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JP5375133B2 - 部品実装装置 - Google Patents

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JP5375133B2
JP5375133B2 JP2009016175A JP2009016175A JP5375133B2 JP 5375133 B2 JP5375133 B2 JP 5375133B2 JP 2009016175 A JP2009016175 A JP 2009016175A JP 2009016175 A JP2009016175 A JP 2009016175A JP 5375133 B2 JP5375133 B2 JP 5375133B2
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Description

本発明は、部品供給ステージから半導体チップなどの部品を取り出して基板に実装する部品実装装置に関するものである。
半導体チップなどの部品は部品供給ステージから取り出され、リードフレームや樹脂基板などの基板に実装される。この部品実装作業は、部品を取り出すピックアップヘッドや取り出した部品を基板に搭載する搭載ヘッドなど、部品を保持して移載する移載ヘッドによって行われる。このような移載ヘッドは複数の駆動軸を組み合わせた移載機構によって駆動され、各駆動軸を回転駆動するモータをNC制御することにより、移載ヘッドは予め設定された動作軌跡および動作シーケンスにしたがって部品実装動作を行う。
このような移載機構に正しい部品実装動作を行わせるためには、移載機構を構成する各駆動軸における動作基準位置をNC制御系のマシンパラメータ上で基準位置パラメータとして正しく設定する必要がある。この基準位置パラメータの設定作業は一般に、位置調整用に予め専用に準備された治具を移載ヘッドに装着して、移載ヘッドにデータ取得用の動作を実行させることによって行われる(特許文献1,2,3参照)。これらの特許文献に示す先行技術では、いずれも装着ヘッドなどの移載ヘッドに治具を装着し、移載ヘッドを下降させる動作や移載ヘッドに装着された治具の位置を画像認識やレーザ計測装置などによって検出するデータ取得用の動作を行わせて、基準位置パラメータの設定に必要なデータを取得するようにしている。
特開平4−40000号公報 特開2001−223499号公報 特開2007−273813号公報
ところで半導体チップなどの部品を基板に実装する形態には、部品の搭載姿勢や部品を基板に接合する方法、さらには部品の特性によって要求される実装精度などの相違によって多様なバリエーションがある。このため部品を部品供給ステージから取り出して基板に実装する実装作業を実行する部品実装装置には、実装形態に応じて異なった機能が求められる。
このような実装形態の異なる複数種類の部品を対象とする場合には、各実装形態に対応した機能を有する複数の作業ヘッドを備えた部品実装装置が用いられ、これら各作業ヘッドについて、上述の基準位置パラメータを設定する必要がある。このような場合、従来は各作業ヘッドに専用の治具を装着する作業は必ずしも自動的に行われているとは限らず、相当部分が作業者の手作業に依存しており、作業効率面からの改善が望まれていた。
また治具の取り扱いが手作業に委ねられていることから、実際に使用される治具の管理は厳密なものとはなり難く、同一装置に属する作業ヘッドについて異なる治具が用いられる場合が排除できず、治具の管理におけるトレーサビリティの確保が困難であった。このため、保守点検後に再度基準位置パラメータの設定作業を行うような場合には、治具の個体誤差が各作業ヘッドの動作精度に悪影響を及ぼす結果となっていた。このように従来の部品実装装置においては、治具の取り扱い方法に起因して基準位置パラメータの設定に手作業が介在し作業効率が低下するとともに、治具の管理におけるトレーサビリティの確保が困難であるという課題があった。
そこで本発明は、基準位置パラメータの設定作業の作業効率を改善するとともに、治具の管理におけるトレーサビリティを確保することができる部品実装装置を提供することを目的とする。
本発明の部品実装装置は、部品を供給する部品供給部と、基板を保持する基板保持部と、前記部品供給部によって供給された前記部品を受け取って前記基板保持部に保持された基板に実装する第1ヘッドと、前記基板もしくは前記第1ヘッドによって前記基板に実装された部品に対して所定の作業を行い、部品接合用のペーストを吐出して前記基板に供給するペースト塗布機能、前記ペーストを転写して前記基板に供給するペースト転写機能および前記基板に実装された部品を加熱しながら基板に対して押圧する加熱・押圧機能のうち少なくともいずれか1つの機能を有する作業ユニットを選択的に装着可能な第2ヘッドと、前記第1ヘッドおよび第2ヘッドがいずれもアクセス可能な領域に位置して、対象となる部品の種類に応じて前記第1ヘッド、第2ヘッドに交換自在に装着される複数の作業ツールを収納するための複数の収納凹部が設けられたツールストッカと、前記ツールストッカにおいて予め指定された特定の前記収納凹部に収納され、前記第1ヘッド、第2ヘッドに交換自在に装着されて、これら第1ヘッド、第2ヘッドを移動させるヘッド移動機構を構成する複数の駆動軸のマシンパラメータにおける動作基準位置を設定するために、第1ヘッド、第2ヘッドについて共通に用いられる複数種類の治具と、前記動作基準位置の設定のためのデータを取得して、取得されたデータに基づき設定された動作基準位置を基準位置パラメータとして記憶部に記憶させるティーチング処理を行うティーチング処理部とを備え、前記ティーチング処理部は、前記第1ヘッド、第2ヘッドに、前記治具を装着するための治具装着動作および前記動作基準位置の設定に必要なデータを取得するためのデータ取得用動作を行わせるとともに、前記ヘッド移動機構の駆動軸を制御する制御系から出力される各駆動軸の軸位置のデータを取得し、さらに前記第1ヘッド、第2ヘッドに保持された状態における前記治具の水平面内の位置または高さ位置を示すデータを位置検出手段によって検出した結果に基づいて取得する。
