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JP5314896B2 - 差込み式管継手 - Google Patents

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JP5314896B2 JP2008019197A JP2008019197A JP5314896B2 JP 5314896 B2 JP5314896 B2 JP 5314896B2 JP 2008019197 A JP2008019197 A JP 2008019197A JP 2008019197 A JP2008019197 A JP 2008019197A JP 5314896 B2 JP5314896 B2 JP 5314896B2
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Description

本発明は、給湯・給水配管等に用いられ、接続管を差込むだけでシール状に接続できる差込み式管継手に係り、より詳しくは、接続管を差込む際に管継手内のパッキン嵌合溝に嵌め込まれているパッキンが接続管の端面でパッキン嵌合溝から押し出されるのを防止できるようにした差込み式管継手に関する。
この種の差込み式管継手として、たとえば、図9〜図11に示すようなものが公知である(例えば、特許文献1参照。)。その差込み式管継手は、継手本体30の内部に、接続管Pの端部が外嵌状に差込まれる内筒31を設け、この内筒31の外周に環状のパッキン嵌合溝32を設け、該パッキン嵌合溝32に接続管Pの端部の内周と内筒31の外周との間をシールするためのパッキン33を嵌合している。そのパッキン33には、内筒31の外周面よりも径方向外側に突出する突出部33aが形成されている。さらに同パッキン33には、突出部33aよりも接続管Pの差込み方向上流側となる位置に、内筒31の外周面と略面一に形成された外周面を有する平坦部33bが設けられている。
このような差込み式管継手において、接続管Pを差込む際、接続管Pの端部がパッキン33を通過するときには、先ずパッキン33のうち接続管Pの差込み方向上流に位置する平坦部33bが最初に接続管Pに内嵌された後、続いて突出部33aが内嵌される。このため、接続管Pの端面がパッキン33の突出部33aに突き当たるときには、既に同パッキン33の平坦部33bが接続管Pに内嵌された状態にある。平坦部33bが接続管Pに内嵌された状態にあるパッキン33は、平坦部33bが径方向外側から押圧されてパッキン嵌合溝32に押し付けられているために、軸方向の移動がある程度規制された状態にある。従って、パッキン33の突出部33aに突き当たった状態から更に接続管Pを押し込んだとしても、接続管Pに押されてパッキン33がパッキン嵌合溝32からはみ出してしまうおそれが少ない、というものである。
特開2003−42370号公報
しかるに、上記差込み式管継手では、パッキン嵌合溝32の接続管差込み方向下流側の溝側壁32aがパッキン嵌合溝32の溝底に対し垂直に形成される一方、パッキン33の接続管差込み方向下流側の端面33cが垂直な溝側壁32aに対応して扁平に形成されているため、接続管Pに押されたとき、平坦部33bによる軸方向移動規制作用が十分でない場合、パッキン33がこれの扁平な端面33cをパッキン嵌合溝32の溝側壁32aに径方向外方へ滑らせてパッキン嵌合溝32からはみ出やすくなる原因になっていた。
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、上記のような、継手本体の内部に、接続管の端部が外嵌状に差込まれる内筒を設け、この内筒の外周面に環状のパッキン嵌合溝を設け、該パッキン嵌合溝に接続管の端部の内周と内筒の外周との間をシールするためのパッキンを嵌合している差込み式管継手において、パッキンの断面形状に工夫を凝らすことによりパッキンが接続管の端面でパッキン嵌合溝から押し出されるのを確実に防止できる差込み式管継手を提供することにある。
