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JP5304057B2 - 密封装置及び密封構造 - Google Patents

密封装置及び密封構造 Download PDF

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Description

本発明は、軸受機能を備えた密封装置及びこれを備える密封構造に関するものである。
高圧化で用いられる密封装置(ピストン用やロッド用の密封装置)として、複数の部材から構成されるシーリングシステムが知られている。例えば、建設機械用の油圧シリンダにおいては、ピストンシールとウエアリングからなるピストンシーリングシステムが用いられている。このような従来例に係る密封装置について図4を参照して説明する。図4は従来例に係る密封構造の模式的断面図である。
ピストンシーリングシステムは、シリンダ600に設けられた軸孔601の内周面と、この軸孔601に挿通されるピストン500の外周面との間の環状隙間に配置される。ピストン500の外周面には、第1の環状溝501と、この第1の環状溝501を挟んで軸方向の両側に設けられる第2の環状溝502及び第3の環状溝503が設けられている。
そして、中央の第1の環状溝501に、ナイロンなどの硬質材料からなる第1リング100と、第1リング100を軸孔601の内周面に向かって押圧するNBRなどのゴム状弾性体製の第2リング200とからなるピストンシールが装着される。そして、第2の環状溝502と第3の環状溝503に、それぞれナイロンなどの硬質材料からなるウエアリング301,302が装着される。これらのウエアリング301,302は、ピストン500の軸受として設けられるもので、ピストン500とシリンダ600のかじりを防ぎ、偏心を小さくして、ピストンシールの耐久性を向上させるために設けられるものである。
このように、ピストンシールと、その両側に設けられる一対のウエアリングとからなるピストンシーリングシステムを用いることで、高圧化においても、長期にわたって密封機能と軸受機能とを安定的に発揮させることができる。
しかしながら、かかるピストンシーリングシステムにおいては、部品点数が多く、コストが高くなる原因となる。そのため、同等の品質を保ちながら、より部品点数が少なく、コストの低減を図ることのできる密封装置を実現することが求められている。そこで、上記従来例に係る密封装置において、部品点数を削減するために、第1リング100に軸受機能を備えさせる技術が考えられている。図5を参照して、そのような技術について説明する。図5は仮想技術に係る密封構造の模式的断面図である。
図5に示す密封構造においては、ピストン510の外周面には、第1環状溝511、及びこの第1環状溝511の溝底面に設けられる第2環状溝512が形成されている。そして、第1環状溝511にナイロンなどの硬質材料からなる第1リング110が装着され、第2環状溝512に第1リング110を軸孔601の内周面に向かって押圧する、NBRなどのゴム状弾性体製の第2リング210が装着される。
この仮想技術における第1リング110は、上記従来例における第1リング100と、一対のウエアリング301,302を一体的にするという発想に基づくものである。かかる仮想技術によれば、第1リング110のうち、第2リング210によって押圧されている付近にて特に密封機能が発揮される。そして、第1リング110のうち、第1環状溝511の溝底面(第2環状溝512が設けられている領域を除く部分)と軸孔601の内周面との間に配されている部分にて特に軸受機能が発揮される。つまり、この部分にてウエアリングの機能が発揮される。
このように構成されたピストンシールリングによれば、上記従来例の場合と同様に、第1リング110の中央付近にて密封機能が発揮され、その両側で軸受機能が発揮される。
ここで、第1リング110は硬質材料で構成されることから、第1環状溝511の溝底面と軸孔601の内周面との間で、この第1リング110を圧縮させた状態で、第1リング110を第1環状溝511に装着させることはできない。仮にそのように装着させた場合には、第1リング110と軸孔601の内周面との間の摺動抵抗が高くなり過ぎてしまう。そのため、寸法誤差等も踏まえて、第1リング110の内周面と第1環状溝511の溝底面との間には、クリアランスS1を設ける必要がある。
第1リング110は殆ど変形しないことから、密封対象流体の圧力が作用しているか否かに関係なく、このクリアランスS1は略一定の間隔を保ったままとなる。
これに対して、ゴム状弾性体製の第2リング200は、密封対象流体の圧力を受けると、第2環状溝512内において低圧側に移動すると共に、自身が変形する。そのため、第2リング200の一部がクリアランスS1にはみ出してしまい、破損してしまうおそれがある。なお、関連する技術として、特許文献1に開示されたものがある。
