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JP5304562B2 - インクジェット方式画像形成装置 - Google Patents

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JP5304562B2
JP5304562B2 JP2009213079A JP2009213079A JP5304562B2 JP 5304562 B2 JP5304562 B2 JP 5304562B2 JP 2009213079 A JP2009213079 A JP 2009213079A JP 2009213079 A JP2009213079 A JP 2009213079A JP 5304562 B2 JP5304562 B2 JP 5304562B2
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Description

本発明は、記録液(以下、インクという)を記録媒体(以下、用紙ともいうが材質を限定するものではなく、インクが付着する対象物の意味であり、被記録媒体、記録紙、転写材なども同義で使用する)に吐出して画像を形成するインクジェット方式画像形成装置に関するものである。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、あるいはこれらの機能を兼ね備えた複合機、若しくはプロッタ等の画像形成装置の画像形成方法として、インクの液滴(以下、インク滴ともいう)を吐出する液滴吐出ノズルを複数個有して構成された記録ヘッドを用いて、用紙を搬送しながら、インク滴を用紙に付着して文字や図形などの画像を形成(記録、印刷、印写、記録も同義語で用いる)することが知られている。
このようなインクジェット記録方式の画像形成装置において、例えば、記録ヘッドへインクを供給する小容量のインク容器であるサブタンクをキャリッジ上に搭載し、大容量のメインカートリッジ(以下、メインタンクともいう)を装置本体側に設置し、サブタンクに装置本体側のメインカートリッジからインクを補充供給する構成も知られている。サブタンクは、記録ヘッドの液滴吐出ノズルからのインクの染み出しやダレを防止するために、そして画像形成を正常に実施するために、常に或る一定以上の負圧の状態を維持し、記録ヘッドにメニスカスを形成させておく必要がある。しかしながら、サブタンクを介在させる構成は、インクカートリッジを直接記録ヘッドに搭載する機構に比べて、装置本体側からのインク供給のためのチューブ連結部などが存在するために、空気が流入する可能性が高くなる。サブタンク内に空気が流入すると、記録ヘッド内が正圧になり、液滴を正常に吐出することができず(液滴吐出性能の低下)、画像品質の低下を生じたり、あるいはインクの自重による記録ヘッドからの漏れが発生してしまうことになる。
そのため、所望の負圧を維持するための構成が過去に多く提案されてきたが、何らかの要因でタンク自体がリークした場合、その不具合に対処できないとか、構成が複雑で大型化するといった問題があった。本出願人は、そのような問題に対して、簡単な構成でサブタンク内の負圧の異常を検知したときにその負圧異常を正常な状態に回復する負圧維持制御に関する提案を特許文献1において行った。
上記提案ではサブタンクに対するインク充填動作を開始するときに負圧維持制御動作も開始することになっているが、いったん印刷を終了してから次の印刷までの経過時間が長い場合、つまり印刷を実施しない期間が長いと、その間に負圧が維持できない事態が想定され、いざ印刷しようとする際、印刷を実施する前に負圧の状態を正常に戻すために負圧再形成動作を実施せざるを得ない。そのため、印刷結果がなかなか出てこないことになり、使用者の満足を得ることができなくなる。
前回の印刷終了時からの経過時間が長いと、負圧が保持できない可能性が高くなり、負圧再形成のため、印刷前のメンテナンス動作を実施するために時間を要してしまい、画像出力に時間がかかるという、従来の問題に鑑み、本発明は、印刷前の負圧再形成動作を低減して、画像出力に時間を要しないようにすることを課題とする。
本発明によれば、インクを吐出するノズルを有する液滴吐出ヘッドと、当該液滴吐出ヘッドに付設され内部に負圧を形成した記録液収容ヘッドタンクと、上記ノズルを覆うキャップ部材とを備えたインクジェット記録機構において、キャップ部材によりノズルが覆われる動作の実施時からの時間を計測する手段を備え、当該計測手段により計測される時間が所定値に達すると上記ヘッドタンク内の負圧の異常診断を実施する判断手段を備え、負圧異常であると診断された場合には上記ヘッドタンク内の負圧を再形成する回復動作を行うことによって、上記課題を解決する。本発明の骨子は、前回キャッピング後からの経過時間を累積し、経過時間が一定時間を超えたら印刷指令によらず、定期的に負圧異常診断を実施することにある。つまり、印刷前にはじめて負圧再形成動作を実施するのではなく、定期的に負圧異常かどうかを診断しておけば、いざ印刷しようとした時には負圧再形成動作が不要であり、印刷結果がなかなか出てこないということにはならない。