本発明によれば、対象となる部品の種類に応じて第1ヘッド、第2ヘッドに交換自在に装着される複数の作業ツールを収納するツールストッカにおいて予め指定された特定の収納凹部に、ヘッド移動機構を構成する複数の駆動軸のマシンパラメータにおける動作基準位置を設定するために共通に用いられる治具を収納しておき、ティーチング処理部に、第1ヘッド、第2ヘッドに治具を装着するための治具装着動作および動作基準位置の設定に必要なデータを取得するためのデータ取得用動作を行わせる構成とすることにより、基準位置パラメータの設定作業を自動化して作業効率を改善するとともに、常に共通の治具を用いることによって治具の管理におけるトレーサビリティを確保することができる。
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の部品実装装置の全体斜視図、図2は本発明の一実施の形態の部品実装装置の部分斜視図、図3は本発明の一実施の形態の部品実装装置の正面図、図4は本発明の一実施の形態の部品実装装置のユニット集合ステージの斜視図、図5は本発明の一実施の形態の部品実装装置の第2ヘッドに装着される作業ユニットの説明図、図6は本発明の一実施の形態の部品実装装置において用いられる基準位置パラメータ設定用の治具の説明図、図7、図8は本発明の一実施の形態の部品実装装置における基準位置パラメータの設定処理の説明図、図9は本発明の一実施の形態の部品実装装置の制御系の構成を示すブロック図、図10,図11は本発明の一実施の形態の部品実装装置における基準位置パラメータの設定処理のフロー図、図12は本発明の一実施の形態の部品実装装置における基準位置パラメータの設定
処理の動作説明図である。
まず図1を参照して、部品実装装置1の全体構成を説明する。部品実装装置1は基板に半導体チップなどの部品をボンディングによって実装する機能を有するものである。図1において基台2上には、部品供給ステージ3(部品供給部)、ユニット集合ステージ4および基板保持ステージ5(基板保持部)がこれらの並び方向をY方向(第1方向)に合わせて配列されている。
部品供給ステージ3に備えられたウェハ保持テーブル3aには、実装対象となる部品である複数の半導体チップ6aが配列された半導体ウェハ6が保持されている。
ユニット集合ステージ4は、直動機構(図4に示すX軸移動機構40参照)によってX方向(第2方向)に往復動する移動テーブル4aに、後述するツールストッカ15、部品回収部16、較正基準マーク17、中継ステージ18、部品認識カメラ24などの機能ユニットを集合的に配設した構成となっている。基板保持ステージ5は、基板7を保持する基板保持テーブル5aをXYテーブル機構53(図3参照)によって水平駆動する構成となっており、基板7には半導体チップ6aが実装される。
部品供給ステージ3、ユニット集合ステージ4および基板保持ステージ5の上方には、基台2のX方向の端部に位置して、Y軸フレーム8が支持ポスト8aによって両端部を支持されてY方向に架設されている。Y軸フレーム8の前面には、以下に説明する第1ヘッド11、第2ヘッド12をリニアモータ駆動によりY方向に案内して駆動するヘッド移動機構9が組み込まれている。第1ヘッド11には半導体チップ6aを保持して基板7に搭載する機能を有する搭載ユニット19が装着されており、第2ヘッド12には基板7に電子部品接合用の接着剤を塗布する機能を有する塗布ユニット20が装着されている。
部品供給ステージ3、中継ステージ18および基板保持ステージ5の上方には、位置認識のために第1カメラ21、第2カメラ22、第3カメラ23が配設されている。第1カメラ21は部品供給ステージ3において取り出し対象の半導体チップ6aを撮像する。第2カメラ22は部品供給ステージ3から取り出されて中継ステージ18に位置補正のために仮置きされた半導体チップ6aを撮像するとともに、ユニット集合ステージ4に配置されたツールストッカ15に収納された作業ツールを撮像して種類を識別する機能を有している。また第3カメラ23は、基板保持ステージ5に保持された基板7を撮像して部品実装点の位置を認識する。またユニット集合ステージ4に配設された部品認識カメラ24は、部品供給ステージ3から取り出された半導体チップ6aを下方から撮像する。
次に、図2、図3を参照して各部の構造を説明する。部品供給ステージ3はXYテーブル機構31を備えており、XYテーブル機構31の上面に装着された水平な移動プレート32には、複数の支持部材33が立設されている。支持部材33は、上面に半導体ウェハ6が装着保持されるウェハ保持テーブル3aを支持している。半導体ウェハ6はウェハシート6bに複数の半導体チップ6aを所定配列で貼着した構成となっている。ウェハシート6bには、能動面を上向きにしたフェイスアップ姿勢で個片に分割された状態の複数の半導体チップ6aが貼着保持されている。
部品供給ステージ3には、半導体ウェハ6から半導体チップ6aをピックアップするためのピックアップ作業位置[P1]が設定されている。第1カメラ21の位置はピックアップ作業位置[P1]に対応しており、第1カメラ21によって半導体ウェハ6を撮像した撮像結果を認識処理することにより、ピックアップ対象の半導体チップ6aの位置が検出される。ウェハ保持テーブル3aの内部においてピックアップ作業位置[P1]に対応する位置には、エジェクタ機構34が配設されている。
エジェクタ機構34は、ウェハシート6bの下面側から半導体チップ6aをピンで突き上げることにより、半導体チップ6aのウェハシート6bからの剥離を促進する機能を有している。半導体チップ6aの取り出し時にエジェクタ機構34を昇降させてウェハシート6bの下面に当接させることにより、後述するピックアップヘッド14による半導体チップ6aのウェハシート6bからの取り出しを容易に行うことができる。
部品取り出し動作においては、XYテーブル機構31を駆動してウェハシート6bをXY方向に水平移動させる(矢印a)ことにより、ウェハシート6bに貼着された複数の半導体チップ6aのうち、取り出し対象となる所望の半導体チップ6aをピックアップ作業位置[P1]に位置させる。なおここでは、部品供給ステージ3として、ウェハシート6bに貼着されたウェハ状態の部品を供給する方式のウェハテーブルを用いる例を示したが、複数の部品を所定の平面配列で供給する部品トレイを、ウェハテーブルと交換自在に部品供給ステージ3に配置するようにしてもよい。
