JP5353843B2 - グレージング用プラスチック基材 - Google Patents
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Description
とりわけ、ガラスに代わる構造材料として、車両等の窓用などに使用されるポリカーボネート樹脂等に、優れた耐擦傷性の保護皮膜が形成されたグレージング用プラスチック基材に関するものである。
請求項1:
プラスチック基材の表面上に2層以上の樹脂層を有するグレージング用プラスチック基材であって、これらの樹脂層のうち基材表面に接している第1層が、(B)紫外線硬化性のポリ(メタ)アクリレート、(D)シリカ及び(C)フォトブリーチング性の紫外線硬化剤を含有してなる組成物を紫外線により硬化した樹脂層であり、第1層に接している第2層が、(A)紫外線吸収性のアルコキシシランと紫外線硬化性のアルコキシシランとテトラアルコキシシランの共加水分解縮合物及び(C)フォトブリーチング性の紫外線硬化剤を含有してなる組成物を紫外線により硬化した樹脂層であることを特徴とするグレージング用プラスチック基材。
請求項2:
(A)共加水分解縮合物の原料シランが、下記一般式(I)で示される紫外線吸収性のアルコキシシラン、下記一般式(II)で示される紫外線硬化性のアルコキシシラン及び下記一般式(III)で示されるテトラアルコキシシランであることを特徴とする請求項1記載のグレージング用プラスチック基材。
(式中、A1〜A10は、独立に水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基又は下記式(i)
で示される基で、式(I)は少なくとも1つのヒドロキシ基と少なくとも1つの式(i)で示される基を有する。R11,R12は、それぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基を示す。mは、1以上5以下の整数、nは、0以上2以下の整数を示す。また、R1は、水素原子又はメチル基、R2は、炭素数1〜6の2価の有機基である。)
請求項3:
(C)フォトブリーチング性の紫外線硬化剤が、メタロセン化合物、フォスフィンオキサイド化合物又はポリシラン化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載のグレージング用プラスチック基材。
請求項4:
前記プラスチック基材が、ポリカーボネート樹脂である請求項1〜3のいずれか1項に記載のグレージング用プラスチック基材。
本発明のコーティング剤により皮膜を施されたグレージング用プラスチック基材、特にグレージング用ポリカーボネート樹脂基材は、軽量で優れた透明性、耐擦傷性、耐候性、耐薬品性を有するため、自動車のグレージングとして、紫外線に曝される屋外で使用される用途に好適である。
(A)紫外線吸収性のアルコキシシランと紫外線硬化性のアルコキシシランとテトラアルコキシシランの共加水分解縮合物、
(B)紫外線硬化性のポリ(メタ)アクリレート、
(C)フォトブリーチング性を有する紫外線硬化剤、及び
(D)シリカ。
この場合、(B)、(C)、(D)成分を含有する第1組成物の紫外線硬化樹脂第1層を基材上に形成すると共に、(A)、(C)成分を含有する第2組成物の紫外線硬化樹脂第2層を第1層上に形成してなる2層以上の樹脂層とすることが好ましい。
(A)成分は、紫外線吸収性のアルコキシシラン(a−1)と紫外線硬化性のアルコキシシラン(a−2)とテトラアルコキシシラン(a−3)の共加水分解縮合物である。この(A)成分は、原料シランとして、上記(a−1)〜(a−3)成分を用いるものであるが、特に(a−1)成分として下記一般式(I)で示される紫外線吸収性のアルコキシシラン、(a−2)成分として下記一般式(II)で示される紫外線硬化性のアルコキシシラン及び(a−3)成分として下記一般式(III)で示されるテトラアルコキシシランを用いることが好ましい。
(式中、A1〜A10は、独立に水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基又は下記式(i)
で示される基で、式(I)は少なくとも1個、好ましくは1〜2個のヒドロキシ基と少なくとも1個、好ましくは1〜4個の式(i)で示される基を有する。R11,R12は、それぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基を示す。mは、1以上5以下の整数、nは、0以上2以下の整数を示す。また、R1は、水素原子又はメチル基、R2は、炭素数1〜6の2価の有機基である。)
