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JP5378349B2 - ポリオレフィンを製造するためのシステム及び方法 - Google Patents

ポリオレフィンを製造するためのシステム及び方法 Download PDF

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Description

本願は、2007年3月30日付け米国仮出願第60/920998号の恩恵を主張するものであり、その開示すべてを参考用に取り入れる。
本発明はポリオレフィン重合反応器システム中において酸素を用いるための方法及びシステムに関する。ある具体例において、この方法は、気相反応器システム等の重合反応器システムと組み合わせて実行される。
ポリエチレン等のポリオレフィンを製造するための気相プロセスにおいては、気体状アルケン(例えばエチレン)、水素、随意としてのコモノマー及び他の原料がポリオレフィン生成物に転化される。一般的に、気相反応器は流動床反応器、コンプレッサー及び冷却器(熱交換器)を含む。反応は、反応器の底部付近の分配板を通される流動化用気体によって、粒状ポリエチレン及び気体状反応成分の2相流動床中に維持される。反応器は通常、炭素鋼によって作られ、約31バール(約3.1MPa)までの圧力での運転のために見積もられる。触媒は流動床中に投入される。反応の熱は循環気体流に移される。この気体流は、外部リサイクルライン中で圧縮されて冷却され、次いで反応器の底部中に再導入されてそこで分配板を通る。所望の反応成分濃度を維持して連続重合プロセスを提供するために、補充用供給流が加えられる。
ほとんどの反応器システムの運転は、均一な反応器条件のための良好な混合、熱除去、及び効果的な触媒性能に、決定的に依存する。プロセスは、制御可能であり且つ高い生産速度が可能でなければならない。一般的に、運転温度が高ければ高いほど、高い生産速度を達成する可能性が高くなる。しかしながら、運転温度がポリオレフィン生成物の融点に近づくにつれてそしてそれを超えると、ポリオレフィンの粒子が粘着性になり、そして溶融する。その次の出来事は力の相互作用であり、これが隣接粒子と凝集する粒子をもたらす。正味の結果は、容器壁に沿って及び反応器システムの別の部分に沿ってのポリマーの融解したシート状物(以下、単に「シート」と言う)の形成である。このプロセスにおける累加的なサイクルは、最終的に、シートの成長及び流動床中へのその落下という結果をもたらすことがある。これらのシートは流動化や気体の循環、反応器からの生成物の取り出しを妨害し、除去のための反応器停止を必要とする。
同様に、冷却器に樹脂が蓄積すると、冷却効率が次第に低下するという結果がもたらされ、これは最終的に高い運転温度及び上記の問題につながることがある。理由は完全にはわかっていないが、ある種の触媒を使用するとシステム中(特に冷却器)に樹脂の蓄積物ができることが見出されている。
触媒の選択もまた、プロセス全体に大いに影響を及ぼす。ポリオレフィンの重合用の入手可能な触媒としては、酸化クロムをベースとする触媒系等のクロム含有触媒がある。斯かる触媒は、特に高密度ポリエチレンの製造のために、重要である。特に、これらの触媒は、例えばブロー成形、フィルム及びパイプ用途において特に重要である。(例えば、米国特許第4739015号、米国特許第5244987号、米国特許第5385991号、米国特許第6022933号、米国特許第6429269号、米国特許第6891001号、米国特許第6936666号及び米国特許第6989344号の各明細書並びに欧州特許公開第0927724B1号公報を参照されたい。また、米国特許第5410002号、米国特許第5844054号、米国特許第6180729号、米国特許第6664352号、米国特許出願公開第2005/0054790号及び米国特許出願公開第2005/0267269号の各明細書、並びに中国特許出願第96111424.X及び中国特許出願第97106144.0号明細書も参照されたい。)その他の背景参考文献には、国際公開WO2006/107373号及び国際公開WO2001/49751号が包含される。
米国特許第4739015号明細書 米国特許第5244987号明細書 米国特許第5385991号明細書 米国特許第6022933号明細書 米国特許第6429269号明細書 米国特許第6891001号明細書 米国特許第6936666号明細書 米国特許第6989344号明細書 欧州特許公開第0927724B1号公報 米国特許第5410002号明細書 米国特許第5844054号明細書 米国特許第6180729号明細書 米国特許第6664352号明細書 米国特許出願公開第2005/0054790号明細書 米国特許出願公開第2005/0267269号明細書 中国特許出願第96111424.X号明細書 中国特許出願第97106144.0号明細書 国際公開WO2006/107373号 国際公開WO2001/49751号
従って、クロム含有触媒並びに例えば酸素及び有機アルミニウム化合物等の他の材料を利用する改良型重合法を提供することが望ましい。
本発明は概して、ポリエチレン等のポリオレフィンを製造するための種々の方法及びシステムに向けられる。ある具体例において、本方法は、気相反応器システム等の重合反応器システムと組み合わせて実施される。本発明はまた、ファウリング(汚れ付着)が起こり得る種々のシステムにも広く向けられる。
本発明の1つの具体例に従うポリオレフィン製造用反応器システムは、ジエチルアルミニウムエトキシド(DEAlE)で還元された酸化クロムをベースとする触媒(以下、酸化クロムをベースとする触媒を「酸化クロムベース触媒」と言う)を含有させた反応器、反応器システムにモノマーを添加するためのモノマー供給ライン、モノマー供給ライン上の流量計、反応器システムに酸素を添加するための酸素供給ライン、及び前記流量計の出力に基づいて酸素供給流量を制御するための該流量計と連動した処理ユニットを包含する。酸素は、1つの類の具体例において、流動床反応器システムに添加されるモノマーの体積流量に対して酸素約0.1ppm又はそれ未満の割合で、流動床反応器システムに供給される。
1つの具体例に従うポリオレフィンの製造方法においては、流動床反応器システム中でポリオレフィンを製造するための最適運転温度を決定する。当該運転温度において達成されるポリオレフィンの所望の特性に基づいて、ジエチルアルミニウムエトキシド(DEAlE)で還元された酸化クロムベース触媒を選択する。流動床反応器システム中でモノマーを触媒と接触させる。最適運転温度を維持するために、流動床反応器システムのリサイクル流を冷却する。酸素が流動床反応器システムに、この流動床反応器システムのファウリングを最小限に抑えるのに必要な最小有効量付近の酸素濃度にこの流動床反応器システム内を保つように、供給される。
1つの具体例に従うポリエチレンの製造方法は、流動床反応器システム中でポリエチレンを製造するための最適運転温度を決定することを含み、この最適運転温度は、流動床反応器システム中の最高温度がポリエチレンの融点より約20℃又はそれ未満低い温度(即ち、ポリエチレンの融点より低くしかし該融点から約20℃以内の温度)となるような温度である。触媒がこの流動床反応器システムに供給され、この触媒は、ジエチルアルミニウムエトキシド(DEAlE)で還元された酸化クロムベース触媒である。流動床反応器システム中でエチレンを随意にヘキセン又はブテン等のコモノマーと共に前記触媒と接触させる。流動床反応器システムのリサイクル流は、最適運転温度付近に保つために冷却される。酸素は、流動床反応器システムに添加されるエチレンの体積流量に対して酸素約0.1ppm又はそれ未満の割合で、流動床反応器システムに供給される。
