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JP5359672B2 - 太陽電池用光散乱膜とそれを用いた太陽電池 - Google Patents

太陽電池用光散乱膜とそれを用いた太陽電池 Download PDF

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Description

本発明は、光利用効率が高く、かつ入射角度による光利用効率依存性が改善された太陽電池用光散乱膜とそれを用いた太陽電池に関する。
近年、石油エネルギーの代替エネルギーとして、太陽電池の研究が活発に行われている。
太陽電池には、単結晶シリコン系太陽電池、多結晶シリコン系太陽電池、薄膜シリコン系太陽電池、化合物半導体系太陽電池、色素増感太陽電池などがある。さらに、前記薄膜シリコン系太陽電池には、アモルファスシリコン太陽電池と微結晶シリコン太陽電池がある。さらに、アモルファスシリコン太陽電池と微結晶シリコン太陽電池を積層したタンデム型太陽電池、さらに3つの太陽電池を積層したトリプル型太陽電池などがある。
特に、薄膜シリコン系太陽電池は、その構成材料が地球上に豊富に存在すること、大面積化が容易なこと、構成材料を薄く成膜することができること、構成材料の消費量が少ないこと、技術的な成熟度が高いこと等の優れた特色を持ち注目をあびている。
太陽電池部材は、光電変換効率向上が重要な課題であり、そのために光電変換層の膜厚を厚くする、凹凸表面構造からなる“テクスチャー構造”と呼ばれる構造を設け、光をこの“テクスチャー構造”によって散乱させることにより、光電変換層を通過する光の行路長を長くして、吸収される光の量を増加させる方法が用いられている。
しかしながら、テクスチャー構造上に光電変換層を形成した場合、光電変換層(半導体膜)に多くの欠陥を誘起し、変換効率を悪化させる場合があることや光電変換層の膜厚を上げることによる材料コストのアップや生産速度の低下などの問題が残っている。
一方、特許文献1及び特許文献2には、散乱層を利用して、その上に成膜する半導体層に欠陥を生じさせず、かつ光閉じ込め効果の高い光散乱膜についての解決手段が示されている。しかしながら、文献の方法でも光閉じ込め効率は十分ではなく更なる光電変換効率の改善が求められている。
また、太陽電池を固定して設置した場合に、太陽電池への入射角度が設置場所、時間、季節等により変化するため、発電量も変化するのが一般的である。この問題を解決するために、最大の発電量を得るために自動で最適方向へ向ける装置などもあるが、装置自体が破損することが起こることや設置場所が限定されるなどの問題があり一般的な使用には耐えない。
特開2009−16554号公報 特開2009−16555号公報
本発明は、上記問題にかんがみてなされたものであり、その解決課題は、光利用効率が高く、かつ入射角度による光利用効率依存性が改善された太陽電池用光散乱膜及びそれを用いた太陽電池を提供することである。
本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.マトリックス中に散乱体が含有された光散乱層を少なくとも二層有する太陽電池用光散乱膜であって、(1)太陽光入射側の第1の光散乱層の膜表面が平坦であり、(2)前記第1の光散乱層は、膜面に対して法線方向から入射した光の当該第1の光散乱層での全光線透過率が70%以上であり、(3)前記第1の光散乱層に対し太陽光入射側から遠い側に設置された第2の光散乱層は、膜面に対して法線方向から入射した光の当該第2の光散乱層での全光線透過率が60%以下であり、かつ、(4)前記第1の光散乱層の膜面の法線に対して45°の角度で入射した光に対する当該第1の光散乱層での全光線透過率をT1(45°)、前記第2の光散乱層の膜面の法線に対して45°の角度で入射した光に対する当該第2の光散乱層での全光線透過率をT2(45°)としたときに、当該T1(45°)とT2(45°)が下記式(I)を満たし、かつ(第1の光散乱層と第2の光散乱層を通した)全光線透過率(表)が70%以上であり、(第2の光散乱層と第1の光散乱層を通した)全光線透過率(裏)が60%以下であることを特徴とする太陽電池用光散乱膜。
式(I):T1(45°)>T2(45°)
2.前記マトリックス中の散乱体が、マトリックスとは異なる屈折率を有することを特徴とする第1項に記載の太陽電池用散乱膜。
3.前記太陽電池用光散乱膜を構成する任意の二つ光散乱層において、光電変換層から遠い位置に配置される第1の光散乱層のヘーズ値をHz1(%)、光電変換層に近い位置に配置される第2の光散乱層のヘーズ値をHz2(%)としたときに、当該Hz1とHz2がHz1<Hz2の関係を満たすことを特徴とする第1項又は第2項に記載の太陽電池用光散乱膜。
4.前記第1の光散乱層中のマトリックスの膜表面に平行な面内でのマトリックス及び散乱体の屈折率差をΔN1xy、膜表面に対して法線方向でのマトリックス及び散乱体の屈折率差をΔN1z、第2の光散乱層中のマトリックスの膜表面に平行な面内でのマトリックス及び散乱体の屈折率差をΔN2xy、膜表面に対して法線方向でのマトリックス及び散乱体の屈折率差をΔN2zとしたときに、下記式(II)及び(III)を満たすことを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の太陽電池用光散乱膜。
式(II):ΔN1xy<ΔN1z
式(III):ΔN2xy>ΔN2z
〔但し、式(II)及び式(III)中のΔN1xy、ΔN2xy、ΔN1z及びΔN2zは、下記関係式により定義される。
ΔN1xy=|N1xy(matorix)−N1xy(domain)|
ΔN2xy=|N2xy(matorix)−N2xy(domain)|
ΔN1z=|N1z(matorix)−N1z(domain)|
ΔN2z=|N2z(matorix)−N2z(domain)|
ここで、
N1xy(domain):第1の光散乱層における散乱体の平面内の平均屈折率
N2xy(domain):第2の光散乱層における散乱体の平面内の平均屈折率
N1xy(matrix):第1の光散乱層におけるマトリックスの平面内の平均屈折率
N2xy(matrix):第2の光散乱層におけるマトリックスの平面内の平均屈折率
N1z(domain):第1の光散乱層における法線方向での散乱体の平均屈折率
N2z(domain):第2の光散乱層における法線方向での散乱体の平均屈折率
N1z(matorix):第1の光散乱層における法線方向でのマトリックスの平均屈折率
N2z(matorix):第2の光散乱層における法線方向でのマトリックスの平均屈折率〕
5.前記ΔN1xyがΔN1zよりも小さいことを特徴とする第4項に記載の太陽電池用光散乱膜。
6.前記第1の光散乱層中の散乱体の膜表面に平行な面での平均粒径をR1xy、膜表面に対し垂直方向での平均粒径をR1z、前記第2の光散乱層中の散乱体の膜表面に平行な面での平均粒径をR2xy、膜表面に対し垂直方向での平均粒径をR2z、としたきに、当該R1xy、R1z、R2xy、及びR2zが、下記式(IV)及び(V)を満たすことを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の太陽電池用光散乱膜。
