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JP5314809B1 - ラバーダムクランプ - Google Patents

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Abstract

【課題】装着時の不快感が低減されたラバーダムクランプを提供する。
【解決手段】略C字状となるように切欠部11aが形成され弾性変形によって切欠部11aの幅を拡開可能なスプリング11と、スプリング11の両端部にそれぞれ形成されるとともに歯冠T側面に当接するビーク23を有するフランジ12と、を備え、歯冠Tが露出するように被せられるラバーダムシートを、露出した歯冠Tを一対のビーク23で挟持することで固定するラバーダムクランプ20において、ビーク23は、歯冠Tとの当接部分の凹凸形状が患者の歯冠Tの形状に合わせて形成されるとともに肉厚が患者の歯冠Tの高さと略等しく形成され、歯冠Tを挟持したときにビーク23が歯冠T側面の上端から下端まで面で当接する。
【選択図】図3

Description

本発明は、歯冠を一対のビークで挟持することでラバーダムシートを固定するラバーダムクランプに関するものである。
歯の治療は広義の外科的処置であるので、多数の菌が存在する唾液が治療中の患部に触れることは当然好ましくない。また、患部に唾液が付着すると治療の作業効率も低下してしまう。
さらに、治療中に患者の舌が動いてしまい、治療の妨げになることも多い。
そこで、治療対象の歯冠を口腔内の他の部位と隔絶するためにラバーダムシートが用いられている。
ラバーダムシートは、治療対象の歯冠がラバーダムシートの表側に露出し、口腔内の他の部位(舌や歯茎、他の歯冠)はラバーダムシートの裏側となるように、歯冠に被せられる。
そして、このラバーダムシートを固定するために、図7及び図8に示すようなラバーダムクランプが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特公昭63−13702号公報
図7及び図8に記載の発明は、略C字状のスプリング11と、歯冠側面に当接するビーク13を有するフランジ12とを備える。
ビーク13は一対のフランジ12の内側端部のことであり、ビーク13の肉厚はフランジ12の肉厚に等しい。
また、それぞれのビーク13は円弧状となっており、一対のビーク13が向かい合うことによって略円形が形成される。
そして、歯冠が露出するようにラバーダムシートが被せられ、露出した歯冠の下端(歯茎に近い部分)を一対のビーク13が挟持することでラバーダムシートを固定するものである。
この発明によると、歯茎と歯冠の境界部分である歯冠の下端をビーク13が挟持するので、歯冠が完全に露出した状態でラバーダムシートをしっかり固定することができる。
しかしながら、このラバーダムクランプ10は歯冠の下端をビーク13が挟持できるようにビーク13の歯冠側面に当接する部分が線状となっているので、装着時には挟持する圧力が歯冠の下端に集中して掛かってしまう。
したがって、ラバーダムクランプ10の装着時に歯冠下端や歯茎に痛みを感じる患者も存在して、必ずしも快適な付け心地であるとはいえなかった。
そこで、本発明の目的とするところは、装着時の不快感が低減されたラバーダムクランプを提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載のラバーダムクランプ(20)は、略C字状となるように切欠部(11a)が形成され弾性変形によって前記切欠部(11a)の幅を拡開可能なスプリング(11)と、前記スプリング(11)の両端部にそれぞれ形成されるとともに歯冠(T)側面に当接するビーク(23)を有するフランジ(12)と、を備え、前記歯冠(T)が露出するように被せられるラバーダムシートを、前記露出した歯冠(T)を一対の前記ビーク(23)で挟持することで固定するラバーダムクランプ(20)において、前記ビーク(23)が前記歯冠(T)側面の少なくとも上部及び下部に当接した状態で前記歯冠(T)を挟持し、しかも前記ビーク(23)は、前記歯冠(T)との当接部分の凹凸形状が患者の歯冠(T)の形状に合わせてカスタマイズしてロストワックス法により金属で形成されるとともに、前記歯冠(T)を挟持したときに前記ビーク(23)が前記歯冠(T)側面の上部から下部まで面で当接することを特徴とする。
また、請求項2に記載のラバーダムクランプ(20)は、略C字状となるように切欠部(11a)が形成され弾性変形によって前記切欠部(11a)の幅を拡開可能なスプリング(11)と、前記スプリング(11)の両端部にそれぞれ形成されるとともに歯冠(T)側面に当接するビーク(23)を有するフランジ(12)と、を備え、前記歯冠(T)が露出するように被せられるラバーダムシートを、前記露出した歯冠(T)を一対の前記ビーク(23)で挟持することで固定するラバーダムクランプ(20)において、前記ビーク(23)が前記歯冠(T)側面の少なくとも上部及び下部に当接した状態で前記歯冠(T)を挟持し、しかも前記ビーク(23)は、前記歯冠(T)との当接部分の凹凸形状が患者の歯冠(T)の形状に合わせてカスタマイズしてロストワックス法により金属で形成されるとともに肉厚が前記患者の歯冠(T)の高さと等しく形成され、前記歯冠(T)を挟持したときに前記ビーク(23)が前記歯冠(T)側面の上部から下部まで面で当接することを特徴とする。
なお、ここでいう下とは歯に対して歯茎側をいい、上とは歯の噛み合わせ部分側をいう。したがって、下顎の歯においては通常の上下方向と一致するが、一方、上顎の歯においては通常の上下方向とは逆となる。
ここで、上記括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に掲載された対応要素または対応事項を示す。
本発明によれば、ビークが歯冠側面の少なくとも上部及び下部に当接した状態で歯冠を挟持するので、ビークが歯冠側面の下端のみを挟持する場合に比べて圧力が分散される。よって、歯冠側面を挟持する圧力が低いので、装着時に患者の不快感が低減される。