さらに別の具体例に従う流動床重合反応器システム中でファウリングを減らすための方法は、ジエチルアルミニウムエトキシド(DEAlE)で還元された酸化クロムベース触媒を流動床反応器システムに供給し、この流動床反応器システム中でモノマーを前記触媒と接触させてポリマーを作り、流動床反応器システムのファウリングを最小限に抑える目的で流動床反応器システムに添加されるモノマーの体積流量に対して酸素0ppm超〜0.1ppm未満の割合で酸素を流動床反応器システムに供給することを含む。
図1は、流動床重合反応器システム中での実施を示した本発明のある具体例の一般的方法、システム及び/又は装置の概略図である。 図2は、流動床重合反応器システム中での実施を示した本発明のある具体例の一般的方法、システム及び/又は装置の概略図である。
本発明の化合物、成分、組成物及び/又は方法が開示/記載される前は、別段示されていない限り、本発明は特定の化合物、成分、組成物、反応成分、反応条件、リガンド、メタロセン構造等に限定されるものではないし、別段の記載がない限り、変更を加えることができるものと理解されるべきである。また、本明細書で用いられる用語は特定実施態様を説明するためだけのものであって、限定的な意図は持たないということも理解されるべきである。
また、本明細書及び添付した特許請求の範囲において用いた場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、別段の記載がない限り、複数形を包含するということにも留意しなければならない。従って、例えばある部分が「脱離基で置換された」(substituted with a leaving group)というような記載における「脱離基」(a leaving group)という表現は1個より多い脱離基を包含し、その部分は2個以上の当該基で置換されていてもよい。同様に、ある部分が「ハロゲン原子で置換された」(substituted with a halogen atom)というような記載における「ハロゲン原子」(a halogen atom)という表現は1個より多いハロゲン原子を包含し、その部分は2個以上のハロゲン原子で置換されていてもよく、「置換基」(a substituent)という表現は1個以上の置換基を包含し、「リガンド」(a ligand)という表現は1個以上のリガンドを包含し、他も同様である。
驚くべきことに、少量の酸素を連続的に導入することにより、ジエチルアルミニウムエトキシド(DEAlE)で還元された酸化クロムベース触媒を用いたエチレン重合に用いられる気相流動床反応器中におけるファウリングが減少することが見出された。必要な酸素の量は、生成物の特性及び触媒の生産性に対する影響が無視できる程度であるのに充分少ない。この発見により、掃除のために生産を停止して反応器を開かなければならないというようなことなく、重合を長期間実施することが可能になる。この発見は、DEAlEで還元された酸化クロムベース触媒を用いた気相流動床反応器中におけるポリエチレンの生産及び/又はポリオレフィンの生産以外のものにも及ぶものと信じられる。
本発明は気相ポリオレフィンの生産に適用可能であるが、ここでの広い概念及び教示は、気相、気相/固相、液相/固相、気相/液相、及び気相/液相/固相反応器システム(重合反応器システムを含む)を含む(しかしそれらに限らない)多くのタイプのプロセスにも適用可能性を有し得る。
読者の理解の容易さのために、そして本発明の様々な実施態様を正しく理解するために、以下の説明の多くは工業的な気相ポリエチレン反応器システムに関して示す。これは非限定的な例として行われているだけであるということを念頭に置くべきである。
本発明の一般的な方法は、例えば図1を参照して説明することができる。この図1においては、流動床重合反応器システム100中にバルク材料10を存在させている。斯かるバルク材料は、気体、液体及び/又は固体状材料であることができる。反応器システムにおいて、例示的なバルク材料には、供給原料等の1種以上の反応原料、ポリマー粒子等の反応生成物、触媒等の反応添加物、反応副生成物等、並びにその他の材料が包含され得る。従って、バルク材料には、実質的に純粋な個々の材料だけではなくて、材料の組合せ物も包含され得、この/これらの材料は1つ以上の相中に存在することができる。流動床反応器システム中でポリオレフィンを製造するための最適運転温度を選択する。選択した運転温度において達成されるポリオレフィンの1以上の所望の特性に基づいて、DEAlEで還元された酸化クロムベース触媒を選択する。流動床反応器システム100中でモノマーを前記触媒と接触させる。前記最適運転温度を維持するために、流動床反応器システム100のリサイクルライン122中のリサイクル流が冷却される。流動床反応器システム100のファウリングを最小限に抑える最小有効量付近の酸素濃度に流動床反応器システム内を保つために、流動床反応器システムに1以上の酸素供給ライン40を経て酸素が供給される。1つの類の実施態様においては、掃除のために反応器システムを開く必要なく少なくとも約3か月間反応器システムを運転することができれば、ファウリングが最小限に抑えられていると考えることができる。好ましい実施態様においては、掃除のために反応器システムを開く必要なく6か月間、9か月間、1年間又は2年間反応器システムを運転することができれば、ファウリングが最小限に抑えられていると考えられる。
例えば図1を参照して説明される一般的方法の別の好ましい一般的アプローチにおいて、ポリエチレンを製造するための方法は、流動床反応器システム100中でポリエチレンを製造するための最適運転温度を決定することを含み、この最適運転温度は、流動床反応器システム100中の最高温度がポリエチレンの融点より約20℃未満低い温度{即ち、ポリエチレンの融点とそれより約20℃低い温度との間(境界を含まない)の温度}となるような温度である。この流動床反応器システム100に触媒が供給され、この触媒はDEAlEで還元された酸化クロムベース触媒である。この流動床反応器システム100中で、モノマーを前記触媒と接触させる。前記最適運転温度を維持するために、流動床反応器システムのリサイクル流が冷却される。この流動床反応器システム100に、流動床反応器システム100に添加されるモノマーの体積流量に対して酸素約0.1ppm又はそれ未満の割合で、酸素が供給される。
加工に用いられる特定材料を含めた流動床重合反応器システムのさらなる詳細を下に説明する。下記の詳細はそれぞれ、これらのアプローチ及びここに記載される他の一般的な好ましいアプローチとの様々な組合せとして、特定的に考慮される。
一般的方法の別の好ましい一般的アプローチにおいて、流動床反応器システムに触媒が供給される。ポリマー製品を製造するために、この流動床反応器システム中でモノマーと触媒とを接触させる。流動床反応器システムのファウリングを最小限に抑える目的で、流動床反応器システムに添加されるモノマーの体積流量に対して酸素約0.1ppm又はそれ未満の割合で、この流動床反応器システムに酸素が供給される。
本発明はまた、上記の方法に従ってポリオレフィンを製造するのに有効な装置及びシステムをも包含する。一般的に、斯かる装置は、流動床重合反応器システム中への酸素供給ラインを1個以上含むシステム又は装置である。
本発明の好ましい一般的システムは、反応器(反応容器とも言う)110を含み、リサイクルライン122を含むことができる。反応器110は、ジエチルアルミニウムエトキシド(DEAlE)で還元された酸化クロムベース触媒を含有する。この反応器システムにモノマーを添加するために、モノマー供給ライン111が反応器システムに連結される。このモノマー供給ライン111上には、流量計51を存在させる。反応器システムに酸素を添加するために、酸素供給ライン40が前記システムに連結される156。流量計51の出力に基づいて酸素の供給流量を制御するために、処理ユニット50が前記流量計51と連動する。1つの局面において、前記酸素は、流動床反応器システムに添加されるモノマーの体積流量に対して酸素約0.1ppm又はそれ未満の割合で、流動床反応器システムに供給される。