上記負圧異常診断は、キャップ部材でノズルを覆った状態で実施する場合と、キャップ部材でノズルを覆っていない状態で実施する場合とがある。ノズルを覆わないアンキャッピングで診断実施する場合には、負圧を再形成する回復動作に先立って必要に応じて、即ち、乾燥度合いに応じて、ノズルの吐出性能を維持する動作を実施するのが好適である。吐出性能維持動作は、ノズルからインクが漏出しない程度の振動を与える微動作であることが想定される。空吐出を行ってもよい。上記負圧異常診断の終了後に計測動作のリセットを行うことが目的に適っている。
上記インクジェット記録機構を備えた画像形成装置にあっては、上記負圧異常診断を、画像形成処理の前にも実施するのが合理的である。吐出性能維持動作は、画像形成領域外でインク吐出される空吐出動作であることが想定される。上記負圧異常診断の設定をオンオフ切換できるように構成していれば、好都合である。
キャップ部材によりノズルが覆われる動作の実施時からの時間を計測する計測手段により計測される時間が所定値に達するとヘッドタンク内の負圧の異常診断を実施して、負圧異常であると診断された場合にはヘッドタンク内の負圧を再形成する回復動作を行うことによって、定期的に負圧異常診断を実施し、いつでも正常にインクを吐出できる状態を維持できるので、画像形成処理間隔が長くなる場合にも、画像形成処理前に負圧異常を検知して負圧再形成動作を実施する可能性が低くなり、画像形成指令が出てから画像出力までに時間が長くなる事態を回避できる。
キャップ部材でノズルを覆った状態で負圧異常診断を実施する場合、乾燥によるノズル内のインクの増粘に起因する吐出不良を防ぐことができる。また吐出不良回避のための空吐出を実施する必要がなく、無駄なインク消費を抑えることができる。
キャップ部材でノズルを覆っていない状態で負圧異常診断を実施する場合には、診断の結果にかかわらず、負圧異常ありの判断の場合には負圧を再形成する回復動作に先立って、ノズルの吐出性能を維持する動作を実施して、乾燥によるノズル内のインクの増粘に起因する吐出不良を防ぐことができる。吐出性能維持動作が、ノズルからインクが漏出しない程度の振動を与える微動作であれば、空吐出を実施する必要がなく、無駄なインク消費を抑えることができる。負圧異常診断の終了後に計測動作のリセットを行えば、複雑な制御を実施することなく、正確にキャッピング後からの経過時間を計測できる。
インクジェット記録機構を備えた画像形成装置にあっては、負圧異常診断を、画像形成処理の前にも実施すれば、想定外の負圧異常が発生した場合にも対応することができ、印刷品質を保つことができる。吐出性能維持動作を、画像形成領域外でインク吐出される空吐出動作であれば、微振動でも吐出不良を防ぐことができないほど乾燥している場合にも、吐出不良を防ぐことができる。負圧異常診断の設定をオンオフ切換できるように構成していれば、素早く出力したいユーザーとエコ意識の高いユーザーのいずれにも対応することができる。
本発明に係るインクジェットプリンタを前方から見た斜視図である。 図1のプリンタの機構部の概要を示す側面概略図である。 図1のプリンタの機構部の要部平面図である。 維持回復機構を一部展開した状態で示す模式的構成図である。 制御部の全体ブロック図である。 印刷制御部とヘッド駆動回路の関係を示すブロック図である。 サブタンクの斜視図である。 サブタンクの分解斜視図である。 サブタンクの模式的側面図である。 負圧形成動作のシーケンスを示すフローである。 負圧異常診断の全体フローである。 図11の全体フローにおけるA部分の詳細フローである。 所定時間を5時間と設定する場合の想定され得る定期的な診断と印刷動作に関する経時的な関係を示す説明図である。 検知電極で負圧異常診断ができない場合の制御フローを示すチャートである。
本発明に係る画像形成装置としてのインクジェットプリンタを、添付図面を参照して説明する。
図1はインクジェットプリンタを前方側から見た斜視図である。カラー印刷用に構成されたインクジェットプリンタは、装置本体1に対して、用紙を装填するための給紙トレイ2と、画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ3とを備えている。これら給紙トレイ2や排紙トレイ3は装置本体1に対して着脱自在である。さらに、装置本体1の前面の一端側で給・排紙トレイ2,3の側方には、前面から前方側に突き出し、装置本体上面よりも低くなったカートリッジ装填部4を有し、このカートリッジ装填部4の上面は、操作ボタンや表示器などの操作/表示部5となっている。カートリッジ装填部4には、色の異なるインク、例えば黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各インクをそれぞれ収容した複数のインクカートリッジ10k、10c、10m、10y(色を区別しないときはインクカートリッジ10という)を、装置本体1の前面側から後方側に向って挿入して装填可能とし、このカートリッジ装填部4の前面側には、インクカートリッジ10を着脱するときに開く前カバー(カートリッジカバー)6を開閉可能に設けている。
操作/表示部5には、各色のインクカートリッジ10k、10c、10m、10yの装着位置(配置位置)に対応する位置に、各色のインクカートリッジ10k、10c、10m、10yの残量がニアーエンドおよびエンドになったことを表示するための各色の残量表示部11k、11c、11m、11yを配している。さらに、この操作/表示部5には、電源ボタン12、用紙送り/印刷再開ボタン13、キャンセルボタン14も配している。
