以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、遊技媒体による第1始動領域の通過により変動表示の第1実行条件が成立した後、変動表示の開始を許容する第1開始条件が成立したときに、各々を識別可能な複数種類の第1識別情報の変動表示を開始する第1変動表示部と、遊技媒体による第2始動領域の通過により変動表示の第2実行条件が成立した後、変動表示の開始を許容する第2開始条件が成立したときに、各々を識別可能な複数種類の第2識別情報の変動表示を開始する第2変動表示部と、前記第1変動表示部または前記第2変動表示部の変動表示に対応して各々を識別可能な複数種類の装飾識別情報の変動表示を行なう装飾識別情報変動表示部とを備え、前記第1変動表示部および前記第2変動表示部は同時に変動表示が実行されないものであり、前記装飾識別情報変動表示部に導出表示された装飾識別情報の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで所定の遊技が行なわれる遊技機である。縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、後述する第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄、および、第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄のそれぞれの変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域がある。演出表示装置9は、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄の変動表示を行なう変動表示装置(変動表示部)に相当する。演出図柄表示領域には、たとえば「左」,「中」,「右」の3つの装飾用(演出用)の識別情報を変動表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」,「中」,「右」の各図柄表示エリア9L,9C,9Rがあるが、図柄表示エリア9Aの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリア9L,9C,9Rの3つの領域が離れていてもよい。第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれは、主基板に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
なお、本実施の形態においては、演出表示装置9は、液晶表示装置を用いた例について説明するが、これに限らず、CRT、プラズマ表示やエレクトロルミネセンスあるいはドットマトリックス表示を利用したもの等、その他の画像表示式のものであってもよい。
遊技盤6における下部の左側には、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
なお、本実施の形態においては、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、7セグメントLEDを用いた例について説明するが、これに限らず、液晶表示装置、CRT、プラズマ表示やエレクトロルミネセンスあるいはドットマトリックス表示を利用したもの等、画像表示式のものであってもよい。また、特別図柄表示器8は、回転ドラム式の表示装置等、機械式のものであってもよい。
小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、たとえば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(遊技球が第1始動入賞口13に入賞したこと)または第2始動条件(遊技球が第2始動入賞口14に入賞したこと)が成立した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。以下の説明においては、第1始動入賞口13に入賞したことを第1始動入賞と呼ぶ場合があり、第2始動入賞口14に入賞したことを第2始動入賞と呼ぶ場合がある。始動条件は成立しているが開始条件が成立していない変動表示に関するデータは、開始条件が成立するまで保留記憶データとして保留して記憶される。具体的に、保留記憶データは、後述する遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55の所定領域に記憶される。
入賞とは、入賞口等の予め入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことであり、当該領域を遊技球が通過したことを含む概念である。始動条件(第1始動条件,第2始動条件)は、少なくとも、遊技球が始動領域(第1始動入賞口13,第2始動入賞口14)を遊技球が通過したことに基づいて成立するものであればよい。つまり、始動条件は、第1始動入賞口13,第2始動入賞口14の構成のような通過した遊技球が始動領域内部に取込まれる構成における遊技球の当該通過に基づいて成立するものであってもよく、通過ゲートのような通過した遊技球が内部に取込まれずに遊技領域7を流下する構成における遊技球の当該通過に基づいて成立するものであってもよい。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の停止を除く。)。また、この実施の形態では、第1始動入賞口13への入賞と第2始動入賞口14への入賞とのうち第2始動入賞口14への入賞を優先させ、変動表示の開始条件を成立させる。つまり、第2始動入賞の保留記憶データがあるときには、第1始動入賞の変動表示の開始条件よりも第2始動入賞の変動表示の開始条件が優先して成立させられる。たとえば第2始動入賞口14への入賞を優先させる場合には、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であれば、第1保留記憶数が0でない場合でも、第2保留記憶数が0になるまで、第2特別図柄の変動表示を続けて実行する。なお第1始動入賞口13への入賞を優先させ、変動表示の開始条件を成立させるようにしてもよい。また、第1始動入賞口13への入賞および第2始動入賞口14への入賞に関わりなく、始動入賞が生じた順に変動表示の開始条件を成立させるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の変動表示を行なう第1飾り図柄表示器9aが設けられている。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aは、2つのLEDで構成されている。第1飾り図柄表示器9aは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。また、第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第2飾り図柄の変動表示を行なう第2飾り図柄表示器9bが設けられている。第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。第2飾り図柄表示器9bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
なお、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがある。また、第1飾り図柄表示器9aと第2飾り図柄表示器9bとを、飾り図柄表示器と総称することがある。
飾り図柄の変動(変動表示)は、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第1飾り図柄表示器9aにおける第1飾り図柄の変動表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、第2飾り図柄表示器9bにおける第2飾り図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点が同じであって、変動表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1飾り図柄表示器9aにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2飾り図柄表示器9bにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。なお、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの機能を、演出表示装置9で実現するようにしてもよい。すなわち、第1飾り図柄および第2飾り図柄が、演出表示装置9の表示画面において画像として変動表示されるように制御してもよい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞(通過)可能な第2始動入賞口(第2始動口)14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態(第1状態)になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態は、遊技者にとって不利な状態(第2状態)であり、遊技球が第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには、可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。具体的には、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行なう可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行なう可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第1飾り図柄表示器9aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2飾り図柄表示器9bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を、円形の保留記憶表示の個数により表示する領域(以下、合算保留記憶表示部18cという。)が設けられている。合算保留記憶表示部18cにおいては、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを異なる色で表示することにより、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを区別して把握することが可能とされている。たとえば、合算保留記憶表示部18cにおいては、左側の領域で第1保留記憶数が赤色の円形で表示され、右側の表示領域で第2保留記憶数が黄色の円形で表示される。このように、保留記憶の合算合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられているので、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、合算保留記憶表示部18cが設けられているので、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、設けられていなくてもよい。また、合算保留記憶表示部18cは、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを区別することなく同じ色で表示してもよい。また、合算保留記憶表示部18cは、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを区別することなく同じ色で表示する場合に、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを左右で区別することなく左端または右端から順番に表示してもよい。また、合算保留記憶表示部18cは、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを色で区別する場合に、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを左右で区別することなく左端または右端から変動表示の優先順位に応じて順番に表示してもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、それに対応した演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期して行なわれる。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、それに対応した演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期して行なわれる。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときとには、演出表示装置9において大当りを想起させるような特定表示結果としての演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の周囲の飾り部において、上側には、回転動作をする星形状の可動部材84が設けられている。可動部材84は、演出表示装置9の周囲の飾り部というような遊技者に視認可能な位置に設けられ、所定の演出に応じて動作する部材である。より具体的に、可動部材84は、モータ88の回転軸に取付けられ、モータ88が回転することにしたがって駆動され、回転動作をする。可動部材84は、予め定められた動作条件が成立したときに動作させられる。
演出表示装置9の周囲の飾り部において、右側には、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cが設けられている。上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cは、特定演出としての擬似連の演出(1回の変動期間中におけるそれぞれの再変動期間(初回変動の期間も含む。)において関連する表示演出が実行されるような演出)が実行されるときに点滅する。ここで、擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(初回変動およびその後の再変動を含む合計の変動回数であり、擬似連変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなる。擬似連の変動パターンにおいては、演出表示装置9において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連チャンス目という)のうちからいずれかの擬似連チャンスに決定される。また、擬似連変動を実行した場合には、必ず最終的にリーチ状態として何らかのリーチ演出を実行するようにしてもよい。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリア9L,9Rで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリア9Cで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリア9L,9Rで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。さらに、擬似連変動を実行した場合は、再変動の繰返し実行回数(擬似連変動回数)によって演出の発生割合が変化するものでもよい。たとえば、再変動の実行回数が2回まで行くと「リーチ確定」、再変動の実行回数が3回まで行くと「スーパーリーチ確定」、再変動の実行回数が4回まで行くと「大当り確定」となるようなものでもよい。
擬似連において仮停止する図柄としては、たとえば、「1」「3」「5」の奇数目、「3」「4」「5」の並び目のようにゾロ目ではないが特徴のある出目よりなる仮停止図柄が選択される。このような仮停止図柄を表示することにより、遊技者に擬似連をアピールすることができ、仮停止する際、および、または、再変動する際に擬似連をアピールすることができる。
また、演出表示装置9の周囲の飾り部において、左側には、モータ86の回転軸に取付けられ、モータ86が回転すると移動する可動部材78が設けられている。可動部材78は、擬似連の演出が実行されるときに動作する。なお、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cの近傍には、各LEDの取付部分を振動させる振動モータ(図示せず)が設けられている。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、ソレノイド21によって開閉される開閉板を用いた特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板によって開閉される大入賞口が設けられている。特別可変入賞球装置20は、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときとにそれぞれ生起する特定遊技状態としての大当り遊技状態において、開閉板が遊技者にとって有利な開状態(第1の状態)に制御され、大当り遊技状態以外の状態において開閉板が遊技者にとって不利な閉状態(第2の状態)に制御される。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞に基づいて予め決められている所定数の景品遊技球(賞球)の払出を行なうための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10での変動表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とが高められる。また、特別図柄の変動時間が短縮される時短状態(特別図柄の変動表示時間が短縮される遊技状態)では、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とが高められる。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられている。遊技盤6の遊技領域7の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26が設けられている。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
打球供給皿3の上面における手前側の中央位置といった、パチンコ遊技機1の遊技機用枠における所定位置には、押下操作等により遊技者が操作可能な操作ボタン130が設置されている。なお、操作ボタン130は、押下操作が可能なものに限定されず、たとえば回転型セレクタのような回転操作が可能なものであってもよいし、タッチパネルのように接触操作や押圧操作が可能なものであってもよいし、レバー型スイッチのような傾動操作が可能なものであってもよい。また、操作ボタン130に代えて、たとえば赤外線センサやCCDセンサ、CMOSセンサのように、遊技者による所定の操作行為を検出できるセンサを用いてもよい。すなわち、操作ボタン130は、遊技者による所定の操作行為を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるものであればよい。
パチンコ遊技機1には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、第1飾り図柄表示器9aにおいて第1飾り図柄の変動表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄、第1飾り図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、第2飾り図柄表示器9bにおいて第2飾り図柄の変動表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄、第2飾り図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切替え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行なうことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての(後述する演出制御用マイクロコンピュータ100)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を変動表示する第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの表示制御と、演出図柄を変動表示する演出表示装置9の表示制御とを行なう。また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段は、操作ボタン130からの操作検出信号が入力され、その信号に応じて、各種演出を行なう。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤6に設けられている装飾LED25、および枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける特別図柄の変動表示は、変動表示が行なわれるごとに設定された変動表示時間が経過したときに停止する。大当りにすることに決定されている場合には、特定の特別図柄(たとえば、「1」,「3」,または、「7」というような大当り図柄)が停止表示される。そのときには、演出表示装置9において、特定の演出図柄の組合せ(「左」,「中」,「右」の演出図柄として、後述する突確大当りを除く大当りの種別については、たとえば、「7,7,7」というようなゾロ目となる大当り図柄の組合せ、また、突確大当りの種別については、たとえば、「1,2,3」というようなチャンス目となる突確大当り図柄の組合せ)が停止表示される。また、小当りとすることに決定されている場合には、所定の特別図柄(たとえば、「5」というような小当り図柄)が停止表示される。そのときには、演出表示装置9において、突確大当り図柄の組合せと同じ図柄の組合せが停止表示される。また、はずれにすることに決定されている場合には、大当り図柄以外の特別図柄(たとえば、「−」というはずれ図柄)が停止表示される。そのときには、演出表示装置9において、大当りの演出図柄の組合せおよび小当りの演出図柄の組合せ以外の演出図柄の組合せが停止表示される。
変動表示の停止時の第1,第2特別図柄(停止図柄)が特定表示結果としての大当り図柄(大当り表示結果ともいう)であると、大当りとなり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、所定の開放終了条件が成立するまで開放する。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値に達するまで繰返される。このように特別可変入賞球装置20の開放が繰返し継続される制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態がラウンドと呼ばれる。継続権が発生する開放回数の上限値は、大当りの種類により異なり、たとえば15ラウンドまたは2ラウンドのような所定回数に設定されている。
この実施の形態の場合は、大当りの種類として、第15ラウンドを最終ラウンドとして第15ラウンドとなるまで継続権が成立する15ラウンド大当り(以下、15R大当りという場合がある)と、第2ラウンドを最終ラウンドとして第2ラウンドとなるまで継続権が成立する2ラウンド大当り(以下、2R大当りという場合がある)とが設けられている。これにより、15R大当りの場合は、特別可変入賞球装置20が必ず15回開放される制御が行なわれ、2R大当りの場合は、特別可変入賞球装置20が必ず2回開放される制御が行なわれることとなる。ただし、15R大当りのときの開放終了条件は、開放してから29秒間(所定時間)経過するまで、または、10個(所定個数)の遊技球が入賞するまでという2つの条件のうちいずれかが成立したときに成立する。また、2R大当りのときの開放終了条件は、開放してから0.5秒間(所定時間)経過するまで、または、10個(所定個数)の遊技球が入賞するまでという2つの条件のうちいずれかが成立したときに成立する。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bでの変動表示の停止時における第1特別図柄または第2特別図柄の表示結果が、大当り図柄のうち予め定められた特別な大当り図柄としての確変図柄(たとえば、「7」)である場合には、大当り遊技状態に制御されることに加え、大当り遊技状態終了後に、遊技者にとって有利な特別遊技状態として、大当り遊技状態後に大当りになる確率が、大当り遊技状態と異なる通常状態である通常遊技状態(後述する低確低ベース状態)よりも高くなる確率変動状態(以下、確変状態と呼ぶ)という遊技者にとって有利な状態になる。15R大当りのうち、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるものは、確変大当りと呼ばれる。以下、確変状態は、高確率状態(高確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。また、非確変状態(確変状態以外の状態)は、低確率状態(低確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。確変状態は、たとえば、次に変動表示結果として大当り図柄が導出表示されるまで継続する。また、大当り遊技状態に制御されたり、確変状態に制御されたりするような遊技者にとって有利な状態にされることは、遊技価値を付与するとも呼ばれる。遊技価値とは、たとえば、遊技機の遊技領域に設けられた可変入賞球装置の状態が打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態になることや、所定の入賞が発生しやすい遊技者にとって有利な状態になることや、遊技者にとって有利な状態になるための権利を発生させたりすることや、遊技者にとって有利な大当り遊技状態になるための確率を向上させたりする(確変状態にする)ことや、遊技媒体の払出の条件が成立しやすくなる状態になることである。
なお、特別遊技状態は、次のような遊技状態であってもよい。a第1,第2特別図柄の変動時間短縮制御(変動開始から表示結果の導出表示までの時間が変動時間短縮制御状態以外の通常状態での当該時間よりも短縮される制御)が行なわれる状態、b普通図柄の変動時間短縮制御が行なわれる状態、c普通図柄の当りの発生確率を向上させる制御が行なわれる状態、d普通図柄が当りとなったときに可変入賞球装置15が開放される回数を増加させる開放回数増加制御が行なわれる状態、e可変入賞球装置15の1回の開放時間を延長させる開放時間延長制御。特別遊技状態としては、確変状態および前記a〜前記eのうちのいずれかの単独制御、または、確変状態および前記a〜eのうちから2つ〜5つの状態が適宜組合わされた制御でもよい。つまり、前述したような制御を実行する対象となる特別遊技状態としては、図28のS347で大当りの種別が確変大当りまたは突確大当りに決定されたときというような、予め定められた特別遊技状態発生条件が成立したときに、特定遊技状態に加えて遊技者に有利な特別状態を付与する特別遊技状態であれば、どのような特別遊技状態であってもよい。
15R大当りのうち、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bでの変動表示の停止時における第1特別図柄または第2特別図柄の表示結果が、大当り図柄のうち予め定められた通常図柄(たとえば、「3」)である場合には、大当り遊技状態後に大当りになる確率が、確変状態とならない。このような15R大当りの大当り遊技状態の終了後に確変状態とならないものは、通常大当りと呼ばれる。以下の説明においては、大当りの種類を特定せずに単に「大当り」と示すときは、これら複数種類の大当りを代表して示す場合である。
15R大当りについては、通常大当りと確変大当りとを問わず、大当り遊技状態が終了した後、所定期間に亘り、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示時間が通常状態よりも短縮される遊技状態としての時短状態に制御される。遊技状態をこのような時短状態に制御すれば、第1特別図柄または第2特特別図柄の変動表示時間が短縮されるので、保留記憶数が早期に消化され、第1保留記憶数および第2保留記憶数のそれぞれの上限(たとえば「4」)を超えて発生した始動入賞が無効になってしまう状態を減少でき、短期間に頻繁に表示結果を導出表示して早期に大当り表示結果を導出表示しやすくなるので、時間効率的な観点で変動表示の表示結果が大当り図柄の表示結果となりやすくなり、遊技者にとって有利な遊技状態となる。
15R大当りの大当り遊技状態終了後の時短状態においては、普通図柄に関する特別遊技状態として、普通図柄の変動表示時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。
このような時短状態は、たとえば、所定回数(たとえば、100回)の特別図柄の変動表示が実行されること、および、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了する。なお、大当り遊技状態の終了後、特別図柄の変動表示回数に制限されることなく、次の大当りが発生するまで時短状態を継続させる制御をしてもよい。また、大当り状態が終了した後に、時短状態にせずに通常状態になるようにしてもよい。また、普通図柄に関する特別遊技状態としては、普通図柄短縮制御、普通図柄確変制御、開放時間延長制御、および、開放回数増加制御のうちいずれか1つ、または、いずれか複数を組合せた制御を行なうようにしてもよい。
このような普通図柄に関する特別遊技状態となる時短状態においては、非時短状態と比べて、普通図柄の変動表示時間が短縮され、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、当り時における可変入賞球装置15の開放時間が長くされ、当り時における可変入賞球装置15の1度の開放回数が多くされることに基づいて、通常遊技状態と比べて可変入賞球装置15が開放状態となりやすい。したがって、時短状態では、第2始動入賞口14への入賞(始動入賞が有効である場合と無効である場合との両方を含む)が生じやすくなるため、遊技領域7へ打込んだ遊技球数(打込球数)に対して、入賞に応じた賞球として払出される遊技球数(払出球数)の割合が、通常遊技状態と比べて多くなる。一般的に、発射球数に対する入賞による払出球数の割合は、「ベース」と呼ばれる。たとえば、100球の打込球数に対して40球の払出球数があったときには、ベースは40(%)となる。この実施の形態の場合では、たとえば通常遊技状態のような非時短状態よりもベースが高い時短状態を高ベース状態と呼び、逆に、そのような高ベース状態と比べてベースが低い通常遊技状態のような非時短状態を低ベース状態と呼ぶ。
なお、15R大当りの大当り遊技状態終了後においては、特別図柄の時短制御を行なわず、普通図柄短縮制御、普通図柄確変制御、開放時間延長制御、および、開放回数増加制御のうちいずれか1つ、または、いずれか複数を組合せた制御を行なうようにしてもよい。
また、このような大当り遊技状態後の時短状態とは別に、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合算保留記憶数が所定個数以上であるときには、合算保留記憶数が所定個数未満であるときと比べて第1特別図柄および第2特別図柄の変動時間を短縮する保留数短縮制御が実行される。
また、第1特別図柄表示器8aでの変動表示の停止時における第1特別図柄の表示結果が、大当り図柄のうち予め定められた突確図柄(たとえば、「1」)である場合には、大当り遊技状態後に大当りになる確率が確変状態となる2R大当りとなる。このように、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるものは、突確大当りと呼ばれる。突確大当りの大当り遊技状態では、大入賞口は2回開放状態になるが、開放時間は極めて短い(たとえば、0.5秒)。よって、遊技者は、大当りが発生したことを感じずに、あたかも、突然に遊技状態が確変状態になったかのように感じる。したがって、このような2R大当りが、突然確変大当り(以下、突確大当りという)と呼ばれるのである。なお、第2特別図柄表示器8bについても、第1特別図柄表示器8aと同様に突確大当りとなる表示結果を停止表示することを可能にし、突確大当りの遊技状態に制御されるようにしてもよい。突確大当りとなったときには、前述のような時短状態には制御されない。
また、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bでの変動表示の停止時における第1特別図柄または第2特別図柄の表示結果が、小当り図柄(たとえば、「5」)である場合には、大当り遊技状態後に大当りになる確率が変更されない小当りとなる。小当りとなったときには、突確大当りとなったときと実質的に同じ開放態様(開放時間0.5秒)で大入賞口が2回開放状態になる小当り遊技状態に制御される。これにより、遊技者は、当り遊技の開放態様から、小当りであったのか突確大当りであったのかを特定することができない。また、小当りとなったときには、前述のような時短状態には制御されない。その結果、小当りとなって当り遊技が行なわれたときにも、遊技者に対して突確大当りが発生したかのような印象を抱かせることができる。すなわち、小当りを突確大当りのいわゆる偽(ガセ)の当りとして用いることができる。また、小当りは、大入賞口の開放態様から「突確大当り」であるのか「小当り」であるのか見分けが付かない。このため、大入賞口の開放態様から、確変になったのか否か特定できないような状態(いわゆる隠れ確変状態)を作ることができる。これにより、遊技の興趣を向上させることができる。なお、第2特別図柄表示器8bについては、小当りとなる表示結果を停止表示することを可能にし、小当り遊技状態に制御されるようにしてもよい。なお、小当りとなったときには、小当り遊技状態に制御される前の制御状態が継続されるが、時短状態が終了するときの変動表示時(時短状態開始後100回目の変動表示時)において小当りが発生したときは、小当り遊技状態の発生前の状態が時短状態であっても、時短状態における変動表示回数の消化による時短状態の終了条件の成立(時短状態開始後100回目の変動表示実行)により、小当り遊技状態後に制御状態が通常状態に変化する。
なお、大当り状態が終了した後に、時短状態にせずに通常状態になるようにしてもよい。
特別可変入賞球装置20を所定期間(29秒間)開状態に変化させることを所定回数(15回)行なうことにより終了し、大当り遊技状態終了後、通常遊技状態または確変状態に制御される15R大当りを第1遊技状態として定義した場合、突確大当りは、次のように定義される。
第2遊技状態としての突確大当りは、特別可変入賞球装置20を所定期間(29秒間)よりも短い期間(0.5秒間)および所定回数(15回)よりも少ない回数(2回)の少なくともいずれかで開状態に変化させることにより終了し、大当り遊技状態終了後、確変状態に制御されるものであればよい。つまり、第2遊技状態は、第1遊技状態に対して、特別可変入賞球装置20の1回の開放時間が短いことと、特別可変入賞球装置20の合計開放回数とが少ないこととの少なくともいずれかで、特別可変入賞球装置20が開状態に制御されるものであればよい。
確変状態ではなく、かつ、時短状態ではない状態は、低確率状態かつ低ベース状態であり、低確低ベース状態と呼ばれる。確変大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態になり、かつ、時短状態になることにより、高確率状態、かつ、高ベース状態となる大当りである。このような、高確率状態かつ高ベース状態となった状態は、高確高ベース状態と呼ばれる。通常大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態にならず、かつ、時短状態になる大当りである。このような、低確率状態かつ高ベース状態となった状態は、低確高ベース状態と呼ばれる。突確大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態になり、かつ、時短状態にならない大当りである。このような、高確率状態かつ低ベース状態となった状態は、高確低ベース状態と呼ばれる。確変大当りおよび通常大当りのような15R大当りとなったときには、前述したように、大当り遊技状態の終了後に所定回数(100回)の変動表示が行なわれるまで、時短状態となることに基づいて高ベース状態となる。また、小当りとなったときには、大当りとなる確率およびベースが変更されない。
確変状態(高確率状態)と非確変状態(低確率状態)とのどちらの状態であるかは、確変状態においてセットされるフラグである確変フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。また、時短状態(高ベース状態)と非時短状態(低ベース状態)とのどちらの状態であるかは、時短状態においてセットされるフラグである時短フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。