部品供給ステージ3の上方には、半導体チップ6aを吸着して保持するピックアップノズル70がノズル装着部14aに着脱自在に装着された構成のピックアップヘッド14が配設されている。ピックアップヘッド14はピックアップアーム13aによって保持されており、ピックアップアーム13aは、Y軸フレーム8の下面に縣吊して配置されたピックアップヘッド移動機構13から、部品供給ステージ3の上方に延出して設けられている。ピックアップヘッド移動機構13を駆動することにより、ピックアップアーム13aはXYZ方向に移動する(矢印b)とともに、X方向の軸廻りに回転する(矢印c)。
これにより、ピックアップヘッド14は部品供給ステージ3の上方とユニット集合ステージ4の上方との間でY方向に移動するとともに、Z方向に昇降する。これによりピックアップヘッド14は、部品供給ステージ3から半導体チップ6aをピックアップして、ユニット集合ステージ4に設けられた中継ステージ18に移送する動作を行う。また必要時には、ピックアップヘッド14をピックアップ作業位置[P1]の上方からX方向に退避させることが可能となっており、さらにピックアップアーム13aを回転させてピックアップヘッド14を反転させることにより、ピックアップノズル70に保持した半導体チップ6aの姿勢を表裏反転させることが可能となっている。
図3に示すように、ユニット集合ステージ4および基板保持ステージ5は、ベースプレート52の上面に設けられており、ベースプレート52は基台2の上面に立設された複数の支持ポスト51によって下方から支持されている。ここでユニット集合ステージ4の詳細構造について、図4を参照して説明する。図4においてX軸移動機構40は、移動テーブル4aをX方向に移動させる機能を有しており、ベース部41に以下に説明する機構要素を配設して構成されている。ベース部41の上面にはX方向にガイドレール42aが配設されており、ガイドレール42aにスライド自在に嵌合したスライダ42bは、移動テーブル4aの下面に固着されている。
ベース部41の両端部に立設されたブラケット43a、43bには、送りねじ45が軸支されており、送りねじ45はブラケット43bに保持されたモータ44によって回転駆動される。送りねじ45は移動テーブル4aの下面に結合されたナット部材(図示省略)に螺合しており、モータ44を正逆方向に回転駆動することにより、移動テーブル4aはX方向に往復移動する(矢印g)。これにより、移動テーブル4aに配設された以下の機能ユニットを一体的にX方向に移動させることができ、これらの機能ユニットを第1ヘッド11、第2ヘッド12がアクセス可能な領域に位置させることが可能となっている。
移動テーブル4aには、ツールストッカ15、部品回収部16、較正基準マーク17、
中継ステージ18および部品認識カメラ24が集合的に配設されている。
ツールストッカ15には、図4に示すように、搭載ユニット19に装着される部品保持ノズル71など、部品種に応じて交換されて使用される複数の作業ツールを収納するための複数の収納凹部15aが設けられている(断面図参照)。これらの収納凹部15aには、複数の作業ツールが各部品種毎に収納される。個々に収納される作業ツールには、ピックアップヘッド14に装着されるピックアップノズル70、図5に示す転写ユニット54、加熱・押圧ユニット57にそれぞれ装着される転写ツール72、加熱・押圧ツール73が含まれる。さらに本実施の形態においては、ツールストッカ15の平面位置における後端部の近傍に位置する特定の収納凹部15aが、後述する基準位置設定用の治具を収納する治具専用位置15bとして指定されている。治具専用位置15bには、高さ用治具74、センタ位置用治具75、回転位置用治具76が集合的に収納される。もちろん、ツールストッカ15には必ずしもこれらの全てを収納している必要はなく、必要とされる専用治具のみを収納するようにしてもよい。
ツールストッカ15を第1ヘッド11、第2ヘッド12がアクセス可能な領域に移動させた状態において、第1ヘッド11、第2ヘッド12をユニット集合ステージ4に移動させることにより、搭載ユニット19、転写ユニット54、加熱・押圧ユニット57に装着される部品保持ノズル71、転写ツール72、加熱・押圧ツール73を対象とする部品種に応じたものに、さらに高さ用治具74、センタ位置用治具75、回転位置用治具76を対象とする基準位置設定用途に応じて、交換することができるようになっている。すなわちX軸移動機構40は、ツールストッカ15をY方向(第1方向)と直交するX方向(第2方向)へ移動させて、第1ヘッド11および第2ヘッド12がいずれもアクセス可能な領域に位置させるストッカ移動手段となっている。
すなわち、本実施の形態に示す部品実装装置1においては、第1ヘッド11および第2ヘッド12がいずれもアクセス可能な位置に、対象となる部品の種類に応じて第1ヘッド11の搭載ユニット19に交換自在に装着される部品保持ノズル71および対象となる部品の種類に応じて第2ヘッド12に選択的に装着される作業ユニット、すなわち転写ユニット54、加熱・押圧ユニット57に交換自在に装着される転写ツール72、加熱・押圧ツール73などの作業ツールを収納したツールストッカ15が配置された構成となっている。
このような構成を採用することにより、複数の部品種を対象として交換用の作業ツールが多数必要とされる場合にあっても、ツール交換機能に要する機構部の占有面積を極力小さくして、装置のコンパクト化を図ることが可能となっている。
部品回収部16は、部品供給ステージ3から取り出された後に、不良部品や混入した異種部品など基板7への実装が不適と判断された部品を廃棄回収する機能を有している。較正基準マーク17は、X軸移動機構40を継続して駆動する際に熱伸縮によって生じる機構的な位置誤差を、上方に配設された第2カメラ22によって撮像して較正するために設けられた基準マークである。
中継ステージ18は、部品供給ステージ3と基板保持ステージ5との間に配置されてツールストッカ15と一体的に設けられた形態となっており、中継ステージ18には、部品供給ステージ3からピックアップヘッド14によって取り出された半導体チップ6aが位置補正のために載置される。中継ステージ18には中継位置[P2]が設定されており、第2カメラ22は中継位置[P2]に対応して配置されている。X軸移動機構40によって中継ステージ18を移動させることにより、中継ステージ18に載置された半導体チップ6aを中継位置[P2]に位置させて第2カメラ22によって撮像することができ、こ
