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JP5376564B2 - 遊技機の筐体 - Google Patents

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Description

本発明は、筐体の一部を構成し、前面側が開口する箱形の基体部と、この基体部に設けられ、筐体を把持するための凹部が形成された取っ手とを備える遊技機の筐体に係るものである。そして、詳しくは、遊技機の基体部から取っ手を簡単に取り外せるようにし、基体部を容易に再利用できるようにした技術に関するものである。
遊技機の一種であるスロットマシンの筐体は、前面側が開口する箱形の基体部と、基体部の前面側に設けられ、基体部の開口を覆う開閉自在のフロントマスク部とによって構成されている。また、スロットマシンの運搬、設置等に便利なように、基体部には、筐体を把持するための取っ手が設けられている。そして、スロットマシン(筐体)は、取っ手を把持されて運搬され、遊技店の島設備に設置される。設置されたスロットマシンは、フロントマスク部が基体部の開口を覆った閉状態で遊技に供される。
ここで、基体部には一般的に、取っ手を取り付けるために、両側面に貫通穴が形成されている。すなわち、貫通穴に取っ手を挿入して取り付けるようになっている。そして、取り付けた取っ手が簡単に取り外せたり、取っ手によって貫通穴が塞がれていなければ、フロントマスク部を閉じていても、この貫通穴から何らかの道具(例えば、針金等)が差し込まれ、筐体内に設けられた制御基板の入出力信号等に対して外部から不正な信号が付与等されるおそれがある。これにより、本来の遊技と異なる適正でない遊技が実行されることとなる。
このような不正行為は、スロットマシンが設置島に横並びで収容された後であっても行なわれることがある。例えば、筐体が設置島から引き出されたり、隣接する筐体間に隙間が存在していれば、その隙間や貫通穴を通して筐体内にL字状にしたワイヤ等が挿入されてしまう。そのため、スロットマシンの運搬時等だけでなく、設置後においても、貫通穴を使った不正が行なわれることがある。
そこで、取っ手を取り付ける貫通穴を使った不正行為を防止できるように、取っ手が取り付けられると貫通穴が塞がれるようにした技術が知られている。具体的には、貫通穴と基体部の内部とを遮断する取っ手カバーを基体部の内側から取り付けるようにした技術である(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−296029号公報
また、凹室を形成したカバー部材(取っ手)を用い、基体部の貫通穴とカバー部材の凹室とが連通するようにして、カバー部材を基体部の内側から取り付けるようにした技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−135654号公報
しかし、上記の特許文献1及び特許文献2の技術では、基体部の内側から取っ手カバーやカバー部材をネジで固定しているため、その取付けに時間がかかるだけでなく、取り外すときも容易ではない。そのため、新しいスロットマシンに対し、旧式になったスロットマシンの基体部を再利用しようとする際に、面倒なものとなってしまう。また、取っ手を溶接で固定したスロットマシンもあるが、この場合には、ネジ止め以上に再利用が困難になる。
一方、取っ手の上下に複数の爪を設け、それぞれの爪を貫通穴の内側に引っ掛けることにより、基体部に取っ手を取り付けられるようにしたスロットマシンも知られている。このような取っ手であれば、ネジ止めや溶接が不要になるので、基体部への取っ手の取付けが簡単になる。
図8は、このような従来の取っ手170の取付け方法を示す斜視図である。
図8に示すように、従来の取っ手170は、内面側に把持用の凹部171が形成された凸状のものであり、樹脂で一体成型されている。そして、スロットマシンの基体部の側面を構成する側面板金51に形成された貫通穴55に対し、側面板金51の表面51a側から取っ手170を挿入して固定するようになっている。
ここで、取っ手170には、貫通穴55の周囲に当接するフランジ部172と、側面板金51の板厚に合わせてフランジ部172から離れて位置する複数の爪173とが設けられている。そして、各爪173は、凹部171の上側に2箇所と下側に2箇所の合計4つあり、その側面から見た形状は、フランジ部172側が高くその反対側が低い傾斜面を有するくさび状のものとなっている。
