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JP5317479B2 - X線ct装置 - Google Patents

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JP5317479B2 JP2008003829A JP2008003829A JP5317479B2 JP 5317479 B2 JP5317479 B2 JP 5317479B2 JP 2008003829 A JP2008003829 A JP 2008003829A JP 2008003829 A JP2008003829 A JP 2008003829A JP 5317479 B2 JP5317479 B2 JP 5317479B2
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Description

本発明は、原子の分布に関連したX線吸収係数におけるX線管電圧依存情報の二次元分布断層像、いわゆるデュアルエネルギー撮影(Dual Energy Scan)の断層像の空間分解能、画像ノイズを最適化するX線CT装置の技術に関する。
2つのX線管電圧の断層像を用いて、物質の分布、いわゆるデュアルエネルギー撮影(Dual Energy Scan)の断層像を撮影したい場合、位置ずれによるアーチファクトがX線管電圧依存情報を表わす断層像デュアルエネルギー撮影の断層像に表われてしまうという問題があった。例えば肺野を撮影する際に、低いX線管電圧では排気で、高いX線管電圧では呼気であった場合、低いX線管電圧の断層像と高いX線管電圧の断層像とが位置ずれする。この状態で、低いX線管電圧の断層像と高いX線管電圧の断層像を加重加算処理を行うと、位置ずれ(ミス・レジストレーション:mis-registration)アーチファクトが生じていた。
尚、特許文献1には、フラットパネル技術を用いるX線撮影におけるデュアルエネルギー撮影において、低エネルギー画像と高エネルギー画像とを合致又は位置合わせする技術が開示されている。
特開2003−244542号公報
X線CT装置におけるデュアルエネルギー撮影においては断層像を得るため、被検体の臓器の動きに対する位置ずれの影響が大きくなり、高精度な位置ずれ補正の技術が望まれていた。
そこで、本発明の目的は、X線CT装置により、原子の分布に関連したX線吸収係数におけるX線管電圧依存情報を示す二次元分布断層像、いわゆるデュアルエネルギー撮影の断層像の位置ずれによる空間分解能の低下を低減するX線CT装置を提供することにある。
第1の観点のX線CT装置は、第一エネルギースペクトルを有するX線と、前記第一エネルギースペクトルとは異なる第二エネルギースペクトルを有するX線とを被検体に照射するX線管と、前記被検体に照射された前記第一エネルギースペクトルのX線投影データと前記第二エネルギースペクトルのX線投影データとを収集するX線データ収集部と、 前記第一エネルギースペクトルのX線投影データ及び前記第二エネルギースペクトルのX線投影データに基づいて、第一断層像及び第二断層像を画像再構成する画像再構成部と、 前記第1断層像及び前記第2断層像に共通する重心を求め、前記重心から放射状に延びる方向に設定された比較対象との比較により、前記第一断層像と前記第二断層像との位置ずれ量を求め、前記第一断層像及び前記第二断層像の少なくとも一方に前記位置ずれ量に基づく位置ずれ補正を行う断層像位置ずれ補正部と、前記位置合わせした前記第一断層像及び前記第二断層像に基づいて、原子の分布に関連したX線管電圧依存情報の断層像を画像再構成するデュアルエネルギー像再構成手段と、を備えるというものである。 第2の観点では、第2の観点のX線CT装置は、第1の観点のX線CT装置において、前記断層像位置ずれ補正部は、前記1点を前記被検体のCT値の高い領域から選択するというものである。
第3の観点のX線CT装置は、第2の観点のX線CT装置において、前記被検体のCT値の高い領域は、骨部領域であるというものである。
第4の観点のX線CT装置は、第1から第3の何れかの観点において、前記断層像位置ずれ補正部は、前記第一断層像及び前記第二断層像のそれぞれに、該断層像を前記重心から放射状に延びる複数の扇形に分割した領域を特定し、前記第一断層像の扇形の領域と前記第二断層像の扇形の領域との比較により、前記第一断層像と前記第二断層像との位置ずれ量を測定するというものである。
第5の観点のX線CT装置は、第4の観点において、前記位置ずれ量を、前記第一断層像の扇形の領域と前記第二断層像の扇形の領域との相似形比により求めるというものである。
第6の観点のX線CT装置は、第4の観点において、前記位置ずれ量を、前記第一断層像の扇形の領域と前記第二断層像の扇形の領域との相関演算により求めるというものである。
第7の観点のX線CT装置は、第4又は第5の観点において、前記断層像位置ずれ補正部は、各扇形領域が隣り合う扇形領域と接する部分について、前記扇形領域をオーバーラップさせ、このオーバーラップした部分においては連続的に扇形領域が接合されるように加重加算処理を行うというものである。
第8の観点のX線CT装置は、第1から第3の何れかの観点において、前記断層像位置ずれ補正部は、前記第一断層像及び前記第二断層像のそれぞれにおける前記重心から放射状に延びる線分上の画素を特定し、前記第一断層像の前記線分上の画素値と前記第二断層像の前記線分上の画素値との比較により、前記第一断層像と前記第二断層像との位置ずれ量を求めるというものである。
第9の観点のX線CT装置は、第8の観点において、前記位置ずれ量は、前記第一断層像の前記線分上の画素値と前記第二断層像の前記線分上の画素値との相関演算により求めるというものである。
第10の観点のX線CT装置は、第6又は第9の観点において、前記位置ずれ量は、前記相関演算の結果得られたプロファイルの半値幅を用いて算出された拡大縮小倍率であるというものである。
第11の観点のX線CT装置は、第1から第10の観点において、前記断層像位置ずれ補正部は、前記第一断層像と第二断層像とを重ねて表示させて比較するというものである。
第12の観点のX線CT装置は、第1から第10の観点において、前記断層像位置ずれ補正部は、前記第一断層像及び前記第二断層像の少なくとも一方に前記位置ずれ量に基づく座標変換を行うというものである。
第13の観点のX線CT装置は、第12の観点において、前記座標変換は、アフィン変換又は多次座標変換であるというものである。
本発明のX線CT装置によれば、被検体が呼吸や拍動により体動が生じてしまう場合であっても、デュアルエネルギー撮影において、断層像の位置ずれによる空間分解能の低下を低減するX線CT装置を実現できる効果がある。
<X線CT装置の全体構成>
図1は、本発明の一実施形態にかかるX線CT装置100の構成ブロック図である。このX線CT装置100は、操作コンソール1と、撮影テーブル10と、走査ガントリ20とを具備している。
操作コンソール1は、操作者の入力を受け付けるキーボード又はマウスなどの入力装置2と、前処理、画像再構成処理、後処理などを実行する中央処理装置3と、走査ガントリ20で収集したX線検出器データを収集するデータ収集バッファ5とを具備している。さらに、操作コンソール1は、X線検出器データを前処理して求められた投影データから画像再構成した断層像を表示するモニタ6と、プログラムやX線検出器データや投影データやX線断層像を記憶する記憶装置7とを具備している。撮影条件の入力はこの入力装置2から入力され、記憶装置7に記憶される。撮影テーブル10は、被検体を乗せて走査ガントリ20の開口部に出し入れするクレードル12を具備している。クレードル12は撮影テーブル10に内蔵するモータで昇降及びテーブル直線移動される。
