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JP5348179B2 - 音響処理装置およびパラメータ設定方法 - Google Patents

音響処理装置およびパラメータ設定方法 Download PDF

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Description

本発明は、スピーカから出力された音が部屋の壁などにおいて反射して聴取者に到達する間接音の影響を低減させる技術に関する。
スピーカから出力された音は、聴取者が位置する受音点に直接到達する以外にも、部屋の壁面などの反射により間接的に到達する。この間接的に到達する間接音が、直接到達する直接音に混ざることにより、聴取者は、実際にスピーカから出力された音とは異なる音として聴取することになる。特に、直接音の到達後、聴覚の時間分解能より短い時間だけずれて到達する間接音については、部屋の残響音ではなく、音質が変わったものとして聞こえてしまう。そこで、受音点において、このような間接音の音質に与える影響を低減するために、スピーカから出力する音に補正処理を施す技術が開発されている(例えば、特許文献1、2)。
特開平5−49098号公報 特開昭60−223295号公報
このような補正処理によっては、間接音の音質に与える影響を低減することができる一方、聴取者が聴取する音の周波数特性も変化する。そのため、補正処理を施した場合と施さない場合とで、聴取者は、特性が大きく変化した周波数帯域において音のエネルギ感が変化したような印象をもってしまう。特定の周波数帯域においてレベルが低くなると、その周波数帯域によっては、聴取者は物足りなさを感じてしまう。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、音質に与える間接音の影響を調整する場合に生じる聴取音の周波数特性の変化を抑えることを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明は、放音手段で放音した音を受音点で受聴したときの間接音の影響を調整するように決められた信号処理をオーディオ信号に対して施して当該信号処理が施されていないオーディオ信号に加算する間接音調整処理と、オーディオ信号の周波数特性を調整する周波数特性調整処理とを含む補正処理を、入力されるオーディオ信号に対して施して、前記放音手段に出力する処理手段を具備し、前記補正処理が施されている場合の前記受音点におけるインパルス応答の周波数特性が、前記間接音調整処理のみが施されている場合の当該周波数特性に比べて、当該補正処理が施されていない場合の当該周波数特性に近づくように、前記周波数特性調整処理の周波数特性が決められていることを特徴とする音響処理装置を提供する。
また、本発明は、放音手段で放音した音を受音点で受聴したときの間接音の影響を調整するように決められた信号処理をオーディオ信号に対して施して当該信号処理が施されていないオーディオ信号に加算する間接音調整処理と、オーディオ信号の周波数特性を調整する周波数特性調整処理とを含む補正処理を、入力されるオーディオ信号に対して施して、前記放音手段に出力する処理手段を具備し、前記周波数特性調整処理の周波数特性は、前記間接音調整処理の周波数特性の逆特性に基づいて決められていることを特徴とする音響処理装置を提供する
また、別の好ましい態様において、前記周波数特性調整処理の周波数特性は、前記間接音調整処理の周波数特性のうち所定の条件を満たすディップの部分の逆特性に基づいて決められていることを特徴とする。
また、別の好ましい態様において、前記信号処理は、マルチタップディレイを用いて実現されることを特徴とする。
また、別の好ましい態様において、前記マルチタップディレイにおける最大遅延時間は50ミリ秒以下として決められていることを特徴とする。
また、本発明は、放音手段で放音した音を受音点で受聴したときの間接音の影響を調整するように決められる第1パラメータに基づく信号処理をオーディオ信号に対して施して当該信号処理が施されていないオーディオ信号に加算する間接音調整処理と、オーディオ信号の周波数特性を第2パラメータに基づいて調整する周波数特性調整処理とを含む補正処理を、入力されるオーディオ信号に対して施して、前記放音手段に出力する処理手段を具備する音響処理装置にパラメータを設定する方法であって、前記放音手段から測定音を出力させ、受音点におけるインパルス応答を測定する測定過程と、前記測定したインパルス応答を解析し、異なる複数の値が前記第1パラメータとしてそれぞれ決められた場合に対応して、前記測定音を示すオーディオ信号を前記音響処理装置に入力し前記放音手段から音が出力されたときの前記受音点におけるインパルス応答を算出し、前記算出したインパルス応答に応じて、前記第1パラメータとすべき値を前記複数の値から特定する第1特定過程と、前記特定された第1パラメータより決まる間接音調整処理の周波数特性の逆特性に基づいて、前記第2パラメータを特定する第2特定過程とを備えることを特徴とするパラメータ設定方法を提供する。
本発明によれば、音質に与える間接音の影響を調整する場合に生じる聴取音の周波数特性の変化を抑えることができる。
本発明の実施形態におけるスピーカ装置の構成を説明するブロック図である。 本発明の実施形態における音響処理部における補正処理を行う構成を説明するブロック図である。 本発明の実施形態における補正処理部の構成を説明するブロック図である。 本発明の実施形態における設定処理を行う構成を説明するブロック図である。 本発明の実施形態におけるパラメータ設定方法を説明するフローチャートである。 本発明の実施形態におけるインパルス応答解析処理における処理の一例を説明する図である。 本発明の実施形態における間接音調整処理の有無によるインパルス応答の違いを説明する図である。 本発明の実施形態における間接音調整処理の周波数特性を説明する図である。 本発明の実施形態における周波数特性調整処理の有無によるインパルス応答の違いを説明する図である。 本発明の実施形態における補正処理の有無によるインパルス応答の違いを説明する図である。
