JP5357677B2 - Variable displacement vane pump - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、自動車用の可変容量ベーンポンプに関する。 The present invention relates to a variable displacement vane pump for an automobile.
従来の可変容量ベーンポンプとして、特許文献1に開示されるものが知られている。この特許文献1に開示される可変容量ベーンポンプは、回転軸回りに回転する略円柱状の外周面を有する回転部と、外周面に形成された複数のスリットのそれぞれに突没可能に収容された複数のベーンと、円筒形の内周面が回転部を取り囲むように配置されるカムリングと、複数のベーンに挿通され、各ベーンの先端がそれぞれカムリングの内周面に摺接するように各ベーンを径方向に保持する環状のワイヤリングとを、備えている。 As a conventional variable displacement vane pump, one disclosed in Patent Document 1 is known. The variable displacement vane pump disclosed in Patent Document 1 is housed in a rotatable manner having a substantially cylindrical outer peripheral surface that rotates around a rotation axis and a plurality of slits formed on the outer peripheral surface so as to protrude and retract. A plurality of vanes, a cam ring arranged so that a cylindrical inner peripheral surface surrounds the rotating portion, and a plurality of vanes are inserted into the vanes so that the tip of each vane is in sliding contact with the inner peripheral surface of the cam ring. And an annular wiring ring that is held in the radial direction.
また、回転部の外周面とカムリングの内周面との間に形成される環状室を、その先端を内周面に接触させた複数のベーンによって複数の容積室に区画するとともに、カムリングを回転軸に対して偏心して配置した状態で回転部を回転させることにより、容積室を回転軸回りに回転させつつ周期的に拡縮して、各容積室に吸入した流体を吐出するようになっている。 In addition, the annular chamber formed between the outer peripheral surface of the rotating part and the inner peripheral surface of the cam ring is partitioned into a plurality of volume chambers by a plurality of vanes whose tips are in contact with the inner peripheral surface, and the cam ring is rotated. By rotating the rotating part in a state of being eccentric with respect to the shaft, the volume chamber is periodically expanded and contracted while rotating around the rotation axis, and the fluid sucked into each volume chamber is discharged. .
上記従来の可変容量ベーンポンプでは、複数のベーンに設けられ、環状のワイヤリングが挿通される貫通孔断面を鼓状にしているので、貫通孔を両側から加工する必要があり、加工コストが高くなるという課題がある。 In the conventional variable displacement vane pump, the cross section of the through hole through which the annular wire ring is inserted is provided in a plurality of vanes, and the through hole needs to be processed from both sides, which increases the processing cost. There are challenges.
そこで、本発明は、ベーンの貫通孔の加工コストを削減できる可変容量ベーンポンプを得ることを目的とする。 Then, an object of this invention is to obtain the variable capacity | capacitance vane pump which can reduce the processing cost of the through-hole of a vane.
本発明にあっては、可変容量ベーンポンプのベーンに設けられ環状のワイヤリングが挿通される貫通孔の孔径の一端側を小さく、他端側を大きく設定したことを特徴とする。 The present invention is characterized in that one end side of the diameter of the through hole provided in the vane of the variable capacity vane pump and through which the annular wire ring is inserted is set small and the other end side is set large.
本発明によれば、環状のワイヤリングが挿通される貫通孔の孔径の一端側を小さく、他端側を大きく設定したことで、一方向からの加工で貫通孔が形成できるため、貫通孔の加工コストを削減することができる。 According to the present invention, since one end side of the hole diameter of the through hole through which the annular wire ring is inserted is set small and the other end side is set large, the through hole can be formed by processing from one direction. Cost can be reduced.
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。 DESCRIPTION OF EXEMPLARY EMBODIMENTS Hereinafter, preferred embodiments of the invention will be described in detail with reference to the drawings. Note that similar components are included in the following embodiments. Therefore, common reference numerals are given to those similar components, and redundant description is omitted.
