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JP5309129B2 - 柔軟な不均一のアイソタクチックポリプロピレン組成物 - Google Patents

柔軟な不均一のアイソタクチックポリプロピレン組成物 Download PDF

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JP5309129B2
JP5309129B2 JP2010503020A JP2010503020A JP5309129B2 JP 5309129 B2 JP5309129 B2 JP 5309129B2 JP 2010503020 A JP2010503020 A JP 2010503020A JP 2010503020 A JP2010503020 A JP 2010503020A JP 5309129 B2 JP5309129 B2 JP 5309129B2
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Description

優先権の主張
この出願は2007年4月9日出願のUSSN 60/922,480の優先権及びその利益を主張する。
関連出願
この発明は、2007年4月9日出願のUSSN60/922、463に関連する。
発明の分野
本発明はブレンド前の個々のポリマーの特性と比較したとき驚くべき特性を有する少なくとも二種類のポリマーの不均一のポリマーブレンドに関する。特に、本発明は例えば、ある実施態様によれば、ポリプロピレン及びオレフィンコポリマーのような、熱可塑性ポリマーのブレンドに関する。
発明の背景
アイソタクチックポリプロピレン及びオレフィンコポリマーのブレンドは周知技術であるが、先行システムはオレフィンコポリマーの内容物の機能としての曲げ弾性率、引張強度、弾性のよいバランスを生産することができなかった。ポリマー材料から形成される製品に適切な最終特性を与えると同時に、有利な加工上の特性を有するポリマー材料の必要性が存在する。コポリマー及びポリマーのブレンドが上記必要性を満たすように開発されてきた。本発明はオレフィンコポリマーの内容物の機能としての曲げ弾性率、引張強度、及び弾性の驚くべき及び予期しないバランスを有するブレンドを示す。さらに、本発明のコポリマーのこれらやその他の特性は、アイソタクチックポリプロピレンやポリプロピレンアルファオレフィンコポリマーのブレンドのような従来のポリマーブレンドと比較して著しい違いを示す。
米国特許第4,178,272号は、熱に分解する結晶化ポリプロピレン、プロピレン/ヘキセンコポリマー及び炭化水素樹脂を含むホットメルト接着剤を記載する。
米国特許第6,747,114号は、半結晶性、好ましくはランダムな、プロピレンのコポリマー及びエチレン及び少なくとも一つのC4からC20のアルファ‐オレフィンからなる群から選択される少なくとも一つのコモノマーを含む接着組成物を記載する。
米国特許第6,635,715号は、アイソタクチックポリプロピレン組成物及びアルファ‐オレフィン/プロピレンコポリマー成分を含む熱可塑性ポリマーブレンド組成物であって、該コポリマーが結晶化可能なアルファ‐オレフィン配列を含むことを特徴とする組成物を記載する。
発明の趣旨
我々は、アイソタクチックプロピレン結晶を含む低分子量半結晶化プロピレン‐エチレンコポリマー(以下第一ポリマー成分という)が、メタロセン触媒及び活性化剤存在下単一定常反応器で製造される場合、アルファオレフィンの含有の機能として、驚くべき及び予期せぬ曲げ弾性率、引張強度及び弾性のバランスを示すことを見出した。さらに、コポリマーのこれらとその他の特性は、アイソタクチックポリプロピレン及びプロピレンアルファオレフィンコポリマーのブレンドのような従来のポリマーブレンドと比較して驚くべき相違を示す。
ある実施態様においては、第一ポリマー成分は5%又は6%又は8%又は10重量%の下限から20%又は25重量%の上限までのエチレン由来単位を含み、75%又は80重量%の下限から95%又は94%又は92%又は90重量%の上限までのプロピレン由来単位を含み、ここで重量%はプロピレン‐及びエチレン由来単位の総重量に基づく重量%であり、分子分解剤との化学反応から生じる1000ppm未満の反応物を第一ポリマー成分が有することを特徴とする。コポリマーの組成物がアルファオレフィン重量と比較して多くのエチレンを含有する限り、アルファ‐オレフィンはエチレンを伴って存在してよい。
別の実施態様においては、本発明は、従来の触媒及び活性化剤の組み合わせを用いる重合と同様な分子量及び低い結晶化度に至る特定の触媒及び活性化剤の組み合わせを用いて上記半結晶性エチレンプロピレンコポリマー(第一ポリマー成分)を作るための溶液重合方法を含む。
不均一なブレンド組成物であって、その組成物の重量に基づき1%から99%の重量を有する第一ポリマー成分と、その組成物の重量に基づき1%から99%を有する第二ポリマー成分とを含有し、
a.前記第一ポリマー成分は、その重量に基づき5%から35%の重量のエチレン由来単位と65%から95%の重量のプロピレン由来単位とのコポリマーを含み
i)アイソタクチックポリプロピレン配列から0.1%から約25%の結晶化度、
ii)45℃から105℃の融点、
iii)300g/10分から5000g/10分の間にあるメルトフローレート(MFR、230℃にて)、及び
を有し、
b.前記第二ポリマー成分は、ホモポリプロピレン及び/又はプロピレンのランダムコポリマーを含み、該コポリマーにおける共重合アルファ‐オレフィンの割合が、前記第二ポリマー成分の重量に基づき0と9%の間であって、前記第二ポリマー成分が約110℃より高い融点を有し、
ここで第一成分ポリマーが1000ppm未満の分子分解剤の化学反応から生じる反応物設けられる不均一なブレンド組成物。
図面の説明
図1は本発明の好ましい実施態様における第一ポリマー成分のためのエチレンの重量%に対するDSCにより決定した融解熱の図である。 図2は周知競合製品並びに従来技術製品と比較した本発明のブレンドの1%セカント(secant)曲げ弾性率の図である。 図3は本発明のブレンドの電子顕微鏡写真である。 図4Aは本発明のブレンドの電子顕微鏡写真である。 図4Bは本発明のブレンドの電子顕微鏡写真である。 図4Cは本発明のブレンドの電子顕微鏡写真である。 図4Dは本発明のブレンドの電子顕微鏡写真である。
発明の詳細な説明
以下に本発明の詳細な説明を述べる。文脈次第で、「発明」に関するすべての下記言及は、ある場合にはある具体的な実施態様のみに言及する。他の場合、「発明」への言及は一項以上の、しかし必ずしもすべてではない、特許請求の範囲で列挙する対象事項を言う。各発明を今から具体的実施態様、バージョン、実施例を含み下記により詳しく説明するが、本発明は当業者が他の入手可能な情報及び技術と組み合わして発明を創出し使用することをができるように記載するこれらの実施態様、バージョン及び実施例に限定されない。本発明及びそれに対する特許請求の範囲の目的のためにエチレンはアルファ‐オレフィンとある。
好ましい実施態様においては、本明細書に記載のブレンドは不均一なブレンドである。均一ブレンドは同じ状態で実質的に一つのモルフォロジーの相を有する組成物をいう。例えば、一つのポリマーが別のポリマーに混合する場合の二つのポリマーのブレンドは固体状態で均一であるという。そのようなモルフォロジーは走査電子顕微鏡を用いて決定できる。混合とは二以上のポリマーのブレンドがガラス転移温度に関して単相の性質を有することいい、例えば、TgはDMTAの図においてシングルで鋭敏な転移温度を有する。反対に、二つの分離する転移温度は非混合のブレンドに見られ、一般的にブレンドの個々の成分の温度に相当する。即ち、DMTAの図において一つのTgを示す場合ポリマーブレンドは混合する。混合ブレンドは均一であり、一方非混合ブレンドは不均一である。反対に、不均一なブレンドは同じ状態で二以上のモルフォロジーの階層を有する組成物を意味する。例えば、一つのポリマーが別のポリマーのマトリックスに分散する別個のパケットを形成する場合の二つのポリマーブレンドは固体状態で不均一という。また不均一なブレンドはブレンド組成物が別々に見えるがどれが連続相でどれが非連続相か明らかではない共連続(co‐continuous)ブレンドを含むと定義される。そのようなモルフォロジーを走査電子顕微鏡法(SEM)又は原子間力顕微鏡法(AFM)を用いて検出する。もしSEM及びAFMが異なるデータを示すなら、SEMを用いる。連続相は不均一なブレンドにおけるマトリックス相をいう。不連続相は不均一なブレンドにおける分散相をいう。
本発明は、
(1)低分子量プロピレンが大部分を占めるコポリマー(第一ポリマー成分)であって、1000ppm未満の分子分解剤由来の残渣を含むコポリマーの形成、
(2)これらの第一ポリマー成分とアイソタクチックポリプロピレンとのブレンド、
(3)第一ポリマー成分中比較的少量のレベルのエチレンを有する低い結晶化度の第一ポリマー成分を得るメタロセン触媒及び活性化剤の使用及び、
(4)アイソタクチックポリプロピレンを伴う柔軟性、可塑性、不均一性、高い流動性のブレンドを作製するためのこれらのポリマーの使用
に関する。
ある実施態様においては、本発明は幾つか又はすべてが以下の特徴を有する低分子量プロピレンアルファ‐オレフィンコポリマーの形成に関連する。それは、
(i)110℃未満、又は90℃未満、又は80℃未満、又は70℃未満の上限から25℃より高い、又は35℃より高い、又は40℃より高い、又は45℃より高い下限の範囲の融点、及び/又は
(ii)75%より大きい、又は80%より大きい、又は85%より大きい、又は90%より大きい炭素13核磁気共鳴(13CNMR)により検出するトライアド・タクティシティ(triad tacticity)及び/又は
(iii)次のような500%引張係数に対する弾性の関係、
弾性(%)≦0.935M+12、又は
弾性(%)≦0.935M+6、又は
弾性(%)≦0.935M、
ここで弾性はパーセントであり、Mはメガパスカルにおける500%引張係数、及び/又は
(iv)1.0ジュール/グラム(J/g)より大きい、又は1.5J/gより大きい、又は4.0J/gより大きい、又は6.0J/gより大きい、又は7.0J/gより大きい下限から125J/g未満、又は100J/g未満、又は75J/g未満、又は60J/g未満、又は50J/g未満、又は40J/g未満、又は30J/g未満の上限までの範囲の融解熱、及び/又は
(v)4又は6の下限値から8又は10又は12の上限値の範囲のタクティシティー指数m/r、及び/又は
(vi)13CNMRにより測定する場合、0.5%より大きい、又は0.6%より大きい、すべてのプロピレン挿入におけるプロピレンモノマーの2,1挿入に基づいて逆に挿入されるプロピレンの割合、及び/又は
(vii)13CNMRにより測定する場合、0.05%より大きい、又は0.06%より大きい、又は0.07%より大きい、又は0.08%より大きい、又は0.085%より大きい、すべてのプロピレン挿入におけるプロピレンモノマーの1,3挿入に基づいて逆に挿入されるプロピレンの割合、及び/又は
(viii)少なくとも75重量%のコポリマーが8℃毎に増加する温度分画にてヘキサン中でXを75、又は80、又は85、又は90、又は95、又は97、又は99として実施される熱分別の二つの隣り合った温度分画中に溶解しているような分子間タクティシティー、及び/又は
(ix)1.5未満、又は1.3未満、又は1.0未満、又は0.8未満の反応比率の積r2、及び/又は
(xi)1.5又は1.8の下限から40又は20又は10又は5又は3の上限の範囲の分子量分布Mw/Mn、及び/又は
(xii)250g/10分より大きい、300g/10分より大きい、400g/10分より大きい、500g/10分より大きい、600g/10分より大きい、750g/10分より大きい、1000g/10分より大きい、1300g/10分より大きい、1600g/10分より大きい、2000g/10分より大きい及び/又は7500g/10分未満、6500g/10分未満、5500g/10分未満、4500g/10分未満、3000g/10分未満、2500g/10分未満の230℃でのMFR
(xiii)0.5Mpaより大きい、又は0.8Mpaより大きい、又は1.0Mpaより大きい、又は2.0Mpaより大きい500%引張係数、及び/又は
(xiv)エチレン含有量が、
Figure 0005309129
のようなポリマーのエチレン含有量に関係する融解熱、及び/又は
(xv)10000ppm未満、又は5000ppm未満、又は3000ppm未満、又は2000ppm未満、又は1000ppm未満、又は500ppm未満、又は250ppm未満の分子分解剤又はプロピレン優勢ポリマー中でのその反応物を含むコポリマー、及び/又は
(xvi)単独定常状態反応器中、架橋メタロセン触媒の存在下で作られるコポリマー
である。
あるいは、上記記載のコポリマーは10,000から70,000又はより好ましくは20,000から50,000の重量平均分子量(Mw)を有してもよく、及びMw/Mnとして計算される分子量分布(MWD)、(これは時にまた多分散度指数(PDI)と呼ばれる)が、GPCによる測定の場合、1.5又は1.8の下限から40、20、10、5、又は3の上限までの間である。
また、本発明は、反応条件下及び架橋メタロセン触媒存在下定常状態反応器中アルファオレフィン及びプロピレンを含むモノマーの混合物を反応することにより、いくつかまたはすべての上記記載の特徴を有する主にアルファオレフィン‐プロピレンコポリマーを生産する方法に関する。
前述のコポリマー及びアイソタクチックポリプロピレンのブレンドにかかる別の実施態様においては、本発明は不均一なブレンド組成物であって、
a)ブレンドの重量に基づき1%から99%の第一ポリマー成分、
b)ブレンド重量に基づき1%から99%のプロピレンのランダムコポリマーを含む第二ポリマー成分であって、前記コポリマー中の共重合エチレン及びアルファ‐オレフィンの割合が第二ポリマー成分の重量に基づき0.5%及び9%の間にあり、前記第二ポリマー成分が110℃より高い融点を有する
ことを含む組成物である。そのような第二ポリマー成分は好ましくはランダムコポリマー(RCP)として周知技術である。
好ましい実施態様においては、第一ポリマー成分は直径10μm未満、あるいは、直径7μm、あるいは、直径5μmの粒子の第二ポリマー成分内に分散する。さらに、任意に第一ポリマー成分を0.01ミクロンより大きい、あるいは、0.5ミクロンより大きい、あるいは、1ミクロンより大きい粒子中第二ポリマー成分内に分散する。
ある実施態様においては、本発明は、第一ポリマー成分及びアイソタクチックポリプロピレン又は第二ポリマー成分のポリプロピレン部分のアイソタクチックランダムコポリマーの不均一なブレンド組成物であって、
a)ブレンドの重量に基づき(wt%)1%から99%の第一ポリマー成分、
b)ブレンドの重量に基づき(wt%)1%から99%のアイソタクチックポリプロピレン及びプロピレンのアイソタクチックランダムコポリマーを含む第二ポリマー成分及び直径10μm未満の粒子の第二ポリマー成分内に分散するエラストマーを含む第二ポリマー成分であって、前記アイソタクチックポリプロピレン又はプロピレンのアイソタクチックランダムコポリマー中の共重合エチレン及びアルファ‐オレフィンの割合が第二ポリマー成分の重量に基づき(wt%)0.0%及び9%の間であり、前記第二ポリマー成分が110℃より高い融点を有し、前記第二ポリマー成分がゴム及びエラストマーを有するアイソタクチックポリプロピレンの主に不均一なブレンド、
を含む組成物を開示する。そのような成分ブレンドは、第二ポリマー成分として記載され、熱可塑性オレフィン(TPO)、インパクトコポリマー(ICP)及び熱可塑性加硫物(TPV)として周知である。これらは、TPVの例としてSantoprene、Uniprene、Nexprene及びVegapreneとして商業的に入手可能である。それらはTPOの例としてSoftell、Adflex及びCatalloy 製品として商業的に入手可能である。この実施態様において第二ポリマー成分の組成物限定はアイソタクチックポリプロピレン又はこの実施態様の第二ポリマー成分であるブレンドのプロピレン部分のアイソタクチックランダムコポリマーのみに及ぶ。
別の実施態様においては、本発明は、
a)ブレンドの重量に基づき(wt%)1%から20%の第一ポリマー成分、
b)ブレンドの重量に基づき(wt%)80%から99%のアイソタクチックポリプロピレン及びアイソタクチックポリプロピレンのランダムコポリマーを含む第二ポリマー成分であって、前記コポリマー中の共重合エチレン及びアルファ‐オレフィンの割合が第二ポリマー成分の重量に基づき(wt%)0.0%及び9%の間であり、前記第二ポリマー成分が110℃より高い融点を有し、前記第一ポリマー成分が中に存在する分子分解剤の化学反応より生じる反応物が1000ppm未満であること、
を含む不均一なブレンド組成物を開示する。
ある実施態様においては、本発明は、第一ポリマー成分及びアイソタクチックポリプロピレン又は第二ポリマー成分のポリプロピレン部分のアイソタクチックランダムコポリマーの不均一なブレンド組成物であって、
a)ブレンドの重量に基づき(wt%)1%から30%の第一ポリマー成分、
b)ブレンドの重量に基づき(wt%)80%から99%の第二ポリマー成分であって、第二ポリマー成分がアイソタクチックポリプロピレン及びプロピレンのアイソタクチックランダムコポリマーを含み及び直径10μm未満の粒子の第二ポリマー成分内に分散するエラストマーを含み、前記アイソタクチックポリプロピレン又はプロピレンのアイソタクチックランダムコポリマー中の共重合エチレン及びアルファ‐オレフィンの割合が第二ポリマー成分の重量に基づき(wt%)0.0%及び9%の間であり、前記第二ポリマー成分が110℃より高い融点を有し、前記第二ポリマー成分がゴム及びエラストマーを有するアイソタクチックポリプロピレンの主に不均一なブレンドを含む第二ポリマー成分、
を含む組成物を開示する。そのような成分ブレンドは、第二ポリマー成分として記載され、熱可塑性オレフィン(TPO)、インパクトコポリマー(ICP)及び熱可塑性加硫物(TPV)として周知である。これらは、TPVの例としてSantoprene、Uniprene、Nexprene及びVegapreneとして商業的に入手可能である。それらはTPOの例としてSoftell、Adflex及びCatalloy製品として商業的に入手可能である。この実施態様において第二ポリマー成分の組成物限定はこの実施態様の第二ポリマー成分であるアイソタクチックポリプロピレン又はブレンドのプロピレン部分のアイソタクチックランダムコポリマーのみに及ぶ。
別の実施態様においては、本発明は、
a)ブレンドの重量に基づき(wt%)20%から99%の第一ポリマー成分、
b)ブレンドの重量に基づき(wt%)80%から1%のプロピレンのランダムコポリマーを含む第二ポリマー成分であって、前記コポリマー中の共重合エチレン及びアルファ‐オレフィンの割合が第二ポリマー成分の重量に基づき(wt%)0.0%及び9%の間であり、前記第二ポリマー成分が110℃より高い融点を有すること、
を含む不均一なブレンド組成物を開示する。
別の実施態様においては、本発明は、
a)ブレンドの重量に基づき(wt%)20%から99%の第一ポリマー成分、
b)ブレンドの重量に基づき(wt%)80%から99%のプロピレンのランダムコポリマーを含む第二ポリマー成分であって、前記コポリマー中の共重合エチレン及びアルファ‐オレフィンの割合が第二ポリマー成分の重量に基づき(wt%)2.0%及び9%の間であり、前記第二ポリマー成分が110℃より高い融点を有し、第一ポリマー成分及び第二ポリマー成分のブレンドがさらに上述の成分である可塑剤を含む、
不均一なブレンド組成物を開示する。