走査ガントリ20は、X線管21と、X線コントローラ22と、コリメータ23と、ビーム形成X線フィルタ28と、多列X線検出器24と、データ収集装置(DAS:Data Acquisition System)25とを具備している。さらに、走査ガントリ20は、被検体の体軸の回りに回転しているX線管21などを制御する回転部コントローラ26と、制御信号などを操作コンソール1や撮影テーブル10とやり取りする制御コントローラ29とを具備している。ビーム形成X線フィルタ28は撮影中心である回転中心に向かうX線の方向にはフィルタの厚さが最も薄く、周辺部に行くに従いフィルタの厚さが増し、X線をより吸収できるようになっているX線フィルタである。このため、円形又は楕円形に近い断面形状の被検体の体表面の被曝を少なくできるようになっている。
中央処理装置3は、前処理部31、ビームハードニング処理部33、画像再構成部34、デュアルエネルギー像再構成部35、及び断層像位置ずれ補正部37を有している。
前処理部31は、データ収集装置25で収集された生データに対して、チャネル間の感度不均一を補正し、またX線強吸収体、主に金属部による極端な信号強度の低下又は信号脱落を補正するX線量補正等の前処理を実行する。
ビームハードニング処理部33は、投影データのビームハードニングを補正処理する。ビームハードニングとは、同一材質でも透過厚さによりX線吸収が変化し、CT画像上のCT値(輝度)が変わってしまう現象で、特に被検体を透過した放射線のエネルギー分布が高エネルギー側に偏ることをいう。このため、投影データのスライス方向、チェネル方向に対して、ビームハードニングを補正する。
画像再構成部34は、前処理部31で前処理された投影データを受け、その投影データに基づいて画像を再構成する。投影データは、周波数領域に変換する高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)がなされて、それに再構成関数Kernel(j)を重畳し、逆フーリエ変換する。そして、画像再構成部34は、再構成関数Kernel(j)を重畳処理した投影データに対して、三次元逆投影処理を行い、被検体HBの体軸方向(Z方向)ごとに断層像(xy平面)を求める。画像再構成部34は、この断層像を記憶装置7に記憶させる。
デュアルエネルギー像再構成部35は、投影データ又は断層像から、原子の分布に関連したX線管電圧依存情報の二次元分布断層像いわゆるデュアルエネルギー撮影の断層像を再構成する。
断層像位置ずれ補正部37は、デュアルエネルギー撮影の断層像の最適化するために、低い管電圧及び高い管電圧による各断層像の位置ずれを補正する。尚、断層像位置ずれ補正部37の詳細については、後述する。
<X線CT装置の動作フローチャート>
図2は、本実施形態のX線CT装置についての動作の概要を示すフローチャートである。
ステップP1では、被検体をクレードル12に乗せ、位置合わせを行う。ここでは、クレードル12の上に乗せられた被検体は各部位の基準点に走査ガントリ20のスライスライト中心位置を合わせる。そして、スカウト像(スキャノ像、X線透視像ともいう。)収集を行う。スカウト像撮影では、X線管21と多列X線検出器24とを固定させ、クレードル12を直線移動させながらX線検出器データのデータ収集動作を行う。ここでは、スカウト像は通常0度、90度のビュー角度位置で撮影される。なお、部位によっては例えば頭部のように、90度スカウト像のみの場合であってもよい。図2中の右側は、0度で胸部付近のを撮影したスカウト像41の例である。このスカウト像41上から断層像の撮影位置を計画できる。
ステップP2では、スカウト像41上に撮影する断層像の位置、大きさを表示させながら撮影条件設定を行う。スカウト像41中に示した点線は、断層像画像の位置である。本実施形態では、コンベンショナルスキャン、ヘリカルスキャン、可変ピッチヘリカルスキャン、ヘリカルシャトルスキャンなどの複数のスキャンパターンを有している。コンベンショナルスキャンとは、クレードル12をz軸方向に所定の間隔で移動するごとにX線管21及び多列X線検出器24を回転させてX線投影データを取得するスキャン方法である。ヘリカルスキャンとは、X線管21と多列X線検出器24からなるX線データ収集系が回転しながらクレードル12を一定速度で移動させ、X線投影データを収集する撮影方法である。可変ピッチヘリカルスキャンとは、ヘリカルスキャンと同様にX線管21及び多列X線検出器24からなるX線データ収集系を回転させながらクレードル12の速度を可変させてX線投影データを収集する撮影方法である。ヘリカルシャトルスキャンとは、ヘリカルスキャンと同様にX線管21及び多列X線検出器24からなるX線データ収集系を回転させながらクレードル12を加速・減速させて、z軸の正方向又はz軸の負方向に往復移動させてX線投影データを収集するスキャン方法である。これらの複数の撮影を設定すると、1回分の全体としてのX線線量情報の表示を行う。
断層像の撮影条件設定においては、X線CT装置100の自動露出機構を用いることにより、被検体の被曝を最適化することもできる。また、この断層像撮影条件設定において、いわゆるデュアルエネルギー撮影の断層像撮影のために、X線管21の低いX線管電圧、たとえば80kVの撮影条件と、高いX線管電圧、たとえば140kVの撮影条件とを設定できる。また、デュアルエネルギー撮影における自動露出機構においては、デュアルエネルギー断層像の最終的な画像のノイズ指標値が設定されたノイズ指標値にほぼ等しくなるように、低いX線管電圧の撮影条件と高いX線管電圧の撮影条件を定めることができる。また、この時に低いX線管電圧の断層像の画像ノイズと高いX線管電圧の断層像の画像ノイズがほぼ等しくなるように、各々のX線管電圧の撮影条件を定めるのがX線被曝最適化の観点からは好ましい。
ステップP3ないしステップP9では、断層像撮影を行う。ステップP3において、X線データ収集を行う。ここでヘリカルスキャンによってデータ収集を行う場合には、X線管21と多列X線検出器24とを被検体の回りに回転させ、かつ、撮影テーブル10上のクレードル12を直線移動させながら、X線検出器データのデータ収集動作を行う。そして、ビュー角度viewと、検出器列番号jと、チャネル番号iとで表わされるX線検出器データD0(view、j、i)(j=1〜ROW、i=1〜CH)にz方向座標位置Ztable(view)を付加させる。このようにヘリカルスキャンにおいては、一定速度の範囲のX線検出器データ収集を行う。このz方向座標位置はX線投影データ(X線検出器データ)に付加させても良いし、また別ファイルとしてX線投影データと関連付けて用いても良い。ヘリカルシャトルスキャン、可変ピッチヘリカルスキャン時にX線投影データを三次元画像再構成する場合に、このz方向座標位置の情報は用いられる。また、ヘリカルスキャン又はコンベンショナルスキャン又はシネスキャン時に用いることにより、画像再構成された断層像の精度改善、画質改善を実現することもできる。
ステップP4では、前処理部31が前処理を行う。ここでは、X線検出器データD0(view、j、i)に対して前処理を行い、投影データに変換する。具体的には、オフセット補正を行い、対数変換を行い、X線線量補正を行い、そして感度補正を行う。
ステップP5では、ビームハードニング処理部33がビームハードニング補正を行う。ここでは、前処理された投影データD1 (view、j、i)に対して、ビームハードニング補正を行う。この時、検出器の各j列ごとに独立したビームハードニング補正を行なえるため、撮影条件で各X線データ収集系の管電圧が異なっていれば、列ごとの検出器のX線エネルギー特性の違いを補正できる。
ステップP6では、画像再構成部34がzフィルタ重畳処理を行う。ここでは、ビームハードニング補正された投影データD11(view、j、i)に対して、z方向(列方向)のフィルタをかけるzフィルタ重畳処理を行う。すなわち、各ビュー角度、各X線データ収集系における前処理後、ビームハードニング補正された多列X線検出器D11(view、j、i) (i=1〜CH、 j=1〜ROW)の投影データに対し、列方向に例えば列方向フィルタサイズが5列のフィルタをかける。