<第1実施形態>
図1〜図5は、本発明の第1実施形態を示している。これらのうち、図1は、本実施形態にかかる可変容量ベーンポンプが用いられるシステムの一例を示すブロック図、図2は、本実施形態にかかる可変容量ベーンポンプの内部構成を回転軸方向から見た側面図(一部断面図)、図3は、図2のIII−III線に沿う断面図、図4は、図2のIV部を拡大して示す側面図(一部断面図)、図5は、本発明の第1実施形態にかかる可変容量ベーンポンプの回転部を示す側面図である。なお、図2は、図3のII−II線に沿う断面図で、図6は、第1実施形態の別態様の要部を示す断面図、図7は、ベーンの幅方向中心に貫通孔を配置した態様を示す図2のIII−III線に沿う断面図である。
<First Embodiment>
1 to 5 show a first embodiment of the present invention. Among these, FIG. 1 is a block diagram illustrating an example of a system in which the variable displacement vane pump according to the present embodiment is used, and FIG. 2 is a side view of the internal configuration of the variable displacement vane pump according to the present embodiment as viewed from the rotation axis direction. FIG. 3 (partial cross-sectional view), FIG. 3 is a cross-sectional view taken along line III-III in FIG. 2, FIG. 4 is an enlarged side view of part IV in FIG. FIG. 3 is a side view showing a rotating part of the variable capacity vane pump according to the first embodiment of the present invention. 2 is a cross-sectional view taken along line II-II in FIG. 3, FIG. 6 is a cross-sectional view showing a main part of another aspect of the first embodiment, and FIG. 7 is a through hole at the center in the width direction of the vane. It is sectional drawing which follows the III-III line | wire of FIG. 2 which shows the aspect which has arrange | positioned.
図1に示すように、本実施形態にかかる可変容量ベーンポンプ1は、ベルト駆動の連続可変トランスミッションシステム(ベルトCVTシステム100)の油圧供給源として使用することができる。可変容量ベーンポンプ1から吐出された作動油は、コントロールバルブ200を介して、ベルトCVTシステム100の各部(プライマリープーリー101や、セカンダリープーリー102、フォワードクラッチ103、リバースブレーキ104、トルクコンバーター105、潤滑・冷却系106等)に供給される。
As shown in FIG. 1, the variable displacement vane pump 1 according to this embodiment can be used as a hydraulic pressure supply source for a belt-driven continuously variable transmission system (belt CVT system 100). The hydraulic oil discharged from the variable displacement vane pump 1 is passed through the control valve 200 to each part of the belt CVT system 100 (
コントロールバルブ200内には、電動式、手動式、油圧式の各種バルブ(シフトコントロールバルブ201や、セカンダリーバルブ202、セカンダリー圧ソレノイドバルブ203、ライン圧ソレノイドバルブ204、プレッシャーレギュレーターバルブ205、マニュアルバルブ206、ロックアップ/セレクト切替ソレノイドバルブ207、クラッチレギュレーターバルブ208、セレクトコントロールバルブ209、ロックアップソレノイドバルブ210、トルクコンバーターレギュレーターバルブ211、ロックアップコントロールバルブ212、セレクトSWバルブ213等)が設けられている。
In the control valve 200, there are various electric, manual and hydraulic valves (
なお、コントロールバルブ200に含まれる電動式のバルブは、ベルトCVTシステム100用のコントロールユニット300によって制御される。
The electric valve included in the control valve 200 is controlled by the
図2に示すように、本実施形態にかかる可変容量ベーンポンプ1は、ポンプ部2と制御弁部3とを備えており、これらポンプ部2および制御弁部3は、いずれもポンプボディ4内に形成されている。ポンプ部2は、可変容量型のベーンポンプとして構成され、制御弁部3はスプール弁として構成されている。 As shown in FIG. 2, the variable displacement vane pump 1 according to the present embodiment includes a pump part 2 and a control valve part 3, both of which are in the pump body 4. Is formed. The pump unit 2 is configured as a variable displacement vane pump, and the control valve unit 3 is configured as a spool valve.
