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JP5313537B2 - 高密度リポ蛋白コレステロール測定用乾式分析素子 - Google Patents

高密度リポ蛋白コレステロール測定用乾式分析素子 Download PDF

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JP5313537B2 JP2008102247A JP2008102247A JP5313537B2 JP 5313537 B2 JP5313537 B2 JP 5313537B2 JP 2008102247 A JP2008102247 A JP 2008102247A JP 2008102247 A JP2008102247 A JP 2008102247A JP 5313537 B2 JP5313537 B2 JP 5313537B2
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Description

本発明は、検体中の高密度リポ蛋白コレステロール(HDL-C)を測定するための乾式分析素子に関する。高密度リポ蛋白コレステロールの血中レベルは、動脈硬化疾患の発症予知に有用な指標となることが知られている。
血液中に存在する脂質は、遊離脂肪酸がアルブミンと結合している以外はリポ蛋白の構造の中に組み込まれていて、カイロミクロン(CHM)、超低密度リポ蛋白(VLDL)、低密度リポ蛋白(LDL)、高密度リポ蛋白(HDL)等として存在し、その中のコレステロールは特にVLDL、LDL、HDLに分布している。HDLは動脈硬化による心疾患の予防因子とされており、従ってHDLの代わりに高密度リポ蛋白コレステロール(HDL−C)を測定することは臨床的により重要な意義を有している。現在HDLコレステロールの測定方法としては、超遠心法、電気泳動法、沈澱法が広く知られている。
超遠心法は分離操作に長時間が必要であり、また機器そのものが高価で安価な測定が望めない点など日常検査には不向きであり、電気泳動法は電気泳動支持媒体の違いにより分離能が異なり使用条件や使用される検出試薬によって差異が生じるなど、定量面で問題が残っている。従って現在日常検査としては沈澱法が広く使用されている。
沈澱法は沈澱試薬としてポリアニオンと2価金属イオンの組合せ等を使用してCHM、LDL、VLDLを沈澱させ、上澄中に残るHDL中のコレステロール、すなわちHDL−コレステロールを化学試薬又は酵素を使用して測定する方法である。沈澱試薬としては、中井継彦著『HDL−代謝・測定・臨床(HDL−Metabolism.Assay Methods and Clinical Application)』(中外医学社.1986年)、諸種の文献・教材書により1960年代初めより周知の硫酸多糖類―アルカリ土類金属イオン又はアルカリ土類以外の2価金属イオンの組合せ系、無機ポリアニオン塩系、ポリエチレングリコール等が広く利用されている。沈澱試薬の具体例としては、ヘパリン−カルシウム系試薬、デキストラン硫酸−マグネシウム系試薬、燐タングステン酸−マグネシウム系試薬等がある。
これらの沈澱法では血清と沈澱試薬を混合し、一定時間放置し、約3000回転/分にて遠心分離させた後、上澄部分を一定量分別し、化学反応又は酵素反応を行いHDL−コレステロールを定量する方法である。
沈澱法においては、沈澱試薬にもとづく問題点や遠心分離操作による問題点などがある。そのため、沈澱効率を高めるための沈澱剤の改良としては、特開昭55-78254号公報、特開昭55-93065号公報、特開昭61-263467号公報、特開昭62-19768号公報、特公平1-39553号公報等に諸種の方法が記載されている。
また、従来の沈澱法の大きな欠点は、トリグリセリドが多い試薬の場合には遠心分離後に沈殿物が一部浮遊することがある。そのため遠心条件の調整などが必要で問題点が大きい。また、燐タングステン酸塩マグネシウムイオンを用いる方法では、溶液のpHにより沈澱がバラつくことがある。そのためpHの厳密な調整などが必要という問題点がある。
また、遠心分離液の上澄液を分別する際、特に液量が少ない場合は、沈澱物の境界領域が目視で判断しにくいため再現性、精度上問題が発生したり、個人差が発生したりして定量分析精度が低下することがある。これらの遠心操作に伴う欠点を改善することが求められている。
近年、これらの煩雑な操作法が不要で、自動分析装置において使用可能なダイレクト法が急速に普及してきた。例えば、特開平8-131197号公報には、凝集剤として硫酸化シクロデキストリンを用いて、HDL以外のリポ蛋白と十分に反応させた後に、ポリオキシエチレングリコールで修飾した酵素を作用させて、HDL中のコレステロールを測定する方法が開示されている。WO98/26090号公報には、第一工程でHDL以外のリポ蛋白をカタラーゼで消去し、第二工程でHDLに特異的に作用する活性剤を用いてHDL-Cを測定する方法が開示されている。特開平9-96637号公報には、初めにHDL以外のリポ蛋白に対する抗体を作用させ、ついでHDLを溶解してHDL中のコレステロールを測定する方法が記載されている。更に、WO2004/035816号公報には、HDL-Cを優先的に作用する酵素と反応させるほか、非イオン界面活性剤、ポリアニオンおよびアルブミンを含有する水性媒体中で反応させることによりHDL-Cが正確に測定されたと開示されている。用いられたポリアニオンはデキストラン硫酸であり、分子量4万、8万、20万、50万、100万、200万が挙げられた。このHDL-C測定法は液体で良好に測定されるが、乾式分析素子に応用するとHDL-Cの選択性がなく、HDL-Cの測定はできない。