また、R2の炭素数1〜6の2価の有機基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等のアルキレン基、フェニレン基等のアリーレン基などが挙げられ、中でもトリメチレン基が好ましい。
mは、1〜5、好ましくは1〜3の整数であり、nは、0〜2の整数、好ましくは0又は1である。
2個以上のヒドロキシ基を有するポリヒドロキシベンゾフェノンを、最初に有機溶剤中でハロゲン化アリル及び炭酸カリウムと反応させて、ポリヒドロキシ−ポリアリロキシベンゾフェノンを生じさせる。このベンゾフェノンに、白金触媒存在条件下でヒドロアルコキシシランを作用させて、ポリヒドロキシ−ポリ(アルコキシシリルアルコキシ)ベンゾフェノンを生成させる。
ポリヒドロキシベンゾフェノンとアリル基を有するハロゲン類との反応割合は、モル比で1:1〜1:1.5であることが好ましい。
有機溶剤としては、ポリヒドロキシベンゾフェノンを溶解する溶剤であれば限定されないが、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類が好ましい。
また、その使用量は、ポリヒドロキシベンゾフェノンを溶解させるのに十分な量であればよく、例えば質量でポリヒドロキシベンゾフェノンの2〜10倍であればよい。
反応温度及び反応時間は、通常40℃〜有機溶剤の沸点の温度で1〜24時間程度反応させればよい。
ここで、ヒドロアルコキシシラン化合物としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ基を1〜3個有するヒドロシラン化合物が例示できる。より好ましくはトリメトキシシラン、トリエトキシシランである。
得られたアルケニルオキシ基含有ヒドロキシベンゾフェノンとヒドロアルコキシシラン化合物との反応割合は、モル比で1:1〜1:1.5、特に1:1〜1:1.2であることが好ましい。
白金触媒としては、ヒドロシリル化反応に用いられる公知の白金触媒を用いればよく、例えば塩化白金酸やその錯体等が例示される。
反応は、室温〜約200℃の範囲で行い得るが、好ましくは25〜約100℃で行われる。トリメトキシシランを用いる場合、反応は、常温〜60℃程度に加温することで、約30分〜2時間程度で完了する。
(a−1)成分は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(a−2)成分は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
該シランとして、具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシキシシラン、テトラブトキシシランが例示でき、特にテトラエトキシシランが好適である。
(a−3)成分は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、加水分解は、酸性条件下で加水分解することが好ましく、特にpHが2〜7の範囲で反応させることが好ましい。加水分解を弱酸性下で行わない場合は生成するシラノール基が不安定となり、縮合反応が進み、分子量が大きくなりすぎることがある。
(A)成分は、例えばイソブチルアルコール溶液として用いることができ、この場合、不揮発分(固形分量、150℃/30分)は、10〜50質量%、特に30〜40質量%とすることが好ましい。
(A)成分は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(D)成分はシリカであり、本発明組成物の硬化皮膜を高硬度化して耐擦傷性を向上させる成分である。シリカの平均粒子径は、その分散性の点から200nm以下であることが適当であり、平均粒子径が1〜100nmであることが好ましく、1〜50nmであることが特に好ましい。平均粒子径が小さすぎると粘度が高くなって、塗工し難くなる場合があり、大きすぎると光散乱のため透明性が低下する場合がある。
(D)成分のシリカは本発明の目的を損なわない限り、シリカ表面が加水分解性ケイ素基やシラノール基により修飾されていてもよいし、未修飾のシリカであってもよい。かかる未修飾のシリカは酸性又は塩基性の分散体形態で入手できる。