多列X線検出器24の中心部チャネルと周辺部チャネルとのそれぞれにおいて列方向フィルタ係数を制御することにより、スライス厚を中心部と周辺部とのそれぞれにおいて制御できる。列方向フィルタでスライス厚を弱干厚くすると、アーチファクト、ノイズともに大幅に改善される。これによりアーチファクト改善具合、ノイズ改善具合も制御できる。つまり、三次元画像再構成された断層像つまり、xy平面内の画質が制御できる。また、その他の実施形態として、列方向(z方向)フィルタ係数を逆重畳(デコンボリューション)フィルタにすることにより、薄いスライス厚の断層像を実現することもできる。また、必要に応じてファンビームのX線投影データを平行ビームのX線投影データに変換する。
ステップP7では、画像再構成部34が再構成関数重畳処理を行う。すなわち、X線投影データを周波数領域に変換するフーリエ変換(Fourier Transform)を行い、再構成関数を掛け、逆フーリエ変換する。
ステップP8では、画像再構成部34が三次元逆投影処理を行う。ここでは、再構成関数重畳処理した投影データD13(view、j、i)に対して、三次元逆投影処理を行い、逆投影データD3(x、y、z)を求める。画像再構成される画像はz軸に垂直な面である。xy平面に三次元画像再構成される。以下の再構成領域Pはxy平面に平行なものとする。この三次元逆投影処理については、図3を参照して後述する。
ステップP9では、画像再構成部34が後処理を行う。逆投影データD3(x、y、z)に対して画像フィルタ重畳、CT値変換などの後処理を行い、断層像D31(x、y、z)を得る。
ステップP10では、画像再構成された断層像を表示する。断層像の例として、図2の右側に断層像42を示す。
ステップP11では、三次元画像表示又はMPR(Multi Plain Reformat)画像表示を行う。ここでは、z方向に連続に撮影された断層像を、三次元MIP(Maximum Intensity Projection)画像表示方法で表示した三次元画像43とMPR画像44を示す。その他各種の画像表示方法があるが、操作者は、診断用途より、適宜画像表示方法を使い分けて利用する。
<三次元逆投影処理のフローチャート>
図3は、三次元逆投影処理(図2のステップS8)の詳細を示すフローチャートである。本実施形態では、画像再構成される画像はz軸に垂直な面、xy平面に三次元画像再構成される。つまり、以下の再構成領域は、xy平面に平行なものとする。
ステップP81では、断層像の画像再構成に必要な全ビュー、すなわち、360度分のビュー又は180度分+ファン角度分のX線ファンビーム投影データの全ビュー、又はファンパラ変換されたX線平行ビーム投影データの場合は360度分の全ビュー、又は180度分の全ビュー中の1ビューに着目し、再構成領域の各画素に対応する投影データDrを抽出する。
X線透過方向は、X線管21のX線焦点と各画素と多列X線検出器24との幾何学的位置によって決まる。X線検出器データD0(view、j、i)のz座標z(view)がテーブル直線移動z方向位置Ztable(view)としてX線検出器データに添付されて判っている。このため、加速・減速中のX線検出器データD0(view、j、i)でもX線管21の焦点及び多列X線検出器24のデータ収集系の中において、X線透過方向を正確に求めることができる。
なお、ラインの一部が多列X線検出器24のチャネル方向の外に出た場合は、対応する投影データDr(view、x、y)を「0」にする。また、z方向の外に出た場合は投影データDr(view、x、y)を補外して求める。
ステップP82では、投影データDr(view、x、y)にコーンビーム再構成加重加算係数ωa、ωbを乗算し、投影データD2(view、x、y)を作成する。コーンビーム再構成加重加算係数ωa、ωbを掛けて加算することにより、コーン角アーチファクトを低減することができる。又はンビーム画像再構成の場合は、更に、距離係数を再構成領域上の各画素に乗算する。距離係数は、X線管21の焦点から投影データDrに対応する多列X線検出器24の検出器列j、チャネルiまでの距離をr0とし、X線管21の焦点から投影データDrに対応する再構成領域P上の画素までの距離をr1とするとき、(r1/r0)2である。また、平行ビーム画像再構成の場合は、再構成領域P上の各画素にコーンビーム再構成加重加算係数w(i、j)のみを乗算すればよい。なお、ωa+ωb=1である。
ステップP83では、逆投影データD3(x、y)に投影データD2(view、x、y)を画素対応に加算する。具体的には、予めクリアしておいた逆投影データD3(x、y)に、投影データD2(view、x、y)を画素対応に加算する。図3の右側に示した図が投影データD2(view、x、y)を画素ごとに加算する概念を示している。
ステップP84では、画像再構成に必要な全ビューの逆投影データD2を加算したか否かについて判断する。ここでは、全てについて加算していない場合には、断層像の画像再構成に必要な全ビュー(すなわち、360度分のビュー又は「180度分+ファン角度分」のビュー)について、ステップS81〜S83を繰り返し、画像再構成に必要な全ビューを加算する。全てについて加算した場合には、本処理を終了する。
<<体動防止撮影法>>
本実施形態の撮影方法は、以下に示すような体動を防ぐ撮影を行う。
図4は、X線管電圧を切り換える複数例を示した図である。
図4A(a)では、1回目の撮影時間t1と、2回目の撮影時間t2とを続けて撮影する。この場合、X線コントローラ22は、時間t1と時間t2の間にX線管電圧を変化させる。このとき、多列X線検出器24のX線ファンビームのファン角が60度であれば、ハーフスキャンH−Scanに必要なX線データ収集角度ファン角+180度は240度となり、2/3回転分となる。今、X線データ収集系の回転速度が0.35秒/回転であれば、撮影時間は撮影時間0.46秒となり、被検体の体動はかなり押さえられる。なお、撮影方法は、1スキャン目と2スキャン目との順序が逆でもよい。
図4A(b)は、X線管電圧を上げるためにX線をオフにしている時間を1回目の撮影時間t1と2回目の撮影時間t2との間に入れた例である。
図4A(b)に示す撮影方法は、1回目の低いX線管電圧の撮影時間t1の後、ΔtのISD(Inter Scan
Delay)の間、X線オフして高いX線管電圧を変更する準備する。その後、2回目の高いX線管電圧の撮影時間t2を1回目の撮影と同じX線データ収集開始角度から撮影する。このように、X線データ収集開始角度を一致させることで、X線投影データ上の処理を精度よく行える。
X線データ収集系の回転速度が0.35秒/回転で、ハーフスキャンH−Scanを行えば、撮影時間が0.58秒となる。撮影時間が短いため、被検体の体動はかなり押さえられる。
図4B(c)に示す撮影方法は、奇数ビューをX線管電圧140kVのX線データ収集、偶数ビューをX線管電圧80kVのX線データ収集としてビューごとにX線管電圧を変化させて被検体の体動をより少なくする。
その変形例として、図4B(d)に示す撮影方法は、複数のまとまったビューの単位ごとに、X線管電圧140kVのX線データ収集、X線管電圧80kVのX線データ収集を交互に行う。
図5は、図4B(c)又は図4B(d)で示した、1ビュー毎又は複数ビュー毎にX線管電圧を切り換える場合の画像再構成処理の概要である。図6は、その画像再構成処理のフローチャートである。
ステップC1では、奇数ビューを低いX線管電圧で偶数ビューを高いX線管電圧で撮影し、X線データ収集を行う。
ステップC2では、低いX線管電圧投影データR−Lowと高いX線管電圧投影データR−Highとを分離する。
ステップC3では、低いX線管電圧投影データR−Lowを画像再構成して、低いX線管電圧の断層像TG−Lを得る。
ステップC4では、高いX線管電圧投影データR−Highを画像再構成して、高いX線管電圧の断層像TG−Hを得る。
ステップC5では、低いX線管電圧の断層像TG−Lに加重加算係数w1を乗算し、高いX線管電圧の断層像TG−Hに加重加算係数−w2を乗算する。それらの加算して、デュアルエネルギー撮影の断層像M−TGを画像再構成する。
ステップC6では、デュアルエネルギー撮影の断層像M−TGを表示する。