ドライケミストリーの分野においてダイレクト法を利用したドライ式の新しい試験片が開発され、特許第3686326号に記載されている。特開2005-137360号公報には、カンジダ・ルゴサ由来のリパーゼを使用することで選択性が向上することが記載されている。しかしいずれの試験片においても、完全にHDL以外のリポ蛋白中のコレステロールを除去することは出来ていない。
中井継彦 著『HDL−代謝・測定・臨床(HDL−Metabolism.Assay Methods and Clinical Application)』(中外医学社.1986年) 特開昭55−78254号公報 特開昭55−93065号公報 特開昭61−263467号公報 特開昭62−19768号公報 特公平1−39553号公報 特開平8−131197号公報 WO98/26090号公報 特開平9−96637号公報 WO2004/035816号公報 特許第3686326号報 特開2005−137360号公報
本発明は、HDL以外のリポ蛋白質の干渉を抑止したHDL-C測定用乾式分析素子を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、3〜22 g/m2の非イオン界面活性剤及び0.1〜40 mmol/m2 の緩衝剤の存在下に高密度リポタンパク質(HDL)以外のリポ蛋白質を凝集させる際に分子量3.6〜5万のデキストラン硫酸を用いることによって、HDL以外のリポタンパク質を安定に凝集させることができ、HDL中のコレステロールを効率よく選択的に測定できることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
即ち、本発明によれば、3〜22 g/m2の非イオン界面活性剤、0.1〜40 mmol/m2 の緩衝剤、分子量3.6〜5万のデキストラン硫酸、2価金属イオン及び高密度リポ蛋白コレステロールを測定するための試薬を含む少なくとも1以上の層を支持体の上に有している、高密度リポ蛋白コレステロール測定用乾式分析素子が提供される。
好ましくは、非イオン界面活性剤は、1種類の非イオン界面活性剤であるか、または2種類以上の非イオン界面活性剤の混合物である。
好ましくは、非イオン界面活性剤は、ポリオキシエチレン誘導体および/またはポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン縮合体である。
好ましくは、非イオン界面活性剤の一つは、高密度リポ蛋白を選択的に可溶化する非イオン界面活性剤である。
好ましくは、非イオン界面活性剤の一つは、高密度リポ蛋白以外のリポ蛋白質の溶解を阻害する非イオン界面活性剤である。
好ましくは、前記緩衝剤は少なくとも一層以上の層に存在する。
好ましくは、前記非イオン界面活性剤は少なくとも一層以上の層に存在する。
好ましくは、前記デキストラン硫酸は少なくとも一層以上の層に存在する。
好ましくは、本発明の高密度リポ蛋白コレステロール測定用乾式分析素子は、高密度リポ蛋白コレステロールを測定するための試薬として、コレステロールエステラーゼ及びコレステロールオキシダーゼを少なくとも含む。
好ましくは、本発明の高密度リポ蛋白コレステロール測定用乾式分析素子は、高密度リポ蛋白コレステロールを測定するための試薬として、さらにパーオキシダーゼ及び色原体を含む。好ましくは、色原体として、4−アミノアンチピリン又はその誘導体、及び前記4−アミノアンチピリン又はその誘導体とカップリングするトリンダー試薬を使用する。
好ましくは、前記緩衝剤として、グッド緩衝剤を用いる。グッド緩衝剤は生化学緩衝剤として機能するようにZwitter ion構造をもつ各種のアミノエタンスルフォン酸、アミノプロパンスルフォン酸誘導体を有する特徴とするものである。pH5.5〜11.0までの範囲でグッド緩衝剤がある。代表的なグッド緩衝剤はMES、Bis-Tris, ADA, PIPES, ACES, MOPSO, BES, MOPS, TES, HEPEES, DIPSO, TAPSO, POPSO, HEPPSO, EPPS, Tricine, Bicine, TAPS, CHES, CAPSO, CAPSである。より好ましくは、2-Morpholinoethanesulfonic acid, monohydrate (MES)またはN-Tris(hydroxymethyl)methyl-2-aminoethanesulfonic acid (TES)を用いることができる。
本発明では、HDL以外のリポ蛋白を凝集させる凝集剤として、分子量3.6〜5万のデキストラン硫酸と2価の金属を用いることができる。好ましくは2価の金属はマグネシウムである。
好ましくは、本発明の高密度リポ蛋白コレステロール測定用乾式分析素子は、水不透過性支持体の上に少なくとも接着層及び多孔性展開層を有している。