なお、本発明組成物を第1組成物及び第2組成物とからなる構成とする場合、(D)成分は第1組成物に配合することが好ましい。
なお、本組成物を第1組成物と第2組成物とからなる構成とする場合、(E)成分は第1及び第2組成物の両者に使用することができ、その場合の配合量は、第1組成物では(B)〜(D)成分の合計100質量部に対して0〜100質量部の範囲とすることが好ましく、第2組成物では(A)、(C)成分の合計100質量部に対して10〜5,500質量部の範囲とすることが好ましい。
なお、本発明の組成物を第1及び第2組成物として構成する場合、これらの成分は第2組成物に配合することが好ましい。
本組成物の成膜安定性の見地から、ポリエーテルシリコーンを(A)成分100質量部に対して、0.000001〜0.1質量部、特に0.00001〜0.001質量部配合することが好ましい。
本発明の組成物は、各成分の相溶性に優れるため外観が均一であり、各種基材に対し、均一で美観に優れた塗膜を形成することができる。
該基材との密着性に優れた硬化皮膜を形成させるためには、(B)成分である紫外線硬化性のポリ(メタ)アクリレートを含む組成物からなる層をプライマー層として予め基材上に形成しておくことが好ましく、上記(B)、(C)及び(D)成分を含む組成物をプラスチック基材表面に塗布して第1層を形成した後、上記(A)及び(C)成分を含む組成物を上記第1層の上に塗布して第2層を形成し、該第1層及び第2層を含む2層以上の塗布層を紫外線により硬化して硬化皮膜を形成することが、プラスチック基材と該硬化皮膜の密着性の点からより好ましい。これは、本発明組成物において、レベリング剤を含む場合、プラスチック基材と本発明組成物を硬化させてなる硬化皮膜との密着性が低下する場合がある。しかしながら、レベリング剤を含まないプライマー層を形成してプラスチック基材表面を予め被覆することにより、上記硬化皮膜と基材との密着性は大きく改善される。
より具体的には、上述した(B)、(C)及び(D)成分を含有し、好ましくは(A)成分及びレベリング剤を含有しない組成物を、プラスチック基材表面に塗布して第1層を形成し、その後、上記塗布層の上に、(A)、(C)成分を含有し、好ましくは更にレベリング剤を含有し、(B)、(D)成分を含有しない組成物を塗布して第2層を形成し、これらの塗布層を紫外線により硬化させて2層の樹脂硬化層を形成したものが特に好ましい。
なお、上記2層以上の樹脂層を形成する場合、基材表面に接している第1層の硬化後の厚さを0.1〜20μm、特に0.5〜10μmとすることが好ましく、第1層の上に形成される第2層の硬化後の厚さを0.5〜30μm、特に1〜15μmとすることが好ましく、2層以上の樹脂層全体の硬化後の厚さを0.6〜35μm、特に1〜25μmとすることが好ましい。
本発明組成物をプラスチック基材に塗布して乾燥後、紫外線を照射する。紫外線照射により、極めて短時間で硬化薄膜層が形成される。紫外線照射量は、10mJ/cm2以上であることが好ましく、特に好ましくは100〜3,000mJ/cm2である。
また、加熱硬化と紫外線硬化を併用して使用することも可能であり、この場合には、極めて短時間で硬化薄膜層を形成することができる。加熱硬化条件としては、溶剤を除去後、紫外線照射すればよく、例えば80℃/5分加熱して溶剤を除去した後、600mJ/m2の紫外線照射をすればよい。
原料である4−アリロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノンについては、アルドリッチ社より入手した。
4−アリロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン25.4g(0.1mol)を70mlのトルエン中に溶解した。これに白金触媒PL50−T(信越化学工業(株)製)を2滴加え、温度を65℃に上げてトリメトキシシラン29.3g(0.24mol)を加えた。
温度を約65〜85℃に約1〜2時間保ち、しかる後に反応混合物を冷却し、ワコーゲルC−100の5gを加え、白金触媒を吸着させた後、濾過し、溶剤を減圧ストリップにより除き、赤色のオイル状物34.8g(0.092mol)を得た。主成物のNMRスペクトルは2−ヒドロキシ−4−トリメトキシシリルプロポキシベンゾフェノンの構造と一致した。収率は92%であった。このシランをKBM−UV03と略記する。