<実施形態>
[外観構成]
図1は、本発明の実施形態におけるスピーカ装置1の構成を説明するブロック図である。スピーカ装置1は、制御部2、記憶部3、操作部4、インターフェイス5、および音響処理部10を有する。これらの各要素は、バスを介して接続されている。また、音響処理部10には、スピーカ部21およびマイク部22が接続されている。
制御部2は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などを有する。制御部2は、記憶部3またはROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、バスを介してスピーカ装置1の各部を制御する。制御部2は、例えば、音響処理部10を制御して、音響処理部10において補正処理、測定処理を行うための各構成を実現する。
補正処理とは、スピーカ装置1から音が出力され、受音点に位置する聴取者に聴取される音から、間接音の影響を低減するためにスピーカ装置1において行われる処理である。測定処理は、制御部2が補正処理において用いられるパラメータを設定する設定処理を行うときに、音響処理部10において行われる処理である。この設定処理は、例えば、スピーカ装置1の設置位置、設置する部屋、受音点など環境を変えたときに行うものであり、利用者による操作部4の操作により開始される。
記憶部3は、不揮発性メモリなどの記憶手段であって、制御部2における制御において用いられる設定パラメータなどを記憶する。この設定パラメータには、後述する補正処理部102(間接音調整部1021、周波数特性調整部1022)において設定されるパラメータが含まれている。
操作部4は、音量レベルを調整するボリューム、設定変更を行う指示を入力するための操作ボタンなどの操作手段を有し、操作内容を示す情報を制御部2に出力する。
インターフェイス5は、外部からオーディオ信号Sinを取得するための入力端子などである。
スピーカ部21は、入力されるオーディオ信号を音として出力する放音手段であって、入力されるデジタル信号のオーディオ信号をアナログ信号に変換するデジタルアナログ変換部(D/A)211、入力されるオーディオ信号を増幅して出力するアンプ部212、入力されたオーディオ信号を音として出力するスピーカユニット213を有する(図2、図4参照)。なお、スピーカ部21における各構成の組は、出力可能なチャンネル数に対応して設けられている。スピーカ部21が有する各構成が2組あれば、それぞれの組は、例えば、オーディオ信号のLチャンネルおよびRチャンネルに対応したものとなる。なお、スピーカユニット213は、単体のスピーカユニットではなく、複数のスピーカユニットにより構成されるスピーカアレイであってもよい。
マイク部22は、入力される音をオーディオ信号として出力する略無指向性のマイクロフォン221と、入力されるアナログ信号のオーディオ信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換部(A/D)222を有する(図4参照)。
音響処理部10は、制御部2の制御に応じてオーディオ信号に対して各種処理を行う。続いて、音響処理部10における補正処理を行うための各構成について説明する。
[補正処理]
図2は、本発明の実施形態における音響処理部10における補正処理を行う構成を説明するブロック図である。音響処理部10における補正処理は、信号処理部101および補正処理部102により実現される。補正処理部102は制御部2の制御によって設定されたパラメータに基づいて動作する。このパラメータは、設定処理により設定され、その設定内容は、上述したように記憶部3に記憶される。なお、音響処理部10が設定内容を記憶するメモリを有していてもよい。
信号処理部101は、インターフェイス5に入力されたオーディオ信号Sinを取得し、デコード、イコライザ処理、音響効果を付与する処理などの各種信号処理を行って出力する。補正処理部102は、信号処理部101から出力されたオーディオ信号に補正処理を施して、スピーカ部21に出力する。
補正処理部102の詳細構成について図3を用いて説明する。
[補正処理部102の構成]
図3は、本発明の実施形態における補正処理部102の構成を説明するブロック図である。補正処理部102は、オーディオ信号に間接音調整処理を施す間接音調整部1021、およびオーディオ信号に周波数特性調整処理を施す周波数特性調整部(EQ)1022を有する。この例においては、間接音調整部1021からの出力信号が周波数特性調整部1022に入力されるようになっているが、間接音調整処理および周波数特性調整処理はそれぞれ線形処理であるから、周波数特性調整部1022からの出力信号が間接音調整部1021に入力されるようになってもよい。すなわち、補正処理部102に入力されたオーディオ信号に対して、間接音調整部1021および周波数特性調整部1022における処理の両方が縦続に施されて出力されればよい。
間接音調整部1021は、入力されたオーディオ信号に対してローパスフィルタ(LPF)と、複数のディレイ処理部を有するマルチタップディレイとにより処理を施し、元のオーディオ信号に加算して出力する。この一連の処理を間接音調整処理という。間接音調整部1021は、入力レベル調整部111、ローパスフィルタ112、複数のタップを有する遅延部(Delay)113、レベル調整部114−1、114−2、・・・、114−n、および加算部115を有する。マルチタップディレイは、この遅延部(Delay)113、レベル調整部114−1、114−2、・・・、114−nにより構成される。
