JP5340890B2 - 携帯端末及び入力制御プログラム - Google Patents
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Description
従って、例えば、ユーザの指等以外の身体の一部がタッチパッドに接触してしまった場合等(以下、「誤接触」という)に、ユーザが意図しない処理が実行されてしまう(以下、「誤動作」という)という問題が生じ得る。
これにより、例えば、上述の既定の面積値として、ユーザの指等を接触させた場合の面積値と指等以外の身体の一部を接触させた場合の面積値との境界となる面積値を設定しておくことで、指等以外のユーザの身体の一部が誤って接触してしまった場合にも、誤動作を防止することができる。
しかしながら、接触の仕方によっては、例えば、時間の経過と共に、接触範囲の面積が徐々に広がっていくようなケースも考えられるが、特許文献1の方法では、上述の判定のタイミングで、接触範囲の面積が既定の面積値を越えていなければ、このようなケースの接触による誤動作を防止できない。
≪実施の形態1≫
<外観>
図1は、実施の形態1に係る携帯電話機100の閉じられた状態の外観を示す斜視図であり、図2は、実施の形態1に係る携帯電話機100の開かれた状態の外観を示す斜視図であり、図3は、実施の形態1に係る携帯電話機100の閉じられた状態の外観を示す正面図である。
図1では、図示を省略しているが、図3に示すように、携帯電話機100は、閉じられた状態で外部に露出する筐体2の表面に、サブLCD101と、タッチパッド102を備える。
なお、同図の一点鎖線は、説明上、各キーの範囲(例えば、5mm×10mm程度)を示すために記載したものであり、実際には視認できるものではない。また、以下では、例えば、「1」のマークが示すキーを「1キー」と表現し、他のマークが示すキーについても同様に表現する。
また、本実施の形態において、接触とは、ユーザの指、顔等の身体やタッチペン等がタッチパッドに接触した状態をいう他、ユーザの指、顔等の身体やタッチペン等、タッチパッド102の静電容量を変化させるものが、後述するキー接触値(図5参照)がGNDレベル以上になるまでタッチパッドに近接した状態を含む。
<構成>
図4は、携帯電話機100の主要部の機能構成を示すブロック図である。
携帯電話機100は、同図に示すように、サブLCD101、タッチパッド102、通信部103、スピーカ104、マイク105、バイブレータ106、制御部110、及びアプリケーション実行部120を備える。
ここで、サブLCD101は、制御部110からの指示を受けて文字等の画像を表示する機能を有する。
通信部103は、アンテナを介して基地局との間で電波の送受信を行う回路であり、受信信号を復調し制御部110へ伝達する機能、及び制御部110から伝達された信号を変調し送信する機能を有する。
算出部111は、非調整状態と調整状態との2つの状態を切替部112からの指示に応じて切り替えて動作し、非調整状態では、接触されているキー毎に、そのキーの座標範囲における接触面積の増減に応じて0〜1024の範囲で増減する値を算出し、その値をそのまま上記キー接触値とし、調整状態では、接触されているキー毎に、そのキーの座標範囲における接触面積の増減に応じて0〜1024の範囲で増減する値の、上記単位時間(この例では25ms)前のキー接触値に対する変化量が既定値(以下では、「30」とする)以内となるように調整した値を上記キー接触値とする。
なお、接触されているキーの座標範囲における接触面積の増減に応じて0〜1024の範囲で増減する値としては、例えば、そのキーの座標範囲内の静電容量を表すための値の総和を0〜1024の範囲の値を取るようにスケール変換した値を用いることができる。
切替部112は、算出部111の状態及び算出部111により算出されたキー接触値に基づいて、算出部111の状態を切り替えさせる機能を有する。
切替部112は、調整状態である算出部111により算出されたキー接触値のいずれかがキー押し検出閾値を超えた場合に、算出部111の状態を非調整状態に切り替えさせ、非調整状態である算出部111により算出されたキー接触値の全てがリリース検出閾値未満になった場合に、算出部111の状態を調整状態に切り替えさせる。