本発明の差込み式管継手は、請求項1に記載のように、その発明の内容を理解し易くするために図1〜図7に付した符号を参照して説明すると、継手本体1の内部に、接続管Pの端部が外嵌状に差込まれる内筒2を設け、この内筒2の外周面に環状のパッキン嵌合溝14を設け、該パッキン嵌合溝14に接続管Pの端部の内周と内筒2の外周との間をシールするためのパッキン4を嵌合している差込み式管継手において、パッキン4は、パッキン嵌合溝14に嵌合された状態において内筒2の外周面よりも径方向外方へ突出するシール部4aを形成し、且つ同パッキン4の接続管差込み方向下流側の端面4fを、接続管差込み方向下流側に向かって次第に窄まり状のテーパーに形成しており、パッキン嵌合溝14の接続管差込み方向下流側の溝側壁14bを、パッキン嵌合溝14の溝底に向かって次第に広がったテーパーに形成するとともに、該溝側壁14bの溝開口側端部がパッキン4における接続管差込み方向下流側の端面4fの外周側端部よりも内筒2の径方向外側に位置するように形成しており、パッキン4におけるシール部4aよりも接続管差込み方向上流側に対応する位置に、内筒2の外周面よりも径方向外方へ突出するごみ取り清掃部4bを形成しており、接続管差込み方向下流側に対応する側に向けてごみ取り清掃部4bに押圧力が加えられることで、ごみ取り清掃部4bが、接続管差込み方向下流側に対応する側に倒れ込むように圧縮変形することに特徴を有するものである。
上記構成によると、接続管Pを差込む際、接続管Pの端部がパッキン4を通過するとき接続管Pの端面がパッキン4のシール部4aに突き当たる。接続管Pが、これの端面がパッキン4のシール部4aに突き当たった状態から更に深く押し込まれると、接続管Pによりパッキン4が接続管Pの差込み方向に押されるが、このときパッキン4の接続管差込み方向下流側の端面4fはパッキン嵌合溝14の接続管差込み方向下流側の溝側壁14bに当接し、この当接作用によりパッキン4の接続管差込み方向下流側の端部がパッキン嵌合溝14の底方向、つまり反はみ出し方向に押される作用を受けるので、パッキン4が接続管Pで押されてパッキン嵌合溝14からはみ出るのを確実に防止できる。
接続管Pの差込みによりパッキン4が接続管Pの差込み方向に押されると、パッキン4の接続管差込み方向下流側の端面4fが溝側壁14bのテーパーに当接してパッキン嵌合溝14の底方向に確実に押される作用を受けるので、パッキン4が接続管Pで押されてパッキン嵌合溝14からはみ出るのをより効果的に防止できる。
本発明によれば、接続管を差込む際、パッキンが接続管の端面でパッキン嵌合溝から押し出されるのを確実に防止できて有利である。
本発明の好適な実施形態を図面に基づき説明する。図1は第1実施例の差込み式管継手を接続管差込み前の状態で示す半欠截断面図、図2は図1の差込み式管継手を接続管差込み途上の状態で示す半欠截断面図、図3は図1の差込み式管継手を接続管差込み後の状態で示す半欠截断面図、図4は図1の差込み式管継手の内筒およびパッキンの半欠截断面図、図5は図1の差込み式管継手のパッキンの半欠截断面図である。
図1において、差込み式管継手は、継手本体1に、内筒2、外筒3、パッキン4、抜止めリング5、及びキャップ6を備える。
図1に示すように、継手本体1は青銅鋳物等の金属あるいはプラスチック等で筒状に形成されて流体通路7を軸心方向に貫通状に形成しており、継手本体1の軸心方向一端部から内筒2を軸方向外方へ流体通路7の中心軸Oと平行に一体に突出形成してあり、内筒2の内部に流体通路7が連通形成されている。また継手本体1の軸心方向一端部には、継手本体1とは別体に形成した外筒3を内筒2の外周面との間にポリブテンや架橋ポリエチレン等樹脂製又は金属製の接続管Pの端部を受け入れる接続管差込間隙8を形成すべく内筒2と同心状に取り付けている。その取り付けに際しては外筒3の基端部の内周の段部9を継手本体1の内筒2の付け根部の外周に形成した段部10に圧入嵌合して係合固定する。