ポンプ部2は、ポンプボディ4に形成された略円筒状の収容凹部4a内に収容されており、回転軸Ax回りに回転する略円柱状の外周面5aを有する回転部5と、外周面5aの軸方向と径方向のそれぞれに沿って等間隔に形成された11個のスリット5bのそれぞれに突没可能に収容された複数のベーン6と、回転部5を取り囲むように配置されるカムリング7と、当該カムリング7を取り囲むように配置されて収容凹部4aに嵌挿されるアダプタリング8と、複数のベーン6に挿通され、先端がそれぞれカムリング7の内周面7aに摺接するように径方向へベーン6を付勢し、保持する環状のワイヤリング9と、を備えている。なお、アダプタリング8は図示しない係止手段によって、収容凹部4a内で回転しないようにしてある。
The pump unit 2 is housed in a substantially
そして、回転部5の外周面5aとカムリング7の内周面7aとの間に形成される環状室Rを、その先端をカムリング7の内周面7aに摺接させた複数のベーン6によって複数の容積室Vに区画してある。
Then, a plurality of annular chambers R formed between the outer
さらに、本実施形態では、カムリング7を回転軸Axに対して図2の左斜め上方に偏心して配置した状態で回転部5を回転させることで、容積室Vを回転軸Ax回りに回転させつつ周期的に拡縮して、各容積室Vに吸入した流体を吐出するように構成されている。
Further, in the present embodiment, the rotating
回転部5は、シャフト13と例えばスプライン結合されており、シャフト13とともに回転する。回転軸Axはシャフト13の回転軸でもある。本実施形態では、回転部5およびシャフト13の回転方向は、図2の時計回り方向となっている。
The rotating
スリット5bは、本実施形態では、回転軸Axの径方向に沿って放射状に形成されており、回転部5を周方向に11箇所等分割する位置に形成されている。スリット5bの奥側(回転軸Ax側)には、略筒状の与圧室5cが形成されており、吸入工程では、与圧室5cを吸入側に連通して作動油を吸入し、吐出工程では与圧室5cと吐出口側に連通して吸入された作動油を吐出側に排出するとともに、高圧の吐出圧力をベーン6の根元に作用させてベーン6を径方向外側に押出してカムリング7の内周面7aに押付けている。なお、上記与圧は必須では無い。
In the present embodiment, the
ベーン6は、図3に示すように、略矩形板状の部材として構成されており、本実施形態では、その先端部は、カムリング7の内周面7aに対応して、たとえば、内周面7aの曲率よりも小さな曲率で曲面状に形成されている。
As shown in FIG. 3, the
カムリング7は、半径一定の環状に形成されており、その内周面7aに回転するベーン6の先端部が摺接することになる。
The
アダプタリング8の外周面8aはほぼ円柱面状に形成される一方、内周面8bは図2の左斜め上方および右斜め下方に長いやや扁平な略円筒面状に形成されている。内周面8bは、より詳しくは、図2の左斜め下方、左斜め上方、および右斜め上方に三つの平面状の対向面8c,8d,8eを有し、対向面間に凹曲面8f,8g,8hを有して形成されている。そして、図2に示すように、内周面8b内でカムリング7が最も左斜め上方に位置する状態では、凹曲面8f,8gとカムリング7の外周面7bとの間に隙間が形成されるようになっており、これらの隙間が加圧室10となる。
The outer peripheral surface 8a of the
図2で右斜め上方に位置する対向面8eには半円筒状の凹溝8iが形成されるとともに、この凹溝8iに対向するカムリング7の外周面7bにはやや浅い凹溝7cが形成され、これら凹溝8i,7cで挟み込むように、ピン11がそれら凹溝8i,7c内に収容されている。カムリング7は、アダプタリング8の内周面8bの内側で、このピン11を支点として揺動するようになっている。
In FIG. 2, a semi-cylindrical groove 8i is formed on the facing
回転軸Axに対して加圧室10の反対側(図2では右斜め下方)には、カムリング7を図2の左斜め上方に付勢する付勢機構としてのコイルスプリング12が介装されており、加圧室10からの加圧に対向する圧縮反力をカムリング7に与えるようになっている。なお、本実施形態では、アダプタリング8の内周には、コイルスプリング12を受けるばね受け8jが形成されており、コイルスプリング12の一端部はカムリング7の外周面7bに当接される一方、他端部は、アダプタリング8の内周のばね受け8jに支持されている。
A
さらに、回転軸Axに対してピン11の反対側(図2では左斜め下方)に位置する対向面8eには、略矩形断面の凹溝8kが形成されており、この凹溝8k内に、略棒状のシール部材14が挿入されている。シール部材14の突出側(図2で上側)の端面は、カムリング7の外周面7bに当接されており、カムリング7が揺動する際には、カムリング7の外周面7bにシール部材14が摺接するようになっている。本実施形態では、このシール部材14とピン11とによって、加圧室10とコイルスプリング12が配置される側の側面視で三日月状の対向室15とがシールされるようになっている。
Furthermore, a concave groove 8k having a substantially rectangular cross section is formed on the opposing