れにより中継ステージ18に載置された半導体チップ6aの位置が検出される。部品認識カメラ24は撮像面24aを中継ステージ18に隣接させて配置されており、同様にX軸移動機構40を駆動することにより、撮像面24aを部品認識位置[P3]に位置させることができる。中継ステージ18に仮置きされて位置認識の後に取り出された半導体チップ6aは、部品認識位置[P3]にて部品認識カメラ24によって撮像され位置検出が行われる。
さらに、ユニット集合ステージ4には、中継ステージ18の表面をクリーニングするためのクリーニングユニット46が配設されている。図4に示すように、クリーニングユニット46は移動テーブル4aを装置手前側(図2において左側)に移動させた状態において、水平な棒状のクリーニング部材46aが中継ステージ18の上方に位置するように配置されている。クリーニング部材46aの下面には下方に延出したブラシ46bが中継ステージ18の上面に摺接するように設けられており、この状態でX軸移動機構40を駆動して移動テーブル4aを往復動させることにより、中継ステージ18の表面に付着堆積した異物がブラシ46bによって除去される。クリーニング部材46aの内部には吸引孔が設けられており、吸引配管46cを介してクリーニング部材46aの内部を真空吸引する(矢印h)ことにより、ブラシ46bによって除去された微細な異物を吸引して排出することができる。
基板保持ステージ5は、XYテーブル機構53上に基板7を保持する基板保持テーブル5aを設けた構成となっている。基板保持ステージ5には、半導体チップ6aを基板保持テーブル5aに保持された基板7に実装するための実装作業位置[P4]が設定されており、第3カメラ23は実装作業位置[P4]に対応して配置されている。第3カメラ23によって基板7を撮像することにより、基板7に設定された部品実装点7aの位置が検出される。そしてXYテーブル機構53を駆動することにより、基板保持テーブル5aは基板7とともにXY方向に水平移動し(矢印f)、基板7に設定された任意の部品実装点7aを実装作業位置[P4]に位置させることができる。
次に、第1ヘッド11、第2ヘッド12について説明する。図2においてY軸フレーム8に設けられたヘッド移動機構9の前面には、第1ヘッド11および第2ヘッド12をY方向にガイドするための2条のガイドレール9aが設けられており、これらのガイドレール9aの間には以下に説明する第1ヘッド11および第2ヘッド12をY方向に駆動するためのリニアモータを構成する固定子9bが配設されている。ガイドレール9aには図示しないスライダがY方向にスライド自在に嵌合しており、このスライダは垂直な移動プレート11a,12aの背面に固着されている。
移動プレート11a,12aの背面には、固定子9bに対向してリニアモータを構成するする可動子(図示省略)が配設されている。これらのリニアモータを駆動することにより、第1ヘッド11および第2ヘッド12はガイドレール9aによってガイドされて、それぞれY方向に移動する(矢印d)。移動プレート11a,12aの前面には、それぞれ昇降機構11b,12bが配設されており、昇降機構11b,12bの前面には昇降プレート11c,12cが垂直方向にスライド自在に配設されている。昇降機構11b,12bを駆動することにより、昇降プレート11c,12cはそれぞれ昇降する(矢印e)。昇降プレート11cには、下部に部品保持ノズル71を備えた搭載ユニット19が着脱自在に装着されており、昇降プレート12cには、2基の塗布ユニット20が着脱自在に装着されている。
搭載ユニット19は部品保持ノズル71によって実装対象の部品である半導体チップ6aを保持する機能を有しており、第1ヘッド11をY方向に水平移動させて昇降プレート11cが昇降することにより、搭載ユニット19は部品供給ステージ3から供給された半
導体チップ6aを、基板保持ステージ5に保持された基板7に搭載する。ここでは、搭載ユニット19が装着された第1ヘッド11による実装形態として、ピックアップヘッド14によって部品供給ステージ3から取り出され中継ステージ18上に載置された半導体チップ6aを搭載ユニット19によって保持して基板7に搭載するプリセンタ実装形態と、部品供給ステージ3の半導体チップ6aを直接搭載ユニット19によって保持して基板7に搭載するダイレクト実装形態と、ピックアップヘッド14によって部品供給ステージ3から取り出され表裏反転状態でピックアップヘッド14に保持された半導体チップ6aを搭載ユニット19によって保持して基板7に搭載するフェイスダウン実装形態とを選択的に実行できるようになっている。すなわち搭載ユニット19が装着された第1ヘッド11は、部品供給ステージ3によって供給された半導体チップ6aを受け取って、基板保持ステージ5に保持された基板7に搭載する機能を有している。
第2ヘッド12に装着された塗布ユニット20は、部品接着用の樹脂接着剤であるペーストを収納したシリンジ20aおよびペーストを吐出する塗布ノズル20bを備えている。第2ヘッド12を基板保持ステージ5に保持された基板7の上方に移動させて、塗布ユニット20による塗布動作を行わせることにより、塗布ノズル20bから吐出したペーストを基板7の部品実装点7aに塗布する。なお第2ヘッド12には、図2に示す塗布ユニット20以外にも、以下に説明する転写ユニット54、加熱・押圧ユニット57の2種類の作業ユニットが対象となる部品種の実装形態に応じて選択的に装着される。
次に図5を参照して、第2ヘッド12に選択的に装着される作業ユニットについて説明する。図5(a)、(b)は、第2ヘッド12に転写ユニット54、加熱・押圧ユニット57を装着した状態をそれぞれ示している。転写ユニット54は基板7にペースト56を転写により供給する機能を有するものであり、対象とする部品が小サイズで必要とされるペースト56の供給量が少量であるような場合に選択的に第2ヘッド12に装着される。