次に、このインクジェットプリンタの機構部について図2および図3を参照して説明する。なお、図2は同機構部の全体構成を説明する概略構成を示し、図3は同機構部の要部を平面で示すものである。装置本体のフレームを構成する左右の側板(図示せず)に横架されたガイド部材であるガイドロッド21とステー22とで、キャリッジ23を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ24によって駆動プーリ25と従動プーリ26の間に掛け渡したタイミングベルト27を介して図3における矢示方向(キャリッジ走査方向:主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ23には、各色のインク滴を吐出するための液滴吐出ヘッドである記録ヘッド31k、31c、31m、31y(色の区別をしないときは記録ヘッド31という)が、複数のノズルを、主走査方向と交差する方向に配列し、そのインク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド31を構成するインクジェットヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いてインクの膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、液滴を吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどが使用できる。また、インクジェットヘッドとしては、複数のノズルを並べてノズル列を複数列有し、各ノズル列から同じ色の液滴を吐出する構成であっても、異なる色の液滴を吐出する構成であってもよい。
またキャリッジ23には、各記録ヘッド31にそれぞれ各色のインクを供給するための各色のサブタンク(ヘッドタンク)32が搭載されている。このサブタンク32には、各色のインク供給チューブ37を介して前述した各色のインクカートリッジ10から各色のインクが補充供給されるようになっている。
一方、図2に示すように、給紙トレイ2の底板(用紙積載部)41上に積載された用紙42を給紙するための給紙部として、底板41から用紙42を一枚ずつ分離給送する給紙コロ(半月コロ)43、および給紙コロ43に対向し摩擦係数の大きな材質から成る分離パッド44を備え、この分離パッド44が給紙コロ43側に付勢されている。そして、この給紙部から給紙された用紙42を記録ヘッド31の下方側に搬送するために、用紙42を案内するガイド部材45と、カウンタローラ46と、搬送ガイド部材47と、先端加圧コロ49を有する押さえ部材48とを備えるとともに、給送された用紙42を静電吸着して記録ヘッド31に対向する位置で搬送するための搬送ベルト51を備えている。ここで、搬送ベルト51は無端状ベルトであり、搬送ローラ52とテンションローラ53との間に掛け渡されて、副走査モータ58によって駆動ベルト59およびプーリ60を介して搬送ローラ52が回転駆動されることで、図3に示したベルト搬送方向(副走査方向、図2で見て時計回り)に回るように構成されている。この搬送ベルト51は、例えば、抵抗制御を行っていない純粋な厚さ40μm程度の樹脂材、例えばETFEピュア材で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。
そして、搬送ベルト51の表面を帯電させるための帯電ローラ56は、搬送ベルト51の表層に接触し、搬送ベルト51の回動に従動して回転するように配置され、加圧力として軸の両端に所定の押圧力をかけている。また搬送ベルト51の内周側には、記録ヘッド31による印写領域に対応してガイド部材57が配置されている。このガイド部材57は、上面が搬送ベルト51を支持する二本のローラ(搬送ローラ52とテンションローラ53)の共通接線よりも記録ヘッド31の側に突出している。これにより、搬送ベルト51は印写領域ではガイド部材57の上面にて押し上げられてガイドされるので、高精度な平面性を維持される。
さらに、記録ヘッド31で記録された用紙42を排紙するための排紙部として、搬送ベルト51から用紙42を分離するための分離爪61、排紙ローラ62および排紙コロ63、前述の排紙トレイ3が備えられている。ここで、排紙ローラ62と排紙コロ63の挟持部から排紙トレイ3までの高さは、排紙トレイ3にストックできる用紙量を多くするためにある程度の大きさに設定されている。
また装置本体1の背面部には、図2に示すように、両面給紙ユニット71が着脱自在に装着されている。この両面給紙ユニット71は搬送ベルト51の逆方向回転で戻される用紙42を取り込んで反転させて再度カウンタローラ46と搬送ベルト51との間に給紙する。また、この両面給紙ユニット71の上面には手差し給紙部72が設けられている。