式(IV):R1xy<R1z
式(V):R2xy>R2z
7.前記第1の光散乱層中の散乱体が針状であり、前記第2の光散乱層中の散乱体が円盤状であることを特徴とする第6項に記載の太陽電池用光散乱膜。
8.光電変換層を有する太陽電池であって、当該光電変換層の少なくとも光が入射する側の面に第1項から第7項までのいずれか一項に記載の太陽電池用光散乱膜が配置されていることを特徴とする太陽電池。
本発明の上記手段により、光利用効率が高く、かつ入射角度による光利用効率依存性が改善された太陽電池用光散乱膜及びそれを用いた太陽電池を提供することができる。
太陽電池の一例を示す断面模式図 法線方向に対して45°の入射角度での全光線透過率の測定方法を示す概念図 光電変換層の一例としてpin型光電変換層を示す断面模式図
本発明の太陽電池用光散乱膜は、マトリックス中に散乱体が含有された光散乱層を少なくとも二層有する太陽電池用光散乱膜であって、(1)太陽光入射側の第1の光散乱層の膜表面が平坦であり、(2)前記第1の光散乱層は、膜面に対して法線方向から入射した光の当該第1の光散乱層での全光線透過率が70%以上であり、(3)前記第1の光散乱層に対し太陽光入射側から遠い側に設置された第2の光散乱層は、膜面に対して法線方向から入射した光の当該第2の光散乱層での全光線透過率が60%以下であり、かつ、(4)前記第1の光散乱層の膜面の法線に対して45°の角度で入射した光に対する当該第1の光散乱層での全光線透過率をT1(45°)、前記第2の光散乱層の膜面の法線に対して45°の角度で入射した光に対する当該第2の光散乱層での全光線透過率をT2(45°)としたときに、当該T1(45°)とT2(45°)が前記式(I)を満たし、かつ(第1の光散乱層と第2の光散乱層を通した)全光線透過率(表)が70%以上であり、(第2の光散乱層と第1の光散乱層を通した)全光線透過率(裏)が60%以下であることを特徴とする太陽電池用光散乱膜。この特徴は、請求項1から請求項までの請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、前記マトリックス中の散乱体が、マトリックスとは異なる屈折率を有することが好ましく、前記太陽電池用光散乱膜を構成する任意の二つ光散乱層において、光電変換層から遠い位置に配置される第1の光散乱層のヘーズ値をHz1(%)、光電変換層に近い位置に配置される第2の光散乱層のヘーズ値をHz2(%)としたときに、当該Hz1とHz2がHz1<Hz2の関係を満たす態様であることが好ましい。また、前記第1の光散乱層中のマトリックスの膜表面に平行な面内でのマトリックス及び散乱体の屈折率差をΔN1xy、膜表面に対して法線方向でのマトリックス及び散乱体の屈折率差をΔN1z、第2の光散乱層中のマトリックスの膜表面に平行な面内でのマトリックス及び散乱体の屈折率差をΔN2xy、膜表面に対して法線方向でのマトリックス及び散乱体の屈折率差をΔN2zとしたときに、前記式(II)及び(III)を満たす態様であることが好ましい。また、前記ΔN1xyがΔN1zよりも小さいことが好ましい。
さらに、当該第1の光散乱層中の散乱体の膜表面に平行な面での平均粒径をR1xy、膜表面に対し垂直方向での平均粒径をR1z、当該第2の光散乱層中の散乱体の膜表面に平行な面での平均粒径をR2xy、膜表面に対し垂直方向での平均粒径をR2z、としたき、当該R1xy、R1z、R2xy、及びR2zが、前記式(IV)及び(V)を満たすことが好ましい。また、前記第1の光散乱層中の散乱体が針状であり、前記第2の光散乱層中の散乱体が円盤状であることが好ましい。
本発明の太陽電池用光散乱膜は、光電変換層を有する太陽電池において、当該光電変換層の少なくとも光が入射する側の面に配置されるような態様で好適に用いることができる。
なお、本願において、「マトリックス(matroix)」とは、ドメインを含有し保持する媒体として機能する基材ないし基盤(母体)をいう。本発明においては、後述する各種樹脂等をマトリックスとして用いる。また、「ドメイン(domain)」とは、マトリックスとは異なる屈折率を有し、光を散乱させる機能を有する物質からなる個々に独立した微小領域(光散乱体)をいう。本発明においては、後述する各種無機粒子又は有機粒子をドメインとして用いる。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。
(光散乱膜を備えた太陽電池の基本的構成)
本発明の太陽電池用光散乱膜は、種々のタイプの太陽電池に好適に用いることができる。図1に、本発明の太陽電池用光散乱膜を備えた太陽電池の基本的構成の一例の断面模式図を示す。図1に示された太陽電池1は、基板(透明基体)2の一方の面に、光散乱膜(太陽電池用光散乱膜)3、上部電極層4、光電変換層5及び下部電極層6が積層された基本的構成となっている。以下、各構成要素について説明をする。
(基板)
基板は、一方の光取り込み面から光を入射し、他方の面に光散乱膜が接合されている。
基板は、光電変換層が変換する波長領域において透明な材料からなることが好ましい。基板において光を損失させることがなく、光電変換層での変換効率を向上させることができるためである。透明な材料としては、例えば、ガラス、石英等の無機材料、透明性ポリイミド、耐熱性ポリカーボネートなどの樹脂及び各種樹脂中にフィラーを導入したコンポジット材料などを挙げることができる。
また、基板は、光電変換素子作製の際に熱にさらされるため、耐熱性材料からなることが望ましい。
太陽電池は屋外で使用する場合が多いため、太陽光によって、基板の表面が熱せられる場合があるので、耐熱性や耐候性に優れた素材であると有利である。
(光散乱層)
本発明の光散乱膜は複数の光散乱層を有しており、少なくとも異なる二層以上により構成され、三層以上の構成や光散乱層の間に散乱を起こさない中間層を含む層構成でも構わない。少なくとも散乱膜中には、二層の光散乱層が含まれており、それぞれの光散乱層はマトリックス樹脂と散乱体が分散されている。本発明においては、光散乱層のうち任意の二層を選択した時に、光電変換層からの距離が近い側を第2層、光電変換層からの距離が遠い側の層を第1層と定義する。
光電変換素子へ光を損失なく伝達し、光電変換効率を上げる観点から光散乱膜に含有されるマトリックス樹脂及び散乱粒子は、透明な材料からなることが好ましい。
本発明の光散乱膜は基板の少なくとも一方の面に設けられており、両面に設けられる構成であってもよいし、基板自身が光散乱層であってもよい。
光散乱膜が表層にある場合には、耐候性を持つ素材で構成されることが好ましい。
耐候性の観点から光散乱膜は、平面性の高い耐候性基板の光電変換素子を形成する側に配置されることが好ましい。その際、光散乱層に隣接若しくは近傍の層の平面性を維持するため、表面が平坦であることを要する。