入力レベル調整部111は、ローパスフィルタ112、マルチタップディレイの信号ラインに入力するオーディオ信号を、制御部2の制御に応じた増幅率で増幅して、その入力レベルを調整する。なお、この構成は設けなくともよい。
ローパスフィルタ112は、カットオフ周波数Fcが設定され、入力レベル調整部111から取得したオーディオ信号から、カットオフ周波数Fcより高い周波数帯域の成分を減衰させて、カットオフ周波数Fc以下のオーディオ信号を抽出して出力する。カットオフ周波数Fcは、この例においては、500Hz(波長換算にて約70cm程度)として設定される。なお、このカットオフ周波数Fcは、その波長が人の頭の寸法に対して数倍程度の長さになる周波数として設定され、約1kHz以下であることが望ましい。この設定値は、利用者が操作部4を操作して指定するようにしてもよい。
遅延部113は、ローパスフィルタ112から入力されるオーディオ信号に遅延処理を施して出力する遅延回路を複数有し、各遅延回路により遅延処理された信号が出力されるタップに接続された信号ラインをn本(この例においては、n=12)有している。遅延部113には、各信号ライン(タップ)に対応して、制御部2の制御により遅延時間(d1、s2、・・・、dn)が設定されている。この遅延時間は、聴覚上の時間分解能に対応する50ミリ秒以下の時間として設定される。遅延部113は、入力されるオーディオ信号に対して、各信号ラインに対応して設定された遅延時間の遅延処理を施して、各信号ラインから出力する。
レベル調整部114−1、114−2、・・・、114−nは、遅延部113からの各信号出力ラインに対応して設けられている。レベル調整部114−1、114−2、・・・、114−nには、制御部2の制御に応じて増幅率(g1、g2、・・・、gn)が設定されている。レベル調整部114−1、114−2、・・・、114−nは、各信号出力ラインに出力されるオーディオ信号を、それぞれに設定された増幅率で増幅処理をして出力する。この各信号ラインのレベル調整部114−1、114−2、・・・、114−nからの出力が、マルチタップディレイにおける各ディレイ処理部からの出力に対応する。すなわち、上述したマルチタップディレイに含まれる複数のディレイ処理部の各々は、遅延部113から一の信号ラインに出力される信号の遅延処理を施す遅延回路と、その信号ラインに出力された信号に増幅処理を施す一のレベル調整部とにより構成される。マルチタップディレイにおいて設定される各パラメータ(遅延部113における遅延時間、レベル調整部114−1、114−2、・・・における増幅率)を以下、第1パラメータという。
加算部115は、レベル調整部114−1、114−2、・・・、114−nから出力されるオーディオ信号を、間接音調整部1021に入力された元のオーディオ信号(遅延部113の信号ラインによる信号処理がされていないオーディオ信号)に対して加算して出力する。
周波数特性調整部1022は、IIR(Infinite impulse response)フィルタ、FIR(Finite impulse response)フィルタなどを用いたパラメトリックイコライザであって、入力されるオーディオ信号の周波数特性を、制御部2の制御により設定されたパラメータ(例えば、中心周波数、帯域幅、ゲインなどにより決まる周波数特性、以下、第2パラメータという)に基づいて調整して出力する。この処理を周波数特性調整処理という。
以上が、補正処理部102についての説明である。続いて、設定処理について説明する。
[設定処理]
図4は、本発明の実施形態における設定処理を行う構成を説明するブロック図である。設定処理は、特定部201、設定部202、測定信号生成部103および応答算出部104により実現される。上述した音響処理部10において行われる測定処理は、測定信号生成部103および応答算出部104により実現される。また、特定部201および設定部202は、制御部2によって構成される。
設定処理が行われるときには、部屋に設置されたスピーカ装置1におけるスピーカユニット213は、実際に聴取者に聴取させる場合と同じ位置に設置される。スピーカ部21が有する各構成が複数組ある場合には、各組に対応してそれぞれ設定処理が行われる。以下の説明においては、スピーカ部21は1組であるものとして説明をする。
一方、マイクロフォン221は、その聴取者の位置である受音点に設置される。
測定信号生成部103は、制御部2による制御に応じて、測定信号を生成してスピーカ部21に出力する。測定信号は、例えば、インパルス音を示す信号である。これにより、スピーカ部21は、測定信号を示す測定音Msを出力する(測定音出力処理)。そして、マイクロフォン221には、測定音Msに部屋の間接音などが含まれた音が入力され、マイク部22は、マイクロフォン221に入力された音の内容を示す測定結果信号を出力する。
応答算出部104は、マイク部22から出力された測定結果信号と測定信号生成部103において生成された測定信号とを比較して、インパルス応答を算出して受音点におけるインパルス応答(以下、測定インパルス応答という)として測定する(インパルス応答測定処理)。ここで、測定信号がインパルス音であれば、測定結果信号が測定インパルス応答を示す信号となる。
特定部201は、測定インパルス応答を示す信号を解析して、測定音Msを示す測定信号を補正処理部102における補正処理を施してからスピーカ部21に出力して、スピーカユニット213から音として出力させた場合に、受音点におけるインパルス応答(以下、推定インパルス応答という)として推定されるものを算出する(インパルス応答解析処理)。このとき、マルチタップディレイ(遅延部113およびレベル調整部114−1、114−2、・・・、114−n)に設定される第1パラメータ(遅延時間、増幅率)を何通りかで変化させて補正処理を行った場合について、推定インパルス応答を算出する。