なお、切替部112が算出部111の状態を切り替えるタイミングについては、後に詳細に説明する(図5参照)。
キー決定部113は、算出部111により算出されたキー接触値が多重押し検出閾値(例えば、「580」であるものとする)以上であるキーが既定数以上存在する(以下、「多重押し」という)場合、及び多重押し検出閾値以上である各キーの間の位置にリリース検出閾値(580)以下のキーが存在する場合を除き、キー押し検出閾値(632)以上の最大値のキーを原則として対象キーと決定する。
音声処理部115は、通信部103を介して受信した音声信号をD/A(Digital/Analog)変換し、スピーカ104から出力する機能、及びマイク105から入力された音声信号をA/D(Analog/Digital)変換し、生成した信号を通信部103を介して送信する機能を有する。なお、上述の音声信号には、DTMF(Dial Tone Multi Frequency)トーンが含まれる。
アプリケーション実行部120は、制御部110から通知されたイベントに応じた処理を行うイベントドリブンのアプリケーションとして機能するものである。
<キー接触値>
ユーザの指等により接触されたキーについてのキー接触値が、算出部111の状態に応じてどのように変化するかを、図5を用いて説明する。
同図に示すように、横軸は時刻を、縦軸は、ユーザの指等により接触されたある1つのキーについてのキー接触値を示しているが、キー接触値が0〜511までの範囲については図示を省略している。また、GNDは、ユーザの指等がキーに接触しているか否かを判定するために用いられる閾値(一例として、「512」)を表している。
時刻T1は、ユーザの指等により、あるキーへの接触が開始されたタイミングを示している。
キー接触値がキー押し検出閾値以上になったときに、切替部112は、算出部111を非調整状態に切り替えさせるため、時刻T2において、切替部112は、算出部111を非調整状態に切り替えさせる。その結果、キー接触値は、調整された値ではなくなるため、時刻T2〜T3において、キー接触値は一気に増加し、以降、時刻T5まで、キー接触値は、そのキーについての接触面積の増減に応じて変化する。
算出部111は、非調整状態であるため、時刻T4〜時刻T5において、キー接触値は一気に減少する。
時刻T5は、キー接触値が、リリース検出閾値以下となったタイミングを示している。
以下、この算出部111の状態の切り替えによる効果について、より詳しく説明する。
キー接触値は、上述のように、タッチパッド102から出力される静電容量を表すための値に基づいて算出部111により算出されるが、この静電容量を表すための値は、通話や一般的な携帯電話機が備えるカメラの撮影等によるノイズの影響によっても変動するものである。
しかしながら、キーへの接触が開始された時刻T1から、キー接触値がキー押し検出閾値に達する時刻T2までは、算出部111は調整状態で動作するので、キーにおける接触面積の増減に応じて増減する値の単位時間内の変化が既定値(30)以内になるように調整した値がキー接触値とされるので、ノイズの影響によりキー接触値が一気にキー押し検出閾値を越えるようなことは生じ得ず、上述のような誤動作の発生を適切に防ぐことができる。
<動作>
次に、上記構成を備える携帯電話機100の動作について、図6を用いて説明する。
なお、同図に示す制御処理とは独立した処理として、タッチパッド102からは、単位時間毎(この例では25ms毎)に検出されている接触位置の座標値(x,y)と静電容量を表すための値との組が出力されており、制御部110の算出部111により、単位時間毎に、接触されている各キーについてのキー接触値が算出されている。以下の説明を開始する時点で、算出部111は、調整状態で動作しているものとして説明する。
同図に示すように、制御部110のキー決定部113は、算出部111が算出した最新の各キー接触値に基づいて、多重押し検出閾値以上であるキーの数がいくつあるかを繰り返し(この例では、100ms毎)判定する(ステップS1)。