さらに、図3に示すように、キャリッジ走査方向の一方側の非印字領域には、記録ヘッド31のノズルの状態を維持し、回復するための回復手段を含むインク吐出装置用維持回復機構81が配置されている。この維持回復機構81には、記録ヘッド31の各ノズル面を覆った(以下、キャッピングという)状態とするための各キャップ部材(以下、キャップという)82a〜82d(区別しないときはキャップ82という)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード83と、空吐出(増粘したインクを排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる動作)を行うときの液滴を受ける空吐出受け84などが備えられている。ここでは、説明の都合上、キャップ82aを吸引および保湿用キャップとし、他のキャップ82b〜82dは保湿用キャップとしている。また、キャリッジ走査方向の他方側の非印字領域には、記録中などに空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け88が配され、この空吐出受け88には記録ヘッド31のノズル列方向に沿った開口89a〜89dが備えられている。
このように構成されたインクジェットプリンタにおいては、給紙トレイ2から用紙42が一枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙42がガイド45で案内され、搬送ベルト51とカウンタローラ46との間に挟まれて搬送され、さらに先端を搬送ガイド37で案内されて先端加圧コロ49で搬送ベルト51に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。このとき、後述する制御部によってACバイアス供給部から帯電ローラ56に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト51が交番する帯電電圧パターン、すなわち、ベルト周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト51上に用紙42が給送されると、用紙42が搬送ベルト51に静電的に吸着され、搬送ベルト51の周回移動によって用紙42が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ23を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド31を駆動することにより、停止している用紙42にインク滴を吐出して1行分を記録して、しかる後に用紙42を所定量搬送して、次の行の記録を行う。記録終了信号または用紙42の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙42を排紙トレイ3に排紙する。
また印字(記録)待機中には、キャリッジ23は維持回復機構81側に移動されて、キャップ82で記録ヘッド31がキャッピングされて、ノズルを湿潤状態に保って、インク乾燥による吐出不良を防止する。また、キャップ82で記録ヘッド31をキャッピングした状態で不図示の吸引ポンプによってノズルからインクを吸引し(ノズル吸引またはヘッド吸引という)、増粘したインクや気泡を排出する回復動作を行う。また記録開始前、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する空吐出を行う。これによって、記録ヘッド31の安定した吐出性能を維持する。
次に、維持回復機構81の概要について図4を参照して説明する。なお、同図は維持回復機構を一部展開した状態で示す模式的説明図である。この維持回復機構81には、前述したように、キャップ82a、82bを保持する保持機構を含むキャップホルダ201Aと、キャップ82c、82dを保持する保持機構を含むキャップホルダ201Bと、記録ヘッド31のノズル面を清浄化する(拭き取る)ための弾性体から成るワイパーブレード83を保持するブレードホルダ203と、記録ヘッド31から印字に寄与しない液滴を吐出する空吐出動作(予備吐出動作)を行うための空吐出受け84が配置されている。
ここで、印字領域に最も近い側のキャップ82aには、可撓性チューブ210を介して吸引手段であるチュービングポンプ(吸引ポンプ)211が接続している。したがって、記録ヘッド31の維持回復動作を行うときには、回復動作を行う記録ヘッド31をキャップ82aによってキャッピング可能な位置に選択的に移動させる。
また、キャップホルダ201A、201Bの下方にはフレーム212に回転自在に支持されたカム軸213が配され、このカム軸213には、キャップホルダ201A、201Bを昇降させるためのキャップカム214A、214Bと、ブレードホルダ203を昇降させるためのワイパーカム215がそれぞれ設けられている。
そして、チュービングポンプ211およびカム軸213を回転駆動するために、モータ軸221aに設けたモータギヤ222に、チュービングポンプ211のポンプ軸211aに設けたポンプギヤ223を噛み合わせ、さらにこのポンプギヤ223と一体の中間ギヤ224に、中間ギヤ235を介して一方向クラッチ237付きの中間ギヤ236を噛み合わせ、この中間ギヤ236と同軸の中間ギヤ228に、中間ギヤ229を介してカム軸213に固定したカムギヤ230を噛み合わせて、モータ221の回転を伝達している。