本願において、「表面が平坦である」とは、当該表面の算術平均粗さRaが、10μm以下である。Raは、5μm以下であることが好ましく、2μm以下であることがより好ましく、1μm以下が更に好ましい。散乱膜の面が、平坦な時には光散乱層近傍の層(例えば、上部電極層や、光電変換層等)の作製の際に、意図しない欠陥を生じさせることが少なく高い光電変換効率を達成することができる。表面粗さRaは、市販の触針式表面形状測定機(例えば、株式会社アルバック社製 商品名「Dektak 8」)で測定することができる。
(散乱層透過率)
本発明の太陽電池用光散乱膜は、マトリックス中に散乱体が含有された光散乱層を少なくとも二層有する太陽電池用光散乱膜であって、(1)太陽光入射側の第1の光散乱層の膜表面が平坦であり、(2)前記第1の光散乱層は、膜面に対して法線方向から入射した光の当該第1の光散乱層での全光線透過率が70%以上であり、(3)前記第1の光散乱層に対し太陽光入射側から遠い側に設置された第2の光散乱層は、膜面に対して法線方向から入射した光の当該第2の光散乱層での全光線透過率が60%以下であり、かつ、(4)前記第1の光散乱層の膜面の法線に対して45°の角度で入射した光に対する当該第1の光散乱層での全光線透過率をT1(45°)、前記第2の光散乱層の膜面の法線に対して45°の角度で入射した光に対する当該第2の光散乱層での全光線透過率をT2(45°)としたときに、当該T1(45°)とT2(45°)が下記式(I)を満たし、かつ(第1の光散乱層と第2の光散乱層を通した)全光線透過率(表)が70%以上であり、(第2の光散乱層と第1の光散乱層を通した)全光線透過率(裏)が60%以下であることを特徴とする。
式(I):T1(45°)>T2(45°)
本願でいう「第1の面」とは、入射光が光散乱膜に第1に通過する光取り込み側にあたる面であり、「第2の面」とは入射光が光散乱膜を透過して光電変換層へと向かう側にあたる面である。全光線透過率の測定には、JIS−K7361に従い市販のヘーズメータ(例えば 日本電色工業(株)製 NDH2000など)で測定することができる。
なお、本発明においては、法線方向に対して45°の入射角度での全光線透過率は、図2に従って測定した値である。試料の上に45°の角度を持つ石英プリズムをグリセリンにより空気層を介することなく光を透過できるように設置する。プリズム側にハロゲン光源を利用したコリメート光源を準備し、プリズム面に対して垂直に光を入射させる。プリズム、試料の順に透過し、試料に対して光源と反対側に出斜した光に関して、積分球を用いて光量の測定を行う。図2の構成において、光は、試料中を膜面の法線方向に対して略45°で透過させることができる。
全光線透過率の計算には、試料及びプリズムを配置しない状態での測定において積分球で計測された値を100としてその相対値での比較を行った。
また、T1(45°)>T2(45°)とするための達成手段としては、光に対して異なる特性を持つ二つ以上の層を積層することが挙げられる。具体的には、平板状の粒子や棒状の粒子などの非球状のドメインをマトリックス中に分散配列した層や真球状のドメインを3次元屈折率の異なるマトリックス中に分散させる等により光の進行する角度により異なる散乱特性を示す層を作製し、これらの層を積層構造とする事により単一層では達成できない光学特性とすることができる。
本発明の光散乱膜を使用することにより光電変換効率があがる機構に関しては以下のように考えている。太陽電池用セルに垂直入射した光は70%以上の透過率で到達する。一方、垂直に反射した光は相対的に低く60%以下の透過率となる。太陽電池セル外界から入射した光は十分に光が高い透過率で光電変換層へ到達し同時に光散乱膜により散乱することにより、光電変換層中での光路長が長くなり光電変換効率を上げる。一方、光電変換層で吸収しきれずに反射した光のうち垂直方向に進行する光は光散乱層での透過率が低いため再び光電変換セル方向へと方向を変更するか、若しくは、太陽電池セルと空気界面での全反射を受けて再び光電変換セルへと導かれ光利用効率をあげる。
太陽電池セルと空気界面で全反射する条件は、スネルの法則に従い決定され太陽電池セルの界面素材の屈折率が1.5とした場合約42°である。即ち、42°以内で入射した光に関しては太陽電池セルから外界へと放出されそれ以上の角度で界面に到達した光は全反射を受けて再び光電変換に用いられる。
本発明における、式(1)では臨界角付近での光線の透過率の関係を表しており式(1)を満たすことにより臨界角付近においても上記のような光再利用の効果が得られることを示している。即ち、本発明の条件を満たすことにより臨界角内で太陽電池セルから出斜するすべての光において光の再利用が起こり光利用効率を上昇させることができる。
通常、単層の光散乱膜においては光散乱膜が実質的に平面であれば表裏での透過率の差は達成しえない。本発明においては、光に対して異なる特性を持つ二つの光散乱層を組み合わせさらに順序を規定することにより透過率の異なる光散乱膜を達成している。
本発明において、第2の光散乱層のヘーズ値をHz2(%)、第1の光散乱層のヘーズ値をHz1(%)とした時に、Hz1<Hz2の関係であることが好ましい。
ヘーズは、全光線透過率中の散乱光の度合いを表す尺度である。即ち、ヘーズが大きいほど光は進行と異なる方向に進行する確率が高い。光線の太陽電池セルで入射した光は、第1の光散乱層を透過する際に小さな散乱を受けるが、進行方向はあまり広い分布を持たない。続いて第2の光散乱層において大きな散乱を受けるため進行方向は広い分布を持つ。そのため、入射した光は光電変換層での長い行路長を進行することになり光利用効率は上がる。
次に、光電変換層側から入射した光のうち臨界角内の光、即ち太陽電池セル外へと放出されてしまう光に関して考える。第2の光散乱層を透過した光は、大きな散乱を受け広い角度分布を持つことになる。これは、垂直方向で出斜しようとした光のうち影響を受けずに角度を維持する確率が減ることを意味する。次に、第1の光散乱層へは、大きな分布を持った光として入射することになる。第2の光散乱層においては、垂直でない光の確率が増加するため相対的に第2の光散乱層を透過する際の光路長は長くなり大きな散乱を受ける割合が増加することになり結果的に界面に臨界角外で進行する光が多くなり再度光電変換層へ導かれることにより光利用効率が上がると考えられる。本発明の効果を数式で例えていうと、行列変換によって行列ABの順に作用させるのと、行列BAの順で作用させた場合に同じ作用が出ないのに似た現象であると考えている。
本発明において、第1の光散乱層中のマトリックスの膜表面に平行な面内でのマトリックス及び散乱体の屈折率をΔN1xy、膜表面に対して法線方向でのマトリックス及び乱体の屈折率差をΔN1zとした時に、以下の式(II)を満たすことが好ましい。
式(II):ΔN1xy<ΔN1z
屈折率は、波長により異なる場合があるが光電変換層が光変換できる波長領域全般でこの関係を満たすことが好ましいが、少なくとも光電変換される波長領域のなかの任意の一波長で式(II)の条件を満たすことが好ましい。
なお、式(II)中のΔN1xy、及びΔN1zは、下記関係式により定義される。
ΔN1xy=|N1xy(matorix)−N1xy(domain)|