ステップS1において、該当のキーの数が0である場合には(ステップS1:0)、キー決定部113は、特に処理を行うことなく制御処理を終了する。
なお、ステップS2で、算出部111の状態を、非調整状態へと切り替えさせるのは、算出部111の状態が調整状態である場合において、多重押しが検出されたときに、タッチパッド102からの接触が離された後、全てのキーのキー接触値がキー押し検出閾値未満となって、次の対象キーの決定をなるべく早く行えるようにするためである。
また、ステップS1において、該当のキーの数が1つ〜4つである場合には(ステップS1:1以上5未満)、キー決定部113は、その該当のキーに含まれる2つのキーの組合せそれぞれについて、その組合せに係る2つのキーの間の位置のキー、つまり、2つのキーそれぞれと隣接するキーのキー接触値がリリース検出閾値以下であるか否かを判定する(ステップS3)。ユーザの指等によるタッチパッド102への操作が行われていれば、多重押し検出閾値以上の2つのキーそれぞれに隣接する1つのキーにもユーザの指等が接触しているのが通常であると考えられる。従って、この隣接する1つのキーがリリース検出閾値以下であるような場合には、ユーザの指等による通常の操作ではないと考えられるため、対応処理が実行されること(誤動作)を防ぐ必要があるためである。
ステップS3でいずれかの隣接するキーのキー接触値がリリース検出閾値以下である場合には(ステップS3:YES)、切替部112は、算出部111の状態を、調整状態から非調整状態へと切り替えさせ(ステップS2)、後述するステップS11の処理に進み、いずれの隣接するキーのキー接触値もリリース検出閾値より大きい場合には(ステップS3:NO)、キー決定部113は、ステップS1で検出した多重押し検出閾値以上であるキーの中に、キー接触値が、キー押し検出閾値以上であるキーが存在するか否かを判定する(ステップS4)。
対象キーが決定済でない場合には(ステップS5:NO)、キー決定部113は、キー接触値が最大であるキーを対象キーと決定する(ステップS6)。なお、最大のキー接触値に係るキーが複数ある場合には、予めキーに定められている優先順位に従って対象キーを決定するが、この例では、より左上に配置されているキーを優先するものとする。例えば、最大のキー接触値に係るキーが1キーと2キーと4キーである場合には、1キーを対象キーと決定する。
ここで、キー押しイベントとは、キーが押されたことを示すイベントであり、押されたキーとして対象キーの識別情報を含むものである。
該当のキーの数が1つ以上である場合には(ステップS11:1以上)、繰り返し(この例では、100ms毎)ステップS11の判定を行い、該当のキーの数が0である場合には(ステップS11:0)、キー決定部113は、対象キーの決定を解除し(ステップS12)、切替部112は、算出部111の状態を、非調整状態から調整状態へと切り替えさせ(ステップS13)、制御処理を終了する。
上述した携帯電話機100の動作について、具体例を用いて説明する。
<対象キー決定前の多重押し>
対象キー決定前に多重押しが生じた場合の携帯電話機100の動作例を説明する。
図7(a)〜(e)は、それぞれ4キー、5キー、1キー、2キー、7キーのキー接触値の変化例を示す図である。
なお、時刻T10から時刻T12までの時間、時刻T12から時刻T13までの時間、時刻T13から時刻T15までの時間、時刻T15から時刻T17までの時間は、それぞれ100msであるものとする。
図7の時刻T12において、キー決定部113は、再び制御処理を開始し、図6のステップS1の判定を行い、この例では、多重押し検出閾値(580)以上であるキー(4キー、5キー、1キー、2キー、及び7キー)の数は5つであるため(ステップS1:5以上)、切替部112は、算出部111の状態を、調整状態から非調整状態へと切り替えさせる(ステップS2)。
図7の時刻T15においても、リリース検出閾値以上であるキー(5キー、1キー、2キー、及び7キー)の数が4つなので(図6のステップS11:1以上)、再びステップS11の処理に戻る。