外筒3の開口端部には円筒状のキャップ6を一体的に取り付ける。その取付けに際しては外筒3の開口端部外周に設けた環状の凹溝11にキャップ6の基端部内周に設けた環状の突部12を圧入嵌合し、これによりキャップ6の内周と内筒2の外周との間に接続管差込間隙8と連通する接続管受口13を形成するように内筒2と同心状に取り付けられる。
図1、図4に示すように、内筒2の外周面にはパッキン嵌合溝14が設けられ、このパッキン嵌合溝14に、接続管Pの端部の内周と内筒2の外周との間をシールするための合成ゴム、天然ゴム、合成樹脂等よりなる円筒状のパッキン4が嵌め込まれる。
図4、図5に示すように、パッキン4は、パッキン嵌合溝14に嵌合された状態において内筒2の外周面よりも径方向外方へ突出するシール部4aを形成している。また、パッキン4における接続管Pの差込み方向下流側(以下、「接続管差込み方向下流側」という)の端面4fは、接続管差込み方向下流に向かって次第に窄まり状のテーパーに形成している。その端面4fのテーパーの角度θは好ましくは50〜85°、より好ましくは66°である。このパッキン4の接続管差込み方向下流側の端面4fのテーパーに対応して、パッキン嵌合溝14の接続管差込み方向下流側の溝側壁14bは、パッキン嵌合溝14の溝底に向かって次第に広がったテーパーに形成している。
さらに、パッキン4について詳述すると、図4、図5に示すように、パッキン4のシール部4aよりも接続管Pの差込み方向上流側(以下、「接続管差込み方向上流側」という)に対応する位置には、内筒2の外周面よりも径方向外方へ突出するごみ取り清掃部4bを形成している。同パッキン4におけるシール部4aとごみ取り清掃部4bとの間には、内筒2の外周面よりも径方向内方へ陥没する環状の凹溝4cを円周方向に形成している。ごみ取り清掃部4bの接続管差込み方向上流側の端面側には、接続管差込み方向上流側に向かって次第に窄まり状のテーパー15を形成している。パッキン嵌合溝14の接続管差込み方向上流側には、該パッキン嵌合溝14よりも更に深い環状の突起嵌合凹溝14aを設け、パッキン4の内径部の接続管差込み方向上流側に、突起嵌合凹溝14aに嵌合する環状突起4dを形成している。パッキン4のシール部4aの径方向内方に対応する内径部には、パッキン嵌合溝14の径よりも小さい内径を有する環状凸条4eを形成している。
図1に示すように、抜止めリング5はステンレス製品であって、皿形断面の内径部に弾性を有する拡縮径変形自在な食込み歯5aを形成している。この抜止めリング5の外径部は、キャップ6の内周における突部12の内奥側に設けた段部16と外筒3の開口端面との間に介在させて、食込み歯5aは接続管差込み間隙8内に突出させている。
次に、上記構成の差込み式管継手の使用態様を説明する。現場施工において、接続管Pは所要長さに切断される。この切断された接続管Pの端部は、接続管受口13内に差込まれる。このとき、接続管Pの端部がパッキン4を通過するときには、先ず、図2に示すようにパッキン4のうち接続管差込み方向上流に位置するごみ取り清掃部4bが最初に接続管Pに内嵌され、引き続いて図3のようにシール部4aが内嵌される。このため、図2のように接続管Pの端面がパッキン4のシール部4aに突き当たるときには、既に同パッキン4のごみ取り清掃部4bが接続管Pに内嵌された状態にある。ごみ取り清掃部4bが接続管Pに内嵌された状態にあるパッキン4は、ごみ取り清掃部4bが径方向外側から押圧されてパッキン嵌合溝14に押し付けられているため、軸方向の移動がある程度規制された状態にある。従って、接続管Pが図2のようにパッキン4のシール部4aに突き当たった状態から図3のように更に深く押し込んでも、接続管Pによりパッキン4がパッキン嵌合溝14から押し出されるようなことがない。