そして、本実施形態では、図2に示すように、加圧室10および対向室15には、ポンプボディ4に形成された流体通路4cおよびアダプタリング8に形成された連通路8mを介して、制御弁部3から流体が導入されるようになっている。
In the present embodiment, as shown in FIG. 2, the pressurizing
以上の構成を備えるポンプ部2では、回転部5が回転するのに伴って容積室Vも回転する。このとき、環状室Rは、カムリング7が回転軸Axに対して図2の左斜め上方に偏心しているため、図2の左斜め上方では広く、右斜め下方では狭くなっている(たとえば、ベルトCVTシステム100に適用した場合は、ギア変速時状態)。したがって、各容積室Vは、回転部5およびベーン6とともに、図2の時計回り方向に回転するのに伴って、図2の右斜め下方では最も狭く、図2の下側を経て移動するにつれて広くなる。さらに、図2の左斜め上方では最も広く、図2の上側を経て右斜め下方に移動するにつれて狭くなる。したがって、本実施形態にかかるポンプ部2では、図2において、回転軸Axを含む中心線L(回転軸Axと垂直で、回転軸Axとカムリング7の中心Cとを含む直線)より下側では容積室Vの容積が拡大し、上側では容積室Vの容積が縮小することになる。そして、ポンプボディ4の収容凹部4aの側面4e(ベーン6の移動方向に対して側方となる面)には、容積室Vが縮小する区間に対応して当該容積室Vに臨む吐出開口4fが形成され、容積室Vが拡大する区間に対応して当該容積室Vに臨む吸入開口4gが形成されている。したがって、容積室Vは回転するのに伴って周期的に容積が拡縮して、回転軸Axを含む図2の中心線Lより下側を右から左へ移動する吸入ストローク区間Iで吸入開口4gを介して流体を吸入し、当該中心線Lより上側を左から右へ移動する吐出ストローク区間Oで吐出開口4fを介して流体を吐出することになる。
In the pump unit 2 having the above configuration, the volume chamber V also rotates as the
そして、上記構成では、加圧室10の流体の圧力が高くなると、当該流体の圧力によって押されたカムリング7は図2の右斜め下方へ移動する(たとえば、ベルトCVTシステム100に適用した場合は、定速走行状態)。すると、カムリング7の中心Cと回転軸Axとの偏心量δが小さくなって、容積室Vの縮小時と拡大時の容積の差が小さくなるから、ポンプ部2からの吐出容量(一回転あたりの吐出量)が減ることになる。逆に、加圧室10の流体の圧力が小さくなると、流体の圧力によってカムリング7が図2の右斜め下方へ押圧される力が小さくなって、カムリング7はコイルスプリング12によって左側に押し戻されて左側へ移動する。すると、カムリングの中心Cと回転軸Axとの偏心量δが大きくなって、容積室Vの縮小時と拡大時の容積の差が大きくなるから、ポンプ部2からの吐出容量が増えることになる。したがって、本実施形態では、加圧室10に導入される流体の圧力を適宜に変化させることで、ポンプ部2の吐出容量を変化させることができる。たとえば、ベルトCVTシステム100に適用した場合には、必要に応じて、ギア変速時には吐出量を増やし、定速走行時には吐出量を減らすような制御が可能である。なお、本実施形態では、対向室15にも流体を導入し、加圧室10および対向室15の流体の圧力と、付勢手段としてのコイルスプリング12の付勢力(圧縮反力)によって、ポンプ部2の吐出容量が変化することになる。
In the above configuration, when the pressure of the fluid in the pressurizing
また、本実施形態では、回転部5の外周に、環状のワイヤリング9を収容可能な収容溝5dが円周方向に沿って形成されている。環状のワイヤリング9は、円形断面を有し略円形に形成された弾性線材からなり、両端にベーン抜止め加締め部9aが設けられるとともに、当初、ワイヤリング9の自由径がベーン6に組付けた際の径よりも比較的大きな寸法に設定されている。そして、ポンプ部2に組み込んだときにワイヤリング9が径方向に圧縮されて、カムリング7の内周面7aとの同心円状の状態で縮径することにより、ワイヤリング9自体の反発力で各ベーン6を径方向外側へ付勢可能となる。
In the present embodiment, a
図3に示すように、各ベーン6の先端近傍には、ベーン6の厚み方向に延びる貫通孔6aがそれぞれ形成されている。この貫通孔6aは、図4に示すように、軸方向の一端に形成され、ワイヤリング9が嵌挿される小径部6bと、軸方向の他端側に形成され、ワイヤリング9が遊嵌される大径部6cとから構成され、小径部6bから大径部6aに向かって次第に拡径する円錐状に形成されている。
As shown in FIG. 3, a through
なお、小径部6bは低圧の吸入側に、大径部6cは高圧の吐出側に位置するように貫通孔6aは配置されている。図4とは逆に、図6に示すように、小径部6bは高圧の吐出側に、大径部6cは低圧の吸入側に位置するように貫通孔6aを配置する構成としても良いが、貫通孔6aに高い圧力のかかる面積が、図4の構成の方が狭くて済むため、貫通孔6aを通じての作動油の洩れを低減するためには、図4の構成の方が適当である。
The through-
