JP5399972B2 - 動物用トイレ - Google Patents
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Description
また、人間同様に、愛玩動物の健康状態を留意する飼主も多い。愛玩動物の健康状態の変化を調べることは外形的状態を観察することでは限界があるため、手軽かつ早期にかかる状態の変化を発見するために、pH指示薬を含み粒状に形成された排泄物処理体が使用されている(参考文献2)。
さらに、第2粒状処理体と第1粒状処理体の二層構造としているため、第2粒状処理体から臭いが発せられた場合であっても、第1粒状処理体の吸着効果等により臭いをシャットアウトすることができる。
排尿容器10は、合成樹脂を原材料として直方体状の箱形に形成されている。この排尿容器10は、底部10a及び周壁部10bを有する中空状であり、上面が解放されている(特許請求の範囲の上部開口部に相当する)。
上記構成により、収納トレイ15を第2処理体収納部12に嵌装した状態において、側面開口部10cが閉塞され、底部10a及び周壁部10bと一体となり、所定の水密性と気密性が保たれるようになっている。
また、収納トレイ15の内部には、載置部15aの全面に渡って、所定の厚さとなるように、多量の第2粒状処理体22が複数層に敷設されている。
なお、第1粒状処理体21と第3粒状処理体23の混合割合は、排尿の検査を行うために必要最少量以上の第1粒状処理体21の量が確保されていれば制限はないものである。
第1粒状処理体21は、紙粉と、接着剤と、目的に応じた排泄物検査用材料(以下「検査用材料」という。)を主な構成材料とし、それらの構成材料が混練されている。この第1粒状処理体21は、ほぼ水分を吸水しない非吸水型の粒状処理体である。その形状は、小塊の形状に形成されていればよく、完全な球形等である必要はないものであり、柱状体(細長形)、扁平形等、その形状は問わないものである。
なお、この第1粒状処理体21は、押出造粒等の公知の造粒方法で製造することができるが、吸水性を有しないように、一般的な粒状体と比較して高硬度に形成される必要がある。
検査用材料は、検査用指示薬を含有したインク組成物(以下「検査用指示薬含有インク組成物」という)を多孔質吸着剤に吸着させたものである。
検査用指示薬含有インク組成物は、検査用指示薬をインク組成物に定着させたものである。
検査用指示薬は、排尿に関する所定の検査を行うための種々の試薬である。
例えば、排尿のpHを検査するためには、当該排尿のpH値を検出して、持続性の酸性尿又はアルカリ性尿の検出を行い、結石症やその他疾病の必要性を判断することが必要となる。犬や猫などの肉食動物の尿のpH値は、健康時で、4.3乃至7.0であるところから、通常時(健康時)のpH値4.3乃至7.0と、疾病時のpH値4.3未満又は疾病時のpH値7.0を超えたpH値を変色により判別することが可能となる、すなわち、pH値4.3又は7.0を閾値として変色する尿pH値検査用指示薬を使用することにより、その判別を行うことができる。
特に、変色時のpH値の閾値が4.3である場合には、ブロムフェノールブルー又はメチルオレンジとブロモクレゾールグリーンをエタノールに溶解させたものを使用すること、変色時のpH値の閾値が7.0である場合には、ブロムチモールブルーを使用することが好適である。
上記検査用指示薬含有インク組成物は、検査用指示薬及び結合剤を公知のインク組成物に定着させたものであり、本実施形態では、上記尿pH値検査用指示薬を、例えば、セルロース及び該セルロースの誘導体の少なくとも一種類(以下、「セルロース等」という。)を有機溶媒中で分散、または、溶解させることにより作成することができる。具体的には、セルロース等の一種であるワニス、ヒドロキシプロピルセルロース等を加え、メタノール、エタノール等のアルコール類、酢酸プロピル等のエステルなどの有機溶媒中で分散、又は、溶解して検査用指示薬含有インク組成物を形成するものである。
セルロース等については、セロール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が、濡れ性及び目視による判定がし易いなどの点から好ましい。またこの場合、溶剤としては、上記検査用指示薬及び結合剤としての樹脂を安定して溶解できる、又は分散できる溶剤を選ぶことが好ましい。
上記半合成親水性高分子化合物としては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、並びにジアルデヒド澱粉誘導体等を使用することができる。
多孔質吸着剤は、微細孔(微細空隙)を多く含み、表面積が大きく、吸着率が25重量%以上である吸着剤を用いることが必要であり、シリカゲル(いわゆる、A型シリカゲル及びB型シリカゲル)(二酸化珪素)、ゼオライト(アルミノ珪酸塩)等の公知の物質を用いることができる。特に、B型シリカゲルは、平均吸着表面積約450(m2/g)、平均微細孔径約60Å、微細孔容積約0.75(ml/g))と、A型シリカゲル(A型シリカゲルは平均吸着表面積約700(m2/g)、平均微細孔径約24Å、微細孔容積約0.46(ml/g))と比較して、微細孔径及び微細孔容積が大きいため、検査用指示薬含有インク組成物を吸着させる場合には高い吸着性能を発揮することになり、非常に好適である。