図5(a)に示すように、転写ユニット54は装着部54aに着脱自在に装着される転写ツール72を備えており、ペースト56を転写膜の形態で供給する転写テーブル55とともに用いられる。転写テーブル55は、平滑な塗膜形成面55aを有する略円板形状の容器であり、塗膜形成面55aには部品接着用のペースト56の塗膜が所定の膜厚で形成されている。転写ユニット54によってペースト56を転写により供給する際には、まず転写ツール72を転写テーブル55に対して下降させて転写ツール72の下端部にペースト56を付着させる。次いで第2ヘッド12を移動させて転写ユニット54を基板保持テーブル5aに保持された基板7の上方に移動させ、転写ツール72を下降させてペースト56を転写ツール72によって基板7の上面に転写により供給する(矢印i)。
また加熱・押圧ユニット57は、搭載ユニット19によって基板7に搭載された後の半導体チップ6aを加熱しながら所定の押圧力で加圧する機能を有するものであり、DAF(ダイアタッチフィルム)が予め貼着された半導体チップ6aを実装対象とする場合に用いられる。加熱・押圧ユニット57は装着部57aに着脱自在に装着される加熱・押圧ツール73備えており、加熱・押圧ユニット57を第2ヘッド12に装着しておくことにより、図5(b)に示すように、第1ヘッド11が搭載ユニット19によって半導体チップ6aを基板7に搭載した後に、第2ヘッド12を直ちに基板7へ移動させて、加熱・押圧ツール73を半導体チップ6aに当接させて加熱・押圧を行うことができる(矢印j)。これにより、搭載ユニット19は半導体チップ6aを基板7に搭載した後に直ちに次の半導体チップ6aを搭載するための作業動作に移行することができ、搭載ユニット19によって加熱・押圧を含めた全ての作業動作を行う場合と比較して、作業効率を大幅に向上させることができる。
すなわちここでは第2ヘッド12は、基板7もしくは第1ヘッド11によって基板7に
搭載された半導体チップ6aに対して、ペースト塗布、ペースト転写、加熱・押圧などの所定の作業を行う機能を有しており、第1ヘッド11と第2ヘッド12とは交互に基板7上の作業位置にアクセスする。そして、Y軸フレーム8に設けられたヘッド移動機構9、すなわち固定子9bと第1ヘッド11、第2ヘッド12に備えられた可動子とで構成されるリニアモータは、第1ヘッド11および第2ヘッド12を部品供給ステージ3および基板保持ステージ5の並び方向であるY方向に移動させて、交互に基板7上の作業位置にアクセスさせる共通のヘッド移動機構となっている。
なお上記構成例では、第2ヘッド12に交換自在に装着される作業ユニットとして、それぞれ部品接合用のペースト56を塗布ノズル20bから吐出して基板7に供給するペースト塗布機能、ペースト56を転写ツール72によって転写して基板7に供給するペースト転写機能、基板7に搭載された半導体チップ6aを加熱しながら基板7に対して押圧する加熱・押圧機能を、それぞれ個別に有する単一機能の塗布ユニット20、転写ユニット54、加熱・押圧ユニット57を用いる例を示したが、これらの機能のうち2つを兼ね備えた複数機能の作業ユニットを用いてもよい。
すなわち、本発明においては、第2ヘッド12は、ペースト塗布機能、ペースト転写機能および加熱・押圧機能のうち少なくともいずれか1つの機能を有する作業ユニットを選択的に装着可能となっている。そして、搭載ユニット19、転写ユニット54、加熱・押圧ユニット57に部品種に応じて着脱自在に装着される部品保持ノズル71、転写ツール72、加熱・押圧ツール73は、前述のようにユニット集合ステージ4に配置されたツールストッカ15に収納されており(図4参照)、第1ヘッド11、第2ヘッド12をツールストッカ15にアクセスさせることにより、搭載ユニット19、転写ユニット54、加熱・押圧ユニット57に装着される部品保持ノズル71、転写ツール72、加熱・押圧ツール73を、対象とする部品種に応じたものに交換することができるようになっている。
次に図6を参照して、上述の作業ツールと共にツールストッカ15に収納される動作基準位置設定用の治具(高さ用治具74、センタ位置用治具75、回転位置用治具76)について説明する。これらの治具は、ツールストッカ15において予め指定された特定の収納凹部15aに収納され、第1ヘッド11、第2ヘッド12およびピックアップヘッド14に交換自在に装着されて、これら第1ヘッド11、第2ヘッド12およびピックアップヘッド14をそれぞれ移動させるヘッド移動機構を構成する複数の駆動軸のマシンパラメータにおける動作基準位置を設定するために、第1ヘッド11、第2ヘッド12およびピックアップヘッド14などの作業ヘッドについて共通に用いられるものである。
これらのヘッド移動機構は、X方向、Y方向およびZ方向の3つの直動駆動軸とそれぞれのノズル軸を軸廻りに回転させるθ方向の回転駆動軸を備えており、これらの駆動軸をそれぞれ個別に数値制御することにより、各作業ヘッドは所定の作業動作を行う。このような数値制御は、それぞれの駆動軸に対して制御指令として出力されるマシンパラメータを介して行われる。このため、これらの作業ヘッドが正しく作業動作を実行するためには、それぞれのマシンパラメータにおける動作基準位置を予め設定する必要がある。
例えばこれらの作業ヘッドが対応する作業ステージに対して下降して部品搭載などの動作を行う際には、作業ステージの上面、もしくは作業ステージに載置された基板の上面に作業ツールが当接した状態における作業ヘッドの高さ位置が当該作業ヘッドの動作の基準であり、この高さ位置に対応するZ方向駆動軸のマシンパラメータが動作基準位置を示すマシンパラメータとなる。X方向、Y方向の駆動軸においては、作業ツールの平面中心が、対象とする作業ステージのローカル座標系における座標原点に一致する状態における作業ヘッドの水平位置が当該作業ヘッドの動作の基準であり、この水平位置に対応するX方向駆動軸、Y方向駆動軸のマシンパラメータが動作基準位置を示すマシンパラメータとな
る。さらに、θ方向の回転駆動軸においては、作業ツールに設定された方向基準線が対象とする作業ステージのローカル座標系における座標軸方向に一致する状態におけるノズル軸の回転位置が当該作業ヘッドの動作の基準であり、この回転位置に対応するθ方向駆動軸のマシンパラメータが動作基準位置を示すマシンパラメータとなる。
