JP5359672B2 - 太陽電池用光散乱膜とそれを用いた太陽電池 - Google Patents
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Description
式(I):T1(45°)>T2(45°)
2.前記マトリックス中の散乱体が、マトリックスとは異なる屈折率を有することを特徴とする第1項に記載の太陽電池用散乱膜。
4.前記第1の光散乱層中のマトリックスの膜表面に平行な面内でのマトリックス及び散乱体の屈折率差をΔN1xy、膜表面に対して法線方向でのマトリックス及び散乱体の屈折率差をΔN1z、第2の光散乱層中のマトリックスの膜表面に平行な面内でのマトリックス及び散乱体の屈折率差をΔN2xy、膜表面に対して法線方向でのマトリックス及び散乱体の屈折率差をΔN2zとしたときに、下記式(II)及び(III)を満たすことを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の太陽電池用光散乱膜。
式(II):ΔN1xy<ΔN1z
式(III):ΔN2xy>ΔN2z
〔但し、式(II)及び式(III)中のΔN1xy、ΔN2xy、ΔN1z及びΔN2zは、下記関係式により定義される。
ΔN1xy=|N1xy(matorix)−N1xy(domain)|
ΔN2xy=|N2xy(matorix)−N2xy(domain)|
ΔN1z=|N1z(matorix)−N1z(domain)|
ΔN2z=|N2z(matorix)−N2z(domain)|
ここで、
N1xy(domain):第1の光散乱層における散乱体の平面内の平均屈折率
N2xy(domain):第2の光散乱層における散乱体の平面内の平均屈折率
N1xy(matrix):第1の光散乱層におけるマトリックスの平面内の平均屈折率
N2xy(matrix):第2の光散乱層におけるマトリックスの平面内の平均屈折率
N1z(domain):第1の光散乱層における法線方向での散乱体の平均屈折率
N2z(domain):第2の光散乱層における法線方向での散乱体の平均屈折率
N1z(matorix):第1の光散乱層における法線方向でのマトリックスの平均屈折率
N2z(matorix):第2の光散乱層における法線方向でのマトリックスの平均屈折率〕
5.前記ΔN1xyがΔN1zよりも小さいことを特徴とする第4項に記載の太陽電池用光散乱膜。
6.前記第1の光散乱層中の散乱体の膜表面に平行な面での平均粒径をR1xy、膜表面に対し垂直方向での平均粒径をR1z、前記第2の光散乱層中の散乱体の膜表面に平行な面での平均粒径をR2xy、膜表面に対し垂直方向での平均粒径をR2z、としたきに、当該R1xy、R1z、R2xy、及びR2zが、下記式(IV)及び(V)を満たすことを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の太陽電池用光散乱膜。
式(IV):R1xy<R1z
式(V):R2xy>R2z
7.前記第1の光散乱層中の散乱体が針状であり、前記第2の光散乱層中の散乱体が円盤状であることを特徴とする第6項に記載の太陽電池用光散乱膜。
8.光電変換層を有する太陽電池であって、当該光電変換層の少なくとも光が入射する側の面に第1項から第7項までのいずれか一項に記載の太陽電池用光散乱膜が配置されていることを特徴とする太陽電池。
本発明の太陽電池用光散乱膜は、種々のタイプの太陽電池に好適に用いることができる。図1に、本発明の太陽電池用光散乱膜を備えた太陽電池の基本的構成の一例の断面模式図を示す。図1に示された太陽電池1は、基板(透明基体)2の一方の面に、光散乱膜(太陽電池用光散乱膜)3、上部電極層4、光電変換層5及び下部電極層6が積層された基本的構成となっている。以下、各構成要素について説明をする。
基板は、一方の光取り込み面から光を入射し、他方の面に光散乱膜が接合されている。