別の実施態様においては、本発明は、a)ブレンドの重量に基づき(wt%)20%から99%の第一ポリマー成分、
b)ブレンドの重量に基づき(wt%)80%から99%のプロピレンのランダムコポリマーを含む第二ポリマー成分であって、前記コポリマー中の共重合エチレン及びアルファ‐オレフィンの割合が第二ポリマー成分の重量に基づき(wt%)2.0%及び9%の間であり、前記第二ポリマー成分が110℃より高い融点を有し、第一ポリマー成分及び第二ポリマー成分の前記ブレンドがさらに上述の成分である可塑剤を含み、第一ポリマー成分、第二ポリマー成分及び前記可塑剤の最終ブレンドが所定の関係を有することを特徴とする成分を含む、
不均一なブレンド組成物を開示する。
1%セカント曲げ弾性率(secant Flex Modulus)(kpsi) = −7.0963 Ln [(MFR g/10分)2 x 引張強度0.5] + 85.88。より好ましくは、1%セカント曲げ弾性率(secant Flex Modulus)(kpsi) = −7.0963 Ln [(MFR g/10分)2 x 引張強度0.5] + 83.88。より好ましくは、1%セカント曲げ弾性率(secant Flex Modulus)(kpsi)= −7.0963 Ln [(MFRg/10分)2 x 引張強度0.5] + 80.88。
別の実施態様においては、本発明は、
a)ブレンドの重量に基づき(wt%)20%から99%の第一ポリマー成分、
b)ブレンドの重量に基づき(wt%)80%から99%のプロピレンのランダムコポリマーを含む第二ポリマー成分であって、前記コポリマー中の共重合エチレン及びアルファ‐オレフィンの割合が第二ポリマー成分の重量に基づき(wt%)2.0%及び9%の間であり、前記第二ポリマー成分が110℃より高い融点を有し、第二ポリマー成分のMFR10g/10分未満であり、第一ポリマー成分及び第二ポリマー成分の前記ブレンドがさらに上述の成分である可塑剤を含み、第一ポリマー成分、第二ポリマー成分及び前記可塑剤の最終ブレンドが所定の関係を有することを特徴とする成分を含む不均一なブレンド組成物を開示する。
1%セカント曲げ弾性率(secant Flex Modulus)(kpsi) = −7.0963 Ln [(MFRg/10分)2 x 引張強度0.5] + 85.88。より好ましくは、1%セカント曲げ弾性率(secant Flex Modulus)(kpsi) = −7.0963 Ln [(MFRg/10分)2 x 引張強度0.5]+ 83.88。より好ましくは、1%セカント曲げ弾性率(secant Flex Modulus)(kpsi) = −7.0963 Ln [(MFRg/10分)2 x 引張強度0.5] + 80.88。
別の実施態様においては、本発明は、
a)ブレンドの重量に基づき(wt%)1%から99%の第一ポリマー成分、
b)ブレンドの重量に基づき(wt%)1%から99%のプロピレンのランダムコポリマーを含む第二ポリマー成分であって、前記コポリマー中の共重合エチレン及びアルファ‐オレフィンの割合が第二ポリマー成分の重量に基づき(wt%)0.0%及び9%の間であり、前記第二ポリマー成分が110℃より高い融点を有し、前記第一ポリマー成分のガラス転移温度が最終ブレンド中に維持されることを特徴とする成分、
を含む不均一なブレンド組成物を開示する。
任意の又はすべての上記実施態様の文脈中第二ポリマー成分のMFRが、200g/10分未満、150g/10分未満、100g/10分未満、75g/10分未満、50g/10分未満、30g/10分未満、20g/10分未満又は好ましくは、10g/10分未満又は5g/10分未満又は3g/10分未満又は2g/10分未満であることは理解される。
任意の又はすべての上記実施態様の文脈中ポリマーブレンドは追加的プロセス油を含んでよいことは理解される。プロセス油はパラフィン系油、芳香族系油、オリゴマーエステル及びエーテルやポリオレフィン化合物に通常用いる他の可塑剤から構成されてよい。
任意の又はすべての上記実施態様の文脈中ポリマーブレンドは特異的な特徴を増強するために存在してよい他の多様な添加剤を含んでよく、又は個々の成分の処理の結果として存在してよい。これらの化合物は充填剤及び/又は補強材を含んでよい。これらは、カーボンブラック、泥、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、ケイ酸塩、それらの組み合わせ及び同類物を含んでよい。考えられる添加化剤は、例えば、難燃剤、抗酸化剤、可塑剤、染料、加硫又は硬化剤、加硫又は硬化促進剤、硬化抑制剤、加工助剤、難燃剤、粘着樹脂及び同類物を含んでよい。特徴を増強するために使用しよい添加剤は抗ブロック剤、着色剤を含む。潤滑油、離型剤、核形成剤、強化剤、及び充填剤(粒子、繊維、又は粉状を含む)がまた使用される。
任意の又はすべての上記実施態様が、第一及び第二ポリマー成分の熱可塑性ブレンドを調製するために考えられる方法を対象にすることは理解される。この方法は、
(a)重合触媒存在下、プロピレン又はプロピレン及びC又はC−C20アルファ‐オレフィンから選択される一以上のモノマーの混合物を重合し、少なくとも90重量%の重合プロピレンを含む実質的アイソタクチックプロピレンポリマーを得、
(b)キラルメタロセン触媒の存在下エチレン及びプロピレンの混合物を重合し、得られるエチレン及びプロピレンの結晶化可能コポリマーが35重量%エチレン以下及び好ましくは20重量%以下エチレンを含み、アイソタクチックな結晶化可能プロピレン配列を含み、
(c)ブレンドを形成するために段階(a)のプロピレンポリマーと段階(b)の結晶化可能コポリマーをブレンドすること、
を含む。ブレンド処理の間、可塑剤及び無機充填剤を追加する。結晶性及び半結晶性ポリプロピレンコポリマーの調製に有用なプロキラル触媒は米国特許第5,145,819、5,304,614、5,243,001、5,239,022、5,329,033、5,296,434、5,276,208、5,672,668、304,614及び5,374,752及び EP 549 900と576 970に記載されるものを含み、参照によりすべて完全に本明細書に組み込まれる。さらに、米国特許第5,510,502(参照により完全に本明細書に取り込まれる)記載のようなメタロセンは、本発明の使用に有用である。
任意の又はすべての上記実施態様が、これらの熱可塑性ブレンド由来の熱可塑性製造製品の調製方法を対象にすることは理解される。方法は、
(a)熱可塑性ブレンド(上記に記載)を生産すること
(b)先行技術に記載の成形、膨張、注入、射出成形、押し出し、成形回転又は圧縮成形により熱可塑性製品を形成すること、
(c)170℃を超えない温度で20日未満の期間得られる製品をアニーリングすること及び、
(d)その本来の容量の700%を超えない延伸により一軸又は二軸いずれかに製品を配向すること、
を含む。アニーリング及び/又は配向は単独操作にて又は独特な連続操作として実施されてよい。
組成物及び製造方法を含む任意の又はすべての上記実施態様において、第一ポリマー成分がエチレン、さらにブテン、ヘキセン、オクテンのような3から20の炭素原子を含むアルファオレフィンモノマーを含んでよいことは理解される。これらは本明細書中アルファオレフィンとしてまとめて呼ばれる。好ましくは、エチレンはアルファオレフィンより多い重量で存在してよく、好ましくは、アルファオレフィンの2倍を超える量、好ましくは、アルファオレフィンの3倍を超える量、好ましくは、アルファオレフィンの4倍を超える量で存在してよい。アルファオレフィンと比較してより多い重量の割合であるエチレンの添加により第一及び第二ポリマー成分の不均一なブレンドの形成に至ると考える。
本発明の効果は組成物の特性により例示される。柔軟性及び容易な成形両方を同時に有し、さらに優れた引張性、伸び、及び引裂き強度を有するiPPベース組成物の創製は容易ではなかった。本発明の材料は強靭かつ柔軟である一方、成形及び製造のための必要な温度でかなり流動性がある。この適用において、
・柔軟性(Soft)とは、45kpsi未満、好ましくは35kpsi未満、好ましくは25kpsi未満、さらに好ましくは15kpsi未満の曲げ弾性率(1%セカント(secant))である組成物を示す。
・容易な成形(moldable)とは、
(1)50g/10分より大きく、好ましくは80g/10分より大きく、好ましくは100g/10分より大きく、最も好ましくは150g/10分より大きい230℃でのMFR、
(2)60℃より高く、好ましくは75℃より高く、より好ましくは90℃より高い結晶化温度を同時に意味する。
・高い引張強度(Tensile strength)とは500psiより大きい、好ましくは700psiより大きい、より好ましくは1000psiより大きい最大抗張力を意味する。
・高い伸び(elongation)とは100%より大きい、好ましくは200%より大きい、及びより好ましくは300%より大きい破断伸びを意味する。
・高いダイC引裂き(Die C tear)は150lb/inより大きい、好ましくは225lb/inより大きい、より好ましくは300lb/inより大きい引裂き強度をいう。
上記説明における、数値限定は助言的なものであり、相関性はない。即ち、すべて又は多くの他のものにおける値が優れながら幾つかのパラメーターの不足した発明組成物の想到は本発明の範囲内である。
第一ポリマー成分
本発明のポリマーブレンドの第一ポリマー成分はプロピレン及びエチレンの結晶化可能コポリマーを含み、任意に少量のアルファ‐オレフィンを伴い、次の特徴を有する。結晶化可能ポリマー(crystallizable polymer)は、結晶性ポリマー(crystalline polymer)と異なり、重合成分として定義され、下記の方法で記載するDSCにより融解熱によって測定されるようにポリマーの測定結晶化度が室温にて120時間待つことにより又は単独又は繰り返し機械的にサンプルを膨張させることにより、又は下記により詳細に記載するように第二ポリマー成分に接触することのいずれかにより少なくとも1.5又は少なくとも2.0のファクターにより増加する。ある実施態様においては、本発明はいくつかの又はすべての下記特徴を有する低分子量プロピレンアルファオレフィンコポリマーに関する。
コポリマー(第一ポリマー成分)は5%又は6%又は8%又は10重量%から20%又は25重量%までのエチレン由来単位を含む。またこれらの実施態様は、75%又は80重量%の下限から95%又は94%又は92%又は90重量%の上限の範囲におけるコポリマー中に存在するプロピレン由来単位を含んでよい。これらの重量%はプロピレン及びエチレン由来単位の総重量に基づき、言い換えると、プロピレン由来単位の重量%及びエチレン由来単位の重量%の合計が100%であることに基づく。これらの範囲内にこれらのコポリマーは示差走査熱量計(DSC)により測定される場合少し結晶性を有し、非常に柔軟性がある一方、実質的な引張強度及び弾性を維持している。弾性は下記の詳細な説明にて定義するように、これらのコポリマーの伸びからの寸法回復である。コポリマーの上記限定より低いエチレン組成物の場合、そのようなポリマーは、結晶性アイソタクチックポリプロピレン同様に、一般的に結晶性であり、優れた引張強度を有しながら、好ましい柔軟性及び弾性を有していない。コポリマー成分の上記限定より高いエチレン組成物の場合、コポリマーは実質的に非晶質性である。第一ポリマー成分におけるこの組成物の限定にかかわらず、第一及び第二ポリマー成分の最終ブレンドが不均一なモルフォロジーである限り、さらにプロピレン及びエチレンもまた少量の一以上の高いアルファオレフィンを含むことは予期される。高いアルファオレフィンは3以上の炭素原子及び好ましくは20炭素原子未満を有する。それにより限定することを意図していないが、本発明の有利な効果のために第二ポリマー成分と結晶化するために第一ポリマー成分は、ポリプロピレン結晶化度の最適量を有する必要がある。
コポリマー(第一ポリマー成分)はジエン由来単位を含んでよい。ジエンは、化学的架橋反応を容易にするためにポリマーに挿入される非共役ジオレフィンである。「ジエンを含んでよい」とは、1%ジエンより大きい、又は0.5%ジエンより大きい、又は0.1%ジエンより大きい量存在することを意味する。すべてこれらの%はコポリマー中の重量%である。ジエンの存在又は不存在を当業者に周知である赤外線技術により通常決定する。ジエンの供給源はエチレン及びプロピレンの重合に添加するジエンモノマー、又は触媒中のジエンの使用を含む。そのようなジエンの供給源がいずれであっても、コポリマー中の含量の上記の限定が該当する。オレフィンのコポリマーの形成、共役ジエン含有メタロセン触媒使用が示唆された。しかしながら、そのような触媒から作られるポリマーは触媒からジエンを取り込むことでは、重合における他のモノマーの取り込みと同様である。
コモノマーの配列
本発明の第一ポリマー成分は好ましくは狭い結晶度分布を有するランダムコポリマーを含む。それによって限定されないが、第一ポリマー成分の狭い結晶度分布は重要である。ポリマーの分子内組成物分布は溶剤中の熱分別によって決定される。一般的な溶剤は、ヘキサン又はヘプタンのような飽和炭化水素である。ポリマーの熱分別を第一ポリマー成分のサンプルをわずかな間欠的な攪拌を伴い50℃でヘプタンへ接触させることにより実施する。48時間後、第一ポリマー成分の25%にすぎない、好ましくは、10%にすぎない及びより好ましくは5%にすぎない量が不溶性である場合ポリマーは結晶化度の狭い分布である。
第一ポリマー成分、立体規則性配列の長さ及び分布は実質的なランダム統計的共重合と一致する。配列の長さ及び分布は共重合反応性比に関連することは周知である。実質的なランダムコポリマーは反応性比の積が2以下であるコポリマーである。ステレオブロック(stereoblock)構造において、PP配列の平均的長さは同様の組成物を伴う実質的なランダムコポリマーより大きい。ステレオブロック構造を伴う先行技術ポリマーは実質的なランダム統計分布よりむしろこれらのブロック的な構造に一致するPP配列の分布を有する。ポリマーの反応性比及び配列分布は隣接するプロピレン残基に関連してコモノマー残基を位置づけるC‐13NMRにより決定できる。所望のランダム性及び狭い組成分布を有するコポリマーを生産するために(1)単座(single site)触媒及び(2)十分な混合、一定の重合環境でのみ第二ポリマー成分の実質的にすべてのポリマー鎖が成長することができる連続フロー攪拌槽重合反応器を用いることが望ましい。
第一ポリマー成分は結晶化できる長さの立体規則性プロピレン配列を有する。第一ポリマー成分のこれらの立体規則性プロピレン配列は第二ポリマー成分におけるプロピレンの立体規則性に一致する。例えば、第二ポリマー成分が主にアイソタクチックポリプロピレンの場合、第一ポリマー成分が使用されるならば、アイソタクチックプロピレン配列を有するコポリマーである。第二ポリマー成分が主にシンジオタクティックポリプロピレンならば、第一ポリマー成分はシンジオタクティック配列を有するコポリマーである。立体規則性のこのマッチングは成分の相溶性を増加し、その結果ポリマーブレンド組成物における異なる結晶化度のポリマーの相溶性及び溶解性の改善に至る。第一ポリマー成分の上述の特徴は好ましくはキラルメタロセン触媒を用いる重合により達成できる。更なる実施態様においては、本発明組成物の第一ポリマー成分は結晶化可能プロピレン配列を含む。
エチレン‐プロピレンのコポリマー分子の特徴を記載するひとつの方法はモノマー配列分布である。知られる平均組成を有するポリマーを用いて開始して、モノマー配列分布を分光分析を用いて決定する。炭素13核磁気共鳴スペクトロスコピー(13C NMR)をこの目的のために用い、スペクトルのピークの積分によりダイアド、トリアド分布を確立するために用いることができる。(13C NMRをこの分析に用いない場合実質的に低いrの積が通常得られる。)反応性比生産物の積はより完全にPolymer Chemistry, F. W. Billmeyer, Jr., Interscience Publishers, New York, p. 221 et seq.(1957)に記載される。
反応性比生成物rはrがエチレンの反応性及びrがプロピレンの反応性であり、次の式を適用して、測定されるダイアド分布(この命名法におけるPP、EE、EP、及びPE)から算出される。
=4(EE)(PP)/(EP)
=K11/K12=[2(EE)/EP]X
=K22/K21=[2(PP)/EP]X
P=(PP)+(EP/2)
E=(EE)+(EP/2)
ここで
Mol%E=[(E)/(E+P)]100
反応器におけるX=E/P、
11及びK12はエチレンに対する挿入速度定数及びK21及びK22はプロピレンに対する挿入速度定数。
当業者が知っているように、反応性比の積が0の時「交互的」コポリマーと定義され、及び反応性比の積が1の時「実質的にランダム」コポリマーと定義される。言い換えれば、コポリマーは0.6と1.5の間の反応性比の積は一般的にランダム(厳密な理論的な用語では、1.5より大きい反応性比の積を有するコポリマーのみ相対的に長いホモポリマー配列を含み、「ブロック的」といわれる)である。本発明のコポリマーは1.5未満、又は1.3未満、又は1.0未満、又は0.8未満の反応性比の積を有する。本発明の実施態様のポリマー鎖内のコモノマーの実質的に均一な分布は一般的に本明細書に開示の分子量(平均分子量)のポリマー鎖内でのプロピレン単位の量が顕著になったり、連続したりする可能性を排除する。
立体規則性
第二ポリプロピレンにおけるすべて又は実質的にすべてのプロピレン配列がアイソタクチックである場合、第一ポリマー成分は本質的に又は実質的にアイソタクチックポリプロピレンを形成する重合触媒で作られる。にもかかわらず、第一ポリマー成分の形成のために用いる重合触媒はプロピレンの取り込みにおいてステレオ‐及びレジオエラー(regio‐error)を導入する。ステレオエラーは、プロピレンがアイソタクチックでなく、隣接メチル基の配向がメソでないタクティシティーを伴う鎖に挿入する場合をいう。レジオエラーの一つの場合はプロピレンがすぐ前にプロピレンが挿入された同様な隣接するメチレン基又はメチルジエン基に挿入する場合である。別のレジオエラーはプロピレンが通常の1,2挿入に変えて1,3挿入に挿入する場合をいう。そのようなエラーは第一ポリマー成分におけるコモノマーの導入後により広くみられる。つまり、アイソタクチック立体規則性配列(例えば、トリアド又はペンタド)におけるプロピレンの区分は第一ポリマー成分にとって1未満であり、第一ポリマー成分のコモノマーの含有量の増加に伴い減少する。理論により拘束されることを望まないけれども、プロピレンの導入におけるこれらのエラーの導入は、特にコモノマーの量の増加に伴う場合、これらのプロピレンコポリマーを第一ポリマー成分として使用する場合、重要である。これらのエラーにかかわらず、第一ポリマー成分はコモノマーの分布において統計的にランダムである。
トリアドタクティシティー
本発明の実施態様のプロピレンユニットのタクティシティーの記載の補助的な方法はトリアドタクティシティーの使用である。ポリマーのトリアドタクティシティーは三つの隣接するプロピレン単位の配列の相対的なタクティシティーで、頭‐尾結合からなる鎖であり、mとr配列の2元的組み合わせとして表現される。通常、本発明のコポリマーではコポリマーにおけるすべてのプロピレントリアドに対する特異的タクティシティー単位数の比率として表現される。
プロピレンコポリマーのトリアドタクティシティー(mm区分(fraction))をプロピレンコポリマーの13CNMRスペクトルから及び次の式より決定できる。
mm区分=PPP(mm)/(PPP(mm)+PPP(mr)+PPP(rr))
ここでPPP(mm)、PPP(mr)及びPPP(rr)は頭‐尾結合からなる次の三つのプロピレン単位の鎖中第二番目の単位のメチル基由来のピーク面積を示す。