このように、携帯電話機100は、対象キー決定前(この例では時刻T12)に、キー接触値が、多重押し検出閾値以上であるがキー押し検出閾値未満であるキー(この例では、2キー及び7キー)を含む多重押しを検出することができる。従って、例えば、通話中に、ユーザの耳や顔等が、タッチパッド102に接触してしまった場合でも、キー接触値が、多重押し検出閾値以上であるキーのうち、キー接触値が最大値のキーが対象キーとして決定されてしまい、対応処理が誤って実行されてしまうという誤動作を適切に防ぐことができる。
対象キー決定後に多重押しが生じた場合の携帯電話機100の動作例を説明する。
図8(a)〜(e)は、それぞれ4キー、5キー、1キー、7キー、8キーのキー接触値の変化例を示す図である。
以下では、時刻T20で、4キー及び5キーの接触が開始され、時刻T21で、1キーの接触が開始され、時刻T22で、7キー及び8キーの接触が開始され、時刻T25で4キー及び7キーの接触が離され、時刻T26で5キー、1キー、及び8キーの接触が離された場合を例に説明する。
図8の時刻T20において、キー決定部113は、制御処理を開始し、この時点では、多重押し検出閾値(580)以上であるキーの数は0なので(図6のステップS1:0)、特に何も行わず、制御処理を終了する。
図8の時刻T26において、キー決定部113は、算出部111が算出した最新の各キー接触値に基づいて、リリース検出閾値以上であるキーの数がいくつあるかを判定し(図6のステップS11)、該当のキー(5キー、1キー、及び8キー)の数が3つなので(ステップS11:1以上)、再びステップS11の処理に戻る。
このように、携帯電話機100は、最初にキー接触値が多重押し検出閾値を超えたキーが発生したタイミング(この例では時刻T23)においては多重押しが検出されない場合でも、対象キー決定後(この例では時刻T24)に多重押しがされているか否かを再び判定するので、このタイミングで多重押しが検出されれば、誤動作を適切に防ぐことができる。
キー接触値が多重押し検出閾値以上のキーそれぞれと隣接するキーのキー接触値がリリース検出閾値以下である場合の携帯電話機100の動作例を説明する。
図9(a)、(b)は、それぞれ5キー、0キーのキー接触値の変化例を示す図である。
なお、時刻T30から時刻T32までの時間、時刻T32から時刻T33までの時間、時刻T33から時刻T35までの時間、時刻T35から時刻T36までの時間は、それぞれ100msであるものとする。
図9の時刻T32において、キー決定部113は、再び制御処理を開始し、図6のステップS1の判定を行い、この例では、多重押し検出閾値(580)以上であるキー(5キー)の数は1つであり(ステップS1:1以上5未満)、この例では、隣接するキーは存在しないので、隣接するキーのキー接触値がリリース検出閾値以下ではないと判定する(ステップS3:NO)。
また、対象キー(5キー)のキー接触値(632)から、対象キーの上のキー(2キー)のキー接触値を引いた値が、既定値(50)より大きいので(ステップS7:NO)、切替部112は、算出部111の状態を、調整状態から非調整状態へと切り替えさせ(ステップS9)、ステップS1から再び処理を開始する。
以下では、図6のステップS3で説明した、キー接触値が多重押し検出閾値以上である2つのキーそれぞれと隣接するキーのキー接触値がリリース検出閾値以下であることを検出する方法とは異なる方法で、ユーザの指等による通常の操作以外のタッチパッド102への接触を検出し、誤動作を防止する例を説明する。
<動作>
変形携帯電話機の動作について、図10を用いて説明する。
同図に示すように、変形携帯電話機の制御処理には、図6に示す実施の形態1に係る携帯電話機100の制御処理におけるステップS3の処理がなく、ステップS14及びS15の処理が追加されている点で、携帯電話機100の制御処理と異なるため、これらの相違点を中心に説明する。
変形キー決定部は、対象キーに隣接するキー、及び対象キーの2つ下のキーを除く各キー(以下、「特定キー」という)のキー接触値が多重押し検出閾値以上であるか否かを判定する(ステップS14)。例えば、対象キーが5キーの場合、1キー〜4キー、6キー〜9キー、及び0キー以外のキーが特定キーである。また、対象キーが、4キーの場合、1キー、2キー、5キー、7キー、8キー、*キー以外のキーが特定キーである。