ΔN1z=|N1z(matorix)−N1z(domain)|
ここで、光散乱膜表面に直行するxy軸及び光散乱膜表面に垂直なz軸を仮想的に設定する。
式中、
N1xy(domain):第1の光散乱層における散乱体の平面内(xy平面内)の平均屈折率
N1xy(matrix):第1の光散乱層におけるマトリックスの平面内(xy平面内)の平均屈折率
N1z(domain):第1の光散乱層における法線方向(z軸方向)での散乱体の平均屈折率
N1z(matorix):第1の光散乱層における法線方向(z軸方向)でのマトリックスの平均屈折率
をそれぞれ表している。
式(II)は、すなわち、第1層中でのドメインと散乱体の屈折率の差に関しての関係を表している。
光は進行方向に垂直な方向の電場振動を持つため、z軸方向に振動する光に対してはドメイン及び散乱体におけるxy平面内での屈折率差に従って散乱を受ける。また、xy平面内を進行する光(膜表面に水平方向に進行する光)に関してはz軸方向のドメインと散乱体の屈折率に従って散乱を受ける。式(II)の関係を満たす層においては、ΔN1xyがΔN1zよりも小さいため、z軸方向(膜面に垂直方向)に進行する光に関しての散乱は、相対的に膜面平行方向に進行する光の散乱よりも小さい。
本発明において、第2の光散乱層中のマトリックスの膜表面に平行な面内でのマトリックス及び散乱体の屈折率をΔN2xy、膜表面に対して法線方向でのマトリックス及び散乱体の屈折率差をΔN2zとした時に、以下の式(III)を満たすことが好ましい。
式(III):ΔN2xy>ΔN2z
屈折率は、波長により異なる場合があるが光電変換層が光変換できる波長領域全般でこの関係を満たすことが好ましいが、少なくとも光電変換される波長領域のなかの任意の一波長で式(III)の条件を満たすことが好ましい。
なお、式(III)中のΔN2xy、及びΔN2zは、下記関係式により定義される。
ΔN2xy=|N2xy(matorix)−N2xy(domain)|
ΔN2z=|N2z(matorix)−N2z(domain)|
ここで、光散乱膜表面に直行するxy軸及び光散乱膜垂直平面にz軸を仮想的に設定する。
式中、
N2xy(domain):第2の光散乱層における散乱体の平面内(xy平面内)の平均屈折率
N2xy(matorix):第2の光散乱層におけるマトリックスの平面内(xy平面内)の平均屈折率
N2z(domain):第2の光散乱層における法線方向(z軸方向)での散乱体の平均屈折率
N2z(matorix):第2の光散乱層における法線方向(z軸方向)でのマトリックスの平均屈折率
をそれぞれ表している。
式(III)も式(II)と同様に、第2層中でのドメインと散乱体の屈折率の差に関しての関係を表している。
式(III)の関係を満たす層においては、ΔN2zがΔN2xyよりも小さいため、xy平面方向(膜面に水平方向)に進行する光に関しての散乱は、相対的に膜面垂直方向に進行する光の散乱よりも小さい。
本発明の式(II)及び式(III)の条件を満たす第1及び第2の散乱層をもつ光散乱層であれば、前記の光利用効率を上昇させる機構が働き光利用効率が上昇する。また、第1の散乱層において、膜表面方向に近い方向に進行する光に対して大きな散乱を受けるために、第2の光散乱層に入射する場合に、散乱により膜垂直方向に進行する光の確率が大きくなり季節や時間などによる光利用効率の依存性の改善につながっているのではないかと推定している。
本発明において第1の光散乱層中の散乱体の膜表面に平行な面での平均粒径をR1xy、膜垂直方向での平均粒径をR1zとした時に式(IV)を満たすことが好ましい。
式(IV):R1xyR1z
散乱膜において、膜表面方向にお互いに直行するxy軸を、また膜表面に垂直な方向にz軸を仮想的に設定する。
式(IV)中、
R1xy:xy平面における散乱体断面の平均粒径
R1z:z平面に平行に散乱体を切断した断面における散乱体のz方向長さ
を表している。
式(IV)では、xy平面での断面での平均粒径が、z平面内での散乱体のz方向長さよりも小さいことを表している。
具体的な散乱体の形状としては、z軸方向に軸を持つ楕円体形状などが考えられる。このような散乱体を持つ散乱層においては、z軸方向に進行する光に対しては散乱が小さく、膜表面方向に進行する光に対しての散乱は大きい。
本発明において、第2の光散乱層中の散乱体の膜表面に平行な面での平均粒径をR2xy、膜垂直方向での平均粒径をR2zとした時に式(IV)を満たすことが好ましい。
式(V):R2xyR2z
散乱膜において、膜表面方向にお互いに直行するxy軸を、また膜表面に垂直な方向にz軸を仮想的に設定する。
式(V)中、
R2xy:xy平面における散乱体断面の平均粒径
R2z:z平面に平行に散乱体を切断した断面における散乱体のz方向長さ
を表している。
式(V)ではxy平面での断面での平均粒径が、z平面内での散乱体のz方向長さよりも大きいことを表している。
具体的な散乱体の形状としては、z軸方向に軸を持つ楕円体形状などが考えられる。このような散乱体を持つ散乱層においては、z軸方向に進行する光に対しては散乱が大きく、膜表面方向に進行する光に対しての散乱は小さい
(マトリックス用素材)
本願において、「マトリックス」とは、光散乱体(ドメイン)を含有し保持する媒体として機能する基材ないし基盤(母体)をいう。
本発明に用いられるマトリックスは、可視光領域で実質的に透明な材料を用いることが好ましい。具体的には、例えばトリアセチルセルロースやセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートのようなセルロースエステル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、架橋ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂などの非晶性熱可塑性樹脂や、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂などの結晶性熱可塑性樹脂などを用いることができる。
また、紫外線硬化性の、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ポリオールアクリレート系樹脂、またはエポキシ樹脂などを用いることができる。
さらに、屈折率を調整する目的で酸化チタン、酸化ジルコニウム等のナノ粒子を添加することも好ましい。
(光散乱体)
光散乱膜2を構成する光散乱粒子の材料としては、例えばアクリル粒子やスチレンアクリル粒子及びその架橋体、メラミン樹脂粒子(メラミン−ホルマリン縮合物の粒子、ベンゾグアナミン−メラミン−ホルムアルデヒド縮合物の粒子)、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合物の粒子、シリコーン樹脂粒子が挙げられる。また、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(ペルフルオロアルコキシ樹脂)、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PVDF(ポリフルオロビニリデン)、及びETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)等の含フッ素ポリマー粒子を用いることができる。また、無機散乱体としてシリカやアルミナ、酸化チタンなどの金属酸化物なども用いることができる。
