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JP5374416B2 - 母材金属の表面処理方法及び該方法を用いた航空機構造部材並びにその製造方法 - Google Patents

母材金属の表面処理方法及び該方法を用いた航空機構造部材並びにその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、母材金属の表面処理方法及び該方法を用いた航空機構造部材並びにその製造方法に係り、特に、航空機に適用される金属材料を軽量高剛性材料に接着する前の母材金属の表面処理方法及び該方法を用いた航空機構造部材並びにその製造方法に関する。
従来、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)からなる軽量高剛性材料は、軽量で高強度であるため、航空機の動翼の構造部材として用いられている。その際、軽量高剛性材料は、動翼の可動に耐えることができるように金属部材と一体化させることが知られている。
軽量高剛性材料と金属部材との一体化手法としては、ボルトやナットなどを用いた機械的な接合方法や、接着剤を使用する接合方法が用いられている。機械的接合方法では、締結用の穴を空ける加工工程が必要となるため、生産コストの低減がはかりにくい。また、ボルトやナット等の締結部品を用いることにより、総重量が増加するという問題がある。さらに、ボルト中心に繰り返し荷重がかかることによって、軽量高剛性材料に微小割れや内部欠陥が生じる恐れがある。
そのため、軽量高剛性材料と金属部材との一体化手法として、接着剤を使用する接合方法が適用されている。しかし、金属部材は無機物であるために接着剤との接着性が良好ではない。そこで、接着剤との接着強度を向上させるために、金属部材を予め表面処理することが求められている。
金属部材の表面処理方法としては、特許文献1に記載されているように、チタン−ニッケル合金材の表面に陽極酸化被膜を生成する手法が知られている。この手法では、チタン−ニッケル合金材をフッ酸と硝酸の混合水溶液の常温浴に所定時間浸漬して表面に生成された酸化被膜を除去し、酸化被膜を除去したチタン−ニッケル合金材の表面に陽極酸化被膜を生成している。
特開2002−129387号公報
しかしながら、特許文献1に記載されるように、チタン−ニッケル合金材の表面に生成された酸化被膜を除去するために用いるフッ酸と硝酸の混合水溶液は、揮発性を有する毒物であるため、取扱いが困難である。また、揮発成分の回収装置や重金属の濾過装置などの設備費用や、エッチング処理後の処理液の処理費用が高くなるという問題がある。
また、特許文献1の陽極酸化処理では、母材金属であるチタン−ニッケル合金材が電解質溶液中に一旦溶解した後に、酸化物となって金属部材に再析出するという複雑な工程を辿るために効率が悪い。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、低コストであり、効率よく接着強度を向上させる母材金属の表面処理方法及び該方法を用いた航空機構造部材並びにその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る母材金属の表面処理方法は、母材金属の表面に、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)からなる軽量高剛性材料を接着する前に、前記母材金属に陽極酸化被膜を生成する母材金属の表面処理方法において、前記母材金属を脱脂する脱脂工程と、前記脱脂工程の後に、前記母材金属を強アルカリ溶液に浸漬して前記母材金属の表面に生成された酸化被膜を除去するエッチング洗浄工程と、前記エッチング洗浄工程の後に、前記酸化被膜を除去した前記母材金属を陽極とし、前記陽極酸化被膜を構成する析出物を予め電解質溶液に溶解させ、前記析出物を溶解させた前記電解質溶液に前記母材金属を浸して通電して、前記母材金属の表面に前記陽極酸化被膜を生成する陽極酸化工程とを備え、