本発明の光散乱膜は複数の光散乱層を有しており、少なくとも異なる二層以上により構成され、三層以上の構成や光散乱層の間に散乱を起こさない中間層を含む層構成でも構わない。少なくとも散乱膜中には、二層の光散乱層が含まれており、それぞれの光散乱層はマトリックス樹脂と散乱体が分散されている。本発明においては、光散乱層のうち任意の二層を選択した時に、光電変換層からの距離が近い側を第2層、光電変換層からの距離が遠い側の層を第1層と定義する。
本発明の太陽電池用光散乱膜は、マトリックス中に散乱体が含有された光散乱層を少なくとも二層有する太陽電池用光散乱膜であって、(1)太陽光入射側の第1の光散乱層の膜表面が平坦であり、(2)前記第1の光散乱層は、膜面に対して法線方向から入射した光の当該第1の光散乱層での全光線透過率が70%以上であり、(3)前記第1の光散乱層に対し太陽光入射側から遠い側に設置された第2の光散乱層は、膜面に対して法線方向から入射した光の当該第2の光散乱層での全光線透過率が60%以下であり、かつ、(4)前記第1の光散乱層の膜面の法線に対して45°の角度で入射した光に対する当該第1の光散乱層での全光線透過率をT1(45°)、前記第2の光散乱層の膜面の法線に対して45°の角度で入射した光に対する当該第2の光散乱層での全光線透過率をT2(45°)としたときに、当該T1(45°)とT2(45°)が下記式(I)を満たし、かつ(第1の光散乱層と第2の光散乱層を通した)全光線透過率(表)が70%以上であり、(第2の光散乱層と第1の光散乱層を通した)全光線透過率(裏)が60%以下であることを特徴とする。
式(I):T1(45°)>T2(45°)
本願でいう「第1の面」とは、入射光が光散乱膜に第1に通過する光取り込み側にあたる面であり、「第2の面」とは入射光が光散乱膜を透過して光電変換層へと向かう側にあたる面である。全光線透過率の測定には、JIS−K7361に従い市販のヘーズメータ(例えば 日本電色工業(株)製 NDH2000など)で測定することができる。
式(II):ΔN1xy<ΔN1z
屈折率は、波長により異なる場合があるが光電変換層が光変換できる波長領域全般でこの関係を満たすことが好ましいが、少なくとも光電変換される波長領域のなかの任意の一波長で式(II)の条件を満たすことが好ましい。
ΔN1xy=|N1xy(matorix)−N1xy(domain)|
ΔN1z=|N1z(matorix)−N1z(domain)|
ここで、光散乱膜表面に直行するxy軸及び光散乱膜表面に垂直なz軸を仮想的に設定する。
N1xy(domain):第1の光散乱層における散乱体の平面内(xy平面内)の平均屈折率
N1xy(matrix):第1の光散乱層におけるマトリックスの平面内(xy平面内)の平均屈折率
N1z(domain):第1の光散乱層における法線方向(z軸方向)での散乱体の平均屈折率
N1z(matorix):第1の光散乱層における法線方向(z軸方向)でのマトリックスの平均屈折率
をそれぞれ表している。
屈折率は、波長により異なる場合があるが光電変換層が光変換できる波長領域全般でこの関係を満たすことが好ましいが、少なくとも光電変換される波長領域のなかの任意の一波長で式(III)の条件を満たすことが好ましい。
ΔN2xy=|N2xy(matorix)−N2xy(domain)|
ΔN2z=|N2z(matorix)−N2z(domain)|
ここで、光散乱膜表面に直行するxy軸及び光散乱膜垂直平面にz軸を仮想的に設定する。
N2xy(domain):第2の光散乱層における散乱体の平面内(xy平面内)の平均屈折率
N2xy(matorix):第2の光散乱層におけるマトリックスの平面内(xy平面内)の平均屈折率
N2z(domain):第2の光散乱層における法線方向(z軸方向)での散乱体の平均屈折率
N2z(matorix):第2の光散乱層における法線方向(z軸方向)でのマトリックスの平均屈折率
をそれぞれ表している。
式(IV):R1xy<R1z
散乱膜において、膜表面方向にお互いに直行するxy軸を、また膜表面に垂直な方向にz軸を仮想的に設定する。