このような取っ手170を側面板金51に取り付けるには、図8(a)に示すように、凹部171の底側を貫通穴55に向け、矢印のようにして側面板金51の表面51a側から取っ手170を挿入すればよい。これにより、各爪173が貫通穴55の上下に接触するようになるが、さらに挿入を続けると、取っ手170が樹脂成型品であることから凹部171がつぶれるように弾性変形する。そのため、各爪173は、貫通穴55を通り抜けられるようになり、図8(b)に示すように、最終的に側面板金51の裏面51b側に各爪173が位置するようになる。
また、各爪173が貫通穴55を通り抜けると、フランジ部172が貫通穴55の周囲に当接する。さらにまた、つぶれるように弾性変形していた凹部171が元の形状に復帰する。そして、フランジ部172と各爪173との間隔が側面板金51の板厚に合わせられているので、フランジ部172及び各爪173は、側面板金51の表面51a及び裏面51bをはさみ込む。したがって、この取っ手170は、貫通穴55に挿入するだけで取付けが完了する。
このように、図8に示す従来の取っ手170は、側面板金51に簡単に取り付けることができる。しかし、側面板金51から取っ手170を取り外すことは、容易ではない。具体的には、取外す際は、側面板金51の裏面51b側で、各爪173が同時に貫通穴55を通り抜けられるように凹部171を変形させなければならない。また、凹部171を変形させながら、取っ手170を側面板金51の表面51a側に向けて押し出さなければならない。そのため、ある程度の高さの爪173を有する取っ手170を取り外す際には、取り付ける場合よりもかなり大きな力を必要とする。そして、側面板金51から取っ手170を無理に押し出すと、爪173が破損したり、貫通穴55を変形させてしまうので、取っ手170やスロットマシンの基体部の再利用等が困難になる。
一方、各爪173の高さを低くしておけば、取っ手170の取外しが容易になる。しかも、爪173の破損や貫通穴55の変形の問題が解消され、基体部の再利用等が可能になる。しかし、爪173の高さが低いと、側面板金51の表面51a側から取っ手170を引っ張って取り外すことも容易になる。これにより今度は、取っ手170が勝手に取り外されてしまい、貫通穴55を使った不正行為が行われるおそれが生ずる。そのため、爪173の高さを低くすることは、実際にはできない。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、取っ手を取り付ける貫通穴を使った不正行為を防止しつつ、スロットマシンの基体部から取っ手を簡単に取り外せるようにし、その基体部を容易に再利用できるようにすることである。
本発明は、以下の解決手段によって上述の課題を解決する。
請求項1の発明は、筐体の一部を構成し、前面側が開口する箱形の基体部と、前記基体部に設けられ、前記筐体を把持するための凹部が形成された取っ手とを備える遊技機の筐体であって、前記基体部は、左右の両側面にそれぞれ貫通穴が形成されており、前記取っ手は、前記基体部の外側から前記貫通穴に挿入され、内面側に前記凹部が形成された凸状の取っ手本体と前記貫通穴に挿入された前記取っ手本体に対し、前記基体部の内側から前記取っ手本体に取り付けられることにより前記取っ手本体の抜けを防止する抜止め部材とを備え、前記抜止め部材は、弾性変形によって前記取っ手本体に係合する形態と前記取っ手本体との係合が解除される形態とに変形可能な取付け片を有し、前記取っ手本体が前記貫通穴に挿入されたときは、前記貫通穴が前記取っ手本体によって塞がれ、前記基体部の内側において、前記貫通穴に挿入された前記取っ手本体に対して前記抜止め部材を押し当てると、弾性変形により前記取付け片が前記解除される形態に一旦変形した後に前記係合する形態に変形して、前記抜止め部材が前記取っ手本体に取り付けられ、前記取っ手本体が前記貫通穴に挿入され、かつ前記抜止め部材が前記取っ手本体に取り付けられたときは、前記基体部の外側からは、前記抜止め部材を前記取っ手本体から取り外すことができなくなり、前記基体部の内側において、前記取っ手本体に係合した前記取付け片を前記解除される形態に弾性変形させると、前記抜止め部材を破損することなく前記取っ手本体から取り外すことが可能になることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の遊技機の筐体において、前記取っ手本体は、中空の凸状に形成されており、その内面側に前記筐体を把持するための前記凹部が形成されているとともに、外面側に前記抜止め部材の前記取付け片が係合することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の遊技機の筐体において、前記取っ手本体は、前記貫通穴の周囲当接するフランジ部を有し、前記取っ手本体が前記貫通穴に挿入され、かつ前記抜止め部材が前記取っ手本体に取り付けられたときは、前記基体部の外側において前記フランジ部が前記貫通穴の周囲に当接して前記貫通穴が塞がれるとともに、前記基体部の内側において前記抜止め部材の一方側が前記基体部の内面に他方側が前記取っ手本体の一部にそれぞれ当接して前記貫通穴から前記取っ手本体を引き抜くことができなくなることを特徴とする。