重合反応器システムへの酸素の添加
本発明の利点を得るために必要な酸素の量は、少量である。この発見により、掃除のために生産を停止して反応器を開かなければならないというようなことなく、重合を長期間実施することが可能になる。この発見は、DEAlEで還元された酸化クロムベース触媒を用いた気相流動床反応器中におけるポリエチレンの生産及び/又はポリオレフィンの生産以外のものにも及ぶものと信じられる。
上記の一般的に好ましいアプローチ及び/又は実施態様のそれぞれにおいて、気相、気相/固相、液相/固相、気相/液相、及び気相/液相/固相反応器システム(重合反応器システムを含む)を含む(しかしそれらに限らない)様々なタイプのプロセスにおいてファウリングを減らすために、酸素を添加することができる。
前記反応器システム100には、1以上の酸素供給ラインを連結することができる。これらの酸素供給ラインを一般的にまとめて参照番号40を用いて示すが、各図においては複数の酸素供給ラインを特に丸で囲んだ数字1、2、3等で供給ラインとして示し、明細書中では40−1、40−2、40−3等と示す。添加される酸素の量は、流動床反応器システムのファウリングを最小限に抑えるのに必要な酸素の最小有効量付近であるのが好ましい。
ファウリング
図1及び2に示されるような反応器中におけるファウリングは、いくつかの理由で問題とされる。熱交換器のファウリングは、冷却効率の低下を引き起こす。温度、圧力、流量等を測定するために用いられるセンサーのファウリングは、センサーの作動を妨害する。分配板におけるファウリングは、流動床の形成及び維持に影響を及ぼす。
ファウリングは、運転温度の維持について主として役割を果たす熱交換器において、特に問題とされる。熱交換器に汚れが付着すると、効率が悪くなり、反応器中の熱の発生を低下させるために生産速度を遅くすることが時として必要になる。ファウリングがひどいと、熱交換器はその中を通る材料を適切に冷却することができなくなり、システム中の温度がポリマー製品の融点を超えてしまい得る。この温度がポリマー製品(「樹脂」と称される)の融点を超えると、樹脂は粘着性になり、凝集物を形成し、シーティング(シートの形成)及び追加のファウリングを引き起こす。凝集物は流れを妨害することによって流動床に悪影響を及ぼす。反応器壁に沿ったシーティングは崩壊したり、床を崩壊させたりすることがあり、反応器システムの停止という費用がかかることが必要になる。
DEAlEで還元された酸化クロムベース触媒を用いてポリエチレンを製造する流動床反応器システムにおいては、多管式熱交換器中でプレート上又は管配列への入口の「チューブシート」上でファウリングが起こり、管中に蓄積するところが観察されていた。
ある類の実施態様において、驚くべきことに、ポリエチレンを製造する流動床反応器システム中に少量の酸素を導入することによって、ファウリング(特に図1に示したような流動床ポリエチレン反応器システムの熱交換器中でのファウリング)が減り又はなくなり、しかもこれは触媒の特性や触媒生産性に有意の影響を及ぼすことなく可能であるということが、わかった。流動床重合システム中の酸素は、生産速度を低下させて重合を停止させる触媒「毒」としての働きをして、一般的にポリマー製品の分子量の低下をもたらす傾向がある。従って、ポリオレフィン生産プロセスにおいて高い生産速度や高分子量製品が望まれる場合には、酸素の導入は一般的に避けられている。
1つのアプローチは、この驚くべき発見を利用し、それをさらに発展させて、以下により詳細に記載するように触媒特性及び運転条件を慎重に選択することによって高分子量及び広い分子量分布を有するポリオレフィンを製造することを可能にする。
重合反応器システム
上記の一般的に好ましいアプローチ及び/又は実施態様のそれぞれにおいて、流動床システムは流動床重合反応器システムを包含することができる。上に簡単に述べたように、気相重合反応は、流動床重合反応器中で実施することができ、また、気体環境中に固体を含む撹拌タイプ又はパドルタイプの反応システム(例えば撹拌床システム)中で生じさせることもできる。以下においては流動床システムを中心として説明するが、流動床システムに関連して論じられるファウリングを減らし又はなくすために酸素を添加することに関する一般的な概念は、撹拌タイプ又はパドルタイプの反応システムにもまた同様に当てはまるということを理解すべきである。本発明は、いずれか特定タイプの気相反応システムに限定されない。
非常に一般的に言えば、樹脂及びその他のタイプのポリマーを製造するための慣用の流動床重合プロセスは、1種以上のモノマーを含有する気体流を流動床反応器中に、反応性条件下において、触媒の存在下で、固体粒子の床を懸濁状態に保つのに充分な速度で、連続的に通すことによって、実施される。循環気体流(リサイクル流又は流動化用媒体とも称される)が反応器中で重合の熱によって加熱される連続サイクルが採用される。熱気体流(これは未反応気体状モノマーも含有する)が反応器から連続的に取り出され、圧縮され、冷却され、反応器にリサイクルされる。反応器から生成物が取り出され、重合したモノマーの代わりに、補充用モノマーがシステムに、例えばリサイクル流又は反応器中に、添加される。例えば米国特許第4543399号、同第4588790号、同第5028670号、同第5317036号、同第5352749号、同第5405922号、同第5436304号、同第5453471号、同第5462999号、同第5616661号、同第5668228号及び同第6689847号の各明細書を参照されたい。基本的な慣用の流動床システムを図1に示す。反応器110は反応ゾーン112及び減速ゾーン114を含む。図1には膨張区画の下に一般的に円筒状の領域を含む反応器形態を示すが、完全に又は部分的に先細の反応器を含む反応器形態等の別形態を利用することもできる。斯かる形態においては、先細反応ゾーン内であってしかし図1に示したより一層慣用の反応器形態の減速ゾーンとしての働きをする断面積が大きい領域の下に、流動床を配置させることができる。
一般的に、反応ゾーンの高さ対直径比は約1:1〜約10:1の範囲であることができる。減速ゾーン114の断面積は一般的に反応ゾーン112の断面積の約2〜約4倍の範囲内である。
反応ゾーン112は、成長するポリマー粒子、生成するポリマー粒子及び少量の触媒のすべてが、反応ゾーンに通される補充用供給物及びリサイクル流体の形の重合性及び変性用気体状成分(不活性物質を含む)の連続流によって流動化された床を含む。成長可能な流動床を維持するためには、床を通る見掛け気体速度が流動化のために必要な最小流れ(これはポリオレフィンについては一般的に約0.2〜約0.5フィート/秒である)を超えていなければならない。好ましくは、この見掛け気体速度は、流動化のための最小流れより少なくとも0.2フィート/秒高く、又は、少なくとも約0.4〜約0.7フィート/秒高い。この見掛け速度は、通常は5.0フィート/秒を超えず、大抵の場合約2.5フィート/秒以下である。
始動時に、気体の流れを開始させる前に粒状ポリマー粒子の床を反応器に装填するのが一般的である。斯かる粒子は、触媒供給を開始させた時に局部的な「ホットスポット」ができるのを防ぐ助けをする。これらは、生成させるべきポリマーと同じものであってもよく、異なるものであってもよい。異なるものである場合、これらは所望の新たに生成したポリマーと共に最初の生成物として取り出すのが好ましい。最終的には、所望のポリマー粒子から成る流動床が開始時の床に取って代わる。