本発明のHDL-C測定用の乾式分析素子によれば、HDL-C測定におけるHDL以外のリポ蛋白質の干渉を抑止することが可能になった。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明によるHDL−C測定用乾式分析素子は、3〜22 g/m2の非イオン界面活性剤、0.1〜40 mmol/m2 の緩衝剤、2価金属イオンの存在下において分子量3.6〜5万のデキストラン硫酸を用いることにより、HDL以外のリポ蛋白質を安定に凝集させ、HDL−Cを選択的に測定できることを特徴とする乾式分析素子である。
本発明のHDL−C測定用乾式分析素子によって、体液試料中のHDL-Cを測定することができる。体液としては、血液又は尿などを用いることができる。体液試料としては、血液又は尿をそのまま使用してもよいし、適当な前処理を施したものを使用してもよい。
次に、本発明の乾式分析素子において使用する試薬類について説明する。
本発明ではHDL以外のリポ蛋白を凝集させる凝集剤として、分子量3.6〜5万のデキストラン硫酸を用いる。リポ蛋白を凝集させる凝集剤としては、中井継彦著『HDL−代謝・測定・臨床―(HDL-Metabolism,Assay Methods and Clinical Application)』(中外医学社、1986年)、諸種の文献・教科書により1960年代初めより周知の硫酸多糖類―アルカリ土類金属イオン又はアルカリ土類以外の2価の金属イオンの組み合わせ系、無機ポリアニオン塩系、ポリエチレングリコール等が知られている。これらの沈澱試薬のうちで、硫酸多糖類―金属イオンの組み合わせ系としては、『Journal of Laboratory and Clinical Medicine』82巻473頁以降(1973年)に記載のデキストラン硫酸―カルシウム(2+)イオン複合体、『J.Lipid Res.』11巻583-595頁(1970年)、『Clin,Chem.』24巻931-933頁(1978年)等に記載のデキストラン硫酸―マグネシウム(2+)イオン複合体の沈殿試薬がある。本発明において、特に好ましくは分子量3.6〜5万のデキストラン硫酸とマグネシウムイオンの組み合わせを用いる。分子量3.6〜5万のデキストラン硫酸の例としてはMP Biomedicals (製造元コード160110)が挙げられる。
本発明では、0.1〜40 mmol/m2 の緩衝剤を用いる。緩衝剤の例としては、『Biochemistry』5巻(2号)、467-477頁(1966年)に記載のグッドの緩衝剤がある。これらのpH緩衝剤は『蛋白質・酵素の基礎実験法』(堀尾武一ほか著、南江堂、1981年)、『Biochemistry』5巻等の文献の記載を参考にして選択することができる。より好ましくは2-Morpholinoethanesulfonic acid, monohydrate (MES)またはN-Tris(hydroxymethyl)methyl-2-aminoethanesulfonic acid (TES)を用いる。
前記緩衝剤のpHは、用いる酵素の指摘pHに応じて決定され、好ましくは、pH5.0〜8.0に調整される。より好ましくは、pH6.0〜7.0に調整される。HDL以外のリポタンパク質は安定に凝集できるように、緩衝剤の濃度が0.1〜40 mmol/m2が好ましい。
本発明では、非イオン界面活性剤を用いる。本発明では、HDLを優先的に溶解する界面活性剤を用いることが好ましい。HDLを優先的に溶解する界面活性剤としては、ポリオキシエチレン誘導体を用いることができる。このような非イオン界面活性剤の市販品の例としては、ノイゲンEA−157の他、エマルゲンB66(花王社製)、エマルゲンA90(花王社製)などが挙げられる。
本発明ではHDL以外のリポ蛋白の溶解を阻害する非イオン界面活性剤を用いることができる。HDL以外のリポ蛋白の溶解を阻害する界面活性剤としては、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン縮合体を用いる。ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン縮合体の市販品はプルロニックシリーズ(旭電化社製)等があげられる。
乾式分析素子においてHDLを選択的溶解する界面活性剤および/またはHDL以外のリポ蛋白質の溶解を阻害する界面活性の存在量は3.0〜22 g/m2である。
本発明の乾式分析素子で用いる酵素としては、コレステロールエステラーゼ、及びコレステロールオキシダーゼである。コレステロールエステラーゼに関しては、Schizophyllum commune由来又はPseudomonas sp.由来のコレステロールエステラーゼを用いるが、Schizophyllum commune由来のコレステロールエステラーゼが特に好ましい。また、コレステロールオキシダーゼに関しては、Pseudomonas sp由来のコレステロールオキシダーゼを用いる。本発明で用いる酵素は何れも、各微生物由来の酵素であってもよいし、あるいは周知の方法で製造されたリコンビナント品でもよい。