とくに、パッキン4の接続管差込み方向下流側の端面4fは、接続管差込み方向下流に向かって次第に窄まり状のテーパーに形成されているので、接続管Pが、これの端面がパッキン4のシール部4aに突き当たった状態から更に深く押し込まれると、パッキン4の接続管差込み方向下流側の端面4fはパッキン嵌合溝14の接続管差込み方向下流側の溝側壁14bに当接してパッキン嵌合溝14の底に向けて押される作用を受けることで、パッキン4がパッキン嵌合溝14から押出されるのを効果的に防止できる。
その際、パッキン嵌合溝14の接続管差込み方向下流側の溝側壁14bが、パッキン嵌合溝14の溝底に向かって次第に広がったテーパーに形成されていると、接続管Pの差込みによりパッキン4が接続管Pの差込み方向に押されたとき、パッキン4の接続管Pの差込み方向下流側の端面4fがパッキン嵌合溝14の差込み方向下流側の溝側壁14bのテーパーに当接してパッキン嵌合溝14の底に向けて確実に押される作用を受ける。このため、パッキン4が接続管Pで押されてパッキン嵌合溝14からはみ出るのをより効果的に防止できる。
また、接続管Pを差込む際、上述のように、先ずパッキン4のごみ取り清掃部4bが最初に接続管Pに内嵌されて接続管Pの内面に対し摺接するため、接続管Pの内面に付着しているごみや異物はごみ取り清掃部4bで確実に取り除かれ、ごみや異物が接続管Pの内周面とパッキン4のシール部4aとの間でかみ込まれるようなことがなく、シール部4aを傷付けたり、シール性能を低下したりするのを防止できる。
また、パッキン4はシール部4aとごみ取り清掃部4bとの間に、内筒2の外周面よりも径方向内方へ陥没する環状の凹溝4cを形成してあり、その凹溝4cは、接続管Pによって径方向内方に押圧されて圧縮変形するごみ取り清掃部4bの逃がしとして効果的に機能する。そのため、ごみ取り清掃部4bは接続管Pによって径方向内方に押圧されたときに容易に圧縮変形することができ、これによりごみ取り清掃部4bによりごみや異物をより確実に取り除くことができる。また凹溝4cは接続管Pによって径方向内方に押圧されて圧縮変形するシール部4aの逃がしとしても効果的に機能するため、シール部4aは接続管Pによって径方向内方へ押圧されたとき容易に圧縮変形することができ、接続管Pが差込み易くなる。
ごみ取り清掃部4bの接続管差込み方向上流側の端面側には、接続管差込み方向上流側に向かって次第に窄まり状のテーパー15を形成してあるので、接続管Pを差込む際、パッキン4のごみ取り清掃部4bを接続管Pに内嵌し易い。また、パッキン4は環状突起4dと突起嵌合凹溝14aとの嵌合により、接続管Pによりパッキン4のごみ取り清掃部4bおよびシール部4aが押圧されるときパッキン4が軸方向に移動するのを確実に規制することができ、パッキン4がパッキン嵌合溝14から押出されるのをより効果的に防止できる。
パッキン4のシール部4aの径方向内方に対応する内径部には、パッキン嵌合溝14の径よりも小さい内径を有する環状凸条4eを形成してあるので、環状凸条4eは、接続管Pによってシール部4aが径方向内方へ押圧されるに伴いパッキン嵌合溝14の底に局部的に押圧されて圧縮変形しパッキン嵌合溝14の底に対するパッキン4の接触圧を高めることができ、パッキン4の軸方向への移動を効果的に阻止できる。
図3に示すように、接続管Pの端部が接続管差込間隙8の奥まで完全に差込まれると、パッキン4のシール部4aが接続管Pの内周面に圧縮状に密着して接続管Pの内周面と内筒2の外周面との間をシールする状態が得られるとともに、抜止めリング5の食込み歯5aが接続管Pの外周面に食い込み係合して接続管Pの抜止め状態が得られる。
上記実施例のパッキン4では、接続管Pの内面に付着しているごみや異物を取り除くためのごみ取り清掃部4b、およびごみ取り清掃部4bの逃がしやシール部4aの逃がしとして効果的に機能する環状の凹溝4cを設けた形に形成しているが、本発明は、必ずしも、これらごみ取り清掃部4bや環状の凹溝4cを形成した形のパッキン4に限定されるものではなく、それらごみ取り清掃部4bや環状の凹溝4cを有しない形であっても、接続管差込み方向下流側の端面4fが接続管差込み方向下流側に向かって次第に窄まり状のテーパーに形成されたパッキン4であれば、所期の目的を達成できる。