R1xy:xy平面における散乱体断面の平均粒径
R1z:z平面に平行に散乱体を切断した断面における散乱体のz方向長さ
を表している。
式(V):R2xy>R2z
散乱膜において、膜表面方向にお互いに直行するxy軸を、また膜表面に垂直な方向にz軸を仮想的に設定する。
R2xy:xy平面における散乱体断面の平均粒径
R2z:z平面に平行に散乱体を切断した断面における散乱体のz方向長さ
を表している。
本願において、「マトリックス」とは、光散乱体(ドメイン)を含有し保持する媒体として機能する基材ないし基盤(母体)をいう。
光散乱膜2を構成する光散乱粒子の材料としては、例えばアクリル粒子やスチレンアクリル粒子及びその架橋体、メラミン樹脂粒子(メラミン−ホルマリン縮合物の粒子、ベンゾグアナミン−メラミン−ホルムアルデヒド縮合物の粒子)、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合物の粒子、シリコーン樹脂粒子が挙げられる。また、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(ペルフルオロアルコキシ樹脂)、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PVDF(ポリフルオロビニリデン)、及びETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)等の含フッ素ポリマー粒子を用いることができる。また、無機散乱体としてシリカやアルミナ、酸化チタンなどの金属酸化物なども用いることができる。
光散乱膜は、マトリックス樹脂中に散乱粒子を分散させた溶液を調製し、この溶液をスピンコーティング法、ロールコート法、スプレー法、バーコート法、ダイコート法、フローコート法あるいはディッピング法などのウエットプロセスを用いて形成することができる。なお、この溶液には、有機溶剤、分散助剤、レベリング剤、及びカップリング剤のような添加剤を含有させることができる。また、マトリックス樹脂として、UV硬化性、熱硬化性の樹脂を使用して上記の方法で製膜したのちに硬化させる手法を用いても良い。本発明において光散乱膜は、複数の光散乱層から構成されている。作製には、上記した複数の方法を組み合わせて積層体を組み合わせて作製することも好ましい。
上部電極層の材料としては、光を光電変換層まで損失なく透過する観点から、透明導電性酸化物が好ましい。
光電変換層の一例として、pin型光電変換層を図3に示す。光電変換層5は、p型薄膜シリコン層51、i型薄膜シリコン層52、及びn型薄膜シリコン層53が図3に示す順序で積層されて形成されている。
下部電極層の一例としては、下部透明導電電極と金属電極を順次積層して形成する。
(評価用太陽電池セルの作製)
コーニング1737ガラス基板上にDCマグネトロンスパッタ装置を用いて、ZnO:Ga(Ga:5質量%)セラミックターゲットをスパッタし、ガリウムドープ酸化亜鉛透明導電膜を200nm成膜し、上部電極層を形成した。
(光散乱層1の作製)
マトリックス樹脂としてPEN(平均屈折率 1.64 Tg=120℃)、散乱体として球状アルミナ(平均屈折率 1.74 粒径500nm)を用いて、溶融押し出し法によりフィルム製膜を行い、逐次二軸延伸法によりマトリックス樹脂の複屈折を調整することにより光散乱層1を作製した。二軸延伸時の温度は110℃に設定し、溶融製膜方向(以下MD方向とも記載する)及び製膜方向に対して垂直な方向(以下TD方向とも記載する)に対して、それぞれ1.5倍に設定した。また仕上がりの膜厚は10μmとし、マトリックス樹脂(100質量%)に対する散乱体の混入量は2%に設定した。
マトリックス樹脂としてPEN(平均屈折率 1.64 Tg=120℃)、散乱体として球状架橋ポリスチレン粒子(平均屈折率 1.59 粒径1μm)を用いて、溶融押し出し法と逐次二軸延伸法により光散乱層2を作製した。二軸延伸時の温度は110℃に設定し、溶融製膜方向(以下MD方向とも記載する)及び製膜方向に対して垂直な方向(以下TD方向とも記載する)に対して、それぞれ1.5倍に設定した。また仕上がりの膜厚は10μmとし、マトリックス樹脂(100質量%)に対する散乱体の混入量は2.5質量%に設定した。