3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103、信越化学工業(株)製)75gと合成例1で得られたKBM−UV03を25gとテトラエトキシシラン(KBE−04、信越化学工業(株)製)125gとイソブチルアルコール50gとの混合物に、0.25N酢酸水溶液65gを5〜10℃で2時間かけて滴下し、続いて室温で3時間熟成させ、ナーセムアルミ(アルミニムアセチルアセトネートAl(C5H7O2)3、日本化学産業(株)製)0.75gを加えて混合して濾過し、原料−1:5103−UVA(A)を製造した。
3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103、信越化学工業(株)製)75gと2−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(KBM−5102、信越化学工業(株)製)25gとテトラエトキシシラン(KBE−04、信越化学工業(株)製)125gとイソブチルアルコール50gとの混合物に、0.25N酢酸水溶液65gを5〜10℃で2時間かけて滴下し、続いて室温で3時間熟成させ、ナーセムアルミ(アルミニムアセチルアセトネートAl(C5H7O2)3、日本化学産業(株)製)0.75gを加えて混合して濾過し、比較原料−1:5103(A)を製造した。
ウレタンアクリレート樹脂として、Miramer MU9500(10官能性脂肪族ウレタンアクリレート、東洋ケミカルズ(株)製)50gにPMA−ST(30質量%シリカを含有するプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、日産化学工業(株)製)50gを加えて混合して濾過し、PMA−9500(B)を製造した。
ウレタンアクリレート樹脂として、Miramer MU9500(10官能性脂肪族ウレタンアクリレート、東洋ケミカルズ(株)製)50gにPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)50gを加えて混合して濾過し、No−9500(B)を製造した。
エステルアクリレート樹脂として、TMPT(トリメチロールプロパントリアクリレート)50gにPMA−ST(30質量%シリカを含有するプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、日産化学工業(株)製)50gを加えて混合して濾過し、PMA−TMPT(B)を製造した。
ウレタンアクリレート樹脂として、Miramer PU340 50gにPMA−ST(30質量%シリカを含有するプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、日産化学工業(株)製)50gを加えて混合して濾過し、PMA−340(B)を製造した。
これらの物性を下記方法により評価し、結果を表1にまとめた。
(1)塗液評価の方法
(1.1)塗液外観
塗液外観は、組成物溶液の試料25gを透明ガラス瓶に入れ、目視にて観察して評価した。
(1.2)粘度の測定
粘度は、試料を粘度計(キャノンフェンスケ型)に入れ、25℃の恒温水槽環境下に流下時間を測定し、使用粘度計の恒数から動粘度として算出した。
(1.3)屈折率の測定
屈折率は、25℃の恒温水槽環境下にアタゴ製屈折率計RX7000αにより測定した値である。
(1.4)不揮発分の測定
不揮発分は、所定質量の試料をアルミシャーレに取り、150℃のオーブン中に30分入れた後の質量を測定することにより算出した値である。
(1.5)UV吸収性の測定
UV吸収性は、石英ガラス製セル(厚さ10mm)中に組成物溶液の試料を入れ、紫外線・可視光透過スペクトルを、日立製作所製分光光度計U−3310により、波長200〜500nmの測定を行い、波長375nmの透過率によって評価した。
(1.6)重量平均分子量の測定
重量平均分子量の測定は、所定質量の試料をDMFで0.5質量%濃度に希釈して、標準ポリスチレンにより分子量を更正した東ソー社製液体クロマトグラフィーHLC−8220GPCを用いて測定した。
(1.7)pHの測定
pHの測定は、堀場社製ペーハーメーターpH/ION Meter F−24を用いて測定した。
(1.8)水分量の測定
水分量の測定は、所定質量の試料を、平沼社製水分測定器Aquacounter AQV−2100を用いてカールフィッシャー法により測定した。
フォトブリーチング性のある紫外線硬化剤として、イルガキュア819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、BASF社製)を用いた。