(製法)
光散乱膜は、マトリックス樹脂中に散乱粒子を分散させた溶液を調製し、この溶液をスピンコーティング法、ロールコート法、スプレー法、バーコート法、ダイコート法、フローコート法あるいはディッピング法などのウエットプロセスを用いて形成することができる。なお、この溶液には、有機溶剤、分散助剤、レベリング剤、及びカップリング剤のような添加剤を含有させることができる。また、マトリックス樹脂として、UV硬化性、熱硬化性の樹脂を使用して上記の方法で製膜したのちに硬化させる手法を用いても良い。本発明において光散乱膜は、複数の光散乱層から構成されている。作製には、上記した複数の方法を組み合わせて積層体を組み合わせて作製することも好ましい。
光電変換層をアモルファスシリコン層で形成する場合には製造工程において熱処理が行われことや太陽電池を屋外で使用する場合に、太陽光によって基板表面が熱せられる場合があるので、耐熱性を有するのが望ましい。230〜250℃で3時間の耐熱性があることが好ましい。
また、光散乱膜は、熱膨張係数が隣接する層の素材に近いことが望ましく、例えばSiを光電変換層として使用する場合には、60ppm/℃よりも小であることが望ましい。
さらにまた、光散乱膜は、紫外線吸収剤を添加する若しくは紫外線吸収機能層を含むことによって、耐紫外線性を具備させることが望ましい。太陽電池を屋外で使用する場合には、太陽光によって基板表面は紫外線に曝されるためである。なお、光散乱膜の外側に紫外線吸収機能層が設けられていてもよい。例えば光散乱膜と基板との間に紫外線吸収機能層が設けられていてもよい。
(上部電極)
上部電極層の材料としては、光を光電変換層まで損失なく透過する観点から、透明導電性酸化物が好ましい。
たとえば、酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化カドミウム(CdO)、酸化インジウムカドミウム(CdIn)、酸化カドミウムスズ(CdSnO)、酸化亜鉛スズ(ZnSnO)、酸化インジウム亜鉛(In−Zn−O)などを挙げることができる。
また、透明導電性酸化物に不純物を添加(ドープ)してもよい。たとえば、酸化インジウムにスズ(Sn)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)をドープしたり、酸化スズにアンチモン(Sb)、フッ素(F)をドープしたり、酸化亜鉛にインジウム、アルミニウム、ガリウム(Ga)をドープしたりすることができる。
特に、酸化スズにフッ素をドープしたものと、酸化亜鉛にガリウムまたはアルミニウムをドープしたものが好ましい。次の光電変換層の形成工程において、上部電極層が水素プラズマに曝されるので、FドープしたSnOあるいはGaドープ若しくはAlドープしたZnOなどのような還元雰囲気に強い材料が好ましいためである。
上部電極層の作製方法は、スパッタリング法、蒸着法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、ゾル−ゲル法などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
(光電変換層)
光電変換層の一例として、pin型光電変換層を図3に示す。光電変換層5は、p型薄膜シリコン層51、i型薄膜シリコン層52、及びn型薄膜シリコン層53が図3に示す順序で積層されて形成されている。
下部電極層6は、下部透明導電電極61及び金属電極62が図3に示す順序で積層されて形成されている。
このように、基板2、上部電極層4、光電変換層5、下部電極層6がこの順序で積層された構造を、以下の説明において「スーパーストレートタイプ」と称する。
光電変換層を構成する材料は、結晶質及び非結晶質シリコンのどちらを用いてもよい。また、結晶質及び非結晶質のシリコンカーバイドあるいはシリコンゲルマニウムなどのシリコンを30%以上含有する材料を用いてもよい。
光電変換層の形成には、プラズマCVD法、光CVD法、Hot−wire CVD法などの作製方法を用いる。特に、プラズマCVD法を用いることが好ましい。プラズマCVD装法は、膜質の良い膜を高い生産性で形成することができるためである。
p型薄膜シリコン層は、光電変換層を形成する過程において、まずp型ドーパントであるボロン、ガリウム、アルミニウムなどをドーピングして形成する。
p型ドーピングに用いる原料は、ボロン源はジボラン、B(CH、BFなどを挙げることができ、ガリウム源はトリメチルガリウム、トリエチルガリウムなどを挙げることができ、アルミニウム源は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムなどを挙げることができるが、これらの材料に限定されるものではない。
また、p型薄膜シリコン層の形成の際に、炭素をドーピングすることにより、p型薄膜シリコン層のバンドギャップを大きくして、より多くの光をi層内に導くことができ、多くのキャリアを生成できる構成としてもよい。この場合の原料の炭素源は、例えばメタンを挙げることができる。
i型薄膜シリコン層は、p型薄膜シリコン層が形成された後、ドーパントをドーピングせずに形成される。
n型薄膜シリコン層は、i型薄膜シリコン層を形成された後、n型ドーパントであるリンなどをドーピングして形成される。
(下部電極)
下部電極層の一例としては、下部透明導電電極と金属電極を順次積層して形成する。
下部電極層の作製方法は、スパッタリング法、蒸着法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、ゾル−ゲル法などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
下部透明導電電極の材料は、導電性があり、透明な酸化物からなる材料であればよい。
たとえば、酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化カドミウム(CdO)、酸化インジウムカドミウム(CdIn)、酸化カドミウムスズ(CdSnO)、酸化亜鉛スズ(ZnSnO)、酸化インジウム亜鉛(In−Zn−O)などを挙げることができる。
また、上記の酸化物に不純物を添加(ドープ)してもよい。たとえば、酸化インジウムにスズ(Sn)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)をドープしたり、酸化スズにアンチモン(Sb)、フッ素(F)をドープしたり、酸化亜鉛にインジウム、アルミニウム、ガリウム(Ga)をドープしたりすることができる。