この維持回復機構81においては、モータ221が正転すると、モータギヤ222、ポンプギヤ223、中間ギヤ224、235、236までが回転し、チュービングポンプ211の軸211aが回転することでチュービングポンプ211が作動して、キャップ82a内を吸引する(この動作をキャップ内吸引またはヘッド吸引という)。その他のギヤ228以降は一方向クラッチ237によって回転が遮断され、回転(作動)しないようになっている。また、モータ221が逆転すると、一方向クラッチ237が連結されることになるので、モータ221の回転が、モータギヤ222、ポンプギヤ223、中間ギヤ224、235、236、228、229を経てカムギヤ230に伝達され、カム軸213が回転する。このとき、チュービングポンプ211はポンプ軸211aの逆転では作動しない構造となっている。カム軸213の回転によってキャップカム214A、214Bおよびワイパーカム215がそれぞれ所定のタイミングで上昇、下降する。ちなみに、記録ヘッド31のノズル面31aを清掃するときにはワイパーブレード83を上昇させた状態にして、記録ヘッド31をワイパーブレード83に相対的に移動させることによってノズル面31aをワイピングする。
次に、このインクジェットプリンタの制御部の概要について図5を参照して説明する。なお、同図は制御部の全体ブロック説明図である。この制御部は、インクジェットプリンタ全体の制御を司り、回復動作(メンテナンス動作)に関する制御をする手段などを兼ねたマイクロコンピュータで構成された主制御部301、および印刷制御を司るマイクロコンピュータで構成された印刷制御部302とを備えている。
そして、主制御部301は、通信回路300から入力される印刷処理の情報に基づいて用紙42に画像を形成するために、前述したように、主走査モータ24や副走査モータ58を主走査モータ駆動回路303、副走査モータ304を介して駆動制御するとともに、印刷制御部302に対して印刷用データを送出するなどの制御を行う。
主制御部301には、キャリッジ23の位置を検出するキャリッジ位置検出回路305からの検出信号が入力され、この検出信号に基づいて主制御部301はキャリッジ23の移動位置および移動速度を制御する。キャリッジ位置検出回路305は、例えばキャリッジ23の走査方向に配置されたエンコーダシートのスリット数を、キャリッジ23に搭載されたフォトセンサで読み取って計数することで、キャリッジ23の位置を検出する。主走査モータ駆動回路303は、主制御部301から入力されるキャリッジ移動量に応じて主走査モータ24を回転駆動させて、キャリッジ23を所定の位置に所定の速度で移動させる。
また主制御部301には、搬送ベルト51の移動量を検出する搬送量検出回路306からの検出信号が入力され、この検出信号に基づいて主制御部301は搬送ベルト51の移動量および移動速度を制御する。搬送量検出回路306は、例えば搬送ローラ52の回転軸に取り付けられた回転エンコーダシートのスリット数を、フォトセンサで読み取って計数することで搬送量を検出する。副走査モータ駆動回路304は、主制御部301から入力される搬送量に応じて副走査モータ58を回転駆動させて、搬送ローラ52を回転駆動して搬送ベルト51を所定の位置に所定の速度で移動させる。
主制御部301は、給紙コロ駆動回路307に給紙コロ駆動指令を与えることによって給紙コロ43を一回転させる。主制御部301は、維持回復機構駆動用モータ駆動回路308を介して維持回復機構81のモータ221を回転駆動することにより、前述したようにキャップ82の昇降、ワイパーブレード83の昇降、吸引ポンプ211の駆動などを行わせる。主制御部301は、インク供給モータ駆動回路311を介して供給ユニットのポンプを駆動するためのインク供給モータを駆動制御し、カートリッジ装填部4に装填されたインクカートリッジ10からサブタンク32に対してインクを補充供給する。このとき、サブタンク32が満タン状態にあることを検知するサブタンク満タンセンサ312からの検知信号に基づいて補充供給を制御する。
また主制御部301は、カートリッジ通信回路314を通じて、カートリッジ装填部4に装着された各インクカートリッジ10に設けられる不揮発性メモリ(例えばEEPROM)316に記憶されている情報を取り込んで、所要の処理を行って、本体記憶手段である不揮発性メモリ(例えばEEPROM)315に格納保持する。さらに、主制御部301には、環境温度、環境湿度を検知する環境センサ313からの検知信号が入力される。
一方、印刷制御部302は、主制御部301からの信号とキャリッジ位置検出回路305および搬送量検出回路306からのキャリッジ位置や搬送量に基づいて、記録ヘッド31の液滴を吐出させるための圧力発生手段を駆動するためのデータを生成して、上述した画像データをシリアルデータでヘッド駆動回路310に転送するとともに、この画像データの転送および転送の確定などに必要な転送クロックやラッチ信号、滴制御信号(マスク信号)などをヘッド駆動回路310に出力する以外にも、ROMに格納されている駆動信号のパターンデータをD/A変換するD/A変換器および電圧増幅器、電流増幅器などで構成される駆動波形生成部およびヘッドドライバに与える駆動波形選択手段を含み、一つの駆動パルス(駆動信号)或いは複数の駆動パルス(駆動信号)で構成される駆動波形を生成してヘッド駆動回路310に対して出力する。