なお、複数ビュー単位で各電圧のX線データ収集を行った場合でも、R−Low、R−Highに分離して、画像再構成してやれば良い。
以上のように、X線管電圧を早いタイミングで切り替える撮影方法は、体動の少ないデュアルエネルギー断層像を得ることができる。
<断層像位置ずれ補正部37の動作>
以下、実施例を用いて、断層像位置ずれ補正部37の動作について詳述する。
(実施例1)<扇形領域FAを用いた位置ずれ補正>
次に、低いX線管電圧で撮影された断層像TG−Lと高いX線管電圧で撮影された断層像TG−Hとの位置合わせを、3点で定まる扇形領域FAを用いて行う例について説明する。
一般的に人体は骨のように固い物と、軟部組織や内臓のように軟らかい物で構成されている。その骨格は呼吸や体動では余り動かないため、軟部組織や内臓などの軟らかい領域が、この固い領域を中心にして動くと予想される。また、骨部領域はX線吸収係数が大きく、CT値が高いために抽出しやすい。このため、位置合わせは、CT値のX線吸収係数の大きな骨部領域を抽出し、その中心又は重心を中心とした領域で行う。
二次元の平面で位置合わせを行うには、少なくとも3点が必要である。このため3点で定まる三角形や扇形の領域に分割し、位置合わせを行う。この時に、3点の1つを動かない基準点である骨部領域の中心にしておく。この3点の扇形領域FAで位置合わせを行う。
図7は、X線吸収係数におけるX線管電圧依存情報の二次元分布断層像を画像再構成する際に、扇形(放射状)領域で位置合わせを行うフローチャートである。図8は、骨部領域の抽出を示す図である。図9(a)は、扇形領域FAの一部をオーバーラップさせた図であり、図9(b)は、オーバーラップ各扇形領域FAにおける加算係数を示す図である。
図7に示す8ステップD1では、X線データ収集部は、X線管電圧80kVでの撮影を行う。
ステップD2では、X線データ収集部は、X線管電圧140kVでの撮影を行う。
ステップD3では、80kV及び140kVの各断層像において、断層像位置ずれ補正部37は、濃淡画像である各断層像を、骨を抽出する閾値で2値化処理を行う。図8に示すように、濃淡画像の各断層像を、例えば骨のCT値として予想される150HU(Hounsfield
Unit)以上の領域を閾値として2値化処理を行う。
ステップD4では、断層像位置ずれ補正部37は、連続領域番号付処理(ラベリング処理)を行う。図8に示すように、この2値化された画像に対してラベリング処理を行い、連続した画素から構成される二次元領域ごとに番号付けを行う。図8の拡大図に示すように、各連続した二次元領域の画素値が連続領域番号値、ここでは各画素が“2”となっている様子を示している。
ステップD5では、断層像位置ずれ補正部37は、連続領域ごとの画像特徴量を求める。つまり、ステップD4にて番号付けされた連続二次元領域ごとに、平均CT値、CT値の標準偏差、面積値、円形度、フェレ径、面積率、長径、短径、又は偏平度などの画像特徴量を求める。これらの画像特徴量については図10を使って後述する。
ステップD6では、断層像位置ずれ補正部37は、各連続領域より骨部の領域を抽出する。ここではステップD5にて連続二次元領域ごとに求められた画像特徴量より判断して、図8に示すように、骨部領域でない領域、例えば造影剤領域などを除去する。
ステップD7では、断層像位置ずれ補正部37は、各骨部領域の特徴パラメータに基づいて中心とする骨部領域tnを定める。通常、頸部、胸部、腹部、腰部においては、椎体を中心とする骨部領域に選び、下肢(足)では大腿骨、脛骨を、上肢(手)では上腕骨、橈骨を、頭部では頭蓋骨を中心とする骨部領域に選ぶと良い。さらに、この骨部領域tnの重心oを求める。
ステップD8では、断層像位置ずれ補正部37は、両断層像の被検体体表面の輪郭を抽出できる閾値で2値化処理を行う。X線管電圧80kVと140kVとの断層像から体表面の輪郭を抽出できる閾値、例えば−100HU〜−200HU程度の閾値で2値化処理を行う。
ステップD9では、断層像位置ずれ補正部37は、体表面の輪郭を抽出し、重心oを中心とした45度おきの放射線で体表面の輪郭を8分割し、8分割点a〜hの点を定める。体表面の輪郭線を、例えば輪郭抽出論理フィルタにより求める。また、図8に示すように、骨部領域tnの重心o(gx、gy)を中心とし、y軸に対し0度、45度、90度、135度、180度、225度、270度、315度の45度おきの分割線と体表面の輪郭線との交点を求め、これを点a、b、c、d、e、f、g、hとする。
ここで、X線管電圧80kVの断層像TG−Lの点a〜点hを点a80〜点h80とし、 X線管電圧140kVの断層像TG−Hの点a〜点hを点a140〜点h140とする。なお、この実施形態では、分割線を45度おきにしているが、X線管電圧80kVと140kVとの断層像間での位置ずれが大きい場合には、45度おきの分割線を30度、22.5度、10度のように、さらに細かく分割して設定しても良い。
ステップD10では、Δg80h80oとΔg140h140oの相似形比を求める。管電圧80kVの断層像TG−L上には、Δa80b80o〜Δh80a80o、管電圧140kVの断層像TG−H上には、Δa140b140o〜Δh140a140o、各8つずつの扇形領域FAが定められる。この場合に両管電圧の各扇形領域FAを構成する線分は必ず同じ方向になるので、この場合は拡大縮小の倍率だけを考えれば良い。そして、図8で示すように、各々の扇形領域FAにおいて、辺の比を求める。つまり、線分g80−oと線分g140−oの比rg、線分h80−oと線分h140−oの比rhを各々求める。
ステップD11では、断層像位置ずれ補正部37は、Δg80h80oを相似形比で拡大縮小座標変換して、Δg140h140oに合わせる。各45度おきの扇形の直線部分を軸とした場合、この45度おきの扇形の直線部分を軸方向にrg、rhだけ拡大縮小倍率処理を行えば、各々の扇形の位置合わせが行える。
なお、ステップD11で求められた各45度方向の拡大縮小倍率に対して、アフィン変換で座標変換を行うことを考えると以下のようになる。例えばoaの方向とobの方向を考える。
線分a80−oと線分a140−oの比ra、線分b80−oと線分b140−oの比rbが求められた場合に、以下の(数式1)のアフィン変換により変換は行われる。
ただし、変換前の座標を(x、y)、変換後の座標を(X、Y)とする。
… (数式1)
また、アフィン変換でなく多次座標変換でも、この処理は実現できる。多次座標変換を行った場合は、1次の座標変換であるアフィン変換よりも精度の良い座標変換が行える。
なお、ステップD11で行う座標変換は、X線管電圧80kVの扇形領域FAをX線管電圧140kVの扇形領域FAに合わせるように座標変換してもよいし、その逆でも良い。
ステップD12では、断層像位置ずれ補正部37は、Δaho、Δabo、Δbco、Δcdo、Δdeo、Δefo、Δfgo、Δghoについてすべて座標変換位置合わせを行ったかを判断し、YESであればステップD12へ行き、NOであればステップD9へ戻る。
ステップD13では、断層像位置ずれ補正部37は、80kVの断層像TG−Lと140kVの断層像TG−Hとの各扇形領域FAを合体する。X線管電圧80kVと140kVとの扇形領域FAを合体する。この時に各扇形領域FAを合体する接合部分の断層像が連続的に接合されない場合がある。これを避けるために、各扇形領域FAより大きめの領域で処理を行っておく。例えば図9(a)に示すように、扇形領域FAAと扇形領域FABとをオーバーラップさせて処理を行う。各扇形領域FAA、Bの境界部分では、両X線管電圧の位置合わせさせた断層像同士を、図9(b)に示すような加算係数wa(x、y)、wb(x、y)をかけて処理を行う。この係数wa(x、y)、wb(x、y)の和は、常に“1”で一定とする。
この加重加算係数を位置合わせされた扇形領域FAAから扇形領域FAHまでの断層像に加重加算処理を行うことで、連続的に滑らかに接合される。このとき、線型の加重加算係数を用いているが、これは多次多項式の加重加算係数でも良い。