再度、ステップS15で特定キーのキー接触値が多重押し検出閾値以上であるか否かを判定するのは、特定キーへの接触の開始が対象キーへの接触の開始より遅れて行われる場合があるためである。
≪実施の形態2≫
一般的な携帯電話機においては、通話中に、キー操作を行うと、操作を行ったキーの対応処理として、DTMFトーンが通話先に送信される。
ここで、通話中に、ユーザの顔等がタッチパッド102に接触した場合には、ユーザが指等で行う通常の操作と比較して、一般的に、長時間接触が継続することが多い。
<構成>
図11は、実施の形態2に係る携帯電話機200の主要部の機能構成を示すブロック図である。
ここで、計時部201は、タイマやカウンタにより実現され、制御部210の指示に従って、計時を開始し、長押し時間(例えば、1秒)を経過したときに制御部210に通知する機能を有する。
記憶部202は、基本画面及び表示状態情報を記憶するためのメモリ領域である。
また、制御部210は、実施の形態1に係る制御部110のキー決定部113、イベント通知部114、及び表示制御部116に代えて、キー決定部212、イベント通知部213、及び表示制御部214を含み、加えて、通話検出部211を含む。
イベント通知部213は、計時部201からの通知の有無及び通話検出部211による検出の有無に応じて、実施の形態1に係るイベント通知部114が通知するキー押しイベントの他、仮キー押しイベントとキャンセルイベントとを通知する機能を有する。仮キー押しイベント及びキャンセルイベントについては後述する。
例えば、以下では、通話中でない場合に1キーが接触されたときの対応処理は、サブLCD101に「1」が表示されるだけであるが、通話中に1キーが接触されたときの対応処理は、サブLCD101に「1」が表示されると共に、1キーに対応するDTMFトーンが通話先に送信され、スピーカ104から1キーに対応するDTMFトーンが出力されるとする。
アプリケーション実行部220は、実施の形態1に係るアプリケーション実行部120と同様、制御部210から通知されたイベントに応じた処理を行うイベントドリブンのアプリケーションとして機能するものであるが、上述のように、イベント通知部213からは、仮キー押しイベント及びキャンセルイベントも通知されるため、これらのイベントに対応する処理を行う点で、アプリケーション実行部120とは異なる。
携帯電話機200の動作について、図12を用いて説明する。
図12は、タッチパッド102からの入力に対する携帯電話機200の制御処理を示すフローチャートである。
同図に示すように、制御部210のキー決定部212は、図6のステップS1〜S5と同様に、多重押し検出閾値以上であるキーの数がいくつあるかの判定(ステップS21)と、各組合せに係る2つのキーと隣接するキーのキー接触値がリリース検出閾値以下であるか否かの判定(ステップS23)と、キー押し検出閾値以上であるキーが存在するか否かの判定(ステップS24)と、対象キーが決定済か否かの判定(ステップS25)を行う。
上記同様、ステップS21〜S25の処理を行い、ステップS25において、対象キーが決定済である場合(ステップS25:YES)には、後述する対象キーの対応処理を行い(ステップS31)、キー決定部212は、図6のステップS11〜S13と同様に、算出部111が算出した最新の各キー接触値に基づいて、リリース検出閾値以上であるキーの数がいくつあるかの判定を行い(ステップS32)、リリース検出閾値以上であるキーの数が0の場合に(ステップS32:0)、対象キーの決定の解除を行い(ステップS33)、
切替部112による算出部111の状態の切替処理(ステップS34)を行い、制御処理を終了する。
図13は、携帯電話機200の対象キーの対応処理を示すフローチャートである。
以下では、各イベントに含まれている識別情報が示す対象キーが1キーであった場合を例に説明する。
アプリケーション実行部220は、このキー押しイベントに基づいて、通話中でない場合における対象キーの対応処理を実行する。即ち、この例では、アプリケーション実行部220は、キー押しイベントに含まれる通話中でないことを示す情報に基づいて、このキー押しイベントに含まれる識別情報が示す対象キー(1キー)の数字等をサブLCD101に表示させるよう、表示制御部214に指示し、この指示を受けた表示制御部214は、サブLCD101に、対象キーの数字等(この例では「1」)を表示させる。