本発明は図6に示すような断面形状を有する構造の継手本体1にも同様に適用することができる。図6に示す実施例では、接続管Pを差込むとき接続管Pに先行して継手本体1内に挿入される挿入ガイドリング20を組み込んであること、抜止めリング21自体の構造および抜止めリング21の継手本体1への組付け方が上記実施例の抜止めリング5と相違し、その他の内筒2やパッキン4等の構成および作用は上記実施例のものと同様であるため、同一部材、同一要素に同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
この実施例の継手本体1は筒状に形成されて流体通路7を軸心方向に貫通状に形成しており、継手本体1の軸心方向一端部から不透明なガイドリング隠蔽筒17を軸方向外方へ流体通路7の中心軸Oと平行に一体に突出形成するとともに、この継手本体1の一端部のガイドリング隠蔽筒17の内側からガイドリング隠蔽筒17よりも長い内筒2をガイドリング隠蔽筒17と同心状に軸方向外方へ一体に突出形成してあり、内筒2の内部に流体通路7が連通形成されている。内筒2の外周とガイドリング隠蔽筒17の内周との間に、接続管Pの差込み後に挿入ガイドリング20が最終的に入り込むガイドリング進入空間部18を形成している。ガイドリング隠蔽筒17の外周には雄ねじ19を設けている。ガイドリング進入空間部18の軸方向深さは挿入ガイドリング20の軸方向長さと同一かそれよりも深く形成している。ガイドリング隠蔽筒17は、継手本体1の一端部に一体に突出形成するに代えて、継手本体1とは別体に形成しこれを継手本体1の一端部に一体的に接合するものであってもよい。
継手本体1は透明若しくは半透明で内部を透視可能な樹脂で筒状に形成された外筒22を備え、この外筒22の後端部の内周には雌ねじ23を設けている。外筒22はこれの雌ねじ23をガイドリング隠蔽筒17の雄ねじ19にねじ込み結合し、この外筒22の内周と内筒2の外周との間に、接続管Pの端部を受け入れる接続管受口24をガイドリング進入空間部18と連通するよう形成する。
抜止めリング21はステンレス等の線材からなるものであって、これの内径部には接続管受口24内に差し込まれる接続管Pの外周面に食い込む食込み歯21aを設けており、抜止めリング21の円周一部は切離されて抜止めリング21全体が拡縮径変形可能に形成されている。
この抜止めリング21は外筒22の前方開口端側の内周に設けられる環状の抜止めリング収容凹部25に収容され、この抜止めリング収容凹部25内の軸方向外方側の内周面には、抜止めリング21に縮径方向の力を作用させるテーパー面26が外筒22の開口端に向かい窄まる形状に形成されている。
外筒22の内周に抜止めリング収容凹部25を設ける手段としては、外筒22に、これとは別体の透明若しくは半透明で内部を透視可能な円筒形状のスペーサー27をガイドリング隠蔽筒17の先端部の延長線上にバックアップゴム28を介して位置するように内嵌し、このスペーサー27の開口端面(軸方向外方端面)とテーパー面26との間に抜止めリング収容凹部25を形成する。これによれば、外筒22を簡単な成形金型構造で容易に成形でき、また抜止めリング21を抜止めリング収容凹部25に組み込み易くなる。しかし、これに限られるものではなく、そのようなスペーサー27を用いることなく、外筒22の内周に抜止めリング収容凹部25を切削形成することもできる。
挿入ガイドリング20はナイロン等の樹脂成形品であって、接続管Pと明瞭に識別し易いように接続管Pの外表面の色彩とは異なる着色を施してある。例えば、接続管Pの色彩が白色系である場合、挿入ガイドリング20には青色、赤色、又は緑色等を施す。そして、挿入ガイドリング20の内径部には前端部から後方に向かって漸次拡開する後方拡開状のテーパー20aを、外径部には内径部とは逆に後端部から前方に向かって漸次拡開する前方拡開状のテーパー20bをそれぞれ設けて断面V形状に形成している。また挿入ガイドリング20は、さらに暗所でも挿入確認し易いように、蛍光体・リン光体を用いた夜光塗料を塗るか、夜光顔料入りの合成樹脂等で成形するなどして蛍光・リン光を発するよう形成することができる。挿入ガイドリング20は前端部を接続管受口24の入口側に向けて抜止めリング21の内周と内筒2の前方開口端部外周との間に組み込まれる。