(作用)
上記の発明において、取っ手は、基体部の外側から貫通穴に挿入され、内面側に凹部が形成された凸状の取っ手本体と、取っ手本体に着脱自在に取り付けられ、貫通穴に挿入された取っ手本体に対し、基体部の内側から取っ手本体の抜けを防止する抜止め部材とを備えている。また、抜止め部材は、弾性変形によって取っ手本体に係合する形態(係合形態)と取っ手本体との係合が解除される形態(解除形態)とに変形可能な取付け片を有している。さらにまた、取っ手本体が貫通穴に挿入されたときは、貫通穴が取っ手本体によって塞がれ、基体部の内側において、貫通穴に挿入された取っ手本体に対して抜止め部材を押し当てると、弾性変形により取付け片が解除形態に一旦変形した後に係合形態に変形して、抜止め部材が取っ手本体に取り付けられる。さらに、取っ手本体が貫通穴に挿入され、かつ抜止め部材が取っ手本体に取り付けられたときは、基体部の外側からは、抜止め部材を取っ手本体から取り外すことができなくなる。そして、基体部の内側において、取っ手本体に係合した取付け片を解除形態に弾性変形させると、抜止め部材を破損することなく取っ手本体から取り外すことが可能になる。そのため、取っ手本体に抜止め部材を装着すれば、貫通穴からの取っ手本体の抜けが防止され、基体部への取っ手本体の取付けが完了する。また、取っ手本体から抜止め部材を離脱させれば、貫通穴から取っ手本体が抜けるようになり、基体部から取っ手本体を取り外せるようになる。
本発明によれば、取っ手本体に対し、基体部の内側から抜止め部材を着脱させるだけで簡単に、基体部に取っ手本体を取り付けたり取り外したりすることができる。特に、貫通穴に挿入された取っ手本体に対して抜止め部材を押し当てると、弾性変形により取付け片が解除形態に一旦変形した後に係合形態に変形して、抜止め部材が取っ手本体に取り付けられる。また、取っ手本体に係合した取付け片を解除形態に弾性変形させると、抜止め部材を破損することなく取っ手本体から取り外すことが可能になる。そのため、基体部の外側からは、取っ手本体の取外しが困難であるので、取っ手本体を挿入する貫通穴を使った不正行為を防止できる。また、基体部の内側からは、取っ手本体の取外しが容易であり、取外しの際に貫通穴を変形させることもないので、基体部を容易に再利用できるようになる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
なお、以下の実施形態では、本発明の遊技機の筐体として、図柄を表示したリールを有するスロットマシン10の筐体を例に挙げて説明する。
図1は、本発明の遊技機の筐体を適用したスロットマシン10を示す前面側の斜視図である。
また、図2は、図1に示すスロットマシン10のフロントマスク部12の施錠を解いた状態を示す斜視図である。
さらにまた、図3は、図1中、スロットマシン10のフロントマスク部12を開放し、基体部11の内部が見えるように図示した正面図である。
図1から図3に示すように、スロットマシン10の筐体は、基体部11と、基体部11の前面側に取り付けられた開閉自在のフロントマスク部12とから構成されている。
ここで、基体部11は、ステンレス製等の板金を組み立てるとともに、その板金の表面に化粧板を取り付け、前面側が開口する箱形に形成したものである。具体的には、基体部11は、図2に示すように、左右の側面11a、天面11b、底面11c、及び背面11dによって前面側が開口する箱形となっており、スロットマシン10の筐体の一部を構成する。そして、基体部11の内部であって、その下方部には、図3に示すように、電源ユニット101と、ホッパータンク108に貯留されたメダルを払い出すメダル払出し装置102とが設けられている。