ステップD14では、デュアルエネルギー像再構成手段は、両X線管電圧の各扇形領域FAを合体し、80kVの断層像TG−Lと140kVの断層像TG−Hとを加重加算処理する。
ステップD15では、ステップD14で求められたデュアルエネルギー撮影の断層像M−TGを表示する。
ステップD3からステップD7までの処理においては、各断層像の骨部領域の重心oを求めることにより、ステップD8以後で定まる各扇形領域FAの「扇の要」を定め、扇形に分割できるように準備を行っている。
<画像特徴量の例>
図10は、ステップD5で用いた画像特徴量の例を示したものである。
まず連続した二次元の領域をRnとすると、領域Rnの画素単位の面積s、及び実際の面積sp(単位mm)は以下の(数式2)、(数式3)のようになる。
… (数式2)
… (数式3)
また、平均CT値mとその標準偏差sdは以下の(数式4)、(数式5)のようになる。ただし、g(x、y)は座標(x、y)の画素値とする。
… (数式4)
… (数式5)
また、円形度cは以下の(数式6)のようになる。ただし、lは領域Rnの周囲長とする。
… (数式6)
また、フェレ径は、領域Rnの外接よりx方向フィレ径がlx、y方向フィレ径がlyとなり、面積率srは(数式7)のようになる。
… (数式7)
また、領域Rnの、楕円近似した長径Rxと短径Ryより偏平率Rが、(数式8)のように求められる。
… (数式8)
(実施例2)<重心から放射状に延びる線分のプロファイルデータを用いた位置ずれ補正1>
実施例1では、両管電圧に関する断層像の扇形領域FAの位置合わせは、被検体体表面の輪郭線と分割線との交点で定められる3つの頂点で位置合わせを行った。それに対し、本実施例は、重心から放射状に延びる線分上の画素を画素値で合わせる方法、つまりプロファイルカーブを使った方法である。
図11(a)は、各扇形領域FAの2辺におけるプロファイルデータで示す図である。各プロファイルprf80、prf140をプロファイルの形で位置合わせすることが、より精度のよい加重加算処理を実現できる。
まず断層像位置ずれ補正部37は、各プロファイルprf80、prf140の対応する各画素を合わせながら、次のような方法で、そのずれ量s1、拡大縮小倍率r1を求める。
一般的にX線CT断層像での空気の部分は−1000のCT値を取り、X線吸収係数がほぼ水と等価である被検体部分は、0又は0前後のCT値を取る。
CT値の変化を表すプロファイルprf80、prf140は、空気部分の−1000をマイナスにならないように各画素のCT値に1000を加算し、負(マイナス)の部分をなくしたプロファイルとして計算する。又は、CT値の負の部分はCT値を0に圧縮して計算してもよい。こうすることで、負の部分による計算誤差を含まないで済む。この相関演算は以下の(数式9)のようになる。
… (数式9)
断層像位置ずれ補正部37は、この線分a80o、a140o上のプロファイルprf80とプロファイルprf140との相関演算の結果Ca(s)を求める。
図11(b)は、プロファイルデータの相関を示す図である。図11(b)における距離s1は、Ca(s)のピークにおけるずれ量を示す。また、以下の式(数式10)でプロファイルprf140のプロファイルprf80に対する拡大縮小倍率r1が定まる。s1はプロファイルprf80とプロファイルprf140のずれ量を示す。
… (数式10)
ここで、s2は、相関演算Ca(s)のピーク値p0の半分p0/2の幅、つまり半値幅(FWHM:Full Width Half Maximum)であり、l80=a80oである。この位置ずれ量s1、又は拡大縮小倍率r1を用いて、実施例1と同様の座標変換を行うことができる。
図12は、相関演算を用いて、各管電圧の各扇形領域FAを合体の処理を示したフローチャートである。
図7のステップD9を終えた後、ステップD25に進む。
ステップD25では、各扇形領域FAにおける2辺の線分上のプロファイル相関Ca(s)を求める。
ステップD26では、ステップD25の相関演算結果よりピークの位置ずれ量s1、又は拡大縮小倍率r1を求める。
ステップD27では、80kVの各扇形領域FAと140kVの各扇形領域FAとを座標変換により位置合わせを行う。
ステップD28では、全部の扇形領域FAで位置合わせ完了かを判断し、YESであれば図7のステップD13へ進み、NOであればステップD25へ戻る。
また、上記の実施形態では各扇形領域FAの2辺について相関演算を行ったが、より多の相関演算を行いたい場合は、図11(b)のように線分を角度方向に増やせばよい。そして、その増えた線分の相関演算結果に基づき、ピークのずれ量s1、又は拡大縮小倍率r1をその線分上で求めることで、より精度のよい座標変換を行うことができる。
(実施例3)<重心から放射状に延びる線分のプロファイルデータを用いた位置ずれ補正2>
実施例2では、異なる管電圧の扇形領域FAの2辺におけるプロファイルデータ相関Ca(s)を求めることで、ピークの位置ずれ量s1又は拡大縮小倍率r1を求めた。しかし、被検体の体内の一部だけが拡大縮小することもある。ここで説明する直線方向のずれ補正は、プロファイル上のある一部分が延びた状態を解消する方法である。
図13(a)は、各扇形領域FAのプロファイルprf80とプロファイルprf140を示し、図13(b)は、80kVのプロファイルデータ及び140kVのプロファイルデータを示す図である。(d)実施形態2の位置合わせを示す図である。(図の説明P57)
図14(a)は、各扇形領域FAのプロファイルの直径方向におけるのピークの位置ずれ量を示す図である。(b)は、ピークの位置ずれ量の積分値と直径方向座標の関係を示す図である。
プロファイルprf80のy方向における領域r1は、プロファイルprf140のy方向における領域r1に強く相関を持つ。また、プロファイルprf80のy方向における領域r2は、プロファイルprf140のy方向における領域r2に強く相関を持つ。しかし、線分h80o、線分h140oの全体同士で相関演算処理を行ってしまうと、上記の領域r1、r2同士の部分の強い相関は、部分的に延びたr3領域のプロファイルデータのために相関がずれる。これは、各扇形領域FAの位置合わせにおいて、重心から放射状に延びる方向である直径方向に位置合わせのズレとなって表れてくる。
このように、各扇形領域FAの直径方向のプロファイルで部分的に強い相関を表す部分を抽出するには、各扇形領域FAをさらに直径方向に分割すれば良い。
図13(a)に示す扇形領域h80a80o及び扇形領域h140a140oの直径方向の領域ごとに、断層像位置ずれ補正部37は、直径方向にプロファイルの相関を取り、ピークの位置ずれ量s1、又は拡大縮小倍率r1を求める。
まず、直径方向r方向において放射方向の外側へのCT値の変化を表すプロファイルデータで、X線管電圧80kVの断層像TG−Lのプロファイルをprf80(r)、X線管電圧140kVの断層像TG−Hのプロファイルをprf140(r)とすると、部分的な相関関数Co(x)は以下の(数式11)で求められる。
… (数式11)
ただし、Δrはプロファイルの変化の周波数、周期から定まる値で被検体の場合、Δrは2〜5mm程度でよい。
この時に、相関関数は直径方向座標rの位置をどれだけずらした時に最大値(ピーク)が来るか、つまりプロファイルprf80(r)、プロファイルprf140(r)の一致具合が高いかを考える。
図14(a)にある直径方向座標位置r1において、位置ずれ量s1で以下の(数式12)の相関関数C1(r、s)は最大値を取る。
… (数式12)
各直径方向座標rにおける相関関数のピークを取る位置ずれ量s、つまりprf80(r)、prf140(r)がよく一致する位置ずれ量sが求められる。これを図14(b)に示すように、ピークを取るずれ量sが直径方向座標rの関数となる。
図15は、このずれ量sをshift(r)として示した図である。図15(a)はプロファイルprf80(r)、図15(b)はプロファイルprf140(r)を示している。また、図15(c)は位置ずれ量sの積分値を示し、図15(d)は局所的なずれ量Δsを示し、図15(e)は直径方向に分割された扇形領域FAを示す図である。