このような動作基準位置の設定は、第1ヘッド11、第2ヘッド12およびピックアップヘッド14に所定のデータ取得用動作を実行させることにより行われ、このデータ取得用動作においては、高さ用治具74、センタ位置用治具75、回転位置用治具76がこれらの作業ヘッドに選択的に装着される。高さ用治具74、センタ位置用治具75、回転位置用治具76は、いずれもこれらの作業ヘッドに装着される共通形状の本体部74a、75a、76aの下部に、同様の共通形状の鍔部74b、75b、76bを設けた構成となっており、いずれの作業ヘッドにも同一の治具が装着できるようになっている。
図6(a)は、第1ヘッド11、第2ヘッド12およびピックアップヘッド1
4を昇降させるZ方向駆動軸の動作基準位置を設定するための高さ用治具74を示しており、高さ用治具74は、鍔部74bから下方に測定部74cを延出させた構造となっている。測定部74cの下面には、基準位置設定の対象となる基準面に当接する当接面74dが設けられている。Z方向駆動軸の動作基準位置の設定においては、図7に示すように、高さ用治具74を対象となる第1ヘッド11、第2ヘッド12およびピックアップヘッド14のいずれかに装着し、当該作業ヘッドに動作基準位置の設定に必要なデータを取得するためのデータ取得用動作を行わせる。すなわち当該作業ヘッドを下降させて、当接面74dを基準面である基板7、基板保持テーブル5a、中継ステージ18、半導体ウェハ6の上面に当接させる。
第1ヘッド11、第2ヘッド12およびピックアップヘッド14はそれぞれ装着された作業ツールが作業ステージなどの固体面に当接したことを検知する当接検知部65を備えており、当接が検知されたタイミングにおけるZ方向駆動軸66からのフィードバックパルス、すなわちZ方向駆動軸66の軸位置を示すデータがZ方向駆動軸66を制御する制御系を介してティーチング処理部63に対して出力される。そしてティーチング処理部63がこの軸位置を示すデータに基づいて所定の演算処理を行うことにより、Z方向駆動軸における動作基準位置が設定される。上記構成において、当接検知部65、Z方向駆動軸66は、第1ヘッド11、第2ヘッド12およびピックアップヘッド14に装着された高さ用治具74が上述の基準面に当接したタイミングにおける高さ位置を検出する高さ位置検出手段となっている。
図6(b)は、第1ヘッド11、第2ヘッド12およびピックアップヘッド14を水平移動させるX方向駆動軸,Y方向駆動軸の動作基準位置を設定するためのセンタ位置用治具75を示している。センタ位置用治具75は、鍔部75bから下方に測定基準点75dとしての頂点を有する円錐形状の測定部75cを延出させた構成となっている。図6(c)は、第1ヘッド11、第2ヘッド12およびピックアップヘッド14に備えられたノズル軸を軸廻りに回転させるθ方向駆動軸の動作基準位置を設定するための回転位置用治具76を示しており、回転位置用治具76は、鍔部76bから下方に測定部76cを延出させた構造となっている。測定部76cの下面には回転位置を測定するための測定基準線76dが設けられている。
X方向駆動軸,Y方向駆動軸、θ方向駆動軸の動作基準位置の設定においては、図8に示すように、センタ位置/回転位置の区分に応じてセンタ位置用治具75または回転位置用治具76を選択して、対象となる第1ヘッド11、第2ヘッド12およびピックアップヘッド14のいずれかに装着する。そして当該作業ヘッドに動作基準位置の設定に必要なデータを取得するためのデータ取得用動作を行わせる。すなわちこれら治具が装着された
作業ヘッドを移動させて、部品認識カメラ24の上方に位置させる。この状態で、部品認識カメラ24によってセンタ位置用治具75または回転位置用治具76を撮像することにより、図8(b)に示すように、測定部75cおよび測定基準点75dの状態を示す画像(イ)または測定部76cおよび測定基準線76dの状態を示す画像(ロ)が取得される。
また画像(イ)を認識処理部62によって認識処理することにより、センタ位置用治具75の中心を示す測定基準点75dの光学座標系における位置ずれ量Δx、Δyが求められる。また画像(ロ)を認識処理部62によって認識処理することにより、回転位置用治具76の測定基準線76dの光学座標系の座標軸に対する回転方向の位置ずれ角Δθが求められる。そしてこれらΔx、Δy、Δθ、すなわち第1ヘッド11、第2ヘッド12およびピックアップヘッド14に保持された状態におけるセンタ位置用治具75、回転位置用治具76の位置を示すデータに基づいて、ティーチング処理部63が所定の演算処理を行うことにより、X方向駆動軸,Y方向駆動軸、θ方向駆動軸における動作基準位置が設定される。なおX,Y,Z,θ方向の各軸駆動部の動作基準位置は、当初の基準位置からの変動を示すオフセット値として求められ、逐次更新されて記憶される。
次に、図9を参照して制御系の構成を説明する。図9において、制御部60は、記憶部64に記憶された制御プログラムに基づき、機構駆動部61を介して以下の機構部を制御する。これにより、部品供給ステージ3から半導体チップ6aを取り出し、さらに取り出した半導体チップ6aを基板保持ステージ5に保持された基板7に実装するための各動作が実行される。まず、部品供給ステージ3、ユニット集合ステージ4、基板保持ステージ5を制御することにより、部品供給ステージ3におけるXYテーブル機構31やエジェクタ機構34による部品供給動作が制御され、またユニット集合ステージ4におけるX軸移動機構40の動作が制御され、さらに基板保持ステージ5におけるXYテーブル機構53の動作が制御される。
次いで、ヘッド移動機構9、第1ヘッド11、第2ヘッド12、ピックアップヘッド移動機構13を制御することにより、部品供給ステージ3から半導体チップ6aを取り出すピックアップ動作や、取り出された半導体チップ6aを基板7に移送搭載してボンディングする実装動作が実行される。すなわちピックアップヘッド移動機構13を制御することによりピックアップ動作が実行され、また搭載ユニット19が装着された第1ヘッド11をヘッド移動機構9と併せて制御することにより、半導体チップ6aを基板7に移送搭載する搭載動作が実行される。
また塗布ユニット20、転写ユニット54、加熱・押圧ユニット57の3種類の作業ユニットが選択的に装着された第2ヘッド12をヘッド移動機構9と併せて制御することにより、部品接着用のペーストを塗布ノズル20bから吐出して基板に供給するペースト塗布機能、ペーストを転写ツール72によって転写して基板に供給するペースト転写機能および基板7に搭載された半導体チップ6aを加熱しながら基板7に対して押圧する加熱・押圧機能のいずれかが実行される。なおペースト転写機能を実行する際には、転写テーブル55が併せて制御される。