また、メダル払出し装置102の上方部には、リールベース103が固定されており、このリールベース103上に、リング状の3つのリール31を並設した図柄変動表示装置30が取り付けられている。そして、図柄変動表示装置30における各リール31の回転中心部には、ステッピングモータからなるリール31の駆動用モータ(図示せず)がそれぞれ連結されており、各モータの駆動制御によって各リール31が個別に回転するようになっている。
さらにまた、図柄変動表示装置30の上方部には、メイン制御基板104が配置されている。このメイン制御基板104は、遊技の進行等の全体を制御する制御基板であり、図示はしないが、演算等を行うCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技用等のデータを一時的に記憶するRAM等を備えている。なお、メイン制御基板104は、外部からの不正を確実に防止できるように、透明なケース105内に収容された後にかしめされ、封印されている。
一方、フロントマスク部12は、基体部11の開口面を覆うようにして、基体部11に開閉自在に取り付けられたものである。そのため、フロントマスク部12は、スロットマシン10の筐体の他の一部を構成する。そして、フロントマスク部12には、図1に示すように、その前面側(遊技者側)に、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42、メダル投入口43、メダル受け皿44、及び施錠45が配置されている。
このベットスイッチ40は、メダル投入口43からのメダルの投入と同様に、遊技者が貯留メダルを投入するときに操作するスイッチである。また、スタートスイッチ41は、図3に示す図柄変動表示装置30の各リール31を回転始動させるときに遊技者が操作するスイッチである。さらにまた、各ストップスイッチ42は、3つのリール31に対応して3つ設けられ、対応する各リール31を個別に停止させるときに遊技者が操作するスイッチである。さらに、施錠45は、フロントマスク部12を基体部11に施錠し、フロントマスク部12の不正な開放を防止するためのものである。
また、スタートスイッチ41等の上方部には、遊技中における各種の演出が実行できるように、上部ランプ21a及びサイドランプ21b、スピーカ22、液晶表示器等からなる画像表示装置23が設けられている。そして、フロントマスク部12の中央部には、透明窓13が設けられており、この透明窓13から、基体部11の内部の各リール31(図3参照)が透視できるようになっている。
ここで、各リール31(図3参照)の外周面には、複数の図柄(役を構成する図柄)を印刷したリールテープがそれぞれ貼り付けられている(図示せず)。具体的には、各リール31には、リールテープによって21個の図柄が表示されており、フロントマスク部12の透明窓13から、個々のリール31において上下に連続する3つの図柄が見えるようになっている。そのため、透明窓13からは、各リール31の合計9個の図柄が透視できることとなる。そして、図柄組合せライン(各リール31の停止時における図柄の並びラインであって図柄の組合せを形成させるライン)は、水平方向上段、中段、及び下段と、右下がり及び右上がりの斜め方向の各ラインの合計5本となっている。
また、フロントマスク部12は、施錠45にキーを差し込んで解くことにより、図2に示すように、基体部11から開放することができる。なお、フロントマスク部12には、図3に示すように、その上方部に、遊技中における演出を制御するサブ制御基板106が配置されている。
このサブ制御基板106は、図1に示す上部ランプ21aやサイドランプ21b等の点灯、スピーカ22からのサウンド出力、画像表示装置23による画像表示等の各種の制御を行う。そのため、演算等を行うCPU、演出プログラム及び演出用のデータを記憶したROM、各種のデータを一時的に記憶するRAM等を備えている。なお、サブ制御基板106は、メイン制御基板104の下位に属する基板であり、メイン制御基板104とは、図示しないハーネス(電気配線)によって電気的に接続されている。そして、メイン制御基板104からサブ制御基板106に対して演出実行指令等が送信されるようになっている。
さらにまた、フロントマスク部12の後面側(裏面側)の下方部には、メダル投入口43(図1参照)に対応して、メダルセレクタ110が配置されている。このメダルセレクタ110は、投入されたメダルが遊技状態等に応じて受付け可能であるか否かを選別する装置であり、メダルの受付けができる場合には、投入されたメダルは、メダル誘導路107を介してホッパータンク108に誘導され、貯留される。逆に、メダルの受付けができない場合には、投入されたメダルは、メダル返却路109を介してメダル受け皿44(図1参照)に誘導され、返却される。