演出表示装置9において変動表示される演出図柄は、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれの変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄である。このような図柄についての所定の関係には、たとえば、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bでの第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示が開始されたときに演出図柄の変動表示が開始する関係、および、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の終了時に第1特別図柄または第2特別図柄の表示結果が導出表示されるときに演出図柄の表示結果が導出表示されて演出図柄の変動表示が終了する関係等が含まれる。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにより予め定められた大当り図柄が表示結果として導出表示されるときには、演出表示装置9により、左,中,右図柄がゾロ目(15R大当りのとき)、または、ゾロ目以外の図柄の組合せにより構成されたチャンス目(突確大当り)となる大当り図柄の組合せが表示結果として導出表示される。ここで、チャンス目は、前述したゾロ目以外の図柄の組合せにより構成される図柄の組合せであり、遊技者にチャンスをもたらす表示結果として予め定められている。また、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにより予め定められた小当り図柄が表示結果として導出表示されるときには、演出表示装置9により突確大当りの場合と同様のチャンス目よりなる小当り図柄の組合せが表示結果として導出表示される。このような特別図柄による大当り図柄の表示結果および演出図柄による大当り図柄の組合せの表示結果は、大当り表示結果という。また、特別図柄による小当り図柄の表示結果および演出図柄による小当り図柄の組合せの表示結果は、小当り表示結果という。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bと演出表示装置9とは変動表示結果が前述したような対応関係になるため、以下の説明においては、これらをまとめて変動表示部と呼ぶ場合がある。
また、演出表示装置9については、大当りとなることを予告する報知をする予告演出である大当り予告が行なわれる場合がある。予告演出としては、第1予告演出である第1特別図柄を対象とした先読み予告と、第2予告演出である第2特別図柄を対象とした先読み予告とが行なわれる場合がある。先読み予告は、保留記憶データに基づく変動表示が行なわれる際よりも前の段階で保留記憶データを先読みし、その先読み判定結果に応じて、大当りを発生させる契機となる変動表示よりも前に行なわれる変動表示において、大当りとなることを報知する予告である。ここで、先読みとは、変動を開始するときに乱数の抽出値に基づいて各種遊技制御に関わる判定を行なうタイミングに先立って、乱数の抽出値を読出し、読出した抽出値に基づいて後に判定されるであろう判定結果を判定すること(たとえば、抽出値が所定の判定値と合致するか否かを判定すること)をいう。また、先読み判定結果とは、先読みによって得た判定結果をいう。本実施の形態では、始動入賞時に抽出した乱数の値に基づいて、始動入賞時に早々と、当り判定結果(はずれ、大当り、小当り)、当り種別判定結果(突確大当り、通常大当り、確変大当り)、変動パターン種別(リーチの有無も含む)を先読みして先読み判定結果を得るための制御が実行される。このような先読み予告は、複数回の変動表示に亘って連続的に行なわれるものであり、連続予告とも呼ばれる。なお、先読み予告としては、連続予告を行なわず、1回の変動表示において予告報知を行なう予告演出をするものであってもよい。また、連続予告は、先読み判定結果に応じて、大当りを発生させる契機となる変動表示よりも前から続けて、大当りを発生させる契機となる変動表示においても行なうようにしてもよい。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(この実施の形態では演出制御用マイクロコンピュータ100にROMが設けられている)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行なわせる。
また、操作ボタン130からの操作信号が、入力ポート107を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に入力される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述するように、操作ボタン130からの操作信号に基づいて、各種の遊技演出を行なう。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なうVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってCGROM(図示せず)から必要なデータを読出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータを予め格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読出す。そして、VDP109は、読出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、可動部材78を動作させるためにモータ86を駆動する。また、演出制御用CPU101は、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cの近傍に設けられ、各LEDの取付部分を振動させる振動モータ87a,87b,87cを出力ポート106を介して駆動する。振動モータ87aは、上演出LED85aを振動させる。振動モータ87bは、中演出LED85bを振動させ、振動モータ87cは下演出LED85cを振動させる。また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、可動部材84を動作させるためにモータ88を駆動する。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号に基づいて枠LED28等の枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cに電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになる。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下、単にSと呼ぶ)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化等)を行なった後(S4)、RAM55をアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(たとえば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(S10〜S15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、パチンコ遊技機1への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行なわれたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行なう(S8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行なう。よって、S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態とを電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S41〜S43の処理)を行なう。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグ等)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分等である。
また、CPU56は、電力供給復旧時に、電力供給が復旧したことを示すコマンドとしての停電復旧指定コマンド(停電復旧1指定コマンド)を演出制御基板80に送信する(S43)。そして、S14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行なう(S10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(たとえば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値または予め決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次RAM55における作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、特別図柄プロセスフラグ等制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)を演出制御基板80に送信する(S13)。たとえば、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、パチンコ遊技機1の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行なう。なお、初期化処理において、CPU56は、客待ちデモンストレーション指定(デモ指定)コマンドも送信する。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S14)。CPU56は、たとえば、乱数回路設定プログラムにしたがって処理を実行することによって、乱数回路503に大当り判定用乱数(ランダムR)の値を更新させるための設定を行なう。
そして、CPU56は、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう(S15)。すなわち、初期値としてたとえば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターン等を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄の当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、パチンコ遊技機1に設けられている変動表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、本実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、大当り判定用乱数発生カウンタとして、内蔵されている乱数回路503によるハードウェア乱数を用いる。したがって、大当り判定用乱数については、このような初期値の設定は行なわれない。ただし、遊技制御用マイクロコンピュータ560が大当り判定用乱数発生カウンタとしてソフトウェア乱数を用いる場合には、当該カウンタについて、前述のような初期値用乱数を用いた初期値の設定を行なうようにしてもよい。このようにした場合には、大当り判定用乱数発生カウンタが最大値まで歩進した後の初期値がランダムな値となるので、大当りの判定値と同じ乱数値を不正に狙って取出して大当りを発生させる不正行為が行なわれにくくなるようにすることができる。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、たとえば電源基板に搭載されている電源監視回路920が、パチンコ遊技1に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なうスイッチ処理を実行する(S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する判定用乱数更新処理を行なう(S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する初期値用乱数更新処理(S24)および表示用乱数更新処理(S25)を実行する。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する演出制御コマンド制御処理を行なう(S28)。
さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。具体的にCPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する出力処理を実行する(S31)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。CPU56は、たとえば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行する。
なお、S32において、開始フラグがセットされたことに基づいて特別図柄の変動を開始するのではなく、特別図柄プロセスフラグの値が変動パターン決定後の特別図柄変動中処理を示す値(具体的には3)となった(または、表示結果特定コマンド送信処理を示す値(具体的には2)となった)ことに基づいて、特別図柄の変動を開始するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄停止処理を示す値(具体的には4)となったことに基づいて、特別図柄の変動を停止するようにしてもよい。そのようにすれば、開始フラグおよび終了フラグを不要とすることができ、RAM55の必要容量を低減することができる。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。CPU56は、たとえば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
なお、S33において、開始フラグがセットされたことに基づいて普通図柄の変動を開始するのではなく、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄変動中処理を示す値となったことに基づいて、普通図柄の変動を開始するようにしてもよい。そして、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄停止処理を示す値となったことに基づいて、普通図柄の変動を停止するようにしてもよい。そのようにすれば、開始フラグおよび終了フラグを不要とすることができ、RAM55の必要容量を低減することができる。その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図6は、遊技制御に用いる乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。ランダムRは、大当りにするか否か、および、小当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。
ランダム2は、大当りの種別(たとえば、確変大当り、通常大当り、突確大当り)を判定(決定)する大当り種別判定用の乱数を発生するためのランダムカウンタにより生成される乱数である。ランダム3は、変動パターンの種別(種類)を決定する変動パターン種別判定用の乱数を発生するためのランダムカウンタにより生成される乱数である。ランダム4は、変動パターン(変動時間)を決定する変動パターン判定用の乱数を発生するためのランダムカウンタにより生成される乱数である。ランダム5は、普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する普通図柄当り判定用の乱数を発生するためのランダムカウンタにより生成される乱数である。ランダム6は、ランダム5の初期値を決定するランダム5初期値決定用の乱数を発生するためのランダムカウンタにより生成される乱数である。ランダム2,5は、2msec毎に1ずつ加算される。ランダム3,4,6は、2msec毎および割り込み処理の余り時間に1ずつ加算される。このようなランダムR,1〜6のそれぞれは、所定の数値範囲内の数値データを所定の更新周期で順次更新することにより、当該数値範囲内の数値データから1つの数値データを抽出可能とするカウンタにより実現される。
図5に示された遊技制御処理におけるS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(ランダム2)の大当り種別判定用乱数、および(ランダム5)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行なう。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム3、ランダム4)または初期値用乱数(ランダム6)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。また、大当り種別判定用乱数についても、前述のような初期値用乱数を用いた初期値の設定を行なうようにしてもよい。このようにした場合には、大当り種別判定用乱数発生カウンタが最大値まで歩進した後の初期値がランダムな値となるので、確変となる大当り種別の判定値と同じ乱数値を不正に狙って取出し、確変となる種別の大当りを発生させる不正行為が、行なわれにくくなるようにすることができる。
なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)や変動パターン判定用乱数(ランダム4)を更新する場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560が搭載する乱数回路503が発生するハードウェア乱数の値を用いて加算値を決定し、決定した加算値を加算することによって変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)と変動パターン判定用乱数(ランダム4)との少なくとも一方を更新してもよい。そのようにすれば、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)と変動パターン判定用乱数(ランダム4)との少なくとも一方を更新するための加算値用のソフトウェア乱数を発生させる等の処理を不要とすることができる。そのため、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を増大させることなく、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)や変動パターン判定用乱数(ランダム4)をランダムに更新することができる。ここで、変動パターン種別とは、変動パターンを種類によって区別すること、または、その区別をいい、本実施の形態では、予め定められた条件に基づいて、変動パターンの種類をいくつかのグループに分けた区別をいい、変動パターンの大まかな振分けを示すものである。より具体的に、本実施の形態では、変動パターンを、たとえば、リーチの有無、および、リーチの種類(ノーマルリーチ、スーパーリーチ等)等の変動表示の種類によって区別した変動パターン種別を用いている。
図7は、大当り判定テーブル、および、大当り種別判定テーブル等の各種判定テーブルを示す説明図である。図7において、(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているデータテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図7(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図7(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。図7(A)に示されるように、確変時であるときの方が、通常時であるときよりも、大当り判定値が多く設定されている。なお、ランダムRから抽出した値が「1000〜1080」または「13320〜13477」のいずれかの判定値と合致したときには、確変時であるか否かに関わらず、大当りと判定される。「1000〜1080」または「13320〜13477」の範囲内の判定値は、通常状態と確変状態とに関わらず、これら遊技状態で共通の大当り判定値である。
図7(B)は、ROM54に記憶されている小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の小当り判定に用いられる第1特別図柄用判定テーブルと、第2特別図柄の小当り判定に用いられる第2特別図柄用判定テーブルとがある。第1特別図柄用判定テーブルには、図7(B)の左欄に記載されている各数値が小当り判定値に設定され、第2特別図柄用判定テーブルには、図7(B)の右欄に記載されている各数値が小当り判定値に設定されている。小当り判定は、ランダムRから抽出した値が、遊技状態に応じて設定されている小当り判定値と合致するか否かを判定することにより行なわれる。合致すると判定したときには、小当り遊技状態に制御される。図7(B)に示されるように、第1特別図柄用の方が、第2特別図柄用よりも、小当り判定値が多く設定されている。
図7(A),(B)に記載されている数値が大当り判定値または小当り判定値である。なお、以下、ランダムRの値に対応する大当り判定値と小当り判定値とを、「当り判定値」とまとめて表現することがある。また、ランダムRの値に対応する大当り判定と小当り判定とを、「当り判定」とまとめて表現することがある。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値をランダムRの値とするのであるが、ランダムRの値が図7(A),(B)に示すいずれかの判定値に合致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、確変大当りまたは突確大当り)または小当りにすることに決定する。なお、図7(A),(B)に示す「確率」は、各々、大当りまたは小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りまたは小当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態または小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄または小当りにするか否か決定するということでもある。
図7(C)は、ROM54に記憶されている第1特別図柄大当り種別判定テーブルを示す説明図である。第1特別図柄大当り種別判定テーブルは、第1特別図柄の変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突確大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム2の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突確大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム2の値が大当り種別判定値のいずれかに合致した場合に、大当りの種別を、合致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図7(D)は、ROM54に記憶されている第2特別図柄大当り種別判定テーブルを示す説明図である。第2特別図柄大当り種別判定テーブルは、第2特別図柄の変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム2の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム2の値が大当り種別判定値のいずれかに合致した場合に、大当りの種別を、合致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
第2特別図柄大当り種別判定テーブルにおいては、第1特別図柄大当り種別判定テーブルと異なり、「突確大当り」に対応した判定値が設定されていない。したがって、第2特別図柄の変動表示結果に基づいて大当りとなるときには、「突確大当り」の大当り種別が選択されず、「突確大当り」に制御される場合がない。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、変動表示結果に応じて制御される大当りの種別が一部異なる。このように第2特別図柄の変動表示において「突確大当り」が生じないようにすることにより、時短状態である場合には、可変入賞球装置15が設けられている第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される頻度が高くなるのであるから、15ラウンドの大当りとなる確率を高めることができ、出球率が向上し、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、第1特別図柄の変動表示を行なう場合と第2特別図柄の変動表示を行なう場合とで、同じ大当り種別判定テーブルを用い、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とのそれぞれにおいて、通常大当り、確変大当りおよび突確大当りを大当り種別として決定するようにしてもよい。
可変入賞球装置15が設けられている第2始動入賞口14に対応する第2特別図柄については、大当り種別のうち、「突確大当り」を割振らないように設定されている。これにより、第2始動入賞口14への始動入賞については15R大当りが発生しやすくなり、遊技の興趣を向上させることができる。なお、可変入賞球装置15が設けられていない第1始動入賞口13に対応する第1特別図柄については、大当り種別のうち、「突確大当り」を割振らないようにしてもよい。その場合には、第1特別図柄について「確変大当り」(「突確大当り」は選択されない)の大当り種別が選択される割合と、第2特別図柄について「確変大当り」および「突確大当り」を合せた大当り種別が選択される割合とが等しくなるような設定を行なう。このようにすれば、第1始動入賞口13への始動入賞について、15R大当りが発生しやすくなり、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、複数種類設けられた大当りおよび小当りについて、それぞれの特徴を説明する。図8は、各種の大当りおよび小当りのそれぞれの特徴を表形式で示す図である。
通常大当りについては、演出図柄の表示結果を、通常大当り表示結果用のゾロ目の組合せ(たとえば、左,中,右が「2,2,2」というようないずれかの偶数図柄の組合せ)とすることが決定される。通常大当りとなったときには、大当り遊技状態終了後に、低確高ベース状態に制御される。通常大当りとなったときの特別可変入賞球装置20の開放回数は15回である。高ベース状態は、次の大当りが発生していない状態で特別図柄の変動表示が100回実行された後に終了し、低ベース状態に移行する。
確変大当りについては、演出図柄の表示結果を、確変大当り表示結果用のゾロ目の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」というようないずれかの奇数図柄の組合せ)とすることが決定される。確変大当りとなったときには、大当り遊技状態終了後に、高確高ベース状態に制御される。確変大当りとなったときの特別可変入賞球装置20の開放回数は15回である。高ベース状態は、次の大当りが発生していない状態で特別図柄の変動表示が100回実行された後に終了し、低ベース状態に移行する。確変大当りとなったときには、大当り遊技状態終了後に、確変状態である旨を報知する演出が行なわれる。なお、確変大当りとなったときにおける高ベース状態(時短状態)は、確変状態と同様に、次回の大当りが発生するまで継続する制御を行なうようにしてもよい。
突確大当りについては、演出図柄の表示結果を、たとえば左,中,右が「6,4,6」または「4,6,4」というような突確大当り表示結果用のチャンス目として予め定められた複数のチャンス目のうちいずれかとすることが決定される。突確大当りとなったときには、大当り遊技状態終了後に、高確低ベース状態に制御される。突確大当りとなったときの特別可変入賞球装置20の開放回数は2回である。
なお、突確大当りについては、高ベース状態において突確大当りとなったときに、大当り遊技状態終了後に、高確高ベース状態に制御されるようにしてもよい。具体的に、突確大当り遊技状態に制御される前に、時短フラグがセットされているか否かを判断することに基づいて高ベース状態であるかどうかを判断し、その判断結果を示すデータをRAM55に設けたベース記憶領域に記憶しておき、突確大当り遊技状態が終了した後に、ベース記憶領域の記憶データにより突確大当り遊技状態前に高ベース状態であったことが示されているときには、時短フラグをセットし、高ベース状態に制御すればよい。
小当りについては、演出図柄の表示結果を、たとえば左,中,右が「6,4,6」または「4,6,4」というような突確大当り表示結果用のチャンス目として予め定められた複数のチャンス目と同じチャンス目のうちいずれかとすることが決定される。小当りとなったときには、小当り遊技状態終了後に、大当り確率とベース状態とがともに、小当り遊技状態開始前に対して変更されない。小当りとなったときの特別可変入賞球装置20の開放回数は、突確大当りの場合と同じ2回である。
次に、擬似連の変動表示の変動パターンについて説明する。図9は、擬似連の変動表示の変動パターンの一例を示すタイミングチャートである。図9においては、一例として、再変動が3回行なわれる擬似連の変動パターンが示されている。
擬似連の変動パターンにおいては、変動表示の開始時が初回変動の開始時である。そして、1回の仮停止が行なわれた後、1回目の再変動が行なわれる。仮停止時には、演出表示装置9において、前述の擬似連チャンス目を形成する仮停止図柄の組合せが仮停止される。そして、擬似連の変動パターンにおいては、たとえば、変動パターンにおいて設定された回数分の仮停止および再変動が行なわれ、最後の再変動の終了時には、演出表示装置9において、前述の大当り判定または小当り判定の判定結果に応じ、最終停止図柄(確定停止図柄)として、大当り図柄の組合せ、または、はずれ図柄の組合せが停止表示される。また、リーチとなる変動パターンのときには、最後の再変動時において、演出表示装置9で、リーチ図柄が表示されてリーチ状態となり、リーチ演出が行なわれる。なお、リーチ演出は、最後の再変動時以外の再変動時に行なうようにしてもよい。
次に、パチンコ遊技機1で実行される大当り予告の予告演出の表示例を説明する。図10は、演出表示装置9において先読み予告演出としての連続予告が実行されるときの代表的な表示例を示す表示画面図である。図10においては、連続予告が3回の変動表示に亘り実行された後、再変動が3回行なわれる擬似連の変動表示が実行され、その変動表示の表示結果が大当り表示結果となる例が示されている。
この実施の形態において、擬似連の再変動回数は、変動パターン種別に応じて複数種類の回数のうちから選択され、連続予告を実行する回数(連続予告回数)は、擬似連の再変動回数および保留記憶数に応じて複数種類の回数のうちから選択される。
先読み予告演出としての連続予告は、予告の対象となる保留記憶に基づく変動表示が行なわれるまで変動が行なわれるごとに連続的に繰返し実行される。
図10(A)は、演出表示装置9において、特別図柄の変動表示における特別図柄の変動開始等に対応して、「左」,「中」,「右」の図柄表示エリア9L,9C,9Rのすべてで演出図柄の変動が開始された状態を示している。
図10(B)は、図10(A)で開始した変動表示中に始動入賞が生じて合算保留記憶表示部18cにおける保留記憶表示が加算された状態を示している。図10(B)では、保留記憶数が4個である旨が合算保留記憶表示部18cにおいて表示されている。
図10(C)は、特別図柄の変動停止に対応して、「左」,「中」,「右」の図柄表示エリア9L,9C,9Rのすべてで演出図柄が停止表示されて変動表示が終了し、はずれ表示結果が確定している状態を示している。
図10(D)〜(U)には、図10(B),(C)に示す4個目の保留記憶を予告対象として先読み予告および擬似連の変動表示を実行する条件が成立し、1〜3個目の保留記憶に対応して先読み予告が実行された後、4個目の保留記憶に対応して擬似連の変動表示が実行され、その後、大当り表示結果となる例が示されている。図10(D)〜(I)には、先読み予告が実行される状態が示され、図10(J)〜(U)には、擬似連の変動表示が実行される状態が示されている。
先読み予告が実行されるときには、図10(D)のように演出表示装置9で演出図柄の変動表示が開始された後、図10(F)のように演出表示装置9において演出図柄が停止表示される前までの変動表示中において、図10(E)に示すようにBキャラクタ95Bのような先読み予告用のキャラクタが表示される。先読み予告用のキャラクタは、複数種類設けられており、予め定められた選択条件に基づいて選択されたキャラクタが表示される。
Bキャラクタ95Bを用いた先読み予告は、図10(D)〜(F)、図10(G)〜(I)・・・(K)というように、1個目の保留記憶に基づく変動表示、2個目の保留記憶に基づく変動表示、および、3個目の保留記憶に基づく変動表示において連続して繰返し実行される。なお、3個目の保留記憶に基づく変動表示における演出は、1個目および2個目の保留記憶に基づく変動表示における演出と同様の態様で実行されるが、図10においては、その記載が省略されている。このように、複数回の変動表示に亘って連続して繰返し行なわれる先読み予告が、連続予告と呼ばれる。
そして、4個目の保留記憶に基づく擬似連の変動表示が実行されるときには、図10(J)のように演出表示装置9で演出図柄の変動表示が開始された後、図10(K)に示すようにBキャラクタ95Bのような先読み予告用のキャラクタが表示される。そして、演出表示装置9において、図10(L)のように演出図柄が仮停止された後、図10(M)のように演出図柄が再び変動表示を開始し、擬似連の再変動による変動表示が実行される。演出図柄が仮停止した状態は、図10(L)のように演出図柄がその場で揺動して完全に停止していない状態として表示される。この実施の形態において、連続予告の実行後に擬似連の変動表示が実行されるときには、演出に連続性を持たせるために、連続予告において表示した先読み予告用のキャラクタと同じキャラクタを、擬似連の再変動表示においても表示する演出が行なわれる。
擬似連の1回目の再変動による変動表示においては、図10(M)のように演出表示装置9で演出図柄の変動表示が開始され、図10(N)に示すようにBキャラクタ95Bのような先読み予告用のキャラクタが表示された後、図10(O)のように演出図柄が仮停止される。同様に、2回目の再変動による変動表示においては、図10(P)のように演出表示装置9で演出図柄の変動表示が開始され、図10(Q)に示すようにBキャラクタ95Bのような先読み予告用のキャラクタが表示された後、図10(R)のように演出図柄が仮停止される。
そして、最後となる3回目の再変動による変動表示においては、図10(S)のように演出表示装置9で演出図柄の変動表示が開始され、図10(T)に示すようにリーチ状態となる停止図柄が表示された後、図10(U)のように演出図柄が、最終停止図柄となる大当り図柄の組合せで停止表示される。
次に、先読み予告を実行するときに選択決定された連続予告回数が、先読み予告の予告対象の保留記憶よりも前の保留記憶数よりも少ないときに行なわれる制御例を説明する。具体的に、先読み予告としての連続予告を実行するときの連続予告回数は、複数種類の回数から選択されるので、選択された連続予告回数が当該先読み予告の予告対象の保留記憶よりも前に変動表示を実行すべき保留記憶の個数よりも少なくなる場合が生じることがある。すなわち、先読み予告を実行するときに選択決定された連続予告回数が、先読み予告の予告対象の保留記憶に基づく変動表示よりも前に行なわれる変動表示の回数よりも少なくなることがある。
たとえば、保留記憶1〜4の4つの保留記憶を予告判定範囲として先読み予告の判定をし、4つ目の保留記憶を予告対象として連続予告を実行する条件が成立し、その連続予告についての連続予告回数が2回と決定されることがある。
このようなときに、連続予告の予告判定範囲の保留記憶のうち最初から連続予告を実行していては、先読み予告の予告対象となった保留記憶に基づく変動表示が実行されるまでに、連続予告が途切れてしまい、予告が連続的に行なわれなくなる。具体的に、保留記憶1〜4の4つの保留記憶を予告判定範囲とし、連続予告回数が2回である場合に、保留記憶1〜4の保留記憶のうち最初の保留記憶である保留記憶1に基づく変動表示から連続予告を実行していては、保留記憶1および保留記憶2の変動表示の2回で連続予告が終了するので、保留記憶3で連続予告が行なわれず、先読み予告の予告対象となった保留記憶4に基づく変動表示が実行される前に連続予告が途切れてしまう。
このような問題に対して、本実施の形態では、先読み予告の予告対象の変動表示の前で連続予告が途切れないように先読み予告の予告対象となった保留記憶(擬似連の変動パターンとなる保留記憶)に基づく変動回に近い変動回から連続予告を開始させる予告開始タイミングの設定をする制御を行なう。具体的に、保留記憶1〜4の4つの保留記憶を予告判定範囲とし、連続予告回数が2回である場合には、保留記憶2の変動回から連続予告を開始させる予告開始タイミングの設定をする。このようにすれば、保留記憶2および保留記憶3に亘り連続予告が実行できるので、先読み予告の予告対象の保留記憶4に基づく変動表示の前で連続予告が途切れないようにすることができる。
図11は、演出表示装置9において連続予告が実行されるときに選択された連続予告回数が先読み予告の予告対象の保留記憶に基づく変動表示よりも前に行なわれる変動表示の回数よりも少ない場合に行なわれる連続予告開始設定タイミングの制御例を示す表示画面図である。
図11においては、保留記憶1〜4の4個の保留記憶のうち、2個目および3個目の保留記憶2および保留記憶3に基づく2回の変動表示に亘り連続予告が実行された後、保留記憶4の保留記憶に基づいて再変動が3回行なわれる擬似連の変動表示が実行され、その変動表示の表示結果がはずれ表示結果となる例が示されている。図11については、図10と異なる部分を主に説明する。
図10の例では、連続予告の予告判定範囲の保留記憶が保留記憶1〜4の4個であり、先読み予告の予告対象が4個目の保留記憶4である。そして、図10の例では、選択された連続予告回数が3回であり、選択された連続予告回数が、先読み予告の予告対象の保留記憶よりも前の保留記憶数と等しいので、図10の(E)に示すように1個目の保留記憶から連続予告を開始しても、連続予告の判定対象である4個目の保留記憶に基づく変動表示が実行される前まで連続予告が途切れず実行される。
これに対し、図11の例では、連続予告の予告判定範囲の保留記憶が保留記憶1〜4の4個であり、先読み予告の予告対象が4個目の保留記憶4である。そして、図11の例では、選択された連続予告回数が2回であり、選択された連続予告回数が先読み予告の予告対象の保留記憶よりも前の保留記憶数よりも少ないので、図11の(E)に示すように1個目の保留記憶に基づく変動表示から連続予告を開始せず、図11の(G)に示すように2個目の保留記憶に基づく変動表示から連続予告を開始する。これにより、連続予告が2個目および3個目の保留記憶に対応する2回の変動表示において連続して実行されることにより、先読み予告の判定対象である4個目の保留記憶に基づく変動表示が実行される前まで連続予告が途切れず実行される。