上述の各種動作制御に際しては、制御部60が認識処理部62を制御することにより、以下の各カメラによる撮像結果の認識処理が行われる。第1カメラ21による撮像結果を認識処理することにより、部品供給ステージ3に保持された半導体ウェハ6における半導体チップ6aの位置が検出され、この検出結果に基づいて制御部60がXYテーブル機構31を制御することにより、ピックアップ対象の半導体チップ6aをピックアップ作業位置[P1]に正しく位置合わせすることができる。また第2カメラ22による撮像結果を認識処理することにより、中継ステージ18に載置された状態における半導体チップ6a
の位置が検出され、この検出結果に基づいて制御部60が第1ヘッド11およびX軸移動機構40を制御することにより、ピックアップ対象の半導体チップ6aに対して部品保持ノズル71を正しく位置合わせすることができる。また第2カメラ22によってツールストッカ15の収納凹部15aに収納された作業ツールを撮像することにより、前述のように当該作業ツールの種類を識別することができる。
さらに第3カメラ23による撮像結果を認識処理することにより、基板保持テーブル5aに保持された状態における基板7の部品実装点7aの位置が検出され、この検出結果に基づいて制御部60がXYテーブル機構53を制御することにより、部品実装点7aを実装作業位置[P4]に対して位置合わせして、部品保持ノズル71に保持された半導体チップ6aを部品実装点7aに正しく搭載することができる。そして部品認識カメラ24による撮像結果を認識処理することにより、部品保持ノズル71に保持された状態における半導体チップ6aの位置が検出され、搭載ユニット19による搭載動作においては、この検出結果を加味して搭載時の位置補正が行われる。
ティーチング処理部63は、前述の動作基準位置の設定のためのデータを取得して、取得されたデータに基づき設定された動作基準位置を基準位置パラメータのオフセット値として記憶部64に記憶させるティーチング処理を行う。すなわち、ティーチング処理部63は、第1ヘッド11、第2ヘッド12およびピックアップヘッド14に、高さ用治具74、センタ位置用治具75、回転位置用治具76を選択的に装着するための治具装着動作および動作基準位置の設定に必要なデータを取得するためのデータ取得用動作を行わせるとともに、ヘッド移動機構の駆動軸を制御する制御系から出力される各駆動軸の軸位置のデータを取得する。さらに第1ヘッド11、第2ヘッド12およびピックアップヘッド14に保持された状態におけるセンタ位置用治具75、回転位置用治具76の位置を示すデータを、これらの治具を認識手段である部品認識カメラ24および認識処理部62によって認識した結果に基づいて取得する。部品認識カメラ24および認識処理部62は、第1ヘッド11、第2ヘッド12およびピックアップヘッド14に保持された状態におけるセンタ位置用治具75、回転位置用治具76の水平面内の位置を検出する水平位置検出手段を構成する。
さらにティーチング処理部63は、第1ヘッド11、第2ヘッド12およびピックアップヘッド14に保持された状態におけるセンタ位置用治具75、回転位置用治具76の位置を示すデータを、これらの治具を水平位置検出手段である部品認識カメラ24および認識処理部62によって検出した結果に基づいて取得し、さらに第1ヘッド11、第2ヘッド12およびピックアップヘッド14に保持された状態における高さ用治具74が上述の基準面に当接したタイミングにおける高さ位置を検出する高さ位置検出手段によって検出した結果に基づいて取得する。水平位置検出手段および高さ位置検出手段は、第1ヘッド11、第2ヘッド12およびピックアップヘッド14に保持された状態における治具の水平面内の位置または高さ位置を検出する位置検出手段を構成する。
このティーチング処理について、図10、図11、図12を参照して説明する。ここで示すティーチング処理は、オペレータによる人手作業を介在させることなく、予め設定された実行インターバルで共通の治具を用いて完全に自動的に行われる。図10は、X方向駆動軸、Y方向駆動軸、θ方向駆動軸の動作基準位置を設定するセンタ・回転基準位置設定処理を示している。まず、対象ヘッド、すなわち第1ヘッド11、第2ヘッド12およびピックアップヘッド14のいずれかをツールストッカ15の治具専用位置15bに移動させ(ST1)。次いで、設定しようとするセンタ位置/回転位置の区分に応じて、センタ位置用治具75または回転位置用治具76を対象ヘッドに装着する(ST2)。
次いで、図12(a)に示すように、対象ヘッドを部品認識カメラ24の上方に移動さ
せ(ST3)、装着されたセンタ位置用治具75または回転位置用治具76を部品認識カメラ24によって下方から撮像する(ST4)。そして撮像結果を認識処理部62によって認識処理し(ST5)、この認識結果はティーチング処理部63に送られる。そしてティーチング処理部63によってこの認識結果に基づき、X方向駆動軸、Y方向駆動軸、θ方向駆動軸の動作基準位置の変動量を示すオフセット値を算出し(ST6)、算出されたオフセット値は記憶部64に記憶される(ST7)。なお、図12(a)では第1ヘッド11、第2ヘッド12のみ図示しているが、ピックアップヘッド14についても同様のティーチング処理が行われる。
図11は、Z方向駆動軸の動作基準位置を設定する高さ基準位置設定処理を示している。まず、対象ヘッド、すなわち第1ヘッド11、第2ヘッド12およびピックアップヘッド14のいずれかをツールストッカ15の治具専用位置15bに移動させ(ST11)、高さ用治具74を対象ヘッドに装着する(ST12)。次いで、図12(b)、(c)に示すように、対象ヘッドを基準設定対象のステージへ移動させ(ST13)、対象ヘッドをステージに対して下降させる(ST14)。
図12(b)では、第1ヘッド11、第2ヘッド12をそれぞれ中継ステージ18および基板保持テーブル5aに載置された基板7の上面に対して下降させる状態を示しており、図12(c)では、ピックアップヘッド14を中継ステージ18または部品供給ステージ3に保持された半導体ウェハ6に対して下降させる状態を示している。次いで対象ヘッドに装着された作業ツールを基準設定対象のステージに当接させることにより、図7に示す高さ測定が行われる(ST15)。そしてティーチング処理部63によってこの測定結果に基づきZ方向駆動軸の動作基準位置の変動量を示すオフセット値を算出し(ST16)、算出されたオフセット値を記憶部64に記憶させる(ST17)。