金属電極の材料は、Al、Au、Ag、Cu、Pt、Crなどの金属が好ましく、Alが特に好ましい。Alは、鏡面反射性を有しており、光を素子内に閉じ込めることができるとともに、光電変換層で生じたキャリアを効率よく取り出すことができるためである。また、上述した金属を含有する合金であってもよい。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
(評価用太陽電池セルの作製)
コーニング1737ガラス基板上にDCマグネトロンスパッタ装置を用いて、ZnO:Ga(Ga:5質量%)セラミックターゲットをスパッタし、ガリウムドープ酸化亜鉛透明導電膜を200nm成膜し、上部電極層を形成した。
プラズマCVD装置により、ガリウムドープ酸化亜鉛透明導電膜上に、膜厚18nmのp型アモルファスシリコンカーバイド層、膜厚280nmのi型アモルファスシリコン層、膜厚25nmのn型アモルファスシリコン層をこの順序で成膜し、光電変換層を形成した。
DCマグネトロンスパッタ装置を用いて、ZnO:Ga(Ga:5質量%)セラミックターゲットをスパッタし、膜厚15nmのガリウムドープ酸化亜鉛透明導電膜を成膜し、下部透明電極を形成した。
最後に、真空蒸着装置により、n型アモルファスシリコン層の上に膜厚100nmのアルミニウムからなる金属電極を成膜して、下部透明電極と金属電極とからなる下部電極を形成して、スーパーストレートタイプの評価用太陽電池セルを作製した。
(光散乱膜の作製)
(光散乱層1の作製)
マトリックス樹脂としてPEN(平均屈折率 1.64 Tg=120℃)、散乱体として球状アルミナ(平均屈折率 1.74 粒径500nm)を用いて、溶融押し出し法によりフィルム製膜を行い、逐次二軸延伸法によりマトリックス樹脂の複屈折を調整することにより光散乱層1を作製した。二軸延伸時の温度は110℃に設定し、溶融製膜方向(以下MD方向とも記載する)及び製膜方向に対して垂直な方向(以下TD方向とも記載する)に対して、それぞれ1.5倍に設定した。また仕上がりの膜厚は10μmとし、マトリックス樹脂(100質量%)に対する散乱体の混入量は2%に設定した。
得られたマトリックス樹脂の屈折率はフィルム平面方向にx、y軸、フィルム膜厚方向をz軸とした時に(Nx、Ny、Nz)=(1.69、1.69、1.54)であった。
マトリックス樹脂の屈折率の調整は、延伸倍率を上げることで延伸方向に上昇し、非延伸方向は下がることを利用して調整できる。また、延伸時の温度がTgよりも低温であるほど、同一延伸倍率時の屈折率の変化は高くなる傾向でありこれらを組み合わせて調整することができる。また、延伸終了後にアニール処理をすることにより、屈折率を等方的に近づけることも可能であり、この処理を行うことにより散乱体付近に発生するボイドを消滅させることができる。
(光散乱層2の作製)
マトリックス樹脂としてPEN(平均屈折率 1.64 Tg=120℃)、散乱体として球状架橋ポリスチレン粒子(平均屈折率 1.59 粒径1μm)を用いて、溶融押し出し法と逐次二軸延伸法により光散乱層2を作製した。二軸延伸時の温度は110℃に設定し、溶融製膜方向(以下MD方向とも記載する)及び製膜方向に対して垂直な方向(以下TD方向とも記載する)に対して、それぞれ1.5倍に設定した。また仕上がりの膜厚は10μmとし、マトリックス樹脂(100質量%)に対する散乱体の混入量は2.5質量%に設定した。
得られたマトリックス樹脂の屈折率はフィルム平面方向にx、y軸、フィルム膜厚方向をz軸とした時に(Nx、Ny、Nz)=(1.69、1.69、1.54)であった。
(光散乱膜の作製)(試料1)
光散乱層1及び2を透明両面テープ(膜厚さ5μm 積水化学社製#5511)により接着し、積層の太陽電池用光散乱膜(試料1)を得た。
(評価用太陽電池セルの作製)
光散乱膜試料のガラス基板に前記の透明両面テープを用いて接着し、評価用太陽電池セルを作製した。
上記と同様の手法を用いて、試料2から5を作製した。
(評価手法)
(全光線透過率の測定)
全光線透過率の測定には、JIS−K7361に従いヘーズメータ(日本電色工業(株)NDH2000)を用いて測定を行った。
測定に際には、光散乱層に対して表(太陽電池セルに外界から光が入斜するのと同じ方向で光が入斜する配置にして測定)、裏(太陽電池セルから外界へ光が出斜するのと同じ方向で光が入斜する配置にして測定)の二回の測定を行った。
また、この測定を通して得られたヘーズ値をそれぞれHz1、Hz2とした。
(ヘーズ値の測定)
ヘーズの測定には、JIS−K7361に従いヘーズメータ(日本電色工業(株)NDH2000)を用いて測定を行った。光散乱膜は複数の光散乱膜からなっており、太陽電池セルの外界から光電変換層へ光が進行する際に外界に近い側の層のヘーズ値をHz1、光電変換層に近い側の層のヘーズ値をHz2とした。
(斜め入射全光線透過率(T1(45°)、T2(45°))の測定)
ハロゲンランプを光源にしたコリメート光源、45°、45°、90°の角度を持つ二等辺三角形状の石英プリズム、グリース、試料、積分球を準備した。
に示されるように、コリメートされた光がプリズム、グリース、試料、積分球の順で透過するように測定系を作製した。なお、光はプリズムに入射する際にプリズム面に対して垂直方向から入射するように、またプリズムの45°の角度で挟まれた辺が試料面に向かう形で設置した。プリズムと試料の間は空気層が入らないようにグリースにより密着させるようにした。
プリズム、グリース、試料のない状態で光源から積分球に入斜した光の強度を100とし、これを基準にして試料のT1(45°)、T2(45°)を測定し比較を行った。
ここでT1(45°)は太陽電池セルの外界から光電変換層へ光が入斜するように試料を配置した場合の測定値であり、T2(45°)は太陽電池セルの光電変換層側から太陽電池セル外界へ光が向かう方向での測定値である。
(平面性の測定)
触針式表面形状測定器(株式会社アルバック社製 Dektak 8)を用いて、表面形状を測定しRaを求めた。試料表及び裏のRaがいずれも10μm以下の場合には実質的に平面であるとした。
(光利用効率の測定)
25℃の環境中において、ソーラーシミュレータによりAM1.5、100mW/cmの条件で変換効率の測定を行った。
(斜め入射時の光利用効率の測定)
上記の光利用効率の測定系において、太陽電池セルを45°傾けた状態での測定を行い変換効率の測定を行った。
得られた試料1から5に関して表1に結果をまとめて記載する。
Figure 0005359672
表1の結果から明らかなように、本発明の試料1及び2はどの条件においても変換効率が高く良好な結果が得られた。複数層の構成からなる光散乱層であり、透過率及びヘーズを所望の範囲に調整することにより光利用効率は良好な結果となった。また、試料3(比較例)は光散乱層の法線に対して45°方向から入射した場合の変換効率が低い結果となった。
(実施例2)
(光散乱層1の作製)
マトリックス樹脂としてPEN(平均屈折率 1.64 Tg=120℃)、散乱体として球状アルミナ(平均屈折率 1.74 粒径500nm)を用いて、溶融押し出し法によりフィルム製膜を行い、逐次二軸延伸法によりマトリックス樹脂の複屈折を調整することにより光散乱層1を作製した。二軸延伸時の温度は110℃に設定し、溶融製膜方向(以下MD方向とも記載する)及び製膜方向に対して垂直な方向(以下TD方向とも記載する。)に対して、それぞれ1.5倍に設定した。また仕上がりの膜厚は10μmとし、マトリックス樹脂(100質量%)に対する散乱体の混入量は1.5%に設定した。