特開平9−177987号公報
本発明の目的は、部品点数が少なく、品質性に優れた、軸受機能を備えた密封装置及びこれを備える密封構造を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、本発明の密封装置は、
ハウジングに設けられた軸孔の内周面と該軸孔に挿通される軸の外周面との間の環状隙間を封止すると共に、前記軸を支持する軸受となる密封装置であって、
前記軸の外周面には、該軸の軸心と同心的に設けられる第1環状溝、及び第1環状溝の溝底面に前記軸心と同心的に設けられる第2環状溝が形成されており、
第1環状溝に装着され、この第1環状溝に対してスライド可能な、硬質材料からなる第1リングと、
第2環状溝に装着され、第1リングを軸孔内周面に向かって押圧するゴム状弾性体製の第2リングと、を備え、
第1リングには、第2環状溝内に進入するように構成され、密封対象流体の圧力による第1リングのスライドによって第2環状溝の側壁面に密着することで、第1リングと軸との間の隙間への第2リングのはみ出しを防止する、前記軸心と同心的に設けられる環状凸部が設けられていることを特徴とする。
また、本発明の密封構造は、
軸孔を有するハウジングと、
前記軸孔に挿通される軸と、
前記軸孔の内周面と前記軸の外周面との間の環状隙間を封止すると共に、前記軸を支持する軸受となる密封装置と、を備える密封構造であって、
前記軸の外周面には、該軸の軸心と同心的に設けられる第1環状溝、及び第1環状溝の溝底面に前記軸心と同心的に設けられる第2環状溝が形成されており、
前記密封装置は、
第1環状溝に装着され、この第1環状溝に対してスライド可能な、硬質材料からなる第1リングと、
第2環状溝に装着され、第1リングを軸孔内周面に向かって押圧するゴム状弾性体製の第2リングと、を備え、
第1リングには、第2環状溝内に進入するように構成され、密封対象流体の圧力による第1リングのスライドによって第2環状溝の側壁面に密着することで、第1リングと軸との間の隙間への第2リングのはみ出しを防止する、前記軸心と同心的に設けられる環状凸部が設けられていることを特徴とする。
本発明の密封装置及び密封構造によれば、第1リングのうち、第2リングによって押圧されている付近にて特に密封機能が発揮される。そして、第1リングのうち、第1環状溝の溝底面(第2環状溝が設けられている領域を除く部分)と軸孔の内周面との間に配されている部分にて特に軸受機能が発揮される。これにより、本発明によれば、2つのリングによって、環状隙間を封止する密封機能を発揮しつつ、軸を支持する軸受としての機能を発揮させることができる。したがって、部品点数を少なくできる。
そして、本発明によれば、第1リングに環状凸部を設けたことによって、密封対象流体による圧力を受けると、第1リングがスライドして、この環状凸部の側壁面が第2環状溝の側壁面に密着する。これにより、第2リングの一部が、第1リングと軸との間の隙間にはみ出してしまうことを抑制(防止)できる。したがって、安定した密封性能を維持することができ、品質性及び耐久性を向上させることができる。
また、第1リングにおける前記環状凸部を挟んで軸方向の両側の部分は、いずれも第1環状溝の溝底面と前記軸孔の内周面との間に配されると共に、前記両側の部分と第1環状溝の溝底面との間にはクリアランスが設けられている。
これにより、特に密封機能が発揮される部分を挟んで軸方向の両側の部分で、軸受機能が発揮する。これにより、密封機能を安定的に発揮させることができる。
また、第1リングのうち第1環状溝の溝底面と前記軸孔の内周面との間に配される部分における外周面に、密封対象流体を導入する溝が設けられているとよい。
これにより、安定した密封性能を維持させつつ、摺動抵抗を低減させることができる。
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用し得る。
以上説明したように、本発明によれば、部品点数を少なくしつつ品質性の向上を図ることができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
本実施例においては、密封装置の一例として、建設機械用の油圧シリンダに用いられるピストンシーリングシステムの場合を示す。
(実施例1)
図1及び図2を参照して、本発明の実施例1に係る密封装置及びこれを備える密封構造
について説明する。図1及び図2は本発明の実施例1に係る密封装置を備える密封構造の模式的断面図である。なお、図1は密封対象流体の圧力が作用していない状態を示し、図2は密封対象流体の圧力が作用している状態を示している。