Schizophyllum commune由来のコレステロールエステラーゼとしては、東洋紡社製のCOE-302、Pseudomonas sp由来の由来のコレステロールエステラーゼとしては東洋紡社製のCOE-311、LPL-312、LPL-314、旭化成社製のCEN等があげられる。又Pseudomonas sp由来由来のコレステロールオキシダーゼは、キッコーマン社製のCHO-PELやCHO-PEWL等があげられる。
本発明では、これらの試薬のほかに、コレステロールを検出するための試薬として、周知の酵素試薬、色原体、及びpH緩衝剤が用いられる。
具体的には、酵素としてパーオキシダーゼであり、色原体としては、4-アミノアンチピリン(4-AA)及び、水素供与性カップリングして発色するフェノール性又はアニリン性のトリンダー試薬があげられる。トリンダー試薬としては、好ましくは、アニリン性試薬である、同仁研究所製のADPS、ALPS、TOPS、ADOS、DAOS、HDAOS、MAOS、TOOS等があげられる。
本発明の乾式分析素子は、好ましくは、水不透過性支持体の上に、少なくとも1層の接着層及び多孔性の展開層を有するように構成することができる。
前記多孔性層は、繊維質であっても、非繊維質であってもよく、液体試料の展開層として機能するので、液体計量作用を有する層であることが好ましい。液体計量作用とは、層の表面に点着供給された液体試料を、その中に含有する成分を実質的に偏在させることなく、層の面方向に単位面積当りほぼ一定量の割合で広げる作用である。展開層には、展開面積、展開速度等を調節するために、特開昭60-222770、特開昭63-219397、特開昭62-182652に記載のような親水性高分子又は界面活性剤を含有することができる。
繊維性の多孔層は、特開昭55−164356号公報、特開昭57−66359号公報、特開昭60−222769号公報等に代表されるような、ポリエステル繊維のものが好ましい。非繊維性多孔層としては、ポリスルホン酸等の有機高分子であることが好ましい。
接着層は、前記水不透過性支持体、及び前記多孔層を接着する機能を有するもので、ゼラチン及びこれらの誘導体(例、フタル化ゼラチン)、セルロース誘導体(例、ヒドロキシプロピルセルロース)、アガロース、アクリルアミド重合体、メタアクリルアミド重合体、アクリルアミド又はメタアクリルアミドと各種ビニル性モノマーとの共重合体等の親水性ポリマーが利用できる。
親水性ポリマーを含む水溶液を周知の方法で、均一に塗布するが、塗布の方法は公知の方法を利用できる。塗布には、例えば、ディップ塗布、押し出し塗布、ドクター塗布、ホッパー塗布、カーテン塗布等を適宜選択して用いることができる。
接着層の上に多孔層を塗布することも出来るが、好ましくは、予め編み物として供給されている布や多孔膜をラミネートするのが好ましい。ラミネートの方法は、特開昭55-164356に記載のように、親水性ポリマーを含む接着層の表面を水で一様に湿潤させておき、その上に布や多孔性膜を重ねて軽くほぼ一様に圧力をかけて接着させる方法で接着させる。接着層の厚さは、0.5〜50μmが好ましく、より好ましくは、1〜20μmである。
光透過性支持体の材料として好ましいものはポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、セルローストリアセテート等のセルロースエーテル類である。親水性層の吸水層、検出層、実質的に無孔性の試薬層等を支持体に強固に接着させるために、通常、支持体に下塗り層を設けるか、親水化処理を施す。支持体の厚みは、特に制限されないが、10〜1000μmが好ましく、300〜800μmがより好ましい。光透過性のある支持体の場合、最終的な検出は、支持体側でも、多孔層側でも構わないが、光不透過性の場合、多孔層側から検出する。
次に本発明の乾式分析素子に用いられるコレステロール測定用試薬組成物と光学的変化を生じる試薬組成物について説明する。
試薬組成物は、第1の多孔性層に含まれてもよいし、接着層と多孔性層との両方に含まれてもよいし、全部又は大部分がいずれかの層に含まれてもよいし、あるいは接着層と多孔性層以外の層に含めてもよい。
HDL-C検出用乾式分析素子において、前記の非イオン界面活性剤(好ましくは、HDLを優先的に溶解する界面活性剤、及び/又はHDL以外のリポ蛋白の溶解を阻害する界面活性)は、1m2あたり3〜22 g供給する。
前記緩衝剤のpHは、用いる酵素の指摘pHに応じて決定され、好ましくは、pH5.0〜8.0に調整される。より好ましくは、pH6.0〜7.0に調整される。乾式分析素子において、乾式剤は少なくとも一層に存在する。好ましくは、前記の緩衝剤が1m2あたり0.1〜40 mmol用いるのが好ましい。
HDL-C検出用乾式分析素子において、HDL以外のリポ蛋白を凝集させる凝集剤として、好ましくは硫酸デキストラン(MW=3.6-5万)とマグネシウムイオンを用い、1平米あたり、硫酸デキストランとして、0.05〜10g、塩化マグネシウム6水和物として、1平米当たり、0.01〜20g用いるのが好ましい。より好ましくは、硫酸デキストラン0.1〜5 g/m2 塩化マグネシウム6水和物0.5〜10 g/m2用いる。