継手本体1の内筒2の外周面にはパッキン嵌合溝14が設けられ、このパッキン嵌合溝14にパッキン4が嵌め込まれていることは上記実施例の場合と同様であるため、その反復説明は省略する。
次に、上記構成の差込み式管継手の使用態様を説明する。現場施工において、先ず、接続管Pは所要長さに切断される。この切断された接続管Pの端部は、図7に示すように、接続管受口24内に挿入され、この接続管Pの端部で挿入ガイドリング20がこれの前方から押されて接続管受口24の内奥方向へ押し込まれる。この押し込まれる挿入ガイドリング20は、外径部のテーパー20bで抜止めリング21を押し開いて拡径させるとともに、内径部のテーパー20aで内筒2の外周面からそれぞれ突出しているごみ取り清掃部4b、シール部4aを径方向内方へ圧縮させながら通過する。このように挿入ガイドリング20のテーパー20aが内筒2の外周面から突出しているごみ取り清掃部4b、シール部4aを圧縮させながら通過することにより、予め接続管Pの端部の内周を面取り加工していなくても該接続管Pはパッキン4に突っ掛かることなくスムーズに挿入することができる。
このように接続管Pが挿入ガイドリング20を正常に押しているか否か、挿入ガイドリング20及び接続管Pが抜止めリング21の内部を正常に通過しているか否か等の状況は、外筒22が透明若しくは半透明であり、しかも挿入ガイドリング20が接続管Pとは異なる色彩を施されて接続管Pと識別しやすいため、外部から目視で容易に確認することができる。したがって、たとえば、接続管Pが斜めに誤挿入されて挿入ガイドリング20が正常に押されていなかったり、挿入ガイドリング20が抜止めリング21の内部を正常に通過しなかったりする等の不具合が生じていると、これを逸速く発見できるため、直ぐに接続管Pの挿入を止めて挿入し直すことができる。
接続管Pをこれの端面がパッキン4のシール部4aに突き当たった状態から更に深く押し込まれると、パッキン4の接続管差込み方向下流側の端面4fはパッキン嵌合溝14の接続管差込み方向下流側の溝側壁14bに当接してパッキン嵌合溝14の底に向けて押される作用を受けることで、パッキン4がパッキン嵌合溝14から押出されるのを効果的に防止できることは、上記実施例の場合と同様である。
また、挿入ガイドリング20に引き続いて接続管Pの端部がパッキン4を通過するときには、先ずパッキン4のごみ取り清掃部4bが最初に接続管Pに内嵌され、引き続いてシール部4aが内嵌されるため、接続管Pの端面がパッキン4のシール部4aに突き当たるときには、既に同パッキン4のごみ取り清掃部4bが接続管Pに内嵌された状態にあり、従って、接続管Pがパッキン4のシール部4aに突き当たった状態から更に深く押し込まれても、接続管Pによりパッキン4がパッキン嵌合溝14から押し出されるのを防止できること、また接続管Pを差込む際、接続管Pの内面に付着しているごみや異物はごみ取り清掃部4bで確実に取り除かれ、ごみや異物が接続管Pの内周面とパッキン4のシール部4aとの間でかみ込まれることがなく、シール部4aに傷をつけたり、シール性能を低下したりするのを防止できること等については、上記実施例の場合と同様である。
図7に示すように、接続管Pの端部が接続管受口24の奥まで完全に差込まれると、パッキン4のシール部4aが接続管Pの内周面に圧縮状に密着して接続管Pの内周面と内筒2の外周面との間をシールする状態が得られるとともに、抜止めリング21の食込み歯21aが接続管Pの外周面に食い込み係合して接続管Pの抜止め状態が得られる。