比較のために、フォトブリーチング性のない紫外線硬化剤として、ダロキュア1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、メルク社製)、イルガキュア369(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、BASF社製)を用いた。
5103−UVAの100gをイルガキュア819の3gと混合し、コーティング剤Aを調製した。また、PMA−9500(B)の100gをイルガキュア819の3gと混合し、コーティング剤Bを調製した。
表面を清浄化した0.5mmポリカーボネート樹脂板(ユーピロンシート、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)に、このコーティング剤をコーティング剤B、コーティング剤Aの順に、それぞれの硬化塗膜が10μmになるようにフローコーティング法にて塗布し、室温で10分風乾し、80℃で2分加熱乾燥後、照射エネルギー600mJ/cm2(UVメーター(UVPF36)で測定した365nm領域の照射エネルギー)の高圧水銀灯(アイグラフィック社製紫外線照射装置)中に入れ、硬化させ、テストピースを作製した。
この皮膜を下記方法で測定し、評価した。組成及び結果を表2に示す。
シリカ有無の比較のために、実施例1において、PMA−9500(B)をNo−9500(B)に変えたものを比較例1とし、同様の操作を行った。
紫外線硬化剤の比較のために、実施例1において、イルガキュア819をダロキュア1173に変えたものを比較例2、イルガキュア819をイルガキュア369に変えたものを比較例3、上記の原料−1を比較原料−1に変えたものを比較例4とし、同様の操作を行った。
これらの皮膜を下記方法で測定し、評価した。組成及び結果を表2に示す。
実施例1において、PMA−9500(B)をPMA−TMPT(B)に変えたものを実施例2とし、PMA−9500(B)をPMA−340(B)に変えたものを実施例3とし、同様の操作を行った。
これらの皮膜を下記方法で測定し、評価した。組成及び結果を表2に示す。
上記実施例及び比較例の各種物性の測定及び評価は以下の方法で行った。
〔成膜の方法〕
樹脂フィルム板上に、この組成物をコーティング剤として、コーティング剤B、コーティング剤Aの順にかけ流し法で塗工し、10分間風乾後80℃で2分加熱して成膜した。
この膜で被覆した樹脂フィルム板は、高圧水銀灯(アイグラフィック社製紫外線照射装置)で、照射エネルギー600mJ/cm2(UVメーター(UVPF36)で測定した365nm領域の照射エネルギー)の紫外線中に入れ、硬化させ、テストピースを作製した。
(1.1)塗膜外観
風乾後80℃で2分加熱して成膜したテストピースの膜外観を目視にて観察した。
(1.2)UV硬化処理後の皮膜外観及び硬化の状態
600mJ/cm2の紫外線照射で硬化させたテストピースの膜外観を、目視にて観察した。また、硬化の状態を、指で触診することで評価した。
(1.3)UV吸収性
600mJ/cm2の紫外線照射で硬化させたテストピースの紫外線・可視光透過スペクトルを、日立製作所製分光光度計U−3310により、波長200〜500nmの測定を行い、波長375nmの紫外線の透過率を測定し、80%以上の透過率の場合をUV吸収性なし、20%以下の透過率の場合をUV吸収性あり、80%未満20%超の透過率の場合をUV吸収性中間と表記した。
(1.4)鉛筆硬度
JIS K 5400に準拠し、水平な状態に置いた試験片に、異なる硬度の鉛筆を、鉛筆の角度45±1°、荷重1,000±10gで塗膜に押し付けて、塗膜硬度を測定した。
(1.5)初期密着性
JIS K 5400に準拠し、試験片をカミソリの刃で2mm間隔の縦横6本ずつ切れ目を入れて25個の碁盤目を作り、市販のセロハン粘着テープをよく密着させた後、90度手前方向に急激に剥がした時、皮膜が剥離せずに残存したマス目数(X)をX/25で表示した。
(1.6)煮沸密着性
試験片を沸騰水中に2時間浸漬した後に、目視にて外観観察、及び前記と同様にして密着性試験を行った。
(2.1)加工性(硬化性)
600mJ/cm2の紫外線照射で硬化させた樹脂フィルム板のテストピースは、外観状態を下記基準で、指で触診することと目視で判定した。
○:異常なし
△:わずかに皮膜の表面に粘着性がある