流動化は、床への流体の高い割合のリサイクル(一般的に供給流体又は補充用流体の流量の約50倍程度)によって達成される。この高い割合のリサイクルは、流動床を維持するのに必要な見掛け気体速度を提供する。流動床は、床を気体が通り抜けることによって作り出されるような個別に動く粒子の稠密塊の一般的外観を有する。床における圧力低下は、床の重量を断面積で割ったものと同等又はそれより僅かに大きい。
再び図1を参照すると、補充用流体は、地点118及び119においてリサイクルライン122から供給することができる。典型的には、リサイクル流の組成を気体分析器121によって測定し、次いでそれに応じて、反応ゾーン内が本質的に定常状態の組成に保たれるように補充流の組成及び量を調節する。気体分析器121は、減速ゾーン114と熱交換器124との間の地点、好ましくはコンプレッサー130と熱交換器124との間の地点から気体を受け取るように、位置決めすることができる。
完全な流動化を保証するためには、リサイクル流及び所望ならば補充流の少なくとも一部をリサイクルライン122から反応器に、例えば床の下の入口126において、戻すことができる。好ましくは、床を均一に流動化するのを助け、始動前又はシステム停止時に固体粒子を支持するために、前記の戻し地点の下流に気体分配板128を存在させる。床を通って上向きに通される流れは、発熱性の重合反応によって生じる反応熱を除去する助けをする。
流動床中を通る気体流の内の床中で反応しなかった部分はリサイクル流となり、反応ゾーン112を出て床の上の減速ゾーン114を通り、そこで同伴した粒子の大部分が床に戻り、それによって固体粒子のキャリーオーバーが減る。
リサイクル流は次いでコンプレッサー130において圧縮され、熱交換器124に通され、そこでリサイクル流から反応熱が取り除かれ、その後に床に戻される。熱交換器124はコンプレッサー130の前に配置することもできることに留意されたい。例示的な熱交換器124は多管式熱交換器であり、リサイクル気体が管内を通る。
熱交換ゾーンから出て来たリサイクル流は次いで、底部126において反応器に戻され、そこから気体分配板128を通って流動床に入る。含有されるポリマー粒子が沈降して凝集して固体塊になるのを防止するため、及び沈降したり吐き出されたりすることがある粒子や液体を同伴し続けたり再同伴するために、反応器への入口に流体流れデフレクターを設置するのが好ましい。
この実施態様において、ポリマー生成物はライン144から排出される。図示しないが、生成物から流体を分離してこの流体を反応器110に戻すのが望ましい。
本発明の1つの実施態様に従えば、重合触媒は固体又は液体の形でライン148から地点142において反応器に入る。よくある場合のように触媒と共に1種以上の助触媒を使用することが必要な場合には、この1種以上の助触媒は、反応ゾーン中に別個に導入してそこで触媒と反応させて触媒として活性な反応生成物を生成させてもよい。しかしながら、反応ゾーン中に導入する前に触媒と助触媒とを混合してもよい。
図1に示した反応器は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のようなポリオレフィンを生成させるのに特に有用である。各種ポリオレフィン及び他の反応生成物を生成させるためのプロセス条件、原料、触媒等は、ここに取り入れられた文献中に見出される。一般的に重合反応のための例示的なプロセス条件を、一般指標を与えるために下に列挙する。
気相プロセスにおける反応器圧力は、約100psig(690kPa)〜約600psig(4138kPa)の範囲、好ましくは約200psig(1379kPa)〜約400psig(2759kPa)の範囲、より一層好ましくは約250psig(1724kPa)〜約350psig(2414kPa)の範囲であることができる。
気相プロセスにおける反応器温度は、約30℃〜約125℃の範囲であることができる。1つのアプローチにおいて、反応器システム中の最高温度は、製造されるポリオレフィンの融点より約40℃未満低い温度、30℃未満低い温度、より一層好ましくは約20℃未満低い温度、さらにより一層好ましくは約15℃未満低い温度とする。このプロセスは、もっと高い温度、例えば製造されるポリオレフィンの融点より約10℃未満又は5℃未満低い温度において運転することができる。ポリエチレンは例えば約120℃〜136℃の範囲の融点を有する。
1つのアプローチにおいて、反応器システム中の最高温度点の温度は、製造されるポリオレフィンの融点より約30℃未満低い温度、より一層好ましくは約20℃未満低い温度、さらにより一層好ましくは約15℃未満低い温度である。図1に示したようなシステムにおいて、前記最高温度点は、典型的にはコンプレッサー130の出口におけるものである。
考えられる他の気相プロセスは、直列又は多段重合プロセスを包含する。本発明によって考えられる気相プロセスにはまた、米国特許第5627242号、米国特許第5665818号及び米国特許第5677375号の各明細書、並びに欧州特許公開第0794200A号、欧州特許公開第0649992B1号、欧州特許公開第0802202A号及び欧州特許公開第634421B号の各公報に記載されたものも包含される。
ここに記載されるあらゆる実施態様において、気相プロセスは凝縮モードで運転され、反応器システムの冷却能力を高めるために、不活性な凝縮性流体がプロセスに導入される。これらの不活性な凝縮性流体は、誘発凝縮剤又はICAと称される.凝縮モードプロセスのさらなる詳細については、米国特許第5342749号及び米国特許第5436304号の各明細書を参照されたい。
本発明のある実施態様においては、500ポンド/時間(227Kg/時間)超〜約300000ポンド/時間(90900Kg/時間)又はそれ以上のポリマー、好ましくは1000ポンド/時間(455Kg/時間)超、より一層好ましくは10000ポンド/時間(4540Kg/時間)超、さらにより一層好ましくは25000ポンド/時間(11300Kg/時間)超、さらにより一層好ましくは35000ポンド/時間(15900Kg/時間)超、さらにより一層好ましくは50000ポンド/時間(22700Kg/時間)超、特に好ましくは65000ポンド/時間(29000Kg/時間)超から100000ポンド/時間(45500Kg/時間)超のポリマーを製造することができる商業用反応器を用いることができる。
別の例示的な流動床重合反応器システム200を図2に示す。示したように、システム200は、急速上昇管202、降下管204、及び再循環ポンプ206を含む再循環システムである。モノマー及び触媒が供給ライン210からリサイクルライン208に添加される。このタイプのシステムにおいては、重合生成物は主として急速上昇管202中で生成するが、システム全体を通じて生成し続ける。急速上昇管202中で生成したポリマー粒子は、ライン212を通って降下管204の上の入口部分214に送られる。ポリマー粒子はこの降下管中に集まり、ここで稠密なゆっくり動く床中を下に向かって移動する。降下管中で形成された床は、ある実施態様において、流動床とみなすことができる。粒状ポリマー生成物は、ライン216から排出される。図示しないが、生成物から液体を分離してこの流体を反応器システム200に戻すのが望ましい。
他の重合システム
よりゆっくり動く粒子の塊は、(本発明の目的のためには「流動化」と考えられるが、)当技術分野において「移動床」とも称される。移動床は、固体がゆっくり容器中を移動するマスフロービン、降下管等のようなものの中に粒子を含む。
撹拌床システムは、(本発明の目的のためには「流動化」と考えられるが、)床内を回転又は移動するパドルやプランジャーのようなものによって撹拌される床(例えば撹拌床反応器、ブレンダー等)を含む。その他のタイプの撹拌床システムは、回転ドラム(例えば混合を強化するための内部バッフル(邪魔板)を持つもの又は持たないもの)、シーソー態様で動く容器、粒子又はその容器に加えられる超音波振動を含む撹拌によって形成されることができる。