図15(c)に示すshift(r)は、線分a80o、線分a140o、線分h80o、又は線分h140oから直径方向座標rまでのずれ量sの積分値となっている。また図15(d)に示す、[r、r+Δr]における局所的なずれ量Δsは、このずれの積分値shift(r)の微分となる。以下の(数式13)が局所的なずれ量Δsとなる。
… (数式13)
断層像位置ずれ補正部37は、このずれ量Δsがある程度同一の範囲ごとにr方向に領域を分割する。図15(d)の例では、r方向領域r1からr6までに分割されている。これを扇形領域FAに展開すると図15(e)のようになる。この各領域F1から領域F6までの領域ごとに、直径方向のずれ量Δs分を座標変換によりずらして位置合わせを行うことで、扇形領域FAhaoの位置合わせが行われる。また、各領域の各境界線上の不連続なアーチファクトは、実施例1のように領域をオーバーラップさせることで防げる。
図16は、以上のプロファイルカーブでの直径方向位置ずれ補正のフローチャートである。
図7のステップD9を終えた後、ステップD45に進む。
ステップD45では、断層像位置ずれ補正部37は、各扇形領域FAにおける2辺の線分上又は複数の直径方向の線分上プロファイルを用い、直径方向の各位置のずれ量を求める。
ステップD46では、ずれ量に応じて各扇形領域FAを直径方向に分割する。
ステップD47では、各X線管電圧の各扇形領域FAにおいて直径方向に分割された領域を座標変換により位置合わせを行う。
ステップD48では、全扇形領域FAで位置合わせ完了かを判断し、YESであれば図7のステップD13へ進み、NOであればステップD45へ戻る。
以上の処理により、断層像位置ずれ補正部37は、両X線管電圧の各扇形領域FA内の直径方向プロファイルデータで、部分的に相関の強い所の位置を抽出する。そして、そのずれ量Δsの違いにより、扇形領域FAを直径方向に分割して位置合わせを行うことで、より精度のよい位置合わせが行える。具体的には被検体の呼吸、心拍、拍動などにより、体軸の放射方向、つまり扇形領域FAの直径方向に一様でない位置ずれの位置合わせが精度良く実現できる。
(実施例4)<二次元相関演算を用いた位置ずれ補正>
実施例2では、扇形領域FAの3つの頂点のみで位置ずれ量、拡大縮小倍率を定めていた。また、扇形領域FA内の中心から外に向かう放射状の線分のプロファイルデータを相関演算するのも1次元の相関演算であった。
本実施例においては、断層像位置ずれ補正部37は、片方のX線管電圧の断層像を扇形領域FAに分割し、もう片方のX線管電圧の断層像に二次元相関演算を行う。そして、断層像位置ずれ補正部37は、その二次元相関演算の最大値又は局所最大値の位置より、x方向ずれ量Δx、y方向ずれ量Δyを求め、また二次元相関演算の最大値、又は局所最大値のピークの半値幅より拡大縮小倍率を求める。
図17(a)は、二次元相関演算による位置合わせの処理の概要を示す図である。
X線管電圧140kVの断層像TG−Hにおいて、断層像位置ずれ補正部37は、動かないと思われる骨部領域を検出し、その重心oを中心として、ある一定角度ごとの扇形領域FAを定める。その各画素をg140(x、y)、X線管電圧80kVの各画素をg80(x、y)とする。X線管電圧140kVの扇形領域FAをX線管電圧80kVの断層像TG−L上で二次元の相関演算を行うと、扇形領域FAh140a140oにおける相関量は以下の(数式14)のようになる。ただし、扇形領域FAh140a140oをFa140、扇形領域FAh80a80oをFa80とする。
… (数式14)
図17(b)は、この相関量の変化の一例を示したものである。相関量はxy平面の原点から(Δx、Δy)だけずれた所においてピークを取り、その半値幅はx方向にd3x、y方向にd3yとなっている。
Δx、Δyは扇形領域FAh140a140oと扇形領域FAh80a80oのずれを示している。また半値幅より、以下の(数式15)、(数式16)からx方向、y方向の拡大縮小倍率r3x、r3yが定まる。なお、以下の数式のl140x、l140yは扇形領域FAh140a140oの外接のx方向、y方向の辺の長さである。
… (数式15)
… (数式16)
これらの拡大縮小倍率r3x、r3yとずれ量Δx、Δyより、X線管電圧140kVの扇形領域FAをX線管電圧80kVの断層像TG−Lに位置合わせする。
以上の処理を扇形領域FAa140b140oから扇形領域FAg140h140oまで行うことにより、断層像位置ずれ補正部37は、すべての扇形領域FAをX線管電圧80kVの断層像TG−Lに位置合わせすることができる。
図18は、二次元相関演算による位置ずれ補正のフローチャートである。
図7のステップD9を終えた後、ステップD65に進む。
ステップD65では、断層像位置ずれ補正部37は、X線管電圧140kVの扇形領域FAを、X線管電圧80kVの断層像TG−L上で二次元相関演算を行う。
ステップD66では、断層像位置ずれ補正部37は、二次元相関演算の局所最大値の位置より位置ずれ量、拡大縮小倍率を求める。
ステップD67では、断層像位置ずれ補正部37は、X線管電圧140kVの断層像TG−Hの扇形領域FA全部が位置合わせ完了かを判断する。YESであれば図7のステップD13へ進み、NOであればステップD65へ戻る。
このようにして、断層像位置ずれ補正部37は、X線管電圧140kVの断層像TG−Hを扇形領域FAに分割し、X線管電圧80kVの断層像TG−L上において二次元相関演算を行う。そして、その最大値の位置より、方向ずれ量Δx、Δyを求め、半値幅より拡大縮小倍率を求める。そして、座標変換を行い、位置合わせされたX線管電圧140kVの断層像TG−HとX線管電圧80kVの断層像TG−Lを加重加算処理することで、デュアルエネルギー撮影の断層像M−TGが得られる。
なお、本実施形態では、X線管電圧140kVの断層像TG−Hを扇形領域FAに分割し、X線管電圧80kVの断層像TG−Lと二次元相関演算を行ったが、X線管電圧80kVの断層像TG−Lを扇形領域FAに分割し、X線管電圧140kVの断層像TG−Hと二次元相関演算を行っても良い。尚、このように、一方のX線管電圧の断層像のおける扇形領域を他方のX線管電圧の断層像と二次元相関演算を行う場合においても、本願発明の「前記第1断層像及び前記第2断層像に共通する重心を求め、前記重心から放射状に延びる方向に設定された比較対象との比較」を行っていること該当する。
(実施例5)<手動での位置ずれ補正1>
以下のような場合を考慮して、本実施形態では、目視により手動で位置合わせを行う。
(1) 断層像にストリークノイズなどの周期的なアーチファクトが存在し、相関演算処理による位置合わせの誤差が発生しそうな場合
(2) 断層像の画質が悪く、ノイズなどにより相関演算処理による位置合わせの誤差が発生しそうな場合
図19は、手動による位置合わせ操作の概要を示す。
まず、X線管電圧140kVの断層像TG−Hにおいて、操作者は、中心となる骨部領域の中心(重心)を手動で設定し、また、その中心から放射状の方向に広がる分割線の方向も手動で設定する。
その後に、操作者は、各扇形領域FAを外側の2点により手動で定める。手動で定められた扇形領域FAはモニタ6においてX線管電圧80kVの断層像TG−Lにオーバーラップ表示される。操作者はドラッグ・アンド・ドロップなどの操作で移動させることにより、扇形領域FAの外側の2点を、X線管電圧140kVの断層像TG−Hの扇形領域FAをX線管電圧80kVの断層像TG−Lに重なるように位置合わせをすることができる。
この操作を全部の扇形領域FAに対して行い、各扇形領域FAを合体させることで、X線管電圧140kVの断層像TG−Hが再現される。これにより、重ねて位置合わせすることができる。
図20は、手動でのずれ補正のフローチャートを示す。
ステップD71では、X線管電圧80kVでの撮影を行う。
ステップD72では、X線管電圧140kVでの撮影を行う。