得られたマトリックス樹脂の屈折率はフィルム平面方向にx、y軸、フィルム膜厚方向をz軸とした時に(Nx、Ny、Nz)=(1.69、1.69、1.54)であった。
マトリックス樹脂の屈折率の調整は、延伸倍率を上げることで延伸方向に上昇し、非延伸方向は下がることを利用して調整できる。また、延伸時の温度がTgよりも低温であるほど、同一延伸倍率時の屈折率の変化は高くなる傾向でありこれらを組み合わせて調整することができる。また、延伸終了後にアニール処理をすることにより、屈折率を等方的に近づけることも可能であり、この処理を行うことにより散乱体付近に発生するボイドを消滅させることができる。
(光散乱層2の作製)
マトリックス樹脂としてPEN(平均屈折率 1.64 Tg=120℃)、散乱体として球状架橋ポリスチレン粒子(平均屈折率 1.59 粒径1μm)を用いて、溶融押し出し法と逐次二軸延伸法により光散乱層2を作製した。二軸延伸時の温度は110℃に設定し、溶融製膜方向(以下MD方向とも記載する)及び製膜方向に対して垂直な方向(以下TD方向とも記載する)に対して、それぞれ1.5倍に設定した。また仕上がりの膜厚は10μmとし、マトリックス樹脂(100質量%)に対する散乱体の混入量は3.2質量%に設定した。
得られたマトリックス樹脂の屈折率はフィルム平面方向にx、y軸、フィルム膜厚方向をz軸とした時に(Nx、Ny、Nz)=(1.69、1.69、1.54)であった。
(光散乱膜(試料6)の作製)
光散乱層1及び2を透明両面テープ(膜厚さ5μm 積水化学社製#5511)により接着し、積層の太陽電池用光散乱膜(試料6)を得た。
得られた試料6と前記実施例1の試料1の評価結果を表2に示す。
Figure 0005359672
光散乱層の散乱体の量調整により各層のヘーズ値を調整した試料6は良好な光変換効率が見られた。
(実施例3)
(光散乱膜の作製)
(光散乱層1の作製)
マトリックス樹脂としてPEN(平均屈折率 1.64 Tg=120℃)、散乱体として球状アルミナ(平均屈折率 1.74 粒径600nm)を用いて、溶融押し出し法によりフィルム製膜を行い、逐次二軸延伸法によりマトリッス樹脂の複屈折を調整することにより光散乱層1を作製した。二軸延伸時の温度は110℃に設定し、溶融製膜方向(以下MD方向とも記載する)及び製膜方向に対して垂直な方向(以下TD方向とも記載する)に対して、それぞれ1.5倍に設定した。また仕上がりの膜厚は10μmとし、マトリックス樹脂(100質量%)に対する散乱体の混入量は2.2%に設定した。
得られたマトリックス樹脂の屈折率はフィルム平面方向にx、y軸、フィルム膜厚方向をz軸とした時に(Nx、Ny、Nz)=(1.69、1.69、1.54)であった。
マトリックス樹脂の屈折率の調整は、延伸倍率を上げることで延伸方向に上昇し、非延伸方向は下がることを利用して調整できる。また、延伸時の温度がTgよりも低温であるほど、同一延伸倍率時の屈折率の変化は高くなる傾向でありこれらを組み合わせて調整することができる。また、延伸終了後にアニール処理をすることにより、屈折率を等方的に近づけることも可能であり、この処理を行うことにより散乱体付近に発生するボイドを消滅させることができる。
(光散乱層2の作製)
マトリックス樹脂としてPEN(平均屈折率 1.64 Tg=120℃)、散乱体として球状架橋ポリスチレン粒子(平均屈折率 1.59 粒径1μm)を用いて、溶融押し出し法と逐次二軸延伸法により光散乱層2を作製した。二軸延伸時の温度は110℃に設定し、溶融製膜方向(以下MD方向とも記載する)及び製膜方向に対して垂直な方向(以下TD方向とも記載する)に対して、それぞれ1.5倍に設定した。また仕上がりの膜厚は10μmとし、マトリックス樹脂(100質量%)に対する散乱体の混入量は2.5質量%に設定した。
得られたマトリックス樹脂の屈折率はフィルム平面方向にx、y軸、フィルム膜厚方向をz軸とした時に(Nx、Ny、Nz)=(1.69、1.69、1.54)であった。
(光散乱膜(試料12)の作製)
光散乱層1及び2を透明両面テープ(膜厚さ5μm 積水化学社製#5511)により接着し、積層の太陽電池用光散乱膜(試料12)を得た。
(光散乱膜(試料11)の作製)
試料12作製の際に、第2の光散乱層の逐次二軸延伸を行わずに仕上がり膜厚を10μmに設定し、更に130℃でアニールした散乱層を用いて光散乱膜(試料11)を得た。このときのマトリックス樹脂は異方性を持たず(Nx,Ny,Nz)=(1.64,1.64,1.64)であった。
(光散乱膜(試料10)の作製)
試料12作製の際に、第1の光散乱層の逐次二軸延伸を行わずに仕上がり膜厚を10μmに設定し、更に130℃でアニールした散乱層を用いて光散乱膜(試料10)を得た。このときのマトリックス樹脂は異方性を持たず(Nx,Ny,Nz)=(1.64,1.64,1.64)であった。
(光散乱膜(試料9)の作製)
試料12作製の際に、第1及び第2の光散乱層の逐次二軸延伸を行わずに仕上がり膜厚を10μmに設定し、更に130℃でアニールした散乱層を用いて光散乱膜(試料9)を得た。このときのマトリックス樹脂は異方性を持たず(Nx,Ny,Nz)=(1.64,1.64,1.64)であった。
試料9から12の評価結果を表3にまとめて記載する。
Figure 0005359672
発明の試料光散乱膜10から12は良好な光変換効率を達成した。特に試料12は屈折率の関係上本発明の光閉じ込めの機能を良好に発揮したため正面及び斜め方向いずれの入射角においても良好な結果であった。
(実施例4)
(光散乱膜の作製)
(光散乱層2の作製)
マトリックス樹脂として酸化チタンナノ粒子の混合により高屈折率化したポリスチレン(平均屈折率 1.7 Tg=95℃)、散乱体として円盤状アルミナ粒子(平均屈折率1.74 厚さ(R2z)=60nm 粒径(R2xy)=300nm)を用いて、溶融押し出し法によりフィルム製膜を行い、逐次二軸延伸法によりマトリッス樹脂の複屈折を調整することにより光散乱層2を作製した。二軸延伸時の温度は82℃に設定し、溶融製膜方向(以下MD方向とも記載する)及び製膜方向に対して垂直な方向(以下TD方向とも記載する)に対して、それぞれ1.4倍に設定した。また仕上がりの膜厚は10μmとし、マトリックス樹脂(100質量%)に対する散乱体の混入量は3.3%に設定した。
得られたマトリックス樹脂の屈折率はフィルム平面方向にx、y軸、フィルム膜厚方向をz軸とした時に(Nx、Ny、Nz)=(1.69、1.69、1.72)であった。