一般的に、例えば、ここに記載される反応器システム及び方法は、広範な流体特性、例えば広範な粘度、密度及び/又は誘電率(これらの特性は、それぞれ独立して、又はそれらの2つ以上についてまとめて、検討される)を有する液体及び/又は気体と関連して、用いることができる。例えば、液状流体は一般的に約0.1cP〜約100000cPの範囲の粘度を有することができ、且つ/又は約0.1g/cm3〜約20g/cm3の密度を有することができ、且つ/又は約1〜約100の範囲の誘電率を有することができる。気体状流体は、例えば、一般的に約0.001〜約0.1cPの範囲の粘度を有することができ、且つ/又は約0.0005〜約0.1g/cm3 の範囲の密度を有することができ、且つ/又は約1〜約1.1の範囲の誘電率を有することができる。
バルク材料は、比較的純粋な気体状成分(例えば気体状窒素、気体状エチレン)を含むことができる。他の成分は、比較的純粋な液体、固体又は気体状化合物(例えば液体又は固体触媒、気体状モノマー、空気)を含むことができる。本発明の様々なシステムはまた、気体、固体及び/又は液体の単相又は多相混合物を包含することもでき、例えば固体と気体との2相混合物、気体と単一タイプの粒子との混合物、気体と様々なタイプの粒子(例えばポリマー及び触媒粒子)との混合物並びに/又は気体、液体及び固体の3相混合物(例えば液状触媒を添加された流動床)を含む。好ましい流体の特定的な例は、ここに記載したものであり、本発明の方法及び装置の好ましい利用に関して下に記載するものを含む。
上記のように、流動床重合システム中の酸素は、重合を停止させてポリマー生産速度を遅くする触媒「毒」としての働きをする傾向がある。
本発明の一般的に好ましい実施態様において、反応器システムに供給される酸素の量は、生成物の特性や触媒生産性に対して有意の影響を示さずに流動床反応器システムのファウリングを最小限に抑えるのに必要な最小有効量付近の酸素濃度にこの流動床反応器システム内を保つような量であるべきである。
本発明の好ましい実施態様において、酸素の供給流量は、モノマーの供給流量の所定の比付近に設定される。酸素の供給流量は、一定であることもでき、酸素の供給流量対モノマーの供給流量の所定の比を維持するためにモノマーの供給流量と共に変化させることもできる。
典型的には、前記酸素は、流動床反応器システムに添加されるモノマーの体積流量に対して酸素(O2)約0.1体積ppm(ppmv)又はそれ未満、例えば0.09、0.075、0.05、0.04、0.03、0.02、0.01、0.005ppmv等の割合で、流動床反応器システムに供給される。好ましくは、この酸素は、約0.05ppmv又はそれ未満、より一層好ましくは約0.025ppmv又はそれ未満の割合で、流動床反応器システムに供給される。
ある類の実施態様において、酸素の必要量は、生成物の特性及び触媒生産性に対する影響が無視できる程度であるのに充分少ない。1つの実施態様において、酸素の濃度は、流動床反応器システムに添加されるモノマーの体積流量に対して酸素約0.05ppmv又はそれ未満、好ましくは酸素約0.03ppmv未満である。例示的な実施態様において、酸素は、流動床反応器システムに添加されるモノマーの体積流量に対して酸素約0.005〜約0.03ppmvの割合で、流動床反応器システムに供給される。
選択される酸素の量は、選択される触媒及び運転温度にある程度依存し得る。1つのアプローチにおいては、所望の製品を提供するために、DEAlEで還元された酸化クロムベース触媒を用いる。この実施態様においてファウリングを減らし又は防止するために反応器システムに添加される酸素の量は、ある実施態様においては触媒のタイプに応じて検討することができる。
触媒系
本発明の様々な局面において利用可能な有用な触媒及び触媒系は、ここで論じられるようなクロム含有触媒及び酸化クロムベース触媒を包含する。
しかしながら、用いる触媒系は、高い空時収率での運転(即ち単位反応器容量当たりに製造されるポリマーの割合を最大化する運転)の間にうまく働くことが望まれる。例えば、酸化クロムベース触媒は、ここでより詳細に論じられるように、一般的に適切な生産性及び活性を有する。
特に、無機酸化物担体上に担持させたクロム化合物を非還元性雰囲気中で焼成して担持されたクロム原子の少なくとも一部を六価クロム原子(Cr+6)に転化させることによって得られた三価クロムベース触媒を用いることによって、広い分子量分布を有するエチレンポリマーを得ることができる。クロム化合物をシリカ上に付着させ、流動化させ、酸素の存在下で約400℃〜860℃に加熱することによって、クロムが+6酸化状態に転化される。酸化クロム触媒は、充分な生産性及び活性を有する。
シリカ上のビストリフェニルシリルクロメート(SC触媒)は、1つのタイプの無機酸化物担持Cr触媒である。SCタイプの触媒は、反応器に添加する前に触媒調製工程の際に、アルミニウムアルキルタイプの化合物、例えばDEAlEによって還元することができる。斯かる触媒は、所望の広い分子量分布を有するポリエチレンを生成させる。DEAlEのようなアルミニウムアルキルタイプの化合物で還元されたシリカ担持酸化クロム触媒は、シリカ担持シリルクロメート触媒を用いて通常生成されるものの特徴を有するポリエチレンのための改良型触媒系への1つの道である。
斯かる還元剤で還元された酸化クロムベース触媒は、なかんずく還元剤対クロムのモル比に基づいて、ある種の特性を有する。
これらのタイプ及び他のタイプの触媒並びに生成するポリマー製品の特徴についての情報は、米国特許第6989344号明細書に見出すことができる。
ある実施態様において、高密度ポリエチレン用途のために用いられる酸化クロムベース触媒には、広い分子量分布を有するポリエチレンを提供するための、脱水シリカ上に担持させて次いでDEAlEで還元された酸化クロムが包含される。
一般的に、ポリエチレンを製造するためにDEAlEで還元された酸化クロム触媒を用いる場合、DEAlE/Crモル比が大きいほど分子量が大きくなる。温度が低くなると、ポリマーの分子量分布が広がる。低い反応器温度は、反応器冷却の限界の理由で、反応器の生産速度を抑制することがある。DEAlE/Cr比が大きいほど反応器システムの生産性が低くなる。従って、触媒のDEAlE/Cr比と運転温度との組合せが、生成物の特徴及び生産速度を大いに決定する。
還元剤対クロムのモル比は、反応器システム中でのファウリングを充分減らすのに必要な酸素の量を最小限にしつつ、同時に、所望の生成物分子量及び分布並びに最適運転温度における高い生産速度を提供するように選択することができる。
1つのアプローチにおいて、DEAlEで還元された酸化クロムベース触媒は、所望のポリマー特性及び反応器システム又はその一部の運転温度に基づいて、選択される。
別のアプローチにおいて、DEAlEで還元された酸化クロムベース触媒は、ポリオレフィンの所望のポリマー、反応器システム又はその一部の運転温度及び所望の酸素供給流量に基づいて、選択される。
ある類の実施態様において、好ましい触媒は、約0.1〜約10、又は約1〜約8のDEAlE/Crモル比を有することができる。ある実施態様において、1つの範囲の触媒配合物は、約2〜約6のDEAlE/Crモル比を有する。別の実施態様において、DEAlE/Crのモル比は約2未満である。さらに別の実施態様において、DEAlE/Crのモル比は約1未満である。
運転条件
反応器システム及び他のシステムの運転条件は、ある実施態様における本発明にとって狭く臨界的なものではない。いくつかの実施態様について一般的操作条件を提供したが、温度、圧力、流体流量等を含むプロセス条件は広く変化し得る。