光散乱層1及び2を透明両面テープ(膜厚さ5μm 積水化学社製#5511)により接着し、積層の太陽電池用光散乱膜(試料1)を得た。
光散乱膜試料のガラス基板に前記の透明両面テープを用いて接着し、評価用太陽電池セルを作製した。
(全光線透過率の測定)
全光線透過率の測定には、JIS−K7361に従いヘーズメータ(日本電色工業(株)NDH2000)を用いて測定を行った。
ヘーズの測定には、JIS−K7361に従いヘーズメータ(日本電色工業(株)NDH2000)を用いて測定を行った。光散乱膜は複数の光散乱膜からなっており、太陽電池セルの外界から光電変換層へ光が進行する際に外界に近い側の層のヘーズ値をHz1、光電変換層に近い側の層のヘーズ値をHz2とした。
ハロゲンランプを光源にしたコリメート光源、45°、45°、90°の角度を持つ二等辺三角形状の石英プリズム、グリース、試料、積分球を準備した。
触針式表面形状測定器(株式会社アルバック社製 Dektak 8)を用いて、表面形状を測定しRaを求めた。試料表及び裏のRaがいずれも10μm以下の場合には実質的に平面であるとした。
25℃の環境中において、ソーラーシミュレータによりAM1.5、100mW/cm2の条件で変換効率の測定を行った。
上記の光利用効率の測定系において、太陽電池セルを45°傾けた状態での測定を行い変換効率の測定を行った。
(光散乱層1の作製)
マトリックス樹脂としてPEN(平均屈折率 1.64 Tg=120℃)、散乱体として球状アルミナ(平均屈折率 1.74 粒径500nm)を用いて、溶融押し出し法によりフィルム製膜を行い、逐次二軸延伸法によりマトリックス樹脂の複屈折を調整することにより光散乱層1を作製した。二軸延伸時の温度は110℃に設定し、溶融製膜方向(以下MD方向とも記載する)及び製膜方向に対して垂直な方向(以下TD方向とも記載する。)に対して、それぞれ1.5倍に設定した。また仕上がりの膜厚は10μmとし、マトリックス樹脂(100質量%)に対する散乱体の混入量は1.5%に設定した。
マトリックス樹脂としてPEN(平均屈折率 1.64 Tg=120℃)、散乱体として球状架橋ポリスチレン粒子(平均屈折率 1.59 粒径1μm)を用いて、溶融押し出し法と逐次二軸延伸法により光散乱層2を作製した。二軸延伸時の温度は110℃に設定し、溶融製膜方向(以下MD方向とも記載する)及び製膜方向に対して垂直な方向(以下TD方向とも記載する)に対して、それぞれ1.5倍に設定した。また仕上がりの膜厚は10μmとし、マトリックス樹脂(100質量%)に対する散乱体の混入量は3.2質量%に設定した。
光散乱層1及び2を透明両面テープ(膜厚さ5μm 積水化学社製#5511)により接着し、積層の太陽電池用光散乱膜(試料6)を得た。
(光散乱膜の作製)
(光散乱層1の作製)
マトリックス樹脂としてPEN(平均屈折率 1.64 Tg=120℃)、散乱体として球状アルミナ(平均屈折率 1.74 粒径600nm)を用いて、溶融押し出し法によりフィルム製膜を行い、逐次二軸延伸法によりマトリッス樹脂の複屈折を調整することにより光散乱層1を作製した。二軸延伸時の温度は110℃に設定し、溶融製膜方向(以下MD方向とも記載する)及び製膜方向に対して垂直な方向(以下TD方向とも記載する)に対して、それぞれ1.5倍に設定した。また仕上がりの膜厚は10μmとし、マトリックス樹脂(100質量%)に対する散乱体の混入量は2.2%に設定した。
マトリックス樹脂としてPEN(平均屈折率 1.64 Tg=120℃)、散乱体として球状架橋ポリスチレン粒子(平均屈折率 1.59 粒径1μm)を用いて、溶融押し出し法と逐次二軸延伸法により光散乱層2を作製した。二軸延伸時の温度は110℃に設定し、溶融製膜方向(以下MD方向とも記載する)及び製膜方向に対して垂直な方向(以下TD方向とも記載する)に対して、それぞれ1.5倍に設定した。また仕上がりの膜厚は10μmとし、マトリックス樹脂(100質量%)に対する散乱体の混入量は2.5質量%に設定した。