Figure 0005309129
プロピレンコポリマーの13CNMRスペクトルを米国特許第5,504,172に記載のように測定する。メチル炭素領域(19‐23百万分率(ppm))に関係するスペクトルを第一領域(21.2‐21.9ppm)、第二領域(20.3‐21.0ppm)及び第三領域(19.5‐20.3ppm)に分割する。スペクトルにおける各ピークを雑誌Polymer第30巻 (1989) 、1350ページの文献を参照して割り当てた。
第一領域において、PPP(mm)によって表される三つのプロピレン単位鎖中の第二番目の単位のメチル基が共鳴する。
第二領域において、PPP(mr)によって表される三つのプロピレン単位鎖中の第二番目の単位のメチル基が共鳴し、及び隣接する単位がプロピレン単位及びエチレン単位であるプロピレン単位のメチル基(PPE‐メチル基)が(20.7ppm付近で)共鳴する。
第三領域において、PPP(rr)によって表される三つのプロピレン単位鎖中の第二番目の単位のメチル基が共鳴し、及び隣接する単位がともにエチレン単位であるプロピレンユニットのメチル基(EPE‐メチル基)が共鳴(19.8ppm付近で)する。
プロピレン挿入におけるトリアドタクティシティー及びエラーの計算
トリアドタクティシティーの計算は米国特許第5,504,172に示す方法で説明する。第二領域及び第三領域の合計ピーク面積からプロピレン挿入(2,1及び1,3両方)によるエラーのピーク面積を減算することにより、頭‐尾結合からなる3プロピレン単位鎖(PPP(mr)及びPPP(rr))に基づくピーク面積を得ることができる。
本発明の実施態様のプロピレンコポリマーは13CNMRによる測定の場合、75%より大きい、又は80%より大きい、又は82%より大きい、又は85%より大きい、又は90%より大きい三つのプロピレン単位のトリアドタクティシティーを有する。
2,1及び1,3挿入の場合のプロピレンの挿入におけるステレオエラー‐及びレジオ‐エラー
プロピレンの挿入が2,1(尾‐尾)又は1,3(末端‐末端)のいずれかにより少しの程度で起こり得る。2,1挿入の例を下記の構造で示す。
Figure 0005309129
炭素Aのピーク及び炭素A´のピークは第二領域と思われる。炭素Bのピーク及び炭素B´のピークは上述のように第三領域と思われる。第一から第二と思われるピーク間で頭‐尾結合からなる3プロピレンユニット鎖に基づかないピークはPPE‐メチル基、EPE‐メチル基、炭素A、炭素A´、炭素B、及び炭素B´に基づくピークである。
PPEメチル基に基づくピーク面積をPPE‐メチン基(30.8ppm付近の共鳴)のピーク面積により評価でき、EPE‐メチル基に基づくピーク面積をEPE‐メチン基(33.1ppm付近の共鳴)のピーク面積により評価できる。炭素Aに基づくピーク面積を炭素Bのメチル基が直接結合するメチン炭素(33.9ppm付近の共鳴)のピーク面積の2倍で評価でき、炭素A´に基づくピーク面積を炭素B´のメチル基の隣接するメチン炭素(33.6ppm付近の共鳴)のピーク面積により評価できる。炭素Bに基づくピーク面積を隣接するメチン炭素(33.9ppm付近の共鳴)のピーク面積により評価でき、炭素B´に基づくピーク面積も隣接するメチン炭素(33.6ppm付近の共鳴)により評価できる。
第二領域及び第三領域の全体のピーク面積からこれらのピーク面積を減算することにより、頭‐尾結合からなる三つのプロピレンユニット鎖(PPP(mr)及びPPP(rr))に基づくピーク面積を得ることができる。即ち、PPP(mm)、PPP(mr)及びPPP(rr)のピーク面積を評価し、頭‐尾結合からなるプロピレンユニット鎖のトリアドタクティシティーが得られる。
プロピレンエラストマーにおけるすべてのプロピレン挿入に対する2,1挿入の割合を雑誌Polymer第30巻 (1989) 、1350ページの文献を参照して次の式より算出した。
Figure 0005309129
上記式におけるピークの命名は雑誌Rubber Chemistry and Technology,44巻 (1971)、781ページにおいてCarman他による方法と一致し、Iαδはαδ第二炭素ピークのピーク面積を示すことを特徴とする。ピークが重複するので、Iαβ(構造(ii))からIαβ(構造(i))のピーク面積を分離することは難しい。従って、面積に相当する炭素ピークと置き換えてもよい。
1,3挿入の測定はβγピークの測定を必要とする。二つの構造はβγピークに貢献する。それは、(1)プロピレンモノマーの1,3挿入及び(2)二つのエチレンモノマーが続くプロピレンモノマーの2,1‐挿入である。このピークを1.3挿入ピークとして記載し、我々はこのβγピーク記載の米国特許第5,504,172記載の方法を用い、4メチレン単位の配列を表現することを理解する。これらのエラーの量の割合(%)はβγピーク(27.4ppm付近の共鳴)の面積をすべてのメチル基ピークとβγピーク面積の1/2との合計で割ることで決定し、得られた値を100倍した。3以上の炭素原子のアルファ‐オレフィンをオレフィン重合触媒を用いて重合する場合、逆に挿入されるモノマー単位の数は得られるオレフィンポリマーの分子中に存在する。キラルメタロセン触媒存在下、3以上の炭素原子のアルファ‐オレフィンの重合により調製されるポリオレフィンにおいて、2,1‐挿入または1,3‐挿入が通常の1,2‐挿入の他に起こり、その結果、2,1‐挿入または1,3‐挿入のような逆の挿入がオレフィンポリマー分子(Macromolecular Chemistry Rapid Communication, 8巻,305ページ (1987), by K. Soga,T.Shiono,S.Takemura and W.Kaminskiを参照願いたい)中に形成される。
本発明の実施態様の逆挿入プロピレン単位の割合は、すべてのプロピレン挿入におけるプロピレンモノマーの2,1‐挿入に基づいて、13CNMRで測定する場合、0.5%より大きく、又は0.6%より大きい。
本発明の実施態様の逆挿入プロピレン単位の割合は、すべてのプロピレン挿入におけるプロピレンモノマーの1,3‐挿入に基づいて、13CNMRで測定する場合、0.05%より大きく、又は0.06%より大きく、又は0.07%より大きく、0.08%より大きく、又は0.085%より大きい。
分子間構造
均一な分布
均一な分布は、コポリマーの組成及び重合プロピレンのタクティシティーの両方において統計的に有意でない分子間差として定義される。均一な分布を有するコポリマーのためには二つの独立試験の必要性を満たさなければならない。それは(i)タクティシティーの分子間分布、及び(ii)組成の分子間分布であり、下記に説明する。これらの試験は、それぞれ、重合プロピレンのタクティシティーの統計的に有意でない分子間差の測定及びコポリマーの組成の測定である。
タクティシティー分子間分布
本発明の実施態様のコポリマーは異なる鎖(分子間で)間で重合プロピレンのタクティシティーの統計的に有意でない分子間差を有する。これは、一連の遅い温度上昇でひとつの溶剤中通常制御される溶解による熱分別により決定される。典型的な溶剤はヘキサンやヘプタンのような飽和炭化水素である。これらの制御される溶解方法は、文献Macromolecules、26巻2064ページ (1993)に記載のように、アイソタクチックプロピレン配列の違いから、通常異なる結晶化度の同類のポリマーを分離するために用いられる。本発明の実施態様のコポリマーにとって、プロピレンユニットのタクティシティーが結晶化度の範囲を決定する場合、この分別方法は取り込まれるプロピレンのタクティシティーに従って分子を分離すると期待できる。この方法を下記に記載する。
本発明の実施態様においては、コポリマーの少なくとも75重量%、又は少なくとも80重量%、又は少なくとも85重量%、又は少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%、又は少なくとも97重量%、又は少なくとも99重量%が、単独温度分画又は二つの隣接する温度分画中に溶解し残りのコポリマーはすぐ前または続く温度分画に入る。例えば、これらの割合は23℃で始まるヘキサン中の分画であり、その後の分画は23℃より高いの約8℃の増分である。そのような分別の要求性を満たすことは、ポリマーが重合プロピレンのタクティシティーの統計的に有意でない分子間差であることを意味する。
沸騰ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、及びジエチルエーテルが分別に用いられる場合、分別を実施してきた。そのような沸点溶剤分別において、本発明の実施態様のポリマーは各溶剤に全体的に溶解し、分析情報を提供しない。この理由のために、我々は、上述するように、かつ本明細書にて記載するように分別することを選び、完全にこれらの従来の分別枠内で、我々のポリマー説明し、重合プロピレンのタクティシティーの驚くべきそして予期せぬ有意でない分子間差を説明する意義を見出す。
分子間組成及びタクティシティー分布の決定
コポリマーの分子間組成物分布を下記に記載のように測定する。コポリマーの30グラムを一辺約1/8″(3mm)サイズの小さなサイコロ状にカットする。これをチバ‐ガイギー社から商業的に入手可能な抗酸化剤イルガノックス(Irganox)1076と共にスクリューキャップ式で密閉する厚壁ガラス容器に移す。それから、425mLのヘキサン(ノルマル及びイソ異性体が主な混合物)をボトルに添加し、蓋をしたボトルを24時間23℃に維持する。この段階の終わりに、溶液をデカンテーションし、残渣をさらに24時間追加ヘキサンで処理する。この期間の最後で、それら二つのヘキサン溶液を合わせ、23℃でポリマー可溶性残渣を得るために蒸発させる。残渣に425mLになるように十分なヘキサンを加え、カバーのある循環式水浴で24時間31℃に維持する。可溶性ポリマーをデカンテーションし追加ヘキサンを31℃でさらに24時間加え、その後デカンテーションする。この態様において、40℃、48℃、55℃、及び62℃で可溶性コポリマーの分画を段階ごとに約8℃上昇する温度で得る。ヘキサンに替えてヘプタンを約60℃以上のすべての温度用の溶剤として用いる場合、95℃までの温度上昇が適応できる。可溶性ポリマーを乾燥し、秤量し、組成をwt.%エチレン含有量として、上記IR法にて分析する。隣接温度分画中に得られる可溶性分画は上記本明細書における隣接分画である。
組成の分子間分布
本発明の実施態様のコポリマーは組成の統計的に有意でない分子間差を有し、ここで、組成は異なる鎖(分子間)の間のエチレンに対するプロピレンの比率である。この組成分析を上記制御熱溶解方法により得られるポリマーの分画の赤外線分光法により行う。
組成の統計的に有意でない分子間差の測定において、各これらの分画は全体コポリマーの平均wt.%エチレン含有量の1.5wt.%未満(絶対的)又は1.0wt.%未満(絶対的)又は0.8wt.%未満(絶対的)の差を伴う組成(wt.%エチレン含有量)を有する。そのような分別必要性を満たすことはポリマーがエチレンに対するポリプロピレンの比率である組成の統計的に有意でない分子間差を有する。
タクティシティーの分子内分布
本発明の実施態様のコポリマーはタクティシティーの統計的に有意でない分子内差を有し、特にタクティシティーは同じ鎖(分子内)のセグメントに沿ってプロピレンのアイソタクチックな配向によることを特徴とする。この組成分析は示差走査熱量測定、電子顕微鏡法及び緩和測定(T1p)の詳細な分析から推測する。タクティシティーにおける有意のある分子内差存在下、我々は「ステレオブロック」構造を形成し、それはお互いに隣接するアイソタクチックプロピレン残基の数が統計より大きいことを特徴とする。さらに、よりブロック的なポリマーは高い融点や常温での低い溶剤溶解度を有するのでこれらのポリマーの融点は結晶化度に依存する。
均一性(Uniformity)
均一性は、コポリマーの組成及び重合プロピレンのタクティシティーの両方において統計的に有意でない分子内差として定義される。均一性であるコポリマーであるためには二つの独立試験の必要性を満たさなければならない。それは(i)タクティシティーの分子内分布、及び(ii)組成の分子内分布であり、下記に説明する。これらの試験は、それぞれ、重合プロピレンのタクティシティーの統計的に有意でない分子内差の測定及びコポリマーの組成の測定である。
組成の分子内分布
本発明の実施態様のコポリマーは組成の統計的に有意でない分子内差を有し、ここで、組成は同じ鎖(分子内)のセグメントに沿ったエチレンに対するプロピレンの比率である。この組成分析をこれらのコポリマーの合成に用いる方法や15,000から5,000,000又は20,000から1,000,000の範囲の分子量である、コポリマーの配列分布の結果から推察する。
融点及び結晶化度
第一ポリマー成分は単独の融点を有する。融点をDSCにより測定する。第一ポリマー成分は110℃未満、又は90℃未満、又は80℃未満、又は70℃未満の上限から25℃より高い、又は35℃より高い、又は40℃より高い、又は45℃より高い下限の範囲の融点を有する。一般的に本発明の第一ポリマー成分は約105℃から0℃の間の融点を有する。好ましくは、融点は約90℃から20℃の間である。より好ましくは、第一ポリマー成分は1.0ジュールパーグラム(J/g)より大きい、又は1.5J/gより大きい、又は4.0J/gより大きい、又は6.0J/gより大きい、又は7.0J/gより大きい下限から、125J/g未満、又は100J/g未満、又は75J/g未満、又は60J/g未満、又は50J/g未満、又は40J/g未満、又は30J/g未満の上限の範囲の融解熱を有する。理論に拘束されないならば、本発明の実施態様のコポリマーは一般的にアイソタクチック結晶化可能プロピレン配列を有するであろうし、上記融解熱はこれらの結晶性セグメントの溶解によるものであろう。
別の実施態様においては、本発明のコポリマーは次の式を適用して計算できる融解熱を有する。
>311(E−18.5)/T
ここで、
=下記に説明するように測定される融解熱
E=下記に説明するように測定されるコポリマーのエチレン含有量(エチレン由来単位を意味する)、及び第一ポリマー成分の重合温度である。
分子量及び多分散性指数
分子量分布(MWD)は与えられるポリマーサンプル内の分子量の範囲の測定である。MWDの広さは、数平均分子量に対する重量平均分子量の割合、Mw/Mn、又は重量平均分子量に対するZ平均分子量の割合、Mz/Mwのような多様な分子量の平均の比率によって特徴づけられる。
Mz、Mw及びMnはサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)としても知られるが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定できる。異なるサイズのポリマー分子を分離するために、この方法は多孔性ビーズを充填したカラムを含む装置、溶出溶剤、検出器を用いる。一般的な測定において、用いるGPC装置は145℃で操作するウルトラスチロ(ultrastyro)ゲルを備えるウォーターズクロマトグラフ(Waters chromatograph)である。用いる溶出溶剤はトリクロロベンゼンである。カラムは正確に知られている分子量の16個のポリスチレンスタンダードを用いて校正する。試験するポリマーの保持容量に対する、標準物質から得られるポリスチレン保持容量の相互関係によりそのポリマーの分子量が得られる。
平均分子量Mは、次の式から計算できる、
Figure 0005309129
ここでNは、分子量Mを有する分子の数である。n=0のとき、Mは数平均分子量Mnである。n=1のとき、Mは重量平均分子量Mwである。n=2のとき、MはZ平均分子量Mzである。望ましいMWD関数(例えば、Mw/Mn又はMz/Mw)は、相当するM値の比率である。M及びMWDの測定は、本技術分野でよく知られており、より詳細には、例えば、Slade,P.E.編、Polymer Molecular Weights Part II、Marcel Dekker, Inc.、ニューヨーク(1975年)、287−368頁;Rodriguez, F.、Principles of Polymer Systems 3版、Hemisphere Pub. Corp.、ニューヨーク(1989年)、155−160頁;米国特許第4,540,753号;VerstrateらによるMacromolecules、21巻(1988年)、3360頁、並びに本明細書に引用されている文献に記載されている。
本発明の実施態様においては、コポリマーは、10,000から50,000、又は20,000から1,000,000の重量平均分子量(Mw)及び1.5又は1.8下限から40又は20又は10又は5又は3の上限までの範囲の分子量分布Mw/Mn[時々「多分散度指数」(PDI)という]を有する。
230℃でのメルトフローレート
第一ポリマー成分は、250g/10分より大きい、300g/10分より大きい、400g/10分より大きい、500g/10分より大きい、600g/10分より大きい、750g/10分より大きい、1000g/10分より大きい、1300g/10分より大きい、1600g/10分より大きい、2000g/10分より大きい及び/又は7500g/10分未満、6500g/10分未満、5500g/10分未満、4500g/10分未満、3000g/10分未満、2500g/10分未満の230℃でのメルトフローレートを有する。
製造方法
重合方法は十分攪拌する連続供給重合反応器にて実施する単一段階、定常状態重合である。重合を溶液中で行ってよいが、単一段階重合及び連続供給反応器の要件を満たすガス相又はスラリー重合のような他の重合方法も含まれる。
この方法は定常状態操作において、単位時間当たり作られるポリマーの量の除去が単位時間当たり反応槽から出て行くポリマーの量と実質的に同量であることにより示される連続、非バッチ式方法ということができる。「実質的に同量」とは単位時間当たりにつくられるポリマーと単位時間当たりに出ていくポリマーのこれらの量が0.9:1、又は0.95:1、又は0.97:1、又は1:1の比であることを意味する。そのような反応器において、実質的に均一なモノマー分布が存在する。同時に重合は多段階又は複数の反応器(二以上)とは対照的に実質的に単一段階又はステージ又は単一反応器で実施される。これらの条件は、コポリマーを生産する実質的にすべての時間にわたって存在する。
一般的に、いかなる意味においても本発明の範囲を限定するものではないが、第一ポリマー成分を生産するための本発明の方法を実施する手段は以下の通りである。
(1)液体プロピレンを溶剤、第一ポリマー成分や溶解未反応モノマーや触媒成分を含む液体で完全に又は一部に満たされる攪拌槽反応器に導入すること、
(2)触媒系をノズルを通して蒸気相か液相で導入すること、
(3)供給エチレンガス及び任意に高アルファオレフィンを反応器の蒸気相か又は周知技術のように液相へ散布すること、
(4)反応器は溶解エチレンを伴う実質的にプロピレンからなる液相とすべてのモノマーの蒸気を含む蒸気相から実質的に構成されること、
(5)反応器の温度及び圧力はプロピレンを蒸気化する還流(自己冷却)を通してや、冷却コイル、ジャケット等により制御されること、
(6)重合速度を、触媒の濃度、温度により制御すること、及び
(7)ポリマー産物のエチレン含有量を反応器内のプロピレンに対するエチレンの比率で決定し、この比率は反応器のこれらの成分の相対的な供給速度を操作することにより制御する。