そして、図11においては、(I)〜(S)により、図10の(J)〜(T)と同様に擬似連の変動表示が実行され、その後、図11(T)のように演出図柄が、最終停止図柄となるはずれ図柄の組合せで停止表示される。
次に、先読み予告用のキャラクタとして、Aキャラクタ95Aが表示される制御例を説明する。先読み予告用のキャラクタとしては、第1のキャラクタであるAキャラクタ95Aと、第2のキャラクタであるBキャラクタ95Bとの複数種類のキャラクタが設けられており、先読み予告を実行するときに、どちらかが選択される。Aキャラクタ95AまたはBキャラクタ95Bを表示する演出パターンは、連続予告の予告パターン(連続予告パターン)の一種である。したがって、本実施の形態では、Aキャラクタ95AまたはBキャラクタ95Bを表示する予告演出を連続予告パターンと呼ぶ。
なお、連続予告の予告パターンとしては、単にキャラクタを表示するだけではなく、連続予告の予告対象となる変動表示に達するまでの予告回数(変動表示回数)を連続予告を実行する最初の変動表示において表示し、変動表示が実行されるごとに、連続予告の予告対象となる変動表示に達するまでの回数をカウントダウンまたはカウントアップする演出を行なう予告パターンを用いるようにしてもよい。このようなカウントアップまたはカウントダウンをする演出を行なえば、各変動表示の回において実行する予告演出の連続性を強調することができ、わかりやすい連続予告を行なうことができる。そのようなカウントダウンまたはカウントアップする演出は、複数種類設けて選択可能とし選択される演出により大当りとなる割合が異なるようにしてもよい。
Aキャラクタ95Aは、確変大当り<通常大当り<突確大当り<小当り<擬似連4回(はずれ)<擬似連3回(はずれ)<擬似連2回(はずれ)<擬似連1回(はずれ)という大小関係の選択割合で選択される。Bキャラクタ95Bは、確変大当り>通常大当り>突確大当り>小当り>擬似連4回(はずれ)>擬似連3回(はずれ)>擬似連2回(はずれ)>擬似連1回(はずれ)という大小関係の選択割合で選択される。したがって、Bキャラクタ95Bが表示されたときに、遊技者にとって有利となる割合が高いので、遊技者の期待感を盛上げることができる。一方、Aキャラクタ95Aが表示されたときでも、所定割合で確変大当り等の大当りとなり遊技者にとって有利となる場合もあるので、遊技者の期待感を極端に低下させないようにすることができる。
図12は、図11に示すような演出が行なわれるときにAキャラクタ95Aが表示される例を示す表示画面図である。図12については、図11と異なる部分を主に説明する。連続予告が実行されるときに、Aキャラクタ95Aは、Bキャラクタ95Bの場合と同様に設定されるタイミングで表示される。
なお、図10〜図13においては、予告対象としての擬似連となる変動表示において、再変動時に、連続予告時に実行した演出と同じ演出(同じキャラクタの表示)を実行する例を示した。しかし、これに限らず、予告対象としての擬似連となる変動表示においては、連続予告時に実行した演出と異なる演出を実行してもよい。また、予告対象としての擬似連となる変動表示においては、連続予告時に実行した演出と同じではないが、演出内容が関連する演出を実行してもよい。
次に、変動パターン種別判定用のランダム3と変動パターン種別との関係を説明する。図13は、表示結果がはずれとなるときのランダム3と変動パターン種別との関係を示す図である。図14は、表示結果が大当りとなるときおよび表示結果結果が小当りとなるときのランダム3と変動パターン種別との関係を示す図である。
変動パターンは、変動パターンの演出の態様に基づいて複数種類の変動パターン種別に分類されている。各変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。したがって、変動パターンを決定するときには、まず、複数種類設けられた変動パターン種別からいずれかの種別を選択することにより、変動パターンの大分類(種別)を特定し、その後、選択した変動パターン種別に属する変動パターンの中から変動パターンを選択することにより具体的な変動パターンを決定する処理が行なわれる。
図13を参照して、表示結果がはずれとなるときのランダム3と変動パターン種別との関係を説明する。表示結果がはずれとなるときのランダム3と変動パターン種別との関係は、時短時(時短状態)と、時短時以外の通常時(通常状態)とで異なる。さらに、時短時および通常時のそれぞれについて、ランダム3と変動パターン種別との関係は、始動入賞後の合算保留記憶数が1〜4のときと、始動入賞後の合算保留記憶数が5〜8のときとで異なる。これは、始動入賞後の合算保留記憶数が5〜8のときには、前述した保留数短縮制御が実行されるからである。
通常時で始動入賞後の合算保留記憶数が1〜4のときには、(A)に示すように、次のようにランダム3の数値範囲が各変動パターン種別に割振られている。ランダム3の1〜250の数値範囲が、「通常」の変動パターン種別に割振られている。ランダム3の251〜350の数値範囲が、「ノーマル」の変動パターン種別に割振られている。ランダム3の351〜370の数値範囲が、「スーパー1」の変動パターン種別に割振られている。ランダム3の371〜385の数値範囲が、「スーパー2」の変動パターン種別に割振られている。ランダム3の386〜395の数値範囲が、「スーパー3」の変動パターン種別に割振られている。ランダム3の396〜400の数値範囲が、「スーパー4」の変動パターン種別に割振られている。
「通常」の変動パターン種別は、リーチとならずはずれとなる通常変動の変動パターンが属する種別である。「ノーマル」の変動パターン種別は、変動中にリーチになるものの、リーチ演出が行なわれることなく停止する変動パターンとしてのノーマルリーチの変動パターンが属する種別である。
「スーパー1」の変動パターン種別は、再変動が1回行なわれる擬似連1回の変動表示がされ、かつ、所定のリーチ演出がされるスーパーリーチの変動パターンが属する種別である。「スーパー2」の変動パターン種別は、再変動が2回行なわれる擬似連2回の変動表示がされ、かつ、所定のリーチ演出がされるスーパーリーチの変動パターンが属する種別である。「スーパー3」の変動パターン種別は、再変動が3回行なわれる擬似連3回の変動表示がされ、かつ、所定のリーチ演出がされるスーパーリーチの変動パターンが属する種別である。「スーパー4」の変動パターン種別は、再変動が4回行なわれる擬似連4回の変動表示がされ、かつ、所定のリーチ演出がされるスーパーリーチの変動パターンが属する種別である。
通常時で始動入賞後の合算保留記憶数が5〜8のときには、(B)に示すように、次のようにランダム3の数値範囲が各変動パターン種別に割振られている。ランダム3の1〜300の数値範囲が、通常に割振られている。ランダム3の301〜350の数値範囲が、ノーマルに割振られている。ランダム3の351〜382の数値範囲が、スーパー1に割振られている。ランダム3の383〜392の数値範囲が、スーパー2に割振られている。ランダム3の393〜397の数値範囲が、スーパー3に割振られている。ランダム3の398〜400の数値範囲が、スーパー4に割振られている。
時短時で始動入賞後の合算保留記憶数が1〜4のときには、(C)に示すように、次のようにランダム3の数値範囲が各変動パターン種別に割振られている。ランダム3の1〜300の数値範囲が、通常に割振られている。ランダム3の301〜350の数値範囲が、ノーマルに割振られている。ランダム3の351〜382の数値範囲が、スーパー1に割振られている。ランダム3の383〜392の数値範囲が、スーパー2に割振られている。ランダム3の393〜397の数値範囲が、スーパー3に割振られている。ランダム3の398〜400の数値範囲が、スーパー4に割振られている。
時短時で始動入賞後の合算保留記憶数が5〜8のときには、(D)に示すように、次のようにランダム3の数値範囲が各変動パターン種別に割振られている。ランダム3の1〜320の数値範囲が、通常(非リーチ)に割振られている。ランダム3の321〜350の数値範囲が、ノーマルに割振られている。ランダム3の351〜390の数値範囲が、スーパー1に割振られている。ランダム3の391〜395の数値範囲が、スーパー2に割振られている。ランダム3の396〜398の数値範囲が、スーパー3に割振られている。ランダム3の399〜400の数値範囲が、スーパー4に割振られている。
この実施の形態では、図13に示されるように、時短状態のときに、通常状態と比べて、たとえば、変動表示時間が比較的短い非リーチの通常変動パターンが属する通常の選択割合を高くすること、および、スーパーリーチ1〜4のうちの変動表示時間が比較的短いスーパーリーチが属するスーパー1の選択割合を高くすること等により、特別図柄の変動表示期間を短縮する制御が行なわれる。
また、この実施の形態では、図13に示されるように、変動パターン決定時の合算保留記憶数(変動表示開始により保留記憶数が減算される前の合算保留記憶数)が、所定数以上(たとえば5以上)となったときに、所定数未満のときと比べて、たとえば、変動表示時間が比較的短い非リーチの通常変動パターンが属する通常の選択割合を高くすること、および、スーパーリーチ1〜4のうちの変動表示時間が比較的短いスーパーリーチ1が属するスーパー1の選択割合を高くすること等により、合算保留記憶数が所定数未満であるときよりも特別図柄の変動表示期間を短縮する保留数短縮制御が行なわれる。このような保留数短縮制御が行なわれることにより特別図柄の変動表示の実行効率を向上させることができる。
図13に示すようなランダム3の数値の割振りによれば、はずれとなるときのランダム3の数値範囲は、遊技状態に応じて変動パターン種別を選択するための複数種類の数値範囲に基づいて、1〜250、251〜300、301〜320、321〜350、351〜370、371〜382、383〜390、391〜392、393〜395、396〜397、398、399〜400という複数の数値範囲に分類することができる。
ランダム3の抽出値をこのように分類された数値範囲で特定する場合、表示結果がはずれとなるときに、演出制御用マイクロコンピュータ100の側においては、このような数値範囲の情報と、通常時であるか確変時であるかの情報とがあれば、変動パターン種別について次のような判断をすることが可能である。
通常状態においては、ランダム3の数値範囲が1〜250であれば、合算保留記憶数の多少によらず必ず通常(非リーチ)となると判断することができる。通常状態においては、ランダム3の数値範囲が301〜350であれば、合算保留記憶数の多少によらず必ずノーマルとなると判断することが可能である。
時短状態においては、ランダム3の数値範囲が1〜300であれば、合算保留記憶数の多少によらず必ず通常(非リーチ)となると判断することができる。通常状態においては、ランダム3の数値範囲が321〜350であれば、合算保留記憶数の多少によらず必ずノーマルとなると判断することが可能である。
さらに、ランダム3の数値範囲が351〜400であれば、通常状態か時短状態によらず、かつ、合算保留記憶数の多少によらず、必ずスーパーリーチの変動パターン種別(スーパー1〜スーパー4のすべてを含むスーパーリーチの変動パターン種別)となると判断することができる。
次に、図14を参照して、表示結果が大当りまたは小当りとなるときのランダム3と変動パターン種別との関係を説明する。表示結果が大当りまたは小当りとなるときのランダム3と変動パターン種別との関係は、時短時(時短状態)と、時短時以外の通常時(通常状態)とで異なる。
通常状態で確変大当りとなるときには、(A)に示すように、合算保留記憶数によらず、次のようにランダム3の数値範囲が各変動パターン種別に割振られている。ランダム3の1〜20の数値範囲が、ノーマルに割振られている。ランダム3の21〜60の数値範囲が、スーパー1に割振られている。ランダム3の61〜120の数値範囲が、スーパー2に割振られている。ランダム3の121〜200の数値範囲が、スーパー3に割振られている。ランダム3の201〜400の数値範囲が、スーパー4に割振られている。
時短状態で確変大当りとなるときには、(B)に示すように、合算保留記憶数によらず、次のようにランダム3の数値範囲が各変動パターン種別に割振られている。ランダム3の1〜20の数値範囲が、ノーマルに割振られている。ランダム3の21〜70の数値範囲が、スーパー1に割振られている。ランダム3の71〜140の数値範囲が、スーパー2に割振られている。ランダム3の141〜230の数値範囲が、スーパー3に割振られている。ランダム3の231〜400の数値範囲が、スーパー4に割振られている。
通常状態で通常大当りとなるときには、(C)に示すように、合算保留記憶数によらず、次のようにランダム3の数値範囲が各変動パターン種別に割振られている。ランダム3の1〜20の数値範囲が、ノーマルに割振られている。ランダム3の21〜70の数値範囲が、スーパー1に割振られている。ランダム3の71〜140の数値範囲が、スーパー2に割振られている。ランダム3の141〜230の数値範囲が、スーパー3に割振られている。ランダム3の231〜400の数値範囲が、スーパー4に割振られている。
時短状態で通常大当りとなるときには、(D)に示すように、合算保留記憶数によらず、次のようにランダム3の数値範囲が各変動パターン種別に割振られている。ランダム3の1〜20の数値範囲が、ノーマルに割振られている。ランダム3の21〜80の数値範囲が、スーパー1に割振られている。ランダム3の81〜160の数値範囲が、スーパー2に割振られている。ランダム3の161〜250の数値範囲が、スーパー3に割振られている。ランダム3の251〜400の数値範囲が、スーパー4に割振られている。
通常状態で突確大当りとなるときには、(E)に示すように、合算保留記憶数によらず、次のようにランダム3の数値範囲が各変動パターン種別に割振られている。ランダム3の1〜20の数値範囲が、ノーマルに割振られている。ランダム3の21〜80の数値範囲が、スーパー1に割振られている。ランダム3の81〜160の数値範囲が、スーパー2に割振られている。ランダム3の161〜250の数値範囲が、スーパー3に割振られている。ランダム3の251〜400の数値範囲が、スーパー4に割振られている。
時短状態で突確大当りとなるときには、(F)に示すように、合算保留記憶数によらず、次のようにランダム3の数値範囲が各変動パターン種別に割振られている。ランダム3の1〜20の数値範囲が、ノーマルに割振られている。ランダム3の21〜90の数値範囲が、スーパー1に割振られている。ランダム3の91〜180の数値範囲が、スーパー2に割振られている。ランダム3の181〜270の数値範囲が、スーパー3に割振られている。ランダム3の271〜400の数値範囲が、スーパー4に割振られている。
通常状態で小当りとなるときには、(G)に示すように、合算保留記憶数によらず、次のようにランダム3の数値範囲が各変動パターン種別に割振られている。ランダム3の1〜20の数値範囲が、ノーマルに割振られている。ランダム3の21〜90の数値範囲が、スーパー1に割振られている。ランダム3の91〜180の数値範囲が、スーパー2に割振られている。ランダム3の181〜270の数値範囲が、スーパー3に割振られている。ランダム3の271〜400の数値範囲が、スーパー4に割振られている。
時短状態で小当りとなるときには、(H)に示すように、合算保留記憶数によらず、次のようにランダム3の数値範囲が各変動パターン種別に割振られている。ランダム3の1〜20の数値範囲が、ノーマルに割振られている。ランダム3の21〜100の数値範囲が、スーパー1に割振られている。ランダム3の101〜200の数値範囲が、スーパー2に割振られている。ランダム3の201〜290の数値範囲が、スーパー3に割振られている。ランダム3の291〜400の数値範囲が、スーパー4に割振られている。
また、この実施の形態では、図14に示されるように、確変大当り、通常大当り、突確大当り、および、小当りのそれぞれとなる場合において、時短状態のときに、通常状態と比べて、たとえば、スーパーリーチ1〜4のうちの変動表示時間が比較的短いスーパーリーチ1が属するスーパー1の選択割合を高くすること等により、合算保留記憶数が所定数未満であるときよりも特別図柄の変動表示期間を短縮する制御が行なわれる。
この実施の形態では、図13に示されるように、はずれとなるときに、ノーマル>スーパー1〜スーパー4という割合の大小関係で、リーチとなる変動パターン種別の選択割合が設定されている。一方、図14に示されるように、大当りまたは小当りとなるときに、スーパー1〜スーパー4>ノーマルという割合の大小関係で、リーチとなる変動パターン種別の選択割合が設定されている。したがって、このような大小関係にしたがい、スーパーリーチとなるときには、大当りまたは小当りとなる割合が高いので、スーパーリーチが選択されることに基づいて、遊技者の期待感を向上させることができる。
また、この実施の形態では、図13に示されるように、はずれとなるときに、スーパー1>スーパー2>スーパー3>スーパー4という割合の大小関係で、スーパー1〜スーパー4の変動パターン種別の選択割合が設定されている。一方、図14に示されるように、大当りまたは小当りとなるときに、スーパー4>スーパー3>スーパー2>スーパー1という割合の大小関係で、スーパー1〜スーパー4の変動パターン種別が選択されるように設定されている。したがって、スーパー4>スーパー3>スーパー2>スーパー1という大小関係にしたがい大当りまたは小当りとなる割合が高いので、スーパーリーチの種別に基づいて、遊技者の期待感を向上させることができる。なお、小当りとなるとき、および、突確大当りとなるときには、スーパー1>スーパー2>スーパー3>スーパー4という割合の大小関係で、スーパー1〜スーパー4の変動パターン種別の選択割合が設定されてもよい。
また、この実施の形態では、図14に示されるように、確変大当り>通常大当り>突確大当り>小当りという割合の大小関係で、スーパー4の選択割合が設定されている。したがって、このような大小関係にしたがいスーパー4が選択される割合が高いので、スーパーリーチの種別に基づいて、大当りの種別に関する遊技者の期待感を向上させることができる。
図14に示すようなランダム3の数値の割振りによれば、大当りまたは小当りとなるときのランダム3の数値範囲は、遊技状態に応じて変動パターン種別を選択するための複数種類の数値範囲に基づいて、1〜20、21〜60、61〜70、71〜80、81〜90、91〜100、101〜120、121〜140、141〜160、161〜180、181〜200、201〜230、231〜250、251〜270、271〜290、291〜400という複数の数値範囲に分類することができる。
ランダム3の抽出値をこのように分類された数値範囲で特定する場合、表示結果が大当りまたは小当りとなるときに、演出制御用マイクロコンピュータ100の側においては、このような数値範囲の情報と、通常時であるか確変時であるかの情報とがあれば、大当りまたは小当りとなるときの変動パターン種別について次のような判断をすることが可能である。
たとえば、(A)のように通常状態において確変大当りとなるときには、ランダム3の数値範囲が1〜20であれば、ノーマルとなると判断することが可能である。通常状態において確変大当りとなるときには、ランダム3の数値範囲が21〜60であれば、スーパー1となると判断することが可能である。通常状態において確変大当りとなるときには、ランダム3の数値範囲が61〜120であれば、スーパー2となると判断することが可能である。通常状態において確変大当りとなるときには、ランダム4の数値範囲が121〜200であれば、スーパー3となると判断することが可能である。通常状態において確変大当りとなるときには、ランダム4の数値範囲が201〜400であれば、スーパー4となると判断することが可能である。
このような判断は、(B)〜(H)のような大当りまたは小当りとなるときにも同様に行なうことができる。
次に、図15〜図20を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。変動パターンテーブルとしては、ROM54に、通常状態はずれ時第1判定テーブル、通常状態はずれ時第2判定テーブル、時短状態はずれ時第1判定テーブル、時短状態はずれ時第2判定テーブル、通常状態確変大当り時判定テーブル、時短状態確変大当り時判定テーブル、通常状態通常大当り時判定テーブル、時短状態通常大当り時判定テーブル、通常状態突確大当り時判定テーブル、時短状態突確大当り時判定テーブル、通常状態小当り時判定テーブル、および、時短状態小当り時判定テーブルという複数種類のデータテーブルが記憶されており、選択的に用いられる。
図15は、通常状態はずれ時第1判定テーブルおよび通常状態はずれ時第2判定テーブルを示す図である。図15(a)に示される通常状態はずれ時第1判定テーブルは、時短状態以外の通常状態において、大当り判定によりはずれとすることが決定され、かつ、保留記憶数(合算保留記憶数)が1〜4であるときに用いられる変動パターンテーブルである。図15(b)に示される通常状態はずれ時第2判定テーブルは、時短状態以外の通常状態において、大当り判定によりはずれとすることが決定され、かつ、保留記憶数(合算保留記憶数)が5〜8であるときに用いられる変動パターンテーブルである。
図16は、時短状態はずれ時第1判定テーブルおよび時短状態はずれ時第2判定テーブルを示す図である。図16(a)に示される時短状態はずれ時第1判定テーブルは、時短状態において、大当り判定によりはずれとすることが決定され、かつ、保留記憶数(合算保留記憶数)が1〜4であるときに用いられる変動パターンテーブルである。図16(b)に示される時短状態はずれ時第2判定テーブルは、時短状態において、大当り判定によりはずれとすることが決定され、かつ、保留記憶数(合算保留記憶数)が5〜8であるときに用いられる変動パターンテーブルである。
図17は、通常状態確変大当り時判定テーブルおよび時短状態確変大当り時判定テーブルを示す図である。図17(a)に示される通常状態確変大当り時判定テーブルは、時短状態以外の通常状態において、大当り判定および大当り種別判定により確変大当りとすることが決定されたときに用いられる変動パターンテーブルである。図17(b)に示される時短状態確変大当り時判定テーブルは、時短状態において、大当り判定および大当り種別判定により確変大当りとすることが決定されたときに用いられる変動パターンテーブルである。
図18は、通常状態通常大当り時判定テーブルおよび時短状態通常大当り時判定テーブルを示す図である。図18(a)に示される通常状態通常大当り時判定テーブルは、時短状態以外の通常状態において、大当り判定および大当り種別判定により通常大当りとすることが決定されたときに用いられる変動パターンテーブルである。図18(b)に示される時短状態通常大当り時判定テーブルは、時短状態において、大当り判定および大当り種別判定により通常大当りとすることが決定されたときに用いられる変動パターンテーブルである。
図19は、通常状態突確大当り時判定テーブルおよび時短状態突確大当り時判定テーブルを示す図である。図19(a)に示される通常状態突確大当り時判定テーブルは、時短状態以外の通常状態において、大当り判定および大当り種別判定により突確大当りとすることが決定されたときに用いられる変動パターンテーブルである。図19(b)に示される時短状態突確大当り時判定テーブルは、時短状態において、大当り判定および大当り種別判定により突確大当りとすることが決定されたときに用いられる変動パターンテーブルである。
図20は、通常状態小当り時判定テーブルおよび時短状態小当り時判定テーブルを示す図である。図20(a)に示される通常状態小当り時判定テーブルは、時短状態以外の通常状態において、小当り判定により小当りとすることが決定されたときに用いられる変動パターンテーブルである。図20(b)に示される時短状態小当り時判定テーブルは、時短状態において、小当り判定により小当りとすることが決定されたときに用いられる変動パターンテーブルである。
図15〜図20に示すテーブルのそれぞれは、ランダム3と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム4と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図15〜図20の各テーブルでの変動パターンの欄において、「擬似連なし」は、擬似連が行なわれない変動パターンである。「通常変動」はリーチとならずはずれとなる変動表示を示している。
また、「ノーマルリーチA,ノーマルリーチB」は、ノーマルリーチの変動パターンを示している。「ノーマルリーチA」と「ノーマルリーチB」とは、変動表示時の背景が異なる。「スーパーリーチA,スーパーリーチB」は、リーチ状態となったときに特別な背景画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。「スーパーリーチA」は、第1の背景画像を用いたリーチ演出Aを行なうスーパーリーチの変動パターンである。「スーパーリーチB」は、第2の背景画像を用いたリーチ演出Bを行なうスーパーリーチの変動パターンである。
「擬似連1回」は、擬似連で再変動が1回行なわれる変動パターンである。「擬似連2回」は、擬似連で再変動が2回行なわれる変動パターンである。「擬似連3回」は、擬似連で再変動が3回行なわれる変動パターンである。「擬似連4回」は、擬似連で再変動が4回行なわれる変動パターンである。「はずれ」は、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。「確変大当り」は、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。「通常大当り」は、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。「突確大当り」は、変動表示の最終的な表示結果が「突確大当り」の表示結果となる変動パターンである。「小当り」は、変動表示の最終的な表示結果が「小当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、「擬似連1回 スーパーリーチA はずれ」という変動パターンは、「再変動が1回実行される擬似連の変動表示をし、リーチ演出Aが行なわれた後、はずれ表示結果となるスーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
次に、複数の変動パターンにおける変動時間の長さの関係について説明する。擬似連で再変動が行なわれる変動パターンの変動時間の長さは、擬似連1回<擬似連2回<擬似連3回<擬似連4回というように、再変動回数が増える程長くなるように設定されている。また、「通常」の変動パターン種別に属する通常変動は、「ノーマルリーチA」、「ノーマルリーチB」、「スーパーリーチA」、および、「スーパーリーチB」のような「リーチ」の変動パターン種別に属する変動パターンよりも全般的に変動時間が短くなるように設定されている。また、「スーパーリーチA」、および、「スーパーリーチB」のような「スーパーリーチ」の変動パターン種別に属する変動パターンは、「ノーマルリーチA」、および、「ノーマルリーチB」のような「ノーマル」の変動パターン種別に属する変動パターンよりも全般的に変動時間が長くなるように設定されている。
図15〜図20のテーブルにおいて、「ランダム3範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブルを示す欄である。たとえば、図15(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマル」、「スーパー1」、「スーパー2」、「スーパー3」、「スーパー4」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム3(1〜400)のすべての値が、r1で示される数値範囲、r2で示される数値範囲、r3で示される数値範囲、r4で示される数値範囲、r5で示される数値範囲、および、r6で示される数値範囲で示される数値範囲のような複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、所定のタイミングで抽出したランダム3の値がr3の数値範囲のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「スーパー1」とすることが決定される。
図15(a)の通常状態はずれ時第1判定テーブルにおいては、図15(a)に示す割合で、「ランダム3範囲」と「変動パターン種別」との関係が設定されている。図15(b)の通常状態はずれ時第2判定テーブルにおいては、図15(b)に示す割合で、「ランダム3範囲」と「変動パターン種別」との関係が設定されている。図16(a)の時短状態はずれ時第1判定テーブルにおいては、図16(a)に示す割合で、「ランダム3範囲」と「変動パターン種別」との関係が設定されている。図16(b)の時短状態はずれ時第2判定テーブルにおいては、図16(b)に示す割合で、「ランダム3範囲」と「変動パターン種別」との関係が設定されている。
図17(a)の通常状態確変大当り判定テーブルにおいては、図17(a)に示す割合で、「ランダム3範囲」と「変動パターン種別」との関係が設定されている。図17(b)の時短状態確変大当り判定テーブルにおいては、図17(b)に示す割合で、「ランダム3範囲」と「変動パターン種別」との関係が設定されている。図18(a)の通常状態通常大当り判定テーブルにおいては、図18(a)に示す割合で、「ランダム3範囲」と「変動パターン種別」との関係が設定されている。図18(b)の時短状態通常大当り判定テーブルにおいては、図18(b)に示す割合で、「ランダム3範囲」と「変動パターン種別」との関係が設定されている。
図19(a)の通常状態突確大当り判定テーブルにおいては、図19(a)に示す割合で、「ランダム3範囲」と「変動パターン種別」との関係が設定されている。図19(b)の時短状態突確大当り判定テーブルにおいては、図19(b)に示す割合で、「ランダム3範囲」と「変動パターン種別」との関係が設定されている。図20(a)の通常状態小当り判定テーブルにおいては、図20(a)に示す割合で、「ランダム3範囲」と「変動パターン種別」との関係が設定されている。図20(b)の時短状態小当り大当り判定テーブルにおいては、図20(b)に示す割合で、「ランダム3範囲」と「変動パターン種別」との関係が設定されている。
また、図15〜図20のそれぞれのテーブルにおいて、「ランダム4範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム4範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブルを示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図15(a)を例にとれば、「ノーマル」の種別に属する変動パターンは、「擬似連なし ノーマルリーチA はずれ」、「擬似連なし ノーマルリーチB はずれ」である。各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム4(0〜99)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、「スーパー1」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム4の値に応じて、「擬似連1回 スーパーリーチA はずれ」または「擬似連1回 スーパーリーチB はずれ」の変動パターンが選択決定される。
図15〜図20のそれぞれのテーブルにおいて、はずれとなるときには「ノーマルリーチA」の方が「ノーマルリーチB」よりも選択される割合が大きくなり、大当りとなるときには「ノーマルリーチB」の方が「ノーマルリーチA」よりも選択される割合が大きくなるように設定されている。
また、図15〜図20のそれぞれのテーブルにおいて、はずれとなるときには「スーパーリーチA」の方が「スーパーリーチB」よりも選択される割合が大きくなり、大当りとなるときには「スーパーリーチB」の方が「スーパーリーチA」よりも選択される割合が大きくなるように設定されている。なお、突確大当りとなるとき、および、小当りとなるときには、「スーパーリーチA」の方が「スーパーリーチB」よりも選択される割合が大きくなるようにデータが設定されてもよい。
また、図15〜図20のそれぞれのテーブルにおいては、擬似連の再変動回数が多くなる程、「スーパーリーチB」が選択される割合が大きくなるように設定されている。
なお、図15および図16に示すような保留記憶数に応じて変動パターン種別の決定をする割合を異ならせるときの保留記憶数の閾値(たとえば、保留記憶数が所定個以上でテーブルを異ならせるときの所定値、たとえば、図15および図16でテーブル選択をするための閾値である保留記憶数「5」のような値)を、遊技状態に応じて異ならせるようにしてもよい。たとえば、保留記憶数が所定数以上のときに変動時間が長い変動パターン種別とする決定をする割合を低くするテーブルについて、確変状態においては、非確変状態よりも少ない保留記憶数が当該閾値となるように設定してもよい。
また、図15および図16に示すような保留記憶数に応じて変動パターン種別の決定をする割合を異ならせるときに用いるテーブルとしては、「1」,「2」,「3」・・・というような1つの保留記憶数別にテーブルを設け、これらテーブルを、保留記憶数に応じて変動パターン種別の決定をする割合が異なる(たとえば、保留記憶数が多い程変動時間が長い変動パターン種別とする決定をする割合が低くなる等)ようにデータが設定されたテーブルとしてもよい。具体的には、保留記憶数に応じて、変動パターン種別の決定をする判定値の数が異なるようにデータを設定すればよい。
図21は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図22は、演出制御コマンドのうちの第1始動入賞時変動種別指定コマンドおよび第2始動入賞時変動種別指定コマンドの具体的内容を示す説明図である。
以下に説明するた演出制御コマンドは、2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、このようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図21に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図15〜図20に示された使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンド(変動パターン指定コマンドともいう)がある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、第1飾り図柄表示器9aまたは第2飾り図柄表示器9bにおいて飾り図柄変動表示を開始するように制御し、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、当りとするか否か、および当りの種別(はずれ、通常大当り、確変大当り、突確大当り、小当り)を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて飾り図柄および演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
図21に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した飾り図柄の変動表示(変動)と、第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した飾り図柄の変動表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に伴って演出を行なう演出表示装置9等の演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを図柄変動指定コマンドと総称することがある。第1図柄変動指定コマンドおよび第2図柄変動指定コマンドのそれぞれは、特別図柄の変動表示の開始時において、変動パターンコマンドが送信された後に送信される。なお、第1特別図柄の変動表示を開始するのか第2特別図柄の変動表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
なお、コマンド8D01(H)(第1図柄変動指定コマンド)およびコマンド8D02(H)(第2図柄変動指定コマンド)は、演出制御用マイクロコンピュータ100が、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中に装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の変動表示を行なう第1飾り図柄表示器9aにおいて飾り図柄の変動を行なうのか、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に第2飾り図柄の変動表示を行なう第2飾り図柄表示器9bにおいて飾り図柄の変動を行なうのかを判定するために使用される。
コマンド8F00(H)は、演出図柄(および飾り図柄)の変動表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄および飾り図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始または小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンドまたは小当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドまたは小当り開始指定コマンドには、大当りの種類または小当りに応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始指定2指定コマンドおよび小当り/突確開始指定コマンドがある。コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、非確変大当り(通常大当り)であったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当り遊技の終了または突然確変の遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突確終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。