<密封構造>
本実施例に係る密封装置(ピストンシーリングシステム)は、ハウジングとしてのシリンダ60に設けられた軸孔61の内周面と、この軸孔61に挿通される軸としてのピストン50の外周面との間の環状隙間に配置される。本実施例に係る密封装置は、ナイロンなどの硬質材料からなる第1リング10と、NBRなどのゴム状弾性体製の第2リング20とから構成される。なお、第1リング10の素材として、ナイロンの他に、ポリアミド,ポリイミド,PEEK,ポリアセタール,ポリエチレン,ポリエステル,フェノール,布入りフェノール等の積層材及びPTFEを例として挙げることができる。勿論、摩擦摩耗特性や強度等を改善するために充填材(添加材)を添加してもよい。また、第2リング20の素材として、NBRの他に、HNBR,XNBR,FKM及びウレタンを例として挙げることができる。勿論、摩擦摩耗特性や強度等を改善するために充填材(添加材)を添加してもよい。
ピストン50の外周面には、ピストン50の軸心Tと同心的に設けられる第1環状溝51、及びこの第1環状溝51の溝底面に軸心Tと同心的に設けられる第2環状溝52が形成されている。なお、本実施例においては、第2環状溝52は、第1環状溝51における軸方向の中央に設けられている。
そして、第1環状溝51に第1リング10が装着され、第2環状溝52に第2リング20が装着される。第2リング20は、自己の弾性反発力によって、第1リング10を軸孔61の内周面に向かって押圧する。
また、本実施例においては、第1リング10の内周側には、第2環状溝52内に進入するように構成される環状凸部11が設けられている。この環状凸部11は、ピストン50の軸心Tと同心的に設けられている。
ここで、第1リング10の外周面が軸孔61の内周面に摺動するように、第1リング10の外径は、軸孔61の内径と略同一となるように設定されている。また、第1リング10は第1環状溝51に嵌まるように寸法が設定されている。更に、第1リング10が第1環状溝51に嵌まった状態で、第1リング10に設けられた環状凸部11が第2環状溝52に嵌まるように、環状凸部11の寸法は設定されている。具体的には、第1リング10の軸方向長さは第1環状溝51の軸方向長さに略等しく、第1リング10の環状凸部11を除く部分の内径は第1環状溝51の溝底部分の外径に略等しく、環状凸部11の軸方向長さは第2環状溝52の軸方向長さに略等しくなるように設定されている。なお、環状凸部11の高さは、第2環状溝52に対して少しだけ進入する高さに設定されている。
しかしながら、第1リング10は硬質材料で構成されることから、第1環状溝51の溝底面と軸孔61の内周面との間で、この第1リング10を圧縮させた状態で、第1リング10を第1環状溝51に装着させることはできない。仮にそのように装着させた場合には、第1リング10と軸孔61の内周面との間の摺動抵抗が高くなり過ぎてしまう。また、装着性や寸法誤差も考慮しなければならない。
そのため、第1リング10の内周面と第1環状溝51の溝底面との間,環状凸部11の側壁面と第2環状溝52の側壁面との間、及び第1リング10の側壁面と第1環状溝51の側壁面との間には、それぞれクリアランスS1,S2,S3が設けられている。ただし、密封機能を発揮させるために、第1リング10の外周面と軸孔61の内周面との間には
クリアランスがないように設定されている。
<密封装置による密封動作>
図2においては、図中右側が高圧となり、左側が低圧となった状態を示している。この場合、第1リング10と第2リング20は、高圧側(H)の密封対象流体(本実施例では油)の圧力(油圧)を受けて、いずれも低圧側(L)にスライドする(図2中、矢印A方向にスライドする)。第1リング10は、硬質材料で構成されるため、密封対象流体の圧力を受けても殆ど変形しない。そのため、第1リング10の内周面と第1環状溝51の溝底面との間のクリアランスS1は、略一定の間隔を保ったままである。
しかしながら、第1リング10が低圧側(L)に移動することによって、第1リング10における環状凸部11は、その側壁面が第2環状溝52の側壁面に密着する。これにより、環状凸部11の側壁面と第2環状溝52の側壁面との間の隙間はなくなる(図中、矢印Xにて示す部分参照)。そのため、第2リング20が、環状凸部11の側壁面と第2環状溝52の側壁面との間のクリアランスS2にはみ出してしまうことを抑制することができる。なお、図中左側が高圧となり、右側が低圧となった場合にでも、同様の挙動を示す(環状凸部11の図中右側の側壁面が第2環状溝52の右側の側壁面に密着する)。
なお、第1リング10が密封対象流体の圧力を受けてスライドした場合に、環状凸部11の側壁面が第2環状溝52の側壁面に、より確実に密着するように、上記クリアランスS3はクリアランスS2以上の長さに設定するのが望ましい。