また、貫通孔6aは、図7に示すように、ベーン6aの幅方向の中心、且つベーン6aの長さ方向(回転部の径方向)の中心よりも先端側に形成されるのが好適である。幅方向のどちらか一方側に貫通孔6aが形成された場合には、ベーン6が突出する際に、ベーン6の貫通孔6aに対する幅方向反対側の突出が遅れるおそれがあるが、ベーン6の幅方向の中心に貫通孔6aを設定することで、幅方向の突出遅れを防止できる。また、貫通孔6aがベーン6の長さ方向の中心よりも基端側に形成された場合には、ベーンの突出量が少なくなるため、吐出量が減少する。
Further, as shown in FIG. 7, the through
回転部5の外周の収容溝5d、およびベーン6の貫通孔6aは、それぞれ回転部5の軸方向の中心(ベーン6の幅方向の中心)より軸方向へ所定寸法Dずれた位置に設けられている。なお、回転部5の軸方向の長さはベーン6の幅寸法と同じであるので、回転部5の軸方向の中心はベーン6の幅方向の中心と同一である。
The
各ベーン6の小径部6bには、ワイヤリング9が嵌挿されるので、ベーン6が高圧と低圧の境界を通過するとき、小径部6b、およbワイヤリング9間の隙間が微小になり、作動油の洩れ量を最小限に抑制することができる。また、各ベーン6の大径部6cにワイヤリング9が遊嵌されるので、回転部5の回転とともに環状のワイヤリング9がベーン6の貫通孔6aの大径部6c内で移動可能であり、ベーン6とワイヤリング9の干渉を防止できるので、回転部5のスリット5b内でベーン6がスムーズに突没することが可能となり、またワイヤリング9の摩耗も抑制できる。
Since the
以上説明したように、本実施形態では、複数のベーン6の貫通孔6aを、ベーン6の幅方向の中心から所定寸法Dずれた位置にオフセットしたので、ベーン6の裏表の向きを間違えて逆にした場合、ベーン6の貫通孔6aが所定位置から大幅にずれることにより、即ち貫通孔6aの位置がベーン6の幅方向の中心に対し、反対側に位置することになり、ベーン6の誤組付けに容易に気付くことができるため、複数のベーン6を裏表の向きが正しい状態で確実に回転部5のスリット5bに組み込むことができる。したがって、ポンプ部2に組み込んだときに複数の貫通孔6aの小径部6bを一定の等間隔で配置することができるので、各小径部6bによりワイヤリング9を径方向に圧縮する際に、その圧縮量のばらつきを抑制することができ、その結果として、ワイヤリング9によるベーン6の径方向外側への付勢力を有効に活用できるとともに、ワイヤリング9自体の耐久性の向上を図ることができる。
As described above, in the present embodiment, the through
また、本実施形態では、各ベーン6の貫通孔6aが、軸方向の一端に形成される小径部6bと、軸方向の他端側に形成される大径部6cとから構成されているので、貫通孔6aを一方の側(大径部6cの側)からの加工により設けることができ、軸方向の両側からの加工を要する従来のものと比べてコスト削減を図ることができる。
Moreover, in this embodiment, since the through-
なお、貫通孔6aをオフセットせずに、ベーン6の幅方向の中心に配置した状態で、ベーン6の裏表の向きを間違えて逆にした場合、組付け性が悪化し、たとえ組付けたとしてもワイヤリング9がジグザグになることになり、ワイヤリング9の径が小さくなり、ベーンの突出量が減少する。その結果、カムリングに接触しなくなり、ポンプの吐出量が減少してしまう。
In addition, in the state where the through
また、貫通孔6aが、孔径が一定なストレート孔の場合、可変容量ポンプでは、カムリング7の偏心に合わせて、ベーン6の傾き角が変化するため、その度にワイヤリング9に曲げ応力が掛かる。この曲げ応力を逃がすためには、貫通孔6aの孔径を大きくしなくてはならないが、孔径が大きくなることによって作動油の洩れ量が増大し、ポンプ効率が低下してしまう。
When the through
<第2実施形態>
図8は、実施形態にかかる可変容量ベーンポンプの要部を示す断面図で、図9は、第1実施形態の別態様の要部を示す断面図である。なお、本実施形態にかかる可変容量ベーンポンプ1Aのポンプ部は、上記第1実施形態と全く同じとすることができる。したがって、以下ではその説明を省略する。
Second Embodiment
FIG. 8 is a cross-sectional view showing a main part of the variable displacement vane pump according to the embodiment, and FIG. 9 is a cross-sectional view showing a main part of another aspect of the first embodiment. Note that the pump section of the variable
本実施形態では、各ベーン6の先端近傍に形成される貫通孔6dが、軸方向の一端に形成され、ワイヤリング9が嵌挿される小径部6eと、軸方向の他端側に形成され、ワイヤリング9が遊嵌される大径部6fとから構成されている点では上記第1実施形態と同じである。
In the present embodiment, a through
しかし、本実施形態では、上記大径部6fが小径部6eの端部より次第に拡径する円錐状部分と、該円錐状部分の大径端部より軸方向の他端に向かって延びる大径円筒状部分とに分かれている。