例えば、典型的な重合方法は、キラルビス( シクロペンタジエニル) 金属化合物及び1 ) 非配位性適合性アニオン活性剤( n o n - c o o r d i n a t i n g c o m p a t i b l e a n i o n a c t i v a t o r) 又は2 )アルモキサン活性剤のいずれかを含む触媒の存在下の重合から成る。一般的な触媒系は米国特許第5 , 1 9 8 , 4 0 1 号に開示され、 これは、米国のプラクティスの目的のために引用によって本明細書中に組み入れられる。アルモキサン活性剤は、約1 : 1 から約2 0 ,0 0 0 : 1 又はそれ以上のアルミニウムのメタロセンに対するモル比を与えるような量で使用されるのが好ましい。非配位性適合性アニオン活性剤は、1 0 : 1 から約2 : 3 のビスシクロペンタジエニル金属化合物の非配位性アニオンに対するモル比を与えるような量で使用されるのが好ましい。上記の重合反応は、そのようなモノマーをそのような触媒系の存在下に、約−50℃から約200℃の温度で、約1秒から約10時間の期間反応させることによって行われ、300g/10分及び5000g/10分の間のMFR及び約1.8から約4. 5のGPC測定によるPDI(多分散指数)を有するコ(ター)ポリマーを製造する。
本発明の方法は、触媒系を液相(スラリー、溶液、懸濁液、又はバルク相、又はそれらの組合わせ)において使用することを含むが、気相重合も使用することができる。気相、スラリー相、又は懸濁相重合において使用されるとき、触媒系は担持触媒系であるのが好ましい。例えば、米国特許第5,057,475号を参照願いたい。これは米国のプラクティスの目的のために引用によって本明細書中に組み入れられる。そのような触媒系は、その他の公知の添加剤、例えば、掃去剤、も含むことができる。例えば、米国特許第5,153,157号を参照願いたい。これは米国のプラクティスの目的のために引用によって本明細書中に組み入れられる。これらの方法は、反応容器の型及び重合を行なう態様に関して制限なしに使用することができる。上述したように、そして担持触媒系を使用する系についてもそうであるが、液相法は、エチレン及びプロピレンを触媒系と適切な重合希釈剤中で接触させる工程、及びモノマーを触媒系の存在下に、所望の分子量と組成のエチレン− プロピレンコポリマーを製造するのに十分な時間と温度で反応させる工程、を含む。
本発明の別の実施態様によれば、第一ポリマー成分はブレンドの加硫及び他の化学的修飾を助けるために少量の非共役ジエンを含んでよい。好ましくは、ジエンの量は10wt.%未満、好ましくは、5wt.%である。ジエンはエチレンプロピレンゴムに用いるものからなる群から選択されてよく、好ましくは、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン及びジシクロペンタジエンである。少ないジエンの量を、一般的には4wt.%未満で、星状及び分岐重合構造を形成するために用いてよく、その構造はその形成及び本発明のブレンドの方法に有利な効果を与えると期待されている。
コポリマー生産用の触媒及び活性化剤
触媒
典型的なアイソタクチック重合方法は、ビス( シクロペンタジエニル) 金属化合物及び(1)非配位性適合性アニオン活性剤( n o n-c o o r d i n a t i n g c o m p a t i b l e a n i o n a c t i v a t o r) 又は(2)アルモキサン活性剤のいずれかを含む触媒の存在下の重合から成る。本発明の1つの態様によれば、これの方法は、エチレン及びプロピレンを触媒と適切な重合希釈中で接触させる工程を含み、前記触媒は、例えば、好ましい態様によれば、キラルなメタロセン触媒、例えば、米国特許第5,198,401号に記載されているような、ビス(シクロペンタジエニル)金属化合物、及び活性剤を含む。また、米国特許第5,153,157号は本発明のコポリマーを生産するのに有用な触媒を記載する。
本発明の実施態様のコポリマーを作るために有用であって、下記に記載する触媒系は非配位アニオン(NCA)活性剤及び任意に掃去化合物を伴うメタロセンである。重合を液相、スラリー相又は気相中で行う。重合を単独反応器プロセス中で行うことができる。スラリー又は液相重合方法は大気圧より低いまたは高い圧力及び−25℃から110℃の範囲の温度で用いることができる。スラリー相重合において、懸濁した固体粒子化ポリマーがエチレン、プロピレン、水素及び触媒を加えた液体重合培地で形成される。液相重合において、液体媒体はポリマー用の溶剤として働く。重合媒体として用いる液体は、ブタン、ペンタン、ヘキサン、又はシクロヘキサンのようなアルカン又はシクロアルカン又はトルエン、エチレンベンゼン又はキシレンのような芳香族炭化水素である。スラリー重合用に液体モノマーも用いることができる。用いる媒体は重合条件下液体であり、比較的不活性である。ヘキサン又はトルエンを液相重合のために用いることができる。気相重合方法は例えば米国特許第4,543,399、4,588,790、及び5,028,670に記載する。触媒を任意の適切な粒子の材料又は高分子支持体のような多孔質の担体又は例えばシリカ、アルミナ、又は両者のような無機酸化物上に担持してよい。メタロセン触媒を担持する方法は米国特許第4,808,561、4,897,455、4,937,301、4,937,217、 4,912,075、5,008,228、5,086,025、5,147,949、及び5,238,892に記載する。
プロピレン及びエチレンは本発明の実施態様のコポリマーを作るために用いることができるが、任意にエチレンは、例えば、1‐ブテン、4‐メチル‐1‐ペンテン、1‐ヘキセン、又は1‐オクテンのような、C4からC20アルファ‐オレフィンを有するポリマーに変えるか、又はエチレンにこれらを添加することができる。
メタロセン
用語「メタロセン」及び「メタロセン触媒前駆体」は置換、非置換のシクロペンタジエニル(Cp)配位子、少なくとも1つの非シクロペンタジエニル誘導体配位子X、及び0又は1のヘテロ原子含有配位子Yを有するIV、V、又はVI族遷移金属Mを含む化合物を意味することは当業者に知られている。前記配位子は、それらの価数に応じてMに配位結合している。前記メタロセン触媒前駆体は、オレフィンに配位し、挿入し、これを重合することができる活性メタロセン触媒となるために、言い換えると、空の配位部位を有する有機金属錯体である、好適な共触媒(時に、活性剤という)で活性化される。
好適なメタロセンはリガンドとして2つのCp環を有するシクロペンタジエニル錯体である。このCp環は好ましくは金属を含む折れ曲がったサンドイッチの形であり、架橋基により強固な構造に固定されていることが好ましい。これらのシクロペンタジエニル錯体は以下の式を有している。
(Cpm)Rn(Cpp)MXq
式中、Cp及びCpは好ましくは同じであり、R及びRはそれぞれ独立して20炭素原子までを含む、ハロゲン基、又はヒドロカルビル基、ハロカルビル基、ヒドロカルビル置換有機メタロイド基、又はハロカルビル置換有機メタロイド基であり、mは好ましくは1から5であり、pは好ましくは1から5であり、並びに付随しているシクロペンタジエニル環の隣接する炭素原子上の置換基2つのR及び/又はRはお互いに結合して4から20炭素原子を含む環を形成していてもよい。Rは架橋基である。nは二つのリガンド間の直鎖中の原子の数であり、好ましくは1から8、より好ましくは1から3である。Mは3から6の価数を有する遷移金属であり、好ましくは周期表4、5、又は6族の遷移金属であり、最も高い酸化状態のものが好ましい。各Xは非シクロペンタジエニル配位子であり、独立して、炭素数が20までを含むヒドロカルビル基、オキシヒドロカルビル基、ハロカルビル基、ヒドロカルビル置換有機メタロイド基、オキシヒドロカルビル置換有機メタロイド基、又はハロカルビル置換有機メタロイド基である。qはMの価数より2を引いた値である。好ましい実施態様においては、Mは4価金属グループであり、好ましくはHf又はZnである。別の実施態様においては、(Cpm)及び(Cpp)はそれぞれ独立して、飽和又は不飽和インデニル基である。
本発明の上記ビスシクロペンタジエニルメタロセンの数多くの例は、米国特許第5,324,800、5,198,401、5,278,119、5,387,568、5,120,867、5,017,714、4,871,705、4,542,199、4,752,597、5,132,262、5,391,629、5,243,001、5,278,264、5,296,434、及び5,304,614に記載される。
上記タイプの好ましいビスシクロペンタジエニルメタロセンの例であるラセミ異性体を記載するがこれらに限定されない。
μ‐(CHSi(インデニル)M(Cl)
μ‐(CHSi(インデニル)M(CH
μ‐(CHSi(テトラヒドロインデニル)M(Cl)
μ‐(CHSi(テトラヒドロインデニル)M(CH
μ‐(CHSi(インデニル)M(CHCH、及び
μ‐(CC(インデニル)M(CH
ここで、MはZr,Hf又はTiであり、好ましくは、Hf又はZrである。好ましくは、これらの触媒化合物は高温(40℃以上、好ましくは、50℃以上、好ましくは、60℃以上、好ましくは、75℃以上、好ましくは100℃以上、であって、水素(5%体積まで、好ましくは0から1000ppmまで)の存在又は非存在で用いられ、本明細書記載の低分子重量(例えば50,000g/mol以下のMn)の第一コポリマー成分を生産する。
非配位性アニオン
既に説明したメタロセン又はメタロセン触媒前駆体は非配位アニオンで活性化される。“非配位性アニオン”の用語は、遷移金属カチオンに配位しないかまたは、上記カチオンに弱く配位し、その結果中性ルイス塩基によって置換される程十分に不安定であるアニオンを意味する。“適合性(Compatible)”非配位性アニオンは初め形成された錯体を分解したときに中性に分解されない非配位性アニオンである。更に、前記アニオンから中性の4つの配位メタロセン化合物及び中性の副生成物を形成するために、前記アニオンはアニオン置換基又はフラグメントをカチオンに転移しない。本発明に有用な非配位性アニオンは、そのカチオンのイオンチャージのバランスにおいて、適合性が良く、安定なものであり、更に、重合の間に、エチレン不飽和モノマー又はアセチレン不飽和モノマーが置き換わるのに充分なほど不安定であることが好ましい。更に、本明細書において好適なアニオンは、重合プロセス中に存在する重合モノマーよりも、ルイス塩基によるメタロセンカチオンの中性化を抑制又は避けるのに充分大きな分子サイズ又は嵩を有するものが好ましい。通常、このアニオンは約4オングストロームかこれよりも大きい分子サイズを有している。
非配位性アニオンにより活性化されるメタロセンカチオンを含む配位性重合用のイオン性触媒の説明はEP‐A‐0 277 003、EP‐A‐0 277 004、米国特許第5,198,401及5,278,119、及びWO 92/00333における初期文献に記載される。これらの文献はメタロセン(ビスCp及びモノCp)がアニオン性前駆体によってプロトン化され、アルキル/ヒドリド基が遷移金属から抜き取られ、その結果、非配位性アニオンによってカチオン性及び電荷の平衡性を得ることを特徴とする調製方法を示唆している。活性プロトンを含まないが、活性メタロセンカチオン及び非配位性アニオン両方を作ることのできるイオン化イオン性化合物を用いることも知られている。EP‐A‐O 426 637、EP‐A‐O 573 403及び米国特許第5,387,568を参照願いたい。メタロセン化合物をイオン化できるブレンステッド(Bronsted)酸以外の反応性カチオンは、フェロセニウム(ferrocenium)、トリフェニルカルボニウム(triphenylcarbonium)、及び、トリエチルシリリウム(triethylsilylium)カチオンを含む。水(又は他のブレインステッド又はルイス酸)による分解に対して耐性を有する配位性錯体を形成できる金属又はメタロイドを第二の活性化化合物のアニオンにおいて用いて又は含んでよい。適切な金属はアルミニウム、金、プラチナ、及びその類似物を含むがこれらに限定されない。適切なメタロイドはホウ素、リン、ケイ素、及びその類似物を含むがこれらに限定されない。
イオン性触媒を作る更なる方法は当初中性ルイス酸であるが、メタロセン化合物とイオン化反応するときカチオン及びアニオンを形成するイオン化アニオン性前駆体を用いることである。例えば、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素は、メタロセンカチオンを生成し及び非配位性アニオンを安定化するために、アルキル、ヒドリド又はシリルリガンドを取り去る作用をする。EP‐A‐0427 697及びEP‐A‐0520 732を参照願いたい。付加重合用のイオン性触媒は、アニオングループと共に金属性酸化グループを含むアニオン性前駆体による遷移金属化合物の中心金属の酸化によっても調製できる。EP‐A‐0495 375を参照願いたい。
本発明のメタロセン化合物をイオン性カチオン化することができ、結果得られる非配位性アニオンと安定化できる有用な活性化剤の例は次を含むが、これらに限定されない。それは、
トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、
トリプロリルアンモニウムテトラフェニルボレート、
トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラフェニルボレート、
トリメチルアンモニウムテトラキス(p−トリル)ボレート、
トリメチルアンモニウムテトラキス(o−トリル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリプロピルアンモニウムテトラキス(o,p−ジメチルフェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラキス(m,m−ジメチルフェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラキス(p−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(o−トリル)ボレート、及びその類似物、
のようなトリアルキル置換アンモニウム塩であり、
N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ヘプタフルオロナフチル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(パーフルオロ‐4‐ビフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、
N,N−ジエチルアニリニウムテトラフェニルボレート、
N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、及びその類似物、
のようなN,N−ジアルキルアニリニウム塩であり、
ジ‐(イソプロピル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジシクロヘキシルアンモニウムテトラフェニルボレート、及びその類似物、
のようなジアルキルアンモニウム塩であり、
トリフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、
トリ(メチルフェニル)ホスホニウムテトラフェニルボレート、
トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラフェニルボレート、及びその類似物、
のようなトリアリールホスホニウム塩である。
さらに、適切なアニオン性前駆体の例は安定なカルボニウムイオン及び適合性非配位アニオンを有するものを含む。これらは次のもの含む。それは、
トロピリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリフェニルメチリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トロピリウムフェニルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリフェニルメチリウムフェニル‐(トリスペンタフルオロフェニル)ボレート、
ベンゼン(ジアゾニウム)フェニル‐トリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トロピリウムテトラキス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、
トリフェニルメチリウムテトラキス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、
ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボレート、
トロピリウムテトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボレート、
ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボレート、
トロピリウムテトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)アルミネート、
トリフェニルメチリウムテトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)アルミネート、
ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)アルミネート、
トロピリウムテトラキス(1,2,2−トリフルオロフェニル)ボレート、
トリフェニルメチリウムフェニルテトラキス(1,2,2−トリフルオロフェニル)ボレート、
ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(1,2,2−トリフルオロフェニル)ボレート、
トロピリウムテトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボレート、
トリフェニルメチリウムテトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボレート、
ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボレート、及びその類似物である。
N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートの共触媒を有するμ‐(CHSi(インデニル)Hf(CHの触媒系を用いてよい。
好ましい実施態様においては、活性化共触媒である前駆体イオン性化合物は特定の先行技術に記載の置換テトラフェニルホウ素化合物より一般的にかさ高い4つのハロゲン化芳香族配位子を有するアニオン性13族の元素錯体を含む。これらの発明の芳香族配位子は多環芳香族炭化水素及び2以上の環(又は縮合環系)がお互いに又は一緒に直接的に結合する芳香環構造からなる。同じ又は異なるこれらの配位子は金属メタロイド(metaumetalloid)中心に直接的に共有結合する。好ましい実施態様において、前記ハロゲン化テトラアリール13族元素アニオン性錯体のアリール基は少なくとも一つ縮合多環芳香族炭化水素又はペンダント芳香環を含む。インデニル、ナフチル、アントラシル、ヘプタレニル、及びビフェニル配位子が典型的である。縮合芳香環の環の数は、環の接合及び特に、13族元素の中心に接合点として選択される原子が実質的な4面体構造を許容する限り重要でない。従って、例えば、適する配位子には、後に例示された配位子が含まれ、開放された結合が、1 3 族原子との間になされる。また、追加的な配位子選択のための文献における多環化合物の例は、例えばNomenclature of Organic Compounds, Chs. 4‐5 (ACS, 1974)を参照願いたい。
配位子接合点の選択は特に重要である。配位子接合点のオルト位の置換基又は環接合は立体的に嵩だかとなるので実質的な4面体構造の選択性が著しく阻害される。不適切な接合点の例を下記に記載する。