上記説明したように本発明は、対象となる部品の種類に応じて第1ヘッド11、第2ヘッド12に交換自在に装着される複数の作業ツールを収納するツールストッカ15において予め指定された特定の収納凹部に、ヘッド移動機構を構成する複数の駆動軸のマシンパラメータにおける動作基準位置を設定するために共通に用いられる高さ用治具74、センタ位置用治具75、回転位置用治具76を収納しておき、ティーチング処理部によって第1ヘッド11、第2ヘッド12にこれらの治具を装着するための治具装着動作および動作基準位置の設定に必要なデータを取得するためのデータ取得用動作を自動的に行わせる構成としたものである。
これにより、基準位置パラメータの設定作業を自動化して作業効率および生産効率を改善することが可能となっている。すなわち装置稼働中においても、作業者の手を煩わせることなく、また生産を継続しながら必要なティーチング処理を行うことができおる。さらには装置に固有に割り当てられた単一の治具を用いてティーチング処理が行われることから、同一装置に属する複数の作業ヘッドについて常に共通の治具を用いることが担保され、治具の管理におけるトレーサビリティを確保することができる。
本発明の部品実装装置は、基準位置パラメータの設定作業の作業効率を改善するとともに、治具の管理におけるトレーサビリティを確保することができるという効果を有し、リードフレームや樹脂基板などに部品を実装する分野に利用可能である。
本発明の一実施の形態の部品実装装置の全体斜視図 本発明の一実施の形態の部品実装装置の部分斜視図 本発明の一実施の形態の部品実装装置の正面図 本発明の一実施の形態の部品実装装置のユニット集合ステージの斜視図 本発明の一実施の形態の部品実装装置の第2ヘッドに装着される作業ユニットの説明図 本発明の一実施の形態の部品実装装置において用いられる基準位置パラメータ設定用の治具の説明図 本発明の一実施の形態の部品実装装置における基準位置パラメータの設定処理の説明図 本発明の一実施の形態の部品実装装置における基準位置パラメータの設定処理の説明図 本発明の一実施の形態の部品実装装置の制御系の構成を示すブロック図 本発明の一実施の形態の部品実装装置における基準位置パラメータの設定処理のフロー図 本発明の一実施の形態の部品実装装置における基準位置パラメータの設定処理のフロー図 本発明の一実施の形態の部品実装装置における基準位置パラメータの設定処理の動作説明図
1 部品実装装置
3 部品供給ステージ(部品供給部)
4 ユニット集合ステージ
4a 移動テーブル
5 基板保持ステージ(基板保持部)
5a 基板保持テーブル
6 半導体ウェハ
6a 半導体チップ
7 基板
9 ヘッド移動機構
11 第1ヘッド
12 第2ヘッド
13 ピックアップヘッド移動機構
14 ピックアップヘッド
15 ツールストッカ
18 中継ステージ
19 搭載ユニット
20 塗布ユニット
20b 塗布ノズル
21 第1カメラ
22 第2カメラ
23 第3カメラ
24 部品認識カメラ
31 XYテーブル機構
40 X軸移動機構
53 XYテーブル機構
54 転写ユニット
55 転写テーブル
56 ペースト
57 加熱・押圧ユニット
70 ピックアップノズル
71 部品保持ノズル
72 転写ツール
73 加熱・押圧ツール
74 高さ用治具
75 センタ位置用治具
76 回転位置用治具

Claims (2)

  1. 部品を供給する部品供給部と、基板を保持する基板保持部と、前記部品供給部によって供給された前記部品を受け取って前記基板保持部に保持された基板に実装する第1ヘッドと、
    前記基板もしくは前記第1ヘッドによって前記基板に実装された部品に対して所定の作業を行い、部品接合用のペーストを吐出して前記基板に供給するペースト塗布機能、前記ペーストを転写して前記基板に供給するペースト転写機能および前記基板に実装された部品を加熱しながら基板に対して押圧する加熱・押圧機能のうち少なくともいずれか1つの機能を有する作業ユニットを選択的に装着可能な第2ヘッドと、
    前記第1ヘッドおよび第2ヘッドがいずれもアクセス可能な領域に位置して、対象となる部品の種類に応じて前記第1ヘッド、第2ヘッドに交換自在に装着される複数の作業ツールを収納するための複数の収納凹部が設けられたツールストッカと、
    前記ツールストッカにおいて予め指定された特定の前記収納凹部に収納され、前記第1ヘッド、第2ヘッドに交換自在に装着されて、これら第1ヘッド、第2ヘッドを移動させるヘッド移動機構を構成する複数の駆動軸のマシンパラメータにおける動作基準位置を設定するために、第1ヘッド、第2ヘッドについて共通に用いられる複数種類の治具と、
    前記動作基準位置の設定のためのデータを取得して、取得されたデータに基づき設定された動作基準位置を基準位置パラメータとして記憶部に記憶させるティーチング処理を行うティーチング処理部とを備え、
    前記ティーチング処理部は、前記第1ヘッド、第2ヘッドに、前記治具を装着するための治具装着動作および前記動作基準位置の設定に必要なデータを取得するためのデータ取得用動作を行わせるとともに、
    前記ヘッド移動機構の駆動軸を制御する制御系から出力される各駆動軸の軸位置のデータを取得し、
    さらに前記第1ヘッド、第2ヘッドに保持された状態における前記治具の水平面内の位置または高さ位置を示すデータを位置検出手段によって検出した結果に基づいて取得することを特徴とする部品実装装置。
  2. 前記治具は、前記第1ヘッド、第2ヘッドを昇降させるZ方向駆動軸の前記動作基準位置を設定するための高さ用治具、前記第1ヘッド、第2ヘッドを水平移動させるX方向駆動軸,Y方向駆動軸の前記動作基準位置を設定するためのセンタ位置用治具、前記第1ヘッド、第2ヘッドに備えられたノズル軸を軸廻りに回転させるθ方向駆動軸の前記動作基準位置を設定するための回転位置用治具のうちのいずれかを含むことを特徴とする請求項1に記載の部品実装装置。
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