光散乱層1及び2を透明両面テープ(膜厚さ5μm 積水化学社製#5511)により接着し、積層の太陽電池用光散乱膜(試料12)を得た。
試料12作製の際に、第2の光散乱層の逐次二軸延伸を行わずに仕上がり膜厚を10μmに設定し、更に130℃でアニールした散乱層を用いて光散乱膜(試料11)を得た。このときのマトリックス樹脂は異方性を持たず(Nx,Ny,Nz)=(1.64,1.64,1.64)であった。
試料12作製の際に、第1の光散乱層の逐次二軸延伸を行わずに仕上がり膜厚を10μmに設定し、更に130℃でアニールした散乱層を用いて光散乱膜(試料10)を得た。このときのマトリックス樹脂は異方性を持たず(Nx,Ny,Nz)=(1.64,1.64,1.64)であった。
試料12作製の際に、第1及び第2の光散乱層の逐次二軸延伸を行わずに仕上がり膜厚を10μmに設定し、更に130℃でアニールした散乱層を用いて光散乱膜(試料9)を得た。このときのマトリックス樹脂は異方性を持たず(Nx,Ny,Nz)=(1.64,1.64,1.64)であった。
(光散乱膜の作製)
(光散乱層2の作製)
マトリックス樹脂として酸化チタンナノ粒子の混合により高屈折率化したポリスチレン(平均屈折率 1.7 Tg=95℃)、散乱体として円盤状アルミナ粒子(平均屈折率1.74 厚さ(R2z)=60nm 粒径(R2xy)=300nm)を用いて、溶融押し出し法によりフィルム製膜を行い、逐次二軸延伸法によりマトリッス樹脂の複屈折を調整することにより光散乱層2を作製した。二軸延伸時の温度は82℃に設定し、溶融製膜方向(以下MD方向とも記載する)及び製膜方向に対して垂直な方向(以下TD方向とも記載する)に対して、それぞれ1.4倍に設定した。また仕上がりの膜厚は10μmとし、マトリックス樹脂(100質量%)に対する散乱体の混入量は3.3%に設定した。
上記で得られた光散乱層2上に、UV硬化樹脂(屈折率 1.58)と針状炭酸カルシウムの混合物を塗布した後に磁場により垂直に配向させた後に、紫外線により硬化を行った。光散乱膜(試料13)の膜厚は12μmとなるように設定した。なお、針状炭酸カルシウムは(Nxy,Nz)=(1.68,1.53)であり、(R1xy,R1z)=(0.5μm,2μm)である。
2 基板(透明基体)
2a 光取り出し面
2b 光取り込み面2aの反対側の面
3 光散乱膜(太陽電池用光散乱膜)
3A 第1の光散乱層
3B 第2の光散乱層
3a 平坦面
4 上部電極層
5 光電変換層
6 下部電極層
7 プリズム
8 試料
9 積分(球)
23 光学部材(太陽電池用光学部材)
51 p型薄膜シリコン層
52 i型薄膜シリコン層
53 n型薄膜シリコン層
61 下部透明導電電極
62 金属電極
P 光
Claims (8)
- マトリックス中に散乱体が含有された光散乱層を少なくとも二層有する太陽電池用光散乱膜であって、(1)太陽光入射側の第1の光散乱層の膜表面が平坦であり、(2)前記第1の光散乱層は、膜面に対して法線方向から入射した光の当該第1の光散乱層での全光線透過率が70%以上であり、(3)前記第1の光散乱層に対し太陽光入射側から遠い側に設置された第2の光散乱層は、膜面に対して法線方向から入射した光の当該第2の光散乱層での全光線透過率が60%以下であり、かつ、(4)前記第1の光散乱層の膜面の法線に対して45°の角度で入射した光に対する当該第1の光散乱層での全光線透過率をT1(45°)、前記第2の光散乱層の膜面の法線に対して45°の角度で入射した光に対する当該第2の光散乱層での全光線透過率をT2(45°)としたときに、当該T1(45°)とT2(45°)が下記式(I)を満たし、かつ(第1の光散乱層と第2の光散乱層を通した)全光線透過率(表)が70%以上であり、(第2の光散乱層と第1の光散乱層を通した)全光線透過率(裏)が60%以下であることを特徴とする太陽電池用光散乱膜。