適切な混合配位子13族錯体は、それらの配位子が全部で2を超えない限り、縮合環又はオルト位の置換基又は環接合を伴う環構造を含む。つまり、3又は2の障害のない配位子を伴う1又は2の障害のある縮合環芳香族を有する13族アニオンであって、障害のある芳香族はオルト位の置換基又は環接合(説明II)を有し、障害のない芳香族はそれらがないもの(説明I)を特徴とするアニオンが一般的に有用である。トリス(パーフルオロフェニル)(パーフルオロアントラシル)ボレートが具体的な錯体である。この錯体におけるアントラシル配位子はオルト置換基を有する障害性縮合環であるが、3つの障害の無いフェニル配位子を伴うその使用により錯体が4面構造を採る。つまり一般的に言うと、本発明に従って有用な13族錯体は一般的に次の式と一致する。
[M(A)4−n(B)
ここで、Mは13族元素、Aは上述の障害の無い配位子、Bは上述の障害のある配位子、及びn=1,2である。
縮合芳香環及び芳香環構造両者にとって、ハロゲン化は、触媒活性化において形成する強いルイス酸のメタロセンカチオンによる配位子の引き抜きの可能性を減少する独立的特徴として立体的嵩だかさと同様に貢献する増加的な電荷分散をさせるために非常に好ましい。さらに、ハロゲン化は芳香環の任意の残存する炭素‐水素結合とハフニウムカチオンとの反応を阻害し、パーハロゲン化(perhalogenation)はそのような潜在的な好ましくない反応を防ぐ。つまり、アリール配位子の炭素原子上少なくとも3分の1の水素原子がハロゲン原子に置換されることが望ましく、より好ましくはアリール配位子がパーハロゲン化されることである。フッ素が、最も好ましいハロゲンである。
ハフニウム化合物の触媒活性カチオン及び適切な非配位性アニオンを含むイオン性触媒系の調製手段は従来から既知であり、例えば、米国特許第5,198,401、WO 92/00333、及びWO 97/22639を参照願いたい。一般的に、方法は、例えばヒドリド、アルキル又はシリル基のような抜き取られるリガンドを含む選択遷移化合物の合成、及び業者からの購入及びその金属化合物を非配位性アニオン供給源又は適切な溶剤における前駆体化合物と接触することを含む。アニオン前駆体化合物は好ましいメタロセン化合物の原子価の要求を完全にする一価のヒドリド、アルキル又はシリルリガンドを抜き取る。抜き取りは、ハフノセンを本発明による安定性、適合性及び嵩だかさ、非配位性アニオンによって釣り合いをとるカチオン状態にさせる。
好ましくは、非配位性アニオンは、非シクロペンタジエニルリガンドの引き抜きの際に非配位性アニオンの一部を副産物として残す遷移金属化合物の不安定な配位子である非シクロペンタジエニルを引き抜く重要なカチオン性錯体を有するイオン性化合物として触媒調製段階へ導入される。公知のイン シチュ(in situ)アルキル化工程が、本発明の好ましい工程の態様に従って高温条件下、全体的に重合効率を阻害しがちな競合反応及び相互作用をもたらす可能性があるので、金属中心上の不安定なヒドリド、アルキル、又はシリル基を有するハフニウム化合物は、本発明のイオン性触媒系にとして非常に好ましい。
本発明の共触媒の非配位性アニオンを提供できる前駆体化合物に有用なカチオンは当業者に周知のものを含む。そのような例は、米国特許第5,198,401に記載のような窒素含有カチオン、米国特許第5,198,401のカルベニウム、オキソニウム、スルホニウムカチオン、例えば、Agのような金属カチオン、WO 96/08519のシリリウムカチオン、及びWO 97/22635の1族又は2族金属カチオンの水和物塩を含む。この段落の各文献は米国特許プラクティスの目的のために引用により取り込まれる。
本発明のメタロセン化合物のイオン性カチオン化し、結果として、得られる非配位性アニオンを安定する能力を有する非配位性アニオンの好ましい前駆体塩の例は、トリエチルアンモニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)又はテトラキス(パーフルオロ‐4‐ビフェニル)ボロン、トリプロピルアンモニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)又はテトラキス(パーフルオロ‐4‐ビフェニル)ボロン、トリ(n‐ブチル)アンモニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)又はテトラキス(パーフルオロ‐4‐ビフェニル)ボロン、トリメチルアンモニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)又はテトラキス(パーフルオロ‐4‐ビフェニル)ボロン、トリメチルアンモニウムテトラテトラキス(パーフルオロナフチル)又はテトラキス(パーフルオロ‐4‐ビフェニル)ボロン、トリブチルアンモニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)又はテトラキス(パーフルオロ‐4‐ビフェニル)ボロン、トリプロピルアンモニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)又はテトラキス(パーフルオロ‐4‐ビフェニル)、トリブチルアンモニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)又はテトラキス(パーフルオロ‐4‐ビフェニル)ボロン、トリブチルアンモニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)又はテトラキス(パーフルオロ‐4‐ビフェニル)ボロン、トリブチルアンモニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)又はテトラキス(パーフルオロ‐4‐ビフェニル)ボロン、トリ(n‐ブチル)アンモニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)又はテトラキス(パーフルオロ‐4‐ビフェニル)ボロン、及びその類似物のようなトリアルキル‐置換アンモニウム塩、N,N‐ジメチルアニリニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)又はテトラキス(パーフルオロ‐4‐ビフェニル)ボロン、N,N‐ジエチルアニリニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)又はテトラキス(パーフルオロ‐4‐ビフェニル)ボロン、N,N‐2,4,6‐ペンタメチルアニリニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)又はテトラキス(パーフルオロ‐4‐ビフェニル)ボロン、及びその類似物のようなN,N‐ジアルキルアニリニウム塩、ジ‐(イソプロピル)アンモニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)又はテトラキス(パーフルオロ‐4‐ビフェニル)ボロン、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)又はテトラキス(パーフルオロ‐4‐ビフェニル)ボロン、及びその類似物のようなジアルキルアンモニウム塩、及びトリフェニルホスホニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)又はテトラキス(パーフルオロ‐4‐ビフェニル)ボロン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)又はテトラキス(パーフルオロ‐4‐ビフェニル)ボロン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)又はテトラキス(パーフルオロ‐4‐ビフェニル)ボロン、及びその類似物のようなトリアリールホスホニウム塩を含む。
さらに有用なアニオン性前駆体の例は安定なカルベニウムイオン、及び適合性非配位アニオンを有するものを含む。これらは、トロピリウムテトラキス(パーフルオロナフチル)又はテトラキス(パーフルオロ‐4‐ビフェニル)ボレート、トリフェニルメチリウムテトラキス(パーフルオロナフチル)又はテトラキス(パーフルオロ‐4‐ビフェニル)ボレート、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(パーフルオロナフチル)又はテトラキス(パーフルオロ‐4‐ビフェニル)ボレート、トロピリウムテトラキス(パーフルオロナフチル)又はテトラキス(パーフルオロ‐4‐ビフェニル)ボレート、トリフェニルメチリウムテトラキス(パーフルオロナフチル)又はテトラキス(パーフルオロ‐4‐ビフェニル)ボレート、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(パーフルオロナフチル)又はテトラキス(パーフルオロ‐4‐ビフェニル)ボレート、トロピリウムテトラキス(パーフルオロナフチル)又はテトラキス(パーフルオロ‐4‐ビフェニル)ボレート、トリフェニルメチリウムテトラキス(パーフルオロナフチル)又はテトラキス(パーフルオロ‐4‐ビフェニル)ボレート、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(パーフルオロナフチル)又はテトラキス(パーフルオロ‐4‐ビフェニル)ボレートを含む。本質的に、構造的に同等であるシリリウムボレート又はアルミネート塩は同様に有用である。
さらに別の実施態様においては、NCA部分はアセチレン基を含み、時々「アセチル‐アリール」部分として呼ばれる。本発明のNCAの異なる特徴は13族原子に結合するアセチレン性官能基の存在である。また13族原子は少なくとも一つフッ素環部分、即ち一つのフッ素化からパーフッ素化までの環に結合する。第一環部分に加え、13族原子は第一環部分と同様な又は異なる環部分である、二つの他の配位子を有し、モノフッ素化物からパーフッ素化物に及ぶフッ素化物であってもよい。フッ素化の最終目的は抜き取る水素の数を低減することである。残存する水素が商業的重合を妨害しないほど少量であるように十分な水素がフッ素と置換される場合配位子は実質的にフッ素化処理されるという。
この実施態様に従って活性剤のカチオン性部分は好ましくはRPnHの形をとり、ここでRはアルキル又はアリール部分を表し、Pnはプニクチド、N、P、又はAsを表し、Hは水素である。適切なRを下記に示す。このリストは発明の範囲を限定しない。カチオン部分を記載のように機能させる任意のRは本発明の範囲内である。しかし、Rはメチル、フェニル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、3‐エチルノニル、イソプロピル、n‐ブチル、シクロヘキシル、ベンジル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリ‐n‐プロピルシリル、トリ‐イソプロピルシリル、メチルエチルヘキシルシリル、ジエチルノニルシリル、トリエチルシリルプロピル、2,2‐ジメチルオクチル、トリエチルシリルエチル、トリ‐n‐プロピルシリルヘキシル、トリ‐イソプロピルシリルオクチル、及びメチルジエチルシリルオクチルを含むが、これらに限定されない。
本発明において用いるために好ましい単座メタロセン触媒によって、分子間及び分子内両方で組成的に及びタクティシティー的に均一でなく、本発明用のポリマーを作るために今までに用いた触媒系より低い結晶化度及びエチレン含有量を有するポリマーを得る。この理論により限定されることを望まないが、記述される添加剤をブレンドすることにより得られる幾つかの好ましい特性は次の概念に由来するものであろうことは注意するに値すると考える。
低い分子量のコポリマーと高い分子量の高いアイソタクチックポリプロピレンをブレンドする場合、溶解度の違いにより部分的に分離し、少ない結晶性のコポリマーを排出することによって二つの材料が部分的に分離する傾向がある。この傾向はTEM及びAFMの使用により説明され、記載される不均一分離として現れる。とても高い結晶性ドメインは低い結晶性の海又は非晶質の海のなかでも島へ分離する。逆もまた真である。とにかく、我々が、本発明のブレンドの場合に判断したことは、我々が、第二ポリマー成分である高い分子量アイソタクチックブレンドポリマーへ第一ポリマー成分の幾つかを分散する場合、引張、硬度、及び柔軟性の特徴に利益がある。このように、若干の可撓性が主となる高い分子量ポリプロピレンに生じ、及びポリマー添加剤を伴う低分子量の若干の構造一体性がポリプロピレンの平均して高い連続的に欠陥のない生成を可能にすることにより維持される。本発明の一実施態様は、これらの低分子量又は高MFRポリマーとして従来より知られたものより低い融解熱を達成する低量のエチレンを含む第二ポリマー成分とブレンドするために有用な柔軟的な第一ポリマー成分を作ることである。我々はこれらの第一ポリマー成分ポリマーが取り込まれるプロピレンのメチル残基の分布においてアタクチックでないと認識する。それらはプロピレンの主たる量がアイソタクチック配向性であるという点において高いアイソタクチックな配列をデザインする。つまり、それらは第二ポリマー成分と接触して結晶化できる。我々は第一ポリマー成分における低い量のコモノマーに起因して、改善された混和性により第二ポリマー成分への第一ポリマー成分の再分布が改善される。第一及び第二ポリマー成分の改善される混和性は第一ポリマー成分における一定限度量のコモノマーに原因する。低いコモノマーの量で、低い融解熱にもかかわらず、アイソタクチック配列において結晶化することのできる結晶化可能第一ポリマー成分を作ることが本発明の一つの実施態様である。第一ポリマー成分を作るという本発明の好ましい実施態様に従って、これらの第一ポリマー成分の多様な融解熱に関するデータを図1に示す。
コポリマーの特性及び分析
伸び及び引張強度
伸び及び引張強度を下記に記載のように測定する。本発明のコポリマーは500%より大きい又は600%より大きい、又は900%より大きい伸びを有する。
本発明のコポリマーは、300psi(2.1MPa)より大きい、又は500psi(3.1MPa)より大きい、又は1000psi(6.9MPa)より大きい引張強度を有する。
引張性及び伸びの特徴をASTM D−790に記載の方法に従って20in/min(51cm/min)で決定する。データを引張伸びによるサンプルの横方向の収縮に対する圧力を補正せずに工学単位で表す。本発明の実施態様の引張特性及び伸びの特徴をダンベル型のサンプルを用いて測定する。サンプルを180℃から200℃にて15分間15トン(133kN)の力で6in x 6in(15cm x 15cm)の寸法のプラークへ圧縮成型する。冷却プラークを除き、試験片をダイとともに除く。サンプルの弾性の評価を
弾性
本発明の実施態様は引張変形後に弾性を有する。弾性力をサンプルの長さにおけるわずかな増加により表し、サンプルの長さのパーセントで表し、一般的な手法ASTM D‐790に従って測定する。引張伸びの間、コポリマーサンプルを延伸し、延伸力を除いた時にポリマーは元の寸法に戻ろうとする。この回復は完全でなく、緩んだサンプルの最終長さが元のサンプルの長さよりわずかに長くなる。弾性はサンプルの長さにおけるわずかな増加によって表し、元の延伸していないサンプルの長さのパーセントで表す。
サンプルの弾性を測定する手順は、試験片の狭い部分であって、伸び及引張強度の測定のために上記方法に従って作製したダンベル型サンプルの変形領域を予延伸することからなり、元の長さの200%まで予延伸する。これを1分当たり10インチ(25cm)の変形速度で行う。元のサンプルの予延伸した試験片である分析用サンプルを作るために同じ速度でそのサンプルを弛緩する。このわずかな配向される又は予延伸されるサンプルを弾性測定の前に、48時間、室温にて弛緩させる。サンプルの変形領域の長さをdとして測定する。48時間後、再度サンプルの変形領域の200%の延伸で1分当たり10インチで変形し、同じ速度で弛緩させる。サンプルを除き、弛緩の10分後サンプルをdとして変形領域の新しい長さを測定する。パーセントとしてサンプルの弾性を100(d‐d)/dとして決定する。
本発明の実施態様は、上記の方法により測定される、30%未満、又は20%未満、又は10%未満、又は8%未満、又は5%未満の弾性を有する。
コポリマーの組成範囲に対する弾性のこれ等の値は500%引張係数により測定する時サンプルの引張強度によって変化する。つまり、コポリマーのこのファミリーの弾性は二つの基準により表され、(a)測定係数(500%引張係数)を伴う500%伸長に対する伸長性及び(b)上記のようにわずかに配向されるサンプル上の伸長から200%伸長までの弾性である。まず、本発明の実施態様のコポリマーは500%伸長(また500%引張係数として知られる)で0.5MPaより大きい、又は0.75MPaより大きい、又は1.0MPaより大きい、又は2.0MPaより大きい測定可能な引張強度を有し、第二に、コポリマーは上記記載の弾性を有する。
別に、500%引張係数と弾性の関係を記載する。図3には、本発明のコポリマーのMPaで表す500%引張係数に対して弾性をグラフ化する。プロットされるデータは本明細書の実施例の表6中のサンプル5から14に相当する。データの線形回帰フィットにより次の関係性を得る。それは、
弾性(%)=0.9348M−1.0625
ここでMはMPaでの500%引張係数。本発明の実施態様においては、MPaでの500%引張係数の関数として弾性を次のように定義する。それは
弾性(%)≦0.935M+12、又は
弾性(%)≦0.935M+6、又は
弾性(%)≦0.935M
である。
曲げ弾性率
本発明の実施態様のコポリマーの柔軟性を曲げ弾性率により測定してよい。曲げ弾性率を0.05in/min(1.3mm/min)のクロスヘッドスピードでIVドッグボーン(dogbone)用いて、ASTM D790に従って測定する。コポリマーの組成範囲に対する曲げ弾性率の値は500%引張係数により測定する時サンプルの引張強度によって変化する。コポリマーのこのファミリーの曲げ弾性率は二つの基準により表され、(a)測定係数(500%引張係数)を伴う500%伸長に対する伸長性及び(b)曲げ弾性率である。
データの単一指数フィットにより次の関係性を得る。
Figure 0005309129
ここでMはMPaでの500%引張係数。本発明の実施態様においては、MPaでの曲げ弾性率をMPaでの500%引張係数の関数として次のように定義する。それは、
Figure 0005309129
である。コポリマーは10000ppm未満又は5000ppm未満又は3000ppm未満又は2000ppm未満又は1000ppm未満又は500ppm未満又は250ppm未満の分子分解剤又は主としてプロピレンポリマーに対するその反応産物を含む。
第二ポリマー成分
第二ポリマー成分、即ちポリプロピレン成分はプロピレンのコポリマー、コポリマーの混合物、又はホモポリマー及びコポリマーの組み合わせである。第二ポリマー成分は特徴を改善又は維持するために通常アイソタクチックポリプロピレンに添加する流動性向上剤、核形成剤及び抗酸化剤のような添加剤も含んでよい。
ある実施態様においては、本発明のポリプロピレンは主に結晶性であり、言い換えると、一般的に約110℃より高い、好ましくは115℃より高い、及びもっとも好ましくは130℃より高い融点をもつ。好ましくは、75J/gより大きい融解熱を有する。