<本実施例の優れた点>
本実施例に係る密封装置(ピストンシーリングシステム)及びこれを備える密封構造によれば、第1リング10のうち、第2リング20によって押圧されている付近にて特に密封機能が発揮される。そして、第1リング10のうち、第1環状溝51の溝底面(第2環状溝52が設けられている領域を除く部分)と軸孔61の内周面との間に配されている部分にて特に軸受機能が発揮される。
これにより、本実施例に係る密封装置及びこれを備える密封構造によれば、2つのリングによって、環状隙間を封止する密封機能を発揮しつつ、ピストン50を支持する軸受としての機能を発揮させることができる。したがって、部品点数を少なくできる。
また、上記の通り、第1リング10に環状凸部11を設けたことによって、密封対象流体による圧力を受けると、第1リング10がスライドして、この環状凸部11の側壁面が第2環状溝52の側壁面に密着する。これにより、第2リング20の一部が、第1リング10とピストン50との間の隙間にはみ出してしまうことを抑制(防止)できる。したがって、安定した密封性能を維持することができ、品質性及び耐久性を向上させることができる。
また、本実施例においては、第1リング10における環状凸部11を挟んで軸方向の両側の部分が、いずれも第1環状溝51の溝底面と軸孔61の内周面との間に配される構成を採用している。したがって、特に密封機能が発揮される部分を挟んで軸方向の両側の部分で、軸受機能が発揮する。これにより、密封機能を安定的に発揮させることができる。
(実施例2)
図3には、本発明の実施例2が示されている。本実施例においては、第1リングの外周面に、密封対象流体を導入する溝を設ける場合の構成を示す。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
図3は本発明の実施例2に係る密封装置を備える密封構造の模式的断面図である。なお、図3においては、密封対象流体(油)の圧力(油圧)が作用していない状態を示している。なお、図3中の(V)は、本発明の実施例2に係る密封装置における第1リングを軸方向に見た図の一部を示している。
上記実施例1に係る密封装置(ピストンシーリングシステム)においては、従来例で示したピストンシーリングシステムの場合に比べて、軸孔の内周面に対する摺動部分の面積が大きくなってしまう。そのため、摺動抵抗が高くなり易い。
そこで、本実施例に係る第1リング10aにおいては、第1環状溝51の溝底面と軸孔61の内周面との間に配される部分における外周面に、密封対象流体(油)を導入する溝12,13が設けられている。これらの溝12,13は、本実施例では、周方向に一定の間隔で複数設けられている。ただし、溝の配置位置,個数,形状及び大きさ等については、第1リングの大きさや材質及び使用環境等に応じて適宜設定すればよい。これらの溝12,13が設けられていること以外は、上記実施例1と同一の構成である。
このように、本実施例においては、第1リング10aの外周面に溝12,13を設けたことで、第1リング10aの外周面と軸孔61の内周面との間に、密封対象流体である油が導入される。したがって、第1リング10aの外周面と軸孔61の内周面との摺動抵抗を低減させることができる。
(その他)
上記各実施例においては、図1〜図3に示すように、第2リング20は、その断面形状が矩形のものを示した。しかしながら、第2リング20は、第2環状溝52の溝底面と第1リング10の内周面との間の環状隙間を封止することができ、かつ自己の弾性反発力によって、第1リング10,10aを軸孔61の内周面に向かって押圧する機能を発揮するものであればよい。したがって、その断面形状は矩形のものに限らず、円形や楕円など、適宜のものを採用することができる。
また、硬質材料からなる第1リング10,10aについては、周方向のいずれの箇所にも切断部分を有さないタイプのものを採用することもできるし、装着性をよくするために、周方向の1箇所または複数個所が切断されたタイプのものを採用することもできる。後者の場合の切断部の具体例としては、ステップカットや特殊ステップカットを採用できる。
また、第2環状溝52内に対して、より確実に密封対象流体(油)を導くための導入経路を設ける構成を採用することもできる。具体的には、第1リング10,10aにおいて、第1環状溝51の溝底面と軸孔61の内周面との間に配される部分における内周面に、密封対象流体(油)を導入する溝を設ける構成を採用できる。また、第1環状溝51の側壁面や溝底面に、密封対象流体(油)を導入する溝を設ける構成を採用することもできる。更に、第2リング20の側壁面にも、密封対象流体(油)を導入する溝を設ける構成を採用することもできる。これらの構成を採用することによって、第2環状溝52内に、より確実に密封対象流体(油)を導くことが可能となる。これにより、吹き抜け漏れ(パッシング)を抑制することが可能となる。すなわち、一般的に、硬質材料からなる第1リングとゴム状弾性体製の第2リングとからなる組み合わせシールの場合、加圧時においては、流体圧力(油圧)により第2リングが拡張力を得ることによって、高圧時においても密封性を得ることができる仕組みとなっている。そのためには、第2リングが装着されている溝内に密封対象流体(油)が導入されることが必要となる。そこで、上記のように、各部材の各部に適宜溝を設けることによって、第2環状溝52内に、より確実に密封対象流