×:皮膜が全面粘着性
(2.2)加工性(成形性)
600mJ/cm2の紫外線照射で硬化させた樹脂フィルム板(10cm×3cm×0.5mm)のテストピースについて、良好に硬化した試料についてのみ、硬化直後の状態を下記基準で、目視で判定した。
○:異常なし
△:膜の長軸の一端を固定すると、もう一端に5mm以下の反りがある
×:膜の長軸の一端を固定すると、もう一端に5mmより大きな反りがある
(2.3)光学特性の評価
石英ガラス(厚さ1mm)上に、この組成物をコーティング剤として、コーティング剤B、コーティング剤Aの順にかけ流し法で塗工し、10分間風乾後80℃で2分加熱して成膜した。この膜は、高圧水銀灯(アイグラフィック社製紫外線照射装置)で、照射エネルギー600mJ/cm2(UVメーター(UVPF36)で測定した365nm領域の照射エネルギー)の紫外線中に入れ、硬化させ、テストピースを作製した。
このテストピースの紫外線・可視光透過スペクトルを、日立製作所製分光光度計U−3310により、波長200〜500nmの測定を行い、波長450nmの透過率で透明性を、波長350nm透過率で紫外線遮蔽能を評価した。
透明性 ○:80%以上の透過率
△:80%未満20%超の透過率
×:20%以下の透過率
遮蔽能 ○:20%以下の透過率
△:80%未満20%超の透過率
×:80%以上の透過率
(2.4)耐擦傷性の評価
樹脂フィルム板のテストピースは、#0000スチールウールを用いて約500gの荷重で10回、皮膜を擦り、傷つきの状態を下記基準で目視判定した。
○:傷がほとんどなし
△:わずかに傷がある
×:傷が多い
(2.5)初期密着性の評価
JIS K 5400に準拠し、初期密着性の皮膜が剥離せずに残存したマス目数(X)値から下記基準で判定した。
○:25〜21
△:20〜6
×:5〜0
(2.6)耐久性の評価
試験片を沸騰水中に2時間浸漬した後、前記と同様にして密着性試験を行ったときの皮膜が剥離せずに残存したマス目数(X)値から下記基準で判定した。
○:25〜21
△:20〜6
×:5〜0
(2.7)総合評価
総合評価は、各評価項目において、下記基準で判定した。
○:すべて○
△:×がなく、1つ以上の△があるもの
×:1つ以上の×があるもの
Claims (4)
- プラスチック基材の表面上に2層以上の樹脂層を有するグレージング用プラスチック基材であって、これらの樹脂層のうち基材表面に接している第1層が、(B)紫外線硬化性のポリ(メタ)アクリレート、(D)シリカ及び(C)フォトブリーチング性の紫外線硬化剤を含有してなる組成物を紫外線により硬化した樹脂層であり、第1層に接している第2層が、(A)紫外線吸収性のアルコキシシランと紫外線硬化性のアルコキシシランとテトラアルコキシシランの共加水分解縮合物及び(C)フォトブリーチング性の紫外線硬化剤を含有してなる組成物を紫外線により硬化した樹脂層であることを特徴とするグレージング用プラスチック基材。
- (A)共加水分解縮合物の原料シランが、下記一般式(I)で示される紫外線吸収性のアルコキシシラン、下記一般式(II)で示される紫外線硬化性のアルコキシシラン及び下記一般式(III)で示されるテトラアルコキシシランであることを特徴とする請求項1記載のグレージング用プラスチック基材。
(式中、A1〜A10は、独立に水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルキル基又は下記式(i)
で示される基で、式(I)は少なくとも1つのヒドロキシ基と少なくとも1つの式(i)で示される基を有する。R11,R12は、それぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基を示す。mは、1以上5以下の整数、nは、0以上2以下の整数を示す。また、R1は、水素原子又はメチル基、R2は、炭素数1〜6の2価の有機基である。) - (C)フォトブリーチング性の紫外線硬化剤が、メタロセン化合物、フォスフィンオキサイド化合物又はポリシラン化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載のグレージング用プラスチック基材。
- 前記プラスチック基材が、ポリカーボネート樹脂である請求項1〜3のいずれか1項に記載のグレージング用プラスチック基材。
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