さらなる実施態様においては、ポリプロピレンは組成中にて広く変化してよい。例えば、約10wt.%以下の他のモノマーを含むプロピレンコポリマー、言い換えると少なくとも約90重量%のプロピレンを用いてよい。さらに、ポリプロピレンはグラフト又はブロックコポリマーの形態で存在してよく、グラフト又はブロックコポリマーが約110℃を超え、好ましくは、115℃を超え、及びより好ましくは130℃を超える融点を有する限り、ポリプロピレンのブロックは立体規則性プロピレン配列の特徴である、プロピレン‐エチレンコポリマーと実質的に同じ立体規則性を有することを特徴とする。プロピレンポリマー成分は本明細書に記載のようなホモポリプロピレン及び/又はランダム及び/又はブロックコポリマーの組み合わせでよい。上記プロピレンポリマー成分がランダムコポリマーの場合、コポリマーにおける共重合するアルファ‐オレフィンの割合は一般的に約0.5%から約9重量%、好ましくは、約2%から約8重量%、より好ましくは、約2%から約6重量%である。好ましいアルファ‐オレフィンは2又は4から約12炭素原子を含む。最も好ましいアルファ‐オレフィンはエチレンである。1又は2以上アルファ‐オレフィンはプロピレンで共重合してよい。
アルファ‐オレフィンの例はエチレン、ブテン‐1、ペンテン‐1,2‐メチルペンテン‐1,3‐メチルブテン‐1、ヘキセン‐1,3‐メチルペンテン‐1,4‐メチルペンテン‐1,3,3‐ジメチルブテン‐1、ヘプタン‐1、ヘキセン‐1,3‐メチルヘキセン‐1、ジメチルペンテン‐1、トリメチルブテン‐1、エチルペンテン‐1、オクテン‐1、メチルペンテン‐1、ジメチルヘキセン‐1、トリメチルペンテン‐1、エチルヘキセン‐1、メチルエチルペンテン‐1、ジエチルブテン‐1、プロピルペンタン‐1、デセン‐1、メチルノネン‐1、ノネン‐1、ジメチルオクテン‐1、トリメチルヘプテン‐1、エチルオクテン‐1、メチルエチルブテン‐1、ジエチルヘキセン‐1、ドデセン‐1及びヘキサドデセン‐1からなる群から選択される。
さらなる実施態様においては、任意の又はすべての上記実施態様の文脈における第二ポリマー成分のNFRは200g/10分未満、150g/10分未満、100g/10分未満、75g/10分未満、50g/10分未満、30g/10分未満、20g/10分未満、又は好ましくは、10g/10分未満又は5g/10分未満又は3g/10分未満又は2g/10分未満である。実施態様に記載のブレンドは上記記載の任意のNFR範囲を有してよい。
さらなる実施態様においては、本発明のブレンド組成物は第二ポリマー成分の重量に基づき約1%から約95%を含んでよい。好ましい実施態様によれば、本発明の熱可塑性ポリマーブレンド組成物は第二ポリマー成分の重量に基づき約20%から約70%を含んでよい。最も好ましい実施態様によれば、本発明の熱可塑性ポリマーブレンド組成物は第二ポリマー成分の重量に基づき約25%から約60%を含んでよい。
本発明のこのプロピレンポリマー成分を製造する方法に関して特別の制約は存在しない。しかしながら、一般に、コポリマーは、単一段階又は多段式の反応器中において、プロピレン及び2個又は4〜 約20個の炭素原子を有するアルファ− オレフィン、好ましくはエチレン、を共重合させることによって得ることができる。重合方法は、伝統的チーグラー− ナッタ触媒又は単座メタロセン触媒系を使用する、高圧、スラリー、気体、バルク、又は液相、又はそれらの組合わせを含む。使用される触媒は、高いアイソ特異性( i s o s p e c i f i c i t y) を有するものであるのが好ましい。重合は連続式又はバッチ式の方法で行なうことができ、そして連鎖移動剤、掃去剤、又は使用可能であると認められるその他の添加剤の使用を含むことができる。
本発明の目的にとって望ましいのは、明細書に指定した以上の融点を有しながら低い可能な曲げ弾性率を有する第二ポリマー成分を選ぶことである。これに関して、プロピレンのランダムコポリマー及びエチレンのような別のオレフィンであって、テキサス州ヒューストンのエクソン・ケミカル・カンパニー( E x x o n C h e m i c a l C o m p a n y) によって販売されているEscorene PP 9302のようなオレフィンが好ましい実施態様として考えられる。
本発明のコポリマーブレンドの所望の特徴が得られる作用機序は十分には理解されていない。しかしながら、種々の重合成分における同様な立体規則性であるプロピレン配列間での同時結晶化現象であって、ブレンド成分の結晶化温度における差を狭くする結果となる現象を含むと考えられる。組合せ成分は個々の成分単独の特性の比較に基づいて予想するよりも互いに近いブレンド融点を有する。驚くべきことに、あるブレンド組成物は単一の結晶化温度及び単一の融点を有する。なぜなら、二つの結晶性ポリマーのブレンドが二つの重合成分を反映する二重の結晶化温度や二重の融点を有すると当業者には考えると思われるからである。しかしながら、所望の結晶化の特性を有する均一なブレンドは、プロピレン/エチレンの他の物理的特徴の改変をもたらすようであり、つまり、その商業的利用性及び適用範囲を適度に増加する。
上記考察は一つ及び二つの成分のみを有する場合に本発明の記載を限定しているけれども、当業者が実証するように、本発明のポリマーブレンド組成物は他の添加剤を含んでよい。種々の添加剤が特異的特性を増強するために存在してよく、又は個々の成分の処理の結果として存在してよい。本発明に含まれる添加剤は、例えば難燃剤、抗酸化剤、可塑剤、染料、加硫又は硬化剤、加硫又は硬化促進剤、硬化抑制剤、加工助剤、難燃剤、粘着樹脂及び同類物を含んでよい。これらの化合物は賦形材及び/又は補強材を含んでよい。これらは、カーボンブラック、泥、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、シリカ、ケイ酸塩、それらの組み合わせ及び同類物を含んでよい。特性を増強するために使用しよい他の添加剤は抗ブロック剤、着色剤を含む。潤滑油、離型剤、核形成剤、強化剤、及び充填剤(粒子、繊維、又は粉状を含む)がまた使用される。核形成剤及び充填剤は製品の堅さを改善する傾向がある。本明細書中に記載したリストは、本発明と共に使用可能な全ての添加剤のタイプを包含することを意図するものでない。この開示を読めば、当業者は、組成物の特性を改善するためにその他の添加剤を使用できることを理解するだろう。当業者には理解されるように、本発明のポリマーブレンド組成物は、所望に応じてブレンドの特徴を調整するように改良することができる。
本発明のブレンドは、その成分の均質混合物を保証する任意の方法によって調製することができる。例えば、成分を一緒にカーバー(Carver)プレス上で約0.5mm(20ミル)の厚さ及び約180℃の温度まで溶融プレスし、得られるスラブを巻き、端を一緒にして折り畳み、そしてプレス、巻き、及び折り畳みの操作を約10回繰り返すことによって、成分を一緒にすることができる。溶液又は溶融ブレンド用には密閉式ミキサーが特に有用である。ブラベンダープラストグラフ(Brabender Plastograph)中における約180 ℃から240℃の温度での約1から20分間のブレンドが満足のいくものであることが判明した。成分を混合するために使用することができるさらにもう1つの方法は、ポリマーをバンバリー(Banbury)密閉式ミキサー中で全ての成分のフラックス温度より高い温度で、例えば、180℃で約5分間ブレンドすることを含む。重合成分の完全な混合物は、混合物の成分の分散のモルフォロジーの均一性によって示される。連続混合式も用いてよい。これらの方法は本技術分野においては公知であり、一軸及び二軸スクリュー混合押出し機、低粘度の溶融ポリマー流れを混合するためのスタティックミキサー、インピンジメント( i m p i n g e m e n t) 混合器、並びに、第一ポリマー成分と第二ポリマー成分を均質に接触させて分散させるように設計されたその他の機械及び方法を含む。本発明のポリマーブレンドは、所望の物理的特性の顕著な組合わせを示す。5%のような少ない第二ポリマー成分の他の成分への組込みは、ブレンドの融点を上昇させる。さらに、本発明に従って第二ポリマー成分の組込みは、プロピレン/ エチレンコポリマー単独の粘着特性をほとんど消失させる。
第一ポリマー成分、第二ポリマー成分及び可塑剤のブレンド
さらなる実施態様においては、可塑剤は本発明のすべてのポリマーブレンド組成物に任意に添加してよい。
ある実施態様においては、可塑剤はプロセス油である。適量のプロセス油の添加によりブレンドの粘度及び柔軟性を低くする一方0℃近く又はより下の温度でブレンドの特性を改善する。これらの利点は第一ポリマー成分及び第二ポリマー成分の混合物を含むブレンドのTgの低下により生じると考えられる。考えられる第一ポリマー成分及び第二ポリマー成分のブレンドへの可塑剤添加のさらなる利点は改善される処理可能性及び弾力と引張強度の良いバランスを含む。
一般的にプロセス油はゴム用途におけるエキステンダー油として知られる。プロセス油は(a)基本的に酸素のような微量のヘテロ原子を伴う炭素及び水素原子から構成される炭化水素又は(b)基本的に炭素、水素及びダクチルフタレート(dactyl phthalate)エーテル、及びポリエーテルのような少なくとも一つのヘテロ原子から構成される炭化水素から構成されて良い。プロセス油は200℃にて実質的に不揮発性となる沸点を有する。これらのプロセス油は通常固体又は液体として、又は自由流動性を有する粉末を形成するために不活性担体(例えばクレー、シリカ)上に物理的に吸収されるこれらの材料の混合物として一般的に入手できる。
プロセス油は通常、直鎖、非環式だが分岐した、環状、及び芳香族の炭素質構造からなる多数の化学化合物の混合物を含む。プロセス油のもう一つのファミリーは、特定の低から中程度分子量(分子量(Mn )<10,000)の有機エステル及びアルキルエーテルエステルである。プロセス油の例は、サン・マニュファクチャリング・カンパニー・オブ・マルクス・フック(Sun Manufacturing Company of Marcus Hook)(米国ペンシルベニア州)から販売されるサンパル(Sunpar)(商標)150及び220、及びエルゴン(Ergon)(米国ミシシッピ州39215−1639、ジャクソン、私書箱1639)から販売されるハイプレン(Hyprene)(商標)V750及びハイプレンV1200、及びカルメット・ルブリカンツ社(Calumet Lubricants Co.)(米国ルイジアナ州71067−9172、プリンストン、10234 ハイウェイ157)から販売されるIRM903である。上記の各プロセス油の組み合わせも本発明の実施に使用できると期待される。プロセス油の選択において、均質の単相ブレンドを形成するためにメルト状態の本発明のポリマーブレンド組成物との相容性又は混和性が重要である。
第一ポリマー成分及び第二ポリマー成分を含む混合物へのプロセス油の添加は当業者に公知の一般的手段のいずれかにより行うことができる。これらには、ポリマーの回収前におけるプロセス油の全て又は一部の添加、並びに第一ポリマー成分及び第二ポリマー成分を互いにブレンドするための配合の一部としてのプロセス油の全部又は一部のポリマーへの添加を含む。配合段階はミルのようなバッチミキサー又はバンバリー(Banbury)ミキサーのような密閉式ミキサーで行うことができる。配合操作は二軸スクリュー押出機使用のような連続方法で行ってもよい。
プロピレンジエンゴムとのブレンド類のガラス転移温度を低下させるためあるプロセス油を添加することについてはエルル(Ellul)の米国特許第5,290,886号及び第5,397,832号に記載されている。これらの方法が本発明に容易に適用できる。
更なる実施態様においては、可塑剤は合成アルカン潤滑油である。本発明の合成潤滑油は炭素及び水素からなる化合物であり、水酸化物、アリール、及び置換アリール、ハロゲン、アルコキシ、カルボン酸塩、エステル、不飽和炭素、アクリレート、酸素、窒素、及びカルボキシルから選択される感知できる量で存在する官能基群を含まない。「感知できる量で存在する(appreciable extent)」とは、これらの基を含むこれらの官能基及び化合物が意図的に添加されず、仮に存在してもある実施態様において5重量%未満であることを意味する。ある実施態様においては、CからC200パラフィンを含み、別の実施態様においては、CからC100パラフィンを含む。別の実施態様においては、基本的にCからC200パラフィンから構成され、別の実施態様においては、基本的にCからC100パラフィンから構成される。本発明及び本明細書の記載の目的のために、用語「パラフィン」はn‐パラフィン、分岐パラフィン、イソパラフィンのようなすべての異性体を含み、周知技術の方法による合成由来でもよく、又は本明細書記載の要求にあう方法での原油精製由来でもよい。所望の特性を得るために、本明細書に記載される有用な種類の材料を単独で又は混合して用いることができる。
さらに本発明は一以上のポリオレフィン及び一以上の官能基を含まない(non‐functionalized)可塑剤を含む可塑化ポリオレフィン組成物に関し、ここで官能基を含まない可塑剤は、100℃で2cSt以下の動粘性率(「KV」)、好ましくは、1.5cSt以下、好ましくは、1.0cSt以下、好ましくは、0.5cSt以下(ASTM D445による測定)の動粘性率を有することを特徴とする。別の実施態様においては、100℃で2cSt以下のKVを有する可塑剤はまたASTM E‐1356により測定できないガラス転移温度(Tg)又はもし測定できても、ASTM E‐1356に従ってTgは30℃未満、好ましくは20℃未満、より好ましくは10℃未満、より好ましくは0℃未満、より好ましくは−5℃未満、より好ましくは−10℃未満、より好ましくは−15℃未満である。
適切なイソパラフィンは例えば、米国特許第6197285号、米国特許第3818105号及び米国特許第3439088号で記載され製品名ISOPAR(テキサス州ヒューストンのエクソンモービルケミカル社)として購入できる。イソパラフィンのISOPARシリーズとして商業的に販売されているのはISOPAR E、ISOPAR G、ISOPAR H、ISOPAR K、ISOPAR L、ISOPAR M及びISOPAR Vである。
また、他の適当なイソパラフィンは製品名SHELLSOL(Shell)、SOLTROL(Chevron Phillips)及びSASOL(Sasol Limited)として購入できる。SHELLSOLはロイヤルダッチ/シェルカンパニーグル―プの製品である。SOLTROLはシェブロンフィリップスケミカル社の製品であり例えばSOLTROL 220(沸点=233℃‐280℃)である。SASOLはサソール社(ヨハネスブルグ、南アフリカ)の製品であり、例えば、SASOL LPA‐210、SASOL‐47(沸点=238℃‐274℃)である。
適切なn‐パラフィンは製品名NORPAR(テキサス州ヒューストンのエクソンモービルケミカル社)として購入でき、n‐パラフィンのNORPARシリーズとして商業的に販売ものをされ、そのいくつかを下記表にまとめる。
適切な脱芳香族化脂肪族炭化水素は製品名EXXSOL(テキサス州ヒューストンのエクソンモービルケミカル社)として購入でき、脱芳香族化脂肪族炭化水素のEXXSOLシリーズとして商業的に販売されている。
さらなる実施態様においては、可塑剤はアタクチックポリプロピレンを含むポリアルファオレフィンである。ポリアルファオレフィン(PAO)は、3から14炭素原子、好ましくは8から12炭素原子、より好ましくは10炭素原子を有し、10以上(ASTM D‐445による測定)の動粘性率を有し、及び好ましくはASTM D‐2270により測定する場合、100以上、好ましくは110以上、より好ましくは120以上、より好ましくは130以上、より好ましくは140以上の粘度指数(viscosity index)(「VI」)を有し、及び/又は−5℃以下(ASTM D‐97による測定)の流動点、より好ましくは−10℃以下、より好ましくは−20℃以下の流動点を有する直鎖オレフィンのオリゴマーを含む。所望のPAOは例えば米国特許第5,171,908号と米国特許第5,783,531号及びSYNTHETIC LUBRICANTS AND HIGH PERFORMANCE FUNCTIONAL FLUIDS 1−52(Leslie R. Rudnick & Ronald L. Shubkin, ed. Marcel Dekker, Inc. 1999)に特に記載される。本発明に有用なPAOは、一般的にある実施態様においては、100から21,000の数平均分子量、及び別の実施態様においては、200から10,000、及び別の実施態様においては、200から7,000、及び別の実施態様においては、200から2,000、及び別の実施態様においては、200から500の数平均分子量を有する。好ましいPAOは100℃で0.1から150cStの範囲の粘度及び別の実施態様において(ASTM D‐445)100℃で0.1から3000cStの範囲の粘度を有する。一般的に本発明に有用なPAOはある実施態様において0℃未満の流動点を有し、別の実施態様において−10℃未満、及び別の実施態様において−20℃未満、及び別の実施態様において−40℃未満を有する。所望のPAOはSHF及びSuperSyn PAO(テキサス州ヒューストンのエクソンモービルケミカル社)として商業的に購入でき、それらのいくつかは、SHF‐200、SHF‐210、SHF‐ 230、SHF‐410、SHF− 61/630、SHF‐82/830、 SHF‐1010、SHF‐403、SHF‐100、SuperSyn 215、SuperSyn 230、SuperSyn 210、SuperSyn 230である。
他の有用なPAOはシェブロンフィリップス化学会社(ChevronPhillips Chemical Company)(テキサス州、パサデナ)から商品名Synfluid(商標)で販売されているもの、BP Amoco Chemicals(ロンドン 英国)からDurasyn(商標)で販売されているもの、Fortum Oil and Gas(フィンランド)からNexbase(商標)で販売されているもの、Crompton Corporation(コネチカット州、ミドルベリー 米国)からSynton(商標)で販売されているもの及びCognis Corporation(オハイオ州、米国)からEMERY(商標)で販売されているものを含む。
有用なポリブテンの商品の例はPARAPOL(商標)450、700、950、1300、2400及び2500のようなプロセス油(インフィニアム,リンデン、ニュージャージー)のシリーズであるPARAPOL(商標)及び下記に記載するようなC9945、C9900、C9907、C9913、C9922、C9925を含むポリブテンのインフィニアム(Infineum)「C」シリーズを含む。商業的に入手可能なPARAPOL(商標)及びポリブテンプロセス油のインフィニアムシリーズは合成ポリブテン液、各製剤ごとに特定の分子量を有し、すべての製剤は本発明の組成物に用いてよい。ゲル浸透クロマトグラフィーで測定する場合PARAPOL(商標)油の分子量は420Mn(PARAPOL(商標)450)から2700Mn(PARAPOL(商標)2500)である。PARAPOL(商標)油のMWDはある実施態様において1.8から3の範囲であり、別の実施態様において2から2.8の範囲であり、これらのポリブテンの流動点はある実施態様において25℃未満であり、別の実施態様において0℃未満、及び別の実施態様において−10℃未満、及び別の実施態様において−80℃と25℃の間であり、密度(IP 190/86 20℃)はある実施態様において0.79から0.92g/cmまでの範囲であり、別の実施態様において0.81から0.90g/cmまでの範囲である。
別の実施態様においては、可塑剤は高いTgの可塑剤を有してよい。高いTgの可塑剤の使用はそのような方法において温度変化に応じてブレンドの特性に顕著な影響を与え、その結果、低いTgの成分を可塑剤として用いる場合のゴム状の感触を有するブレンドの形態と対照的に特徴的な革状の感触を有するブレンドが室温で可能となる。