第3粒状処理体23は、コーヒー抽出残渣又は各種の茶殻(以下、両者を合わせて「コーヒー抽出残渣等」という。)と、接着剤とを主な構成材料としており、それらの構成材料が混練されている。この第3粒状処理体23は、ほぼ水分を吸水しない非吸水型の粒状処理体である。その形状は、小塊の形状に形成されていればよく、完全な球形等である必要はないものであり、柱状体(細長形)、扁平形等、その形状は問わないものである。
なお、この第3粒状処理体23は、上記第1粒状処理体21と同様の造粒方法で製造することができる。
なお、茶殻は、タンニン等による抗菌効果を奏するため、衛生上特に好適である。
第2粒状処理体22は、芯部と、この芯部の表面を被覆する被覆層部とから形成される複層構造を有しており、水分を吸収する吸収型の粒状処理体であり、公知の方法で製造することができる。
芯部は、吸水性能を有していれば特に制限はなく、ベントナイト、ゼオライト等の無機質材料や、製紙用パルプ、木粉、ケナフ、パルプスラッジ、コーヒー抽出残渣、茶殻等の有機質廃材の単体又は複数の混合物を素材とし、これらの素材に吸水性樹脂を配合したものを基材として、それらの構成材料を混練して製造することができる。
被覆層部は、使用時に尿等で濡れた第2粒状処理体22同士を付着させて塊状とさせ、排尿をその周囲から包み込む等の作用を奏させること主な目的としている。このような被覆層部の構成材料の例としては、吸水性樹脂又は接着性を有する材料又は両材料の混合物と、紙粉の混合物を用いて、それらを混練して製造することが好適である。
続いて、本発明の動物用トイレTの使用方法を説明する。
まず、所定量の第1粒状処理体21及び第3粒状処理体23を仕切部材13の上面に敷設するとともに、収納トレイ15に所定量の第2粒状処理体22を敷設して、第2処理体収納部12にセットする。このとき、第3粒状処理体23から発せられるコーヒー抽出残渣等の香気が解放されている上面から室内空間に向けて発せられている。
そして、仕切部材13の排尿滴下孔13aを通過して、第2処理体収納部12に敷設されている第2粒状処理体22に達する。第2粒状処理体22では、芯部が排尿を吸収するとともに、隣接する第2粒状処理体22の被覆層部が排尿により付着して塊30となり、排泄物をその周囲から包み込む等の作用を奏することになる。そのため、排尿部分を容易に確認することができる。
なお、第1粒状処理体21と第3粒状処理体23はともに吸着等による脱臭効果を奏する(構成材料の違いにより、第3粒状処理体23のほうが脱臭効果は強い)。第1粒状処理体21と第3粒状処理体23は、繰返して使用することにより、徐々に崩壊していくことになるが、崩壊して粒状になるほど、排尿との接触面積が増えるため、優れた脱臭効果が発揮されることになる。
さらに、第1粒状処理体21及び第3粒状処理体23と、第2粒状処理体22の二層構造としているため、第2粒状処理体22から臭いが発せられた場合であっても、第1粒状処理体21の吸着効果等により臭いをシャットアウトすることができる。
特に排尿容器の形状、材質等に制限はなく、有底、周壁を有し、所定の水密性等が保たれていればよい。そして、上部開口部は、動物が排尿可能となるように開口していれば、その位置及び形状等にも制限はない。
さらに、上記仕切部材は、容易に取り外すことができるように形成されていればなお好適である。
さらに、第1処理体等収納部には、第1粒状処理体のみを敷設するものであってもよい。
10 排尿容器
10a 底部
10b 周壁部
10c 側面開口部
11 第1処理体等収納部
12 第2処理体収納部
13 仕切部材
13a 排尿滴下孔
15 収納トレイ
21 第1粒状処理体
22 第2粒状処理体
23 第3粒状処理体
Claims (5)
- 上部開口部を有するとともに、有底かつ周壁を有し、内部空間が高さ方向に上部空間と下部空間とに区画されている排尿容器と、
前記上部空間に複数個の第1粒状処理体が、
前記下部空間に複数個の第2粒状処理体がそれぞれ設けられている動物用トイレであって、
前記上部開口部と前記上部空間が連通するとともに、前記上部空間と前記下部空間とが連通しており、
前記第1粒状処理体は、排泄物検査用指示薬と非吸水性の吸着材料とを含み、粒状に成型された非吸水型の粒状処理体であり、
排尿が当該第1粒状処理体の内部を通過するように形成されており、
前記第2粒状処理体は、粒状の芯部と前記芯部を被覆する被覆層部とを有する複層構造であり、
前記被覆層部は接着材料を含み、前記排尿を吸収することにより、塊状となるように形成されていることを特徴とする動物用トイレ。 - 前記排泄物検査用指示薬は、吸着率25重量%以上であり、微細孔を有する多孔質吸着剤の前記微細孔に吸着されていることを特徴とする請求項1に記載の動物用トイレ。
- 前記排泄物検査用指示薬は、インク組成物に定着させられていることを特徴とする請求項2に記載の動物用トイレ。
- 前記上部空間には、前記排泄物検査用指示薬を含まない、非吸水性の吸着材料を含む第3粒状処理体が設けられている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の動物用トイレ。
- 前記第2粒状処理体は収納部材に収納されるとともに、
前記下部空間は開閉可能に形成され、第2粒状処理体の収納部材が移動自在に設けられており、
前記第2粒状処理体が取替可能となるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の動物用トイレ。
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