なお、入力レベル調整部111は、予め決められた増幅率に固定されて、制御部2によって設定されている。また、周波数特性調整部1022は、予め決められた第2パラメータに固定されて制御部2によって設定されている。この例においては、第2パラメータは、周波数特性調整処理をしない、すなわち、イコライザとしての周波数特性がフラットになるように設定されている。
続いて、特定部201は、異なる複数の値が第1パラメータとしてそれぞれ決められた場合に対応して算出された複数の推定インパルス応答を示す信号を各々比較する。そして、特定部201は、比較した結果、その信号のエネルギが小さくなる値を第1パラメータとして複数の値から特定する(第1パラメータ特定処理)。
特定部201は、第1パラメータを特定すると、その第1パラメータを間接音調整部1021に設定した場合の間接音調整処理の周波数特性に基づいて、第2パラメータを特定する(第2パラメータ特定処理)。このとき、第2パラメータは、間接音調整処理の周波数特性の逆特性となるように特定される。
特定部201における第1パラメータ特定処理および第2パラメータ特定処理の具体的な内容については、各処理の説明において詳述する。
設定部202は、特定部201において特定された第1パラメータおよび第2パラメータを取得して、間接音調整部1021の遅延部113およびレベル調整部114−1、114−2、・・・、114−nに第1パラメータを設定し、周波数特性調整部1022に第2パラメータを設定する(パラメータ設定処理)。
続いて、設定処理におけるパラメータ設定方法について図5、図6を用いて説明する。
[パラメータ設定方法]
図5は、本発明の実施形態におけるパラメータ設定方法を説明するフローチャートである。スピーカ装置1は、利用者による操作部4の操作により設定処理を開始する指示があると、パラメータ設定処理を開始する。
まず、パラメータ設定処理が開始されると、測定信号生成部103は、制御部2の制御により測定信号を出力し、スピーカユニット213から測定音Msを出力(測定音出力処理)させる(ステップS110)。続いて、応答算出部104は、測定結果信号と測定信号とを比較して、受音点における測定インパルス応答を算出(インパルス応答測定処理)する(ステップS120)。続いて、特定部201は、測定インパルス応答を解析(インパルス応答解析処理)し(ステップS130)、複数の推定インパルス応答を算出し、推定インパルス応答の信号のエネルギに応じて、第1パラメータ(遅延時間、増幅率)を特定(第1パラメータ特定処理)する(ステップS140)。以下、図6を用いてインパルス応答解析処理(ステップS130)および第1パラメータ特定処理(ステップS140)の内容を説明する。
図6は、本発明の実施形態におけるインパルス応答解析処理における処理の一例を説明する図である。まず、図6(a)に示すように、特定部201は、遅延部113、レベル調整部114−1、114−2、・・・、114−nのうち、1本目の信号ラインのみ有効にし、他の信号ラインを無効にする。ここで、無効とは、遅延部113からその信号ラインに信号が出力されないようにしてもよいし、その信号ライン上のレベル調整部に設定される増幅率を「0」としてもよい。
そして、特定部201は、遅延時間d1および増幅率g1を様々な値として仮に設定した場合において測定音Msを示す測定信号に補正処理を施し、スピーカユニット213から音として出力したときの受音点におけるインパルス応答として推定される推定インパルス応答を算出する。ここで、設定される第1パラメータとしての遅延時間d1は、0ミリ秒より大きく、50ミリ秒以下の値として仮に設定され、とりうる値として、例えばサンプル単位であってもよいし、1ミリ秒単位であってもよい。また、別の第1パラメータとしての増幅率g1は、−xdBから+ydBの間の値として仮に設定され、とりうる値として、1dB単位など予め決められた単位であればよい。また、反転処理となるような値もとりうる。
そして、特定部201は、異なる複数の値の第1パラメータ(遅延時間d1、増幅率g1)に対応して算出された複数の推定インパルス応答を示す信号の各々を比較して、予め決められた評価期間Taにおいて最もエネルギが小さくなる推定インパルス応答を選択する。ここで、評価期間Taは、インパルス応答における直接音に対応する信号より後の期間であり、その期間の長さは概ね100ミリ秒以下として設定される。この長さは、上述した遅延部113に設定される遅延時間における最大値の概ね2倍以下の時間として設定されることが望ましいが、この時間に限られるものではない。なお、この評価期間Taの長さをある程度長い時間として設定することにより、インパルス応答の信号に含まれる定常波の成分についても低減させることができる。この場合、特定部201は、定常波の成分の周波数を特定して、ローパスフィルタ112に設定されるカットオフ周波数Fcが、この定常波の成分の周波数より大きくなるように、設定を変更しておいてもよい。
そして、特定部201は、選択した推定インパルス応答に対応する値を第1パラメータ(遅延時間d1、増幅率g1)として特定する。
次に、図6(b)に示すように、特定部201は、1本目の信号ラインに対応して、特定した第1パラメータ(遅延時間d1、増幅率g1)を設定して値を固定する。そして、特定部201は、1本目および次の2本目の信号ラインも有効にして、遅延時間d2および増幅率g2を様々な値として仮に設定した場合において測定音Msを示す測定信号に補正処理を施し、スピーカユニット213から音として出力したときの受音点におけるインパルス応答として推定される推定インパルス応答を算出する。そして、特定部201は、1本目の信号ラインと同様に、複数の推定インパルス応答を算出して、一の推定インパルス応答を選択し、選択した推定インパルス応答に対応する値を第1パラメータ(遅延時間d2、増幅率g2)として特定する。