例えば、一般的に運転温度が高いほど高い最大生産速度が可能になる。従って、ある類の実施態様において、本発明は高い生産速度を得るために高い運転温度を用いる。触媒は、所定の最適温度において所望の製品を製造するために、選択することができる。酸素の量は、ここに記載したように選択される。
上記のように、好ましい実施態様は、生産速度を最大化するために最適温度において運転する。もちろん、反応器システム中の様々な箇所における温度は異なるので、最適運転温度は相対的な用語である。従って、最適運転温度は流動床中、リサイクル流中(熱交換器の前又は後ろ)等における温度に基づくことができる。最適運転温度はまた、システム中の様々な箇所における好ましい温度の平均に基づくこともできる。
最適温度を選択する時の考慮事項には、所定温度における触媒の機能性、ポリマー生成物の融点等がある。
一般的に好ましい実施態様において、最適温度は上に与えた範囲内である。
図1及び2をさらに参照すると、反応器システム100中への酸素の投入を可能にするために、1以上の酸素供給ライン40が存在する。
一般的に、上記のように、本発明の方法及びシステム及び装置の特殊な酸素供給システムは、限定されない。一般的に、酸素供給ライン40はマスター供給ライン152に連結され、後者は酸素源(図示せず)に連結される。
酸素源は、純粋な又は実質的に純粋な酸素を含有するタンク160であることができる。より典型的には、酸素はAr、N2等のような不活性ガス中に希釈される。一般的に、酸素を希釈すればするほど、システムに添加される酸素の量をシステム又は作業者がより一層制御できるようになる。
酸素の添加量は、下により一層詳しく論じられるように、処理ユニット50がこの処理ユニット50に通じた流れ調節弁154と協力して作動することによって制御することができる。
ある実施態様においてさらに図1及び2を参照すると、酸素供給ライン40は、バルク材料を含有させたシステムに沿った又はその中の多くの様々な箇所に配置させることができる。
ある実施態様においては、ファウリングを減らすことが望まれる箇所の直前で、システム中に酸素供給ライン40を装入するのが有利である。
例えば図1の流動床重合反応器システム100においては、いくつかの酸素供給ライン、例えば40−1、40−2、40−3、40−4、40−5、40−6、40−7が反応器110中に酸素を投入する。他の酸素供給ライン、例えば40−8、40−9、40−10、40−11は、再循環システムに沿った事実上任意の箇所に配置させることができる。
特に好ましい実施態様において、酸素供給ライン40は、反応器110と該反応器110の上流の熱交換器124との間に配置される。この配置は、ある実施態様において目指される分配板128のファウリングの減少をもたらすと信じられる。
他の特に好ましい実施態様において、酸素供給ライン40は、反応器110と熱交換器124との間又はコンプレッサー130と熱交換器124との間に配置される。この配置は、目指される熱交換器124におけるファウリングの減少をもたらすと信じられる。これは高い運転温度が用いられる場合に、ある実施態様においてリサイクル気体はコンプレッサー130に入る時の温度より高い温度でコンプレッサー130から出て行くということに注目すると、特に重要なことである。
酸素供給ラインはまた、反応システムへのモノマー供給ラインに直接連結することもできる。
上記のように、流れ調節弁154は外部処理ユニット50と連結されるものとして上に及び下に記載されるが、単一の独立型ユニット中で流れ調節弁154を用いて回路構成を実行することもできる。例として、流れ調節弁154は、流量計、信号処理回路及び/又はデータ検索回路を含むことができる。
上記のように、反応器システム中への酸素の導入割合は、モノマー、例えばエチレンの流量を基準とすることができる。従って、1つのアプローチにおいて、定常状態運転の間に処理ユニットがエチレン供給ライン111上で流量計51からの信号を受け取って、システムに添加するための酸素の適量を計算し、それに応じて1以上の流れ調節弁154を調節する。
別の実施態様においては、処理ユニット50は、ファウリングの指標となる流量計又は他の装置の出力に基づいて、システム中への酸素の流量を調節することができる。例えば、ファウリングが多管式熱交換器中で起こった時は、そこでの圧力低下が大きくなり且つ/又は熱移動係数が小さくなる。
ポリマー生成物
本発明に従って製造することができるポリオレフィンの非限定的な例には、エチレン及び3〜約20個の炭素原子を有する他の直鎖状又は分岐鎖状α−オレフィンモノマーのようなオレフィンモノマーから作られたものがある。エチレン及び他のα−オレフィンモノマーのホモポリマー又はインターポリマーであって約0.860〜約0.970g/ccの範囲の密度を有するものを作ることができる。好適な高級α−オレフィンモノマーには、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン及び1−オクテンが包含される。本発明に従うオレフィンポリマーはまた、約4〜約20個、好ましくは4〜12個の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状又は環状炭化水素ジエンのような共役又は非共役ジエンをベースとし又は含有することもできる。好ましいジエンには、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、1,7−オクタジエン、ビニルシクロヘキセン、ジシクロペンタジエン、ブタジエン、イソプレン、エチリデンノルボルネン等がある。スチレン及び置換スチレンのようなビニル不飽和を有する芳香族化合物、並びにアクリロニトリル、マレイン酸エステル、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニルトリアルキルシランのような極性ビニルモノマー等も、本発明に従って同様に重合させることができる。本発明に従って作ることができる特定的なポリオレフィンには、例えば高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン(エチレン−ブテンコポリマー及びエチレン−ヘキセンコポリマーを含む)、ホモポリマーポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンゴム(EPR)、エチレン/プロピレン/ジエンターポリマー(EPDM)、ポリブタジエン、ポリイソプレン等がある。
ここに示した方法において実行される様々な工程は、本発明の様々な組合せ及び順列のそれぞれにおいて任意の組合せで実行できるということを、頭に入れておくべきである。
本発明をその特定実施態様に関連して説明してきたが、上記の説明は本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではないということを理解すべきである。他の局面、利点及び改良形は、当業者には明らかであろう。
従って、以下の実施例は、本発明の化合物の作り方及び使い方の完全な開示及び説明を当業者に提供するためのものであり、本発明者が自分の発明と見なすものの範囲を限定することを意図したものではない。
例1及び2は、化学的に還元された酸化クロムベース触媒の調製のための例示的な方法を提供する。比較例3及び4においては、反応器システムに酸素を供給しない重合条件下で、冷却器及び分配板のファウリングを特徴付けする。例5及び6は、反応器システムに酸素を供給した時のファウリングに対する効果を例示する。
例1:DEAlEで還元された酸化クロムベース触媒の調製