前記エッチング洗浄工程および前記陽極酸化工程を2回繰り返し、
1回目の前記陽極酸化工程で前記母材金属の表面にポーラス面基礎地部分を含む第1被膜を生成し、1回目の前記陽極酸化工程の後に、1回目の前記陽極酸化工程で生成された前記ポーラス面基礎地部分を残すように前記第1被膜を2回目の前記エッチング洗浄工程で除去し、2回目の前記エッチング洗浄工程の後に、1回目の前記陽極酸化工程よりも通電条件を強める2回目の前記陽極酸化工程で前記ポーラス面基礎地部分の上に第2被膜を生成することを特徴とする。
この母材金属の表面処理方法では、エッチング洗浄を行うために、母材金属を強アルカリ溶液に浸漬する。強アルカリ溶液は、母材金属の表面全体を腐食させるので、母材金属の表面に生成された弱い酸化被膜を除去することができる。ここで、「母材金属の表面に生成された弱い酸化被膜」とは、母材金属を空気中に放置し、母材金属が空気中の酸素と結合することにより生成される酸化被膜をも含む。
また、強アルカリ溶液を用いてエッチング洗浄を行っているので、エッチング洗浄を行う処理槽の設備費用を低減させることができる。また、エッチング洗浄をした後の強アルカリ溶液は、薬剤処理で中和させることによって廃却可能であるので、処理費用を抑えることができる。
さらに、陽極酸化工程では、陽極酸化被膜を構成する析出物を予め電解質溶液に溶解させているので、電解質溶液中に析出物が十分に存在し、母材金属の表面に効率よく析出して陽極酸化被膜を生成することができる。また、母材金属に生成された陽極酸化被膜は、空隙がなくポーラス面を有するので、接着剤との接着強度を向上させることができる。
上記母材金属の表面処理方法において、前記陽極酸化工程では、前記母材金属と前記母材金属の対極との間にパルス電圧を印加してもよい。
これにより、極短時間で電圧を印加することで、母材金属の表面に生成される陽極酸化被膜の溶解および成長過程の平衡状態を回避することができるので、空隙が無く厚いポーラス面を有する陽極酸化被膜が生成されやすくなる。よって、接着強度が向上し、高温高湿度環境での耐久性も向上する。
そして本発明では、上記母材金属の表面処理方法において、前記エッチング洗浄工程および前記陽極酸化工程を2回繰り返し、1回目の前記陽極酸化工程で前記母材金属の表面にポーラス面基礎地部分を含む第1被膜を生成し、1回目の前記陽極酸化工程の後に、1回目の前記陽極酸化工程で生成された前記ポーラス面基礎地部分を残すように前記第1被膜を2回目の前記エッチング洗浄工程で除去し、2回目の前記エッチング洗浄工程の後に、1回目の前記陽極酸化工程よりも通電条件を強める2回目の前記陽極酸化工程で前記ポーラス面基礎地部分の上に第2被膜を生成している
これにより、母材金属の表面にポーラス面基礎地部分を予め生成することで、陽極酸化被膜のポーラス面が整列して成長しやすくなり、より厚いポーラス面を有する陽極酸化被膜が生成されるので、接着強度をさらに向上させることができる。
本明細書において、「ポーラス面基礎地部分」とは、陽極酸化工程によって生成され、陽極酸化被膜のポーラス面成長の核となる層のことを示す。また、「通電条件を強める」とは、電圧および電流値が大きく、処理時間が長くなるように設定されることを示す。
上記母材金属の表面処理方法において、前記強アルカリ溶液は、水酸化カリウム溶液または水酸化ナトリウム溶液、若しくは前記水酸化カリウム溶液と前記水酸化ナトリウム溶液の混合水溶液であることが好ましい。
これにより、母材金属の表面全体を十分に腐食させることができるので、効率よく母材金属の表面に生成された酸化被膜を除去することができる。
上記母材金属の表面処理方法において、前記母材金属は、チタン、チタン合金、アルミニウム、アルミニウム合金のうちのいずれかであることが好ましい。
これにより、軽量かつ高強度で機械加工性に優れた母材金属の表面処理を行うことができる。
本発明に係る航空機構造部材の製造方法は、上述の母材金属の表面処理方法によって表面処理された前記母材金属を用い、該母材金属の表面を洗浄してプライマーを塗布し、その後、前記プライマーを塗布した前記母材金属に接着剤を塗布し、前記接着剤を介して前記母材金属と前記軽量高剛性材料とを接着することを要旨とする。