HDL-C検出用乾式分析素子において、Schizophyllum commune由来、又はPseudomonas sp.由来のコレステロールエステラーゼ、Pseudomonas sp.由来のコレステロールオキシダーゼ、いずれの酵素も、1平米あたり、0.1〜20kU用いるのが好ましい。より好ましくは、1平米あたり、0.5〜10kU用いる。
前記パーオキシダーゼは、特に由来は限定されないが、西洋ワサビ由来が好ましい。使用量としては、1〜100 kU/m2が好ましいが、より好ましくは10〜80 kU/m2用いる。
前記色原体に関しては、4-アミノアンチピリン(4-AA)とカップリングして発色する前記試薬の組み合わせが好ましく、特に好ましくは、DAOSを用いる。使用する色原体の量は、4-AA及び水素供与性カップリング剤いずれも、0.1〜10g/m2用いるのが好ましい。より好ましくは、0.3〜5g/m2用いる。
HDL-Cを検出するための乾式分析素子におけるその他試薬組成物には、必要に応じ、安定化剤、架橋剤(硬膜剤又は硬化剤)、ポリマー等を含有させることができる。本発明の乾式分析素子の接着層又は多孔層に含有させることができる。
本発明の乾式分析素子は、例えば、一辺約5mmから約30mmの正方形またはほぼ同サイズの円形等の小片に裁断し、特公昭57−283331号公報(対応米国特許4,169,751)、実開昭56−142454号公報(対応米国特許4,387,990)、特開昭57−63452号公報、実開昭58−32350号公報、特表昭58−501144号公報(対応国際公:WO083/00391)等に記載のスライド枠に収めて化学分析スライドとして用いることができ、これは製造,包装,輸送,保存,測定操作等の観点で好ましい。使用目的によっては、長いテープ状でカセットまたはマガジンに収めて用いたり、又は小片を開口のある容器内に収めて用いたり、又は小片を開口カードに貼付または収めて用いたり、あるいは裁断した小片をそのまま用いることなどもできる。
本発明の乾式分析素子は、例えば約2μL〜約30μL、好ましくは4μL〜15μLの範囲の水性液体試料液を、多孔性液体試料展開層に点着する。点着した乾式分析素子を約20℃〜約45℃の範囲の一定温度で、好ましくは約30℃〜約40℃の範囲内の一定温度で1〜10分間インキュベーションする。乾式分析素子内の発色又は変色を光透過性支持体側から反射測光し、予め作成した検量線を用いて比色測定法の原理により検体中の被験物質の量を求めることができる。
測定操作は特開昭60−125543号公報、特開昭60−220862号公報、特開昭61−294367号公報、特開昭58−161867号公報(対応米国特許4,424,191)などに記載の化学分析装置により極めて容易な操作で高精度の定量分析を実施できる。なお、目的や必要精度によっては目視により発色の度合いを判定して、半定量的な測定を行ってもよい。
本発明の乾式分析素子は、分析を行うまでは乾燥状態で貯蔵・保管されるため、試薬を用時調製する必要がなく、また一般に乾燥状態の方が試薬の安定性が高いことから、試薬溶液を用時調製しなければならないいわゆる溶液法より簡便性、迅速性に優れている。また、微量の液体試料で、精度の高い検査を迅速に行うことができる検査方法としても優れている。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
実施例1:HDLコレステロール測定用乾式分析素子
ゼラチン下塗りされている180μmのポリエチレンテレフタレート無色透明平滑フィルムにゼラチン水溶液を乾燥後の厚さが14μmになるように塗布し、乾燥した。次に上記フィルム上に約30g/m2の供給量で水を全面に供給して湿潤させた後、50デニール相当のポリエステル紡績糸を36ゲージ編みしたトリコット編み物布地を軽く圧力をかけて積層し、乾燥させた。次に、上記の布地上に下記組成の水溶液を塗布乾燥した。
MES緩衝剤(pH6.6) 10 mmmol/m2
コレステロールエステラーゼ(Schizophyllum commune由来)3.7 kU/m2
コレステロールオキシダーゼ(Pseudomonas sp.由来) 1.1 kU/m2
パーオキシダーゼ 60 kU/m2
4-アミノアンチピリン(和光純薬社製) 0.3 g/m2
DAOS(同仁研究所社製) 0.5 g/m2
エマルゲンA90(花王社製) 6.2 g/m2
プルロニック F-88(旭電化社製) 1.3 g/m2
デキストラン硫酸(3.6〜5万)(和光純薬社製) 1.4 g/m2
塩化マグネシウム6水和物((和光純薬社製) 8.8 g/m2
実施例2:HDLコレステロール測定の評価
実施例1の乾式分析素子を用いてHDLコレステロール測定を評価した。
(1)検量線の作成
標準液として、蒸留水(HDLコレステロール:0 mg/dL)、血清(HDLコレステロール:20、50、80 mg/dL)を実施例1の乾式分析素子に10μL点着し、HDLコレステロール濃度と600 nmにおける吸光度の間の関係を示す検量線を作成した。
(2)VLDLおよびLDLの干渉評価
VLDLまたはLDLの精製品を1:1の比率で人血清検体に添加し、VLDLの最終濃度は20 mg/dL, LDLは60mg/dLになるように蒸留水を加えながら調製した。前記乾式分析素子に、調製検体10μLを点着し、その後37℃ 6分間インキュベートした。6分後の吸光度を作成した検量線でHDLコレステロールを算出した。VLDLまたはLDLを加えた血清検体とHDL以外のリポ蛋白質が添加されていない血清検体をプロットし、VLDLまたはLDLの干渉を評価した。
