JP5358832B2 - 食肉スライサーおよび食肉スライス方法 - Google Patents
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Description
この食肉スライサーは、肉箱の底部コンベヤ上に載置された食肉をコンベヤに向けて押圧する押え装置を、コンベヤ側に押圧するばねを設けて食肉の大きさが変わっても安定したスライス性能が得られるようにしている。
一方、コマギレ肉と異なり単一の食肉塊をスライスする場合には、トレーへの盛付姿勢が一様でなく、二つ折りして鱗状に並らべたり、切り落としと呼ばれる一枚毎にとぐろ巻き状にして並らべたり、或いは形を整えるために前後に切り出されたスライス肉片を組み合わせたり、場合によっては正確に計量しながら盛付けたりするので機械化が困難であり、スライス肉片を一旦コンベヤ上に広げられ状態で取り出してから、人手により所望の盛付を行うことにならざるを得ないのが実情である。
搬出コンベヤの始端部が、スライス肉片の受取位置に出退自在とされると便利である。
また、食肉移送樋が左右側壁と、底部コンベアと、上部押圧部材とで形成される四角形の断面を有し、上部押圧部材が固定された状態と上下動可能な状態とのいずれかでスライス作業が可能であり、コマギレ肉をスライスするときには上部押圧部材を固定して定量でスライスしトレーに盛付けて搬出することが可能であり、単一の食肉塊をスライスのときには上部押圧部材を上下動させて食肉塊を押圧してスライスし搬出コンベヤによって搬出することによって生産アイテムに応じて所望する後作業を行うことができる。
食肉スライサーは、載置された食肉塊の送り出し手段を備えた食肉移送樋と、食肉移送樋の出口付近に設けられた刃と、刃によって切削されたスライス肉片を所定の受取位置で受取って機外に搬出する搬出手段とを具備する。
食肉移送樋は、機台2の後部左右側壁から一体的に突設させた支持軸3を中心として水平位置付近における一定角度範囲内で上下に揺動できるように支持されている。
食肉移送樋は、単一の食肉移送樋としてもよいが、出口付近における断面積が略等しい複数の食肉移送樋を、適宜間隔を保って並列させて一体とした構成とすることが望ましく本例においては図3に示すように2組の食肉移送樋1a,1bとで構成されている。
また、食肉移送樋1a,1bの左右両側には側壁5、5が後部から出口に亘って立設されるとともに、食肉移送樋1a,1bの出口付近の上部位置には、この側壁5、5と底部コンベヤ4の上面とによって食肉塊の送り出し方向に断面形状が四角形の移送路を形成する上部押圧部材として上部コンベヤ6、6が設けられる。この上部押圧部材は必ずしもコンベヤでなくともよく単なる平板状であってもよい。
この食肉移送樋1a,1bの後半部(支持軸3側)は上部コンベヤ6がなく開放されている上に揺動中心点に近いので食肉移送樋1a,1bの動きが少なく食肉移送樋1a,1b内への食肉塊の供給が容易にしかも安全にできる。
この上部コンベヤ6、6は、下側の食肉塊との当接面が出口側に向けて漸次前下がり状に傾斜していて食肉塊を底部コンベヤとで挟持して送り出しながら圧縮して均一性を高めるようにしている。
また、上部コンベヤ6,6は後部のローラー6bの軸心を中心として上下に揺動可能に、食肉移送樋1a,1bに取り付けられているエアーシリンダー6c、6cに連結支持されている。
この回転体9を、食肉移送樋1の上動速度に関連させて図示しないがサーボモーターを用いて回転させることでスライス肉片を広げられた状態で常に定位置に来るよう整然と取り出すことができる。この回転体9は、必ずしも円筒形でなくとも無端帯で構成したものであっても良い。
本例においては、2系統の搬出手段、即ち第一搬出手段と第二搬出手段とが設けられていて、前述の上部押圧部材の切り替えに関連して使い分けが可能とされる。
受取位置においてスライス肉片が盛付けられたトレー11を搬出する移送部材には、移送帯12が延長されたものでもよいが後処理の都合などから別のベルトコンベヤなどを連結したものでも良い。
搬出コンベヤ17は本例においては、第一搬出手段におけるトレー11の移送方向とは直交してスライス肉片の移送方向に沿って走行するように設けられる。
搬出コンベヤ17は、図示しないモーターなどの駆動装置が連結された駆動ローラーと始端部から終端部などに設けられた複数のローラー間に掛け回されたベルトコンベヤで構成されている。
搬出コンベヤ17の始端部は、図4に示すように回転体9の外周とで形成されるデルタ状の谷間に剥離ローラー10をお互いに近接させて回転体9の周面と搬出コンベヤ17の上面とで挟むように配置し、回転体9の周面に付着して移送されるスライス肉片mの先端部を、回転体9の走行方向に対して剥離ローラー10を逆向きに回転させて剥ぎ取り、方向を略90度変えて搬出コンベヤ17に向けて誘導する。
剥離ローラー10は、スライス肉片mが付着して引き込まれないように比較的少径(6mm〜30mm)の丸棒が使用されているので、スライス肉片mは搬出コンベヤ17との当接面側には引き込まれることなくスムーズに乗り継ぐことができる。
搬出コンベヤ17の走行速度は乗り継ぎ部でスライス肉片mが停滞しないように回転体9の周速度と同等以上とすることが望ましい。