コマンドC0XX(H)は、上位バイト(MODE)である「C0」により第1始動入賞があったことを指定し、下位バイト(EXT)である「XX」により前述したような大当り判定、大当り種別の判定、および、小当り判定のような当り判定の先読み判定結果を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)は、上位バイト(MODE)である「C1」により第2始動入賞があったことを指定し、下位バイト(EXT)である「XX」により前述の当り判定の先読み判定結果を指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
具体的に、第1始動入賞指定コマンドおよび第2始動入賞指定コマンドのそれぞれについては、下位バイトである「XX」により、たとえば、「はずれ」、「確変大当り」、「通常大当り」、「突確大当り」、「小当り」というような、当り判定結果を特定する先読み判定結果が指定され、時短状態中および大当り遊技状態中のように、先読みの禁止状態において始動入賞に対する先読みが行なわれなかった場合には、下位バイトである「XX」により、「判定なし」が指定される。
コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(保留記憶数減算指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を特定するための合算保留記憶数指定コマンドを送信して指定するようにしてもよい。また、このような保留記憶数に関連するコマンドを用いず、演出制御用マイクロコンピュータ100が遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信するごとに、保留記憶数を1ずつ減算するようにしてもよい。
コマンドC4XX(H)は、上位バイト(MODE)である「C4」により第1始動入賞があったことを指定し、下位バイト(EXT)である「XX」により前述したような変動パターン種別の先読み判定結果を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞時変動種別指定コマンド)である。コマンドC5XX(H)は、上位バイト(MODE)である「C5」により第2始動入賞があったことを指定し、下位バイト(EXT)である「XX」により変動パターン種別の先読み判定結果を指定する演出制御コマンド(第2始動入賞時変動種別指定コマンド)である。第1始動入賞時変動種別指定コマンドと第2始動入賞時変動種別指定コマンドとを、始動入賞時変動種別指定コマンドと総称することがある。
具体的に、第1始動入賞時変動種別指定コマンドおよび第2始動入賞時変動種別指定コマンドのそれぞれについては、下位バイト(EXT)である「XX」により、たとえば、図22に示すような数値範囲により変動パターン種別の先読み判定結果が指定される。
図22においては、(a)に当り判定の先読み判定結果がはずれとなった時の変動種別指定コマンドの下位バイト(EXT)の指定内容が示され、(b)に当り判定の先読み判定結果が大当りまたは小当りとなった時の変動種別指定コマンドの下位バイト(EXT)の指定内容が示されている。
図22(a)に示すように、当り判定の先読み判定結果がはずれとなった時には、図13に示すようなはずれとなるときのランダム3の数値範囲の分類(1〜250、251〜300、301〜320、321〜350、351〜370、371〜382、383〜390、391〜392、393〜395、396〜397、398、399〜400という複数の数値範囲の分類)にしたがって区分されたはずれ第1種別〜はずれ第12種別の数値範囲のうちいずれかにより、変動パターン種別の先読み判定結果が指定される。
図22(b)に示すように、当り判定の先読み判定結果が大当りまたは小当りとなった時には、図14に示すような大当りまたは小当りとなるときのランダム3の数値範囲の分類(1〜20、21〜60、61〜70、71〜80、81〜90、91〜100、101〜120、121〜140、141〜160、161〜180、181〜200、201〜230、231〜250、251〜270、271〜290、291〜400という複数の数値範囲の分類)にしたがって区分された当り第1種別〜当り第16種別の数値範囲のうちいずれかにより、変動パターン種別の先読み判定結果が指定される。
次に、図21を参照して、コマンドC601(H)は、遊技状態が通常状態(確変状態および時短状態以外の状態)であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドC602(H)は、遊技状態が時短状態(確変状態を含まない)であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。
演出制御コマンドの送出方式としては、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図21および図22に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、有効な始動入賞に基づいて保留記憶表示を行なう場合に、始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時に前述した先読み判定を行なった場合には、当該先読み判定結果に応じた始動入賞指定コマンドおよび始動入賞時変動種別指定コマンドを送信する。
演出制御用マイクロコンピュータ100では、始動入賞指定コマンドおよび始動入賞時変動種別指定コマンド等が示す情報に基づき、先読み予告を実行するか否かを判定するための処理、および、先読み予告パターンを選択するための処理等を行なう。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の変動表示を開始する度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび図柄変動指定コマンドを送信し、さらに、表示結果指定コマンドを送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、このように送信された変動パターンコマンド等に基づき、飾り図柄変動表示を開始するように制御するとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
図23は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図23には、一例として、演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3、各種の演出決定用のSR2、擬似連時第1仮停止図柄決定用のSR4−1、擬似連時第2仮停止図柄決定用のSR4−2、擬似連時第3仮停止図柄決定用のSR4−3、擬似連時第4仮停止図柄決定用のSR4−4、連続予告実行判定用のSR5、連続予告パターン決定用のSR6、および、連続予告回数決定用のSR7が示されている。
SR1−1,SR1−2,SR1−3は、演出図柄の左,中,右の停止図柄(仮停止図柄を除く最終的な停止図柄)をランダムに決定するために用いられる。SR2は、演出表示装置9で表示される画像による演出内容等の各種の演出内容をランダムに決定するために用いられる。擬似連時第1仮停止図柄決定用のSR4−1〜擬似連時第4仮停止図柄決定用のSR4−4のそれぞれは、前述したような擬似連の演出が行なわれるときの第1回目の再変動後の仮停止時の仮停止図柄〜第4回目の再変動後の仮停止時の仮停止図柄を決定するために用いられる。
乱数SR5は、先読み予告として行なわれる連続予告を実行するか否かの判定をするためのランダムカウンタである。乱数SR6は、連続予告の予告パターンを複数種類の予告パターンのうちから決定するためのランダムカウンタである。乱数SR7は、連続予告を行なう変動表示の回数としての連続予告回数を複数種類の回数のうちから決定するためのランダムカウンタである。
このような乱数SR1−1〜SR7のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、図23において対応付けられた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
図24は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。
特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしているか否か、すなわち、第1始動入賞が発生しているか否かを判断する(S311)。第1始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、CPU56は、第1始動口スイッチ13aがオンしていたか否かにかかわらず、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしているか否か、すなわち、第2始動入賞が発生しているか否かを判断する(S313)。第2始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(S314)。そして、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行なう。
S300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、第1保留記憶データを記憶する第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶データを記憶する第2保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数の合算数(合算保留記憶数)を確認する。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間:変動表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、変動パターンコマンドおよび第1図柄変動指定コマンドまたは第2図柄変動指定コマンドを送信するための処理を行ない、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を開始させ、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる処理を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果特定コマンドを送信するための処理を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信するための制御を行なう。そして、大当りフラグまたは小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305またはS308に対応した値(この例では5または8)に更新する。大当りフラグも小当りフラグもがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄および飾り図柄が停止されるように制御する。また、当該大当り遊技状態となったときの状態が確変状態であり、確変フラグがセットされていたときには、確変フラグがリセットされる(当該大当りが確変となる大当りであるか否かに関わらずリセットされる)。
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによってラウンド中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、すべてのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。また、遊技状態を示すフラグ(たとえば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(S308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口を開放する時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS309に対応した値(この例では9)に更新する。
小当り開放中処理(S309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。小当り遊技状態中の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残り開放回数がある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、すべての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(S310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図25は、S312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。図26は、S314の第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。図27は、第1始動口スイッチ通過処理および第2始動口スイッチ通過処理のそれぞれで呼出されて実行される入賞時演出処理を示すフローチャートである。図28は、第1始動口スイッチ通過処理および第2始動口スイッチ通過処理のそれぞれにおいて用いられる保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。
図25〜図28を用いて、第1始動口スイッチ処理および第2始動口スイッチ処理の内容を説明する。
図25の第1始動口スイッチ処理において、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値が4(上限値)であるか否かを確認する(S211)。第1保留記憶数カウンタは、第1始動入賞口13に始動入賞した第1始動入賞の数を示す第1保留記憶数をカウントするためのカウンタである。
S211において第1保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。一方、第1保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S212)。
図28に示すように、保留記憶バッファとしては、第1始動入賞のデータを記憶するための第1保留記憶バッファと、第2始動入賞のデータを記憶するための第2保留記憶バッファとが設けられている。第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶された始動入賞のデータは、保留記憶データと呼ばれる。また、第1保留記憶バッファに記憶された始動入賞のデータは、第1保留記憶データと呼ばれ、第2保留記憶バッファに記憶された始動入賞のデータは、第2保留記憶データと呼ばれる。
次に、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S213)。なお、S213の処理では、ランダムR(大当り判定用乱数)、ソフトウェア乱数であるランダム2、および、ランダム3(図6参照)が、保存領域に格納される。
そして、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かに基づいて、現在が時短状態であるか否かを確認する(S214)。時短状態であるときには、保留記憶データを先読みしないようにするために、入賞時演出処理を実行せず、先読み判定結果を特定しない第1始動入賞指定コマンドを送信し(S220)、S218に進む。一方、時短状態でないときに、CPU56は、特別図柄プロセスフラグのデータが、大当り遊技状態においてなり得るデータ(大入賞開放前処理、大入賞口開放中処理、または、大当り終了処理を示すデータ)になっているか否かに基づいて、現在が大当り遊技状態中であるか否かを確認する(S215)。なお、小当り遊技状態中であるときに、第1始動入賞について、先読み判定が行なわれないようにしてもよい。
大当り遊技状態中であるときには、保留記憶データを先読みしないようにするために、入賞時演出処理を実行せず、先読み判定が行なわれなかったことを示す前述の「判定なし」を指定する第1始動入賞指定コマンドを送信し(S220)、S218に進む。このように、大当り遊技状態中であるときと、大当り遊技状態終了後の時短状態であるときとには、第1始動入賞について、先読み判定が行なわれない。大当り遊技状態の終了後の所定期間中において時短状態に制御されているときに、第1保留保留記憶バッファに対する先読み判定が禁止されるので、遊技者の射幸心を過度に刺激しないようにすることができる。具体的に、時短状態に制御されているときには、第2始動入賞による保留記憶データが第1始動入賞による保留記憶データよりも優先的に処理されるので、たとえば第1始動入賞に基づく大当りがストックされたまま第2始動入賞に基づく大当りが実行されると、大当りがストックされた状態で大当り遊技が進行するような演出が行なわれることとなるので、過度に遊技者の射幸心を刺激してしまうおそれがあるからである。さらに、このような先読み判定の禁止が行なわれるときが、時短状態に制御されているときであるので、遊技の興趣の低下を招くことなく、遊技者の射幸心を過度に刺激しないようにすることができる。また、大当り遊技状態中において第1保留保留記憶バッファに対する先読み判定が禁止されるので、遊技者の射幸心を過度に刺激しないようにすることができる。さらに、このような先読み判定の禁止が行なわれるときが、大当り遊技状態に制御されているときであるので、遊技の興趣の低下を招くことなく、遊技者の射幸心を過度に刺激しないようにすることができる。
なお、たとえば大当り遊技状態中および大当り遊技状態終了後の時短状態であるときのように、先読み判定を禁止するときには、先読み判定結果を示す始動入賞指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
一方、大当り遊技状態中ではないときに、CPU56は、サブルーチンプログラムとして、図27に示す入賞時演出処理を呼出して実行する(S216)。入賞時演出処理においては、前述したような先読み判定が行なわれ、先読み判定結果がRAM55に記憶される。
入賞時演出処理の実行後に、CPU56は、入賞時演出処理により得られた先読み判定結果のうち当り判定結果(「はずれ」、「確変大当り」、「通常大当り」、「突確大当り」、「小当り」のうちいずれか)を指定した第1始動入賞指定コマンドを送信するための処理を行なう(S217)。そして、CPU56は、入賞時演出処理により得られた先読み判定結果のうち変動パターン種別の判定結果(ランダム3の数値範囲)を指定した第1始動入賞時変動種別指定コマンド(図22参照)を送信するための処理を行ない(S217A)、S218に進む。
S218において、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合算値である合算保留記憶数を示す合算保留記憶数カウンタの値を1増やし(S218)、処理を終了する。なお、合算保留記憶数カウンタの値に基づいて、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドを送信するための処理を行ない、演出制御用マイクロコンピュータ100の側で合算保留記憶数を容易に把握できるようにしてもよい。
S217,S217A,S220のように、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合に、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S29)において演出制御コマンドを送信する。
なお、第1保留記憶データと第2保留記憶データとについて、第2保留記憶データに基づく変動表示を優先せずに、始動入賞が発生した順番(保留記憶がされた順番)にしたがって変動表示をさせるようにしてもよく、その場合には、前述したような高ベース中および大当り遊技状態中に入賞時判定を禁止する処理を実行しないようにしてもよい。
次に、第2始動口スイッチ処理の内容を説明する。図26の第2始動口スイッチ処理において、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値が4(上限値)であるか否かを確認する(S221)。第2保留記憶数カウンタは、第2始動入賞口14に始動入賞した第2始動入賞の数を示す第2保留記憶数をカウントするためのカウンタである。
S221において第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。一方、第2保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S222)。
次に、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、図29に示すような第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S223)。なお、S223の処理では、ランダムR(大当り判定用乱数)およびソフトウェア乱数であるランダム2、および、ランダム3(図6参照)が、保存領域に格納される。
そして、CPU56は、サブルーチンプログラムとして、図26に示す入賞時演出処理を呼出して実行する(S224)。入賞時演出処理の内容は、図27を用いて後述する。入賞時演出処理においては、前述したような先読み判定が行なわれ、先読み判定結果がRAM55に記憶される。
入賞時演出処理の実行後に、CPU56は、入賞時演出処理により得られた先読み判定結果のうち当り判定結果(「はずれ」、「確変大当り」、「通常大当り」、「突確大当り」、「小当り」のうちいずれか)を指定した第2始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なう(S225)。そして、CPU56は、入賞時演出処理により得られた先読み判定結果のうち変動パターン種別の判定結果(ランダム3の数値範囲)を指定した第2始動入賞時変動種別指定コマンド(図22(b)参照)を送信する制御を行なう(S225A)。
次に、CPU56は、前述の合算保留記憶数カウンタの値を1増やし(S226)、処理を終了する。なお、合算保留記憶数カウンタの値に基づいて、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行ない、演出制御用マイクロコンピュータ100の側で合算保留記憶数を容易に把握できるようにしてもよい。
S225,S225Aのように、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合に、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S29)において演出制御コマンドを送信する。
次に、入賞時演出処理の内容を説明する。図27は、S216,S224の入賞時演出処理を示すフローチャートである。
この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞に基づく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、確変大当り、通常大当り、突確大当り、小当り、はずれのうちのいずれの表示結果となるかを予め判定する先読み判定を行なうとともに、いずれの変動パターン種別となるか否かを予め判定する先読み判定を行なう。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前に、当りはずれの判定結果、大当り種別、および、変動パターン種別を予測し、このような入賞時の先読み判定結果に基づき、先読み予告として、第1保留記憶または第2保留記憶に基づく複数回の先実行変動表示に亘って連続して、大当りやスーパーリーチとなることを変動表示中に予告する連続予告演出を演出制御用マイクロコンピュータ100によって実行する。
入賞時演出処理では、CPU56は、まず、S213またはS223で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図7(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S230)。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(S230のN)、CPU56は、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(S231)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、S213またはS223で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と、図7(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値のうち、通常時大当り判定値以外の判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S232)。前述したように、図7(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値は、図7(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値と共通の大当り判定値に、確変時固有の大当り判定値が加えられたものである。したがって、S230では、通常時および確変時で共通の大当り判定値としての通常時大当り判定値で大当り判定が行なわれ、S232では、確変時固有の大当り判定値としての確変時大当り判定値で大当り判定が行なわれることとなる。これにより、遊技状態が通常状態であっても確変状態であっても、ランダムRが通常時および確変時で共通の大当り判定値であるときには、S231で通常時の大当り判定値と一致していると判定される。そして、ランダムRが確変時固有の大当り判定値であるときには、S232で確変時の大当り判定値と一致していると判定される。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時大当り判定値とも一致しなければ(S232のN)、S233に進む。
一方、S230またはS232で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合(大当りとなることが判定された場合)には、大当り種別を判定するために、始動入賞が生じた特別図柄の種別、すなわち、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれかの種別に応じた大当り種別判定テーブルを選択して設定する。具体的に、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(図25に示す第1始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(S216)を実行する場合)には、図7(C)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルを設定する。一方、CPU56は、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(図26に示す第2始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(S224)を実行する場合)には、図7(D)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルを設定する。
そして、CPU56は、S213またはS223で抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて大当りの種別を判定する(S235)。次に、S235により判定された大当り種別を示す第1または第2始動入賞指定コマンドのデータをセットする(S236)。
そして、CPU56は、遊技状態が時短状態であるか否か(具体的には、時短フラグがセットされているか否か)を確認することにより現在の遊技状態を判定し、その判定結果と、S235により判定された大当り種別とに応じて、図17〜図19に示す判定テーブルのうち、大当り種別に対応する変動パターン種別判定テーブルを選択して設定する(S237)。
具体的に、CPU56は、S235により確変大当りと判定されたときには、次のように判定テーブルを選択する。CPU56は、遊技状態が時短状態ではないと判定した場合には、図17(a)の通常状態確変大当り時判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブルを設定する。また、CPU56は、遊技状態が時短状態であると判定した場合には、17(b)の時短状態確変大当り時判定テーブルを設定する。
また、CPU56は、S235により通常大当りと判定されたときには、次のように判定テーブルを選択する。CPU56は、遊技状態が時短状態でないと判定した場合には、図18(a)の通常状態通常大当り時判定テーブルを設定する。また、CPU56は、遊技状態が時短状態であると判定した場合には、18(b)の時短状態通常大当り時判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブルを設定する。
また、CPU56は、S235により突確大当りと判定されたときには、次のように判定テーブルを選択する。CPU56は、遊技状態が時短状態でないと判定した場合には、図19(a)の通常状態突確大当り時判定テーブルを設定する。また、CPU56は、遊技状態が時短状態であると判定した場合には、19(b)の時短状態突確大当り時判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブルを設定する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値と一致しなければ(S232のN)、CPU56は、S213またはS223で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図7(B)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S233)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(図25に示す第1始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(S216参照)を実行する場合)には、図7(B)に示す第1特別図柄用の小当り判定テーブルに設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(図26に示す第2始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(S224参照)を実行する場合)には、図7(B)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルに設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致しなければ(S233のN)、はずれとなるので、はずれを示す第1または第2始動入賞指定コマンドのデータをセットする(S240)。そして、CPU56は、この実施の形態では、CPU56は、S240において、遊技状態が時短状態であるか否か(具体的には、時短フラグがセットされているか否か)を確認するとともに、合算保留記憶数が5以上であるか否か(具体的には、合算保留記憶数カウンタの値が5以上であるか否か)を確認することにより現在の遊技状態を判定し、その判定に応じて、図15および図16に示す判定テーブルの中から、はずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して設定する(S241)。
具体的に、CPU56は、遊技状態が時短状態ではなく、かつ、合算保留記憶数が5以上でないと判定した場合には、図15(a)の通常状態はずれ時第1判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブルを設定する。また、CPU56は、遊技状態が時短状態ではなく、かつ、合算保留記憶数が5以上であると判定した場合には、図15(b)の通常状態はずれ時第2判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブルを設定する。また、CPU56は、遊技状態が時短状態であり、かつ、合算保留記憶数が5以上でないと判定した場合には、図16(a)の時短状態はずれ時第1判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブルを設定する。また、CPU56は、遊技状態が時短状態であり、かつ、合算保留記憶数が5以上であると判定した場合には、図16(b)の時短状態はずれ時第2判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブルを設定する。
なお、遊技状態や合算保留記憶数に応じていずれのはずれ判定テーブルを用いるかを区別するのではなく、遊技状態や合算保留記憶数に関係なく、いずれか一方の判定テーブルを選択して設定するようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致した場合には(S233のY)、小当りとなるので、小当りを示す第1または第2始動入賞指定コマンドのデータをセットする(S238)。そして、CPU56は、遊技状態が時短状態であるか否か(具体的には、時短フラグがセットされているか否か)を確認することにより現在の遊技状態を判定し、その判定に応じて、図18(a)の通常状態小当り時変動パターン種別判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブルまたは図18(b)の時短状態小当り時変動パターン種別判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブルを設定する(S239)。
次いで、CPU56は、S241,S239またはS237で設定した変動パターン種別判定テーブルと、S213またはS223で抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)とを用いて、図13および図14に示すような変動パターン種別を特定するランダム3の数値範囲のうち、抽出したランダム3が該当する数値範囲を判定する(S242)。
そして、CPU56は、S242により判定されたランダム3の数値範囲に基づいて、当該数値範囲を特定する図22のような第1または第2入賞時変動種別指定コマンドを送信するためのデータ(コマンドデータ)を設定する処理を行なう(S243)。
以上に説明したように、入賞時演出処理においては、大当り判定、大当り種別判定、小当り判定、および、変動パターン種別判定を行なうことが可能である。このような大当り判定、大当り種別判定、小当り判定、および、変動パターン種別判定は、変動表示の開始を許容する開始条件が成立したときに、特別図柄通常処理および変動パターン設定処理において同様に実行される。
なお、S231およびS232により、確変状態であるときには、確変時の大当り判定値を用いて大当り判定をする例を示した。しかし、これに限らず、確変状態であるときにも、通常時大当り判定値のみを用いて大当り判定をするようにしてもよい。
図29は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。図30は、特別図柄プロセス処理により呼出されて実行される当り判定処理(S59)を示すフローチャートである。
図29を参照して、特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶バッファ(図28参照)に保留記憶データがあるか否か確認する(S52)。第2保留記憶バッファに保留記憶データがあれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。一方、第2保留記憶バッファに保留記憶データがなければ、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器9aにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。なお、ここでいう「共通の処理ルーチン」とは、ある特定の一連の処理を実現するためのプログラムであり、この実施の形態では、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示を行なう一連の処理を実現するためのプログラムを指している。この実施の形態において、「共通の処理ルーチン」には、後述する特別図柄通常処理におけるS55〜S61の処理、S301の変動パターン設定処理、S302の表示結果特定コマンド送信処理、S303の特別図柄変動中処理およびS304の特別図柄停止処理が含まれる。
S52〜S54の制御により、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行される。
このように第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示を第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行することにより、次のような効果を得ることができる。大当り遊技状態の終了後の所定期間中においては、時短制御が行なわれることにより、可変入賞球装置15において、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすくなる。したがって、大当り遊技状態の終了後の所定期間中には、それ以外のときに比べて、第2保留記憶のデータが発生しやすくなる。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファの両方に保留記憶データが記憶されている場合は、第1保留記憶データに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示よりも第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が優先して実行されるので、大当り遊技状態の終了後の時短状態において発生しやすい保留記憶データを効率的に処理することができるから、大当り遊技状態の終了後の時短状態における第2特別図柄表示器8bの変動表示の実行効率を向上させることができる。
CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタのカウント値をRAM55の所定の領域に保存した後(S57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S58)。S58において合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する前には、CPU56は、変動パターン設定処理において、合算保留記憶数に応じて変動パターンを決定するために必要なデータとして、S58でカウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。このように保存したカウンタ値は、変動パターン設定処理において、変動パターンを決定するために用いられる。
次いで、CPU56は、当り判定処理を呼出して実行する(S59)。図30を参照して、当り判定処理では、CPU56は、まず、S55により読出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図7(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S591)。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(S591N)、CPU56は、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(S592)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、S55により読出した大当り判定用乱数(ランダムR)と、図7(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値のうち、通常時大当り判定値以外の判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S593)。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時大当り判定値とも一致しなければ(S593のN)、S598に進む。
一方、S591またはS593で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合(大当りとなることが判定された場合)に、CPU56は、大当りフラグをセットする(S594)。そして、大当り種別を判定するために、始動入賞が生じた特別図柄の種別、すなわち、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれかの種別に応じた大当り種別判定テーブルを設定する(S595)。具体的に、CPU56は、実行する変動表示が第1始動入賞口13への始動入賞による第1保留記憶データに基づく場合には、図7(C)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルを設定する。一方、CPU56は、実行する変動表示が第2始動入賞口14への始動入賞による第2保留記憶データに基づく場合には、図7(D)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルを設定する。
そして、CPU56は、S55により読出した大当り種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて大当りの種別を判定する(S596)。次に、S596により判定された大当り種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに記憶し(S597)、処理を終了する。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突確大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
また、S593により大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(S593のN)、CPU56は、S55により読出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図7(B)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S598)。この場合、CPU56は、実行する変動表示が第1始動入賞口13への始動入賞による第1保留記憶データに基づく場合には、図7(B)に示す第1特別図柄用の小当り判定テーブルに設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、CPU56は、実行する変動表示が第2始動入賞口14への始動入賞による第2保留記憶データに基づく場合には、図7(B)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルに設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。そして、ランダムRが小当り判定値と一致した場合(大当りとなることが判定された場合)に、CPU56は、小当りフラグをセットし(S599)、処理を終了する。
このように、当り判定処理においては、始動入賞時に実行される入賞時演出処理における大当り判定、大当り種別判定、および、小当り判定と同様の処理が行なわれる。したがって、前述した入賞時演出処理によれば、変動表示の開始時に行なわれる大当り判定、大当り種別判定、および、小当り判定の判定結果を先読みすることが可能となる。
なお、始動入賞時に実行される処理である第1始動口スイッチ通過処理および第2始動口スイッチ通過処理のそれぞれにおいて実行される入賞時演出処理と、特別図柄通常処理とで、共通のサブルーチンプログラムを使用して前述のような大当り判定等を行なうようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(S60)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「2」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」,「3」,「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突確大当り」に決定した場合には、2ラウンド大当り図柄となる「1」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別を「通常大当り」に決定した場合には、「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別を「確変大当り」に決定した場合には、「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S61)。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または、第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象にする場合と第2特別図柄を対象にする場合とで共通化することができる。
図31は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。
大当りフラグがセットされているときには、S59の当り判定処理において判定された大当り種別に対応する変動パターン種別判定テーブルとして、通常状態か時短状態かの遊技状態に応じて(時短フラグに基づいて遊技状態を判断する)、図17〜図19に示す通常状態確変大当り時判定テーブル、時短状態確変大当り時判定テーブル、通常状態通常大当り時判定テーブル、時短状態通常大当り時判定テーブル、通常状態突確大当り時判定テーブル、および、時短状態突確大当り時判定テーブルのうちいずれかの判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブルを選択し、変動パターン種別を決定するための判定テーブルとして設定し(S92)、S96に進む。
S91により大当りフラグがセットされていないと確認されたときには、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S93)。小当りフラグがセットされているときには、S59の当り判定処理において判定された小当りに対応する変動パターン種別判定テーブルとして、通常状態か時短状態かの遊技状態に応じて(時短フラグに基づいて遊技状態を判断する)、図20に示す通常状態小当り時判定テーブル、および、時短状態小当り時判定テーブルのいずれかの判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブルを選択し、変動パターン種別を決定するための判定テーブルとして設定し(S94)、S96に進む。
一方、S93により小当りフラグがセットされていないと確認されたときは、はずれとなるときであり、現在の保留記憶数として、S57により保存された合算保留記憶数を読出す(S94a)。そして、読出した合算保留記憶数よりなる現在の保留記憶数、および、通常状態か時短状態かの遊技状態に応じて(時短フラグに基づいて遊技状態を判断する)、図15および図16に示す通常状態はずれ時第1判定テーブル、通常状態はずれ時第2判定テーブル、時短状態はずれ時第1判定テーブル、および、時短状態はずれ時第2判定テーブルのうちいずれかの判定テーブルにおける変動パターン種別テーブルを選択し、変動パターン種別を決定するための判定テーブルとして設定し(S95)、S96に進む。
次に、S96では、S92,S94,S95のいずれかで設定された変動パターン種別判定テーブルを用いて、S55により読出されたランダム3から、変動パターン種別を選択決定する(S96)。前述したように、先読み予告の対象となる変動パターン種別(スーパー1〜4のすべてを含むスーパーリーチの種別)については、時短状態であるか否か、および、保留記憶数の多少に関わらず共通の判定値(351〜400)が割振られていることにより、表示結果がはずれとなることが決定された場合は、時短状態であるか否か、および、保留記憶数がいくつであるかによらず、始動入賞時の先読み判定により判定された変動パターン種別(擬似連を伴うスーパー1〜4のすべてを含むスーパーリーチの種別)と、当該始動入賞後、当該始動入賞の保留記憶データに基づく変動表示開始時に当該変動表示における変動パターン種別として判定された変動パターン種別(擬似連を伴うスーパー1〜4のすべてを含むスーパーリーチの種別)とが必ず一致することとなる。これにより、先読み判定を正確に行なうことができる。
次いで、CPU56は、S96で決定された変動パターン種別に応じた変動パターン判定テーブル(図15〜図20参照)を選択する(S97)。そして、CPU56は、ランダム4を抽出し、S97により選択されたテーブルを用いて、抽出したランダム4から、変動パターンを決定する(S98)。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)をセットする(S99)。これにより、変動パターンコマンドが図5のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。また、変動表示を開始する特別図柄に応じて、第1図柄変動指定コマンドまたは第2図柄変動指定コマンドをセットする(S99a)。具体的に、S99aでは、特別図柄ポインタで指定された方の特別図柄に対応する図柄変動指定コマンドをセットする。これにより、変動パターンコマンドが図5のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。第1図柄変動指定コマンドまたは第2図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドが送信された後の送信タイミングで送信される。なお、前述のように、第1特別図柄の変動表示を開始するのか第2特別図柄の変動表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めることにより、S99aを設けず、第1図柄変動指定コマンドおよび第2図柄変動指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
そして、特別図柄ポインタで指定された方の特別図柄の変動を開始する(S100)。また、S32の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S101)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S102)。
図32は、表示結果指定コマンド送信処理(S302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種別、小当り、はずれの情報に応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図21参照)を送信するための制御を行なう。
表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S110)。
大当りフラグがセットされている場合には、大当りの種別に応じた表示結果指定コマンドをセットする(S111)。具体的に、大当りの種別が確変大当りであるときには、確変大当りを示す表示結果3指定コマンドを送信する処理を行なう。一方、大当りの種別が確変大当りでなく、突確大当りであるときには、突確大当りであることを示す表示結果4指定コマンドを送信する処理を行なう。大当りの種別が確変大当りでも突確大当りでもないときには、通常大当りを示す表示結果2指定コマンドを送信する制御を行なう。これにより、大当りの種別に応じた表示結果指定コマンドが図5のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
S110において、大当りフラグがセットされていない場合には、S116に移行し、小当りフラグがセットされているか否か確認する。CPU56は、S116の処理で小当りフラグがセットされていることを確認したときには、表示結果5指定コマンドをセットする(S117)。小当りフラグがセットされていないときには、表示結果1指定コマンドをセットする(S118)。これにより、セットされた小当りまたははずれを指定する表示結果指定コマンドが図5のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
そして、合算保留記憶数を1減算することを指定する保留記憶数減算指定コマンドを送信する(S119)。なお、保留記憶数減算指定コマンドを送信せずに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信してもよい。また、CPU56は、送信した表示結果指定コマンドをRAM55における演出図柄種類格納領域に保存しておく。
その後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(S303)に対応した値に更新する(S120)。
図33は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(S303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(S125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(S126)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新する(S127)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図34は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行なう(S131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドをセットする(S132)。これにより、図柄確定指定コマンドが図5のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、S139に移行する(S133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグをリセットし(S134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドをセットする(S135)。これにより、大当り開始指定コマンドが図5のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。具体的には、大当りの種別が確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が突確大当りである場合には小当り/突確開始指定コマンドを送信する。そうでない場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が確変大当りまたは突確大当りであるか否かは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて判定される。
また、大入賞口制御タイマに、大当り表示時間(大当りが発生したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S136)。以降、大入賞口開放前処理において、大入賞口制御タイマが1減算されて、0になると大入賞口が開放されてラウンドが開始される。
また、大当り種別に応じた開放態様をセットする(S137)。開放態様としては、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(たとえば、通常大当りおよび確変大当り(15ラウンド大当り)の場合には15回。突確大当り(2ラウンド大当り)の場合には2回。)をセットする(S137)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新する(S138)。
S139では、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する。時短フラグがセットされている場合には、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(S140)。そして、時短回数カウンタの値が0になったか否かを確認し(S141)、時短回数カウンタの値が0になった場合には、時短フラグをリセットする(S142)。そして、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する通常状態指定コマンドをセットする(S143)。これにより、通常状態指定コマンドが図5のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
また、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否か確認する(S144)。小当りフラグがセットされている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する小当り/突確開始指定コマンドをセットする(S145)。これにより、小当り/突確開始指定コマンドが図5のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。また、大入賞口制御タイマに、小当り表示時間(小当りが発生したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S146)。以降、小当り開始前処理において、大入賞口制御タイマが1減算されて、0になると大入賞口が開放開始される。
また、小当りに応じた開放態様をセットする(S147)。小当りに応じた開放態様としては、開放回数が2回、1回開放時間が0.5秒であることを特定するためのデータがセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(S308)に対応した値に更新する(S148)。小当りフラグがセットされていない場合には、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S149)。
図35は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(S305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(S401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(S402)、大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ、処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっている場合には、CPU56は、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A1XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S403)。なお、CPU56は、ラウンド数を、大当り遊技中のラウンド数をカウントするための開放回数カウンタの値を確認することにより認識する。そして、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(特別可変入賞球装置20)を開放する制御を行なうとともに(S404)、開放回数カウンタの値を−1する(S405)。
また、大入賞口制御タイマに、各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間に応じた値を設定する(S406)。たとえば、15ラウンド大当りの場合には最大時間は29秒であり、突確大当りの場合には最大時間は0.5秒である。そして、特別図柄プロセスフラグの値をステップ大入賞口開放中処理(S306)に応じた値に更新する(S415)。
図36および図37は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(S306)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(S420)。
そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になったか否か確認する(S421)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは、カウントスイッチ23がオンしたか否か確認し(S432)、カウントスイッチ23がオンしていなければ、処理を終了する。カウントスイッチ23がオンした場合には、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントするための入賞個数カウンタの値を+1する(S433)。そして、CPU56は、入賞個数カウンタの値が所定数(たとえば10)になっているか否か確認する(S434)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ、処理を終了する。なお、S421とS432との判定順は逆でもよい。
大入賞口制御タイマの値が0になっているとき、または入賞個数カウンタの値が所定数になっているときには、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口を閉鎖する制御を行なう(S435)。そして、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)(S436)。
次いで、CPU56は、開放回数カウンタの値を確認する(S438)。開放回数カウンタの値が0でない場合には、CPU56は、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A2XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S439)。そして、大入賞口制御タイマに、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(インターバル期間)に相当する値を設定し(S440)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に応じた値に更新する(S441)。なお、インターバル期間は、たとえば5秒である。突確大当りのときは15R大当りより短い期間としてもよい。
開放回数カウンタの値が0である場合には、CPU56は、大当り種別を示すデータが確変大当りを示すデータであるときに、大当り終了2指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御を行なう(S442,S447)。なお、S442で確変大当りであるか否かは、具体的には、S74でRAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータが確変大当りを示す値(本例では「02」)であるか否かを確認することにより判定できる。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマに大当り終了時間(大当り遊技が終了したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定し(S449)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(S307)に応じた値に更新する(S450)。
CPU56は、大当り種別を示すデータが確変大当りを示すデータでなく、突確大当りを示すデータである場合には、小当り/突確終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御を行なう(S443,S444)。なお、S443で突確大当りであるか否かは、具体的には、S74でRAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータが突確大当りを示す値(本例では「03」)であるか否かを確認することにより判定できる。大当り種別を示すデータが突確大当りを示すデータでもないときには、大当り終了1指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御を行なう(S445)。そして、S449に移行する。
図38は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了時間が設定された大入賞口制御タイマの値を1減算する(S154)。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になっているか否(大当り終了時間が経過したか否か)確認する(S155)。大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば、大当りの種別が確変大当りまたは突確大当りであったか否か確認する(S158)。
大当りの種別が確変大当りまたは突確大当りであった場合には、確変フラグをセットし(S159)、遊技状態を確変状態に移行させる。そして、大当りの種別が突確大当りであるか否か確認する(S160)。大当りの種別が突確大当りであるときには、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S164)、処理を終了する。一方、大当りの種別が突確大当りでないとき(確変大当りであるとき)には、S161に移行する。また、S158において大当りの種別が確変大当りまたは突確大当りでなかった場合(通常大当りである場合)には、S161に移行する。
S161では、時短フラグをセットする(S161)。そして、時短回数カウンタにたとえば100をセットする(S162)。これにより、確変大当りおよび通常大当りのような15ラウンドの大当り遊技状態の終了後には、時短状態に制御されることとなる。一方、突確大当りのときには、前述のように確変フラグをセットせずに特別図柄通常処理に移行する(S160から直接S164に進む)ことにより、突確大当りの大当り遊技状態の終了後には、時短状態に制御されない。そして、CPU56は、時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理を行なう(S163)。これにより、時短状態指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。次いで、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S164)、処理を終了する。
なお、取り扱うタイマやフラグは異なるものの、S308の小当り開放前処理はS305の大当り開放前処理と同様の処理であり、S309の小当り開放中処理はS306のラウンド中処理と同様の処理であり、S310の小当り終了処理はS307の大当り終了処理と同様の処理である。ただし、小当り終了処理においては、大当り終了処理の場合と異なり、確変フラグおよび時短フラグのセットは行なわれない。したがって、小当りのときには、確変フラグおよび時短フラグのセット/リセットは行なわれない。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560(CPU56)が実行する普通図柄プロセス処理(S27)について説明する。図39は、普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出すると(S911)、ゲートスイッチ通過処理(S912)を実行する。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じてS900〜S903に示された処理のうちのいずれかの処理を実行する。
ゲートスイッチ通過処理(S912):CPU56は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する。最大値に達していなければ、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1する。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄保留記憶表示器41のLEDが点灯される。そして、CPU56は、普通図柄当り判定用乱数(ランダム5)の値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理を行なう。
普通図柄通常処理(S900):CPU56は、普通図柄の変動を開始することができる状態(たとえば普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示がなされておらず、かつ、普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示されたことに基づく可変入賞球装置15の開閉動作中でもない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。普通図柄通常処理においては、特別遊技状態としての時短状態であるときに、時短状態以外の通常遊技状態よりも、普通図柄の当りと判定する判定値を増加させる設定が行なわれる。これにより、時短状態においては、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる。さらに、普通図柄通常処理においては、時短状態であるときに、時短状態以外の通常遊技状態よりも、普通図柄の変動時間を短縮する設定が行なわれる。これにより、時短状態においては、普通図柄表示器10における変動時間が短縮される。そして、普通図柄プロセスタイマに普通図柄の変動時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(S901)を示す値(具体的には「1」)に更新する。
普通図柄変動処理(S901):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止し、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(S902)を示す値(具体的には「2」)に更新する。
普通図柄停止処理(S902):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうかを確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(S900)を示す値(具体的には「0」)に更新する。一方、普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットし、タイマをスタートさせる。また、現在の遊技状態が時短状態のような特別遊技状態であるか否かを確認し、特別遊技状態であれば、特別遊技状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターン(2秒×2回開放)を選択し、特別遊技状態以外の通常遊技状態であれば、通常遊技状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターン(1秒×1回開放)を選択し、選択した開放パターンを設定する。具体的には、特別遊技状態のときには、通常遊技状態のときよりも、可変入賞球装置15の開放時間が長く、かつ、開放回数が多い開放パターンが設定される。これにより、特別遊技状態においては、通常遊技状態よりも可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とが時短状態でないときよりも高められる(多くされる)。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(S903)を示す値(具体的には「3」)に更新する。
普通電動役物作動処理(S903):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていないことを条件に、普通電動役物(可変入賞球装置15)への遊技球の入賞個数(第2始動入賞口14への入賞個数)をカウントする普通電動役物入賞カウント処理を実行し、また、設定された開放パターンで普通電動役物の開放を行なう(可変入賞球装置15の開閉動作を実行する)普通電動役物開放パターン処理を実行する。そして、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(S900)を示す値(具体的には「0」)に更新する。また、普通電動役物入賞カウント処理において、カウントした入賞個数がたとえば8個のような予め定められた上限個数となったときには、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトする前であっても、普通電動役物作動処理が終了され、可変入賞球装置15の開放状態が終了させられる。
次に、演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図40は、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、8ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、S704〜S710の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等をするコマンド解析処理を行なう(S704)。次に、受信した演出制御コマンドに基づいて、保留記憶データの内容を特定可能な情報をRAMに設けられた第1,第2当り判定結果記憶バッファおよび第1,第2変動種別記憶バッファに記憶させるとともに、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行なう保留記憶処理を実行する(S705)。また、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S706)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、第1飾り図柄表示制御処理を行なう(S707)。第1飾り図柄表示制御処理では、第1飾り図柄表示器9aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄表示制御処理を行なう(S708)。第2飾り図柄表示制御処理では、第2飾り図柄表示器9bの表示制御を実行する。さらに、演出の態様等を決定するために用いられる乱数を生成するためのカウンタ(図23のSR1−1〜SR7のランダムカウンタ)のカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S709)。その後、S702に移行する。なお、第1飾り図柄表示制御処理と第2飾り図柄表示制御処理とについては、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する特別図柄プロセス処理のように、第1飾り図柄表示制御処理と第2飾り図柄表示制御処理とを共通化して、すなわち一つのプログラムモジュールで実現するようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するプログラム容量を減らすようにしてもよい。
図41、図42および図43は、コマンド解析処理(S704)の具体例を示すフローチャートである。図44は、第1当り判定結果記憶バッファ、第1変動種別記憶バッファ、第2当り判定結果記憶バッファ、第2変動種別記憶バッファの構成を示す図である。
主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