ステップD73では、X線管電圧140kVの断層像TG−Hにおいて、動かないと思われる骨部領域の中心位置(重心)を手動で決める。骨部領域に各扇形領域FAの“扇の要”を置いている。これは例えば腹部では被検体の体重を支えているのが椎体であるため、呼吸や拍動によっても動かない部分であると考えられる。このため、椎体の中心部を動かない点として、“扇の要”に選ぶことは可能である。しかし、必ずしも椎体や骨部領域に中心を設定する必要はなく、他の場所でも動かない点と思われる所があれば、そこを“扇の要”として選択することは可能である。
ステップD74では、X線管電圧140kVの断層像TG−Hにおいて、骨部領域の中心位置から放射方向に延びる線の方向を手動で設定し、各扇形領域FAも手動で設定する。
また、ステップD74において、図19では扇形領域FA円弧の端点の2点を被検体体表面の輪郭線上に置いているが、必ずしも被検体体表面の輪郭線上にある必要はない。さらに、被検体体表面の外側の空気中に扇形円弧の端点2点を置いても良い。
ステップD75では、断層像位置ずれ補正部37は、モニタ6に表示されたX線管電圧80kVの断層像TG−L上に、X線管電圧140kVの断層像TG−Hの扇形領域FAをオーバーラップ表示する。そこで操作者は、手動で扇形領域FAを位置合わせする。モニタ6上でオーバーラップ表示されたX線管電圧140kVの断層像TG−Hの扇形領域FAを、X線管電圧80kVの断層像TG−Lに位置合わせをする際においては、扇形領域FAの頂点の3点をモニタ6上でドラッグ・アンド・ドロップ操作などにより移動させ、移動後の重なり具合を視覚的に判断する。さらに操作者は、扇形領域FAを移動させ、X線管電圧140kVの扇形領域FAと、X線管電圧80kVの断層像TG−Lがうまく重なる点を求める。断層像位置ずれ補正部37は、X線管電圧140kVの断層像TG−Hの扇形領域FA頂点3点が各々どの位置(xsi、ysi)(ただし、i=1、2、3とする)からどの位置(xei、yei)に動かされたかを記憶しておく。
ステップD76では、X線管電圧140kVの断層像TG−Hの扇形領域FA全部が位置合わせ完了かを判断し、YESであればステップD77へ行き、NOであればステップD75へ戻る。
ステップD77では、X線管電圧140kVの断層像TG−Hの各扇形領域FAを合体する。図9(a)のように各扇形領域FAをオーバーラップしておき、そのオーバーラップした領域で図9(b)のように加重加算係数を連続的に変化させる。そうすることで、ステップD77における合体された各扇形領域FAによる断層像が不連続なアーチファクトもない連続な断層像にすることができる。
ステップD78では、X線管電圧80kVの断層像TG−LとX線管電圧140kVの断層像TG−Hとを加重加算処理を行う。
ステップD79では、デュアルエネルギー撮影の断層像M−TGを表示する。
(実施例6)<手動でのずれ補正2>
図21は、放射方向に広がる分割線を用いずにさらに操作を簡単にした位置合わせの操作の概要を示す。
X線管電圧140kVの断層像TG−Hにおいて、骨部領域の中心o(重心)を手動で設定しておく。次に被検体の体表面輪郭線上に各点を複数点手動で設定しておく。
断層像位置ずれ補正部37は、モニタ6にX線管電圧80kVの断層像TG−LにX線管電圧140kVの断層像TG−Hをオーバーラップ表示する。そして操作者は、X線管電圧140kV断層像の体表面輪郭点、又は体表面輪郭線に近い複数の点をX線管電圧80kV断層像の体表面輪郭線上に位置合わせを行う。これにより、両X線管電圧の断層像の位置合わせができる。以上では、X線管電圧80kVの断層像TG−LにX線管電圧140kVの断層像TG−Hを合わせる実施形態を示すが、X線管電圧140kVの断層像TG−HにX線管電圧80kVの断層像TG−Lに合わせても良い。
図22は、手動による分割線を用いない位置合わせのデュアルエネルギー撮影処理のフローチャートである。
図20のステップD73を終えた後、ステップD84に進む。
ステップD84では、X線管電圧140kVの断層像TG−Hにおいて、被検体の体表面の輪郭線又はその近辺に複数の点を手動で設定する。図19の場合、被検体体表面の輪郭線上に複数の点を置いているが、必ずしも被検体体表面の輪郭線上に複数の点を置く必要はなく、外側の空気中に複数の点を置いても良い。
ステップD85では、断層像位置ずれ補正部37は、モニタ6に表示されたX線管電圧80kVの断層像TG−L上に、X線管電圧140kVの断層像TG−Hと被検体の体表面の輪郭線又はその近辺に設定された複数の点を表示する。そして、操作者が手動でその複数の点を調整する。被検体体表面の輪郭線又はその近辺に設定された複数の点をモニタ6上でドラッグ・アンド・ドロップ操作などにより移動させ、X線管電圧140kVの断層像TG−HとX線管電圧80kVの断層像TG−Lがうまく重なるようにする点を求める。なお、この際には図22(b)に示すように、骨部領域の中心点oと被検体の体表面輪郭線上に置かれた点h、a、bがあり、今、操作者が点aを点a′に移動させた場合、X線管電圧140kVの断層像TG−H上のΔhao、ΔaboがΔhao、Δaboに変化する。この時に断層像上のΔhao、Δaboに含まれる画素も座標変換されて、Δhao、Δaboに移る。
ステップD86では、X線管電圧80kVの断層像TG−LにX線管電圧140kVの断層像TG−Hは位置合わせ完了かを判断し、YESであれば図20のステップD78へ行き、NOであればステップD85へ戻る。
<デュアルエネルギー撮影の断層像M−TGのS/N比>
本実施形態において、複数のX線管電圧の断層像によりデュアルエネルギー撮影の断層像を求める際には、加重加算処理の加重加算係数のうちの1つが負数(マイナス)になる。このため、元の複数のX線管電圧の断層像に比べ、デュアルエネルギー撮影の断層像のSNが悪くなる、画像ノイズが悪化するまたは画質が落ちるという特徴がある。このため、元の複数のX線管電圧の断層像の撮影条件は被検体の被曝を考慮しつつ、デュアルエネルギー撮影の断層像の画像ノイズも考慮して決めなければならない。
図23は、差画像の画像ノイズを示す図である。一般的に図23に示すように、画像ノイズがn1、信号レベルがs1、S/N比がn1/s1である低いX線管電圧断層像TG−Lと、画像ノイズがn2、信号レベルがs2、S/N比がn2/s2である高いX線管電圧断層像TG−Hの差画像を求めると、差画像のS/N比Nsubは以下の(数式17)のようになる。
… (数式17)
なお、相加相乗平均の定理より、以下の(数式18)が成り立つ。
… (数式18)
つまり、低いX線管電圧kV1の断層像TG−Lの画像ノイズN1と、高いX線管電圧kV2の断層像TG−Hの画像ノイズN2が等しい時、差画像の画像ノイズNSubは最小となる。
本実施形態の場合は、加重加算処理に加重加算係数w1,w2が入っているので、上記にこれを考慮して以下の(数式20)の式のようになる。
… (数式20)
つまり、加重加算係数分を考慮して、X線管電圧80kVの断層像CSI−Lowの画像ノイズとX線管電圧140kVの断層像CSI−Highの画像ノイズとがほぼ等しくなれば良い。
また、いわゆるデュアルエネルギー撮影の断層像撮影において、なるべく少ないX線被曝線量で、より良いS/N比を得るためのX線管電圧の決定方法としては、抽出したい物質、強調したい物質により決める必要がある。
なお、本実施形態では、X線管電圧80kVとX線管電圧140kVとを使用しているが、他のX線管電圧を用いても、デュアルエネルギー撮影を行うことはできる。また、本実施形態における画像再構成法は、従来公知のフェルドカンプ法による三次元画像再構成法、他の三次元画像再構成方法、二次元画像再構成でもよい。
本実施形態では、特にスキャン方法について特定していない。コンベンショナルスキャン、ヘリカルスキャン、可変ピッチヘリカルスキャン、ヘリカルシャトルスキャンの場合についても同様に効果を出すことができる。また、本実施形態は、走査ガントリ20が傾斜していない場合について記載しているが、走査ガントリ20が傾斜した、いわゆるチルト・スキャンの場合でも同様な効果を出すことができる。また、特に、心拍信号に同期させても同様な効果を出すことができる。