このようなスロットマシン10において、遊技を開始するには、遊技者は、図1に示すベットスイッチ40を操作して予め貯留されたメダルを投入するか、又はメダル投入口43からメダルを投入し、スタートスイッチ41を操作(オン)する。これにより、全てのリール31が回転するように制御され、表示窓13内で、各リール31の図柄が所定の速度で上下方向に移動表示される。
その後、遊技者は、各ストップスイッチ42を押すことで、各リール31の回転を停止させることができる。すなわち、ストップスイッチ42が操作されると、そのストップスイッチ42に対応するリール31が停止制御される。そして、全てのリール31の停止時に、有効ライン上に停止した図柄の組合せが予め定められたいずれかの役の図柄の組合せと一致し、その役の入賞となったときは、成立役に応じてメダルの払出し等が行われる。なお、有効ラインとは、5本の図柄組合せラインのうち、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止したときに、その役の入賞となるラインである。
ところで、このようなスロットマシン10は、遊技店の島設備等に設置され、施錠45により、基体部11の開口をフロントマスク部12で覆った閉状態で遊技に供される。そして、図2に示すように、スロットマシン10の運搬、設置等に便利なように、基体部11の左右の側面11aには、スロットマシン10の筐体を把持するための取っ手60が取り付けられている。
図4は、図1に示すスロットマシン10の筐体を構成する基体部11を示す斜視図である。
図4に示すように、基体部11は、ステンレス製等の左右の側面板金51、天面板金52、底面板金53、及び背面板金54を組み立てて、前面側が開口する箱形にしたものである。そして、左右の側面板金51の間には、取っ手60を避けるようにしてリールベース103が固定されている。
ここで、左右の側面板金51には、それぞれ貫通穴55が形成されている。そして、この貫通穴55に、取っ手本体70及び抜け止め部材80によって構成される取っ手60が取り付けられるようになっている。そのため、取っ手60を使うことにより、基体部11を把持して運搬等することができる。なお、側面板金51の表面には、化粧板(図示せず)が取り付けられて基体部11の側面11a(図2参照)となるが、この化粧板にも、取っ手60に対応する位置に貫通穴が形成されている。
図5は、図4に示す基体部11に取り付けられる取っ手60を示す斜視図である。
図5に示すように、取っ手60は、スロットマシン10(図1参照)の筐体を把持するための取っ手本体70と、基体部11からの取っ手本体70の抜けを防止する抜け止め部材80とを備えている。そして、取っ手本体70は、樹脂で一体成型されたものであり、内面側に、基体部11を把持するための凹部71が形成された凸状のものとなっている。また、取っ手本体70は、貫通穴55(図4参照)の周囲に当接するフランジ部72と、抜止め部材80がはまり合うはめ合い部73と、はめ合い部73にはまり合った抜止め部材80が当接する突起74とを備えている。
一方、抜止め部材80は、正面から見た形状が略凹状に形成されており、貫通穴55(図4参照)の周囲に当接する当接部81を備えている。また、抜止め部材80の凹状の両端側は、取っ手本体70のはめ合い部73に挿入可能な挿入部82となっており、凹状の両先端部には、それぞれ爪状の取付け片83が内向きに形成されている。そして、抜止め部材80は、樹脂で一体成型されているので、挿入部82が適度な弾性を有している。そのため、凹状の両先端部(取付け片83の部分)は、それぞれ外側に向けて開くように変形可能となっている。なお、抜止め部材80の挿入部82が取っ手本体70のはめ合い部73に完全に挿入されると、抜止め部材80の取付け片83は、取っ手本体70の底面に引っかかる(図5(c)参照)。
図6は、図5に示す取っ手60の取付け方法を示す斜視図である。
図5に示す取っ手60は、基体部11(図4参照)を構成する側面板金51の貫通穴55に取り付けるものである。具体的には、図6(a)に示すように、取っ手本体70の凹部71の底側を貫通穴55に向け、矢印のようにして側面板金51の表面51a側から取っ手本体70を挿入する。これにより、取っ手本体70は、はめ合い部73及び突起74が貫通穴55を通り抜け、フランジ部72が貫通穴55の周囲に当接するようになる。