マトリックス樹脂の平均屈折率の調整には、酸化チタンナノ粒子とポリスチレン樹脂の体積%比と屈折率の関係で決定される。ポリスチレン樹脂は負の複屈折を発現する樹脂であり、延伸を行うと延伸方向と垂直な方向に屈折率が上昇し、延伸方向の屈折率は下がることを利用して調整できる。また、延伸時の温度がTgよりも低温であるほど、同一延伸倍率時の屈折率の変化は高くなる傾向でありこれらを組み合わせて調整することができる。また、延伸終了後にアニール処理をすることにより、屈折率を等方的に近づけることも可能であり、この処理を行うことにより散乱体付近に発生するボイドを消滅させることができる。
(光散乱膜(試料13)の作製)
上記で得られた光散乱層2上に、UV硬化樹脂(屈折率 1.58)と針状炭酸カルシウムの混合物を塗布した後に磁場により垂直に配向させた後に、紫外線により硬化を行った。光散乱膜(試料13)の膜厚は12μmとなるように設定した。なお、針状炭酸カルシウムは(Nxy,Nz)=(1.68,1.53)であり、(Rxy,Rz)=(0.5μm,2μm)である。
上記の方法で得られた光散乱膜(試料13)を実施例1と同様に透明両面粘着テープにより、太陽電池に貼合して評価を行った。また、試料13の貼合の表裏を逆にして評価を行った結果を試料14として評価した。
結果を表4に示す。
Figure 0005359672
表4から明らかなように、式(IV)及び(V)を満たす本発明の光散乱層は良好な効率を示した。
以上の結果に基づき、本発明の手段により、光利用効率が高く、かつ入射角度による光利用効率依存性が改善された太陽電池用光散乱膜及びそれを用いた太陽電池を提供することができることが分かる。
1 太陽電池
2 基板(透明基体)
2a 光取り出し面
2b 光取り込み面2aの反対側の面
3 光散乱膜(太陽電池用光散乱膜)
3A 第1の光散乱層
3B 第2の光散乱層
3a 平坦面
4 上部電極層
5 光電変換層
6 下部電極層
7 プリズム
8 試料
9 積分(球)
23 光学部材(太陽電池用光学部材)
51 p型薄膜シリコン層
52 i型薄膜シリコン層
53 n型薄膜シリコン層
61 下部透明導電電極
62 金属電極
P 光

Claims (8)

  1. マトリックス中に散乱体が含有された光散乱層を少なくとも二層有する太陽電池用光散乱膜であって、(1)太陽光入射側の第1の光散乱層の膜表面が平坦であり、(2)前記第1の光散乱層は、膜面に対して法線方向から入射した光の当該第1の光散乱層での全光線透過率が70%以上であり、(3)前記第1の光散乱層に対し太陽光入射側から遠い側に設置された第2の光散乱層は、膜面に対して法線方向から入射した光の当該第2の光散乱層での全光線透過率が60%以下であり、かつ、(4)前記第1の光散乱層の膜面の法線に対して45°の角度で入射した光に対する当該第1の光散乱層での全光線透過率をT1(45°)、前記第2の光散乱層の膜面の法線に対して45°の角度で入射した光に対する当該第2の光散乱層での全光線透過率をT2(45°)としたときに、当該T1(45°)とT2(45°)が下記式(I)を満たし、かつ(第1の光散乱層と第2の光散乱層を通した)全光線透過率(表)が70%以上であり、(第2の光散乱層と第1の光散乱層を通した)全光線透過率(裏)が60%以下であることを特徴とする太陽電池用光散乱膜。
    式(I):T1(45°)>T2(45°)
  2. 前記マトリックス中の散乱体が、マトリックスとは異なる屈折率を有することを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用散乱膜。
  3. 前記太陽電池用光散乱膜を構成する任意の二つ光散乱層において、光電変換層から遠い位置に配置される第1の光散乱層のヘーズ値をHz1(%)、光電変換層に近い位置に配置される第2の光散乱層のヘーズ値をHz2(%)としたときに、当該Hz1とHz2がHz1<Hz2の関係を満たすことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の太陽電池用光散乱膜。
  4. 前記第1の光散乱層中のマトリックスの膜表面に平行な面内でのマトリックス及び散乱体の屈折率差をΔN1xy、膜表面に対して法線方向でのマトリックス及び散乱体の屈折率差をΔN1z、第2の光散乱層中のマトリックスの膜表面に平行な面内でのマトリックス及び散乱体の屈折率差をΔN2xy、膜表面に対して法線方向でのマトリックス及び散乱体の屈折率差をΔN2zとしたときに、下記式(II)及び(III)を満たすことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の太陽電池用光散乱膜。
    式(II):ΔN1xy<ΔN1z
    式(III):ΔN2xy>ΔN2z
    〔但し、式(II)及び式(III)中のΔN1xy、ΔN2xy、ΔN1z及びΔN2zは、下記関係式により定義される。
    ΔN1xy=|N1xy(matorix)−N1xy(domain)|
    ΔN2xy=|N2xy(matorix)−N2xy(domain)|
    ΔN1z=|N1z(matorix)−N1z(domain)|
    ΔN2z=|N2z(matorix)−N2z(domain)|
    ここで、
    N1xy(domain):第1の光散乱層における散乱体の平面内の平均屈折率
    N2xy(domain):第2の光散乱層における散乱体の平面内の平均屈折率
    N1xy(matrix):第1の光散乱層におけるマトリックスの平面内の平均屈折率
    N2xy(matrix):第2の光散乱層におけるマトリックスの平面内の平均屈折率
    N1z(domain):第1の光散乱層における法線方向での散乱体の平均屈折率
    N2z(domain):第2の光散乱層における法線方向での散乱体の平均屈折率
    N1z(matorix):第1の光散乱層における法線方向でのマトリックスの平均屈折率
    N2z(matorix):第2の光散乱層における法線方向でのマトリックスの平均屈折率〕
  5. 前記ΔN1xyがΔN1zよりも小さいことを特徴とする請求項4に記載の太陽電池用光散乱膜。
  6. 前記第1の光散乱層中の散乱体の膜表面に平行な面での平均粒径をR1xy、膜表面に対し垂直方向での平均粒径をR1z、前記第2の光散乱層中の散乱体の膜表面に平行な面での平均粒径をR2xy、膜表面に対し垂直方向での平均粒径をR2z、としたきに、当該R1xy、R1z、R2xy、及びR2zが、下記式(IV)及び(V)を満たすことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の太陽電池用光散乱膜。
    式(IV):R1xy<R1z
    式(V):R2xy>R2z
  7. 前記第1の光散乱層中の散乱体が針状であり、前記第2の光散乱層中の散乱体が円盤状であることを特徴とする請求項6に記載の太陽電池用光散乱膜。
  8. 光電変換層を有する太陽電池であって、当該光電変換層の少なくとも光が入射する側の面に請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の太陽電池用光散乱膜が配置されていることを特徴とする太陽電池。
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