また、本実施形態では、医用X線CT装置を元について記載されているが、産業用X線CT装置、又は、他の装置と組み合わせたX線CT−PET装置、X線CT−SPECT装置などにおいても利用できる。
本発明の実施形態にかかるX線CT装置100を示すブロック図である。 本実施形態のX線CT装置についての動作の概要を示すフローチャートである。 三次元逆投影処理の詳細を示すフローチャートである。 (a)は、連続したスキャンでX線管電圧を切り換える図であり、(b)は、インターバルを有する連続したスキャンでX線管電圧を切り換える図である。 (c)は、ビューごとにX線管電圧を切り換える図であり、(d)データ収集セグメントごとにX線管電圧を切り換える図である。 奇数・偶数ビューでX線管電圧を変えた場合の画像再構成の概要を示す図である。 奇数・偶数ビューでX線管電圧を変えた場合の画像再構成のフローチャートである。 X線吸収係数におけるX線管電圧依存情報の二次元分布断層像を画像再構成する際に、扇形(放射状)領域で位置合わせを行うフローチャートである。 骨部領域の抽出、分割された各々の扇形領域FAの位置合わせを示す図である。 (a)は、扇形領域FAの一部をオーバーラップさせた図であり、(b)は、オーバーラップ各扇形領域FAにおける加算係数を示す図である。 画像特徴量を示す図である。 (a)は、扇形領域FAの一部を示した図で、(b)はプロファイルデータの相関を示す図であり、(c)は、角度方向に相関を取る線分を増やした場合を示す図である。 相関演算を用いて、各扇形領域FAを合体の処理を示したフローチャートである。 (a)は、扇形領域FAの一部を示した図で、(b)はy方向のプロファイルデータを示す図である。 (a)は、各扇形領域FAのプロファイルの直径方向におけるずれ量sのピークを示す図であり、(b)は、ずれ量sの積分値と直径方向座標の関係を示す図である。 (a)はプロファイルprf80(r)、(b)はプロファイルprf140(r)を示している。また、(c)はずれ量sの積分値を示し、(d)は局所的なずれ量Δsを示し、(e)は直径方向に分割された扇形領域FAを示す図である。 各扇形領域FAの直径方向のずれ量を求めるフローチャートである。 (a)は、二次元相関演算による位置合わせの処理の概要を示す図であり、(b)は、二次元相関演算の結果である。 各扇形領域FAの二次元相関演算により位置ずれ量、拡大縮小倍率を求めたデュアルエネルギー撮影処理のフローチャートである。 手動による位置合わせ操作の概要を示す図である。 各扇形領域FAを手動で設定し、手動で位置合わせしたデュアルエネルギー撮影処理のフローチャートである。 手動による分割線を用いない位置あわせ操作の概要を示す図である。 (a)は、手動による分割線を用いない位置合わせのデュアルエネルギー撮影処理のフローチャートである。(b)は、分割線を用いない場合の点の移動を示す図である。 差画像の画像ノイズを示す図である。
符号の説明
1 … 操作コンソール
2 … 入力装置
3 … 中央処理装置
5 … データ収集バッファ
6 … モニタ
7 … 記憶装置
12 … クレードル
15 … 回転部
20 … 走査ガントリ
21 … X線管
22 … X線コントローラ
23 … コリメータ
24 … 多列X線検出器又は二次元X線エリア検出器
25 … データ収集装置(DAS)
26 … 回転部コントローラ
28 … ビーム形成X線フィルタ
29 … 制御コントローラ
30 … スリップリング
33 … ビームハードニング処理部
34 … 画像再構成部
35 … デュアルエネルギー像再構成部
37 … 断層像位置ずれ補正部
D … 投影データ
TG … 断層像
M−TG … デュアルエネルギー像
FA … 扇形領域

Claims (13)

  1. 第一エネルギースペクトルを有するX線と、前記第一エネルギースペクトルとは異なる第二エネルギースペクトルを有するX線とを被検体に照射するX線管と、
    前記被検体に照射された前記第一エネルギースペクトルのX線投影データと前記第二エネルギースペクトルのX線投影データとを収集するX線データ収集部と、
    前記第一エネルギースペクトルのX線投影データ及び前記第二エネルギースペクトルのX線投影データに基づいて、第一断層像及び第二断層像を画像再構成する画像再構成部と、
    前記第1断層像及び前記第2断層像に共通する重心を求め、前記重心から放射状に延びる方向に設定された比較対象との比較により、前記第一断層像と前記第二断層像との位置ずれ量を求め、前記第一断層像及び前記第二断層像の少なくとも一方に前記位置ずれ量に基づく位置ずれ補正を行う断層像位置ずれ補正部と、
    前記位置合わせした前記第一断層像及び前記第二断層像に基づいて、原子の分布に関連したX線管電圧依存情報の断層像を画像再構成するデュアルエネルギー像再構成手段と、を備えることを特徴とするX線CT装置。
  2. 前記断層像位置ずれ補正部は、前記重心を前記被検体のCT値の高い領域から選択することを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
  3. 前記被検体のCT値の高い領域は、骨部領域であることを特徴とする請求項2に記載のX線CT装置。
  4. 前記断層像位置ずれ補正部は、前記第一断層像及び前記第二断層像のそれぞれに、該断層像を前記重心から放射状に延びる複数の扇形に分割した領域を特定し、前記第一断層像の扇形の領域と前記第二断層像の扇形の領域との比較により、前記第一断層像と前記第二断層像との位置ずれ量を測定することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載のX線CT装置。
  5. 前記位置ずれ量は、前記第一断層像の扇形の領域と前記第二断層像の扇形の領域との相似形比により求めることを特徴とする請求項4に記載のX線CT装置。
  6. 前記位置ずれ量は、前記第一断層像の扇形の領域と前記第二断層像の扇形の領域との相関演算により求めることを特徴とする請求項4に記載のX線CT装置。
  7. 前記断層像位置ずれ補正部は、各扇形領域が隣り合う扇形領域と接する部分について、前記扇形領域をオーバーラップさせ、このオーバーラップした部分においては連続的に扇形領域が接合されるように加重加算処理を行うことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のX線CT装置。
  8. 前記断層像位置ずれ補正部は、前記第一断層像及び前記第二断層像のそれぞれにおける前記重心から放射状に延びる線分上の画素を特定し、前記第一断層像の前記線分上の画素値と前記第二断層像の前記線分上の画素値との比較により、前記第一断層像と前記第二断層像との位置ずれ量を求めることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載のX線CT装置。
  9. 前記位置ずれ量は、前記第一断層像の前記線分上の画素値と前記第二断層像の前記線分上の画素値との相関演算により求めることを特徴とする請求項8に記載のX線CT装置。
  10. 前記位置ずれ量は、前記相関演算の結果得られたプロファイルの半値幅を用いて算出された拡大縮小倍率であることを特徴とする請求項6又は請求項9に記載のX線CT装置。
  11. 前記断層像位置ずれ補正部は、前記第一断層像と第二断層像とを重ねて表示させて比較することを特徴とする請求項1から請求項10の何れか一項に記載のX線CT装置。
  12. 前記断層像位置ずれ補正部は、前記第一断層像及び前記第二断層像の少なくとも一方に前記位置ずれ量に基づく座標変換を行うことを特徴とする請求項1から請求項11の何れか一項に記載のX線CT装置。
  13. 前記座標変換は、アフィン変換又は多次座標変換であることを特徴とする請求項12に記載のX線CT装置。
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