比較例1:HDLコレステロール測定用乾式分析素子
ゼラチン下塗りされている180μmのポリエチレンテレフタレート無色透明平滑フィルムにゼラチン水溶液を乾燥後の厚さが14μmになるように塗布し、乾燥した。次に上記フィルム上に約30g/m2の供給量で水を全面に供給して湿潤させた後、50デニール相当のポリエステル紡績糸を36ゲージ編みしたトリコット編み物布地を軽く圧力をかけて積層し、乾燥させた。次に、上記の布地上に下記組成の水溶液を塗布乾燥した。
MES緩衝剤(pH6.6) 10 mmmol/m2
コレステロールエステラーゼ(Schizophyllum commune由来) 3.7 kU/m2
コレステロールオキシダーゼ(Pseudomonas sp.由来) 1.1 kU/m2
パーオキシダーゼ 60 kU/m2
4-アミノアンチピリン(和光純薬社 製) 0.3 g/m2
DAOS(同仁研究所社製) 0.5 g/m2
エマルゲンA90(花王社製) 6.2 g/m2
プルロニック F-88(旭電化社製) 1.3 g/m2
デキストラン硫酸(50万)(和光純薬社製) 1.4 g/m2
塩化マグネシウム6水和物((和光純薬社製) 8.8 g/m2
比較例2:HDLコレステロール測定用乾式分析素子
ゼラチン下塗りされている180μmのポリエチレンテレフタレート無色透明平滑フィルムにゼラチン水溶液を乾燥後の厚さが14μmになるように塗布し、乾燥した。次に上記フィルム上に約30g/m2の供給量で水を全面に供給して湿潤させた後、50デニール相当のポリエステル紡績糸を36ゲージ編みしたトリコット編み物布地を軽く圧力をかけて積層し、乾燥させた。次に、上記の布地上に下記組成の水溶液を塗布乾燥した。
MES緩衝剤(pH6.6) 10 mmmol/m2
コレステロールエステラーゼ(Schizophyllum commune由来)3.7 kU/m2
コレステロールオキシダーゼ(Pseudomonas sp.由来) 1.1 kU/m2
パーオキシダーゼ 60 kU/m2
4-アミノアンチピリン(和光純薬社製) 0.3 g/m2
DAOS(同仁研究所社製) 0.5 g/m2
エマルゲンA90(花王社製) 6.2 g/m2
プルロニック F-88(旭電化社製) 1.3 g/m2
デキストラン硫酸(0.5万)(和光純薬社製) 1.4 g/m2
塩化マグネシウム6水和物(和光純薬社製) 8.8 g/m2
比較例3:HDLコレステロール測定の評価
実施例1の代わりに比較例1の乾式分析素子を用いる以外は実施例2の測定法と同じように、HDLコレステロールを測定した。
比較例4:HDLコレステロール測定の評価
実施例1の代わりに比較例2の乾式分析素子を用いる以外は実施例2の測定法と同じように、HDLコレステロールを測定した。
実施例2と比較例3-4それぞれのHDL-C測定とVLDL/LDL干渉を図1及び図2に示す。
実施例2の乾式分析素子はVLDLとLDLを添加されても、その干渉を受けずHDL-Cの測定値は高くならない。一方、比較例3と比較例4は両方HDL-Cの測定はVLDLとLDLコレステロールに影響され、HDL-Cが高く測定された。
実施例3:HDLコレステロール測定用乾式分析素子
実施例1の乾式分析素子の成分の中でMES緩衝剤濃度だけが異なり、10 mmol/m2の代わりにMES緩衝剤の濃度が0.1 mmol/m2である。
実施例4:HDLコレステロール測定用乾式分析素子
実施例1の乾式分析素子の成分の中でMES緩衝剤濃度だけが異なり、10 mmol/m2の代わりにMES緩衝剤の濃度が0.5 mmol/m2である。
実施例5:HDLコレステロール測定用乾式分析素子
実施例1の乾式分析素子の成分の中でMES緩衝剤濃度だけが異なり、10 mmol/m2の代わりにMES緩衝剤の濃度が2.0 mmol/m2である。
実施例6:HDLコレステロール測定用乾式分析素子
実施例1の乾式分析素子の成分の中でMES緩衝剤濃度だけが異なり、10 mmol/m2の代わりにMES緩衝剤の濃度が20.0 mmol/m2である。
実施例7:HDLコレステロール測定用乾式分析素子
実施例1の乾式分析素子の成分の中でMES緩衝剤濃度だけが異なり、10 mmol/m2の代わりにMES緩衝剤の濃度が40.0 mmol/m2である。
実施例8:HDLコレステロール測定の評価
実施例1の代わりに実施例3の乾式分析素子を用いる以外は実施例2の測定法と同じように、HDLコレステロールを測定した。
実施例9:HDLコレステロール測定の評価
実施例1の代わりに実施例4の乾式分析素子を用いる以外は実施例2の測定法と同じように、HDLコレステロールを測定した。
実施例10:HDLコレステロール測定の評価
実施例1の代わりに実施例5の乾式分析素子を用いる以外は実施例2の測定法と同じように、HDLコレステロールを測定した。
実施例11:HDLコレステロール測定の評価
実施例1の代わりに実施例6の乾式分析素子を用いる以外は実施例2の測定法と同じように、HDLコレステロールを測定した。
実施例12:HDLコレステロール測定の評価