本発明のこの実施態様の可塑剤はポリマーとの混合性を有するものが選択される。次の基準を満たす場合、樹脂は混和性である。示差走査熱量計(DSC)実験において、ポリマー及びプロセス油のような他の成分を含むポリマー組成物は20℃と−50℃の間に一つのガラス転移温度(T1)示し、相当するポリマーブレンドでポリマー組成物に炭化水素樹脂を添加したものもまた一つのガラス転移温度(T2)示し、T2はT1より少なくとも1℃高い。本発明の樹脂は好ましくはDSCの測定の場合20℃より高いガラス転移温度を有する。
本発明の実施態様に用いる樹脂は180℃、150℃、又は140℃の上限から80℃、120℃、または125℃の下限を有する範囲内の軟化点を有する。軟化点(℃)はASTM E‐28(1996改定)に従って環球式軟化点(ring and ball softening point)として測定される。
樹脂は組成物の全重量に基づいて1重量%、5重量%、又は10重量%の下限から組成物の全重量に基づいて30重量%、25重量%、20重量%、18重量%、又は15重量%の上限の範囲の量で本発明のブレンド組成物に存在する。
天然及び合成の樹脂の多様なタイプは、それらが本明細書に記載する混和性基準を満たすならば、単独又はお互いに混合して本明細書に記載の組成物を調製するのに用いてよい。適切な樹脂は天然ロジン及びロジンエステル、水素化ロジン及び水素化ロジンエステル、クマロン‐インデン樹脂、石油樹脂、ポリテルペン樹脂及びテルペン‐フェーノール樹脂を含むが、これらに限定されない。適切な石油樹脂の具体的な例は脂肪族炭化水素樹脂、水素化脂肪族炭化水素樹脂、脂肪族及び芳香族混合炭化水素樹脂、水素化脂肪族及び芳香族混合炭化水素樹脂、脂環式炭化水素樹脂、水素化脂環式樹脂、脂環式及び芳香族混合炭化水素樹脂、水素化脂環式及び芳香族混合炭化水素樹脂、芳香族炭化水素樹脂、置換芳香族炭化水素、及び水素化芳香族炭化水素樹脂を含むが、これらに限定されない。本明細書にて用いる「水素化(hydrogenated)」は完全に、実質的に、及び少なくとも部分的に水素化される樹脂をいう。適切な芳香族樹脂は芳香族修飾化脂肪族樹脂、芳香族修飾化脂環式樹脂、及び水素化芳香族炭化水素樹脂を含む。樹脂の特性を増強するために任意の上記樹脂は不飽和エステル又は無水物とグラフトしてよい。グラフト樹脂及びそれらの製造の例はPCT出願 PCT/EP02/10794、PCT/EP02/10795、PCT/EP02/10796及びPCT/EP02/10686に記載され、それらは米国の目的のために引用により本明細書に完全に取り込まれる。樹脂のさらなる記載については、技術的な文献例えば、Hydrocarbon Resins, Kirk‐Othmer, Encyclopedia of Chemical Technology, 4th Ed.13巻、717‐743ページ (J. Wiley & Sons, 1995)を参照されたい。
水素化石油樹脂は通常、熱重合蒸気分解石油蒸留分画、特に20℃と280℃の間の沸点を有する分画を触媒的に水素化することにより調製される。通常これらの分画はシクロジエン、シクロアルケン、及びインデンのような、分子内に一以上の不飽和環式環を有する化合物である。また、不飽和炭化水素の触媒重合により生産される樹脂を水素化することは可能である。水素化させる前に、通常重合樹脂をヘプタンのような飽和炭化水素溶剤に溶解する。用いてよい水素化触媒はニッケル、還元ニッケル、又は硫化モリブデンを含む。水素化は200℃から330℃の温度で、20.26から121.56バール(20から120気圧)で、5から7時間の間単一段階で生じる。触媒をフィルター除去後、溶剤を蒸留により除き、再利用として回収する。高品質の水素化炭化水素樹脂の収量を増加するに至る改良水素化方法はEP0 082 726に記載される。
本明細書に記載の使用に有用な樹脂はエクソンモービルケミカル社から入手できるEMPR 100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、116、117、と118樹脂、及びOPPERA(商標)樹脂、及びEMFR樹脂、日本のアラカワケミカル社(Arakawa Chemical Company)から入手できるARKON(商標)P140、P125、Pl15、Ml15とMl35及びSUPER ESTER(商標)、アリゾナケミカル社(Arizona Chemical Company)から入手可能な、SYLVARES(商標)ポリテルペン樹脂、スチレン化テルペン樹脂及びテルペンフェノール樹脂、アリゾナケミカル社(Arizona Chemical Company)から入手可能な、SYLVATAC(商標)及びSYLVALITE(商標)ロジンエステル、フランスのクレイ バレイ(Cray Valley)から入手可能なNORSOLENE(商標)脂肪族芳香族樹脂、フランスのDRTケミカル社から入手可能なDERTOPHENE(商標)テルペンフェノール樹脂及びDERCOLYTE(商標)ポリテルペン樹脂、テネシー州キングスポートのイーストマンケミカル社(Eastman Chemical Company)から入手可能なEASTOTAC(商標)樹脂、PICCOTAC(商標)樹脂、REGALITE(商標)及びREGALREZ(商標)水素化脂環式/芳香族樹脂、グッドイヤー社 (Goodyear Chemical Company)から入手可能なWINGTACK(商標)樹脂、ヘラクレス(Hercules) (現在イーストマンケミカル社(Eastman Chemical Company))から入手可能なPICCOLYTE(商標)及びPERMALYN(商標)ポリテルペン樹脂、ロジン、及びロジンエステル、ネビルケミカル社(Neville Chemical Company)から入手可能なクマロン/インデン樹脂、日本のニッポンゼオン(Nippon Zeon)から入手可能なQUINTONE(商標)酸修飾C樹脂、C/C樹脂、及び酸修飾化C/C樹脂、ヤスハラから入手可能なCLEARON(商標)水素化テルペン樹脂を含む。先の例は単なる説明であり、これらに限定する意味ではない。
ある実施態様において、炭化水素樹脂は数平均分子量(Mn)は上限が5000、又は2000、又は1000及び下限が200、又は400、又は500の範囲内であり、重量平均分子量(Mw)は500〜5000の範囲であり、Z平均分子量(Mz)は500〜10,000の範囲であり、及び多分散性(PD)はMw/Mnにより測定して、1.5〜3.5であり、ここでMn、Mw及びMzはサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により測定する。他の実施態様において、炭化水素樹脂はポリマーよりも低分子量である。
可塑剤及び他の成分を含むブレンドは、その成分の均質混合物を保証する任意の方法によって調製することができる。例えば、成分を一緒にカーバー(Carver)プレス上で約0.5mm(20ミル)の厚さ及び約180℃の温度まで溶融プレスし、得られるスラブを巻き、端を一緒にして折り畳み、そしてプレス、巻き、及び折り畳みの操作を約10回繰り返すことによって、成分を一緒にすることができる。溶液又は溶融ブレンド用には密閉式ミキサーが特に有用である。ブラベンダープラストグラフ(Brabender Plastograph)中における約180℃から240℃の温度での約1から20分間のブレンドが満足のいくものであることが判明した。成分を混合するために使用することができるさらにもう1つの方法は、ポリマーをバンバリー(Banbury)密閉式ミキサー中で全ての成分のフラックス温度より高い温度で、例えば、180℃で約5分間ブレンドすることを含む。重合成分の完全な混合物は、混合物の成分の分散のモルフォロジーの均一性によって示される。連続混合式も用いてよい。これらの方法は本技術分野においては公知であり、一軸及び二軸スクリュー混合押出し機、低粘度の溶融ポリマー流れを混合するためのスタティックミキサー、インピンジメント( i m p i n g e m e n t)混合器、並びに、第一ポリマー成分と第二ポリマー成分を均質に接触させて分散させるように設計されたその他の機械及び方法を含む。本発明のポリマーブレンドは、所望の物理的特性の顕著な組合わせを示す。5%のような少ない第二ポリマー成分の他の成分への組込みは、ブレンドの融点を上昇させる。さらに、本発明における第二ポリマー成分の組込みは、プロピレン/エチレンコポリマー単独の粘着特性をほとんど消失させる。
ある好ましい実施態様は、105℃未満のDSCによるピーク融点を伴い、約4wt.%から約35wt.%エチレン(第一ポリマー成分のwt.%)を有し、15J/g未満の融解熱を有する第一ポリマー成分を、約0.5wt.%から約9wt.%エチレン(第二ポリマー成分のwt.%)を有し、15g/分未満のMFRを有する第二ポリマー成分とブレンドすることである。第一及び第二ポリマー成分両者は、結晶化できるのに十分な長さのアイソタクチックプロピレン配列を有する。また、これらのブレンドは、プロセス油がブレンドの20wt.%未満で存在する場合、プロセス油を含んでよい。
上記二つの実施態様の好ましいブレンドは25wt.%から35wt.%の第一ポリマー成分及び30wt.%から50wt.%の第二ポリマー成分及び残部であるプロセス油を含む。
別の好ましい実施態様によると熱可塑性ポリマーブレンド、即ち、上記記載の第二ポリマー成分はアイソタクチックポリプロピレン、反応器コポリマー又はインパクトコポリマーから選択され、ブレンド総重量の重量に基づき約1%から95%、及びより好ましくはブレンド総重量の重量に基づき2%から70%で存在する。
更なる好ましい実施態様によれば、本発明は熱可塑性ポリマーブレンド組成物の調製方法に関する。その方法は
(a)キラルメタロセン触媒存在下エチレン及びプロピレンの混合物を重合し、それによりプロピレン及びエチレンのコポリマーが約65重量%より大きいプロピレン及び約80重量%より大きいプロピレンを有し、アイソタクチック的に結晶化できるプロピレン配列を有し、500g/10分より大きいMFRを有するコポリマーを生成し、
(b)プロピレン及びエチレン又はC‐C20アルファ‐オレフィンから選択させる一以上のモノマーの混合物を重合触媒存在下重合し、それにより、約91重量%から99.5重量%の重合プロピレンを含み100℃より高いDSCによる融点をもち、50g/10分未満のMFRを有する実質的にアイソタクチックプロピレンポリマーを生成し、得られ、
(c)任意の量の可塑剤存在下ブレンドを形成するために(a)段階のプロピレンポリマーを(b)段階のコポリマーとブレンドすること
を含む。
別の好ましい実施態様によれば、可塑剤は、プロピレンの非晶質ポリマーまたはプロピレンの及び他のアルファオレフィンのコポリマーであり、アタクティック及び非晶質のコポリマーの生産を可能にする重合プロセスへの第二触媒の添加により第一ポリマー成分と同時に形成される。
別の実施態様においては、本発明は異なる結晶化度の領域からなる相モルフォロジーを有する上記記載の成分のブレンドの形成に関する。これらの領域は大変小さい。分散相の領域は5μm未満の平均最大軸を伴って小さい。
本発明の利益は固いけれども柔軟性があり容易に加工できる性質を同時に有する組成物の形成である。これは図1の図表から示される。周知の組成物において、結晶度、流動性、及び分子量(Mzにて表す)は組成物の特性に直交的に影響する。本発明において分子量及び成分の結晶化度の選択はこれらの外見上相反する特性の組み合わせを有する材料をもたらす。
無機充填剤
本発明の実施態様は、無機粒子充填剤を含んでよい。無機粒子充填剤は本発明の化合物の機械的及び摩耗特性を改善する。典型的に40wt.%未満、より好ましくは30%未満の無機粒子充填剤がこれらの製剤に用いる。無機粒子充填剤は直径1mm未満の粒子、長さ1cm未満の棒、表面積において0.2sq.cm.未満のプレートを含む。無機粒子充填剤の例はカーボンブラック、クレー、チタニウム、及び酸化マンガン及びシリカを含む。さらに、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、重質炭酸カルシウム、及び酸化マグネシウムのような他の無機粒子充填剤も用いてよい。棒状の充填剤の例はグラスファイバーである。プレート状の充填剤の例は雲母である。通常ナノコンポジットと呼ばれる非常に小さい粒子充填剤の添加も本発明に含まれる。
好ましい実施態様においては、本発明によるブレンド組成物は1重量%以上の粒子充填剤、好ましくは2重量%以上、より好ましくは3重量%以上、最も好ましくは4重量%以上の粒子充填剤を含む
一般的に本発明の組成物は40重量%以下の粒子充填剤、好ましくは35重量%以下、より好ましくは30重量%以下、最も好ましくは25重量%以下の粒子充填剤を含む。
充填剤の添加は本発明の化合物の特性を変える。特に、無機充填剤を有する化合物は熱安定性及び摩擦耐性が改善される。さらに白色充填剤の添加は日光暴露における炭化水素ポリマーの温度変化を改善する。しかしながら、特定のレベルを超える充填剤の添加は顕著な粘度上昇及び相応するプロセス可能性の減少をもたらす。この閾値は浸透の閾値、即ち浸透限界である。粘度のmの増加に加え、浸透限界も弾性の特性の改善をもたらし、わずかに高いレベルの充填剤で上記浸透限界ブレンドの弾性の回復が落ちる。浸透限界は用いる充填剤のタイプ次第による充填剤の異なる添加レベルで決まる。充填剤の任意のファミリー(例えば、カーボンブラック)を用いると浸透限界は小さいサイズを有する充填剤の場合の方が大きさサイズの充填剤の場合より低いレベルとなる。本発明のブレンドの配合が浸透限界よりわずかに低い充填剤レベルになるようにすることは重要であり、その結果、充填剤添加の有益な特性が維持される一方、浸透限界を超える充填剤添加によるプロセス可能性への影響及びブレンドの弾性へ影響が回避される。本発明の実施態様において、我々は実施例にて浸透限界のデータ及び多様な通常用いる充填剤の粘度上昇を示す。
これまで、容易に成形でき、柔軟性がある一方同時に高い引張、伸び及び引裂き強度及びよい良好な成形性を有する炭化水素重合組成物の創製は困難であった。成形性の容易性は低い粘度、高い結晶化温度及び高い結晶化速度に依存する。引張強度は大量の組成物へ強さと硬度を与える大量の結晶化原料の存在に依存する。柔軟性は低いレベルの結晶化度及び非晶質材料の主分画の存在に依存する。伸び及び引裂き強度の高いレベルの共通性は大量の高い分子量であるがしかし非晶質である材料の存在に依存する。下記の表において、本発明の異なるいくつかの実施態様を表す物理的特性(上記に示してきた)を示す。
Figure 0005309129
低分子量結晶化可能ポリプロピレン及び高い分子量の実質的にアイソタクチックなPPの選択は、増強された成形性、増強された引張強度、並びに柔軟性及び異例の量の引張り伸長と引裂き強度の組み合わせを有するブレンド組成物をもたらす。この選択の好ましい実施態様においては、プロセス油の上記ブレンドへの添加は引張及び引裂きのような特性にほんのわずかな影響しか与えない一方、ポリマー組成物の柔軟性及び増強する流動性をもたらす。
本発明のブレンドは、周知の方法により射出成形物、シート、キャスト及びインフレーション膜、及び回転成形又はスラッシュ成形製品へ製造される。
ある実施態様及び特徴は数値上限値のセット及び数値下限値のセットを用いて記載される。他に特に示さない限り、任意の下限値から任意の上限値の範囲は含まれると評価すべきである。ある下限値、上限値、及び範囲は一以上の下記特許請求の範囲に記載される。すべての数値は「約」又は「およそ」で示される値であり、当業者が予想する実験誤差及び変化量を考慮する。
種々の用語は上記に定義されてきた。特許請求の範囲で用いる用語の範囲は上記に限定されない限り、当業者が少なくとも一つの公報又は発行された特許に示されるようにその用語を与えた最も広い定義を与えるべきである。さらに、この出願に引用されるすべての特許、試験方法、及び優先権書類を含む他の書類は、援用によるとりこみが許可されるすべての法域においてそのような開示が本出願と矛盾しない範囲で、引用により完全にとりこまれる。
前述は本発明の実施態様に関するが、本明細書に記載されない他の及び本発明のさらなる実施態様はその基本的な範囲及び後の特許請求の範囲により決定される範囲を逸脱しない限り、すべて本発明に取り込まれる。
実験方法
発明組成物:サンプル調製:パッド及びパーツ
圧縮成型:約90gのサンプルを400degFで温められたマイラーの二つのシートの間で8″x8″x125/1000″の厚さの金属フレーム内においた。サンプルを15分間予熱し、それから3分間15,000psiでプレスする。サンプルをはずし、4分間23℃で2000から5000psiの圧で乾燥する。
サンプルが下記試験にて説明するように配列試験のサンプルをダイと共に除く前にパッドを除去し制御される温度及び湿度条件(50%相対湿度、室温)下48時間置いておく。
MFR:メルトフローレートを230℃でASTM D‐1238‐04Cに従って決定した。これはg/10分として報告する。
曲げ弾性率:曲げ弾性率は1%セカント(secant)をASTM D‐790‐0310618‐05に従って決定した。これはpsiとして報告する。
ブルックフィールド(Brookfield)粘度(溶融粘度ともいう)を190℃でBrookfield Thermosel viscometerを用いてASTM D‐3236に従って測定した。これはcpsとして報告する。
DSC Tc、Tm、デルタHf、結晶化半減期t 1/2 、%結晶化度:℃でのピーク融点(Tm)、融解熱(J/gでのデルタHf)、及び℃でのピーク結晶化点(Tc)を次の方法にて決定した。示差走査熱量計(DSC)データをTA Instruments モデル2920装置を用いて得た。約7‐10mgの重さのサンプルを成形しアルミニウムサンプル皿に密閉した。室温(21℃から25℃)で48時間後サンプルを分析した。DSCデータを−50℃に最初にサンプルを冷却し、それから次第にサンプルを10℃/分の速度で200℃まで加熱することにより記録した。この操作順序は第一加熱サイクルである。サンプルを5分間200℃で維持した後に10℃/分で−50℃にして冷却サイクルを行った。これは第二冷却サイクルである。サンプルを10℃/分で200℃まで再度加熱した。これは第二加熱サイクルである。第二加熱サイクルからピーク融点及び溶融熱を得た。第二冷却サイクルからこのピーク結晶化点を決定した。結晶化半減期t1/2、をサンプルを200℃で10分間維持することにより決定し、その後冷却ランプを148℃になるまで150℃/分適用し、続いて等温結晶化温度、Tx、(例えば、128℃)まで40℃/分で第二冷却ランプを行った。サンプルを45分間又は結晶化が完成するまでTxで維持した。t1/2は等温結晶化の間記録される総熱流量の50%を放出するのに必要な時間である。プロピレンポリマーの%結晶化度(X%)を次の式を用いて計算する。:[曲線下面積(J/g表示)/189J/g]100
引き裂き抵抗:引き裂き抵抗をTest ASTM D‐624に従ってダイC引裂き(Die C tear)として測定し、lb force/inのピーク力として報告する。
表面粘性を24時間室温でアニーリング後右人差し指で成形組成物を触ることにより測定する。非粘着性サンプルはすぐに指に吸着しない、又はサンプル表面が指を離すことにより視覚的な印がつかない、又は膨張しないものである。
引張強度及び応力歪み値。試験した本発明組成物のサンプルをグリップの分離を20インチ/分で行ったのを除いてASTM D‐638に従って試験した。グリップの伸長、つまりサンプルを試験装置に装着する伸縮計を用いて独立的に決定した。引張強度データをpsiとして報告し、伸長を伸縮計の開口部間でのサンプルの一部であるサンプルの膨張領域の%伸びとして報告する。
ヤング率は実験の原点においての引張り伸びの傾きにより決定する。引張り伸びデータを上記のようにASTM D‐638の方法に従って得て、ヤング率を計算し、インストロン伸縮計用のソフトウェアにより表示する。