ここで、表示状態情報の更新は、例えば、現在の画面が通話画面であるため、この通話画面を示すように更新され、以下では、現在の画面が通話画面であることを「SET IMAGE=通話画面」と表すこととする。
アプリケーション実行部220は、仮キー押しイベントが通知されると、その仮キー押しイベントに含まれる識別情報が示す対象キーの通話中である場合の対応処理のうち、サブLCD101への表示に係る処理を行う。即ち、対象キーの数字等(この例では「1」)をサブLCD101に表示させるよう、制御部210の表示制御部214に指示する処理を行う。
ここで、キャンセルイベントとは、キーの押下が開始されてから長押し時間を経過したことを示すイベントであり、そのキーとして対象キーの識別情報を含むものである。
この指示を受けた表示制御部214は、記憶部202の表示状態情報に基づいて、ステップS41で通知された仮キー押しイベントに基づく表示に係る処理を実行する前の画面をサブLCD101に表示させ、表示状態情報を、その画面の状態を示すように更新する。
一方、ステップS42において、対象キーのキー接触値がリリース検出閾値以下である場合には(ステップS42:YES)、イベント通知部213はアプリケーション実行部220に、キャンセルイベントを通知し(ステップS45)、通話中であることを示す情報を含めたキー押しイベントを通知する(ステップS46)。
この結果、上述のステップS44の場合と同様に、アプリケーション実行部220は、まず、キャンセルイベントに基づいて、ステップS41で通知された仮キー押しイベントに基づく表示に係る処理をアンドゥするよう、表示制御部214に指示する処理を行い、この指示を受けた表示制御部214は、記憶部202の表示状態情報に基づいて、ステップS41で通知された仮キー押しイベントに基づく表示に係る処理を実行する前の画面をサブLCD101に表示させ、表示状態情報を、その画面の状態を示すように更新する。
この指示を受けた表示制御部214は、上述のステップS41の場合と同様に、対象キーの数字等(この例では「1」)をサブLCD101に表示させ、記憶部202の表示状態情報を更新する。
また、指示を受けた制御部210の音声処理部115は、対象キー(この例では1キー)に対応するDTMFトーンを、通信部103を介して通話中の相手に送信すると共に、対象キー(この例では1キー)に対応するDTMFトーンをスピーカ104から出力し、対象キーの対応処理を終了する。
以上、本発明に係る携帯端末を、変形例を含む実施の形態1及び実施の形態2(以下、単に「各実施の形態」ともいう)に基づいて説明したが、以下のように変形することも可能であり、本発明は上述した各実施の形態で示した通りの携帯電話機に限られないことは勿論である。
(2)各実施の形態に係る携帯電話機は、図3に示すように、サブLCD101とタッチパッド102とが別個に存在しているものとして説明したが、サブLCD101とタッチパッド102とを組み合わせた、いわゆるタッチパネルを含むものであってもよい。
また、タッチパネルは、使用する表示機器として、画像等を表示するLCDで文字等を表示する場合に限定されるものではなく、照明部とこの照明部の上に配置され、文字や図柄の形をした透過部とを有するシートとの組合せ等を用いることもできる。この場合、ユーザは、例えばシート上の所定の文字の形の透過部の位置を押下することにより、タッチパッドの静電容量を変化させ、当該シート上の所定の文字の入力を行う。
即ち、キー接触値は、上述したように、タッチパッド102から出力される静電容量を表すための値に基づいて算出されるため、ユーザの指等がキーに接触していない状態においてタッチパッド102から出力される静電容量を表すための値を予め測定しておき、その値に基づいてGNDを決定することが望ましい。