接続管Pの端部が図7に示すように接続管受口24の奥まで完全に挿入されると、挿入ガイドリング20が不透明なガイドリング隠蔽筒17内のガイドリング進入空間部18にまで入り込んでしまい、ガイドリング隠蔽筒17で覆われて外部から見えなくなり、挿入不足の場合は挿入ガイドリング20がガイドリング進入空間部18内に入り込まずにガイドリング隠蔽筒17の外に出てよく見えることになるので、接続管Pの端部が接続管受口24の奥まで完全に挿入されたか否かを容易に確認することができる。したがって、漏水の原因となる接続管Pの挿入不良や挿入不足等を防止できる。
接続管Pの挿入後、該接続管Pを抜き出し方向に引っ張ると、接続管Pと同行する抜止めリング21の外周面が外筒22のテーパー面26と当接することにより、抜止めリング21が縮径して、接続管Pの外周面への食込み歯21aの食込みが増す。このように抜止めリング21の接続管Pの外周面への食込みを増すことにより、接続管Pの接続管受口24からの抜け出しが確実に阻止される。
上記実施例では、パッキン4について、ごみ取り清掃部4b、凹溝4cおよび環状突起4dを有する形のものを挙げて説明しているが、本発明はそれらごみ取り清掃部4b、凹溝4cおよび環状突起4dを有する形のパッキン4に限定されるものではなく、図8に示すごときごみ取り清掃部4b、凹溝4cおよび環状突起4dを有しない形状のパッキン4にも同様に適用できることは言うまでない。
また本発明は継手本体1がソケットタイプ、エルボあるいはT型等のいずれの場合にも同様に適用できる。
本発明の一実施例の差込み式管継手を接続管差込み前の状態で示す半欠截断面図である。 図1の差込み式管継手を接続管差込み途上の状態で示す半欠截断面図である。 図1の差込み式管継手を接続管差込み後の状態で示す半欠截断面図である。 図1の差込み式管継手の内筒およびパッキンの半欠截断面図である。 図1の差込み式管継手のパッキンの半欠截断面図である。 他の実施例の差込み式管継手を接続管差込み前の状態で示す半欠截断面図である。 図6の差込み式管継手を接続管差込み後の状態で示す半欠截断面図である。 パッキンの他の実施例を図5に相応して示す半欠截断面図である。 従来例の差込み式管継手を接続管差込み前の状態で示す半欠截断面図である。 図9の従来例の差込み式管継手のパッキンの拡大断面図である。 図9の従来例の差込み式管継手を接続管差込み後の状態で示す半欠截断面図である。
P 接続管
1 継手本体
2 内筒
4 パッキン
4a シール部
4f パッキンの接続管差込み方向下流側の端面
14 パッキン嵌合溝
14b 溝側壁

Claims (1)

  1. 継手本体の内部に、接続管の端部が外嵌状に差込まれる内筒を設け、この内筒の外周面に環状のパッキン嵌合溝を設け、該パッキン嵌合溝に前記接続管の端部の内周と前記内筒の外周との間をシールするためのパッキンを嵌合している差込み式管継手において、
    前記パッキンは、前記パッキン嵌合溝に嵌合された状態において前記内筒の外周面よりも径方向外方へ突出するシール部を形成し、且つ同パッキンの接続管差込み方向下流側の端面を、接続管差込み方向下流側に向かって次第に窄まり状のテーパーに形成しており、
    前記パッキン嵌合溝の接続管差込み方向下流側の溝側壁を、前記パッキンの接続管差込み方向下流側の端面のテーパーに対応して、前記パッキン嵌合溝の溝底に向かって次第に広がったテーパーに形成するとともに、該溝側壁の溝開口側端部が前記パッキンにおける接続管差込み方向下流側の端面の外周側端部よりも前記内筒の径方向外側に位置するように形成しており、
    前記パッキンにおける前記シール部よりも接続管差込み方向上流側に対応する位置に、前記内筒の外周面よりも径方向外方へ突出するごみ取り清掃部を形成しており、
    接続管差込み方向下流側に対応する側に向けて前記ごみ取り清掃部に押圧力が加えられることで、前記ごみ取り清掃部が、接続管差込み方向下流側に対応する側に倒れ込むように圧縮変形することを特徴とする、差込み式管継手。
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