体(油)を導くことで、第2リング20の拡張力をより確実に得ることが可能となる。これにより、安定的に密封性を得ることができ、吹き抜け漏れを抑制することが可能となる。
また、実施例2においては、摺動抵抗を低減させるために、第1リング10aの外周面に溝を設ける場合の構成を示したが、当該外周面に密封対象流体である油を保持するための複数のディンプル(穴)を設けることによって摺動抵抗を低減させることもできる。
図1は本発明の実施例1に係る密封装置を備える密封構造の模式的断面図である。 図2は本発明の実施例1に係る密封装置を備える密封構造の模式的断面図である。 図3は本発明の実施例2に係る密封装置を備える密封構造の模式的断面図である。 図4は従来例に係る密封構造の模式的断面図である。 図5は仮想技術に係る密封構造の模式的断面図である。
符号の説明
10,10a 第1リング
11 環状凸部
12,13 溝
20 第2リング
50 ピストン
51 第1環状溝
52 第2環状溝
60 シリンダ
61 軸孔
S1,S2,S3 クリアランス
T 軸心

Claims (4)

  1. ハウジングに設けられた軸孔の内周面と該軸孔に挿通される軸の外周面との間の環状隙間を封止すると共に、前記軸を支持する軸受となる密封装置であって、
    前記軸の外周面には、該軸の軸心と同心的に設けられる第1環状溝、及び第1環状溝の溝底面に前記軸心と同心的に設けられる第2環状溝が形成されており、
    第1環状溝に装着され、この第1環状溝に対してスライド可能な、硬質材料からなる第1リングと、
    第2環状溝に装着され、第1リングを軸孔内周面に向かって押圧するゴム状弾性体製の第2リングと、を備え、
    第1リングには、第2環状溝内に進入するように構成され、密封対象流体の圧力による第1リングのスライドによって第2環状溝の側壁面に密着することで、第1リングと軸との間の隙間への第2リングのはみ出しを防止する、前記軸心と同心的に設けられる環状凸部が設けられており、
    第1リングにおける前記環状凸部を挟んで軸方向の両側の部分は、いずれも第1環状溝の溝底面と前記軸孔の内周面との間に配されると共に、前記両側の部分と第1環状溝の溝底面との間にはクリアランスが設けられていることを特徴とする密封装置。
  2. 第1リングのうち第1環状溝の溝底面と前記軸孔の内周面との間に配される部分における外周面に、密封対象流体を導入する溝が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
  3. 軸孔を有するハウジングと、
    前記軸孔に挿通される軸と、
    前記軸孔の内周面と前記軸の外周面との間の環状隙間を封止すると共に、前記軸を支持する軸受となる密封装置と、を備える密封構造であって、
    前記軸の外周面には、該軸の軸心と同心的に設けられる第1環状溝、及び第1環状溝の溝底面に前記軸心と同心的に設けられる第2環状溝が形成されており、
    前記密封装置は、
    第1環状溝に装着され、この第1環状溝に対してスライド可能な、硬質材料からなる第1リングと、
    第2環状溝に装着され、第1リングを軸孔内周面に向かって押圧するゴム状弾性体製の
    第2リングと、を備え、
    第1リングには、第2環状溝内に進入するように構成され、密封対象流体の圧力による第1リングのスライドによって第2環状溝の側壁面に密着することで、第1リングと軸との間の隙間への第2リングのはみ出しを防止する、前記軸心と同心的に設けられる環状凸部が設けられており、
    第1リングにおける前記環状凸部を挟んで軸方向の両側の部分は、いずれも第1環状溝の溝底面と前記軸孔の内周面との間に配されると共に、前記両側の部分と第1環状溝の溝底面との間にはクリアランスが設けられていることを特徴とする密封構造。
  4. 第1リングのうち第1環状溝の溝底面と前記軸孔の内周面との間に配される部分における外周面に、密封対象流体を導入する溝が設けられていることを特徴とする請求項に記載の密封構造。
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