第一ポリマー成分の組成:Wt%エチレン
ポリマーにおけるエチレン含有量を次のように測定できる。この方法は5wt.%と40wt.%エチレンの間でのエチレン含有量を測定するために設計される。薄い均一なフィルムをASTM D‐3900のサブメソッドAに従って圧縮した。それをパーキンエルマースペクトラム2000赤外分光光度計に取り付けた。全スペクトルを次のパラメータを用いて記録する。それは分解度:4.0cm‐1、スペクトル範囲:4500から450cm‐1である。エチレン含有量を732cm‐1(C3/C2=AR)でのエチレンバンド面積に対する1155cm‐1でのプロピレンバンド面積の比率をとることにより決定し、これに次の式を適用する。
エチレンwt.%=82.585−111.987X+30.045X、式中、Xは1155cm‐1におけるピーク高さと722cm‐1又は732cm‐1におけるピーク高さのうちいずれか高い方の比率である。
第一ポリマー成分の組成:エチレン又はプロピレン以外のwt.%アルファ‐オレフィン
プロピレン/ヘキセンコポリマーにおけるヘキセン含有量の決定のためのCNMR法はMacromol. Cem. Phys., 201, 401, (2000)に記載される。方法は溶剤(テトラクロロエタン‐d2)に溶解しているポリマーサンプルにおけるCNMRスペクトルを収集すること及びスペクトルの強度を積分することである。ヘキセンのモルパーセントをヘキセンのモル数対サンプル中のすべてのモノマーのモル数に相当するピーク積分の比率により決定する。
第一ポリマー成分の分子量:GPCによる
分子量(重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn))は、示差屈折率検出器(DRI)、オンライン低角度光散乱検出器(LALLS)及び粘度計(VIS)を備えたウォーターズ150サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)をもちいて決定する。検出器の校正の詳細はT, Sun,P. Brant, R.R. Chance、及びW.W. Graessley、Macromolecules、34巻、19号、6812−6820(2001)に記載されており、成分の手短な説明を下記に添付する。
3本のPolymer Laboratories社のPLge110mm Mixed−B カラム使用、名目流速0.5cm/分、名目の注入容量300μLでのSEC試験は両検出器の構成に共通する。種々の移送ライン、カラム及び示差屈折計(DRI検出器、主に溶出液濃度を測定するために使用)が135℃に維持されたオーブンの中に納められていた。LALLS検出器はモデル2040二角度光散乱光度計(Precision Detector Inc.)である。SECオーブンに位置するそのフローセルは690nmダイオードレーザー光源を用い、15℃及び90℃における二つの角度で散乱する光を集める。15℃の出力のみこれらの実験に用いた。そのシグナルを16/秒の速度で読み込みを蓄積するデータ収集ボード(National Instruments)に送る。最も低い4つの読み込み値を平均し、それからこれに比例するシグナルをSEC‐LALLS‐VISコンピュータへ送る。LALLS検出器はSECカラムの後であって粘度計の前に設置される。
粘度計は高温モデル150R(Viscotek社)である。それは、4本の毛細管が2個の変換器を有するホイートストンブリッジ配列に並べられている。1個の変換器は検出器全体での総圧損を測定し、他方は、ブリッジの2辺の間に配置され、差圧を測定する。粘度計を流れる溶液に対する固有の粘度は、その結果から計算される。粘度計はSECオーブンの傍にあり、LALLS検出器の後であってDRI検出器の前に設置される。
SEC試験の溶媒を1,2,4-トリクロロベンゼン(TCB)(Aldrich試薬グレード)の4Lボトルに抗酸化剤として6gのブチル化されたヒドロキシトルエン(BHT)を添加して調製した。このTCB混合液を0.7μmのガラスプレフィルターを通して濾過し、続いて0.1μテフロンフィルターを通して濾過した。追加的にオンライン0.7μmグラスプレフィルター/0.22μmテフロンフィルター組み立て部が高圧ポンプ及びSECカラムの間に存在した。TCBはその後、SECに入る前にオンライン脱気装置(Phenomenex、モデルDG−4000)で脱気された。
ポリマー溶液を乾燥したポリマーをガラス容器へ入れ、所望量のTCBを加え、その後約2時間継続的に撹拌しながら混合液を160℃に加熱することにより調製した。全量を重量測定した。ポリマー濃度を質量/容量で表すために用いられるTCB密度は室温で1.463g/mlであり、135℃で1.324g/mlである。注入濃度は1.0から2.0mg/mlの範囲にあり、低い濃度を高い分子量をもつサンプルに使用した。
各サンプルの測定前に、DRI検出器及びインジェクターを洗浄した。機器内での流速をその後、0.5ml/分へ上昇し、DRIを最初のサンプルを注入する前に8‐9時間安定化した。アルゴンイオンレーザーを20‐30分間待機モードのレーザーを作動し、光制御モードの出力に切り替えることによって、サンプル測定前に1から1.5時間稼動した。
分岐指数(branching index)をオンライン粘度計(SEC‐VIS)を有するSECを用いて測定し、SECトレースにおける各分子量についてg´として報告する。分岐指数g´は次のように定義される。ここでηは分岐ポリマーの固有粘度及びηは分岐ポリマーと同じ粘度‐平均分子量(M)の直鎖ポリマーの固有粘度である。
Figure 0005309129
K及びαは直鎖ポリマーの測定値及び分岐指数測定に用いたものと同様のSEC‐DRI‐LIS‐VIS装置から得られるべきである。本発明に存在するポリプロピレンサンプルについてK=0.0002288及びα=0.705を用いた。固有粘度及び分子量を狭い分散ポリマーをほぼ間違いなく含む個々の溶出体積で測定するのでSEC‐DRI‐LIS‐VIS法は多分散性の修正の必要性をあらかじめ避けられる。比較用標準として選択される直鎖ポリマーは同じ粘度平均分子量及びコモノマー含有量のポリマーであるべきである。C2からC10モノマーを含むポリマーに対する直鎖の特徴をRandall (Rev. Macromol. Chem. Phys., C29 (2&3)、ページ285−297)の方法の炭素13NMRにより確認する。
ポリマー成分
第一ポリマー成分
第一ポリマー成分を低分子量の、結晶化度の多様な割合を有するプロピレン優勢ポリマーの一態様として得た。
成分F.1(比較のみ)同様な高分子ポリマーの熱分解によりこれらのポリマーを調製するための一方法はU.S. Patent 6,747,114に記載され、引用により本明細書に完全に含まれる。この合成において、テキサス州ヒューストンのエクソンモービルケミカル社から入手の2000gのVistamaxx6200をAkzo Nobelから入手の20.05gのLupersol 101[2、5‐ビス(テトラ‐ブチルパーオキシ)‐2,5‐ジメチル‐ヘキサン(2,5‐bis(tert‐butylperoxy)-2,5‐dimethyl‐hexane)] とよく混合し、50のL/Dを伴う500mmの二軸スクリュー押出機を通して押し出した。2軸スクリュー押出機は6の熱セクションに分かれ、それぞれ250℃で維持された。2軸スクリュー押出機を65rpmに維持し、Vistamaxx6200及び過酸化物の混合物は約17g/分で測定された。押出機の平均滞留時間を約120秒とし、過酸化物の分解寿命速度(degradation lifetime kinetics)に基づいてこの時間量は実験温度でポリマー中にまだ存在する過酸化物の最小量に至ると考えられた。この反応の生産物である、成分F.1をシリコーン裏打ち紙容器に集め、冷却させた後にさらなる評価のために小さい断片に分離した。
成分F.2(発明)すべての重合を混合メタロセン触媒系を用いて、液体充填、単一段階連続反応器にて実施した。反応器は0.5‐リットルステンレス製オートクレーブ反応器であり、スターラー、温度コントローラーを伴う水冷却/蒸気加熱装置、及び圧コントローラーを備えた。溶剤、プロピレン及びコモノマー(ヘキセンのような)を3‐カラム精製システムを通じてまず精製した。オキシクリア(Oxiclear)カラム(モデル#RGP‐Rl‐500 Labclear製)から構成される精製システムは5A及び3A分子ふるいカラムを伴った。重合の低い活性の結果が得られる度に精製カラムを定期的に再生した。3A及び5A分子ふるいカラム両者をそれぞれ260℃及び315℃の設定温度にて窒素下で工場内で再生した。分子ふるい原料をアルドリッチ(Aldrich)から入手した。オキシクリア(Oxiclear)カラムをその購入先の工場で再生した。連結管を通して反応器へ送る前に、精製溶剤及びモノマーを冷却により約−15℃まで冷却した。溶剤及びモノマーを連結管の中で混合し、単一管を通して反応器へ送った。すべての液体の流速をブルックフィールド質流量計(Brookfield mass flow meters)又はマイクロ‐モーション コリオリ型流量計(Micro‐Motion Coriolis‐type flow meters)を用いて測定した。
触媒をAlbemarleからrac‐ジメチルシリルビスインデニル ハフニウム ジメチル(rac‐dimethylsilylbisindenyl hafnium dimethyl)(Ml) を入手し、トルエン中にてモル比で約1:1でAlbemarleから入手のN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(N,N-dimethylanilinium tetrakis (pentafluorophenyl) borate(D4)又はN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ヘプタフルオロナフチル)ボレート(N,N‐dimethylanilinium tetrakis(heptafluoronaphthyl) borate)(D9)で予め活性化した。触媒溶液を水含有量1.5ppm未満の不活性雰囲気にて維持し、分離したラインを通して定量ポンプにて反応器へ送った。触媒及びモノマー接触を反応器中で行った。
不純物掃去剤として、250mlのトリ‐n‐オクチル アルミニウム(tri‐n‐octyl aluminum)(TNOA)(ヘキサン中25wt.%、シグマアルドリッチ(Sigma Aldrich))を22.83キログラムのヘキサンに希釈した。TNOA溶液を窒素雰囲気下37.9‐リットルシリンダー中に保管した。約90%消費するまですべての重合を実施するためにその溶液を用い、それから新しいバッチを調製した。TNOA溶液のポンプ速度を重合反応から反応まで、0から(掃去剤無し)4ml/分まで変えた。
反応器を最大許容温度(約150℃)にて少なくとも一時間反応器システムを通して溶剤(例えば、ヘキサン)及び掃去剤を連続的に注入することにより洗浄した。洗浄後、反応器ジャケットを通して流れる水/蒸気混合フローを用いて反応器を所望の温度に加熱/冷却し、制御した溶剤流量で設定圧力に制御した。操作が定常状態に到達したとき、モノマー及び触媒溶液を反応器へ送入した。反応器を設定温度に制御し維持するために自動温度制御システムを用いた。重合活性の開始時点を粘性のある製造物及び水‐蒸気混合の低い温度の観察によって決定した。一度反応が開始し、システムが平衡に到達したら、サンプル収集前に平均滞留時間の少なくとも5倍の時間で設定した条件下、システム操作を連続することにより反応器を動かした。システムが定常状態操作に到達した後、溶剤、ポリマー及び未反応モノマーを主に含む得られた混合物を収集箱に収集した。収集サンプルをまず多くの溶剤を蒸発するためにフード内で空気乾燥し、そらから約12時間、約90℃の温度で真空オーブンで乾燥した。真空オーブン乾燥サンプルを収量をえるために秤量した。すべての反応を約2.41MPa‐gの圧力で実施した。
成分F.2(発明)成分F.2は溶液重合におけるコモノマーの共重合により作られるアイソタクチックプロピレン結晶化度を有する発明プロピレンエチレンコポリマーである。分子量(及び粘度)及びヘキセン含有量(及び結晶化度)が相違するF.2の異なるバージョンを本明細書ではこの分類F.2の後に付加する番号により区分けする。つまり、異なるポリマーを表3にF.2.1、F.2.2等として表示する。
Figure 0005309129
また、ブレンドの比較実験をテキサス州ヒューストンのエクソンモービルケミカル社から入手のVistamaxx6100である成分F.3(比較ポリマー)を用いて実施した。成分F.3は16.4%エチレン含有量及びGPCによる221,000のMw(平均分子量)を有する。
F.4は6wt.%ヘキセン及び190℃にて12,000cpsのブルックフィールド(Brookfield)粘度を有するアタクチックプロピレン‐ヘキセンコポリマーの比較ポリマーサンプルである。それは、上記に表示したようにD4を用いて活性化した[ジ(p‐トリエチルシリルフェニル)メチレン(di(p‐triethylsilylphenyl)methylene)] (シクロペンタジエニル)(3,8‐ジ‐t‐ブチルフルオレニル)ハフニウム ジメチル((cyclopentadienyl)(3,8‐di‐t‐butylfluorenyl)hafnium dimethyl)(US 6,528,670中の実施例に従って生産される)を用いてWO2005/108442A1に説明の方法に従って作られた。
第二ポリマー成分
第二ポリマー成分(以下成分S)を下記に示すように多様な分子量及び結晶化度のポリプロピレンとしてテキサス州ヒューストンのエクソンモービルケミカル社から得た。
成分S.1はエスコレン(Escorene)PP4712で、これは3.1g/10分のMFRを有するチーグラーナッタホモアイソタクチックiPPである。
成分S.2はエスコレン(Escorene)PP3155で、これは35g/10分のMFRを有するチーグラーナッタホモポリマーiPPである。
成分S.3はエスコレン(Escorene)PP2252で、これは3g/10分のMFRを有するチーグラーナッタホモポリマーiPPである。
成分S.4はエスコレン(Escorene)PP9302E1で、これは約4wt.%エチレンを有する3g/10分のMFRのプロピレン及びエチレンのチーグラーナッタコポリマーである。
成分S.5はエスコレン(Escorene)PPコポリマー9122で、これは約2wt.%エチレンを有する2g/10分のMFRのプロピレン及びエチレンのチーグラーナッタコポリマーである。
成分S.6は約30%エチレンプロピレンゴムプラスプラストマーを含むインパクトコポリマーであるエスコレン(Escorene)PP8244である。
可塑剤以下成分P
成分Pはサンケミカル社(Sun Chemical Co,Marcus Hook, PA.)から入手できるSunpar 150可塑剤の油である。
成分P.1はTufflo 6056で、これは可塑剤の油である。
成分P.2はテキサス州ヒューストンのエクソンモービルケミカル社から入手の粘着付与剤PRl00Aで、これは環状オレフィンオリゴマーである。
成分P.3は可塑剤油と同等の非常に低い分子量アタクティックポリプロピレンである。4600のMnに相当する190℃にて1800cpsのブルックフィールド(Brookfield)粘度を有する。それは、上記に表示したようにD4を用いて活性化した[ジ(p‐トリエチルシリルフェニル)メチレン(di(p‐triethylsilylphenyl)methylene)] (シクロペンタジエニル)(3,8‐ジ‐t‐ブチルフルオレニル)ハフニウム ジメチル((cyclopentadienyl)(3,8‐di‐t‐butylfluorenyl)hafnium dimethyl)(US 6,528,670中の実施例に従って生産される)を用いてWO2005/108442A1に説明される方法に従って作られた。
次の実施例にすべてにおいて、ブレンドの組成物は一緒にブレンドされる各成分のグラム数で表現する。
Figure 0005309129
Figure 0005309129
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Figure 0005309129
Figure 0005309129
本明細書に記載のすべての書類は、任意の優先書類及び/又はこのテキストと矛盾しない範囲の試験方法も含み、参照により本明細書に含まれ、前述の一般的な記載及び具体的な実施態様から明らかなように、本発明の形態が説明及び記載されるけれども、本発明の特許請求の範囲及び精神から逸脱せずに多様な改良が行われ得る。従って、それによって本発明は限定されることを意図しない。同様に、用語「含む(comprising)」はオーストラリア法の目的である「含む(including)」と同義語である。

Claims (9)

  1. 不均一なブレンド組成物であって、その組成物の重量に基づき1%から99%の重量を有する第一ポリマー成分と、その組成物の重量に基づき1%から99%の重量を有する第二ポリマー成分とを含有し、
    a.前記第一ポリマー成分は、その重量に基づき5%から35%の重量のエチレン由来単位と65%から95%の重量のプロピレン由来単位とのコポリマーを含み
    i)アイソタクチックポリプロピレン配列からの0.1%から25%の結晶化度、
    ii)45℃から105℃の融点、及び
    iii)300g/10分から5000g/10分の間にあるメルトフローレート(MFR、230℃にて)
    を有し、
    b.前記第二ポリマー成分は、ホモポリプロピレン及び/又はプロピレンのランダムコポリマーを含み、該コポリマーにおける共重合アルファ‐オレフィンの割合が、前記第二ポリマー成分の重量に基づき0と9%の間であって、前記第二ポリマー成分が110℃より高い融点を有し、10g/10分未満のメルトフローレート(MFR、230℃にて)を有し、
    ここで前記第一ポリマー成分が直径10μm未満の粒子で前記第二ポリマー成分内に分散するように設けられ
    前記不均一なブレンド組成物が、50g/10分より大きいメルトフローレート(MFR、230℃にて)を有する、前記不均一なブレンド組成物。
  2. 前記第一ポリマー成分がアイソタクチックポリプロピレン配列から3%から10%の結晶化度を有することを特徴とする、請求項1記載の不均一なブレンド組成物。
  3. 前記第一ポリマー成分がさらに非共役ジエンの10wt%未満を含むことを特徴とする、請求項1記載の不均一なブレンド組成物。
  4. 前記第一ポリマー成分がアイソタクチックポリプロピレンを形成する重合触媒を用いて作られ、及び第二ポリマー成分がアイソタクチックプロピレン配列を有することを特徴とする、請求項1記載の不均一なブレンド組成物。
  5. 前記第二ポリマー成分がゴム及びエラストマーを伴うアイソタクチックポリプロピレンの不均一なブレンドを含むことを特徴とする、請求項1記載の不均一なブレンド組成物。
  6. 前記第一ポリマー成分がアイソタクチックポリプロピレン配列からの3%から10%の結晶化度を有することを特徴とする、請求項記載の不均一なブレンド組成物。
  7. 前記第一ポリマー成分がさらに10wt%未満の非共役ジエン含むことを特徴とする、請求項記載の不均一なブレンド組成物。
  8. 前記コポリマーにおける共重合アルファ‐オレフィンの割合が第二ポリマー成分の重量に基づき2.0と9%の間であることを特徴とする、請求項1記載の不均一なブレンド組成物。
  9. 請求項1の組成物を含む製品。
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