酸化クロムベース触媒を化学的に還元するための、単に例として示しただけの例示的な方法において、W. R. Grace and Co.社のGrace Davison部門から入手した0.5重量%Cr含有957HSシリカ担体3gを、600℃において空気によって活性化した。活性化された触媒を、撹拌棒を備えた50ミリリットルのフラスコ中に不活性雰囲気下において入れた。乾燥脱ガスヘキサン25ミリリットルを添加し、この混合物を50℃に加熱した。次いで、還元剤DEAlEを所望の還元剤/クロム比で注射器によって添加した(すべての試薬はヘキサン中20〜25重量%である)。30分後に、乾燥を開始させた。乾燥は、高真空下で又は窒素でパージすることによって行うことができる。触媒は使用するまで窒素下に貯蔵した。この方法によって製造される触媒についての情報は、米国特許第6989344号明細書に見出される。
例2:DEAlEで還元された酸化クロムベース触媒の調製
酸化クロムベース触媒を化学的に還元するための、単に例として示しただけの別の例示的な方法において、PQ Corporation社から入手した0.5重量%Cr含有C35100 MSシリカ担体3gを、600℃において空気によって活性化した。活性化された触媒を、撹拌棒を備えた50ミリリットルのフラスコ中に不活性雰囲気下において入れた。乾燥脱ガスヘキサン35ミリリットルを添加し、この混合物を50℃に加熱した。次いで、還元剤DEAlEを所望の還元剤/クロム比で注射器によって添加した(すべての還元剤はヘキサン中20〜25重量%である)。30分後に、乾燥を開始させた。乾燥は、高真空下で且つ/又は窒素でパージすることによって行うことができる。触媒は使用するまで窒素下に貯蔵した。この方法によって製造される触媒についての情報は、米国特許第6989344号明細書に見出される。
比較例3:酸素供給なし
DEAlEで還元された酸化クロム触媒を用いて気相流動床反応器中でポリエチレン製品を作った。触媒調製の例は例1に示したものである。流動床を1.75フィート/秒の見掛け気体速度(SGV)で運転した。作られた様々な製品について、反応器温度は93〜103℃の範囲だった。反応器圧力は360psigだった。200psiのエチレン分圧を保った。サイクルガス中の水素対エチレンのモル比は、0.05に保った。サイクルガス中の1−ヘキセン対エチレンのモル比は、0.940〜0.952g/cm3の範囲の樹脂密度を有する製品を作るために変化させた。
5〜22dg/分の範囲のフローインデックス(I21/I2)[ASTM法D−1238]を有する製品が作られた。所望のフローインデックスを達成するために、適切なDEAlE/Crのモル比を有する触媒を選択した。用いたDEAlE/Cr比は2〜5の範囲で変化させた。酸素は反応器に添加しなかった。
冷却器における圧力低下及び気体分配板における圧力低下を測定することによって、反応器システム内のファウリングを監視した。SGVが一定である期間中の圧力低下の増大は、ファウリングの増大を示す。
DEAlEで還元された酸化クロム触媒を用いて運転を始めた1日後に、分配板のファウリングが示された。SGVが一定又はゆっくり低下する9日間の期間にわたって、分配板における圧力低下は0.33psi/日の平均割合で大きくなった。この同じ期間の間、冷却器における圧力低下はもっと遅い0.15psi/日の割合で大きくなった。
比較例4:酸素供給なし
流動床反応器中で例3のものと同様のポリエチレン製品を再び作った。用いた触媒の調製は、例2に例示したものである。重合反応器中のSGVは1.75フィート/秒だった。反応器温度は95〜105℃の範囲だった。反応器圧力は360psigだった。エチレン分圧は200psiに保ち、サイクルガス中の水素対エチレンのモル比は0.05だった。1−ヘキセンの供給流量は、樹脂密度が0.938〜0.954g/cm3の範囲である様々な製品が得られるように調節した。生成物のフローインデックスは、8〜40dg/分の範囲だった。これらの生成物そ製造するための触媒についてのDEAlE/Cr比は、5.1〜8.4の範囲だった。反応器に酸素は供給しなかった。
反応器始動の1.5日後に分配板における圧力低下が大きくなり始めた。この圧力低下は、14.5日間で0.35psi/日の平均速度で着実に大きくなった。冷却器のファウリングは、DEAlEで還元された酸化クロム触媒を用いた運転の最初の10日間では、目に見えるほどには変化しなかった。しかしながら、その後の2日間で圧力低下が急速に大きくなり、高いままだった。
例5:酸素によるファウリングの制御
DEAlEで還元されたクロム触媒を用いて流動床反応器中でポリエチレン製品を作った。この触媒は、次の違いを除いて、例2におけるもののように調製した。クロム含浸担体はPQ Corporation社から入手したC35300 MSだった。触媒を600℃又は800℃において活性化した。触媒の還元は、2.8〜5.1の範囲のDEAlE/Crモル比をもたらした。
反応器圧力は360psigであり、反応器温度は99℃だった。エチレン分圧は200psiであり、水素対エチレンのモル比は0.05に保った。サイクルガス中の1−ヘキセン対エチレンのモル比を0.0031〜0.0082の範囲にして、0.945〜0.952g/cm3の範囲の樹脂密度を有するポリエチレンを製造した。生成物のフローインデックスは6〜12dg/分の範囲だった。
これらの触媒を最初に反応器に導入した時点で、システム中にすでにかなりのファウリングが存在した。SGVは最初は1.6フィート/秒だった。これは最後には1.15フィート/秒に低下した。これらの触媒を反応器に供給した後に、SGVが低下すると共に、冷却器における圧力低下も大きくなり続けた。5日間の運転の後に、冷却器の下流において酸素の供給を開始した。エチレン供給流量に対して0.030ppmvの濃度で12時間酸素を添加した。この時間の間に、冷却器及び分配板の両方における圧力低下が安定化した。
酸素供給なしの20時間の中断の後に、0.06〜0.11ppmvの濃度で3日間供給を再開した。この高い酸素濃度において、SGV並びに冷却器及び分配板における圧力低下がそれぞれ安定化した。次いで酸素供給を1日間停止し、SGVが再び低下した。また、冷却器における圧力低下は急激に大きくなったが、しかし分配板における圧力低下は小さくなった。酸素供給を0.012ppmvの濃度で20時間再開した。SGV及び両方の圧力低下が安定化した。
例6:酸素によるファウリングの制御
DEAlEで還元されたクロム触媒を用いて流動床反応器中でポリエチレン製品を作った。触媒は、次の違いを除いて、例2におけるもののように調製した。クロム含浸担体はPQ Corporation社から入手したC35300 MSだった。触媒を600℃において活性化した。触媒の還元は、3.2〜7.1の範囲のDEAlE/Crモル比をもたらした。
反応器圧力は360psigだった。温度は94〜106℃の範囲だった。エチレン分圧は200psiであり、水素対エチレンのモル比は0.05に保った。サイクルガス中の1−ヘキセン対エチレンのモル比は0.004〜0.014の範囲だった。SGVは1.72±0.02フィート/秒で安定だった。反応器システムに常に多少の酸素を供給した:エチレン供給に対する濃度は0.02〜0.12ppmvの範囲だった。
11日間の運転の間、冷却器及び分配板のファウリングは無視し得る程度だった。分配板における圧力低下の増大は、たった平均0.005psi/日だった。冷却器における圧力低下の変化はなかった。
例7:生成物及び触媒に対する酸素の影響
上記の例からのデータを分析して、触媒生産性及び生成物のフローインデックスに対する酸素濃度の平均的影響を評価した。次のおおよその関係が決定された:
生産性(ポンドポリマー/ポンド触媒)=定数−13800*O2(ppmv)
lnFI=定数+2.4*O2(ppmv)
これらの例は、DEAlEで還元された酸化クロム触媒を用いた場合に、約0.02ppmv又はそれ未満の低い濃度で酸素を供給することにより、気体分配板及び冷却器のファウリングが劇的に減少することを示す。さらに、触媒生産性に対する酸素の影響は、約0.03ppmv又はそれより低い酸素濃度においては、無視できる程度である。さらに、ポリマーのFIに対する酸素の影響は、約0.03ppmv又はそれより低い酸素濃度においては、軽微である。