また、本発明によれば、ビークは、歯冠との当接部分の凹凸形状が患者の歯冠の形状に合わせて形成されるとともに肉厚が患者の歯冠の高さと略等しく形成されるので、歯冠を挟持したときにビークが歯冠側面の上部から下部まで確実に面で当接する。よって、さらに装着時の不快感が低減される。
なお、本発明のラバーダムクランプのように、ビークが歯冠側面の少なくとも上部及び下部に当接した状態で歯冠を挟持する点は、上述した特許文献1には全く記載されていない。
本発明の実施形態に係るラバーダムクランプを示す平面図である。 本発明の実施形態に係るラバーダムクランプを示す正面図である。 本発明の実施形態に係るラバーダムクランプを示す拡大斜視図である。 本発明の実施形態に係るラバーダムクランプを歯冠に装着した状態を示す拡大平面図である。 本発明の実施形態に係るラバーダムクランプを歯冠に装着した状態を示す拡大斜視図である。 本発明の他の実施形態に係るラバーダムクランプを示す正面図である。 従来例に係るラバーダムクランプを示す平面図である。 従来例に係るラバーダムクランプを示す正面図である。
図1乃至図5を参照して、本発明の実施形態に係るラバーダムクランプ20を説明する。
このラバーダムクランプ20は、スプリング11と、ビーク23を有するフランジ12を備え、特にビーク23の形状に特徴がある。
本実施形態に係るラバーダムクランプ20は、最も奥の歯冠T一つに対して挟持するように装着され、その歯冠Tが露出するように被せられたラバーダムシート(図示しない)を固定するものである。
従来例で示したものと同一部分には同一符号を付した。
なお、図4及び図5では簡単のためにラバーダムシートを省略しているが、通常歯茎Gはラバーダムシートに覆われており視認できない。
スプリング11は、幅の狭い金属帯が湾曲してなり、それが略C字状となるように切欠部11aが形成されている。つまり、「C」という文字における切れた部分が切欠部11aである。
その切欠部11aの幅は治療対象の歯冠Tの幅と略等しく、弾性変形によって切欠部11aの幅を拡開可能である。よって、切欠部11aの幅を拡開させてもその力を取り去ると、切欠部11aの幅は元通り狭くなる。
フランジ12は、図2に示すように山折りされた板状で、スプリング11の両端部であってスプリング11の幅方向に関してそれぞれ同じ側(例えば図1においては下側)に突出するように一対形成される。
よって、図1に示すように平面視においてフランジ12はスプリング11とは重なっていない。
また、それぞれのフランジ12の内側端部には、互いに向かい合い歯冠Tへの装着時には歯冠T側面に当接するビーク23を有する。
また、それぞれのフランジ12のスプリング11近傍には孔12aが形成されている。この孔12aには拡開治具(図示しない)を挿入可能であって、ラバーダムクランプ20を歯冠Tへ装着するときには、拡開治具によってスプリング11の切欠部11aの幅が一時的に広げられる。
ビーク23は、歯冠Tとの当接部分が歯冠Tを包み込むように互いに離間する方向に湾曲して形成され、ラバーダムクランプ20装着時にはビーク23は歯冠T側面に両側から当接する。
しかも、ビーク23の歯冠Tとの当接部分の凹凸形状はそれぞれの患者の歯冠Tの形状に合わせて形成されている。よって、一方のビーク23と他方のビーク23は互いに異なる形状となっている。
また、一人の患者用のラバーダムクランプ20であっても装着する歯冠Tが異なれば、ビーク23の形状もそれぞれ異なるように形成される。
このように、患者の歯冠Tの形状に合わせてカスタマイズしてビーク23を一つ一つ形成する方法としては、本実施形態においては患者の歯型を取ってロストワックス法を用いた。
またビーク23の肉厚は、フランジ12の肉厚よりも厚く、患者の歯冠Tの高さと略等しく形成されている。
したがって、歯冠Tを挟持したときにはビーク23が歯冠T側面の上端から下端まで面で当接する。
ここで、ラバーダムクランプ20装着時にフランジ12が歯冠Tの高さ略中央となるように、ビーク23の肉厚の略中央にフランジ12が接続されている。
このフランジ12及びビーク23はスプリングと同様に金属製である。
以上のように構成されたバーダムクランプ20の一対のビーク23でラバーダムシートから露出した歯冠Tを挟持して、ラバーダムシートを固定する。
本実施形態に係るラバーダムクランプ20によれば、ビーク23は、歯冠Tとの当接部分の凹凸形状が患者の歯冠Tの形状に合わせて形成されるとともに肉厚が患者の歯冠Tの高さと略等しく形成されるので、歯冠Tを挟持したときにビーク23が歯冠T側面の上端から下端まで確実に面で当接する。よって、歯冠T側面を挟持する圧力が分散されて低いので、装着時の患者の不快感が低減される。
なお、本実施形態において、ビーク23の歯冠Tとの当接部分の凹凸形状が患者の歯冠Tの形状に合わせて形成されたが、これに限られるものではなく、単に歯冠Tを包み込むように互いに離間する方向に湾曲して形成されていてもよい。すなわち、歯冠Tを挟持したときにビーク23が歯冠T側面の上部から下部までおおよそ面で当接すれば、患者一人一人に合わせた形状でなくてもよい。
その他、ビーク23は、例えばポリ塩化ビニル,シリコーンゴム,熱可塑性エラストマー等の軟質樹脂で形成されていてもよい。この場合、ビーク23が患者一人一人の歯冠Tの形状に合わせて形成されていなくても、歯冠Tを挟持したときにビーク23が変形して歯冠T側面の上部から下部まで面で当接するので、装着時の不快感は少ない。
また、ビーク23が歯冠T側面の上端から下端まで面で当接するとしたが、これに限られるものではなく、上部から下部まで面で当接すればよい。
さらには、図6に示すように、ビーク23の形状がそれぞれ上下に二又に分かれて、装着時には歯冠T側面の上部及び下部に当接した状態で歯冠Tを挟持してもよい。
このようにビーク23が面で歯冠T側面に当接していなくても、従来例のように歯冠T側面の下端のみに当接するビーク13を有するものよりは挟持圧力が低減しているので、従来のラバーダムクランプ10よりは装着時に不快ではない。
また、このラバーダムクランプ20は最も奥の歯に装着するとしたが、これに限られるものではなく、必要に応じて他の歯に装着可能な形状のビーク23を有するラバーダムクランプ20としてもよい。
10 ラバーダムクランプ
11 スプリング
11a 切欠部
12 フランジ
12a 孔
13 ビーク
20 ラバーダムクランプ
23 ビーク
G 歯茎
T 歯冠