この航空機構造部材の製造方法では、空隙がなくポーラス面を有する陽極酸化被膜が表面に生成された母材金属を用いているので、母材金属と接着剤との接着強度を向上させて母材金属と軽量高剛性材料とを接着することができる。
本発明に係る航空機構造部材は、上述の母材金属の表面処理方法によって表面処理された前記母材金属と前記軽量高剛性材料とが接着剤を介して接着して製造されることを特徴とする。
この航空機構造部材では、空隙がなくポーラス面を有する陽極酸化被膜が表面に生成された母材金属を用いているので、母材金属と接着剤との接着強度が向上する。よって、航空機構造部材の耐久性が向上する。
本発明では、エッチング洗浄を行うために、母材金属を強アルカリ溶液に浸漬する。強アルカリ溶液は、母材金属の表面全体を腐食させるので、母材金属の表面に生成された弱い酸化被膜を除去することができる。
また、強アルカリ溶液を用いてエッチング洗浄を行っているので、エッチング洗浄を行う処理槽の設備費用を低減させることができる。また、エッチング洗浄をした後の強アルカリ溶液は、薬剤処理で中和させることによって廃却可能であるので、処理費用を抑えることができる。
さらに、陽極酸化被膜を構成する析出物を予め電解質溶液に溶解させているので、電解質溶液中に析出物が十分に存在し、母材金属の表面に効率よく析出して陽極酸化被膜を生成することができる。また、母材金属に生成された陽極酸化被膜は、空隙がなくポーラス面を有するので、接着剤との接着強度を向上させることができる。
本発明の母材金属の表面処理方法の一実施の形態を示すブロック図である。 図1に示す表面処理方法の一実施の形態を説明する概略図である。 図1に示す表面処理方法の変形例を示すブロック図である。 図3に示す表面処理方法の変形例を説明する概略図である。
以下、添付図面に従って本発明の実施形態について説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は、本発明の母材金属の表面処理方法の一実施の形態を示すブロック図である。図2は、図1に示す表面処理方法の一実施の形態を説明する概略図である。
まず、図1に示すように、母材金属1を脱脂処理する。脱脂処理は、図2(a)に示すように、例えば、ワイパー布2にメチルエチルケトン(MEK)を含ませて母材金属1の油分を拭き取ってもよい。
なお、母材金属1は、チタン、チタン合金、アルミニウム、アルミニウム合金のうちのいずれかであることが好ましい。例えば、Ti−6Al−4Vやジュラルミンであってもよい。これらは、軽量かつ高強度で機械加工性に優れているため、航空機の動翼の構造部材に適している。
母材金属1の脱脂処理を行った後、エッチング洗浄処理を行う。エッチング洗浄処理では、図2(b)に示すように、母材金属1を強アルカリ溶液6に浸漬して、母材金属1の表面に生成された酸化被膜を除去する(エッチング洗浄処理)。なお、強アルカリ溶液6を貯留する処理槽4は、特に限定されないが、コストを低減する観点から開放型処理槽であってもよい。
本実施形態では、濃度0.1〜10mol/Lの強アルカリ溶液6に、母材金属1を10秒から10分浸漬させて、母材金属1の表面全体を腐食させる。このように、強アルカリ溶液6に浸漬して母材金属1の表面全体を腐食させることで、母材金属の表面に生成された弱い酸化被膜を除去することができる。また、強アルカリ溶液を用いて酸化被膜を除去するので、薄板の表面処理にも対応できる。
エッチング洗浄処理で用いる強アルカリ溶液6は、水酸化カリウム溶液または水酸化ナトリウム溶液、若しくは前記水酸化カリウム溶液と前記水酸化ナトリウム溶液の混合水溶液であることが好ましい。
これにより、母材金属1の表面全体を十分に腐食させることができるので、効率よく母材金属1の表面に生成された酸化被膜を除去することができる。また、強アルカリ溶液は、従来のフッ酸や硝酸にくらべて取扱いが容易であるので、段取り時間を短くでき、大きな部材の処理にも適用することができる。
