在した係合溝を有し、
前記ストッパは、前記係合溝の端部に当接することで前記巻取り可能範囲を制限する、請求項1乃至3の何れかの時計。 - 前記巻き取る方向に回転した際の前記駆動ドラムの動力を前記時刻表示部に伝達せず、前記逆方向に回転した際の前記駆動ドラムの動力を前記時刻表示部に伝達するラチェット機構を備えている、請求項1乃至4の何れかの時計。
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