Claims (2)

  1. 略C字状となるように切欠部が形成され弾性変形によって前記切欠部の幅を拡開可能なスプリングと、
    前記スプリングの両端部にそれぞれ形成されるとともに歯冠側面に当接するビークを有するフランジと、を備え、前記歯冠が露出するように被せられるラバーダムシートを、前記露出した歯冠を一対の前記ビークで挟持することで固定するラバーダムクランプにおいて、
    前記ビークが前記歯冠側面の少なくとも上部及び下部に当接した状態で前記歯冠を挟持し、
    しかも前記ビークは、前記歯冠との当接部分の凹凸形状が患者の歯冠の形状に合わせてカスタマイズしてロストワックス法により金属で形成されるとともに、前記歯冠を挟持したときに前記ビークが前記歯冠側面の上部から下部まで面で当接することを特徴とするラバーダムクランプ。
  2. 略C字状となるように切欠部が形成され弾性変形によって前記切欠部の幅を拡開可能なスプリングと、
    前記スプリングの両端部にそれぞれ形成されるとともに歯冠側面に当接するビークを有するフランジと、を備え、前記歯冠が露出するように被せられるラバーダムシートを、前記露出した歯冠を一対の前記ビークで挟持することで固定するラバーダムクランプにおいて、
    前記ビークが前記歯冠側面の少なくとも上部及び下部に当接した状態で前記歯冠を挟持し、
    しかも前記ビークは、前記歯冠との当接部分の凹凸形状が患者の歯冠の形状に合わせてカスタマイズしてロストワックス法により金属で形成されるとともに肉厚が前記患者の歯冠の高さと等しく形成され、前記歯冠を挟持したときに前記ビークが前記歯冠側面の上部から下部まで面で当接することを特徴とするラバーダムクランプ。
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