図41を参照して、コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、RAMに形成されているコマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読出す(S612)。なお、読出したら読出ポインタの値を+2しておく(S613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読出すからである。
コマンド受信バッファとして、たとえば、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。したがって、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号に基づく割込処理で受信され、コマンド受信バッファに保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドが、予め定められたコマンドのうち、どのコマンド(図21参照)であるのか解析する。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(S614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(S615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(S617)、演出制御用CPU101は、その表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンドのいずれか)を、演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(S618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(S621)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(S622)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドであれば(S623)、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする(S624)。受信した演出制御コマンドが小当り/突確開始指定コマンドであれば(S625)、演出制御用CPU101は、小当り/突確開始指定コマンド受信フラグをセットする(S626)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(S627)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(S628)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(S629)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(S630)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(S631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行なう(S632)。初期画面には、予め決められている演出図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(S633)、予め決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行なう(S634)。そして、停電復旧フラグをセットする(S635)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドまたは大当り終了2指定コマンドであれば(S641)、演出制御用CPU101は、対応するフラグとして、大当り終了1指定コマンド受信フラグまたは大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(S642)。受信した演出制御コマンドが小当り/突確終了指定コマンドであれば(S643)、演出制御用CPU101は、小当り/突確終了指定コマンド受信フラグをセットする(S644)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(S645)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをセットする(S646)。また、受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(S647)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをセットする(S648)。
ここで、図44を参照して、第1当り判定結果記憶バッファ、第1変動種別記憶バッファ、第2当り判定結果記憶バッファ、および、第2変動種別記憶バッファについて説明する。図44においては、(A)に第1当り判定結果記憶バッファと第1変動種別記憶バッファとが示され、(B)に第2当り判定結果記憶バッファと第2変動種別記憶バッファとが示されている。
図44に示すように、第1当り判定結果記憶バッファは、第1特別図柄に対応する第1始動入賞指定コマンドが指定する当り判定の先読み判定結果に対応するデータ(「はずれ」、「確変大当り」、「通常大当り」、「突確大当り」、「小当り」のいずれかを特定するデータ)をコマンドの受信した順番、すなわち、始動入賞順番にしたがって記憶する複数(保留記憶上限数に対応する数)の記憶領域を有するバッファである。第1変動種別記憶バッファは、第1当り判定結果記憶バッファに対応して設けられ、第1始動入賞時変動種別指定コマンドが指定する変動パターン種別の先読み判定結果に対応するデータ(図22に示す数値範囲のいずれかを特定するデータ)をコマンドの受信した順番にしたがって記憶する複数(保留記憶上限数に対応する数)の記憶領域を有するバッファである。図44において、第1変動種別記憶バッファと第1当り判定結果記憶バッファとの間の矢印は、これらバッファ間での記憶領域の対応関係を示すものである。
また、図44に示すように、第2当り判定結果記憶バッファは、第2特別図柄に対応する第2始動入賞指定コマンドが指定する当り判定の先読み判定結果に対応するデータ(「はずれ」、「確変大当り」、「通常大当り」、「突確大当り」、「小当り」のいずれかを特定するデータ)を受信した順番、すなわち、始動入賞順番にしたがって記憶する複数(保留記憶上限数に対応する数)の記憶領域を有するバッファである。第2変動種別記憶バッファは、第2当り判定結果記憶バッファに対応して設けられ、第2始動入賞時変動種別指定コマンドが指定する変動パターン種別の先読み判定結果に対応するデータ(図22に示す数値範囲のいずれかを特定するデータ)を受信した順番にしたがって記憶する複数(保留記憶上限数に対応する数)の記憶領域を有するバッファである。図44において、第2変動種別記憶バッファと第2当り判定結果記憶バッファとの間の矢印は、これらバッファ間での記憶領域の対応関係を示すものである。
これら第1当り判定結果記憶バッファ、第1変動種別記憶バッファ、第2当り判定結果記憶バッファ、および、第2変動種別記憶バッファのそれぞれにおいては、コマンドを受信した順番にしたがって、図中の「1」、「2」、「3」、「4」の領域の順番でデータが記憶されていき、保留記憶数減算指定コマンドを受信するごとに、古いデータ(「1」の領域のデータ)から順番に削除され、かつ、残りのデータが領域を1つずつ、古いデータを記憶する領域側にシフトするようにデータが管理される。これにより、第1変動種別記憶バッファおよび第2当り判定結果記憶バッファにおいては、遊技制御用マイクロコンピュータ560側の第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶されたデータに対応した保留記憶データが記憶される。
図42を参照して、受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンドであれば(S649)、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。第1始動入賞指定コマンドを受信したときには、RAMに設けられた第1当り判定結果記憶バッファに、受信した第1始動入賞指定コマンドに対応したデータを記憶する(S650)。また、第2始動入賞時変動種別指定コマンドを受信したときには、RAMに設けられた第2変動種別記憶バッファに、受信した第2始動入賞時変動種別指定コマンドに対応したデータを記憶する(S650)。そして、未処理数カウンタを1加算する(S650A)。後述するように、未処理数カウンタの値に基づき、保留記憶数が加算表示される。
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞時変動種別指定コマンドまたは第2始動入賞時変動種別指定コマンドであれば(S651)、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。第1始動入賞時変動種別指定コマンドを受信したときには、RAMに設けられた第1変動種別記憶バッファに、受信した第1始動入賞時変動種別指定コマンドに対応したデータを記憶する(S652)。また、第2始動入賞指定コマンドを受信したときには、RAMに設けられた第2当り判定結果記憶バッファに、受信した第2始動入賞指定コマンドに対応したデータを記憶する(S652)。
受信した演出制御コマンドが保留記憶数減算指定コマンド(図22のC300)である場合には(S653)、演出制御用CPU101は、保留記憶表示を減算更新させるための保留減算カウンタを1加算する処理を行なう(S654)。この保留減算カウンタの値に基づき、後述するように保留記憶表示が減算表示される。
受信した演出制御コマンドが時短状態指定コマンドであれば(S655)、演出制御用CPU101は、時短状態フラグをセットする(S656)。受信した演出制御コマンドが通常状態指定コマンドであれば(S657)、演出制御用CPU101は、時短状態フラグがセットされていれば、時短状態フラグをリセットする(S658)。これは、時短状態が終了し通常状態に移行するときにおいては、時短状態であることに対応して、S656により時短フラグがセットされているからである。
S655〜S658の処理が行なわれることにより、通常状態指定コマンド、および、時短状態指定コマンドを受信することに基づき、パチンコ遊技機1の遊技状態が通常状態と時短状態とのいずれの状態にあるかを演出制御用マイクロコンピュータ100において認識することができる。具体的に、遊技状態が通常状態であるときには、時短状態フラグがセットされていない状態となる。また、遊技状態が時短状態であるときには、時短状態フラグがセットされている状態となる。これにより、時短状態フラグの状態を確認することにより、遊技状態が通常状態、および、時短状態のいずれの状態にあるかを演出制御用マイクロコンピュータ100において認識することが可能である。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに対応する処理を実行し(S659)、S611に移行する。対応する処理とは、たとえば、受信したコマンドに対応するフラグ等のデータをセットする処理である。
図45は、S705の保留記憶処理の具体的制御内容を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、未処理数カウンタが「1」以上であるか否か判定する(S591)。この未処理数カウンタは、始動入賞指定コマンドを受信する度にS650Aで「1」加算され、後述するS593で「1」減算されるものである。
未処理数カウンタが「1」以上である場合には、図10(B)に示すように、合算保留記憶表示部18cにおける保留記憶表示を加算更新する処理を行なう(S592)。具体的に、S650Aにより未処理数カウンタが1加算されたときに第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞時変動種別指定コマンドとのどちらのコマンドの受信に基づく未処理数カウンタの値であるかを示すデータをRAMの所定領域に記憶しておく。そして、S592で保留記憶表示を加算更新するときに、当該データに基づいて、第1始動入賞指定コマンドの受信に基づく未処理数カウンタの値であるときには、赤色の第1保留記憶の表示数を加算更新し、第2始動入賞指定コマンドの受信に基づく未処理数カウンタの値であるときには、黄色の第2保留記憶の表示数を加算更新する。そして、未処理数カウンタを、「1」減算し(S593)、S591に移行する。これにより、未処理数カウンタが「1」以上のときは、未処理数カウンタが「0」になるまで、合算保留記憶表示部18cにおける保留記憶表示が加算更新される。
一方、未処理数カウンタが「1」以上でない場合(「0」である場合)に、演出制御用CPU101は、保留減算カウンタが「1」以上であるか否かの判断を行なう(S594)。この保留減算カウンタは、保留記憶数減算指定コマンドが送信されてきたことによりS654により「1」加算されるものである。保留減算カウンタが「1」以上である場合は、演出制御用CPU101は、第2当り判定結果記憶バッファにデータが記憶されているかどうかを判断する(S595)。
第2当り判定結果記憶バッファにデータが記憶されているときに、演出制御用CPU101は、第2保留記憶データが第1保留記憶データよりも優先して変動表示に用いられるので、保留記憶数減算指定コマンドに応じて削除する保留記憶データが第2保留記憶データであると判断する。したがって、第2当り判定結果記憶バッファにデータが記憶されているときには、第2当り判定結果記憶バッファおよび第2変動種別記憶バッファのそれぞれで、「1」のデータを消去し、記憶バッファ内のデータ内容を前述のようにシフトする(S596)。
第2当り判定結果記憶バッファにデータが記憶されていないときに、演出制御用CPU101は、第1保留記憶データが変動表示に用いられるので、保留記憶数減算指定コマンドに応じて削除する保留記憶データが第1保留記憶データであると判断する。したがって、第2当り判定結果記憶バッファにデータが記憶されていないときには、第1当り判定結果記憶バッファおよび第1変動種別記憶バッファのそれぞれで、「1」のデータを消去し、記憶バッファ内のデータ内容を前述のようにシフトする(S597)。
S596またはS597によりデータを削除したときには、図10(D)に示すように、合算保留記憶表示部18cにおける保留記憶表示を減算更新する処理を行なう(S598)。具体的に、S598では、S596によりデータを削除したときには、黄色の第2保留記憶の表示数を減算更新し、S597によりデータを削除したときには、赤色の第1保留記憶の表示数を減算更新する。そして、保留減算カウンタを、「1」減算し(S599)、S594に移行する。これにより、保留減算カウンタが「1」以上のときは、保留減算カウンタが「0」になるまで、合算保留記憶表示部18cにおける保留記憶表示が減算更新される。保留減算カウンタが「1」以上でない場合は、処理を終了する。
図46は、飾り図柄(第1飾り図柄および第2飾り図柄)の変動表示の態様の一例を示す説明図である。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。そして、図46に示すように、所定時間(たとえば、0.5秒)毎に交互に点灯する。特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、大当りを想起させる飾り図柄の表示結果として、上側のLEDが点灯している状態にする(図46(A)参照)。また、特別図柄の表示結果をはずれ図柄にする場合には、はずれを想起させる飾り図柄の表示結果として、下側のLEDが点灯している状態にする(図46(B)参照)。
図47は、図40に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S706)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットし、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄および飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、演出図柄(および飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りまたは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行なう。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
図48は、図47に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。
演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S501)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果特定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。なお、はずれとすることに決定されているか否かは、当り(大当り、小当り)とするか否かを特定可能な変動パターンコマンドに基づいて、確認するようにしてもよい。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、リーチとならない非リーチ変動パターン(通常変動の変動パターン)に対応したコマンド(通常変動の変動パターンを示す変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する(S502)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、演出制御用CPU101は、予め定められたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、演出図柄のリーチにならないはずれの停止図柄を決定し(S504)、S516へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。S503の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されたはずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然、大当り図柄の組合せ(確変大当り図柄の組合せ、通常大当り図柄の組合せ、突確大当り図柄の組合せ(この実施形態では小当り図柄の組合せと同じ))、または、小当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然、リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S502の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)に、演出制御用CPU101は、リーチの組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S505)、S516へ進む。S505の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然、大当り図柄の組合せ、突確大当り図柄の組合せ(小当り図柄の組合せも同様)、または、小当り図柄の組合せとなってしまうときには、チャンス目以外のはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
はずれとすることに決定されていない場合に(S501)、演出制御用CPU101は、大当りおよび小当りを含む当りの種別に応じて、当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S503)、S516へ進む。
S503では、以下のように、当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。
演出制御用CPU101は、表示結果2指定コマンド〜表示結果5指定コマンドのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、大当りの種別を判定するとともに、小当りであることを判定する。
確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、確変大当り図柄決定用テーブルを用いて、確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」というようないずれかの奇数図柄の組合せ)を選択決定する。確変大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の確変大当り図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。確変大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、確変大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、確変大当り図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、演出制御用CPU101は、通常大当りにすることに決定されていると判定したときには、通常大当り図柄決定用テーブルを用いて、通常大当り図柄の組合(たとえば、左,中,右が「2,2,2」というようないずれかの偶数図柄のゾロ目の組合せ)を選択決定する。通常大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の通常大当り図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。通常大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、通常大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、通常大当り図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。
また、演出制御用CPU101は、突確大当りにすることに決定されていると判定したときには、突確図柄決定用テーブルを用いて、突確大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「6,4,6」または「4,6,4」というようなチャンス目の組合せ)を選択決定する。突確図柄決定用テーブルは、複数種類の突確図柄の組合せのそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。突確大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、突確図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、突確図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。
なお、突確大当り図柄の組合せとして、本実施の形態では、リーチとなる特定の図柄の組合せを一例として説明したが、これに限らず、突確大当り図柄の組合せとしては、左,中,右が「1,2,3」、「1,3,2」というようなリーチとならないチャンス目の組合せで構成されてもよい。また、突確大当り図柄の組合せとしては、リーチとなる図柄の組合せと、リーチとならない図柄の組合せとを含んで構成されてもよい。
また、演出制御用CPU101は、小当りにすることに決定されていると判定したときには、小当り図柄決定用テーブルを用いて、小当り大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「6,4,6」または「4,6,4」というようなチャンス目の組合せ)を選択決定する。小当り図柄決定用テーブルは、複数種類の小当り図柄の組合せのそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。小当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、小当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、小当り図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。なお、小当り図柄決定テーブルにおける複数種類のチャンス目は、すべてが突確図柄決定用テーブルにおけるチャンス目と同じものであってもよく、一部が突確図柄決定用テーブルにおけるチャンス目と同じものであってもよい。また、小当り図柄決定テーブルにおける複数種類のチャンス目は、すべてが突確図柄決定用テーブルにおけるチャンス目と異なるが類似していて見分けがつきにくものであってもよい。
次に、演出制御用CPU101は、演出パターンを設定するための演出設定処理を実行する(S506)。そして、連続予告演出が中断されていることを示す連続予告中断フラグがセットされているか否かを判定する(S507)。
連続予告中断フラグがセットされていないときには、第1特別図柄を予告対象として予告演出をする第1予告演出が実行されていることを示す第1予告演出フラグ、または、第2特別図柄を予告対象として予告演出をする第2予告演出が実行されていることを示す第2予告演出フラグがセットされているか否かを判定する(S508)。第1予告演出フラグまたは第2予告演出フラグのいずれもセットされていないときには、先読み予告を実行するか否かの判定、および、先読み予告の演出内容を決定する先読み予告演出決定処理を実行し(S509)、S517に移行する。先読み予告演出決定処理の処理内容については、図52を用いて後述する。
一方、第1予告演出フラグまたは第2予告演出フラグのいずかがセットされているときには、第1予告演出フラグがセットされているか否かを判定する(S510)。第1予告演出フラグがセットされていないとき、すなわち、第2予告演出フラグがセットされているときには、S517に移行する。第1予告演出フラグがセットされているときには、第2図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S511)。S511では、第2図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされているかを判定することにより、変動表示する図柄が第2特別図柄であるか否かを判定する。第2図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされていないときには、S517に移行する。
第2特別図柄は、第1特別図柄よりも優勢して変動表示が行なわれる。したがって、第1特別図柄を予告対象とした連続予告が実行されている期間中において、第2特別図柄が実行されるときには、当該連続予告(第1特別図柄を対象とした連続予告)を中断または終了させるための処理をS512による連続予告中断処理において行なう。したがって、S511で第2図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされていると判定したときには、連続予告中断処理を行なう(S512)。連続予告中断処理の具体的な処理内容については、図59を用いて後述する。S510とS511とでは、このような連続予告中断処理を実行するための条件が成立しているか否かを判定しているのである。
連続予告中断処理(S512)においては、連続予告を中断するために、連続予告回数、変動回数カウンタ、連続予告開始フラグ、および、連続予告内容のそれぞれのデータをRAMの作業領域からRAMの特定領域に退避記憶するか、または、これらデータをリセットする。具体的に、S511で第2図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされていると判定した第2特別図柄の変動表示の表示結果がはずれ表示結果となるときには、前述のようなデータの退避を行ない、連続予告中断フラグをセットする。一方、S511で第2図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされていると判定した第2特別図柄の変動表示の表示結果が大当り表示結果となるときには、前述のようなデータのリセットを行ない連続予告中断フラグをセットしない。連続予告中断処理の後、S517に移行する。
また、前述のS507において、連続予告中断フラグがセットされていると判定したときには、第1特別図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S513)。この判定がされる状況は、第1特別図柄を対象とした連続予告の実行中においてはずれとなる第2特別図柄の変動表示が優先して実行されることに基づいて当該連続予告が中断されて当該変動表示が実行された後、新たな変動表示が実行される状況である。
第1特別図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされていないときには、新たに第2特別図柄の変動表示が実行されるときであり、中断していた連続予告を再開できないので、S517に移行する。一方、第1特別図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされているときには、新たに第1特別図柄の変動表示が実行されるときであり、中断していた連続予告を再開できるので、連続予告中断処理により連続予告を中断するために特定領域に退避記憶していた連続予告回数、変動回数カウンタ、連続予告開始フラグ、および、連続予告内容のそれぞれデータをRAMの作業領域にセットする(復帰させる)。そして、第1予告演出フラグをセットし(S515)、連続予告中断フラグをリセットする(S516)。これにより、中断していた連続予告が再開されることとなる。そして、S517に移行する。
また、S517では、第1予告演出フラグまたは第2予告演出フラグがセットされているか否かを判定する(S517)。第1予告演出フラグまたは第2予告演出フラグのいずれもセットされていないときには、S520に移行する。一方、第1予告演出フラグまたは第2予告演出フラグのいずれかがセットされているときには、連続予告を開始するときにS519でセットするフラグである連続予告開始フラグがセットされているか否かを判定する(S517A)。連続予告開始フラグがセットされているときには、S520に移行する。一方、連続予告開始フラグがセットされていないときには、変動回数カウンタのカウンタ値と連続予告回数とが等しいか否かを判定する(S518)。変動回数カウンタは、連続予告の予告対象の保留記憶データに基づく変動表示が実行されるまでに実行される変動表示の回数を減算更新する計数手段であり、変動表示が実行されるごとに、演出図柄停止処理において1回ずつ減算更新される。連続予告回数は、連続予告を開始するときに、S509の先読み予告演出決定処理において決定されるものであり、連続予告を行なう変動表示の回数である。
S518で変動回数カウンタのカウンタ値と連続予告回数とが等しくないときには、S520に移行する。一方、S518で変動回数カウンタのカウンタ値と連続予告回数とが等しいときには、連続予告を開始するときにセットするフラグである連続予告開始フラグをセットし(S519)、S520に移行する。つまり、S518では、先読み予告演出決定処理(S509)において連続予告を実行する決定をしたときに、予告対象の保留記憶データに基づく変動表示が実行される前に連続予告が途切れないように、連続予告の予告対象の保留記憶データに基づく変動表示が実行されるまでに実行される変動表示の回数と、設定された連続予告回数とが等しくなった時点で、連続予告の実行開始を許容する処理が行なわれるのである。
S520において、演出制御用CPU101は、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンうちのいずれかに決定する(S520)。S520において、演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンにより指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを変動表示の演出として使用する演出制御パターンとして選択決定する。さらに、S520においては、擬似連のような特定演出を実行するときには、S506の処理で決定した仮停止図柄で仮停止が行なわれるような演出制御パターンを選択決定する。S509の処理で決定した先読み予告の演出内容等により指定された連続予告演出を含む演出制御パターンを、変動表示の演出として使用する演出制御パターンとして選択決定する。さらに、S520においては、連続予告開始フラグがセットされているときは、S509の処理で決定した先読み予告の演出内容等により指定された連続予告演出を含む演出制御パターンを、変動表示の演出として使用する演出制御パターンとして選択決定する。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、擬似連の演出による演出表示動作、および、予告演出における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。なお、図柄変動制御パターンテーブルとしては、演出図柄の演出動作を制御するための制御データよりなる図柄制御パターンテーブルと、演出図柄の演出動作とは別の予告演出の演出動作を制御するための制御データよりなる予告制御パターンテーブルとを設け、これら演出図柄の演出動作を制御するための制御データと、予告演出の演出動作を制御するための制御データとを組合せて用いることにより、1つの図柄変動制御パターンテーブルにより図柄の演出動作と予告の演出動作とを実行する場合と同様の演出動作を実行するように構成してもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、S520で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S521)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S522)。
演出制御用CPU101は、S519の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27、および演出用部品としての可動部材78,84)の制御を開始する(S524)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。また、可動部材制御データにしたがって、可動部材78を動作させるための駆動信号を出力する。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S525)。変動時間タイマは、演出図柄の変動を開始してから最終停止図柄を停止表示するまでの変動時間を計測するためのタイマである。演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にする(S526)。
図49は、S506の演出設定処理を示すフローチャートである。演出設定処理において、演出制御用CPU101は、S1551において、演出制御用CPU101は、「擬似連」のような仮停止図柄を決定する必要がある演出としての特定演出が行なわれるか否かを判定する(S1551)。特定演出が行なわれるか否かは、変動パターンコマンドにより「擬似連」であることが示されているか否かに応じて判断する。特定演出が行なわれないときには、演出設定処理を終了し、特定演出が行なわれるときには、次のように仮停止図柄を決定する。
演出制御用CPU101は、「擬似連」のような特定演出が行なわれるときには、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶された擬似連時仮停止図柄決定用テーブルを用いて、複数種類の仮停止図柄の組合せの中から使用する仮停止図柄の組合せを決定する。擬似連時仮停止図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の仮停止図柄の組合せのそれぞれに、SR4−1〜SR4−4のそれぞれの数値データが対応付けられている。SR4−1から抽出された数値データに基づいて決定された仮停止図柄が擬似連時第1仮停止図柄として決定される。SR4−2から抽出された数値データに基づいて決定された仮停止図柄が擬似連時第2仮停止図柄として決定される。SR4−3から抽出された数値データに基づいて決定された仮停止図柄が擬似連時第3仮停止図柄として決定される。SR4−4から抽出された数値データに基づいて決定された仮停止図柄が擬似連時第4仮停止図柄として決定される。
具体的に、「擬似連」の演出である場合には、擬似連のたとえば、擬似連3回の変動パターンのときには、擬似連時第1仮停止図柄決定用乱数SR4−1〜擬似連時第3仮停止図柄決定用乱数SR4−3を選択し、それぞれの乱数を抽出して、第1回目仮停止時の仮停止図柄〜第3回目仮停止時の仮停止図柄のそれぞれを決定する。
ここで、図50を参照して、通常変動(擬似連なし)の変動表示が行なわれるときと、擬似連の変動表示が行なわれるときとについて、予告演出等の演出が行なわれるタイミングについて説明する。図50は、通常変動(擬似連なし)の変動表示が行なわれるときの演出と、擬似連の変動表示が行なわれるときの演出とを対比して説明するためのタイミングチャートである。
図50(A)は、通常変動(擬似連なし)により変動表示が行なわれた場合のタイミングチャートである。タイミング1は、変動が開始されたときのタイミングを示している。タイミング2は、タイミング1から時間Tが経過して、確定演出図柄が停止表示されたときのタイミングを示している。タイミング3は、次の変動表示として擬似連の変動表示または擬似連以外の変動表示が開始されたときのタイミングを示している。
図50(B)は、擬似連1回の変動表示が行なわれた場合のタイミングチャートである。タイミング1〜2の間に示すように、初回変動が行なわれてチャンス目が仮停止された後、再変動が行なわれて再度チャンス目が仮停止されている。図50(C)は、擬似連2回の変動表示が行なわれた場合のタイミングチャートである。タイミング1〜2の間に示すように、初回変動が行なわれてチャンス目が停止され、1回目の再変動が行なわれて再度チャンス目が仮停止され、さらに2回目の再変動が行なわれてチャンス目が仮停止されている。