(5)各実施の形態においては、ユーザの指等で操作した場合に、同時に4つまでのキーに接触し得るとの前提の下、接触されているキーの数が5つ以上であった場合に、多重押しと判定するものとして説明したが、これは一例であり、2つ以上の既定数のキーが接触された場合に多重押しと判断するようにしてもよい。なお、ユーザの指等で操作した場合に同時に接触し得るキーの数は、ユーザの指の大きさ等により多少のばらつきがあると考えられる。従って、例えば、各実施の形態に係る携帯電話機の運用開始時において、実際にユーザにキー操作を行わせ、いくつのキーが同時に接触されたかをカウントし、その数以上のキーが接触された場合に、多重押しと判断するようにしてもよい。また、ユーザが多重押しと判断すべきキーの数を設定できるようにしてもよい。
図6及び図10のステップS2、図12のステップS22が実行されるときには、ユーザの顔等がタッチパッド102に接触している等、ユーザの指等による通常の操作が行われている状況ではないと考えられるためである。つまり、このような状況では、次のキー操作に対応する処理をなるべく早く行えるようにする必要性が低いと考えられるためである。
(7)図6及び図10のステップS7と図12のステップS27では、対象キー(キー接触値が最大値であるキー)のキー接触値と、対象キーの上のキーのキー接触値との差分が既定値(この例では50)以下であるか否かを判定するものとして説明したが、対象キーの上のキーだけなく、対象キーの右及び左のキーのキー接触値との差分が既定値以下であるか否かを判定するようにしてもよい。この場合、対象キーのキー接触値と、対象キーの上、右、及び左のキーのキー接触値との差分をそれぞれ算出し、算出したいずれかの差分が既定値以下である場合には、差分が最も小さくなったキーに対象キーを決定するようにしてもよい。
(8)また、図6及び図10のステップS7と図12のステップS27では、対象キー(キー接触値が最大値であるキー)のキー接触値と、対象キーの上のキーのキー接触値との差分が既定値(50)以下であるか否かを判定するものとして説明したが、例えば、対象キーの上のキーのキー接触値がキー押し検出閾値より大きい既定値以上であるか否かを判定するようにしてもよい。上述の(7)で説明したように、対象キーのキー接触値との差分を算出するキーを、対象キーの右のキー、及び(又は)左のキーとした場合においても、同様の変形が可能である。
(9)実施の形態2では、携帯電話機200のアプリケーション実行部220は、通知された仮キー押しイベントに基づいてサブLCD101の表示を更新する処理を行う例を説明したが、この表示の更新処理と共に、タッチパッド102からの入力が誤接触であった場合に比較的大きな影響がある処理以外の処理を行うようにしてもよい。例えば、(A)ユーザにより接触されたボタンの数字をダイヤル操作に備えてバッファに記憶する処理や、(B)カーソルを移動する処理や、(C)内蔵カメラの撮影処理を行うようにしてもよい。なお、(A)の処理を行った場合において、キャンセルイベントが通知されたときの処理の例としては、バッファに記憶された数字を破棄する処理が挙げられ、(B)の処理を行った場合において、キャンセルイベントが通知されたときの処理の例としては、移動したカーソルを元に戻す処理が挙げられ、(C)の処理を行った場合において、キャンセルイベントが通知されたときの処理の例としては、撮影した画像を削除する処理が挙げられ、キー押しイベントが通知された場合の処理の例としては、シャッター音をスピーカ104から出力する処理が挙げられる。
(10)実施の形態2に係る携帯電話機200に、実施の形態1の変形例で説明した、ユーザの指等による通常の操作以外のタッチパッド102への接触を検出する方法を適用しても良い。
即ち、この変形に係るタッチパッド(以下、「変形タッチパッド」という)が、キー毎に、接触面積の増減に応じて0〜1024の範囲で増減する値を出力するようにし、この変形に係る算出部(以下、「変形算出部」という)が自己の状態(非調整状態と調整状態)に応じて、キー接触値を算出するようにしてもよい。
(13)各実施の形態において説明したタッチパッド102からの入力に対する処理(図6、図10、図12参照)をCPUに実行させるためのプログラムを、記録媒体に記録し又は各種通信路等を介して、流通させ頒布することもできる。このような記録媒体には、ICカード、光ディスク、フレキシブルディスク、ROM、フラッシュメモリ等がある。流通、頒布されたプログラムは、機器におけるCPUで読み取り可能なメモリ等に格納されることにより利用に供され、そのCPUがそのプログラムを実行することにより各実施の形態で示した携帯電話機の各機能が実現される。