特定部201は、上記処理を繰り返し、n本目の信号ラインに対応して設定すべき第1パラメータまで特定したら、第1パラメータ特定処理を終了する。
図5に戻って説明を続ける。特定部201は、第1パラメータ特定処理を終了すると、全ての信号ラインに対応して特定した第1パラメータを間接音調整部1021に設定した場合の間接音調整処理の周波数特性(例えば図8参照)を算出し、その周波数特性の逆特性を、第2パラメータ(周波数特性)として特定(第2パラメータ特定処理)する(ステップS150)。このとき、間接音調整処理の周波数特性の逆特性と、周波数特性調整処理の周波数特性とが完全に一致していなくてもよい。例えば、間接音調整処理の周波数特性における特徴的なピーク、ディップ(半値幅が一定値以下、ピーク(ディップ)レベルの絶対値が一定値以上などの条件を満たすピーク、ディップなど)が存在する場合には、その特徴的なピーク、ディップを抽出した周波数特性の逆特性を周波数特性調整処理の周波数特性とすればよい。
ここで、特定部201は、特定した第1パラメータを設定した場合の回路について周波数特性を計算することにより、間接音調整処理の周波数特性を算出してもよい。また、特定部201は、特定した第1パラメータを間接音調整部1021に設定した場合の推定インパルス応答の周波数特性と、測定インパルス応答の周波数特性との違いが、間接音調整部1021の処理の周波数特性に起因するものとして算出してもよい。このとき、測定インパルス応答のかわりに、第1パラメータの増幅率を全て「0」にした場合の推定インパルス応答を用いてもよい。
特定部201における第2パラメータ特定処理が終了すると、設定部202は、特定部201によって特定されたパラメータを間接音調整部1021の遅延部113およびレベル調整部114−1、114−2、・・・、114−nに設定し、周波数特性調整部1022に第2パラメータを設定(パラメータ設定処理)する(ステップS160)。この設定が終了すると、制御部2は、パラメータ設定処理を終了する。以上がパラメータ設定方法についての説明である。
続いて、このようにしてパラメータが設定された補正処理部102を用いて補正処理を行った場合と、補正処理を行わなかった場合について、受音点におけるインパルス応答の違いの例を説明する。以下の説明においては、間接音調整処理の有無、周波数特性調整処理の有無に分けて説明する。
[間接音調整処理有無比較]
図7は、本発明の実施形態における間接音調整処理の有無によるインパルス応答の違いを説明する図である。図7(a)は、横軸が測定信号が出力された時刻を「0」として時刻を示し、縦軸が信号レベルを示している。図7(b)は、横軸が周波数、縦軸が信号レベルを示している。ここでは、周波数特性調整処理は行われていないものとする。
図7(a)は、間接音調整処理を行わなかった場合のインパルス応答信号IR(0)と、間接音調整部1021におけるn本の信号ラインをもつマルチタップディレイにおいて、上述したパラメータ設定方法においてパラメータが設定された場合において、間接音調整処理を行った場合のインパルス応答信号IR(n)とを比較した図である。この図においては、比較しやすいように、インパルス応答信号IR(0)、IR(n)のうちローパスフィルタ112に設定されたカットオフ周波数Fc(500Hz)以下の周波数帯域のみを抽出した信号を表示している。
インパルス応答信号IR(0)、IR(n)を比較すると、図7(a)に示すように、IR(n)の方がIR(0)よりも評価期間Taにおけるエネルギが小さくなっていることが明確にわかる。特に、評価期間Taにおけるピークが全体的に抑制されている。聴取者は、このエネルギの減少分が評価期間Ta、すなわち聴覚の時間分解能より短い期間に到達する間接音の影響が低減したものとして聴取するため、間接音調整処理が行われない場合に比べて、音質が向上して聞こえることになる。
図7(b)は、図7(a)に示すインパルス応答信号IR(0)、IR(n)の周波数特性を示す図である。インパルス応答信号IR(0)、IR(n)の周波数特性を示すスペクトルは、それぞれ、IRF(0)、IRF(n)である。図7に示すように、間接音調整処理によっては、ローパスフィルタ112において通過する低周波数帯域において、エネルギが抑制されていることがわかる。特に、100Hz近傍において、大きくエネルギが抑制されている。そのため、このままの音を聴取すると、聴取者にとっては、低域で少し物足りなさを感じてしまうことになる場合がある。
図8は、本発明の実施形態における間接音調整処理の周波数特性を説明する図である。図8は、横軸が周波数、縦軸がレベルを示している。間接音調整処理の周波数特性を示すスペクトルは、CF(n)である。このCF(n)は、間接音調整部1021におけるn本の信号ラインをもつマルチタップディレイにおいて、上述したパラメータ設定方法においてパラメータが設定された場合の回路の周波数特性として演算されたものである。図7(b)に示すように、この例における間接音調整処理により100Hz近傍のエネルギが大きく抑制されることに対応して、間接音調整処理の周波数特性は、図8に示すとおり、100Hz近傍でレベルを大きく低下させるディップが特徴的に見られるものとして算出される。