別段特定されていない限り、「本質的に成る」なる表現は、明細書中に特定的に挙げられているか否かに拘らず、他の工程や成分、材料の存在を、斯かる工程、成分又は材料が本発明の基本的な特徴及び新規の特徴に影響を及ぼさない限り、排除しないものとし、さらに、前記表現は、用いられる成分又は材料に通常付随する不純物を排除しないものとする。
簡略化の目的で、所定の範囲のみをここに明示的に開示したが、明示的に記載されていない範囲を示すために任意の下限からの範囲を任意の上限と組み合わせることができ、明示的に記載されていない範囲を示すために任意の下限からの範囲を他の任意の下限と組み合わせることができ、同様に、明示的に記載されていない範囲を示すために任意の上限からの範囲を他の任意の上限と組み合わせることができる。さらに、明示的に記載されていなくても、範囲内はその端点の間のあらゆる点又は個々の値を包含する。従って、各点又は個々の値は、明示的に記載されていない範囲を示すために、他の任意の点若しくは個々の値又は他の任意の下限若しくは上限と組み合わされて、それ自身が下限又は上限としての働きをすることができる。
すべての先行文献は、その取り込みを許可するすべての法域については、その開示が本発明の説明と矛盾しない程度に、参照によってすべてここに取り込まれる。さらに、ここに引用したすべての文献及び参照文献は、試験手順、刊行物、特許、論文誌等も含めて、その取り込みを許可するすべての法域については、その開示が本発明の説明と矛盾しない程度に、参照によってすべてここに取り込まれる。
本発明を、いくつかの実施態様及び実施例に関して説明したが、この開示を見た当業者は、本明細書に開示された本発明の範囲及び技術思想から逸脱することなく、他の実施態様を考え出すことができることが分かるであろう。
10・・・バルク材料
40・・・酸素供給ライン
50・・・処理ユニット
51・・・流量計
100、200・・・流動床反応器システム
110・・・反応器
111・・・モノマー供給ライン
112・・・反応ゾーン
114・・・減速ゾーン
121・・・気体分析器
122、208・・・リサイクルライン
124・・・熱交換器
128・・・気体分配板
130・・・コンプレッサー
132・・・流体流れデフレクター
144、216・・・ポリマー生成物排出ライン
148・・・重合触媒供給ライン
152・・・マスター供給ライン
154・・・流れ調節弁
160・・・酸素タンク
200・・・流動床重合反応器システム
202・・・急速上昇管
204・・・降下管
206・・・再循環ポンプ
210・・・モノマー及び触媒供給ライン

Claims (16)

  1. ポリオレフィンを製造するための方法であって、
    流動床反応器システム中でポリオレフィンを製造するための最適運転温度を決定し;
    前記運転温度において達成されるポリオレフィンの所望の特性に基づいて、ジエチルアルミニウムエトキシド(DEAlE)で還元された酸化クロムベース触媒を選択し;
    前記流動床反応器システム中でモノマーを前記酸化クロムベース触媒と接触させ;
    前記最適運転温度を維持するために前記流動床反応器システムのリサイクル流を冷却し;そして
    前記流動床反応器システムのファウリングを最小限に抑えるのに必要な有効量の酸素を前記流動床反応器システム中に保つために前記流動床反応器システムに酸素を供給する:
    ことを含み、
    前記触媒が脱水シリカ上の酸化クロムであり、
    前記酸素を流動床反応器システムに添加されるモノマーの体積流量に対して酸素0ppm超〜0.05ppm未満の割合で前記流動床反応器システムに供給し、そして
    前記最適運転温度、前記流動床反応器システム中の最高温度が前記ポリオレフィンの融点より20℃未満低い温度となるように決定する、前記方法。
  2. 前記最適運転温度、前記流動床反応器システム中の最高温度がポリオレフィンの融点より15℃未満低い温度となるように決定する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記酸素を反応器と熱交換器との間で前記流動床反応器システムのリサイクル流に供給する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記酸素をコンプレッサーと熱交換器との間で前記流動床反応器システムのリサイクル流に供給する、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  5. 前記酸素をコンプレッサーと反応器との間で前記流動床反応器システムのリサイクル流に供給する、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  6. 前記酸素を反応器の上流において前記流動床反応器システムのリサイクル流に供給する、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  7. 前記触媒中のDEAlE/Crのモル比を10/1より低くする、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  8. 前記触媒中のDEAlE/Crのモル比を0.1〜10にする、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  9. 前記ポリマーがポリエチレンである、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  10. 掃除のために反応器システムを開く必要なく少なくとも3か月間反応器を運転することができる、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  11. ポリオレフィンを製造するための流動床反応器システムであって、
    ジエチルアルミニウムエトキシド(DEAlE)で還元された酸化クロムベース触媒を含有する反応器;
    反応器システムにモノマーを添加するためのモノマー供給ライン;
    前記モノマー供給ライン上の流量計;
    反応器システムに酸素を添加するための酸素供給ライン;及び
    前記流量計の出力に基づいて前記酸素の供給流量を制御するための、前記流量計と連動した処理ユニット:
    を含み、
    前記酸素が流動床反応器システムに添加されるモノマーの体積流量に対して酸素0ppm超〜0.05ppm未満の割合で前記流動床反応器システムに供給され、
    前記触媒が脱水シリカ上の酸化クロムであり、そして
    前記流動床反応器システム中の最高温度がポリオレフィンの融点より20℃未満低い温度となるように運転される、前記流動床反応器システム。
  12. 前記酸素が反応器の上流において前記反応器システムに供給される、請求項11に記載の流動床反応器システム。
  13. 熱交換器をさらに含み、前記酸素が該熱交換器の上流において前記反応器システムに供給される、請求項11又は12に記載の流動床反応器システム。
  14. 熱交換器及びコンプレッサーをさらに含み、前記酸素が該熱交換器と該コンプレッサーとの間において前記反応器システムに供給される、請求項11又は12に記載の流動床反応器システム。
  15. 前記モノマーがエチレンである、請求項1114のいずれかに記載の流動床反応器システム。
  16. 掃除のために反応器システムを開く必要なく少なくとも3か月間反応器を運転することができる、請求項1115のいずれかに記載の流動床反応器システム。
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