However, in this embodiment, the large-
なお、小径部6eは低圧の吸入側に、大径部6fは高圧の吐出側に位置するように貫通孔6aは配置されている。また、図8とは逆に、図9に示すように、小径部6eは高圧の吐出側に、大径部6fは低圧の吸入側に位置するように貫通孔6dを配置する構成としても良いが、貫通孔6dに高い圧力のかかる面積が、図8の構成の方が狭くて済むため、貫通孔6dを通じての作動油の洩れを低減するためには、図8の構成の方が適当である。
The through
かかる構成では、各ベーン6の小径部6b(ワイヤリング9より僅かに径が大きい)には、ワイヤリング9が嵌挿されるので、ベーン6が高圧と低圧の境界を通過するとき、小径部6b、およbワイヤリング9間の隙間が微小になり、作動油の洩れ量を最小限に抑制することができる。また、各ベーン6の大径部6cにワイヤリング9が遊嵌されるので、回転部5の回転とともに環状のワイヤリング9がベーン6の貫通孔6aの大径部6c内で移動可能であり、ベーン6とワイヤリング9の干渉を防止できるので、回転部5のスリット5b内でベーン6がスムーズに突没することが可能となり、またワイヤリング9の摩耗も抑制できる。
In such a configuration, since the
以上の本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。 Also according to this embodiment described above, the same effect as in the first embodiment can be obtained.
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。例えば、各ベーンの先端近傍に形成される貫通孔の構成について、上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。 The preferred embodiments of the present invention have been described above. However, the present invention is not limited to the above embodiments, and various modifications can be made. For example, the configuration of the through hole formed in the vicinity of the tip of each vane is not limited to the above embodiment, and various modifications can be made.
1,1A 可変容量ベーンポンプ
5 回転部
5a 外周面
5b スリット
6 ベーン
6a 貫通孔
6b 小径部
6c 大径部
6d 貫通孔
6e 小径部
6f 大径部
7 カムリング
7a 内周面
9 ワイヤリング
13 回転軸
DESCRIPTION OF
Claims (2)
前記ベーンの前記貫通孔が、該貫通孔の軸方向の一端側に形成され、前記ワイヤリングが嵌挿される小径部と、前記貫通孔の軸方向の他端側に形成され、前記ワイヤリングが遊嵌される大径部とから構成されたことを特徴とする可変容量ベーンポンプ。 A rotating part having a substantially cylindrical outer peripheral surface that rotates around a rotation axis, a plurality of vanes accommodated in each of a plurality of slits formed on the outer peripheral surface, and surrounding the rotating part a cam ring disposed, is inserted into the through hole of the vane, in the variable capacitance vane pump comprising an annular wiring for retaining the vanes in the radial direction so that the tip of the vane slides over each of the cam ring inner peripheral surface ,
The through hole of the vane is formed on one end side in the axial direction of the through hole, and the small-diameter portion in which the wiring is fitted, is formed on the other end side in the axial direction of the through hole, the wiring is loosely A variable displacement vane pump characterized by comprising a large diameter portion.
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