図9は、本発明の実施形態における周波数特性調整処理の有無によるインパルス応答の違いを説明する図である。図9(a)は、横軸が測定信号が出力された時刻を「0」として時刻を示し、縦軸が信号レベルを示している。図9(b)は、横軸が周波数、縦軸が信号レベルを示している。ここでは、図7に示す間接音調整処理が行われた上で周波数特性調整処理の有無を比較している。この周波数特性調整処理は、図8に示す周波数特性の逆特性として、第2パラメータが周波数特性調整部1022に設定された場合のものである。ただし、この例においては、周波数特性調整処理の周波数特性は、この逆特性そのものではなく、上記の特徴的なディップ部分の逆特性(100Hz近傍)を反映するように第2パラメータが決められている。この例においては、中心周波数が「100Hz」であり、帯域幅はディップ部分の半値幅に応じて決められた特定の幅(予め決められた特定の幅であってもよい)、ゲインは「+5dB」のピーク特性となるよう第2パラメータが設定されている。
図9(a)は、周波数特性調整処理を行わなかった場合のインパルス応答信号IR(n)と、周波数特性調整処理を行った場合のインパルス応答信号IRE(n)とを比較した図である。この図においては、比較しやすいように、インパルス応答信号IR(n)、IRE(n)のうちローパスフィルタ112に設定されたカットオフ周波数Fc(500Hz)以下の周波数帯域のみを抽出した信号を表示している。
インパルス応答信号IR(n)、IRE(n)を比較すると、図9(b)に示すように、IRE(n)の方がIR(n)よりも全体的にエネルギが大きくなっていることがわかる。ただし、図7(a)に示すIR(0)に見られたピークが発生するわけではない。
図9(b)は、図9(a)に示すインパルス応答信号IR(n)、IRE(n)の周波数特性を示す図である。インパルス応答信号IR(n)、IRE(n)の周波数特性を示すスペクトルは、それぞれ、IRF(n)、IREF(n)である。図9に示すように、周波数特性調整処理によっては、100Hz近傍のエネルギが増加し、聴取者が感じる物足りなさを低減させる。
図10は、本発明の実施形態におけ補正処理の有無によるインパルス応答の違いを説明する図である。図10(a)においては、図7(a)に示すIR(0)と図9(a)に示すIRE(n)とを比較したものであり、図10(b)においては、図7(b)に示すIRF(0)と図9(b)に示すIREF(n)とを比較したものである。補正処理によっては、図10(a)に示すようにIRE(n)においてはIR(0)にみられるピークが抑制されている。また、図7(b)、図9(b)、図10(b)に示すように、IREF(n)がIRF(n)よりもIRF(0)に近くなるように第2パラメータが決められ、IREF(n)とIRF(0)とは概ね一致したスペクトルになっている。そのため、補正処理によっては、間接音の音質に与える影響を抑えつつ、聴取者が感じる物足りなさを低減させることができる。
このように、スピーカ装置1は、入力されるオーディオ信号Sinに対して、補正処理を行ってから音として出力することにより、受音点に位置する聴取者にとっては、評価期間Taにおける間接音の影響が低減された状態で聴取されることになる。特に、ローパスフィルタ112を通過する低周波数帯域において間接音の影響が低減される。このとき、補正処理の前後においてオーディオ信号の周波数特性の変化が少ないため、特定の周波数帯域においてエネルギが抑制されることもなくなり、聴取者に物足りなさを感じさせにくくなる。
さらに、ローパスフィルタ112に設定されたカットオフ周波数Fcは、その波長が人の頭の寸法に対して数倍程度の長さになる周波数として設定されているから、受音点を中心に概ねその波長の範囲内においては、間接音の影響が低減される。ローパスフィルタ112を通過させないオーディオ信号を用いて補正処理を施す場合には、波長の短い高周波数帯域の音についても補正処理がなされてしまうため、その波長の範囲内を超えて聴取者(受音点)の位置が移動してしまうと、高周波数帯域における補正の効果が低減し、さらにその音質にも悪影響も与えてしまうことがある。
このような場合には、ローパスフィルタ112を通過させたオーディオ信号を用いて補正処理を施すことにより、聴取者の位置が若干変化したとしても、間接音の影響を低減する効果がすぐに失われてしまわないようにすることもできる。また、聴取者は、聴取する間接音が低周波数帯域である方が、音質に与える影響を大きく感じやすいため、高周波数帯域における間接音の影響を低減する効果がなかったとしても、低周波数帯域における間接音の影響を低減することで音質に与える影響を効果的に低減することができる。
<変形例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は以下のように、さまざまな態様で実施可能である。
[変形例1]
上述した実施形態においては、特定部201においては、間接音調整処理を行った場合のインパルス応答信号IR(n)の評価期間Taにおけるエネルギよりも、間接音調整処理を行わなかった場合のインパルス応答信号IR(0)の評価期間Taにおけるエネルギが小さくなるように第1パラメータを特定して、間接音の影響を低減していたが、別の態様でパラメータを特定してもよい。
第1の態様としては、特定部201は、インパルス応答信号IR(n)の評価期間Taにおける絶対値のピーク値がインパルス応答信号IR(0)の評価期間Taにおける絶対値のピーク値よりも小さくなるように第1パラメータを特定して、間接音の影響を低減するようにしてもよい。
この場合には、特定部201は、信号ラインごとに第1パラメータを特定するときに、異なる複数の値の第1パラメータ(遅延時間、増幅率)に対応して算出された複数の推定インパルス応答を示す信号の各々を比較して、評価期間Taにおいて絶対値のピーク値の最大値が最も小さくなる推定インパルス応答を選択すればよい。