通常変動(擬似連なし)の変動表示においては、タイミング1〜2の間の変動表示中に連続予告の予告演出が1回実行される。連続予告実行後における擬似連の変動表示中には、当該擬似連における初回変動と、最終の再変動を除く再変動とのそれぞれにおいて前述したような連続予告での演出と関連性を持たせる演出が実行される。このため、タイミング1〜2の間において、(B)では1回、(C)では2回、連続予告での演出と関連性を持たせる演出が実行されることになる。
次に、先読み予告としての連続予告の実行条件について説明する。図51は、先読み予告が実行可能な例と、先読み予告が実行不可能な例とを比較して示す図である。
本実施の形態において、先読み予告は、遊技状態に応じて、第1特別図柄に対応する第1保留記憶と、第2特別図柄に対応する第2保留記憶とのどちらかを対象として所定の予告判定範囲内の保留記憶の内容を先読みすることに基づいて行なわれる。第1保留記憶の保留記憶内容は、第1当り判定結果記憶バッファおよび第1変動種別記憶バッファの記憶情報を先読みすることに基づいて確認される。また、第2保留記憶の保留記憶内容は、第2当り判定結果記憶バッファおよび第2変動種別記憶バッファの記憶情報を先読みすることに基づいて確認される。
本実施の形態において、先読み予告は、保留記憶の先読みを行なったときに、データを抽出した予告判定範囲の保留記憶数が2以上であり、予告判定範囲の保留記憶の中に1つでも大当り(確変大当り、通常大当り、突確大当りを含む)、小当り、または、はずれの擬似連となる変動表示が行なわれる予告実行判定対象があり、当該予告実行判定対象よりも先に入賞した予告判定範囲の保留記憶の変動パターン種別がすべて非リーチはずれの変動パターン種別であり、かつ、当該予告実行判定対象について所定確率の予告実行判定により、予告を実行する判定がされたことを条件として実行される。
具体的に、図51に示すように、保留記憶の先読みを行なうときのデータを抽出する予告判定範囲は、第1保留記憶のすべて(最大4個)の保留記憶情報または第2保留記憶のすべて(最大4個)の保留記憶情報であり、第1当り判定結果記憶バッファおよび第1変動種別記憶バッファのすべての記憶情報が予告判定範囲である。
そして、図51(A),(B)に示すように、予告判定範囲の保留記憶の中に1つでも大当り(確変大当り、通常大当り、突確大当りを含む)、小当り、または、はずれの擬似連となる変動パターン種別の変動表示が行なわれる保留記憶があれば、当該保留記憶を予告実行判定対象として特定する。
そして、図51(A)に示すように、予告判定範囲内において予告実行判定対象よりも先に入賞した保留記憶の変動パターン種別がすべて通常変動(非リーチはずれ)の変動パターン種別であるときには、当該予告実行判定対象について予告実行判定をする条件が成立する。これは、通常変動(非リーチはずれ)の変動パターン種別の変動表示において連続予告を行なうときには、通常変動ではリーチとなる変動表示と比べて変動時間が短い変動表示が行なわれるので、予告が連続して実行されている印象を遊技者に付与することが可能となるからである。そして、予告実行判定をする条件が成立した予告実行判定対象について、表示結果が、大当り表示結果と、小当り表示結果と、はずれ(擬似連)表示結果との表示結果の種別に応じて異なる割合で予告を実行するか否かの判定が行なわれる。したがって、図51(A)のような場合には、連続予告が実行可能となる。
一方、図51(B)に示すように、予告判定範囲内において、予告実行判定対象よりも先に入賞した保留記憶の変動パターン種別に少なくとも1つ通常変動(非リーチはずれ)以外の変動パターン種別(確変大当り、通常大当り、突確大当り、または、小当り、リーチはずれ)があるときには、当該予告実行判定対象について予告実行判定をする条件が成立しない。これは、リーチとなる変動パターン種別の変動表示において連続予告を行なうときには、リ−チとならない通常変動と比べて変動時間が長い変動表示が行なわれるので、連続予告を実行していることが遊技者に認識されにくいため、予告が途切れたような印象を遊技者に与えるおそれがあるからである。したがって、図51(B)のような場合には、連続予告が実行不可能となる。
図52および図53は、演出図柄変動開始処理における先読み予告演出決定処理(S509)を示すフローチャートである。図54は、先読み予告実行判定テーブルを示す図である。図55、図56、および、図57は、連続予告回数決定テーブルを示す図である。図58は、連続予告パターン決定テーブルを示す図である。以下、図52〜図58を用いて、先読み予告演出決定処理を説明する。
演出制御用CPU101は、時短状態フラグがセットされているか否かに基づいて高ベース中であるか否かを判定する(S517)。S517について、時短状態フラグがセットされていれば高ベース中であると判定され、時短状態フラグがセットされていなければ高ベース中ではないと判定される。
高ベース中ではないと判定されたときは、第1当り判定結果記憶バッファに記憶されている全保留記憶のデータをRAMの所定領域に抽出する(S551A)。そして、第1変動種別記憶バッファに記憶されている全保留記憶のデータをRAMの所定領域に抽出する(S551A)。一方、高ベース中であると判定されたときは、第2当り判定結果記憶バッファに記憶されている全保留記憶のデータをRAMの所定領域に抽出する(S551C)。そして、第2変動種別記憶バッファに記憶されている全保留記憶のデータをRAMの所定領域に抽出する(S551D)。
このように抽出されたデータが先読み予告を実行するか否かを判定するために用いられる。したがって、低ベース状態(通常状態)においては第1特別図柄のみが先読み予告の予告対象とされ、高ベース状態(時短状態)においては第2特別図柄のみが先読み予告の予告対象とされる。
次に、S551A,S551BまたはS551C,S551Dにより第1当り判定結果記憶バッファおよび第1変動種別記憶バッファ、または、第2当り判定結果記憶バッファおよび第2変動種別記憶バッファから抽出したデータ数(保留記憶数に対応するデータ数)が2以上であるか否かを、抽出したデータに基づいて判定する(S552)。抽出したデータが2以上でなければ、保留記憶に基づく変動表示が2回以上行なわれないので、連続予告とならないからである。抽出したデータが2以上ではないと判定したときには、処理を終了する。一方、抽出したデータが2以上であると判定したときには、抽出したデータに基づいて、予告判定範囲の保留記憶(第1保留記憶または第2保留記憶のうちのデータを抽出した方の全保留記憶)の中に少なくとも1つでも大当り(確変大当り、通常大当り、突確大当りを含む)、小当り、または、はずれの擬似連となる変動表示が行なわれる保留記憶があるか否かを判定する(S553)。
予告判定範囲の保留記憶の中に1つでも大当り、小当り、または、はずれの擬似連となる変動表示が行なわれる保留記憶がないと判定したときには、処理を終了する。一方、予告判定範囲の保留記憶の中に1つでも大当り、小当り、または、はずれの擬似連となる変動表示が行なわれる保留記憶があると判定したときには、当該大当り、小当り、または、はずれの擬似連となる保留記憶を予告実行判定対象に決定する(S554)。そして、予告判定範囲内においてS554により決定した予告実行判定対象よりも先に入賞した保留記憶の変動パターン種別がすべて通常変動(非リーチはずれ)の変動パターン種別であるか否かを判定する(S555)。
先に入賞した保留記憶の変動パターン種別がすべて通常変動(非リーチはずれ)の変動パターン種別であることに該当しないときは、処理を終了する。一方、先に入賞した保留記憶の変動パターン種別がすべて通常変動(非リーチはずれ)の変動パターン種別であることに該当するときは、予告実行判定対象について予告実行判定をするために、前述のように当り判定結果記憶バッファから抽出されたデータに基づいて、予告実行判定対象の保留記憶に対応する当り判定結果(大当り、小当り、または、はずれ(擬似連))を特定する(S556)。
次に、S556に基づいて特定された当り判定結果の情報に基づいて、予告実行判定対象が大当りとなるか否かを判定する(S557)。予告実行判定対象が大当りとなると判定したときは、前述のように当り判定結果記憶バッファから抽出されたデータに基づいて、予告実行判定対象の大当り種別を(確変大当り、通常大当り、または、突確大当り)を特定する(S558)。そして、連続予告実行判定用のSR5の数値データを抽出し、S558で特定した大当り種別に対応して設けられた先読み予告実行判定テーブルに基づいて、先読み予告を実行するか否かを判定し(S559)、S564に進む。
ここで、図54を参照して、先読み予告実行判定テーブルについて説明する。先読み予告実行判定テーブルは、先読み予告を実行するか否かを判定するために用いるデータテーブルであり、連続予告実行判定用のSR5(1〜100)が、先読み予告あり(先読み予告を実行する)と、先読み予告なし(先読み予告を実行しない)との判定結果に割振られている。先読み予告実行判定テーブルでは、SR5の抽出値に基づいて、先読み予告を実行するか否かを判定する。
先読み予告実行判定テーブルは、(A)の確変大当り時先読み予告実行判定テーブル、(B)の通常大当り時先読み予告実行判定テーブル、(C)の突確大当り時先読み予告実行判定テーブル、(D)の小当り時先読み予告実行判定テーブル、および、(E)のはずれ擬似連時先読み予告実行判定テーブルに示すように、予告実行判定対象の先読み判定結果別(表示結果別)に設けられている。
(A)の確変大当り時先読み予告実行判定テーブルは、予告実行判定対象が確変大当りとなるときに用いられる。(B)の通常大当り時先読み予告実行判定テーブルは、予告実行判定対象が通常大当りとなるときに用いられる。(C)の突確大当り時先読み予告実行判定テーブルは、予告実行判定対象が突確大当りとなるときに用いられる。(D)の小当り時先読み予告実行判定テーブルは、予告実行判定対象が小当りとなるときに用いられる。(E)のはずれ擬似連時先読み予告実行判定テーブルは、予告実行判定対象がはずれかつ擬似連となるときに用いられる。
(A)〜(E)の先読み予告実行判定テーブルでは、先読み予告ありと先読み予告なしとについてのSR5データの割振りから明らかなように、SR5の抽出値に基づいて先読み予告を実行する決定がされる割合が、確変大当り時先読み予告実行判定テーブル>通常大当り時先読み予告実行判定テーブル>突確大当り時先読み予告実行判定テーブル>小当り時先読み予告実行判定テーブル>はずれ擬似連時先読み予告実行判定テーブルという大小関係となるように設定されている。したがって、予告実行判定対象が確変大当りとなるときには、先読み予告が実行される割合が最も高いので、先読み予告としての連続予告が実行されたときに、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。また、確変大当りおよび通常大当りのような15R大当りとなるときの方が突確大当りのような2R大当りとなるときよりも先読み予告が実行される割合が高いので、先読み予告としての連続予告が実行されたときに、遊技者の15R大当りへの期待感を高めることができる。また、確変大当り、通常大当り、および、突確大当りのような大当りとなるときの方が小当りまたははずれとなるときよりも先読み予告が実行される割合が高いので、先読み予告としての連続予告が実行されたときに、遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。
次に、図52を参照して、前述したS559では、S558で特定した大当り種別が確変大当りであるときには、図54(A)の確変大当り時先読み予告実行判定テーブルを用いて先読み予告の実行判定をする。また、S558で特定した大当り種別が通常大当りであるときには、図54(B)の通常大当り時先読み予告実行判定テーブルを用いて先読み予告の実行判定をする。また、S558で特定した大当り種別が突確大当りであるときには、図54(C)の突確大当り時先読み予告実行判定テーブルを用いて先読み予告の実行判定をする。
また、前述のS557により予告実行判定対象が大当りとならないと判定したときは、S556に基づいて特定された当り判定結果の情報に基づいて、予告実行判定対象が小当りとなるか否かを判定する(S560)。予告実行判定対象が小当りとなると判定したときは、連続予告実行判定用のSR5の数値データを抽出し、図54(D)の小当り時先読み予告実行判定テーブルを用いて先読み予告の実行判定をし(S561)、S564に進む。
また、前述のS560により予告実行判定対象が小当りとならないと判定したときは、消去法的に、はずれ(擬似連)となるときであると判定できるので、連続予告実行判定用のSR5の数値データを抽出し、図54(E)のはずれ擬似連時先読み予告実行判定テーブルを用いて先読み予告の実行判定をし(S563)、S564に進む。
S564では、S559,S561またはS563の先読み予告実行判定により先読み予告を実行する判定がされたか否かを判定する(S564)。先読み予告を実行する判定がされていないときには、処理を終了する。一方、先読み予告を実行する判定がされたときには、先読み予告実行判定対象の保留記憶が、実際に先読み予告をする保留記憶としての予告対象に決定されるので、前述のように変動種別記憶バッファから抽出されたデータに基づいて、S565で決定した予告対象の保留記憶について、擬似連回数、すなわち、擬似連の再変動回数を特定する処理が行なわれる(S565)。
次に、S556に基づいて特定された当り判定結果の情報に基づいて、予告対象が大当りとなるか否かを判定する(S566)。予告対象が大当りとなると判定したときは、前述のように当り判定結果記憶バッファから抽出されたデータに基づいて、予告実行判定対象の大当り種別を(確変大当り、通常大当り、または、突確大当り)を特定する(S566A)。そして、連続予告実行判定用のSR5の数値データを抽出し、当該数値データと、S565により特定された擬似連の再変動回数、および、前述のように抽出されたデータに基づいて特定される保留記憶数とに基づいて、S5566Aで特定した大当り種別に対応して設けられた連続予告回数決定テーブルにより、先読み予告としての連続予告の実行回数(連続予告を実行する変動表示回数)を決定する(S567)。そして、S571に進む。
ここで、図55〜図57を参照して、連続予告回数決定テーブルについて説明する。連続予告回数決定テーブルは、連続予告の実行回数を決定するために用いるデータテーブルであり、擬似連の再変動回数(1〜4)と保留記憶数(1〜4)との組合せごとに、連続予告回数決定用のSR7が、1〜4回の連続予告回数のそれぞれに割振られている。連続予告回数決定テーブルでは、擬似連の再変動回数(1〜4)と保留記憶数(1〜4)との組合せと、SR7の抽出値とに基づいて、連続予告回数を決定する。
連続予告回数決定テーブルは、図55(a)の確変大当り連続予告回数決定テーブル、図55(b)の通常大当り連続予告回数決定テーブル、図56(a)の突確大当り連続予告回数決定テーブル、図56(b)の小当り連続予告回数決定テーブル、および、図57(a)のはずれ擬似連連続予告回数決定テーブルに示すように、予告対象の先読み判定結果別に設けられている。
図55(a)の確変大当り連続予告回数決定テーブルは、予告対象が確変大当りとなるときに用いられる。図55(b)の通常大当り連続予告回数決定テーブルは、予告対象が通常大当りとなるときに用いられる。図56(a)の突確大当り連続予告回数決定テーブルは、予告対象が突確大当りとなるときに用いられる。図56(b)の小当り連続予告回数決定テーブルは、予告対象が小当りとなるときに用いられる。図57(a)のはずれ擬似連連続予告回数決定テーブルは、予告対象がはずれかつ擬似連となるときに用いられる。
図55(a)の確変大当り連続予告回数決定テーブル、図55(b)の通常大当り連続予告回数決定テーブル、および、図56(a)の突確大当り連続予告回数決定テーブルでは、保留記憶数を上限数として連続予告回数が1〜4回のいずれかに決定されるようにデータが設定されている。これにより、これらテーブルでは、擬似連の再変動回数が最大4回であり、擬似連の再変動回数が4回のときに選択される連続予告回数の最大回数が4回であるので、これらの演出の合計回数としての演出合計回数は、最大8回となる。
図56(b)の小当り連続予告回数決定テーブル、および、図57(a)のはずれ擬似連連続予告回数決定テーブルでは、保留記憶数を上限数として連続予告回数が1〜4回のいずれかに決定されるようにデータが設定されている。ただし、これらテーブルでは、たとえば、擬似連の再変動回数が4回のときに選択される連続予告回数の最大回数が2回に設定されている等、これらの演出の合計回数が6以下に制限されるように連続予告回数のデータが設定されている。
なお、図56および図57に示す確変大当り連続予告回数決定テーブル、通常大当り連続予告回数決定テーブル、突確大当り連続予告回数決定テーブル、および、小当り連続予告回数決定テーブルにおいては、各擬似連回数と保留記憶数との組合せについて、4回の連続予告回数とともに、3回の連続予告回数、および、2回の連続予告回数のそれぞれに関しても、確変大当り>通常大当り>突確大当り>小当りという大小関係で、SR7の判定値が多く割振られるようにしてもよい。このようにすれば、連続予告回数が多くなる程、遊技者にとって有利(たとえば、ラウンド数および確変等の有利さ)な当りに制御されやすくなることを明確化することができる。
図55〜図57に示した連続予告回数決定テーブルでは、擬似連の再変動回数により異なる割合で1回〜4回というような連続予告回数が決定される。具体的には、擬似連の再変動回数が多くなる程、連続予告回数が多くなるように連続予告回数が決定される割合が設定されている。したがって、これにより、連続予告回数が多くなる程、遊技者の期待感を高めることができる。
また、図55(a)、図55(b)、図56(a)に示す大当りとなるときの連続予告回数決定テーブルでは、図56(b)および図57(a)に示す小当りまたははずれとなるときの連続予告回数決定テーブルと比べて、連続予告が4回または3回というような比較的多い連続予告が選択される割合が大きくなるようにデータが設定されている。したがって、これにより、連続予告回数が多くなる程、遊技者の期待感を高めることができる。
また、図55(a)、図55(b)、図56(a)に示す大当りとなるときの連続予告回数決定テーブルでは、確変大当り連続予告回数決定テーブル>通常大当り連続予告回数決定テーブル>突確大当り連続予告回数決定テーブルという大小関係で、連続予告が4回または3回というような比較的多い連続予告が選択される割合が大きくなるようにデータが設定されている。したがって、これにより、連続予告回数が多くなる程、遊技者の期待感を高めることができる。
また、図55〜図57に示した連続予告回数決定テーブルでは、擬似連の再変動回数と連続予告の連続予告回数との演出合計回数が多くなる程、擬似連の再変動回数により異なる割合で1回〜4回というような連続予告回数が決定される。具体的には、擬似連の再変動回数が多くなる程、連続予告回数が多くなるように連続予告回数が決定される割合が設定されている。これにより、連続予告回数が多くなる程、遊技者の期待感を高めることができる。
また、前述のように、はずれ擬似連、および、小当りのように大当りとならないときには、擬似連の再変動回数と連続予告の連続予告回数との演出合計回数が6回以下に制限されており、一方、確変大当り、通常大当り、および、突確大当りのような大当りとなるときには、擬似連の再変動回数と連続予告の連続予告回数との演出合計回数が6回以下に制限されていない。したがって、演出合計回数に応じて、大当りに制御される割合が異なるので、その合計回数に応じて、特定遊技状態に制御されることへの期待度が異なる。これにより、連続予告が実行開始されたときから再変動表示が実行されるときまでの間、特定遊技状態に制御されることへの遊技者の期待感を段階的に変化させることができるので、再変動表示を用いた演出に関する遊技興趣を向上させることができる。
次に、図53を参照して、前述したS567では、S566Aで特定した大当り種別が確変大当りであるときには、図55(a)の確変大当り連続予告回数決定テーブルを用いて連続予告回数を決定する。また、S566Aで特定した大当り種別が通常大当りであるときには、図55(b)の通常大当り連続予告回数決定テーブルを用いて連続予告回数を決定する。また、S566Aで特定した大当り種別が突確大当りであるときには、図56(a)の突確大当り連続予告回数決定テーブルを用いて連続予告回数を決定する。
また、前述のS566により予告対象が大当りとならないと判定したときは、前述のように抽出されたデータに基づいて、予告対象が小当りとなるか否かを判定する(S568)。予告対象が小当りとなると判定したときは、SR7の数値データを抽出し、当該数値データと、S565により特定された擬似連の再変動回数、および、前述のように抽出されたデータに基づいて特定される保留記憶数とに基づいて、図56(b)の小当り連続予告回数決定テーブルを用いて連続予告回数を決定する(S569)。S569においては、前述したような小当り連続予告回数決定テーブルでのデータの設定に基づいて、演出合計回数が6回以下に制限されるように連続予告回数が決定される。そして、S571に進む。
また、前述のS568により予告実行判定対象が小当りとならないと判定したとき、すなわち、はずれ擬似連となるときは、SR7の数値データを抽出し、当該数値データと、S565により特定された擬似連の再変動回数、および、前述のように抽出されたデータに基づいて特定される保留記憶数とに基づいて、図57(a)のはずれ擬似連連続予告回数決定テーブルを用いて連続予告回数を決定する(S570)。S570においては、前述したようなはずれ擬似連連続予告回数決定テーブルでのデータの設定に基づいて、演出合計回数が6回以下に制限されるように連続予告回数が決定される。そして、S571に進む。
S571では、S567,S569またはS570で決定された連続予告回数をRAMの連続予告回数設定領域にセットする(S571)。そして、前述したように抽出されたデータに基づいて、連続予告の予告対象の保留記憶データに基づく変動表示が実行されるまでに実行される変動表示の回数を減算更新する変動回数カウンタの初期値をRAMの変動回数カウンタ領域にセットする(S572)。この初期値は、予告判定範囲の保留記憶のうち、予告対象の保留記憶よりも先に記憶された保留記憶の合計数がセットされる。
そして、連続予告パターン決定用のSR6を抽出し、前述したように抽出されたデータに基づいて特定される連続予告の予告対象の表示結果(確変大当り、通常大当り、突確大当り、小当り、はずれ擬似連)の種別に対応して設けられた連続予告パターン決定テーブルに基づいて、実行する連続予告パターンを複数種類の連続予告パターン(図10〜図12に示すAキャラクタ95AまたはBキャラクタ95Bを表示する連続予告パターン)から決定する。
ここで、図58を参照して、連続予告パターン決定テーブルについて説明する。連続予告パターン決定テーブルは、連続予告パターンを決定するために用いるデータテーブルであり、連続予告パターン決定用のSR6(1〜105)が、出現するAキャラクタ95Aを用いた連続予告パターンと、出現するBキャラクタ95Bを用いた連続予告パターンとに割振られている。連続予告パターン決定テーブルでは、SR6の抽出値に基づいて、連続予告パターンをいずれかの連続予告パターンに決定する。
連続予告パターン決定テーブルは、(A)の確変大当り時連続予告パターン決定テーブル、(B)の通常大当り時連続予告パターン決定テーブル、(C)の突確大当り時連続予告パターン決定テーブル、(D)の小当り時連続予告パターン決定テーブル、および、(E)のはずれ擬似連時連続予告パターン決定テーブルに示すように、予告対象の判定結果別(表示結果別)に設けられている。
(A)の確変大当り時連続予告パターン決定テーブルは、予告対象が確変大当りとなるときに用いられる。(B)の通常大当り時連続予告パターン決定テーブルは、予告対象が通常大当りとなるときに用いられる。(C)の突確大当り時連続予告パターン決定テーブルは、予告対象が突確大当りとなるときに用いられる。(D)の小当り時連続予告パターン決定テーブルは、予告対象が小当りとなるときに用いられる。(E)のはずれ擬似連時連続予告パターン決定テーブルは、予告対象がはずれかつ擬似連となるときに用いられる。
また、(E)のはずれ擬似連時連続予告パターン決定テーブルにおいては、予告対象の変動パターン種別に対応する擬似連の再変動回数(1回〜4回)別に、連続予告パターン決定用のSR6(1〜105)が、Aキャラクタ95Aを用いた連続予告パターンと、Bキャラクタ95Bを用いた連続予告パターンとに割振られている。
(A)〜(E)の連続予告パターン決定テーブルでは、SR6データの割振りから明らかなように、SR6の抽出値に基づいてBキャラクタ95Bを用いた連続予告パターンが決定される割合が、確変大当り時連続予告パターン決定テーブル>通常大当り時連続予告パターン決定テーブル>突確大当り時連続予告パターン決定テーブル>小当り時連続予告パターン決定テーブル>はずれ擬似連時連続予告パターン決定テーブルという大小関係となるように設定されている。したがって、予告対象が確変大当りとなるときには、Bキャラクタ95Bを用いた連続予告パターンが最も実行される割合が高いので、Bキャラクタ95Bを用いた連続予告パターンで連続予告が実行されたときに、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。また、確変大当りおよび通常大当りのような15R大当りとなるときの方が突確大当りのような2R大当りとなるときよりもBキャラクタ95Bを用いた連続予告パターンが実行される割合が高いので、Bキャラクタ95Bを用いた連続予告パターンで連続予告が実行されたときに、遊技者の15R大当りへの期待感を高めることができる。また、確変大当り、通常大当り、および、突確大当りのような大当りとなるときの方が小当りまたははずれとなるときよりもBキャラクタ95Bを用いた連続予告パターンが実行される割合が高いので、Bキャラクタ95Bを用いた連続予告パターンで連続予告が実行されたときに、遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。
また、(E)のはずれ擬似連時連続予告パターン決定テーブルにおいては、SR6データの割振りから明らかなように、SR6の抽出値に基づいてBキャラクタ95Bを用いた連続予告パターンが決定される割合が、擬似連4回>擬似連3回>擬似連2回>擬似連1回という大小関係となるように設定されている。また、前述したように擬似連の再変動回数が多くなる程、大当りとなる割合が高くなるように設定されている。したがって、はずれとなるときでも、擬似連の再変動回数が多くなる程、Bキャラクタ95Bを用いた連続予告パターンが実行される割合が高いので、Bキャラクタ95Bを用いた連続予告パターンで連続予告が実行されたときに、遊技者の期待感を最も高めることができる。
図59は、演出図柄変動開始処理における連続予告中断処理(S512)を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド格納領域に格納された表示結果指定コマンドが示す大当りとするか否かの情報に基づいて、これから実行が開始される第2特別図柄の変動表示の表示結果が大当り(確変大当り、通常大当り、突確大当り)となるか否かを判定する(S581)。
第2特別図柄の変動表示の表示結果が大当りとなると判定したときに、演出制御用CPU101は、第1特別図柄の予告対象に基づいて実行中の連続予告を終了させるために、連続予告を実行するためにRAMの作業領域に記憶されている連続予告回数、変動表示回数カウンタ、および、連続予告内容に関するデータをリセットし(S582)、S585に移行する。一方、第2特別図柄の変動表示の表示結果が大当りとならないと判定したとき(はずれとなるとき)に、演出制御用CPU101は、第1特別図柄の予告対象に基づいて実行中の連続予告を一時的に中断させるために、RAMの作業領域に記憶されている連続予告回数、変動表示回数カウンタ、大当り、連続予告内容に関するデータを、RAMにおいてデータの退避領域として設けられた特定領域に、退避させて記憶し(S583)、S584に移行する。
S584では、連続予告中断フラグをセットする(S584)。そして、S585に移行する。S585では、第1予告演出フラグをリセットし(S585)、処理を終了する。このように、連続予告中断フラグがセットされ、かつ、第1予告演出フラグがリセットされると、図48の演出図柄変動開始処理においてS507からS513に移行するので、第1図柄指定コマンド受信フラグがセットされるまで、すなわち、新たに第1特別図柄の変動表示が開始されるまで、連続予告に関する演出のための処理が実行されなくなり、実行中の連続予告が中断されることとなる。また、連続予告中断後に第1図柄指定コマンド受信フラグがセットされると、図48の演出図柄変動開始処理のS514〜S516により退避していたデータを復帰させる等、中断されていた連続予告を再開させるための処理が行なわれる。一方、連続予告中断フラグがセットされず、かつ、第1予告演出フラグがリセットされたときには、連続予告に関するデータがリセットされることにより、連続予告を再開させるための処理が実行できなくなるので、連続予告が終了することとなる。したがって、第1特別図柄を対象とした連続予告が実行されているときに、表示結果が大当りとなる第2特別図柄の変動表示が行なわれるときには連続予告が終了させられ、一方、表示結果が大当りとならない第2特別図柄の変動表示が行なわれるときには連続予告が中断された後、再開されることとなる。
ここで、図60および図61を用いてプロセステーブルについて説明する。図60は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータにしたがって演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音番号データ、および、可動部材制御実行データの組合せが複数集まったデータとしてのプロセスデータにより構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の変動表示の変動表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等(演出図柄の表示態様の他に演出表示装置9の表示画面における演出図柄以外の演出態様を含む。)が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。
また、プロセスタイマ設定値には、その演出態様での演出時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている態様で演出図柄を表示させるとともに表示画面に表示されるキャラクタ画像や背景を表示させる制御を行なう。
プロセステーブルにおいては、たとえば、前述した擬似連および滑りのような演出図柄の演出動作ごとに異なるプロセスデータが設定されており、さらに、前述のような予告を行なうか否かおよび予告パターンの演出動作に応じて異なるプロセスデータが設定されている。したがって、たとえば、ある変動パターンに基づく変動表示において予告演出を実行することが決定されたときには、その決定に応じて、当該変動パターンにおいて決定された予告パターンによる予告演出を実行可能なプロセスデータが選択されることとなる。
また、演出制御用CPU101は、ランプ制御実行データおよび音番号データに設定されている態様で発光体の点滅を制御するとともに、スピーカ27からの音出力を制御する。また、演出制御用CPU101は、可動部材制御データに設定されている態様で可動部材78、可動部材84、および、振動モータ87a,87b,87cのそれぞれを制御する。
プロセステーブルにおいては、たとえば、前述した擬似連および滑りのような演出図柄の演出動作ごとに異なるプロセスデータが設定されており、さらに、前述のような予告を行なうか否かおよび予告パターンの演出動作に応じて異なるプロセスデータが設定されている。したがって、たとえば、ある変動パターンに基づく変動表示において予告演出を実行することが決定されたことに応じて、当該変動パターンにおいて決定された予告パターンによる予告演出を実行可能なプロセスデータが選択されることとなる。
図60に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各演出制御パターンに応じて用意されている。なお、プロセステーブルは、たとえば、前述した図柄変動制御パターンテーブルおよび各種演出制御パターンテーブル等を、より具体的に示したものに相当する。
図61は、プロセステーブルの内容にしたがって実行される演出を説明するための説明図である。演出制御用CPU101は、プロセステーブルにおける演出制御実行データにしたがって表示制御を実行する。すなわち、プロセスタイマ設定値に設定されたタイマ値に応じた時間が経過すると、プロセステーブルにおける次の演出制御実行データにしたがって、演出表示装置9、LED等の発光体、スピーカ27、可動部材78,84、および、振動モータ87a,87b,87cを制御する処理を繰返すことによって、1回の演出図柄の変動における演出が実現される。なお、変動期間中に制御対象にならない演出用部品に対応するデータ(たとえば、可動部材制御データ)には、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されている。
図60を参照して、演出制御用CPU101は、S519の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27、および演出用部品としての可動部材78,84と振動モータ87a,87b,87c)の制御を開始する(S520)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。また、可動部材制御データにしたがって、可動部材78,84と振動モータ87a,87b,87cとを動作させるための駆動信号を出力する。
次に、擬似連演出の変動パターンを実現する際の変動期間とプロセステーブルとの関係について説明する。たとえば、一例として、2回の仮停止期間が設けられ、3回の変動(初回変動も含めて)が実行される場合について説明する。変動開始時から初回の仮停止時までの演出制御は、初回演出のプロセステーブルに設定されている演出制御実行データに基づいて実行され、初回の仮停止時から2回目の仮停止時までの演出制御は、2回目演出のプロセステーブルに設定されている演出制御実行データに基づいて実行され、2回目の仮停止時から図柄の最終停止時までの演出制御は、3回目演出のプロセステーブルに設定されている演出制御実行データに基づいて実行される。
擬似連演出の変動表示が行なわれる場合には、演出制御用CPU101は、S521において、1回目の変動に応じたプロセステーブルを選択する。なお、擬似連演出の変動表示が行なわれる場合に、演出制御用CPU101は、擬似連における仮停止および再変動を含み、変動開始から最後の再変動の停止までの一連の変動に応じたプロセスデータを用いて変動表示を行なうようにしてもよい。
図62は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。
演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S841)、変動時間タイマの値を1減算する(S842)。そしてプロセスタイマがタイムアウトしているか否かを判断する(S843)。
プロセスタイマがタイムアウトするまで(S843N)は、S846に進む。S843においてプロセスタイマがタイムアウトしたと判断したときは(S843Y)、プロセスデータの切替えを行なう(S844)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S844)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音番号データおよび可動部材制御データ等のプロセスデータに基づいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する等、次のプロセスデータの内容にしたがって、演出装置を制御する(S845)。
このように、プロセスタイマを用いて時間管理を行なって、プロセスデータを順次切替えていくことにより、図60および図61に示すような変動表示制御を含む各種演出制御が行なわれる。
次に、演出制御用CPU101は、変動時間タイマの値に基づいて、変動時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(S847)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば(S847でY)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S849)。一方、変動時間タイマがタイムアウトしていないときは(S847でN)、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(S848)。確定コマンド受信フラグがセットされていないときは(S848でN)、演出図柄変動中処理が終了する。一方、確定コマンド受信フラグがセットされているときは(S848でY)、S849に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても(S848でN)、図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、たとえば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
なお、「擬似連」の演出を含む変動パターンに基づいてS841〜S845の処理を実行する部分は、再変動演出を実行する再変動演出制御処理に相当する。