次に、図6(b)に示すように、基体部11(図4参照)を構成する側面板金51の裏面51b側から抜止め部材80を装着する。具体的には、貫通穴55に挿入された取っ手本体70は、はめ合い部73及び突起74が側面板金51の裏面51b側に位置するようになっている。また、この裏面51bと突起74との間隔は、抜止め部材80の厚さと一致している。そのため、貫通穴55に挿入された取っ手本体70に対し、図6(b)に示す矢印のようにして裏面51bに沿って抜止め部材80を押し下げれば、取付け片83がはめ合い部73の上部に接触するようになる。
その後、さらに抜止め部材80を押し下げると、挿入部82の弾性によって取付け片83がそれぞれ外側に向けて開くように変形する。そのため、取付け片83及び挿入部82がはめ合い部73(裏面51bと突起74との間)に挿入される。そして、取付け片83が取っ手本体70の底面まで到達すると、外側に開いていた取付け片83が挿入部82の弾性によって元の位置に戻る。その結果、取付け片83が取っ手本体70の底面に引っかかるようになる(図5(c)参照)ので、ネジ止めや溶接等をすることなく確実に抜止め部材80の装着が完了する。
図7は、図5に示す取っ手60を取り付けた状態を示す斜視図である。
図6に示すようにして取っ手本体70に抜止め部材80を装着すると、図7(a)に示すように、取っ手本体70のフランジ部72が側面板金51の表面51aにぴったりと当接した状態で固定される。また、表面51a側には、取っ手本体70の凹部71が位置するようになる。そのため、フランジ部72によって貫通穴55(図6参照)が完全に塞がれるとともに、凹部71により、スロットマシン10(図1参照)の筐体を把持できるようになる。
また、側面板金51の表面51a側から取っ手本体70を引き抜こうとしても、図7(b)に示すように、取っ手本体70の突起74が抜止め部材80に当接し、抜止め部材80の当接部81が側面板金51の裏面51bに当接している。そのため、側面板金51の表面51a側からは、取っ手本体70を引き抜くことができない。さらにまた、抜止め部材80の取付け片83が取っ手本体70の底面に引っかかっているので、抜止め部材80が取っ手本体70から自然に外れるようなことはない。
したがって、側面板金51に対して取っ手本体70を簡単に取付けできるだけでなく、側面板金51の表面51a側からは、取っ手本体70を取り外すことができなくなる。そのため、スロットマシン10(図1参照)の筐体が設置島から引き出されたり、隣接する筐体間に隙間が存在していたとしても、取っ手本体70の不正な取外しが防止される。また、取っ手本体70が取り外されて貫通穴55(図6参照)から何らかの道具(例えば、針金等)が差し込まれるという不正行為を防止できるようになる。
一方、取っ手本体70を取り外す際は、抜止め部材80の取付け片83を指でつまんでそれぞれ外側に向けて開くようにする。この際、抜止め部材80が弾性変形するので、取付け片83は、弱い力でも簡単に開く。これにより、取っ手本体70の底面に引っかかっていた取付け片83が外れる。したがって、この状態で抜止め部材80を真っ直ぐに引き上げれば、抜止め部材80は、側面板金51の裏面51bと取っ手本体70の突起74との間でそのまま上に引き抜かれる。
このようにして抜止め部材80を取っ手本体70から離脱させた後は、側面板金51の貫通穴55(図6参照)から取っ手本体70を抜き出すだけで、簡単に取り外すことができる。そして、取り外した取っ手本体70や抜止め部材80は、そのまま再利用が可能であり、新たな筐体(側面板金51)に再び取り付けることができる。また、取っ手本体70及び抜止め部材80の取外しに際して、側面板金51(貫通穴55)を変形させたり破損させたりすることがないので、側面板金51等によって構成されたスロットマシン10(図1参照)の筐体を再利用できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、例えば、以下のような種々の変形が可能である。
(1)本実施形態では、本発明の遊技機の筐体として、スロットマシン10の筐体に適用した例を示した。しかし、これに限ることなく、略箱形に形成された遊技機であって、特に不正行為防止が必要な遊技機に広く適用することができる。
(2)本実施形態では、取っ手を構成する抜止め部材80は、正面から見た形状が略凹状に形成されているが、これに限ることなく、他の形状(例えば、略U形、略半円形状等)であってもよい。また、凹状の両先端部に形成された取付け片83によって取っ手本体70に着脱自在に取り付けるようにしているが、他の方法(例えば、取っ手本体に穴を設け、抜止め部材には、その穴にはまり込む突起を設ける等)によって着脱自在にしてもよい。