第2の態様としては、特定部201は、インパルス応答信号IR(n)の周波数特性の変動がインパルス応答信号IR(0)の周波数特性の変動よりも小さくなるように第1パラメータを特定して、間接音の影響を低減するようにしてもよい。
この場合には、特定部201は、信号ラインごとに第1パラメータを特定するときに、異なる複数の値の第1パラメータ(遅延時間、増幅率)に対応して算出された複数の推定インパルス応答を示す信号の各々を比較して、周波数特性の変動が最も小さくなる推定インパルス応答を選択すればよい。
なお、上述の各態様においては、エネルギ、ピーク値、周波数特性の変動が小さくなるように推定インパルス応答を選択していたが、大きくなるように、または一定の値に近づくように選択されてもよい。このように選択した場合には、間接音の影響が低減されるわけではないが、特殊な音場を再現する場合などに用いることができる。このとき間接音調整処理によっては、特定の周波数帯域のエネルギを増加させる場合があるから、周波数特性調整処理において、その特定の周波数帯域のエネルギを低減されるように、第2パラメータが決められる場合もある。このように、間接音調整処理の周波数特性と周波数特性調整処理の周波数特性とが関連性を有していればよい。
[変形例2]
上述した実施形態においては、特定部201は、1本の信号ラインごとに、複数の推定インパルス応答を算出し、測定インパルス応答と比較して第1パラメータを特定して、全ての信号ラインについて順に第1パラメータを特定していたが、複数本の信号ラインごとに第1パラメータを特定するようにしてもよい。
特定部201は、3本の信号ラインごとに第1パラメータを特定する場合を説明する。この3本の信号ラインをm、m+1、m+2本目とする。特定部201は、これらの信号ラインに対応する第1パラメータ(遅延時間dm、dm+1、dm+2、増幅率gm、gm+1、gm+2)について、dm<dm+1<dm+2を満たす条件を前提として、その値を様々に変化させて仮に設定した場合における複数の推定インパルス応答を算出する。
そして特定部201は、複数の推定インパルス応答を示す信号の各々を比較して、評価期間Taにおいて最もエネルギが小さくなる推定インパルス応答を選択する。そして、特定部201は、選択した推定インパルス応答に対応する値を第1パラメータ(遅延時間dm、dm+1、dm+2、増幅率gm、gm+1、gm+2)として特定する。
続いて、特定部201は、m+3、m+4、m+5本目の信号ラインについて、上記と同様にしてパラメータを特定する。この処理を続けて、特定部201は、n本目の信号ラインに対応して設定すべき第1パラメータまで特定を行う。
このようにして、特定部201は、複数本の信号ラインを単位として第1パラメータを特定することにより、1本の信号ラインを単位とした場合に比べて、よりインパルス応答信号IR(n)の評価期間Taにおけるエネルギを小さくすることができる。なお、第1パラメータを特定するときの単位とする信号ラインの本数は、多いほどエネルギを小さくすることができるが、推定インパルス応答の算出における処理量が多くなってしまう。そのため、特定部201は、n本全ての信号ラインをまとめて第1パラメータの特定するものとしてもよいが、処理時間に余裕がある場合に行うようにすることが望ましい。例えば、スピーカ装置1が補正処理を施した音を出力している間にも、バックグラウンドで特定部201における処理を行えばよい。
[変形例3]
上述した実施形態においては、特定部201は、1本の信号ラインに対応して第1パラメータを特定したら、次の信号ラインに対応する第1パラメータを特定して、n本目の信号ラインまで第1パラメータを特定したら処理を終了していたが、一定の条件を満たしたら、n本目に達していなくても処理を終了するようにしてもよい。
この場合には、特定部201は、例えば、p本目の信号ラインについて第1パラメータを特定するときに選択した推定インパルス応答の信号のエネルギと、p+1本目の信号ラインについての第1パラメータを特定するときに選択した推定インパルス応答の信号のエネルギとの差が、予め決められたしきい値に達していない場合には、p+2(<n)本目の信号ラインについての第1パラメータの特定を行わずに処理を終了すればよい。そして、p+2(またはp+1)本目以降の信号ラインについては無効にして、補正処理に用いられないようにすればよい。
このようにすれば、特定部201の第1パラメータの特定において行われる算出の処理量を低減することができる。
[変形例4]
上述した実施形態においては、ローパスフィルタ112は、遅延部113より前の信号経路に設けられていたが、線形不変システムの縦続接続であるため、遅延部113より後の信号経路に設けて、順序を逆にしてもよい。すなわち、遅延部113、レベル調整部114−1、114−2、・・・、114−nにおいて処理されたオーディオ信号が加算部115において、間接音調整部1021に入力された元のオーディオ信号に対して加算される前の信号経路にローパスフィルタ112が設けられていてもよい。
この場合には、例えば、レベル調整部114−1、114−2、・・・、114−nから出力されたオーディオ信号を一旦加算する第2加算部を設け、第2加算部からのオーディオ信号をローパスフィルタ112において処理して加算部115に出力するようにすればよい。
また、ローパスフィルタ112は必ずしも設けられていなくてもよい。聴取者の位置があまり変化しない環境においては、ローパスフィルタ112が設けられていなくても間接音の影響を低減する効果が失われにくいためである。
[変形例5]
上述した実施形態においては、入力レベル調整部111は、予め決められた増幅率に固定されていたが、第1パラメータ特定処理の後に増幅率が変更されてもよい。これにより、間接音調整処理の周波数特性が変更されることになるから、増幅率の変更が第2パラメータ特定処理の後であれば、第2パラメータの内容を上記増幅率の変更に伴って更新してもよい。