母材金属1をエッチング洗浄処理した後、図2(c)に示すように、母材金属1を陽極とし、陽極酸化被膜を構成する析出物を予め電解質溶液10に溶解させ、析出物を溶解させた電解質溶液10に母材金属1を浸して通電して、母材金属1の表面に陽極酸化被膜を生成する(陽極酸化処理)。
なお、陰極は、炭素棒やプラチナを用いてもよい。
電解質溶液10は、処理槽8に貯留されており、上述する析出物を予め溶解されている。析出物とは、例えば、母材金属1がチタン合金(Ti−6Al−4V)の場合は、酸化チタンであってもよいし、母材金属1がアルミニウムの場合は、アルミナであってもよい。このように、析出物は、陽極酸化被膜を構成する陽イオンを含む酸化物であれば、特に限定されない。
電解質溶液10は、例えば、水酸化カリウム溶液または水酸化ナトリウム溶液のような強アルカリ溶液を用いてもよい。
陽極酸化処理の電解質溶液として一般的に用いられる酸液では、陽極酸化被膜の六角柱形状組織が微細で非常に均一になる。この場合、陽極酸化被膜は、微細な凹凸を均一に有するか、または粗大な凹凸を均一に有することになる。微細な凹凸は、接着剤が完全に入り込まないと、簡単に剥離してしまうという問題がある。一方、粗大な凹凸では、接着剤が入り込みすいものの、接着面積が不足してしまうために接着強度が弱くなってしまう。
そのため、本実施形態では、電解質溶液10として強アルカリ溶液を用いる。強アルカリ溶液を電解質溶液として用いることにより、陽極酸化被膜の六角柱形状組織が不均一になり、微細な凹凸と粗大な凹凸とが混在するようになる。このように、陽極酸化被膜に微細な凹凸と粗大な凹凸とが混在するので、上述の酸液を用いた場合のデメリットを相殺し、接着下地層として最適化できる。
なお、陽極酸化処理の通電条件は、例えば、以下のように設定してもよい。
電解質溶液 0.1〜10mol/Lの水酸化カリウム溶液
析出物量 1〜10g/L
電圧 1〜30V
通電時間 5秒〜10分
また、陽極酸化工程では、母材金属1と母材金属1の対極14との間にパルス電圧を印加してもよい。
これにより、電源12により極短時間で電圧を印加することで、母材金属1の表面に生成される陽極酸化被膜の溶解および成長過程の平衡状態を回避することができるので、空隙が無く厚い陽極酸化被膜が生成されやすくなる。よって、接着強度が向上し、高温高湿度環境での耐久性も向上する。
その後、陽極酸化処理をした母材金属1を洗浄した後にプライマーを塗布して表面を保護する。そして、プライマーを塗布した後に、接着剤を介して軽量高剛性材料に接着される。
このように、上述の実施形態によれば、エッチング洗浄を行うために、母材金属1を強アルカリ溶液6に浸漬する。強アルカリ溶液6は、母材金属1の表面全体を腐食させるので、母材金属1の表面に生成された弱い酸化被膜を除去することができる。また、強アルカリ溶液6を用いてエッチング洗浄を行っているので、エッチング洗浄を行う処理槽4の設備費用を低減させることができる。また、エッチング洗浄をした後の強アルカリ溶液6は、薬剤処理で中和させることによって廃却可能であるので、処理費用を抑えることができる。
さらに、陽極酸化処理では、陽極酸化被膜を構成する析出物を予め電解質溶液に溶解させているので、電解質溶液10中に析出物が十分に存在し、母材金属1の表面に効率よく析出して陽極酸化被膜を生成することができる。また、母材金属1に生成された陽極酸化被膜は、空隙がなくポーラス面を有するので、接着剤との接着強度を向上させることができる。また、陽極酸化処理により、接着前処理時間を短縮することができる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのは言うまでもない。
具体的には、図3に示すように、エッチング洗浄処理および陽極酸化処理を2回繰り返してもよい。
図3は、図1に示す表面処理方法の変形例を示すブロック図である。図3は、エッチング洗浄処理および陽極酸化処理を2回繰り返す点を除けば、図1に示す上述の実施形態と同一であるので、その他の詳細な説明を省略する。
図4は、図3に示す表面処理方法の変形例を説明する概略図である。