本発明の遊技機の筐体を適用したスロットマシンを示す前面側の斜視図である。 図1に示すスロットマシンのフロントマスク部の施錠を解いた状態を示す斜視図である。 図1中、スロットマシンのフロントマスク部を開放し、基体部の内部が見えるように図示した正面図である。 図1に示すスロットマシンの筐体を構成する基体部を示す斜視図である。 図4に示す基体部に取り付けられる取っ手を示す斜視図である。 図5に示す取っ手の取付け方法を示す斜視図である。 図5に示す取っ手を取り付けた状態を示す斜視図である。 従来の取っ手の取付け方法を示す斜視図である。
符号の説明
10 スロットマシン(遊技機)
11 基体部(筐体)
11a 側面
11b 天面
11c 底面
11d 背面
12 フロントマスク部(筐体)
13 透明窓
21a 上部ランプ
21b サイドランプ
22 スピーカ
23 画像表示装置
30 図柄変動表示装置
31 リール
40 ベットスイッチ
41 スタートスイッチ
42 ストップスイッチ
43 メダル投入口
44 メダル受け皿
45 施錠
51 側面板金
51a 表面
51b 裏面
52 天面板金
53 底面板金
54 背面板金
55 貫通穴
60 取っ手
70 取っ手本体
71 凹部
72 フランジ部
73 はめ合い部
74 突起
80 抜け止め部材
81 当接部
82 挿入部
83 取付け片
101 電源ユニット
102 メダル払出し装置
103 リールベース
104 メイン制御基板
105 ケース
106 サブ制御基板
107 メダル誘導路
108 ホッパータンク
109 メダル返却路
110 メダルセレクタ
170 取っ手
171 凹部
172 フランジ部
173 爪

Claims (3)

  1. 筐体の一部を構成し、前面側が開口する箱形の基体部と、
    前記基体部に設けられ、前記筐体を把持するための凹部が形成された取っ手と
    を備える遊技機の筐体であって、
    前記基体部は、左右の両側面にそれぞれ貫通穴が形成されており、
    前記取っ手は、
    前記基体部の外側から前記貫通穴に挿入され、内面側に前記凹部が形成された凸状の取っ手本体と、
    前記貫通穴に挿入された前記取っ手本体に対し、前記基体部の内側から前記取っ手本体に取り付けられることにより前記取っ手本体の抜けを防止する抜止め部材と
    を備え
    前記抜止め部材は、弾性変形によって前記取っ手本体に係合する形態と前記取っ手本体との係合が解除される形態とに変形可能な取付け片を有し、
    前記取っ手本体が前記貫通穴に挿入されたときは、前記貫通穴が前記取っ手本体によって塞がれ、
    前記基体部の内側において、前記貫通穴に挿入された前記取っ手本体に対して前記抜止め部材を押し当てると、弾性変形により前記取付け片が前記解除される形態に一旦変形した後に前記係合する形態に変形して、前記抜止め部材が前記取っ手本体に取り付けられ、
    前記取っ手本体が前記貫通穴に挿入され、かつ前記抜止め部材が前記取っ手本体に取り付けられたときは、前記基体部の外側からは、前記抜止め部材を前記取っ手本体から取り外すことができなくなり、
    前記基体部の内側において、前記取っ手本体に係合した前記取付け片を前記解除される形態に弾性変形させると、前記抜止め部材を破損することなく前記取っ手本体から取り外すことが可能になる
    ことを特徴とする遊技機の筐体。
  2. 請求項1に記載の遊技機の筐体において、
    前記取っ手本体は、中空の凸状に形成されており、その内面側に前記筐体を把持するための前記凹部が形成されているとともに、外面側に前記抜止め部材の前記取付け片が係合する
    ことを特徴とする遊技機の筐体。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の遊技機の筐体において、
    前記取っ手本体は、前記貫通穴の周囲当接するフランジ部を有し、
    前記取っ手本体が前記貫通穴に挿入され、かつ前記抜止め部材が前記取っ手本体に取り付けられたときは、前記基体部の外側において前記フランジ部が前記貫通穴の周囲に当接して前記貫通穴が塞がれるとともに、前記基体部の内側において前記抜止め部材の一方側が前記基体部の内面に他方側が前記取っ手本体の一部にそれぞれ当接して前記貫通穴から前記取っ手本体を引き抜くことができなくなる
    ことを特徴とする遊技機の筐体。
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