実施例1の代わりに実施例7の乾式分析素子を用いる以外は実施例2の測定法と同じように、HDLコレステロールを測定した。
比較例5:HDLコレステロール測定用乾式分析素子
実施例1の乾式分析素子の成分の中でMES緩衝剤濃度だけが異なり、10 mmol/m2の代わりにMES緩衝剤の濃度が60 mmol/m2である。
比較例6:HDLコレステロール測定用乾式分析素子
実施例1の乾式分析素子の成分の中でMES緩衝剤濃度だけが異なり、10 mmol/m2の代わりにMES緩衝剤の濃度が80 mmol/m2である。
比較例7:HDLコレステロール測定の評価
実施例1の代わりに比較例5の乾式分析素子を用いる以外は実施例2の測定法と同じように、HDLコレステロールを測定した。
比較例8:HDLコレステロール測定の評価
実施例1の代わりに比較例6の乾式分析素子を用いる以外は実施例2の測定法と同じように、HDLコレステロールを測定した。
実施例8〜12と比較例7〜8それぞれのHDL-C測定とVLDL/LDL干渉を図3及び図4に示す。
実施例8〜12の乾式分析素子はVLDLとLDLを添加されても、HDL-Cの値は高くならない。MES緩衝剤の濃度は0.1〜40 mmol/m2であれば、HDL-Cが選択的に測定される。一方、比較例7と比較例8の緩衝剤濃度において、VLDLおよびLDL干渉が大きくなり、HDL-Cの測定は良好ではない。
実施例13:HDLコレステロール測定用乾式分析素子
実施例1の乾式分析素子の成分の中でエマルゲンA90の濃度だけが異なり、6.2 g/m2の代わりにエマルゲンA90の濃度が2.1g/m2である。
実施例14:HDLコレステロール測定用乾式分析素子
実施例1の乾式分析素子の成分の中でエマルゲンA90の濃度だけが異なり、6.2 g/m2の代わりにエマルゲンA90の濃度が10.3 g/m2である。
実施例15:HDLコレステロール測定用乾式分析素子
実施例1の乾式分析素子の成分の中でエマルゲンA90の濃度だけが異なり、6.2 g/m2の代わりにエマルゲンA90の濃度が14.5 g/m2である。
実施例16:HDLコレステロール測定用乾式分析素子
実施例1の乾式分析素子の成分の中でエマルゲンA90の濃度だけが異なり、6.2 g/m2の代わりにエマルゲンA90の濃度が20.6 g/m2である。
実施例17:HDLコレステロール測定用乾式分析素子
ゼラチン下塗りされている180μmのポリエチレンテレフタレート無色透明平滑フィルムにゼラチン水溶液を乾燥後の厚さが14μmになるように塗布し、乾燥した。次に上記フィルム上に約30g/m2の供給量で水を全面に供給して湿潤させた後、50デニール相当のポリエステル紡績糸を36ゲージ編みしたトリコット編み物布地を軽く圧力をかけて積層し、乾燥させた。次に、上記の布地上に下記組成の水溶液を塗布乾燥した。
MES緩衝剤(pH6.6) 10 mmmol/m2
コレステロールエステラーゼ(Schizophyllum commune由来)3.7 kU/m2
コレステロールオキシダーゼ(Pseudomonas sp.由来) 1.1 kU/m2
パーオキシダーゼ 60 kU/m2
4-アミノアンチピリン(和光純薬社製) 0.3 g/m2
DAOS(同仁研究所社製) 0.5 g/m2
エマルゲンB66(花王社製) 6.2 g/m2
プルロニック F-88(旭電化社製) 1.3 g/m2
デキストラン硫酸(3.6-5万)(和光純薬社製) 1.4 g/m2
塩化マグネシウム6水和物((和光純薬社製) 8.8 g/m2
実施例18:HDLコレステロール測定用乾式分析素子
実施例17の乾式分析素子の成分の中でエマルゲンB66の濃度だけが異なり、6.2 g/m2の代わりにエマルゲンB66の濃度が10.3 g/m2である。
実施例19:HDLコレステロール測定用乾式分析素子
実施例17の乾式分析素子の成分の中でエマルゲンB66の濃度だけが異なり、6.2 g/m2の代わりにエマルゲンB66の濃度が14.5 g/m2である。
実施例20:HDLコレステロール測定用乾式分析素子
実施例17の乾式分析素子の成分の中でエマルゲンB66の濃度だけが異なり、6.2 g/m2の代わりにエマルゲンB66の濃度が20.6 g/m2である。
実施例21:HDLコレステロール測定の評価
実施例1の代わりに実施例13の乾式分析素子を用いる以外は実施例2の測定法と同じように、HDLコレステロールを測定した。
実施例22:HDLコレステロール測定の評価
実施例1の代わりに実施例14の乾式分析素子を用いる以外は実施例2の測定法と同じように、HDLコレステロールを測定した。
実施例23:HDLコレステロール測定の評価
実施例1の代わりに実施例15の乾式分析素子を用いる以外は実施例2の測定法と同じように、HDLコレステロールを測定した。
実施例24:HDLコレステロール測定の評価
実施例1の代わりに実施例16の乾式分析素子を用いる以外は実施例2の測定法と同じように、HDLコレステロールを測定した。
実施例25:HDLコレステロール測定の評価
実施例1の代わりに実施例17の乾式分析素子を用いる以外は実施例2の測定法と同じように、HDLコレステロールを測定した。
実施例26:HDLコレステロール測定の評価
実施例1の代わりに実施例18の乾式分析素子を用いる以外は実施例2の測定法と同じように、HDLコレステロールを測定した。