ヘッド駆動回路310は、シリアルに入力される記録ヘッド31の1行分に相当する画像データに基づいて印刷制御部302から与えられる駆動波形を構成する駆動信号を選択的に記録ヘッド31の液滴を吐出させるエネルギーを発生する駆動素子(例えば前述したような圧電素子)に対して印加することで記録ヘッド31を駆動する。このとき、駆動波形を構成する駆動パルスを選択することによって、大滴(大ドット)、中滴(中ドット)、小滴(小ドット)など、大きさの異なるドットを打ち分けることができる。
次に、印刷制御部302およびヘッド駆動回路(ヘッドドライバ)310の一例について図6を参照して説明する。印刷制御部302は、上述したように、1印刷周期内に複数の駆動パルス(駆動信号)で構成される駆動波形(共通駆動波形)を生成して出力する駆動波形生成部401と、印刷画像に応じた2ビットの画像データ(階調信号0、1)、クロック信号、ラッチ信号(LAT)、滴制御信号M0〜M3を出力するデータ転送部402とを備えている。なお、滴制御信号M0〜M3は、ヘッド駆動回路310の後述するスイッチ手段であるアナログスイッチ415の開閉を滴毎に指示する2ビットの信号であり、共通駆動波形の印刷周期に合わせて選択すべき波形でHレベル(ON)に状態遷移し、非選択時にはLレベル(OFF)に状態遷移する。
ヘッド駆動回路310は、データ転送部402からの転送クロック(シフトクロック)およびシリアル画像データ(階調データ:2ビット/CH)を入力するシフトレジスタ411と、シフトレジスタ411の各レジスト値をラッチ信号によってラッチするためのラッチ回路412と、階調データと制御信号M0〜M3をデコードして結果を出力するデコーダ413と、デコーダ413のロジックレベル電圧信号をアナログスイッチ415が動作可能なレベルにレベル変換するレベルシフタ414と、レベルシフタ414を介して与えられるデコーダ413の出力でオン/オフ(開閉)されるアナログスイッチ415とを備えている。アナログスイッチ415は、記録ヘッドの各圧電素子の選択電極(個別電極)に接続され、駆動波形生成部401からの共通駆動波形が入力される。したがって、シリアル転送された画像データ(階調データ)と制御信号M0〜M3をデコーダ413でデコードした結果に応じてアナログスイッチ415がオンにすることにより、共通駆動波形を構成する所要の駆動信号が通過して(選択されて)圧電素子に印加される。
次に、サブタンク構成の一例について図7〜9を参照して説明する。なお、図7はサブタンクの概観斜視図、図8はサブタンクの分解斜視図、図9はサブタンクの模式的側面図である。サブタンク32は、インクを収容するインク収容部500を形成する容器本体(ケース本体)501に、インク収容部500の開口(サブタンク32の一面)を封止する可撓性フィルム状部材502を接着、溶着などで貼り付け、さらにインク収容部500内部にはケース本体501とフィルム状部材502との間に、フィルム状部材502を外方に付勢するためのバネ503が設けられている。ここで、フィルム状部材502は単層構成でもよいが、種類の異なる第1層と第2層とをラミネートした二層構成、例えばポリエチレンとナイロンのフィルムをラミネートした構成としたり、第1層にシリカ蒸着層を形成した構成とすることができる。フィルム状部材502を種類の異なる2層以上の構成とすることで、収容するインクに対する耐液性の向上を図ることができる。この場合、ポリエチレンとナイロンの積層構成とすることによって、インクに対する耐液性を確実に確保することができる。また、フィルム状部材502にシリカ蒸着層を含むことでも収容するインクに対する耐液性の向上を図ることができる。
さらに、フィルム状部材502にはバネ503に対応して凸部形状となる膨らみ部502aを形成してその外面に補強部材504が貼り付けられている。このように、可撓性フィルム状部材502に凸部を設けることで弾性部材たるバネ503を安定して保持することができる。この場合、可撓性フィルム状部材502は、シート状の部材を凸形状に成形して作製することで、容易に凸部を形成することができる。
そして、フィルム状部材502の変位に応じて変位する負圧検知レバー506が、ケース501の側部に設けた支持部507に揺動可能に取り付けられている。この負圧検知レバー506はスプリング508によってフィルム状部材502側に押し付けられている。
またケース501には、インク収容部500にインクを補充するためのインク導入路511を設け、このインク導入路511とインクカートリッジ10に接続された供給チューブ499とを接続するための連結手段512が着脱自在に装着できるようになっている。さらに、ケース501の下部にはインク収容部500から記録ヘッド31にインクを供給するための連結部材513が取り付けられ、この連結部材513には記録ヘッド31のインク供給路を形成し、インク収容部500との間にはフィルタ515を介装している。
