JP5399699B2 - テープ用切断刃 - Google Patents
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Description
このような鋸刃状の切断刃1においては、テープ2を所望の長さに繰り出した後、鋸刃の先端部をテープ2に突き刺して位置決めした状態で、下側に向けてテープ2’を引っ張ることによって、テープ2を幅方向に切断することができる。
しかし、このような切断刃1においては、テープ2の切断線が鋸刃状になってしまうので、切断されたテープ2’を接合物に貼り付けた際の見た目が悪い。
このテープ用切断刃1は、切断刃部端面5を直線状にすることによって、テープが直線状に切断されるようにしている。
このため、切断刃部端面5が直線形状であるにも関わらず、バリ造成刃4の形状に応じた凸凹形状にテープ2が切断されてしまい、直線状に切断できない場合があった。
さらに、上向きのバリ造成刃4にテープ2が突き刺さった状態で、テープ2を下方に引っ張り、テープ2を引きちぎるので、切断の始端部のバリ造成刃4aによって引きちぎられた方向にテープ2が裂けてしまい、幅方向に切断されないことがあった。
そこで、本発明は、テープを幅方向に向けて直線状に切断することができ、尚且つ安全性の高いテープ用切断刃の提供を目的とする。
また、内側面に接着剤が塗布された接着テープを繰り出して切断するためのテープディスペンサーに取り付けられるテープ用切断刃であって、前記エッジ部に、上方に突出しているバリが形成されており、前記板状部材の切断されていない側の端部に突出部を設け、繰り出された前記接着テープが該突出部において仮留めされた後、前記板状部材の板面に対して2.5度〜20度の角度をもって、前記一端縁に設けられた刃先に至るように構成してもよい。
各単位刃のエッジ部は一直線上に位置しているので、切断始端部の単位刃によって切断された方向を維持した状態で、切断終端部にまで至らしめることができ、テープを幅方向に直線状に切断することが可能となる。
さらに、切断刃の刃先が板状部材の板面から上方に突出していないので、刃先に手が触れる機会が少なく、安全性が高い。
請求項2に係る発明は、陥没部の深さが、0.03mm〜0.5mmになるようにしたので、テープの切れ性、及び切断の直線性が良好になる。
さらに、板状部材の他端部が上方に突出しているので、この突出部でテープを仮留めしたのちに、刃先へと至らせることができる。突出部の次に接するのが刃先のエッジ部なので、陥没部の凸凹形状に従ってテープが切断されるのを防止することができ、切断の直線性が担保される。
また、エッジ部以外にテープは接着していないので、次の切断のために平面部材から引き剥がす際に、弱い力で引き剥がすことができる。
このため、粘着テープ等の接着性の低いテープであっても、捻り切りの際に、刃上滑りが生じ難くなり、テープが過度に引き出されたり、斜め方向に切断されるのを防止できる。
このテープ用切断刃1は、図2に示すように、接着テープ2を繰り出して切断するためのテープディスペンサーに取り付けられるものである。
このテープディスペンサーに装着されているテープ2は、セロファン、アルミ箔、紙、ポリ塩化ビニル、OPP、アセテートなどのフィルム素材からなるシートの下面に接着剤を塗布し、ロール状に巻回して構成されたものである。
この切断刃1は、カッター部7の上端部に、刃先を横方向(即ち、テープが繰り出される方向)に向けた状態で配設されている。
以下、本実施形態に係るテープ用切断刃1の構成を、図1を参照して詳述する。
一端部に設けられる刃先は、複数の単位刃10a、10b、10c・・・を等間隔に並べて構成されており、単位刃10は、上端の角部11と、この上端の角部11から連続するエッジ部13と、そのエッジ部13の終端の角部15から連続する陥没部17とによって構成されている。
刃先とは反対側の端部は、鋼板3の板面から上方に向けて突出しており、その突出部(16)をもって、繰り出されたテープ2を仮留めするための仮留め部16としている。
このテープ用切断刃1の刃先は、図3(a)のように、長尺状の鋼板3の上面に、複数の凹部8を幅方向に並べて形成し、それらの凹部8に沿って下面側から上面方向Aに向けて、この鋼板3を幅方向に切断して構成されている。