図4(a)に示すように、1回目のエッチング洗浄処理を行った後の1回目の陽極酸化処理では、母材金属1の表面にポーラス面(凹凸面)が成長しやすい素地を生成する。具体的には、1回目の陽極酸化工程で母材金属1の表面にポーラス面基礎地部分17を含む第1被膜16を生成する。なお、ポーラス面基礎地部分17とは、陽極酸化工程によって生成され、陽極酸化被膜のポーラス面成長の核となる層のことを示す。
その後、1回目の陽極酸化処理で生成されたポーラス面基礎地部分17を残すように第1被膜16を2回目のエッチング洗浄処理で除去する。
2回目のエッチング洗浄処理の後に、1回目の陽極酸化工程よりも通電条件を強める2回目の陽極酸化処理で、ポーラス面基礎地部分17の上に第2被膜18を生成する。なお、通電条件を強めるとは、電圧および電流値が大きく、処理時間が長くなるように設定されることを示す。
これにより、母材金属1の表面にポーラス面基礎地部分17を予め生成することで、陽極酸化被膜のポーラス面が整列して成長しやすくなり、より厚いポーラス面を有する陽極酸化被膜が生成されるので、接着強度をさらに向上させることができる。
1 母材金属
2 ワイパー布
4 処理槽
6 強アルカリ溶液
8 処理槽
10 電解質溶液
12 電源
14 陰極
16 第1被膜
17 ポーラス面基礎地部分
18 第2被膜

Claims (6)

  1. 母材金属の表面に炭素繊維強化プラスチックからなる軽量高剛性材料を接着する前に、前記母材金属に陽極酸化被膜を生成する母材金属の表面処理を行う際に
    前記母材金属を脱脂する脱脂工程と、
    前記脱脂工程の後に、前記母材金属を強アルカリ溶液に浸漬して前記母材金属の表面に生成された酸化被膜を除去するエッチング洗浄工程と、
    前記エッチング洗浄工程の後に、前記酸化被膜を除去した前記母材金属を陽極とし、前記陽極酸化被膜を構成する析出物を予め電解質溶液に溶解させ、前記析出物を溶解させた前記電解質溶液に前記母材金属を浸して通電して、前記母材金属の表面に前記陽極酸化被膜を生成する陽極酸化工程とを備え、
    前記エッチング洗浄工程および前記陽極酸化工程を2回繰り返し、
    1回目の前記陽極酸化工程で前記母材金属の表面にポーラス面基礎地部分を含む第1被膜を生成し、1回目の前記陽極酸化工程の後に、1回目の前記陽極酸化工程で生成された前記ポーラス面基礎地部分を残すように前記第1被膜を2回目の前記エッチング洗浄工程で除去し、2回目の前記エッチング洗浄工程の後に、1回目の前記陽極酸化工程よりも通電条件を強める2回目の前記陽極酸化工程で前記ポーラス面基礎地部分の上に第2被膜を生成することを特徴とする母材金属の表面処理方法。
  2. 前記陽極酸化工程では、前記母材金属と前記母材金属の対極との間にパルス電圧を印加することを特徴とする請求項1に記載の母材金属の表面処理方法。
  3. 前記強アルカリ溶液は、水酸化カリウム溶液または水酸化ナトリウム溶液、若しくは前記水酸化カリウム溶液と前記水酸化ナトリウム溶液の混合水溶液であることを特徴とする請求項1又は2に記載の母材金属の表面処理方法。
  4. 前記母材金属は、チタン、チタン合金、アルミニウム、アルミニウム合金のうちのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の母材金属の表面処理方法。
  5. 請求項1乃至の何れか1項に記載の母材金属の表面処理方法によって表面処理された前記母材金属を用い、該母材金属の表面を洗浄してプライマーを塗布し、その後、前記プライマーを塗布した前記母材金属に接着剤を塗布し、前記接着剤を介して前記母材金属と前記軽量高剛性材料とを接着することを特徴とする航空機構造部材の製造方法。
  6. 請求項1乃至の何れか1項に記載の母材金属の表面処理方法によって表面処理された前記母材金属と前記軽量高剛性材料とが接着剤を介して接着して製造されることを特徴とする航空機構造部材。
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