そして、ケース501の上部にはインク収容部500から空気を出すための空気流路521が形成されている。この空気流路521は、インク収容部500に開口が臨む入口流路部分522と、この入口流路部分522に続く流路部分523とを含み、下流側でケース501に設けた大気開放穴531に連通し、さらに大気開放穴531よりも使用状態で下側になる部分に蓄積部526を連続して形成している。この大気開放穴531にはサブタンク32内の密閉状態および大気開放状態を切り替えるための大気開放手段である大気開放弁機構532が設けられている。この大気開放弁機構532は、ホルダ533内に弁座534、弁体であるボール535、およびこのボール535を弁座534側に付勢するスプリング536を収納して構成されている。
また、ケース501の上面部にはサブタンク32内の気体(空気)の量が所定量以上に なったこと(またはインク残量が所定量以下になったこと)を検知するための2本の検知電極541、542が装着されている。検知電極541、542がいずれもインクに浸されている状態と少なくとも一方がインクに浸されていない状態とで検知電極541、542間の導通状態が変化することによって気体の量(またはインクの量)を検知することができる。
記録ヘッド31の性能を維持、回復するメンテナンス動作を行う場合には、主制御部301は維持回復機構81を駆動制御するとともに、主制御部301から駆動波形生成部401に対してメンテナンス用駆動波形を生成させる制御をするとともに、記録ヘッド31の各圧力発生手段を駆動する画像データをデータ転送部402に与えることで、メンテナンス用駆動波形で記録ヘッド31の各圧電素子121を駆動して液室106内に圧力変化を生じさせる制御を行う。
そこで、このインクジェットプリンタにおける記録ヘッド31の回復動作について詳細に説明する。まず、図4、図8を参照して回復動作におけるインク吸引動作について説明する。インク吸引動作では、前述したように、吸引用キャップ82aによって記録ヘッド31のノズル面を覆ったキャッピング状態で吸引ポンプ211を作動させることによって、記録ヘッド31のノズルからインクを吸引し、ノズル面に付着したインクをワイパーブレード83によって拭き取り、吸引用キャップ82a内のインクを吸引して排出することで、記録ヘッド31のノズルの吐出性能を維持する。また、負圧再形成動作では、まず大気開放弁機構532によりサブタンク32内を開放状態とし、検知電極541、542によりインク量が所定量以上になったことを検知するまでインク収容部500にインクカートリッジ10からインクを補充し、しかる後に大気開放弁機構532によりサブタンク32内を密閉状態として、負圧再形成動作のシーケンスを表す図10に示すように、吸引用キャップ82aで記録ヘッド31内のインクを所定量吸引することでサブタンク32内の負圧を形成し、キャップ82aを外した後にワイパーブレードによる拭き取りを行って、微振動若しくは空吐出する。なお、所定量吸引した時の負圧検知レバー506の位置を記憶しておき、用紙への吐出によりインクが消費された場合、この記憶した位置までインクを補充し、印刷を維持できるようにする。
負圧が保持できていない状態では、ノズルのメニスカスが正常に形成できず、記録ヘッド31の各圧電素子に吐出信号を印加させ、圧力発生室内を膨張、収縮させてメニスカス制御しても、メニスカスは吐出信号に応答せず、用紙へインク滴を吐出することができない。そのため、負圧が保持できているかどうか確認する必要があり、負圧が保持できていなかった場合は、負圧を再形成する動作が実施される。
図11、図12に負圧異常に関する診断についてのフローを示す。図11は全体フローであり、図12は図11のA部分を具体的に記載するものである。負圧が保持されているかどうかを印刷前だけ確認するのではなく、キャッピング終了時点からの経過時間を計測し、経過時間をEEPROM315に記憶させ、その経過時間が所定時間を経過したかどうかを印刷命令によらず定期的に確認する。それによって、従来の処理にあっては、印刷間隔が長期にわたっていれば負圧を保持できずに負圧異常が発生し、それゆえに印刷前に負圧再形成動作の作業をまず実施せざるをえなかった可能性を考えると、定期的に負圧異常有無診断を実施しておくことで、印刷前に負圧異常の診断を実施するにあたっても、負圧再形成動作がまず不要となる。
なお、所定時間の閾値は、その所定時間内であれば負圧が少なくとも正常に保持できるような時間が選択される。例えば所定時間を5時間と設定する。その場合の想定され得る定期的な診断と印刷動作に関する経時的な関係を図13に示す。また本例にあっては、負圧異常有無診断は本体操作/表示部5にて機能をOFFできるようになっており、OFFすれば定期的に負圧異常有無診断による回復動作を実施しなくなる。長期間印刷をしない環境下にあっても、出力される際の時間を特に気にせず、むしろエコに関心があるユーザにとっては、定期的な回復動作を実施しない方がインクを多く消費せず、電力消費なども少なくてすむので、設定をOFFする方が有効な場合もあり、状況に応じて設定変更するのが望ましい。
負圧異常有無の診断方法には、キャッピング状態のまま診断する場合と、キャップ82a〜82dで記録ヘッド31を覆わない(以下、アンキャッピングという)状態で診断する場合がある。キャッピング状態で診断する場合は、図8のサブタンク32上面部に備えられインクの液面を検知する検知電極541、542がインクの液面を検知するか否かで負圧異常有無を診断する。インクの液面を検知しない場合、空気が混入し、負圧が正常に保持できていないものと判断する。また図には描写しない構成であるが、圧力センサを備え、負圧異常有無をその圧力センサ値で診断することも可能である。