以下、本実施形態に係るテープ用切断刃の製造方法を説明する。
そして、切断工程において、鋼板3の上面に設けられた複数の凹部8に沿って下面側から上面方向Aに向けて幅方向に切断する。
その後、折り曲げ工程において、切断された側とは反対側の端部を上方に突出するように逆U字型に折り曲げる。
なお、1つの単位刃10の長さは、0.2mm〜1.0mm程度である。
このような単位刃10が切断面の上縁に沿って複数形成されることとなるので、夫々のエッジ部13が一直線上に位置するように構成できる。
また、この切断工程では、下面から上面方向Aに鋼板3を切断するので、エッジ部13などに、僅かな上向きのバリ14を生じさせることができ、単位刃10を一層鋭利なものにすることができる。
仮留め部16の高さHは、0.5〜3.0mm程度(望ましくは0.8〜1.5mm)程度が好ましい。
仮留め部16を形成するための折り曲げ工程においては、仮留め部16から刃先に向かう角度θが、2.5度〜10度(望ましくは2.5度〜7.5度)の範囲になるように、仮留め部16と刃先の間の長さNを調節するのが好ましい(図1参照)。
接着テープ2を切断刃1の前方へと引き出し、仮留め部16で固定した後、刃先にて係止させる。
そして、テープ2’をわずかに捻ることで、テープ2’の切断始端部に、単位刃10の上端の角部11によって切り込みを入れる(図5(a)参照)。
そして、図5(b)に示すように、切断方向Bに向けて僅かに力を加えながらテープ2’を下方向に引っ張る。
すると、その角部11で切り込まれた部分が、エッジ部13による筋付けによって、テープ2の幅方向へと導かれる。
このように、単位刃10の角部11で切り込まれ、エッジ部13で方向付けられた状態で、隣の角部11で切り込まれる、という繰り返しによって、直線状の切断状態が維持される。これによって、テープ2を幅方向に直線状に切断することが可能となる。
このため、刃先の陥没部17の凸凹形状に従ってテープ2が切断されてしまうのを防止できる。
さらに、切断刃の刃先が平面部材の板面から上方に突出していないので、刃先に手が触れる機会が少なく、安全性が高い。
この測定結果を表1に示す。
「CT裁断強度」とは、図6(a)に示すように、テープを切断するのに要する力(X)であり、テープ先端部2aに荷重を加えて続け、テープが切れ始めた時の荷重値を測定したものである。
「刃上での滑り性」とは、テープ2を刃先に係止させながら捻った際に、係止状態が外れる状態をいう。
「斜め切れの発生頻度」とは、切断の直線性が維持されず、切断終端部において斜め方向にちぎれてしまう状態をいう(図7参照)。
図8に示す写真は、夫々のサンプルにおいて、最も多く見られた切断状態を示したものである。
夫々のサンプル刃をテープディスペンサーのカッター部7に固定し、リール6にテープ2を装着して実験を行った。なお、テープ2としては、ニチバン株式会社製の15mm幅のもの(セロテープ(ニチバン株式会社の登録商標)CT−15)を使用した。
一方、サンプルF(角度15度)及びサンプルG(角度20度)は、引き剥がし力(Y)は小さくて済むが、刃上滑りが生じ、切断ミスが生ずる可能性が高い。また、切断に要する力(X)が大きいため、勢いよく引き下げる必要があり、刃先の凸凹形状に沿って切断されてしまう場合がある(図8(f)及び(g)参照)。
さらに、刃先への供給角度を2.5度〜7.5度にすれば、切断に要する力(X)を大幅に減少させることができ、2.5度〜5度に設定すれば、刃上滑りの発生を大幅に抑えることができる。
サンプルCのように、刃先への供給角度を約5度に設定すれば、切断ミスを限りなくゼロに近づけることができた。
この際、単位刃の長さが1.0mm(エッジ部が0.5mm、陥没部が0.5mm)、仮留め部16の高さHが1mm、刃先への供給角度が5度のテープ用切断刃1を使用し、夫々のサンプルについて、切り易さと、切断の直線性に関する評価を得た。
評価結果を下記の表2に示す。
比較例1から明らかなように、陥没部17の深さが0.03mm未満の場合、刃先角部11で切り込みを入れるのが難くなるので、切れ易さが低下する。また、比較例2によれば、0.5mmより深い場合は、切断の直線性が低下することが理解できる。