実施例27:HDLコレステロール測定の評価
実施例1の代わりに実施例19の乾式分析素子を用いる以外は実施例2の測定法と同じように、HDLコレステロールを測定した。
実施例28:HDLコレステロール測定の評価
実施例1の代わりに実施例20の乾式分析素子を用いる以外は実施例2の測定法と同じように、HDLコレステロールを測定した。
比較例9:HDLコレステロール測定用乾式分析素子
実施例1の乾式分析素子の成分の中でエマルゲンA90の濃度だけが異なり、6.2 g/m2の代わりにエマルゲンA90の濃度が1.0 g/m2である。
比較例10:HDLコレステロール測定用乾式分析素子
実施例17の乾式分析素子の成分の中でエマルゲンB66 の濃度だけが異なり、6.2 g/m2の代わりにエマルゲンB66の濃度が1.0 g/m2である。
比較例11:HDLコレステロール測定の評価
実施例1の代わりに比較例9の乾式分析素子を用いる以外は実施例2の測定法と同じように、HDLコレステロールを測定した。
比較例12:HDLコレステロール測定の評価
実施例1の代わりに比較例10の乾式分析素子を用いる以外は実施例2の測定法と同じように、HDLコレステロールを測定した。
実施例21〜28と比較例11〜12それぞれのHDL-C測定とVLDL/LDL干渉を図5及び図6に示す。
実施例21〜28の乾式分析素子はVLDLとLDLを添加されても、測定はVLDLとLDLにあまり影響されず、HDL-Cの値はあまり高くならない。HDLを選択的に可溶化する非イオン界面活性剤の量が2.1-20.3 g/m2の範囲であれば、VLDLおよびLDLの干渉は低い。非イオン界面活性剤の量が20.3 g/m2以上であると、その調製が困難であり、それ以上の濃度は評価されていない。比較例11と比較例12の界面活性剤量において、VLDLおよびLDL干渉が大きくなり、HDL-Cの選択性がない。
図1は、本発明の分子量3.6〜5万のデキストラン硫酸を含む乾式分析素子を用いたVLDL干渉の評価と分子量50万、0.5万のデキストラン硫酸を含む乾式分析素子を用いたVLDL干渉の評価の結果を示す。 図2は、本発明の分子量3.6〜5万のデキストラン硫酸を含む乾式分析素子を用いたLDL干渉の評価と分子量50万、0.5万のデキストラン硫酸を含む乾式分析素子を用いたLDL干渉の評価の結果を示す。 図3は、VLDL干渉への乾式分析素子の緩衝剤の濃度影響を示す。 図4は、LDL干渉への乾式分析素子の緩衝剤の濃度影響を示す。 図5は、VLDL干渉への乾式分析素子の非イオン界面活性剤の成分量影響を示す。 図6は、LDL干渉への乾式分析素子の非イオン界面活性剤の成分量影響を示す。

Claims (10)

  1. 3〜22 g/m2の非イオン界面活性剤、2−モルホリノエタンスルホン酸一水和物又はN−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸から選択される0.1〜40 mmol/m2 の緩衝剤(pH6.0〜7.0)、分子量3.6〜5万のデキストラン硫酸、2価金属イオン及び高密度リポ蛋白コレステロールを測定するための試薬を含む少なくとも1以上の層を支持体の上に有している、高密度リポ蛋白コレステロール測定用乾式分析素子。
  2. 非イオン界面活性剤が、1種類の非イオン界面活性剤であるか、または2種類以上の非イオン界面活性剤の混合物である、請求項1に記載の高密度リポ蛋白コレステロール測定用乾式分析素子。
  3. 非イオン界面活性剤が、ポリオキシエチレン誘導体および/またはポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン縮合体である、請求項1又は2に記載の高密度リポ蛋白コレステロール測定用乾式分析素子。
  4. 非イオン界面活性剤の一つが、高密度リポ蛋白を選択的に可溶化する非イオン界面活性剤である、請求項1から3の何れかに記載の高密度リポ蛋白コレステロール測定用乾式分析素子。
  5. 非イオン界面活性剤の一つが、高密度リポ蛋白以外のリポ蛋白質の溶解を阻害する非イオン界面活性剤である、請求項1から4の何れかに記載の高密度リポ蛋白コレステロール測定用乾式分析素子。
  6. 前記緩衝剤が少なくとも一層以上の層に存在する、請求項1から5の何れかに記載の高密度リポ蛋白コレステロール測定用乾式分析素子。
  7. 前記非イオン界面活性剤が少なくとも一層以上の層に存在する、請求項1から6の何れかに記載の高密度リポ蛋白コレステロール測定用乾式分析素子。
  8. 前記デキストラン硫酸が少なくとも一層以上の層に存在する、請求項1から7の何れかに記載の高密度リポ蛋白コレステロール測定用乾式分析素子。
  9. 高密度リポ蛋白コレステロールを測定するための試薬として、コレステロールエステラーゼ及びコレステロールオキシダーゼを少なくとも含む、請求項1から8の何れかに記載の高密度リポ蛋白コレステロール測定用乾式分析素子。
  10. 高密度リポ蛋白コレステロールを測定するための試薬として、さらにパーオキシダーゼ及び色原体を含む、請求項9に記載の高密度リポ蛋白コレステロール測定用乾式分析素子。
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