図63は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(S871)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、S883に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄の組合せを表示した場合には、S882で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。したがって、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、S872〜S882の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、S883に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、決定されている停止図柄(はずれ図柄、小当り図柄、突確大当り図柄、または、通常大当り図柄、確変大当り図柄)を停止表示させる制御を行なう(S872)。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101が、遊技制御用マイクロコンピュータ560から図柄確定指定コマンドを受信したとき、または、変動時間タイマがタイムアップしたことに基づいて演出図柄を停止表示する例を示した。しかし、これに限らず、演出制御用CPU101が、遊技制御用マイクロコンピュータ560から図柄確定指定コマンドを受信したとにのみ演出図柄を停止表示する制御を行なうようにしてもよい。
次に、第1予告演出フラグまたは第2予告演出フラグがセットされているか否かを判定する(S873)。第1予告演出フラグまたは第2予告演出フラグがセットされていないときには、S880に移行する。一方、第1予告演出フラグまたは第2予告演出フラグがセットされていないときには、第1特別図柄または第2特別図柄の保留記憶を対象とした連続予告の実行中であるので、変動回数カウンタを1減算する(S874)。これにより、連続予告の実行中においては、変動表示が実行されるごとに変動回数カウンタが減算更新されていく。
次に、連続予告開始フラグがセットされているか否かを判定する(S875)。連続予告開始フラグがセットされていないときには、S880に移行する。一方、連続予告開始フラグがセットされているときには、連続予告が実行された回数を計数するためのカウンタである連続予告回数カウンタを1減算する(S876)。これにより、連続予告開始フラグがセットされて連続予告が開始された後には、変動表示が実行されるごとに連続予告回数カウンタが減算更新されていく。
次に、連続予告回数カウンタのカウント値が「0」になっているか否かを判定する(S877)。カウント値が「0」になっていないときには、S880に移行する。一方、カウント値が「0」になっているときには、連続予告開始フラグをリセットする(S878)。このように、連続予告回数カウンタのカウント値が「0」になったときには、連続予告開始フラグがリセットされることにより、連続予告が終了させられる。
次に、S872の処理で小当り図柄、突確大当り図柄、通常大当り図柄、または、確変大当り図柄を表示したか否か(すなわち、大当りまたは小当りとなるか否か)を確認する(S880)。S872の処理で小当り図柄、突確大当り図柄、通常大当り図柄、または、確変大当り図柄を表示しなかったと判断した場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新し(S881)、処理を終了する。
一方、S872の処理で小当り図柄、突確大当り図柄、通常大当り図柄、または、確変大当り図柄を停止表示したと判断した場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(S882)、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグ)または小当り/突確開始指定コマンドを受信したことを示す小当り/突確開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S883)。大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突確開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(S884)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(S885)。
なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突確開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。また、S885の処理では、演出制御用CPU101は、当り種別に対応するファンファーレ演出等のプロセステーブルを選択する。そして、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(S886)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27、および演出用部品としての可動部材78,84、振動モータ87a,87b,87c)の制御を実行する(S887)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新する(S888)。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明する。第2時短状態においては、先読み予告演出決定処理において連続予告回数を決定する処理の変形例を説明する。
図64は、第2実施形態による先読み予告演出決定処理の一部を示すフローチャートである。図64においては、第1実施形態において図52および図53に示された先読み予告演出決定処理のうち、図53に示されたS565〜S575と置換えられる処理が示される。
図64の処理が図53の処理と異なるのは、S569A〜S570Dの処理である。S569A〜S570Dは、図32のS569,S570と置換えられる処理である。
S568により予告対象が小当りとなると判定したときは、SR7の数値データを抽出し、当該数値データと、S565により特定された擬似連の再変動回数、および、前述のように抽出されたデータに基づいて特定される保留記憶数とに基づいて、図56(b)とは異なる小当り連続予告回数決定テーブルを用いて連続予告回数を決定する(S569A)。S569Aにおいて用いる小当り連続予告回数決定テーブルは、図56(b)のような連続予告回数が演出合計回数に制限されたものではなく、図55(a)のような連続予告回数が演出合計回数に制限されないものが用いられる。具体的に、S569Aでは、図56(b)のような連続予告回数決定テーブルを、小当り時連続予告保留記憶数が4のときに最大限4回の連続予告回数が選択可能となり、保留記憶数が3のときに最大限3回の連続予告回数が選択可能となり、保留記憶数が2のときに最大限2回の連続予告回数が選択可能となるようにしたテーブルが用いられる。S569Aの後、S570Bに移行する。
S568により予告対象が小当りとならないと判定したときは、SR7の数値データを抽出し、当該数値データと、S565により特定された擬似連の再変動回数、および、前述のように抽出されたデータに基づいて特定される保留記憶数とに基づいて、図57とは異なるはずれ擬似連連続予告回数決定テーブルを用いて連続予告回数を決定する(S570A)。S570Aにおいて用いるはずれ擬似連連続予告回数決定テーブルは、図57のような連続予告回数が演出合計回数に制限されたものではなく、図55(a)のような連続予告回数が演出合計回数に制限されないものが用いられる。具体的に、S570Aでは、図57のようなはずれ擬似連時連続予告回数決定テーブルを、保留記憶数が4のときに最大限4回の連続予告回数が選択可能となり、保留記憶数が3のときに最大限3回の連続予告回数が選択可能となり、保留記憶数が2のときに最大限2回の連続予告回数が選択可能となるようにしたテーブルが用いられる。S570Aの後、S570Bに移行する。
S570Bでは、S569AまたはS570Aにより決定された連続予告回数と、S566により特定された擬似連の再変動回数とを加算し、演出合計回数を算出する(S570B)。次に、S570Bにより算出した演出合計回数が6以下(7未満)であるか否かを判定する(S570C)。演出合計回数が6以下であるときには、S571に移行する。一方、演出合計回数が6以下でないとき(7以上であるとき)には、演出合計回数が6以下になるように連続予告回数を減じることにより、連続予告回数を再決定し(S570D)、S571に移行する。たとえば、S566により特定された擬似連の再変動回数が4回であり、S569AまたはS570Aにより決定された連続予告回数が3であることにより演出合計回数が7以上となるときには、演出合計回数が6以下となるにように、連続予告回数を1減算することにより連続予告回数を再決定する。このように、予告対象の表示結果がはずれとなるときには、演出合計回数が6以下となるように制限される。
このような処理が行なわれることにより、第1実施形態の場合と同様に、第2実施形態でも、予告対象の表示結果がはずれとなるときには、演出合計回数が6以下となるに制限される。
なお、S570Dにおいて演出合計回数を6以下となるように制限するときには、連続予告回数を減算せず、擬似連の再変動回数を減じることにより、演出合計回数を6以下となるように制限してもよい。
また、演出合計回数を6以下となるように制限する処理としては、次のような処理を行なうようにしてもよい。たとえば、擬似連の再変動回数と連続予告回数とをそれぞれ制限なく決定し、これらの演出合計回数が7以上となるときには、実際に行なう擬似連の再変動回数を制限するような処理を行なう。具体的に、擬似連の再変動回数が4回、連続予告回数が3回に決定され、これらの演出合計回数が7以上に決定されたときにおいて、連続予告はその回数分(3回)実行し、擬似連の変動表示において、実際に行なう再変動表示が3回となるように、4回目の再変動表示の実行を制限する禁則処理を行なう。
なお、上記の実施の形態では、変動表示部として2つの特別図柄表示器(第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8b)を備えた遊技機を例にしたが、1つの特別図柄表示器が設けられた遊技機にも同様の制御を行なうことができる。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば、簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。
また、前述したように第2保留記憶データに基づく変動表示の開始条件を第1保留記憶データに基づく変動表示の開始条件よりも優先して成立させる制御、すなわち、第2特別図柄の変動表示を第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行させる制御は、前述のような時短制御(高ベース状態にする制御)を行なわない遊技機において適用してもよい。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 第1実施形態の場合、先読み予告の予告対象が大当りとならないときに図53のS569,S570において擬似連の再変動回数と連続予告を実行する変動表示回数との演出合計回数が「6」以下となるように連続予告回数を制限するが、予告対象が大当りとなるときには図53のS567において演出合計回数を制限しない。また、第2実施形態の場合、先読み予告の予告対象が大当りとならないときに図64のS570Dにおいて演出合計回数が「6」以下となるように連続予告回数を制限するが、予告対象が大当りとなるときには図53のS567において演出合計回数を制限しない。このように、演出合計回数が7以上となるときは先読み予告の予告対象が大当りのときのみで、はずれのときは演出合計回数が6以下に制限されるので、演出合計回数に応じて大当りとなる割合が異なる。したがって、その演出合計回数に応じて、大当り遊技状態に制御されることへの期待度が異なる。これにより、連続予告が実行開始されたときから擬似連の変動表示が実行されるときまでの間、大当り遊技状態に制御されることへの遊技者の期待感を段階的に変化させることができるので、擬似連の変動表示を用いた演出に関する遊技興趣を向上させることができる。
(2) 大当り遊技状態に制御されないと判定されたときに、第1実施形態では図53のS569,S570により、第2実施形態では図64のS570Dにより、先読み予告の予告対象が大当りとならないときに擬似連の再変動回数と連続予告を実行する変動表示回数との合計回数である演出合計回数が「6」以下、すなわち、「7」未満となるように連続予告回数を制限する。このように、演出合計回数が所定回数未満となるように規制されるので、その演出合計回数に応じて、大当り遊技状態に制御されることへの期待度が異なる。これにより、連続予告が実行開始されたときから擬似連の再変動が実行されるときまでの間、大当り遊技状態に制御されることへの遊技者の期待感を段階的に変化させることができるので、擬似連の再変動を用いた演出に関する遊技興趣を向上させることができる。
(3) 擬似連の変動パターンについては、図15および図16の判定テーブルで、擬似連を伴なうスーパーリーチの変動パターン種別(擬似連を伴なうスーパー1〜スーパー4の変動パターン種別)には、始動記憶数に関わらずランダム3の351〜400という同じ判定データが割振られているように、保留記憶数に関わらず共通の判定値が割振られているので、保留記憶数に関わらず擬似連を伴なうスーパーリーチの変動パターン種別の変動パターンとなるかを判定できる。また、擬似連を伴なうスーパーリーチの変動パターン種別以外の種別の変動パターンについては保留記憶数に応じて異なる判定値が割振られているので、保留記憶数の多少に応じて異なる割合で変動パターンを選択することが可能となるので、特別図柄の変動表示の実行効率を向上させることが可能となり、変動表示の実行効率が低下してしまうことを極力防止することができる。
(4) 図48のS518,S519により、たとえば、予告対象がはずれとなるときに擬似連の再変動回数が4回に決定されたときには、図57に示すように最大2回しか連続予告の変動表示回数が選択されないので、そのような場合には連続予告が途切れないように、擬似連の変動パターンで変動表示が行なわれる予告対象の変動回に近い変動回から連続予告を開始させる設定をする。これにより、大当り遊技状態に制御しないと判定され、かつ、擬似連の変動パターンが実行されると判定されたときにおいて、擬似連の再変動の実行回数が所定回数以上のときは、擬似連の再変動パターンが実行される変動表示に近い変動で、連続予告の実行を開始するので、連続予告が実行される変動表示のタイミングと、擬似連の再変動が実行される変動表示のタイミングとの間隔を空けないようにすることにより、連続予告と擬似連の再変動との演出の関連性が薄れてしまわないようにすることができる。
(5) 図52のS559、図54のように、大当り種別に応じて先読み予告(連続予告)を実行すると決定する割合が異なることにより、大当り遊技状態の種類に応じて異なる割合で連続予告が実行されるので、連続予告および擬似連の再変動の演出に遊技者をさらに注目させることができるため、遊技興趣をさらに向上させることができる。
(6) 図53のS567において、4回〜1回という連続予告の実行回数は、図55および図56に示すように、確変大当り、通常大当り、突確大当りという大当りの種別に応じて異なる割合で選択される。このように、大当り遊技状態の種類に応じて異なる割合で決定される変動表示の実行回数で予告演出が実行されるので、連続予告および擬似連の再変動の演出に遊技者をさらに注目させることができるため、遊技興趣をさらに向上させることができる。
(7) 図27のS242に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560により擬似連の再変動回数が決定され、図22に示すような擬似連の再変動回数に対応して区分されたランダム3の数値範囲を示す第1始動入賞時変動種別指定コマンドおよび第2始動入賞時変動種別指定コマンドのように、決定された擬似連の再変動回数に応じたコマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信される。図53のS567,S569,S570、図64のS567,S569A,S570A〜S570Dに示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100により、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されたコマンドに基づいて、連続予告回数が決定されるので、連続予告および擬似連の再変動の演出を実行するときの制御負担を遊技制御用マイクロコンピュータ560と、演出制御用マイクロコンピュータ100とで分担することができる。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担を軽減することができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 上記の各実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(2) 上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9および飾り図柄表示器9a,9bを制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。
(3) 演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドに基づいて、演出用部品としての演出表示装置9で、図柄変動指定コマンドで特定される特別図柄表示器に対応した予告演出を実行するように構成されているので、2つの特別図柄表示器(特別図柄表示器8a、特別図柄表示器8b)が設けられていても、遊技者に、遊技の進行状況(いずれの変動表示手段における変動表示に対応する演出が行なわれているのか等)を把握させやすくすることができる。
(4) 演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドに基づいて、演出用部品としての演出表示装置9で、図柄変動指定コマンドで特定される特別図柄表示器に対応した変動態様による変動表示演出を実行するように構成されているので、2つの特別図柄表示器(第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b)が設けられていても、遊技者に、遊技の進行状況(いずれの特別図柄表示器における変動表示に対応する演出が行なわれているのか等)を把握させやすくすることができるとともに、遊技のバリエーションを豊富にすることができる。
(5) 上記の各実施の形態では、特別図柄表示器として第2飾り図柄表示器として2つのLEDからなる表示器が用いられていたが、飾り図柄表示器は、そのような構成のものに限られない。たとえば、1つ以上の7セグメントLEDで構成してもよい。また、飾り図柄表示器が設けられていない遊技機も、本発明を適用可能である。
(6) 前述した実施の形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
(7) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(8) 前述した実施の形態においては、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを同じ種類の表示器(7セグメントLED)で構成する例を示した。しかし、これに限らず、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとは、異なる種類の表示器で構成するようにしてもよい。具体的には、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとは、一方を7セグメント表示器で構成し、他方をドットマトリックス表示器で構成してもよい。また、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとは、一方を7セグメント表示器で構成し、他方を前述の飾り図柄表示器9a,9bのようなLED表示器で構成してもよい。
(9) 前述した実施の形態においては、遊技球がゲート32を通過したことが検出されたときに変動表示される普通図柄表示器10における変動表示の表示結果が所定の表示結果(当り図柄)となったときに可変入賞球装置15が開状態に制御される例を示した。しかし、これに限らず、普通図柄表示器10を設けず、遊技球がゲート32を通過したことが検出されたときに、可変入賞球装置15が、開状態に制御されるようにしてもよい。
(10) 前述した実施の形態においては、遊技球がゲート32を通過したことが検出されたときに変動表示される普通図柄表示器10における変動表示の表示結果が所定の表示結果(当り図柄)となったときに可変入賞球装置15が開状態に制御される例を示した。しかし、これに限らず、普通図柄表示器10を設けず、遊技球がゲート32を通過したことが検出されたときに、可変入賞球装置15が、開状態に制御されるようにしてもよい。
(11) 前述した実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、擬似連の具体的な変動パターン(変動回数等の変動に関する情報を特定する変動パターン)を決定して演出制御コマンドでその変動パターンを指示し、演出制御用マイクロコンピュータ100が、その演出制御コマンドに基づいて擬似連の具体的な変動パターン(変動回数等の変動に関する情報を特定する変動パターン)を認識し、擬似連の変動パターンでの変動表示を実行する例を示した。しかし、これに限らず、演出制御用マイクロコンピュータ100が、擬似連の具体的な変動パターン(再変動の報知演出を含む演出パターン)を決定するようにしてもよい。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560の側において、決定した変動パターンを示す変動パターンコマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100の側で、受信した変動パターンコマンドと対応して記憶された擬似連の有無、および、擬似連での変動回数の情報に基づいて、擬似連の具体的な変動パターンを決定すればよい。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100の側で擬似連の再変動回数を決定するときには、大当りとなるかはずれとなるかの判定結果に基づいて、連続予告の連続予告回数と擬似連の再変動回数との合計回数(演出合計回数)を異なる割合で設定するようにすればよい。そのようにする場合には、はずれとなるときに、演出合計回数を所定回数(たとえば、6回以下)に制限するように決定する。
(12) 前述した実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が擬似連の変動回数を決定する例を示したが、これに限らず、演出制御用マイクロコンピュータ100が擬似連の変動回数を決定するようにしてもよい。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、擬似連を実行するか否かを特定可能な変動パターンコマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100が、擬似連を実行することが特定された変動パターンコマンドを受信したときに、擬似連の変動回数を決定する。
(13) 前述した実施の形態では、識別情報としての図柄を変動表示する表示装置として、特別図柄の表示装置、飾り図柄の表示装置、および、演出図柄の表示装置の3種類の表示装置を設けた例を示した。しかし、これに限らず、識別情報としての図柄を変動表示する表示装置として、前述した演出図柄を表示する演出表示装置9のような画像を表示する1つの表示装置のみを設け、その表示装置により、前述したような特別図柄、飾り図柄、および、演出図柄を1種類の図柄に統一して、当該図柄の変動表示および各種の演出画像の表示を行なうようにしてもよい。
(14) 前述した実施の形態では、先読み予告用のキャラクタとして2種類のキャラクタを設けたが、これに限らず、3種類以上のキャラクタを設けてキャラクタを選択するようにしてもよい。また、先読み予告用の演出パターンとしては、先読み予告用のキャラクタを表示することに限られず、先読み予告用に設けられた複数種類の背景画像を選択的に表示すること等、先読み予告であることを特定可能な画像を表示する演出パターンであればどのような演出パターンを用いてもよい。また、先読み予告用の演出パターンとしては、複数種類の演出パターンから選択した演出パターンを用いてもよく、予め固定的に定められた1つの演出パターンを用いてもよい。
(15) 前述した実施の形態では、先読み判定結果を示す演出制御コマンドとして、当り判定結果を示す第1,第2始動入賞指定コマンドと、変動パターン種別を特定可能な第1,第2始動入賞時変動種別指定コマンドとの2つのコマンドを送信する例を示した。しかし、これに限らず、先読み判定結果を示す演出制御コマンドとして、当り判定結果と変動パターン種別との両方の情報を特定可能な1つのコマンドを送信するようにしてもよい。このようにすれば、演出制御コマンドの種類を削減することができる。
(16) 前述した実施の形態では、図58に示すように、連続予告の予告パターンを決定するときに、連続予告を行なう各変動表示での予告パターンを一括的に決定する例を説明した。具体的には、各変動表示で表示するキャラクタを一括的に決定する例を示した。しかし、連続予告の予告パターンを決定するときに、連続予告を行なう各変動表示での予告パターンを、変動表示別に個別に決定するようにしてもよい。そのようにすれば、連続予告の予告パターンのバリエーションが豊富となるようにすることができる。
(17) 前述した実施の形態では、図54に示すように、先読み判定により大当りとなると判定されたときには、当該大当りとなるときの変動パターン種別が擬似連となるか否かに関係なく、先読み予告を実行する決定をする例を示した。しかし、これに限らず、先読み判定により大当りとなると判定されたときにおいて、当該大当りとなるときの変動パターン種別が擬似連となるときにのみ、先読み予告を実行する決定をするようにしてもよい(変動パターン種別が擬似連ではないときは先読み予告を実行不可能となる)。たとえば、大当りとなるときの変動パターン種別が擬似連となるか否かに関係なく先読み予告を実行する決定をするときには、連続予告が実行されているときに予告対象となる保留記憶に基づく変動表示において擬似連とならないノーマルリーチのようなスーパーリーチ以外の変動パターン種別の変動表示が表示されると、ノーマルリーチが表示されるのは大当りとなるときだけであるので、その時点で予告対象が大当りとなることが遊技者に認識されてしまう。これに対し、大当りとなるときの変動パターン種別が擬似連となるときにのみ、先読み予告を実行する決定をするようにすれば、このように変動パターンの種別により予告対象が大当りとなることを遊技者が認識できないようにすることができる。
(18) 前述した実施の形態では、図22に示すように、ランダム3の数値範囲の分類にしたがって区分された数値範囲のうちいずれかにより、変動パターン種別の先読み判定結果が指定される変動種別指定コマンドを用いる例を示した。しかし、これに限らず、数値範囲ではなく、変動パターン種別を直接指定した変動種別指定コマンドを用いるようにしてもよい。
(19) 前述した実施の形態では、たとえば、図53に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560が擬似連の変動回数を決定し、演出制御用マイクロコンピュータ100が、決定された擬似連の変動回数に基づいて、演出合計回数が所定回数以下に制限されるように、連続予告回数を決定する例を示した。しかし、これに限らず、遊技制御用マイクロコンピュータ560が擬似連の変動回数と連続予告回数との両方を決定し、演出制御コマンドにより、決定した回数を演出制御用マイクロコンピュータ100に指定するようにしてもよい。その場合においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560は演出合計回数が所定回数以下に制限されるように擬似連の変動回数と連続予告回数との両方を決定してもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出合計回数が所定回数以下に制限されることを考慮せずに、擬似連の変動回数と連続予告回数との両方を決定して、決定した回数を演出制御コマンドにより演出制御用マイクロコンピュータ100に指示し、演出制御用マイクロコンピュータ100では、演出合計回数が所定回数を超えるときに、演出合計回数が所定回数以下に制限されるように、擬似連の変動回数と連続予告回数とのいずれか一方または両方を変更する処理を行なうようにしてもよい。
(20) 前述した実施の形態では、たとえば、図53に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560が擬似連の変動回数を決定し、演出制御用マイクロコンピュータ100が、決定された擬似連の変動回数に基づいて、演出合計回数が所定回数以下に制限されるように、連続予告回数を決定する例を示した。しかし、これに限らず、遊技制御用マイクロコンピュータ560が連続予告回数を決定して演出制御コマンドにより連続予告回数を演出制御用マイクロコンピュータ100に指示し、演出制御用マイクロコンピュータ100が、決定された連続予告回数に基づいて、演出合計回数が所定回数以下に制限されるように、擬似連の変動回数を決定するようにしてもよい。
(21) 前述した実施の形態では、たとえば、図53に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560が擬似連の変動回数を決定し、演出制御用マイクロコンピュータ100が、決定された擬似連の変動回数に基づいて、演出合計回数が所定回数以下に制限されるように、連続予告回数を決定する例を示した。しかし、これに限らず、演出制御用マイクロコンピュータにおいて、演出合計回数が所定回数以下に制限されるように、擬似連の変動回数と、連続予告回数とを決定するようにしてもよい。
(22) また、先読み予告としての連続予告の演出の他に、大当りを発生させる契機となる変動表示(今回の変動表示)において、大当りとなることを報知する変動予告演出としての予告(大当りとなりやすことを予告してもよい)としての今回予告(以下、変動予告演出)を行なうようにしてもよい。変動予告演出は、演出制御用マイクロコンピュータ100において、変動パターンコマンド等の当りはずれと変動パターンとを認識可能な演出制御コマンドが示す当りはずれの情報および変動パターンの情報に基づき、大当りとなるとき、および、特定の変動パターン(特定のスーパーリーチ)となるときに、実行される割合が高くなるようにデータが設定された判定テーブルに基づいて、変動予告演出(今回予告)を実行するか否かを判定すればよい。このようなこのような構成においては、優先的に実行される第2特別図柄を対象とした変動予告演出(今回予告)は、第1先読み予告演出フラグが実行されているとき、すなわち、第1特別図柄を予告対象とした連続予告が実行されているときには、第2特別図柄を対象とした変動予告演出を実行するか否かの判定を禁止する処理を行なうようにしてもよい。このような構成は、連続予告演出が行なわれるときにおいて、大当り、または、擬似連の変動パターン(スーパーリーチ)に該当する数値データが記憶された保留記憶情報に基づく変動表示の開始条件成立前のすべての変動表示において、変動予告演出を行なうことを禁止する予告演出制限手段である。このような構成によれば、大当り、または、擬似連の変動パターンに該当する数値データが保留記憶情報として記憶されたことに基づいて連続予告演出が行なわれ、当該連続予告演出が行なわれるときにおいて、大当り、または、擬似連の変動パターンに該当する数値データが記憶された保留記憶情報に基づく変動表示の開始条件成立前のすべての変動表示において、変動予告演出(今回予告)を行なうことが禁止される。このように、連続予告演出が行なわれるときにおいては、大当り、または、擬似連の変動パターンに該当する数値データが記憶された保留記憶情報に基づく変動表示の開始条件成立前のすべての変動表示において、変動予告演出を行なうことが禁止されるので、連続予告演出が実行されていることを遊技者がより一層認識しやすくなるようにすることができる。
(23) 前述した予告演出制限手段については、次のように構成されてもよい。前記予告演出制限手段は、第1保留記憶手段(第1保留記憶バッファ)の保留記憶情報に基づいた前記連続予告演出が行なわれるときにおいて、第2保留記憶手段(第2保留記憶バッファ)に保留記憶情報が記憶され、変動表示優先手段(図29のS52,S54)により第1開始条件(第1特別図柄の開始条件)よりも第2開始条件(第2特別図柄の開始条件)を優先して成立させられることに基づいて、当該第2保留記憶手段の保留記憶情報に基づいた第2識別情報(第2特別図柄)の変動表示が、当該第1保留記憶手段の保留記憶情報に基づいた第1識別情報(第1特別図柄)の変動表示よりも優先して実行されるときに、当該第2識別情報の変動表示について、当該連続予告演出を行なうことを禁止する(図48において、S510で第1予告演出フラグがセットされており、かつ、S511で第2特別図柄変動指定コマンドを受信したと判定されたときに、S512で連続予告中断処理を実行することにより、第2特別図柄の変動表示中における第1特別図柄の連続予告演出の実行を禁止する)。このように構成すれば、このような状態で第2識別情報の変動表示が実行されるときに、何らの予告演出も行なわれなくなるので、連続予告演出の対象が第2識別情報の変動表示ではないことが演出により明白に示されるため、連続予告演出の対象となる識別情報の変動表示を遊技者が認識しやすくなるようにすることができる。
(24) 前述した予告演出制限手段については、次のように構成されてもよい。前記予告演出制限手段は、前記第1保留記憶手段の前記保留記憶情報に基づいた前記連続予告演出が行なわれるときにおいて、少なくとも、前記第1保留記憶手段の前記保留記憶情報に基づく変動表示の前記第1開始条件成立前のすべての変動表示において、前記変動予告演出を行なうことを禁止する(たとえば、第1特別図柄による連続予告が実行されているときに、第1特別図柄を対象とした変動予告演出を実行するか否かの判定、および、第2特別図柄を対象とした変動予告演出を実行するか否かの判定を禁止する処理を行なうようことにより、当該対象とする第1保留記憶情報に基づく変動表示が実行される前に実行されるすべての変動表示に関して、今回予告を禁止する)。このような構成によれば、第1保留記憶手段の保留記憶情報に基づいた連続予告演出が行なわれるときにおいて、少なくとも、第1保留記憶手段の保留記憶情報に基づく変動表示の第1開始条件成立前のすべての変動表示において、変動予告演出を行なうことが禁止されるので、連続予告演出が実行されていることを遊技者がより一層認識しやすくなるようにすることができる。
(25) 前記予告演出制限手段は、次のように構成されてもよい。通過容易化制御(普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる制御)が行なわれていない状態(低ベース状態)で、前記第1保留記憶手段の前記保留記憶情報に基づいた前記連続予告演出が行なわれているときにおける前記第2識別情報の変動表示について、前記変動予告演出を行なうことを禁止する(高ベース状態のときは、低ベース状態と比べて、第1保留記憶手段の保留記憶情報に基づいた第1識別情報の変動表示が生じる頻度が低いので、第1保留記憶データについての先読み判定が行なわれない。したがって、低ベースのときに限り、第1保留記憶データについての先読み判定が行なわれる。このような低ベース時において第1特別図柄を対象とする連続予告が行なわれている状態で、第2特別図柄の変動表示を行なうときに、第2特別図柄を対象とした変動予告演出を実行するか否かの判定を禁止する処理を行なうことにより、第1保留記憶データを対象とする連続予告が行なわれるときに、第2特別図柄の変動表示について今回予告を禁止する)。このような構成によれば、通過容易化制御が行なわれていない状態で、第1保留記憶手段の保留記憶情報に基づいた連続予告演出が行なわれているときにおける第2識別情報の変動表示について、変動予告演出を行なうことが禁止される。第1保留記憶手段の保留記憶情報に基づいた第1識別情報の変動表示が実行される頻度は、第2保留記憶手段の保留記憶情報に基づいた第2識別情報の変動表示が優先的に実行されることに基づいて、通過容易化制御が行なわれていない状態の方が、通過容易化制御が行なわれている状態と比べて高いので、第1保留記憶手段の保留記憶情報に基づいた変動表示が行なわれる頻度が高いときに第2識別情報の変動表示についての変動予告演出を行なうことが禁止されるため、第1識別情報の変動表示を対象として実行される連続予告演出の存在をより一層明確に際立たせることができる。
(26) また、連続予告を実行する予告演出実行手段(図52のS552〜図53のS575、図48のS509,S517〜S524、図62のS845)については、次のように構成してもよい。予告演出実行手段は、操作手段(操作ボタン130)に対する操作がされたことを条件に、連続予告演出として、保留記憶表示部(合算保留記憶表示部18c)の表示態様を変化させる連続予告演出を行なう(たとえば、保留記憶表示に所定のメッセージを付加する、保留記憶表示の形状を異ならせる、または、保留記憶表示の大きさを異ならせる等の所定の表示態様の変化をさせる)。このような構成によれば、連続予告演出として、保留記憶表示部の表示態様を変化させる保留予告演出が、遊技者が操作可能な操作手段に対する操作がされたことを条件として行なわれるので、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができる。
(27) また、次のような構成を採用してもよい。前記連続予告演出(連続予告)と、前記変動予告演出(今回予告)とは、異なるタイミングで実行される(連続予告としての先読み予告は変動表示の開始時のように、演出図柄の変動表示が開始した後、まだすべての図柄が変動中である状態で実行し、今回予告の演出は、たとえば、演出図柄のうちの少なくとも1つの図柄が停止したとき以後の所定のタイミングで実行する)。このような構成によれば、連続予告演出と、変動予告演出とが、異なるタイミングで実行されるので、1回の変動表示において予告に関する演出が重複して予告の内容が分かりにくくなるのを防ぐことができ、遊技者が混乱するのを防ぐことができる。
(28) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。