以上の評価結果から、陥没部17の深さは、0.03〜0.5mm(望ましくは0.05〜0.15mm)程度が好ましく、最適値は0.1mmであることが判明した。
また、本実施形態では、板状部材に凹部8を設け、それを切断することによってテープ用切断刃1を製造したが、鋳造、射出成形、エッチング等の方法も可能である。
また、本実施形態における仮留め部は、図9に示すように、鋼板3に別部材からなる仮留め部16’を接合したものであってもよい。
図12は本発明の実施形態に係るテープ用切断刃1を示す斜視図である。
このテープ用切断刃1’は、図13に示すように、接着テープ2を繰り出して切断するためのテープディスペンサーに取り付けられるものである。
本実施形態に係る切断刃1’は、特に、セロファンなどの裂け易い性質を有するテープに適するものであり、テープディスペンサーのカッター部7の上端部に、刃先を横方向に向けた状態で配設されている。
以下、本実施形態に係るテープ用切断刃1’の構成を、図12を参照して詳述する。
この刃先は、第1実施形態のものと同一であるので、同一の符号を付すことで、その説明を省略する。
このテープ用切断刃1’は、図14のように、鋼板3’の上面に複数の凹部8を並べて形成し、それらの凹部8に沿って下面側から上面方向Aに向けてこの鋼板3’を切断して構成されたものである。
テープディスペンサーから繰り出されたテープ2を、所望の長さだけ切断刃1’の前方に引き出し、テープ2’の切断始端部に、単位刃10の上端の角部11で切り込みを入れる(図15(a)参照)。
そして、図15(b)に示すように、切断方向Bに向けて僅かに力を加えながらテープ2’を下方向に引っ張る。
すると、その角部11で切り込まれた部分が、エッジ部13による筋付けによって、テープ2の幅方向へと導かれる。
このように、単位刃10の角部11で切り込まれ、エッジ部13で方向付けられた状態で、隣の角部11で切り込まれる、という繰り返しによって、直線状の切断状態が維持される。
これによって、食品用ラップフィルム、アルミ箔等、接着性を有しない幅広のテープ2であっても、幅方向に直線状に切断することが可能となる。
2、2’…テープ
3、3’…鋼板(板状部材、平面部材)
4…バリ造成刃
5…切断刃部端面
6…リール
7…カッター部
8…凹部
10…単位刃
11…角部(上端角部)
13…エッジ部
14…バリ
15…角部
16…仮留め部(突出部)
17…陥没部
Claims (3)
- ロール状に巻回されたテープ(2)が繰り出される方向に沿って板面が延びる板状部材(3)の一端縁に、該テープ(2)の下面を係止させて切り込みを入れる上端角部(11)と、該上端角部(11)による切り込み線を切断しようとする方向へと導くエッジ部(13)と、該エッジ部(13)の終端から連続する陥没部(17)と、を一単位とする単位刃(10)を複数設け、夫々の単位刃(10a、10b、10c)の前記エッジ部(13a、13b、13c)が一直線上に位置するように構成したテープ用切断刃であって、
前記板状部材(3)の上面に、テープ(2)が切断される方向に複数の凹部(8)を並べて形成し、該複数の凹部(8)に沿って下面側から上面側に向けて該板状部材(3)を切断し、切断された端縁部において、前記単位刃(10)が複数並べられた構成としたことを特徴とするテープ用切断刃。 - 前記陥没部(17)の深さは、0.03mm〜0.5mmであることを特徴とする請求項1に記載のテープ用切断刃。
- 内側面に接着剤が塗布された接着テープ(2)を繰り出して切断するためのテープディスペンサーに取り付けられるテープ用切断刃(1)であって、前記エッジ部(13)に、上方に突出しているバリ(14)が形成されており、前記板状部材(3)の切断されていない側の端部に突出部(16)を設け、繰り出された前記接着テープ(2)が該突出部(16)において仮留めされた後、前記板状部材の板面に対して2.5度〜20度の角度(θ)をもって、前記一端縁に設けられた刃先に至るように構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のテープ用切断刃。
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