キャッピング状態にあっても、図14のフローのように、インクカートリッジ10からサブタンク32内にインクを充填する際に、インク供給モータを駆動させても、一定時間内に検知電極541、542にてインクを検知できない場合、インクカートリッジ交換時に気泡が混入してしまい、インクと気泡を供給している状況が生じていると考えられ、検知電極541、542にて負圧異常有無診断ができないことを示すフラグをEEPROM315に記憶させる。この場合、負圧異常有無を負圧検知レバー506で診断することとなる。キャリッジ23を主走査方向に移動させ、サブタンク32内部の負圧状況を検知する負圧検知レバー506の位置をレバー読取りセンサ64(図2)にて読み取り、負圧検知レバー506が所定の範囲内にあるか否かで負圧異常有無を診断する。負圧検知レバー506で診断する場合には、負圧検知レバー506をセンシングするレバー読取りセンサ64の位置まで移動する必要があり、アンキャッピング状態となる。
経過時間を、図11、図12に示すように、負圧異常有無の診断を実施し、場合によっては負圧再形成動作した後にリセットする。経過時間をリセットすることでキャッピングしてからの経過時間を正確に把握することができる。また、印刷終了後にも負圧異常有無の診断を実施すれば、印刷終了後に経過時間がリセットされ、無駄に負圧異常有無の診断を実施しなくてすむようになる。
負圧異常有無の診断をアンキャッピングして実施する場合、アンキャッピング状態ではノズル面がキャップ82から外れており、ノズル内のインクが乾燥し、インクが増粘して、吐出不良を発生させてしまう可能性がある。そこで、記録ヘッド31の各圧電素子に吐出しない程度の微振動信号を与え、記録ヘッド31の全ノズルに対してノズル内の増粘したインクを攪拌し、記録ヘッド31のノズルの吐出性能を維持する。なお、低湿度になるほどインクは乾燥しやすいので、環境センサ313の値により微駆動条件を変更し、低湿度では微駆動回数を増加させ、高湿度では微駆動回数を減少させることもできる。なお、乾燥度合いが大きくなると、微振動では吐出性能を回復できなくなるので、記録ヘッド31の全ノズルからノズル内の増粘したインクを空吐出受け84内またはキャップ内82に吐出させ、キャップ82内に吐出した場合はキャップ82内のインクを吸引して排出することで、記録ヘッド31のノズルの吐出性能を維持するようにしてもよい。
なお上記の形態では本発明に係る画像形成装置としてプリンタ構成で説明したが、これに限るものではなく、例えば、プリンタ/ファックス/コピア複合機などの画像形成装置に適用することができる。また、インク以外の液体である記録液や定着処理液などを用いる画像形成装置にも適用することができる。
1 装置本体
2 給紙トレイ
3 排紙トレイ
4 カートリッジ装填部
5 操作/表示部
10 インクカートリッジ
12 電源ボタン
23 キャリッジ
31 記録ヘッド
32 サブタンク
51 搬送ベルト
特開2007−15153号公報

Claims (9)

  1. 記録液を吐出するノズルを有する液滴吐出ヘッドと、当該液滴吐出ヘッドに付設され内部に負圧を形成した記録液収容ヘッドタンクと、上記ノズルを覆うキャップ部材とを備えたインクジェット記録機構において、キャップ部材によりノズルが覆われる動作の実施時からの時間を計測する手段を備え、当該計測手段により計測される時間が所定値に達すると上記ヘッドタンク内の負圧の異常診断を実施する判断手段を備え、負圧異常であると診断された場合には上記ヘッドタンク内の負圧を再形成する回復動作を行うことを特徴とするインクジェット記録機構。
  2. 上記負圧異常診断は、キャップ部材でノズルを覆った状態で実施することを特徴とする、請求項1に記載のインクジェット記録機構。
  3. 上記負圧異常診断は、キャップ部材でノズルを覆っていない状態で実施し、しかる後に必要に応じてノズルの吐出性能を維持する動作を実施することを特徴とする、請求項1に記載のインクジェット記録機構。
  4. 吐出性能維持動作が、ノズルから記録液が漏出しない程度の振動を与える微動作であることを特徴とする、請求項3に記載のインクジェット記録機構。
  5. 上記負圧異常診断の終了後に計測動作のリセットを行うことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録機構。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録機構を備えた画像形成装置。
  7. 上記負圧異常診断を、画像形成処理の前にも実施することを特徴とする、請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 吐出性能維持動作が、画像形成領域外で記録液吐出される空吐出動作であることを特徴とする、請求項6または7に記載の画像形成装置。
  9. 上記負圧異常診断の設定をオンオフ切換できるように構成されたことを特徴とする、請求項6〜8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
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