式(I):T1(45°)>T2(45°) - 前記マトリックス中の散乱体が、マトリックスとは異なる屈折率を有することを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用散乱膜。
- 前記太陽電池用光散乱膜を構成する任意の二つ光散乱層において、光電変換層から遠い位置に配置される第1の光散乱層のヘーズ値をHz1(%)、光電変換層に近い位置に配置される第2の光散乱層のヘーズ値をHz2(%)としたときに、当該Hz1とHz2がHz1<Hz2の関係を満たすことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の太陽電池用光散乱膜。
- 前記第1の光散乱層中のマトリックスの膜表面に平行な面内でのマトリックス及び散乱体の屈折率差をΔN1xy、膜表面に対して法線方向でのマトリックス及び散乱体の屈折率差をΔN1z、第2の光散乱層中のマトリックスの膜表面に平行な面内でのマトリックス及び散乱体の屈折率差をΔN2xy、膜表面に対して法線方向でのマトリックス及び散乱体の屈折率差をΔN2zとしたときに、下記式(II)及び(III)を満たすことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の太陽電池用光散乱膜。
式(II):ΔN1xy<ΔN1z
式(III):ΔN2xy>ΔN2z
〔但し、式(II)及び式(III)中のΔN1xy、ΔN2xy、ΔN1z及びΔN2zは、下記関係式により定義される。
ΔN1xy=|N1xy(matorix)−N1xy(domain)|
ΔN2xy=|N2xy(matorix)−N2xy(domain)|
ΔN1z=|N1z(matorix)−N1z(domain)|
ΔN2z=|N2z(matorix)−N2z(domain)|
ここで、
N1xy(domain):第1の光散乱層における散乱体の平面内の平均屈折率
N2xy(domain):第2の光散乱層における散乱体の平面内の平均屈折率
N1xy(matrix):第1の光散乱層におけるマトリックスの平面内の平均屈折率
N2xy(matrix):第2の光散乱層におけるマトリックスの平面内の平均屈折率
N1z(domain):第1の光散乱層における法線方向での散乱体の平均屈折率
N2z(domain):第2の光散乱層における法線方向での散乱体の平均屈折率
N1z(matorix):第1の光散乱層における法線方向でのマトリックスの平均屈折率
N2z(matorix):第2の光散乱層における法線方向でのマトリックスの平均屈折率〕 - 前記ΔN1xyがΔN1zよりも小さいことを特徴とする請求項4に記載の太陽電池用光散乱膜。
- 前記第1の光散乱層中の散乱体の膜表面に平行な面での平均粒径をR1xy、膜表面に対し垂直方向での平均粒径をR1z、前記第2の光散乱層中の散乱体の膜表面に平行な面での平均粒径をR2xy、膜表面に対し垂直方向での平均粒径をR2z、としたきに、当該R1xy、R1z、R2xy、及びR2zが、下記式(IV)及び(V)を満たすことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の太陽電池用光散乱膜。
式(IV):R1xy<R1z
式(V):R2xy>R2z - 前記第1の光散乱層中の散乱体が針状であり、前記第2の光散乱層中の散乱体が円盤状であることを特徴とする請求項6に記載の太陽電池用光散乱膜。
- 光電変換層を有する太陽電池であって、当該光電変換層の少なくとも光が入射する側の面に請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の太陽電池用光散乱膜が配置されていることを特徴とする太陽電池。
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