これにより、本発明に係る携帯端末の実施の形態のタッチパッドは、物体が近接した状態も検出できるので、例えば、ユーザの顔等がタッチパッドに接触した場合、若しくは、ユーザの顔等がタッチパッドに非接触であるが近づいた場合、タッチパッド上の既定数以上の範囲についての算出部が算出した値が第2閾値以上となった場合には、ユーザの顔等が接触した場合、若しくは、ユーザの顔等がタッチパッドに非接触であるが近づいた場合による誤動作を適切に防ぐことができる。
これにより、本発明に係る携帯端末の実施の形態は、算出部が算出した値が第1閾値以上の最大の値である範囲を対象範囲として決定する。ユーザが指等を接触させようとした範囲についての接触の度合いは、最も高くなると想定され、つまり、この範囲についての算出部が算出した値は最大になると想定される。
(17)本発明に係るタッチパッドは、各実施の形態に係るタッチパッド102に相当し、本発明に係る算出部は、各実施の形態に係る算出部111に相当し、本発明に係る保持部及び決定部は、各実施の形態に係るキー決定部に相当する。
3 入力キー
4 LCD
100、200 携帯電話機
101 サブLCD
102 タッチパッド
103 通信部
104 スピーカ
105 マイク
106 バイブレータ
110、210 制御部
111 算出部
112 切替部
113、212 キー決定部
114、213 イベント通知部
115 音声処理部
116、214 表示制御部
120、220 アプリケーション実行部
201 計時部
202 記憶部
211 通話検出部
Claims (4)
- 接触が検出されると、当該接触の度合いを示す値を出力するタッチパッドと、
前記タッチパッドから出力された接触の度合いを示す値に基づいて、当該タッチパッド上で接触が検出された範囲毎に、当該範囲の接触の度合いを示す値を算出する算出部と、
実行すべき処理が割り当てられている対象範囲を決定するための第1閾値と、第1閾値より小さい第2閾値とを保持する保持部と、
前記タッチパッド上で接触が検出された範囲のうち、前記算出部により算出された値が第2閾値以上である範囲の数が、既定値未満である場合には、前記算出部により算出された値が第1閾値以上である1つの範囲を対象範囲として決定し、前記算出部により算出された値が第2閾値以上である範囲の数が既定値以上である場合には、対象範囲の決定を行わない決定部とを備える
ことを特徴とする携帯端末。 - 前記タッチパッドは、静電容量の変化により前記検出を行うものである
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。 - 前記決定部は、前記第1閾値以上である範囲のうち、前記算出部により算出された値が最大の値となる範囲を、前記対象範囲として決定する
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。 - 接触が検出されると、当該接触の度合いを示す値を出力するタッチパッドを備える携帯端末に、
前記タッチパッドから出力された接触の度合いを示す値に基づいて、当該タッチパッド上で接触が検出された範囲毎に、当該範囲の接触の度合いを示す値を算出する算出ステップと、
実行すべき処理が割り当てられている対象範囲を決定するための第1閾値と、第1閾値より小さい第2閾値とを保持する保持ステップと、
前記タッチパッド上で接触が検出された範囲のうち、前記算出ステップで算出された値が第2閾値以上である範囲の数が、既定値未満である場合には、前記算出ステップで算出された値が第1閾値以上である1つの範囲を対象範囲として決定し、前記算出ステップで算出された値が第2閾値以上である範囲の数が既定値以上である場合には、対象範囲の決定を行わない決定ステップとを実行させるための入力制御プログラム。
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