[変形例6]
間接音調整部1021においては、入力レベル調整部111、ローパスフィルタ112、遅延部113、レベル調整部114−1、114−2、・・・、114−nを用いて、音質に与える間接音の影響を調整していたが、別の構成を用いてもよい。例えば、これらの構成の全部または一部の信号処理をFIRフィルタなどのデジタルフィルタで実現してもよい。この場合には、音質に与える間接音の影響を調整するように決められる第1パラメータは、FIRフィルタの係数などに相当する。そして、間接音調整部1021は、FIRフィルタによって信号処理が施されたオーディオ信号を、信号処理が施されていないオーディオ信号に加算して出力する。このように、間接音調整部1021は、音質に与える間接音の影響を調整するように決められた信号処理をオーディオ信号に対して施して、信号処理が施されていないオーディオ信号に加算して出力する構成であれば、どのような構成であってもよい。
[変形例7]
上述した実施形態においては、本発明の音響処理装置(少なくとも制御部2および音響処理部10を有する装置)をスピーカ装置1に適用した場合について説明したが、スピーカ装置1に限られない。例えば、スピーカユニット213、マイクロフォン221が外部装置として接続されるAV(Audio Visual)アンプ、AVレシーバなどに適用可能である。また、テレビ、パーソナルコンピュータ、ゲーム機などにも適用可能である。
[変形例8]
上述した実施形態における制御プログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供し得る。また、スピーカ装置1は、制御プログラムをネットワーク経由でダウンロードしてもよい。
1…スピーカ装置、2…制御部、3…記憶部、4…操作部、5…インターフェイス、10…音響処理部、21…スピーカ部、22…マイク部、101…信号処理部、102…補正処理部、103…測定信号生成部、104…応答算出部、111…入力レベル調整部、112…ローパスフィルタ、113…遅延部、114−1,114−2,・・・114−n…レベル調整部、115…加算部、201…特定部、202…設定部、211…デジタルアナログ変換部、212…アンプ部、213…スピーカユニット、221…マイクロフォン、222…アナログデジタル変換部、1021…間接音調整部、1022…周波数特性調整部

Claims (6)

  1. 放音手段で放音した音を受音点で受聴したときの間接音の影響を調整するように決められた信号処理をオーディオ信号に対して施して当該信号処理が施されていないオーディオ信号に加算する間接音調整処理と、オーディオ信号の周波数特性を調整する周波数特性調整処理とを含む補正処理を、入力されるオーディオ信号に対して施して、前記放音手段に出力する処理手段を具備し、
    前記補正処理が施されている場合の前記受音点におけるインパルス応答の周波数特性が、前記間接音調整処理のみが施されている場合の当該周波数特性に比べて、当該補正処理が施されていない場合の当該周波数特性に近づくように、前記周波数特性調整処理の周波数特性が決められている
    ことを特徴とする音響処理装置。
  2. 放音手段で放音した音を受音点で受聴したときの間接音の影響を調整するように決められた信号処理をオーディオ信号に対して施して当該信号処理が施されていないオーディオ信号に加算する間接音調整処理と、オーディオ信号の周波数特性を調整する周波数特性調整処理とを含む補正処理を、入力されるオーディオ信号に対して施して、前記放音手段に出力する処理手段を具備し、
    前記周波数特性調整処理の周波数特性は、前記間接音調整処理の周波数特性の逆特性に基づいて決められている
    ことを特徴とする音響処理装置。
  3. 前記周波数特性調整処理の周波数特性は、前記間接音調整処理の周波数特性のうち所定の条件を満たすディップの部分の逆特性に基づいて決められている
    ことを特徴とする請求項に記載の音響処理装置。
  4. 前記信号処理は、マルチタップディレイを用いて実現される
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の音響処理装置。
  5. 前記マルチタップディレイにおける最大遅延時間は50ミリ秒以下として決められている
    ことを特徴とする請求項に記載の音響処理装置。
  6. 放音手段で放音した音を受音点で受聴したときの間接音の影響を調整するように決められる第1パラメータに基づく信号処理をオーディオ信号に対して施して当該信号処理が施されていないオーディオ信号に加算する間接音調整処理と、オーディオ信号の周波数特性を第2パラメータに基づいて調整する周波数特性調整処理とを含む補正処理を、入力されるオーディオ信号に対して施して、前記放音手段に出力する処理手段を具備する音響処理装置にパラメータを設定する方法であって、
    前記放音手段から測定音を出力させ、受音点におけるインパルス応答を測定する測定過程と、
    前記測定したインパルス応答を解析し、異なる複数の値が前記第1パラメータとしてそれぞれ決められた場合に対応して、前記測定音を示すオーディオ信号を前記音響処理装置に入力し前記放音手段から音が出力されたときの前記受音点におけるインパルス応答を算出し、前記算出したインパルス応答に応じて、前記第1パラメータとすべき値を前記複数の値から特定する第1特定過程と、
    前記特定された第1パラメータより決まる間接音調整処理の周波数特性の逆特性に基づいて、前記第2パラメータを特定する第2特定過程と
    を備えることを特徴とするパラメータ設定方法。
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