この第二搬出手段は、主に単一の食肉塊をスライスするときに使用されるのでスライス肉片mがコマギレ肉に比較すれば大形であり図4に示すように移送されるスライス肉片mの前半部が乗り移れば剥離ローロー10によって引き込まれるおれがない。
即ち、搬出コンベヤ17の始端部は、回転体9と剥離ローラー10とに近接したスライス肉片の受取位置から剥離ローラー10によって剥ぎ取られたスライス肉片がトレー11内に落下する通路が確保できるように適宜な手段を講じて水平方向に退却自在となるように構成する。
搬出コンベヤ17を走行させる駆動モーターはスライサーの制御装置に連結すると便利である。
まず複数の食肉塊を食肉移送樋1a,1b内に相互に接触させて詰め込み、複数の食肉塊を同時にスライスして得られるコマギレ肉のスライス方法について述べる。
この場合には、先ず食肉移送樋1a,1bにおける上部コンベヤ6,6を食肉移送樋1a,1bの所定位置に固定する。固定する位置を定めるには、まずスライス厚みと食肉移送樋1における出口付近の断面四角形状の面積とによって一回にスライスされる体積を計算し、食肉移送樋1内の食肉塊の詰まり具合から経験的に得られる見かけの比重を乗じて重量を算出する。
本例においては、一回にスライスされる重量を基準にしてトレー11への投入回数、即ち盛付量を決めるので希望する盛付量になるように上部コンベヤ6の位置を定めて断面四角形状の面積を調整する。
例えば豚のもも肉などのコマギレ肉をスライスする場合において、食肉移送樋1内への食肉塊を充満するよう詰め込み、食肉移送樋1a,1bそれぞれの出口付近の断面寸法を幅145mm、縦150mmとし、スライス厚みを2mmにするとそれぞれの食肉移送樋1a、1bの出口において一回にスライスされる量が略50gになるので、上部コンベヤ6の底部コンベヤ6との対向面から底部コンベヤ6の上面までの距離を150mmとなる位置に上部コンベヤ6を固定する。
この際に食肉移送樋1a、1bの出口付近の断面積は、同一のトレーに両方の食肉移送樋1a、1bの両方から投入されても定量性を損なうことがないように、略同一となるように特に上部コンベヤ6の固定位置には注意が必要である。
ここで、生産量の多い200gを盛付けたトレーを得ようとすれば一つのトレー11に対して50gずつ4回分を投入すればよく、食肉移送樋1a,1bのそれぞれから2回ずつに分けて投入させるようにトレー11を移送してもよい。
このコマギレ肉を定量でスライスするためには、本例の食肉スライサーでは食肉移送樋1a,1b内へ複数個の食肉塊を均一になるようしかも食肉塊同士を接触させて隙間なく充満するよう詰め込ことが必要である。
この場合、食肉塊は外形寸法が不揃いであり高さ寸法(切断方向の長さ寸法、図3の上下方向の寸法)も一様でない。従って上部コンベヤ6は食肉塊のスライスされる箇所に近い所を押圧しないと正確にスライスすることができないので前述したコマギレ肉のときと異なり食肉塊の高さ寸法に順応して上下移動できるようにエアーシリンダー6c、6cで支持させる。
搬出コンベヤ17を駆動するモーターはスライサー本体の制御装置と連結してスライス動作に関連させて搬出コンベヤ17を走行させて所望の受取形態とする。
4 底部コンベヤ
5 側壁
6 上部コンベヤ
9 回転体
10 剥離ローラー
11 トレー
12 トレー移送帯
17 搬出コンベヤ
Claims (5)
- 食肉塊の送り出し手段を備えた食肉移送樋と、食肉移送樋の出口付近に設けられた刃と、刃によって切削されたスライス肉片を受取って機外に搬出する搬出手段を具備した食肉スライサーであって、食肉移送樋は少なくとも出口付近において左右に対向する側壁と、底部コンベアと、上部押圧部材とで形成される四角形の断面を有し、上部押圧部材が所定位置に固定された状態と上下動可能な状態とに切り替え可能にされているとともに、トレーを受取位置まで移送してスライス肉片を受取らせてから搬出する移送部材からなる第一搬出手段と、始端部を受取位置に臨ませてコンベヤ上にスライス肉片を受取る搬出コンベヤからなる第二搬出手段とを設けて、上部押圧部材の切り替えに関連していずれかの搬出手段によってスライス肉片を機外に搬出するようにした食肉スライサー。
- 食肉移送樋が、出口付近における断面積が略等しい複数の食肉移送樋を適宜の間隔を保って並列させて一体とした構成であって、各食肉移送樋の出口付近における断面積が略同じになる位置に上部押圧部材を固定できるようにした請求項1に記載の食肉スライサー。
- トレーの移送部材が、スライス肉片の移送方向に直交してトレーを移送する移送帯からなり、搬出コンベアはスライス肉片の移送方向に沿って走行するベルトコンベヤからなる請求項1または請求項2のいずれかに記載の食肉スライサー。
- 搬出コンベヤは、スライス肉片の受取位置に始端部を出退自在とされた請求項1から請求項3のいずれかに記載の食肉スライサー。
- 請求項1から請求項4のいずれかに記載の食肉スライサーを使用して、上部押圧部材を固定して、食肉移送樋に複数の食肉塊を相互に接触させて詰め込み、複数の食肉塊を同時にスライスしてコマギレ肉とし、第一搬出手段を使用してコマギレ肉をトレーに盛付け機外に搬出するようにした食肉スライス方法。
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